[[2011年 次点]]

#contents
*概要 [#d3ceeb4a]
|名称|Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の恋活〜※1|[[http://ecx.images-amazon.com/images/I/51mwA6FWKvL._SL500_AA300_.jpg>http://www.amazon.co.jp/dp/B004EWEX1C/]]|
|ジャンル|ファミレス恋活ADV+SLG|~|
|対応機種|Xbox 360|~|
|発売元|PIACCI|~|
|開発元|PIACCI / カクテル・ソフト|~|
|発売日|2011年2月24日|~|
|価格|通常版:6,980円(税込7,329円)※2|~|
|対象年齢|CERO:C(15歳以上対象)|~|

-※1:タイトルは「恋活」と書いて「''バイト''」と読む。昨今話題のDQNネームも真っ青なセンスのなさである。
--ちなみに発売日は真冬。季節物の作品を、なにも真反対のシーズンに出すことはないのではなかろうか。
-※2:一応公式に則って「通常版」と書いてはいるが、本作に限定版は''存在しない''ので念の為。
--じゃあなんで通常版と表記したのかは謎。
--単純に限定版のためのアイテム(新録のドラマCDや設定資料集など)を揃える予算も尽きていたのではないか、という説が濃厚。
~
~
-[[公式サイト>http://www.piacci.co.jp/pia4/]]

*参考動画 [#h29df2ea]
-[[OP>http://www.youtube.com/watch?v=SvES67ohhR0]]

*要点 [#w82ae92c]
ファミリーレストランを舞台に、そこで働きながら同僚の女の子と仲良くなりカップルを目指すゲーム、『Piaキャロットへようこそ!!』シリーズの最新作。~
エロゲとして発売された物を移植した本作だが、元からしてエロぐらいしか取り柄がないとボロクソな評価だった代物を移植するという完全に誰得の所業。~
しかも、一部キャラのルートを廃止、移植前には存在しなかったバグを多数追加、Hシーンのカットも適当と、明らかな手抜き仕事がそこかしこに散見。~
シナリオも過去作に輪をかけて酷く、SLG部分の造りも適当で、購入者をしてこのゲームを買う必要は全く無いと存在そのものを否定された。~
スレでの略称は「Pia4(ぴあふぉー)」、ライターの頭の悪さが滲み出たシナリオ並びに頭のネジが外れた登場人物達に肖り、「''Pアフォ''」と呼ばれる様にもなった。


-全8人居る攻略キャラの内、''7人''のルートはあまりにもシナリオが薄く陳腐で、キャラ(主人公含む)の思考もおかしい。
--朱美:頭の残念な人が''1人で勝手に大騒ぎ''。第三者が解決してくれるので主人公は蚊帳の外。最後''何故か妊娠する''。
---グラフィックも「3」に比べて大分劣化し、中身もただのポンコツキャラに成り下がっている。後日談はプレイヤーが驚愕する事必至。
--よしみ:''格ゲーしてたら彼女できた''。何を言ってるかわからねーと思うが…。あと''最後妊娠する''。
---後述するが、移植に際し削除された彼女の母親のルートとシナリオが共通の為、纏めて''キングクリムゾン''されてしまった模様。哀れ...
--さゆり:''ストーカーしてたら相手が彼女になった''。お互い夢を叶えようとか言うけど、別に主人公は何もしない。
---ヒロインは夢が驚く程あっさり叶ってあっという間に終了。主人公は夢に向かって努力する行動はしないが、''犯罪一歩手前''の行動は起こす。
--ミサ:兄妹喧嘩して、即仲直りしたらなんか''愛情が芽生えたのでセクロスした''。
---実の妹と行為に及ぶというソフ倫大激怒なシナリオ。展開の全てが場当たり的で、大概投げっぱなしか台無しにして終わる。
--彩花:趣味を理解してやったら彼女になった。それだけでもう使える設定がなくなったので後は父親と消化試合。
---中盤まで散々しつこく引っ張った伏線が、ただの''鉄道オタク落ち''。トラックに轢かれそうになった父親を助けたら、交際を許して貰えましたとさ。おわり。
--ゆな:毎日走ってたら最後は全力で走れるようになった。それだけ。''存在する必要がない''。
---つまらないだけなので、名前すら忘れそうになる程の空気。メインヒロインなのに、隠しキャラである「はるな」ルートのおまけと化す''逆転現象''。
--蒼空:''ストーカーが落ち込んでる女性の心に付け込んで彼女にしてしまう話''。
---まるで意味を成さないヒロインの天才設定。あまりにもうざい主人公に''本気の殺意''を抱くこと請け合いの最低最悪のシナリオ。 
--はるな:自分の夢の元となった少女と再会し、また夢に向かって頑張ろうという話。ゆなは振られる。
---選評者曰く、まともと呼べるのはこのルート''だけ''。だが、簡単に先が読める展開で練り込み不足な上、薄いのは相変わらず。


