YIIK: ポストモダンRPG

選評

選評1

※本選評はネタバレを含みます。

■私が確認したバージョン情報
 ハード:PS4PRo
 ドライブ:内蔵SSD(2050GB Crucial MX300 2.5-inchi SSD)
 verision:1.06(タイトル画面左下に記載されているバージョン情報)

■ソフト情報
 名称:YIIK: A Postmodern RPG
 プラットフォーム:PS4、Nintendo Switch
 開発:Ackk Studios
 ジャンル:RPG
 販売形式:ダウンロード販売のみ
 標準価格:1980円

■シナリオ
 ※シナリオ自体がクソゲーとして賛否両論なので細かく書いています。もちろんネタバレを含みますので注意してください。

 ○導入
 1999年、物語の主人公アレックスは街で見かけた猫を追って工場跡地へと向かう。建物の中を進むアレックスは果ての見えない広大な空間にたどり着く。彼は戸惑いながらも好奇心に掻き立てられるのか立ち止まることなく足を進める。そして、その奥で同じように異空間に迷い込んだ少女、サミーと出会うのだった。
 アレックスとサミーの二人は元の廃工場になんとか辿り着く。安堵のひとときを迎えた二人はエレベータに乗る。しかし、そのエレベータの戸が開いた先で姿を表したのは異形の生命体だった。
 生命体を目の当たりにしたサミーは叫ぶ。
「放して約束したじゃない!もう連れて行かないって!」
 その言葉が何を意味しているのかはわからないが、彼女が抱いた恐れは現実となり謎の生命体に連れ去られてしまう。何かの力が働いているのだろうか、連れ去られる彼女の苦悶の表情を浮かべ、瞳からは血の涙を流していた。サミーはアレックスに何度も何度も助けを求める。手を伸ばすアレックス、しかしその手は彼女に届くことはなかった……


 ○ゲーム中の原理原則※ネタバレ
 過度のストレスを加えられるとアストラル投射が起きて、肉体と魂が分離される。分離した魂は物質世界とは別の精神世界にいくこともできるし、並行世界にいくこともできる。並行世界にいった魂は自分に適合した肉体があれば受肉化できる。この適合した肉体とは主に並行世界の自分自身を指す。

 ○関係ありそうで関係ないもの
 YⅡK問題、ノストラダムスの大予言

 ○ネタバレストーリー中核のみ概要※ネタバレ
 失踪したサミーを探すアレックスは、ローリーの妹の事件で上記のゲーム中の原理原則を知る。その上でサミーが自分からアストラル投射を起こしたという考えに疑問を感じていた。そんな折、白いアストラル体からレコードを探すように頼まれた彼は、ヴェラが別世界のアストラル体であることを知る。電波塔からヴェラの曲を流した一行はアンドロイドの少女。エッセンシャル2000に出会う。エッセンシャル2000が言うにはヴェラとサミー、エッセンシャル2000は並行世界の同一人物らしい。更にアレックスは彼自身が世界を滅ぼす存在になることを知らされる。この世界は、壊れかけていて本来であればマイケルは10歳のときに引っ越しており、代わりにサミーがやってきていることが発覚する。2000年1月1日にやってくるアレックスに向けて皆は戦いの準備をし始める。
 2000年1月1日に現れたアレックスの顔をした隕石に一行は敗れ、アレックスはアストラル体になることを決める。やがて彼は並行世界のアレックス達が集まる集合意識体へと合流する。そこでかつて自分たちの世界を破壊したプロト=アレックスたちに一緒に世界を破壊しないかと誘われるがアレックスはそれを拒む。アレックスはヴェラと同様に他の世界で受肉しようとする。そこに現れたのは、名前も姿も変わってしまっているが、かつての仲間達だった。
 「ウマ、エムブイティ、ジェム、ガンブレ、リアルタイムカスタマイズ!」
  ※適当に名前を付けててここで吹いた。
 意気込んでプロト=アレックスの元にたどり着いた一行、彼らを待ち受けていたのはプロト=アレックスとエッセンシャルだった。実は彼女は並行世界のヴェラではなく、並行世界の女版アレックスだった。激戦の末、アレックスは再び敗れる。しかし、ロイという謎の人物がアレックスを助けてくれた。このままでは勝てない。考えたアレックスはエッセンシャルとプロト=アレックスの電源コードを抜くことにした。
 「終わった。すべて終わった。俺たちのことを頼むよ」
 世界はすべて破壊され、アレックスも何もかもがなくなった。終劇。

