2011年 総評

2011年 次点

2011年総評案?

2011年総評案2?

ご案内

このページは、2011年度KOTY総評の案を集めるページです。総評の審議に役立てば幸いです。
書き方テンプレートは編集ページにコメントアウトで掲載します。

総評案20 (code_18)

「クソゲーは 忘れた頃に やってくる」

クソゲーオブザイヤー2011。
昨年9月下旬から事実上始まった2011据え置きKOTYの3ヶ月+αの死闘を、ここに記す。

11月23日。
D3パブリッシャー制作、PS3/Xbox360「街ingメーカー4」というソフトが発売された。
街を開発していく本作、しかし建てた建物は眺めることしか出来ず、住民とはろくな会話も出来ない。
BGMも2種類であり、10分に1度入るポイントを使って建物を建て、あとは待つ・・・という、異常に虚無感あふれるゲームスタイルである。
クリアーまで6時間程度、その内の殆どは待ち時間だ。
虚無、という言葉が似合う、ゲームなのかも疑わしい、限りなく無に近いクソゲーである。

同日。
アクワイア制作、PS3「グラディエーターバーサス」というソフトも発売された。
真の敵は敵ではなく、魔法を誤射してくる味方NPCであることの時点で、まず方向性が違う気すら感じ取れる。
ちなみに魔法はアップデートで大幅強化され、事実上NPCは味方ですらなくなった。なおAIはアプデで改善されていない。
ただし戦闘はゴリ押しで大概解決する。味方に気をつければ。
また武器強化のための宝石は出現率が低く、DLCもあるものの中身はランダムという、まさかのガチャガチャ方式。
そしてキャラ枠拡張やアイテム枠拡張にもDLCという、何故削ったとしか言いようがない課金要素も搭載している。
アクション性のクソさにDLCを加え、現代のゲーム事情を見事に反映したクソゲーとなった。

12月8日。
バンダイナムコゲームス制作、PS3/Xbox360「ドラゴンボール アルティメットブラスト」が発売される。
アニメーションは綺麗だ。しかし、褒めるべきはそこしか存在しない。
ムービー付きのクイックタイムイベントの存在により、戦闘は非常に冗長になり、
更にそのイベントには完全運任せの2択選択肢が常に付きまとう。
その場面以外の戦闘シーンでは基本ボタン連打。アクション性が聞いて呆れる。
微妙なキャラ人選とそれに依る歯抜けストーリーも、クソの要因となっている。
アクションゲームにアクション要素を撤廃させた、潔いキャラゲーのクソゲーであった。

これらが話題になって少し後。
1月27日発売、アクワイア制作、PS3(PSN専売)「ウィザードリィ 囚われし亡霊の街」が話題に上った。
特筆すべきは最終シナリオ3の理不尽さ。ほぼ能力が頭打ちになったプレイヤー陣の前に、能力が伸び続け恐ろしく強くなったモンスターがお出迎えする。
プレイヤーたちは能力もほぼ打ちとめになっており、死なないためにはお金で経験値を買えることを利用し、一撃で死なない程度にHPを高めるくらいしか対処法がない。
とはいえこれで、敵に勝てるようになるためには途方もない時間を要する。裏技未使用でも使用時でも。
しかしラスボスは何故か弱く、エンカウント回避アイテムを手に入れるかDLCで買うかすればエンディングは可能である。
ただここまで本末転倒な仕様となっているゲームを、クソゲーと呼ばずして何と呼べようか。

そして話題になったもう一つの作品。
9月1日発売、タカラトミー制作、Wii「人生ゲームハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ」である。
昨年一昨年とノミネートされたWiiの人生ゲーム。それらと基本のクソ仕様は殆ど変わらない。
ご当地イベントが増えたとはいえ、それもほぼ無内容のイベントが増えたようなもの。
通常イベントも種類が異様に少なく、1プレイだけで数度同じイベントを堪能できる。
これのどこにフルプライスで発売できる要素があるのだろうか。
昨年とクソさは左程変わらぬものの、変わらないことが問題視される、クソゲーであった。