-攻略キャラの内殆どのルートは、シナリオに「事件」とかそういった要素が''一切無い''。 
--「○○という出来事があって、その時は大変だったけど、このおかげで2人の絆がより深まった」みたいな事も''まったく無い''。
---何の前触れもなくいきなり「一緒に花火を見よう」と言われ、何の前触れもなくいきなり「好きよ」と言われ、何の脈絡もなくいきなり恋人同士になる。

-設定に関してはこのゲームの場合、そもそもプレイヤーは「把握」や「理解」ができない。
--イベントのたびに突然「''新設定''」を作って進行させておいて、イベントが終われば「''そんなこと無かった''」と言わんばかりにその設定には一切触れない。 
---基本的にいきなり新設定が飛び出してきたら、''そのまま投げっぱなしになる''と考えた方がいい。
---しかもこのような投げっぱなしイベントに多くのイベントCGを割いているので「重要な設定か!?」と誤解させがち。
--特に、主人公の足の怪我に関しての設定はイベントの度にころころ変わるので、もはや何が本当の事なのか分からない。

-Hシーンを全カットした弊害か、唐突にヒロインと付き合っていたり、知らないうちに''ヒロインを孕ませていたり''する。 
--行為に及ぶのだろうという所で突如暗転し、PC版にあったHシーンを丸ごとすっ飛ばす。 
---しかし、一部キスシーンのエロいボイスはそのまま残っている。
--カットした影響でストーリーがちぐはぐにならない様に、新規CG・追加テキスト等で辻褄を合わせる事は''一切していない''。
--仲良くなる過程がエロシーンで表現されている事が多く、当然プレイヤーはその度に置いてけぼりを喰らう。脳内補完すればいいという次元じゃない。
---中でも、シーンが全7回ある「朱美」、母親の分も含めると実に10回もある「よしみ」に至っては、プレイヤーが''( ゚д゚)…''となる事は確実。

-単なるバイトであるはずのキャラが何故か''人事権''を行使する。 
--店長の言葉通りバイト側は好き勝手に1日の仕事を選ぶことができる。
---特に指示や命令は無い。○○さんを手伝って欲しいと言われる事はあるが、頼まれた通りに実行する必要性は全く無い。
--念の為言うと最大の問題は、「人事権を行使する」それ自体ではなく、その超展開に関して何ら理由付けせず投げっぱなしたままのシナリオにある。

-SLGパートは、特筆するような良い点や悪い点どうこう以前に、ぶっちゃけ''不要なだけ''。 
--SLG部分は''エンディング分岐のためだけの単なる作業''。これ以上でもこれ以下でもない。 
---序盤で2回休養したら、あとは足りてないなーって思うパラメータが上がる仕事とかを''適当に選ぶだけで良い''。
---選評者によると、基本「デリバリー」だけ選択していればいいとのこと。
---各パラメータをどれだけ上げても''途中のシナリオには一切関与せず''、「容姿」を上げるともてるとか、「学力」を上げると語彙が増えるとかは一切無い。 
--別に攻略対象ヒロインに関係する部署を選ぶ必要はない。
---選んだ仕事部署によって固有イベントが発生する箇所があまりにも少なく(''1キャラあたり1・2回''くらい)、別に発生させなくてもグッドエンドに行ける。
---''固有イベント自体がない''キャラも居る。    

-最終的に主人公のパラメーターが一定値に達していない場合、バッドエンドに突入する。 
--「パラメーターの現在値」が条件となっているため、''いくら女の子と仲良くなっていても''バッドエンドになってしまう。 
---付き合っていようが、キスしていようが、Hまでしようが、~
主人公は「''何も思い出を残す事はできなかった。この店で過ごした一ヶ月間は何だったんだ。''」とほざく。お前は認知症か何かなのか。
主人公は「''何しに来たかわからん一ヶ月だった。働いてた事しか記憶にねぇや。''」とほざく。お前は認知症か何かなのか。
--上記の展開は全攻略ルートで共通で、その台詞を言う相手である妹と''一線を越えた場合でも本人に向かってほざく''。お前は外道か。

-画面サイズを無理矢理ワイドにした為、弊害がでている。
--キャラの立ち絵が微妙に左右圧縮されている。
--一部キャラは、顔が日付カレンダーの裏に隠れたり、画面外に見切れてしまっている場合もある。 