 ……冒頭は良いのに、その後がくそシナリオ。後半に行くほどクソ。


 ○シナリオ逆引き※ネタバレ
 エッセンシャル2000 :黒幕。アレックス、およびプロト=アレックスと同一人物。最初に並行世界のヴェラやサミーだと言って騙してくる。目的はプロト=アレックスを殺してアレックスの集合意識体を牛耳ること。そのため、刺客としてアレックスを育てていた。
 ヴェラ:並行世界で信じてたアレックスに浮気されアストラル化。物語の中心となる世界に移動してきて受肉化する。
 マイケル:並行世界で助けを求めてきたアレックスを見捨ててアストラル化。世界が崩壊しかかっている影響で合体した。デフォルトで空を飛ぶ。
 アレックス:自分が世界を破壊してアストラル化。エッセンシャルやプロト=アレックスと同一人物。つまり世界が破壊されるたびに集合意識体のアレックスはどんどん増えていってる。

 サミーがアストラル体になる経緯が不明であることと、アレックスが大学に入る前あたりで様子が変わっていることから、その時期に何かが起きていたと推測されるが、シナリオに直接結びついていない。


 ○シナリオの良い点
 序盤の引き込み具合は悪くない。ローリーの妹の話辺りから主人公アレックスの性格による影響のためか、徐々に感情移入ができなくなってくる。
 ノスタルジックな雰囲気は良い。

 ○シナリオの悪い点
 明らかな情報過多。その上、何度も裏を返してくるので読んでてつらい。
 バックログ機能がない。アドベンチャーにしてしまったほうが良かったと思う。
 用語集がない。
 以上の三点から、物語が進むに連れ、ついてこれないプレイヤーを蹴落とす仕様になっている。

 ○アレックスの台詞や独白が酷い
  ※「」内は原文そのまま
 「ケチを付けたくて仕方がない」→ヴェラがソウルサバイバーの説明を始めたときの独白。
 「お前の妹なんかどうでもいい。俺たちが死ぬところだったんだぞ。お前は俺たちを利用したんだ。サミーの事件に関係があるように振る舞ってな」→妹が死んだローリーに対して
 「貯金は?蓄えはあるんだろ?」→仕事をクビになった母親に対して
 「30ドルもあればいいだろう」→バイトを抜け出すことをためらったヴェラに対して
 「それはー…遠慮しておくよ」→無職のアレックスに仕事を紹介したローリーに対して。その後、アレックスの学士号取得マウントが始まるが、ローリーの職場でも学士号や博士号取得者がいることを説明されると黙る。
 「俺は女を愛したことがない」→独白。

 ○全体的に説教臭い
 親のスネをかじって大学を出たアレックスに対し、それを非難するような会話が何度も何度も入る。
学生ローンや卒業後の就職などの話がキャラクターの口から語られる。こういった会話が入るたびにアレックスの雰囲気が悪くなる。なお、物語の進行上、必要な設定だったのかは疑問が残る。
 恋人?の浮気を目撃する設定があるのだが、これが二度繰り返される。わざわざ天丼する意味があったのだろうか。
 「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」を地で長々説明する。しかも、それが直接的な原因ではないので必要ない設定にも感じられる。
 人種差別に対して敏感な会話がちょくちょく入る。仲間内の会話でも流れをぶった切って入ってくる。なお。シナリオ上の必要性は皆無である。