残りは2本の恋愛アドベンチャーゲーム。
まずは上記の5本と同じく、次点となる2月24日発売、PIACCI制作、Xbox360「Piaキャロットへようこそ!!4 夏の恋活」を紹介する。
そもそも原作でもエロしか取り柄がない、とこき下ろされた作品である。それにエロを抜いたらどうなるか。結果は見えたようなものである。
基本設定は場当たり的、特に事件性のないイベントの連続、そしてエロシーンは取り除かれ、その間にある関係の進展も飛ばされる。
盛り上がりもしないシナリオにシーンカットという超展開を組み合わせれば、誰得というシナリオが誕生する。
SLGパートもあるものの、BAD判定にしか利用されないステータスを、適当に上げるだけ、というイベントも何もない適当仕様。こちらも誰得。
処理落ち、フリーズも前触れ無く発生。セーブを増やすと極端に重くなる、バックログが不便、スキップも挙動が悪いなど、システム面もまともにできていない。
これこそ誰得要素を積み重ねて創り上げた、誰も得しないクソゲーである。


そしてもう一本、9月29日に発売された、サイバーフロント制作、Xbox360(、PSP)「code_18」を紹介する。
こちらはタイムリープものADVであり、シナリオは5人分、固定で進行する。
ちなみにルートマップやクイックセーブなどはなく(PSP版にはなぜかある)、最悪やり直しも困難にさせる。BADENDが唐突に訪れるのも影響している。
しかし1〜4人目までには、数個の伏線を除き、ストーリー中核はほとんど進展を見せない。進展してもそれは謎な理論を展開する主人公を見れるだけだが。
しかも最終シナリオの選択肢は3回、「聞く」「聞かない」のみである(全て前者を選ばないとBAD)。もはや選択の必要すらない選択肢である。
システム面は誤字脱字、名前欄に謎の@マーク、画像とシナリオ文の不整合など、ADVの基本中の基本もできていない。
誰が学校の学園祭のコスプレ喫茶で制服を着るのだろう。何でスカイタワーにいる筈の2人の背景は淺草寺なのだろう。
テキスト上はメガネを外してキスをするのに画像では外れていない。天候が回復したのに雨。
大して盛り上がりもしないシナリオに、これらのミスが水をさして最低なADVと化している。
シナリオをゲームの基本で台無しにさせた、基本以下のクソゲーである。


そして今年のクソゲーオブザイヤー2011、大賞はこの「code_18」である。
そもそも微妙なシナリオを基本的なミスでその微妙すらも台無しにさせ、苦笑も生まないゲームに創り上げたことは、ある意味尊敬できる。
「絶対にやってはいけないミス」を平然とやってのける姿勢にも感服する。
ストーリーの酷さ、というと主観が入ってしまうことが多いが、これに関しては不具合とバグをあわせて、客観的に見てもクソシナリオを作り出した。
その点、いつかの伝説、四八(仮)に通じるものもあるのかもしれない。
ADVの根幹、ADVの命とも言えるシナリオをこういった形で完全に崩壊させ、見事大賞に輝く次第となった。


今年は7本のクソゲーが9月29日、このゲームの発売以降次々と話題に上がり、混戦模様となった今年のKOTY。
大賞決定作業も非常に難航することとなった。
来年はどんなクソゲーが生まれるのであろうか。期待をせずに、待っておくとしよう。


それでは最後、code_18の主人公が冒頭で放つ一言をお借りして、今年のKOTY、締めくくらせていただく。

「C18がKOTY大賞を獲得した。よし、次は四-八だ!」

総評案21 (Wizardry 囚われし亡霊の街)

・・ ・・七英雄の伝説・・ ・・

数多くのクソゲーマーを倒し、小売も殺し、その後ワゴンへ消えた……

『メジャー』『奈落』『大奥記』『ジャンライン』『ヌギャー』『猿』『メジャー2』

いつの日か、彼らは戻ってきて再びスレ住人を絶望させるのだという……
スレが乱れる度に、人々は伝説を語り、恐れ慄いた。
しかし平穏が訪れると伝説は忘れられていった……