-システムの不備が多数。
--3種類の中から選択できるファミレスの制服が、ゲームをロードする度にデフォルトの仕様に戻ってしまう。
--フルボイスの筈が、一部キャラはボイスが再生されない箇所がある。
---セリフとボイスの内容が食い違っている箇所もある。
--OPは非常に音量の高いBGMが流れる反面、EDのBGMは極小音量と調整不足が目立つ。
--一部のキャラは''本編中に一度も見た事がないCGまで''、CGモードに登録されてしまう。 
--オートプレイにしても''ボタン操作を要求''してくる箇所がある。 
--既読スキップも、未読箇所もスキップしてしまったり、逆に読んだ場所なのにスキップしなかったりする。 
---未読の場所まで進んだにも関わらず、ボイスが再生されない事もある。
--公式にも説明書にも出ていないキャラ(要するに隠しキャラ)の名前とグラフィックが、''音声設定の所に存在している''。 
---隠しキャラなのに、全く隠れていないとはこれいかに。
--プレイ中にXboxLiveに接続、もしくは切断すると''突然タイトル画面に戻る''。
---何らかの理由で回線が不安定になったり切断されるような事態になったら、最後にセーブした場所からやり直す羽目に。 
---当然のことながら、このゲームにオンライン要素など微塵もない。

-謎の''処理落ち・フリーズバグ''が、何の前触れもなく発生する。
--突然動作が鈍重になったり、そのままフリーズしたりする。 
---詳細な発生条件や回避方法は''現在も不明''。
--処理落ちは、画面が止まってからしばらくすると元に戻る事もあり、フリーズとの見分けが付かない。
--タイトル画面やデータロード直後、果ては''セーブ中''にまで発生する事もある。
--また、セーブ数が多くなればなるほど、ロード画面の読み込みが鈍重になる。
--前述の不具合含めて、メーカー側は一切公式発表を行っていない。

-細かい不満点も多数。
--主人公のパラメータや、攻略キャラのデータが朝・夜の行動選択時にしか確認できない。 
--バックログ保存量が少なく、ログを読み返すのが面倒。
---他のAVGと違いログを一行送る度に、いちいち方向キーを毎回毎回上に押さないといけないので指が疲れる。
--PC版からシナリオが削除されたキャラ(アリス)が居る。
---Hシーンのみのカットではなく、何故か''そのキャラのルートのシナリオ''を丸ごと削除している。
---倫理的に言えば主人公と同じ年代の娘を持つ母親を攻略するのはマズい、とも見て取れる。~
以前にも『木漏れ日の並木道』がPS2に移植された際、「2児の母」という設定の女性が攻略不可能になると言う前科があった。
---だがそれを考慮したとしても、だったら''実の妹との近親相姦を想起させる''シーンがそのまま残っていることこそどうなのか。
---しかも隠しキャラは残されている。意味が分からない。
--PC版に存在していた「クイックセーブ」を移植に際し''削除。''
---セーブ・ロード画面のレスポンスが悪いので、有るだけである程度不便さは解消されていたと思われる。
---推測ではあるが、移植に際してメッセージウィンドウ周りのアイコンを整理されているため、スペースが足りなくて削除されたのではないかと思われる。
--立ち絵と顔差分の種類が少なすぎて、シナリオ中の表現と合っていない箇所が多い。
--PC版の公式サイトに行けば、本作で使用されているイベントCGの7〜8割を鑑賞できる。
---カットされているエロCGも置いてある。余計にこのソフトを買う意味がなくなる。

-個人差はあるが、キャラグラフィックそのものについての評判も悪い。
--購入者曰く、''キャラの半分はできるだけテキストウィンドウから上を見たくない''ような出来。
---ちなみに、PC版が発売された2009年、エロゲ作品別板のpiaキャロスレは絵師変更で阿鼻叫喚の地獄絵図と化していた。

-背景の出来も、擁護できないくらい''全体的に酷い''。
--''サバンナ''と言った方がしっくりくる[[陸上競技場。>http://up3.viploader.net/game/src/vlgame046783.jpg]]
---''競技場の中にまで木を生やしてどうする''...
--机の天板が出っ張ってるのに机の下も壁にくっついてたり、光がカーペットの上にまで反射してたり、机の取っ手だけ床に写ってない[[カオス過ぎる妹の部屋。>http://up3.viploader.net/game/src/vlgame046786.jpg]]
---[[ペンギンのくちばし>http://up3.viploader.net/game/src/vlgame046789.jpg]]の部分は、フォトショップで修正しようとして、できなくて諦めたというような痕がある。
---朝差分だとカーテンが開いて窓の外が見えるが、ベランダは写真。しかも主人公の部屋のベランダのコピペ。
---フローリングの床の目が結構深く描かれているが、ベッドの横辺りで突然途切れて、[[まっさらな茶色の何か>http://up3.viploader.net/game/src/vlgame046788.jpg]](板ですらない)になっている。
---妹がこの部屋に引っ越してきたシーンで「まだ荷物が整頓されてない」と書かれているが、それから''何日経っても背景は変化しない''。
--初日の主人公の部屋は何もない部屋だが、窓から差し込む光に対し謎の影がある。
---翌日以降荷物が置かれると判明するが、ゴミ箱の影である。何故ゴミ箱を置く前から影があるのか…