■キャラクター
 アレックス:大学卒業後ニート生活を楽しんでいる。少なくても1留。
 サミー:謎の少女。
 マイケル:カメラが趣味。
 ベラ:ゲーセンの店員。
 ローリー:肉壁
 クラウディオ:レコード店の店長。アニメ好き。
 ショーンドラ:クラウディオの妹。ウインドウにより立ち絵の太ももが見えそうで見えない。
 エッセンシャル2000 :お気に入りだったのに。


■戦闘関連
 ○エンカウント
 フィールドはランダムエンカウント、ダンジョンやタウンではシンボルエンカウントとなっている。ただし、レベルを上げすぎるとランダムエンカウントでも敵が出なくなる。敵シンボルは一度撃破すると一部を除きリポップはしない。タウンでの敵シンボルは街の住人と区別がつかないので注意が必要となる。その他に宝箱からミミックというモンスターが出現することがある。

 ○概要
 ターンバトル制だが、頻繁にミニゲームが入る。ミニゲームについては糞度が高いので後に別記している。全滅時もHP、PPが全回復し戦闘開始から再戦できる。ペナルティーは特にない。

 ○バトル中の数字の表記
 実際のダメージがとてもわかりにくい。ミニゲーム中に敵へのダメージ演出とともに数字が表示されるが、それは意味のない数字である。ウインドウに表示される「○○にダメージ!」と表現される数字が真値となる。敵キャラに数十もの数字が表示されているのに下のウインドウでは1桁の数字が表示されていることもある。なお、ウインドウに表示される実際のダメージ値は一瞬だけ表示されて即消える技もあるので注意が必要である。

 ○ミニゲーム
 ターンバトルの単調な戦闘を飽きさせないためにか攻撃時、スキル使用時、防御時、逃走時など随所で様々な種類のミニゲームが発生する。このミニゲームは指示されたボタンをタイミングよく押すといったもの等で、これ自体は特にレスポンスが悪い等ということもなくさほど問題ではない。ただし、あまりにも頻繁に入りすぎている。例えば4人パーティで敵が3体出現した場合、1ターンに計7回(味方の攻撃xパーティ人数+敵の攻撃x敵人数、)のミニゲームが発生する。敵の全体攻撃時は仲間全員一人ひとりにミニゲームが発生する。これにより1ターンに10回ミニゲームになることも多々発生する。これらの過剰なミニゲームにより戦闘時間が間延びし、ゲーム進行のテンポが著しく悪くなっている。
 また、ミニゲームの説明がないものや表示が間違っているものがある。特に逃走時のミニゲームで表示ボタンが間違っているのは致命的で、逃走を検討する=危機的状態に陥っていることがほとんどだと思うが、このボタン間違えに気づくまでは何度も回り込まれ更に危機的状況に追い込まれることになる。

 ○戦闘バランス
 一部例外(後述)があるが、ゲーム全編を通してミニゲームでフルコンボをつなげることを前提に戦闘バランスが調整されている。また、全部のミニゲームをミスすると攻撃時であれば失敗、防御時では大ダメージを喰らうなどのペナルティが発生する。よって、戦闘の難易度(=ゲームの難易度)はプレイヤースキルに大きく左右される。とは言っても、後述するアシストモードによる緩和措置や壊れスキルもあるのでさほど苦労することはないと思われる。

 ○スキル:LPスロー
 アレックスがLV8(選評者は下水道で取得)で覚える。ミニゲームはシューティングで、モンスターが多いほどシューティングの的も増える。おおよそ1-35ヒットくらいする。序盤にLPスローを覚えた直後(Lv8)だと、アレックスの通常コンボ8連のダメージと同程度の全ダメージ量の全体攻撃である。これがLv30くらいになると、通常コンボ8連の10倍相当のダメージを全体に与えるようになる。STR62だと、消費PP7のEPストライクで単体に90ダメージに対し、消費5のLPスローがミニゲーム1回成功だけでも全体に240ダメージを与える。これは、LPスローがミニゲームでの成功数が1回でも35回でも10%ほどしかダメージが変わらないためである。
 更にLv37で通常攻撃8連の15倍の250ダメージ、Lv43で通常攻撃8連の50倍の1200ダメージほどになる。ここまでくると、他の攻撃をする意味がなくなっている。最終的にはラスボスも一撃でゲージがなくなる。(後述するが実際は少し残る)
 なお、このLPスローは後述するタイムエネルギーを使ったスローモードと相性が悪いという特徴があるのでその点だけは注意してほしい。