クソゲーの興亡は繰り返す。
2008年の七英雄が見せた圧倒的な力の時代が終わり、分裂と闘争の時代が始まった。

2009年は「修羅の国」と呼ばれ恐れられた、エロゲー業界からの使者
『戦極姫』の圧倒的なバグの奔流によってスレは蹂躙される。

2010年は褒める要素がまったくないといわれた圧倒的な力で年頭より君臨した
『ラストリベリオン』の超ストロングスタイルによりスレは屈服した。

そして2011年、スレは未曾有の大飢饉に襲われていた。

約10ヶ月

選外作品やガッカリゲーで飢えを凌ぎ、やっと来た賛否両論作もパッチによって改善された。

七英雄の名は再び語られ始めた


そ し て、彼 ら は 来 た

……だが


――ここに過去最大の密度で激戦となった、2011年据え置き版KOTYの総評を記す。



平和に慣れたスレ住人を襲った黒い影
秋も深まり、冬の色が見え始めた10月中旬、スレに一つの選評が闖入してきた。
晴天の霹靂とはこの事か、突然振って湧いた選評にスレは大荒れとなる。

その傲慢たる闖入者の名は、
「サイバーフロント」の「恋愛アドベンチャー」

『code_18』(スレ内呼称:C18)だ。

本作は名作ADVとしてその名在りと謳われた『Ever17』をはじめとする「infinity」シリーズの最新作である。
しかし、過去作のスタッフが関わっていない、過去作とは違い恋愛メインの学園物になっている、という不満点以前の
そこいらのAVGと比較すらもできないお粗末な出来でファンを阿鼻叫喚に陥れた災厄であった。

まず誤字脱字脱文や、背景・立ち絵指定ミス、更にはボイス・効果音の設定ミスを完備、致命的な演出ミスも多く発生し、
「電車から降りても電車の音が鳴り止まず、ヒロインの回想シーンになっても、部室に帰っても鳴っている」
「センパイの胸、でかいな…と平均サイズの先輩にのたまうロリ巨乳」
「スカイタワーにいたのに浅草寺にワープ、しかしココはスカイタワーだと言い張る」
「天候が回復したのに雨が降り続いている」
「あるルートのENDシーンの一枚絵がサブリミナル効果」
などといった珍現象が多発する。
しかも、これらの珍現象はシナリオのクライマックスに重点的に配置されプレイヤーを苦しめる。

さらに、システム部分も稚拙極まりない代物へと昇華。
ルート分岐が無く、辛うじてある分岐も正解かBADENDしかない。
一本道で周回数で攻略するヒロインが固定、さらに度し難い事に一度分岐を間違えると
何の説明も無く、一周目からやり直しになってしまうのだ!
シナリオは無残の一言。不整合の山で矛盾点がポロポロ出てくる有様。
物語の根幹を占める「code」(未来からのメール)も、最終周で滑り込み気味に押し込めた挙句、結局うやむやになってしまう。
キャラの魅力で攻めようにも、登場人物がいずれもツッコミ待ちのあからさまな問題点を抱えている。
ちなみに発売後に、本作のプロデューサーは行方をくらませたという。

クオリティの低さ、不具合、制作陣のごたごた、と全方位にクソなこの作品は、プレイヤーの魂を吸い取る破壊力を見せた。
こうして『code_18』は伝説のクソゲーである『四八(仮)』(しじゅうはち)の後継者としてスレ住人に認められ、
『C18』(しーじゅうはち)と呼ばれるようになった。


さて、『C18』による流し斬りが完全にはいったKOTYスレであったが、スレ住人は意外に平気な顔をしていた。
なにしろ12月になろうとしているのに、話題作が未だに一つきりなのだ。
「今年はこれで決まりかな?」などとスレ住人たちは笑いあっていた。

そして地獄の12月に突入する。
KOTYにおいて使い古されている言葉ではあるが
「年末には魔物が潜む」
今年に至っては「潜んでいた」どころではなかった、
数多のクソゲーたちが百鬼夜行の如く顕れ出たのだ。

まず、現れたのがSIMPLEシリーズで有名な「D3 PUBLISHER」から発売された「街づくりシミュレーション」

『街ingメーカー4』(スレ内呼称:待、待ing)である。

自分の街を作るsim系箱庭ゲームの中でも、「自分のキャラでその街を歩き回り、住人と交流できる」という長所が売りの
「街ingメーカー」シリーズの最新作だ。
しかしその実態は、シリーズの売りであったはずの「住人と交流できる」要素を大胆にカット
BGMも大幅にカット!、建てられる施設も大幅にカット!!
そして、ゲームの目的を「住人を呼び込むことで人口を増やす事」のみにカット!!!
街の住人たちは定型メッセージをしゃべるだけのお人形と化し、ゲーム中の音楽は昼と夜の2種類のみとなり、
工場の種類は激減し、漁場や農場は存在すらも消えてしまった。郵便局やお墓、交番も建てれず、歯科や外科・内科病院も
建てることができない。学校はというと小中高大の差は無く「総合学園」のみ。
作る事ができる施設に関しても、色、バリエーションに違いが無くなり、結果街には同じ色と形の建物が整然と立ち並ぶ事になる、
というSIMPLEシリーズ以下とさえ思わせる出来のゲームだった。