-あえて良い点を挙げるなら、実績解除が簡単。これ''だけ''は一定の評価は出来る。
--バッドエンドと全員のグッドエンドを見ればコンプリート出来るので、手っ取り早くゲーマーズスコアを稼ぎたい人にはお勧めかもしれない。
--しかし「プロローグを見た」の実績がプロローグが終わっても解除されず、ゲーム本編に入って少し進んでから突然解除されるという、しょうもないフラグミスがある。 
--「バッドエンドを見た」という実績もあるので、上記のヤリ捨て主人公はここで垣間見ることができる。

-購入者曰く、エロがあるPC版か、青年誌『チャンピオンREDいちご』でコミカライズされた漫画を買った方がマシ。 
--後者は、シナリオを絞って掘り下げることで原作シナリオの薄さ・つまらなさの問題を解決している。
---全1巻にまとめねばならない都合上、アリス・よしみの話がないのはなんだが、雑誌の特性上で、乳首までは解禁されている等エロ要素もある。 

-そもそも抜きゲーとしてしか価値の無い本作を、エロを抜いて発売した所で、誰が買うんだという点で根本的に問題がある。
--エロゲ総合レビューサイト「erogame scape」での評価は60点で、あの『''戦極姫''』とタイ。
---50点台なら完全にクソゲー判定のサイトでこの評価なので、移植前からして、どう好意的に見ても駄ゲーには違いない。
--HPも''10年前''みたいなデザインで、メーカーの売る気が全く感じられない。
--案の定、''ゲー無''(しかもバグを追加)と化してしまい、全く注目されず''販売本数不明''のまま皆の記憶から消えていった。

-こんな状況にも関わらず、何をトチ狂ったのか''PSPへの移植も予定''。
--しかし、2011年夏に発売予定だったのが突然延期し、現在2012年内発売予定となっている。
---しかもPSP版の公式サイトのデザインが、完全にXbox360版の丸写しでしかない。

*選評 [#n2dcdb30]
**選評その1 [#ca12182b]
#aapro{{
『誰得』 
当ゲームを語る上で、このフレーズは重要である。 

2011年2月24日、誰からも期待されていないゲームが産まれていた事を知っている人はいるだろうか? 
そのゲームソフトの名は「piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の恋活〜」。 
PCエロゲ発展期から根強いファンが存在した「piaキャロットへようこそ!!」シリーズの 
ナンバリングタイトル4作目をXbox360に移植した物体である。 

移植元のエロゲからして内容についての不満が上がっていたが、 
「普通にプレイができて、エロCGが見られるだけマシ」な修羅の国においては 
いわゆる『クソゲー』判定を得られる事は叶わなかった。 
一部ファンからも「4なんて存在してない」と存在すら否定された本作にとって、 
コンシューマ移植は汚名挽回(誤表記ではない)を狙ったものだったのだろう。 

まず恋愛ADVとしてはどうだろうか? 
各キャラのシナリオは良く言えば王道、悪く言えば陳腐極まりない出来であり、 
最初から最後まで既視感に悩まされる展開となっている。 
特に盛り上がったり感情移入してしまうような場面も無いため、 
自分としては当ゲーム最大の問題点はこの「シナリオのつまらなさ」だと思っているのだが、 
あくまでもこれは主観であり、未プレイ者にはプレイしてもらう以外にこのつまらなさを 
説明するのは非常に難しいので、客観的に見てもおかしい点だけを記述しておこう。 

・アルバイトなのに… 
オープニングからして既に、単なるバイトであるはずのキャラが何故か人事権を行使する。 
また、「アルバイト自身にその日の仕事内容を選択させている」という店長の言葉通り、 
バイト側は好き勝手に1日の仕事を選ぶことができる。特に指示や命令は無い。 
仕事内容によってパラメーターが変化するので、育成の自由度を高めるためにこういった設定にしたのだろうが、 
もうちょっと、こう、なんとかならんかったのか。 

・唐突な展開、あからさまなHシーンカット 
恋愛ゲームと言えば、攻略対象と少しずつ心を通わせていく描写があるものだ。 
だが、当ゲームにはその部分の描写・説明が非常に乏しく、 
気付けばヒロインと付き合っていたり、知らないうちにヒロインを孕ませていたりする。 
「あ、ここでHシーンに移行するのね」と実に分かりやすいポイントで暗転し、 
PC版にあったのであろうHシーンを単純にすっ飛ばす。 
かと思えば、一部キスシーンのエロいボイスはそのまま残っていたりする。 