 ○その他スレで話題に上がったスキル等
 マイケルは「ヘイトショット」というスキルを初期状態から習得している。前述した画面上の意味不明な数字が低い数字を示すためカススキルのように思えるが、ウインドウを確認すると、多少マシなダメージを与えていることがわかる。一例だが、画面上の演出は[1,1,1,1]でも12ダメージ与えていた。逆にヴェラの通常攻撃は、表記が[1,4,8,12]で4ダメージのこともあった。画面上の数字はダメージではなくヒット数ではないかと思われる。混同しないように。

 ○タイムエネルギーによるスローモーション
 L2ボタンを押しっぱなしにしている間、戦闘画面右上に表示されているタイムエネルギーを消費し、ミニゲームの目押しがスローモーションになる。このとき通常だと3回ボタンを連打できる間隔に対し11回連打ができることから約1/4倍くらいに遅くなっていると推測される。このタイムエネルギーを使えばミニゲームのタイミングが取りやすくなり、難易度が劇的に下がる。タイムエネルギーはターン経過や敵からダメージを受けるなどしたときに少しずつ溜まる。
 なお、メニューのコンフィグからアシストモードの変更ができる。これをONにするとバトル中にタイムエネルギーのゲージの残量に関わらず無制限に使用することができる。アレックスの通常攻撃および、クラウディオの「武士の心得」の威力があり得ないほど上昇し、完全にゲームバランスが壊れる。
 注意事項としては、戦闘をスローにする仕様なので決して戦闘時間が短縮されるわけではない。この方法ではテンポの悪さは健在である。

 ○まとめ
 楽をしたければ、序盤はLPスローの全体攻撃とアレックスの単体攻撃(+スロー)とを使い分ける。中盤はクラウディオの武士の心得(+スロー)も併用する。終盤は開幕LPスローのみでよい。何かの間違えで仲間にターンが渡ったときには防御させるのがベストだろう。どうせ次のターンにアレックスがLPスローで決めてくれる。
 エンティティにはアレックスの攻撃はLPスローも含め一切効かないので、ヴェラのバニッシュやエッセンシア2000の通常攻撃で対抗することになる。工場跡のエンティティはエッセンシア2000の攻撃しかダメージを与えられないので注意。

 以上から、パーティキャラを決める際にミニゲームの難易度が重視され、必然的に使うキャラが固定化される傾向にある。公式チートで進めるならアレックスだけで良いため他は肉壁と化す。


 ■敵キャラクタ
 特徴的なモンスターだけ書いておく。

 ○雑魚敵
 「ミミック」
 HPが異常に高い。中盤ではLPスローでも簡単には倒せない。タイムエネルギーによるスローモーションを駆使しても苦戦する。ミミックの場合、宝箱に「ダリ」をぶつけても開かないので判別できる。なお、普通の宝箱でいくら「ダリ」をぶつけても開かないものも存在するので注意が必要。

 ○「シープマン」
 早い上に全体攻撃を行うため、戦闘開始直後に防御のミニゲームを8回することになる。絶許。

 ○中ボス
 「黄金のアルパカ」
 雑魚を吸収してどんどん狂気じみた姿へと変貌する。少し面白かった。エンティティを食べることができるこいつが何者なのかは最後まで語られなかった。

 ○ラスボス(Aルート)
 ラスボスは負けイベントである。5章の成長イベントはなんのためにあったのかと疑問に思う。戦闘バランスが崩壊したタイプの負けイベントではないので、アレックス達を成長させればさせるほど戦闘が長引く。体力ゲージは残り少しで減らなくなるのだが、Lv53のアレックスによるLPスロー1ヒットでその状態になってしまうので最大HPはいくつなのかは未知数である。