・ヤリ捨て御免 
当ゲームでは最終的に主人公のパラメーターが一定値に達していない場合、バッドエンドに突入する。 
これはあくまでも「パラメーターの現在値」が条件となっているため、 
ここまでいくら女の子と仲良くなっていてもバッドエンドになってしまう。 
付き合っていても、キスしていても、Hまでしていても(該当シーンはカットされているが)、 
主人公は「何も思い出を残す事はできなかった。この店で過ごした一ヶ月間は何だったんだ。」と 
自分勝手なモノローグを残してゲームは終わる。 

…シナリオ部分の酷さの一端だけでも理解していただけたなら幸いである。 
次に演出部分のクソ要素について説明しよう。 
まず、画面サイズを無理矢理ワイドに準拠させた弊害か、 
一部キャラは顔が日付カレンダーの裏に隠れてしまったり、画面外に見切れてしまっている。 
他にも、3種類の中から選択できるファミレスの制服がゲームをロードする度にデフォルト仕様に戻ってしまったり、 
フルボイスのはずが一部キャラはボイスが再生されない箇所があるなどの手抜きが目立つ。
セリフとボイスの内容が食い違っているという要素もしっかり完備している。 
OPはやたら音量の高いBGMが流れるくせに、EDのBGMは極小音量と、調整不足も甚だしい。 
あるキャラに至っては、クリア後にCGモードを確認してみると、 
本編中に一度も見た事がないCGが何故か登録されているという有様だ。 
キャラグラフィックそのものについての評価も低いのだが、 
これについても主観の問題なので「そういった声もある」という表現に留めておこう。 

まだまだ、このゲームの問題点はこれだけではない。 
オートプレイにしてもボタン操作を要求してくる箇所があったり、 
既読スキップも、「未読箇所もスキップされた。」「読んだ場所なのにスキップされない。」 
「未読の場所まで進んだと思ったら、ボイスが再生されなくなった」という現象が発生する。 
シナリオのつまらなさだけならいざ知らず、まず普通にプレイすらさせてくれないとは…! 

この手の細かな手抜きに加えて、当ゲームには強大なバグが存在している。 
「謎の処理落ち・フリーズバグ」である。 
これはゲーム中に何の前触れもなく発生し、突然動作が鈍重になったり、そのままフリーズしたりする。 
詳細な発生条件や回避法は不明であり、プレイヤーはこのバグに怯えながらつまらないシナリオを読み進める事を強要されるのである。 
処理落ちは、画面が止まるまで酷くなってからしばらくすると元に戻る事もあるため、フリーズとの見分けが付かず、 
セーブ地点からやり直すのが面倒くさいなら、プレイヤーには「一縷の望みに賭けて止まった画面を見続ける」という選択肢もある。 
…それもそれで苦痛である事に変わりはないが…。 
これに対処するにはセーブをこまめに行うしかないのだが、当ゲームに「クイックセーブ」などというシステムは存在せず、 
先程「ゲーム中に何の前触れもなく」と書いたとおり、タイトル画面やデータロード直後、 
挙句の果てにはセーブ中にまで発生する事もあり、本体の電源を入れた時点から一切の油断はできないのだ。 

問題点が多すぎてゲームそのものの不親切な点(主人公のパラメータや攻略キャラのデータが朝・夜の行動選択時にしか確認できない、 
バックログ保存量が少ない、PC版からシナリオが削除されたキャラが居る)についてはもう瑣末な事と言うしかない。 
良い点を挙げようとすれば実績解除が簡単だという事はあるものの、なぜか「プロローグを見た」の実績がプロローグが終わっても解除されず、 
ゲーム本編に入って少し進行してから解除されるという微妙に首を傾げざるをえない点もある。 

…念のためにもう一度言っておくが、当選評の筆者自身は 
「バグとかそれ以前にまず純粋につまらない点が最大のクソ要素」と思っている。 
シナリオも大概だが、育成(アルバイト)パートも単調で面白味に欠け、 
10〜20年前のゲームを何の工夫も無くそのまま焼きなおしただけのように見える。 

PC版はエロ要素があったし、そもそも上記のような強烈なバグは搭載されていなかった。 
それでもファンからの好意的な評価がそれほど見られないあたりからして内容は「推して知るべし」であった。 
当ゲームはそんな物からエロを単純削除し、代わりにバグを追加するという本当の意味での『誰得』ゲーである。 
どれだけ売れたのかと調べてはみたが、初週売上本数は「不明」であり、 
風の噂で「1000本以上、2000本未満」くらいは売れたんじゃないかというソース不明の話を聞きはしたものの、 
その程度の売り上げで開発資金は回収できたのだろうか…。 

少なくとも、このゲームを購入する理由は一切無い。 
どうしても内容について知りたいのであれば、普通のエロがあるPC版を購入するか、 
そうでなければチャンピオンREDいちごでコミカライズされた漫画を買った方がマシである。 
特に後者はシナリオを絞って掘り下げることで原作シナリオの薄さ・つまらなさの問題を解決しようと試みている上に、雑誌の特性上乳首までは解禁されている。 
つまらなく、エロすら無い当ゲームは存在価値が無いと言わざるを得ないだろう。 

今年度のKOTY作品を見ると、その全てが「ファンが激怒のシリーズ物」であるが、 
当ゲームはPC版の時点で既に「ファンが激怒」していたため、このXbox360版についてはファンは激怒していない。 
冷めた目で「え?移植すんの?誰が買うんだよ」と呟くのみである。 

長くなってきたので、王道かつ陳腐かつつまらないストーリー本編に倣って、 
既視感のある一文を持って「piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の恋活〜」の選評を締めくくりたいと思う。 

クソゲーオブザイヤーへようこそ!! 


※ 
余談ではあるが、今年中にPSPに移植されるという話である…。 
公式サイトはそのほとんどがXbox360版からのコピペであり、やる気が一切感じられない。 
}}

**選評その1補足 [#d907a018]
#aapro{{
pia4 SLG部分の解説 

容姿:フロアや店周りを担当すると上がる。別に高いからと言って発生するイベントは無い。 
優しさ:同じく接客関連で上がる。別に高いからと言ってシナリオに変化は無い。 
根性:倉庫整理や厨房を担当すると上がる。別に高いからと言って熱血になったりはしない。 
仕事:業務の効率化・洗練度を表すパラメータらしいが、別に高いからと言ってシナリオには何の影響もない。 
体力:自室で鍛錬すると上がる。これが高いと休養時の体調の回復度が上昇するのだが、まったく意味がない(後述) 
学力:自室で勉強をすると上がるが、一体何に使われているのかわからないし、説明もないパラメータ。 
不評:なんかイベントで上がるらしいマイナスパラメータ。普通にやってれば0のまま終わる。 
体調:何か行動をするたびに減って行き、0になるとゲームオーバー。

それぞれ最大値は10。仕事をしてもパラメータが増減しない場合もある。 
(ランダムで成功・失敗判定をしているか、内部では小数点以下まで計算している可能性がある。) 
とりあえず上6つのパラメータを上げる事になるのだが、別に上げたからと言って何が起こるわけでもない。 
パラメータの値が求められているのはエンディング判定のみ。途中のシナリオには一切関与しない。 
おそらくグッドエンドはパラメータの合計値が一定値以上という条件で分岐しているのだろうと思われるが、 
本当に最後の最後でパラメータを条件に持ってこられても困る。 
なお、どのくらいのパラメータが必要だとかヒントのようなものは一切無い。

本当にパラメータを上げても目に見えるような変化は全く無い。 
「体調」は自室で休養すると一定値回復し、体力が高ければ回復量もあがる。また、一日の始まりにも少量回復する。 
初期値は4で、ゲーム開始から2回休養すれば体調はMAX(10)になる。 
その後は一日の始まりの回復だけで事足りてしまうので、あとはゲーム終了まで一回も休養しなくても0になることはまずない。 
つまり、体力のパラメータは完全に死にステ(エンディング分岐には必要かもしれんが)になる。 
また、この「体調」は攻略対象の女の子に会って話をしただけでも減少したりする。 
恋人と朝の挨拶をするだけで体調悪くなる主人公を見ると、「こいつ、無理して付き合ってるんじゃないか?」って気分になる。

あと、攻略キャラによってはシナリオ後半、急に主人公が体調を崩す。 
ただしこれは「シナリオ上」の事であって、パラメータの「体調」や「体力」がMAXでも必ず発生する。 
パラメータは元気全開なのに眩暈を訴えたり倒れたりする主人公に違和感バリバリ。 
しかも主人公の体調不良によってヒロインがうろたえることがシナリオの重要な点でもあるため、 
プレイヤー側としては「…いや……元気なんすけど…」と唖然と画面を見守る事になる。
}}

**選評その2 [#h53a2ac8]
#aapro{{
「無益」や「無価値」であるならまだしも「有害」であるとすれば、遇する道を知らぬな…… 

そう評するしかないゲームの名前を諸君らはご存知だろうか? 
「piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の恋活〜」 
2011年2月24日に発売されていた、一種の産業廃棄物である。 

根強いファンが存在した「piaキャロットへようこそ!!」シリーズのナンバリングタイトル4作目であり、 
当作品は2009年にエロゲとして発売された物を、コンシューマ用にエロ部分を削除してXbox360に移植した物体だ。 