 ○ラスボス(Bルート)
 Bルートにラスボスどころか戦闘が存在しない。強いて言うなら扉が強敵。「ダリ」をぶつけることに気づくのに30分かかった。ちなみにその扉の隣にある扉は!マークが出るただのダミーなので注意。「ダリ」をぶつける扉には「!」吹き出しはない。



■謎解き
 序盤は簡単すぎるが、ヴェラのマインドダンジョンあたりからは良い難易度。
 はしごや人間などを運ぶ△ボタンの説明、ろうそくを炎を押しっぱなしで消せることなど操作面で気づけないことが多々あったのが難点。檻の中にワープで戻されるところはスケボーで突っ切ったんだけど、あれは正解だったのだろうか。


■システム関連
 ○キャラクターの成長
 経験値を溜めてのレベルアップ方式。レベルアップ時に主人公アレックスについては、どのパラメータにどれだけ割り振るのかを任意で決められるカスタム成長要素がある。
 ただし、この割り振りは「マインドダンジョン」と呼ばれる脳内のダンジョンでしか行うことができず、1レベル上げるごとに階段を降りたり会話したりしないといけない。
 エンティティが扉に取り付いていることがある。扉を開けようとするとヴェラのバニッシュ同様のミニゲームが始まる。エンティティに負けると、その扉で設定したステータス上昇は恒久的に得られなくなる。勝つと通常より上昇値が高くなる。
 メニューで割り振れるように出来なかったのだろうか。
 

 ○ペルソナ進行
 5章は進行が1-4章とは異なる。
 「マインドダンジョンでトレーニング」は一切トレーニングできない。実際は「友達と遊ぶ」が固定でLvが1上がるトレーニングである。このペルソナ進行では、マインドダンジョンはセーブポイントから入れないので注意が必要。なお、クエストをクリアすると強制的に翌日になるので注意。マインドダンジョンのセーブしたデータを読み込んだ場合も翌日になる。
 流石にこれはポストモダンではないだろとツッコミを入れたい。


■グラフィック
 移動時は3Dだが、PS3レベル。カクツキが多少気になる。ヴェラがずっと怒り顔である。キスした直後の立ち絵では赤ら顔なのに、3Dは怒り顔である。
 立ち絵は良い。ヴェラとのキスシーンの立ち絵は別にある。ローリーのキスはなかった。
 ステータス画面の顔グラは酷い。特にショーンドラ。どっかの黒人レスラーのようになっている。


■BGM
 良い。ミニゲーム時にBGMと連動していたらなお良かっただろう。


■バグ
 ※すべて確認済み

 ○開始時のバグ
 現行のバージョンでセーブデータなしの状態でゲームを新規開始すると、すべてのアイテムがnoneと表示され進行不能になるバグが存在する。この状態ではメニューにステータスやキャラ画像が表示されない、メニューから装備画面を開いたり街から出ようとするとPS4がフリーズするなど様々な現象が起きる。セーブを行いソフトを再起動することで正常な状態に復帰することを確認した。

 ○コンフィグからタイトルに戻り、連続してタイトルからロードすると、たまに決定とキャンセルが入れ替わることがある。特にアレックスの家の1Fで顕著に起こる。画面移動すると直るためこのまま戦闘に入ったことはない。

 ○ヴェラのスキル「癒やしの歌」中にタイムエネルギーを使用するとフリーズすることがある。ダンジョンの奥深く、連続ミミック戦でこのバグが発覚したので泣きたくなった。

 ○アレックスの家でセーブをした後、一度フリーズするとロード後も外に出ることができないことがある。再度セーブしてから再起動すると再び扉が開くようになることがあった。ただの再起動では直らない。

 ○エッセンシアのマインドダンジョンのウェンディに右から話しかけキャンセルすると、壁の上にたどり着けてしまう。


 ○「Clear every monster den.」のトロフィーが取得できないことがある。フラグがおかしいのか一部のダンジョンでモンスターが発生しないためこの現象が起きる。


■その他
 ○ゲームの進行状況の確認
 目的地がわからなくなったときは、メニュー画面のヒントに次の目的地が書かれている。そのため迷うことは少ない。

 ○シナリオ分岐など
 エンディングは二種類用意されている。三種類目が示唆されていたがそれはゲーム外なので、KOTYで審議するべきことではないだろう。

 ○レスポンス
 ボタンのレスポンスが悪いことがある。特にマインドダンジョンの扉の開閉。一度キャンセルをすると、その場では○ボタンを受け付けないことが多かった。おそらく一度○ボタンを押した場所で連続して○ボタントリガーのイベントが発生しないように処理されている。

 ○ゆれる画面
 人物に話しかけたときにアップになるのだが、たまにそのまま画面がゆらゆらと揺れ続ける。

 ○日本語訳
 良い。

 ○決定ボタンの仕様
 セーブおよびロードをするときだけ、上書きの確認のみ決定ボタンが「☓」になる。
 
 ○自宅前の墓にエアリス
 ヴェラのマインドダンジョンに潜ることができるタイミングで自宅前の墓にエアリスが現れる。墓標にはⅦの文字。製作者いわく「アレックスの悔恨の象徴」らしい。おそらく無許可。

 ○はしごの持ち運びは△ボタン
 ヴェラのマインドダンジョン攻略に必要なのだが、なんの説明もない。厳密には最初のダンジョンで説明を受けるのだが、それ以降使わないので仕様を忘れやすい下地が作られている。同様の事例として生贄や扉も△ボタンで持ち運ぶ。

 ○Item整頓
 △ボタン。ただし武器の順番がめちゃくちゃ。

 ○高速化
 フィールド移動中に□ボタンを押しっぱなしで高速移動。
 Item選択中に□ボタンを押しっぱなしで高速移動。
 戦闘中にR2ボタンを押しっぱなしで高速化。

 ○スケートボードによる移動
 上述した□ボタンより高速移動が可能だが、坂に弱く僅かな上り坂でも頻繁に停止する。

 ○一部英語のまま
 医薬品だけ説明文が英語のまま、風車の原っぱも英語のまま。フォントも異なるので処理ミスと思われる。

 ○クリア後
 経験値を引き継いでの強くてニューゲームができる。しかし、二週目をやる人間はよっぽどの物好きだと思う。

 ○Tips
 ロード時間には画面端にTipsが表示される。
 「しっているかい?ほとんどの絵の具は有毒なんだよ」


■所感
 良さと悪さが混在するタイプのクソゲー。せめて戦闘に特化するのか、シナリオに特化するのかどちらかを選ぶべきだったと思う。このどちらから一方が好きだったとしても、もう片方が確実に足を引っ張っているため、どちらかが琴線に触れてもトータルはクソゲーという結論になる。
 全体的に雑で詰め込みすぎ。ミニゲーム+アストラル投射+多元宇宙論+5章だけペルソナ風システム。そして詰め込みすぎたせいかどれも雑に終わっている。個々の説明不足や調整不足を他で補おうと手を伸ばしているかのように感じた。



■おまけ
 ろくな日本語の攻略サイトがないため

○POGの場所
 フランクトン:アレックスの家1Fの本棚
 フランクトン:ヘアーウィップで切る茂み
 廃工場:コンテナ
 ウインドタウン:コンビニの後ろの見えないゴミ箱
 ショッピングモール:左奥のゴミ箱
 山の電波塔:宝箱
 フラッグスタウン:右端
 マウンテンタウン:落下するエリアの先の宝箱
 エッセンシア2000のマインドダンジョンボスのドロップ
○POG(レア)の場所
 フランクトン質屋(4章から)

■選評rev.1.01(20190603)
 誤字修正および微修正。Item整頓に明らかな間違えがあったので修正。