当ゲームのジャンルは「ファミレス恋活ADV+SLG」となっており、 
主人公を育てるSLGパートと、各ヒロイン達との交流を深めるADVパートが存在している。 

では、まずSLGパートについて紹介しよう。 
主人公には「容姿・優しさ・根性・仕事・体力・学力・不評・体調」という8種類のパラメータが存在し、 
基本的に「体調」が0にならないよう維持しつつ、「不評」以外の全ての項目を上げるという形になっている。 
だが、このパラメータが行かされるのは「エンディング分岐」のみであり、 
それ以外のゲームの進行やADVパートのシナリオ内容には一切影響しない。 
「どのキャラにはどのくらいのパラメータが必要」という説明もヒントも無いため、 
基本的に全パラメータMAXを目指しつつプレイする事になる。 

「容姿・優しさ・根性・仕事」の4つは店の担当部署によって上がる項目が変化するが、 
基本的に全ての項目が満遍なくUPする「デリバリー」を選んでるだけでゲーム中盤過ぎくらいには 
全パラメータMAXになってしまうような大味なバランスとなっている。 
「選んだ部署によってイベントが変化するのではないか」と思うかもしれないが、 
メインキャラのシナリオ全編を通して、選んだ仕事によって変化するイベントは指三本で数えられる程度であり、 
隠しキャラシナリオも発生条件が「デリバリーを選ぶ事」なのでわざわざ別の部署を選ぶ必要性は無い。 
なお、ゲームジャンルをSLGと銘打っているが、別に各パラメータが上昇したからと言って 
業務効率が上昇するというような要素は無いし、給与や昇進などといった概念も全く無い。 
本当にエンディング分岐にしか影響しないのである。 
「体力」を上げると休養した時に体調の回復量が上昇する効果があるが、 
ゲーム開始直後に2回ほど休養すればあとはシナリオ終了までする必要がないので完全に死にステになり、 
「学力」に至っては一体どんな効果があるのかという説明すら無い。

このように「育成SLG」部分は最悪を極めたような作りになっている。 
では、「恋活ADV」としてはどうか。 
「恋活」という単語の意味がわからないので、とりあえず単純にADVとしてのゲームの流れを見てみよう。 
ゲーム内の一日は 

?朝の行動パート 
?仕事選択パート 
?仕事後の会話相手選択パート 
?夜の行動パート 

の4段階になっており、?が終わった時点で1日が終了する。 

?と?には「移動」という項目があり、女の子がいる地点を選択する事によって、その女の子との会話イベントが発生する。 
この「移動」だが、移動できる場所は19箇所あるのに対し、ゲーム開始から全キャラコンプリートまで 
「移動」によるイベントが何一つ発生しない箇所が10箇所ある。 
残り9箇所のうちの1つは1回しかイベントは発生しないし、残りの一つは非攻略対象の男性キャラなので行く必要が無い。 
もし間違ってこれらの無駄ポイントに移動してしまうと、キャンセルが効かないのでロードし直すしか無い。 
ただの嫌がらせ用デコイである。 

基本的にゲームは 
?で攻略キャラの場所に「移動」して会話し、 
?で仕事部署を選んで働き、 
?でその日出勤していたキャラの中から1人選んで会話し、 
?でまた攻略キャラの場所に「移動」して会話する。 
…という流れになる。たまに?と?で攻略キャラが居ない場合もあるので、その時はパラメータ上げになるだろう。 

この作業をゲーム内時間で1ヶ月もの間ひたすら、延々と、何度も何度もやりつづけるのである。 
しかも全キャラコンプリートを目指すならそれを8回だ。 
序盤から個別のイベントが同じ日に重なっている事が多いため同時攻略は不可能であり、 
1キャラクリアする度にほぼ最初からこの作業をやり直す事になるのだ。

ここまで説明した各ゲーム要素は完全に不要である。 
わざわざこのような作業をプレイヤーに課す意味が皆無であり、ゲーム的に面白くしようとした跡すら見られない。 
育成パートでは各キャラをSD化したアニメーションが流れ、それだけならまぁ可愛いと言えるのだが、 
基本的にその全ては「一回観ればいい」程度の代物であり楽しむまでには至らない。一周目の最初の数日で飽きてしまう。 
一応ボタンを押せば飛ばせるが妙にキーレスポンスが悪く、仕事パートでは昼・夜バージョンが連続して流れるのでイライラする。 
コンフィグでONOFFの切り替えができるのは唯一の評価点だ。もし無かったら1キャラ目で投げる事になるだろう。
要するに、このアニメーションですら不要である。 
製作者が(おそらく)こうすれば面白いだろうと作った要素全てがプレイヤーを苦しめる……! 
「ゲーム開始時に1キャラ選んだら後は一本道のノベルゲー」にした方がどれだけマシだったことか…! 

では、肝心のシナリオ部分の解説に移ろう。 
攻略キャラは隠し含めて全8人だが、本当に顧客を楽しませようと言う気概があったのかと問いたくなるほど 
その内容は薄く、陳腐で、場当たり的である。 
序盤に伏線のつもりなのかやたら同じ単語を繰り返し、中盤それを回収したら、力尽きたかのようにアッサリ終了するのが3人。 
1人で勝手に大騒ぎした揚句、主人公関係なく解決して、気付いたら何故か妊娠してた従姉。 
ちょっと喧嘩して仲直りしたと思ったら一線を越えた仲になっている実妹。 
なんか格ゲーしてるだけで突然彼女になる同僚。 
ストーリー根幹が丸被りで、しかも隠しキャラの方がシナリオの出来が良いために完全に不要になるメインヒロイン。 
…と、プロット書いたかどうかすら疑ってしまうようなシナリオがずらりと並ぶ。 
なお、隠しキャラだけは普通に読める出来ではあるが、王道すぎて簡単に先が読めてしまう内容だ。 

また、キャラ設定にも不備が目立つ。 
序盤や中盤のイベントで突然「新設定」が飛び出してくる事があるが、 
殆どはそのイベント内だけのもので、以後のシナリオには一切関与してこない。 
主人公もその他のキャラも「そんな事は無かった」と言わんばかりに振舞うため、 
プレイヤーは「今のは何だったんだろう…。」と考えながら呆然と画面を眺める事になる。 
キャラの掘り下げなんかも一切ないので、ハッキリ言って公式サイトのキャラ紹介見ながら色々妄想してる時が一番楽しかった。 
主人公にも妙なキャラ付けが為されており、ルートによってはやたら軽いチャラ男になったり、 
口癖を連発してプレイヤーをイライラさせるなど、感情移入もへったくれもない。

シナリオのメリハリも無く、起こる出来事と言えば「喧嘩(すぐ仲直り)」か「軽い仕事のミス」程度でどれも退屈極まる。 
珍しく事件が起きたかと思えば 
「湖で幼女が溺れていたので助けたら、見直してくれた」 
「トラックに轢かれそうになっていたので助けたら、娘との交際を許してくれた」 
などと既視感バリバリの内容となっている。一体いつの時代のストーリーなのだろうか。 
しかもキャラのうちの1人はこういった出来事すら一切無い。 

ただでさえ酷いシナリオに、システム面が追い打ちをかけてくる。 
前述のADV・SLGパートが切り替わる際、必ず主人公がどうでもいい定型文を口走るため、 
シリアスなシーンから暗転したとしたら突然呑気な言葉(とBGM)が流れてそれまでのシーンを台無しにしてしまう。 
「女の子と会う」という行動も行動力である「体調」を消費するので、 
朝彼女に挨拶しに行ったり、キスしただけで体調を崩す主人公の姿を見る事ができる。 
また、「エンディング分岐条件がパラメータのみ」なので、 
どれだけ女の子と仲良くなってようが、キスしてようが、Hしてよう(該当部分は飛ばされる)が、 
バッドエンドに突入すれば主人公は「何も思い出を残す事はできなかった。」と勝手に自己完結して帰ってしまう。 
バッドエンド分岐はゲーム最終日に行われるため、それまでのイベントを全て見ていても 
「パラメータが足りない」というたったそれだけの理由でエンディングを見せて貰えないのである。 
ここまでのプレイでは一切関与してこなかったくせに…! 

オートプレイにしてもボタン操作を要求してくる箇所があったり、 
既読スキップも、未読までスキップしたり既読なのにスキップされなかったりと不安定な挙動を見せる。 
操作ミスや育成対策のためにセーブはこまめに、それも上書きせずにこまめに残しておく事が結構重要なのだが、 
セーブ数が多くなれば多くなるほどセーブ・ロード画面の読み込みが鈍重になり、プレイヤーの心に重しを載せてくる。 
謎の処理落ち・フリーズバグも搭載されているため、セーブの重要性はさらに高まるのだが、 
セーブ中・ロード直後にすらこのバグは発生する。 
そもそも遊ばせようと言う気持ちがあるのだろうか? 

SLGが面白いなら、シナリオが酷くてもある程度許せたかもしれない。 
シナリオが面白いなら、SLGの酷さには目を瞑るかもしれない。 
両方とも酷い、おまけにバグまであるとなると…救い様がないじゃないか……。 

その他細かい点については選評1に準拠するので、こちらはここの辺りで筆を置くとしよう。 

最後に一つ言いたいことがある。 
このゲームは「無益」「無価値」であると同時に、 
プレイヤーの気持ちを悪い方向に持って行く「有害」な成分が含まれている。 
本当の意味で笑えないゲームなので、突撃・購入は絶対にやめよう。 
 
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*リンク [#lb1bb111]
-[[Piaキャロットへようこそ!!4の全シナリオレビュー]]