そして、このゲームの白眉とされているのが「待ち」システムである。
本作は建物を建てるにはポイントが必要であり、ポイントはゲーム内で一日毎(リアル10分程度)に貰える仕組みだ。
前作ではポイントがもらえるまでの時間で住人と交流していたのだが、本作では大幅な要素のカットにより
「やる事がなくなってしまった」のである。
プレイヤーはこうなると、ゲームを放置してポイントが溜まるまで「待つ」か別の事をやるしか無くなるのである。
このゲームはクリアまでわずか5〜6時間(しかも殆どが待ち時間)という「ゲー無」の要素を持ち、スレ住人を虚無に送っていった…


スレ住人に休む間も与えずKOTYの闘技場《コロセウム》に名乗りを上げたのは、「アクワイア」の「マルチ対戦格闘アクション」

『グラディエーターバーサス』(スレ内呼称:剣投資)だ。

古代ローマ帝国の剣闘士奴隷をモチーフにした「剣闘士」シリーズの最新作である。
電撃Playstationのバイヤーズガイドが滅多に見れない「評価D」という賞賛を贈っており、入場前から圧倒的な闘気を放っていた
本作であるが、その実力は如何に?

まずはシステム面である。
シリーズのキモである「パリィ(攻撃はじき)」「ドッジ(寸前回避)」の操作体系を削除し、作品名を無視して
舞台設定を古代ローマ帝国から中世風の剣と魔法のファンタジーに変更し、「魔法」という要素を追加したのだ。
この時点で何がグラディエーターなのか分からなくなっている。
戦闘は基本的に「3vs3」で進行するのだが、その仲間が
「ぽこぽこ味方に魔法を誤射する」
「コンボの最中に割り込んできて、コンボを中断させる」
「1対1で戦っているところに他の敵を連れてくる味方」
と大不評。
オンラインで人間と一緒にやろうとしても、発売当初から過疎になっておりマトモにプレイできない。
結果、オフラインでのストレスフルなごり押しゲーになりがちになってしまう。

次にキャラクリエイト。
公式PVで謳われている「10000種類以上の容姿」は、実際には種族以外は、首から上のパーツが数種類ずつ選べるだけ。
どんな計算をしても10000には遠く及ばない。
…そもそもキャラクターメイキングできるゲームで10000通りしかバリエーションが無いといっている時点で
失笑されるレベルではある。

そしてこの作品の最大の魅力である、極悪なDLC(有料ダウンロードコンテンツ)での搾取体制だ。
2人より多く自キャラを持ちたければ課金が必要、
異様に小さいアイテム保持数を拡張するには課金が必要、
デフォルト3種類以外の顔パーツを使いたければ課金が必要、
ステータスやスキルの再設定もDLC扱いで、課金が必要、
武器の強化に必要な宝石を楽に手に入れたければ課金が必要……
公式サイトで「ライバルに差をつけろ!」などと課金合戦を煽っているが、あまりに熱心すぎてウィルスバスターが
本作発売前の公式サイトに対して「オンライン詐欺に関係している兆候があります」と反応してしまった。
これらは本来どれも「無料で出来て当たり前」のことである。
その所業は「100年早いわー!!」と大喝されるべきものであろう。

「偽」りだらけの『剣投資』
「飾」って眺めるだけの『待』
「誤」ちだらけの『C18』
すわ、2011年はクソゲーたちによる三国志演義の開演か!?と色めきたつスレ住人。
しかし、集まったクソゲーたちの闘気に誘われ、また1つのクソゲーが武闘場へ足を踏み入れた。
しかも同一の作品の選評が3つ立て続けにやってきたのだ。
スレ住人は金色に輝く圧倒的なオーラを感じたであろう。
「バンダイナムコゲームス」の「3D対戦アクション」

その名を『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(スレ内呼称:UB)という。

説明不要、鳥山明による超人気コミック「ドラゴンボール」のゲーム化作品である。偉大な原作の人気に支えられ、
近年では堅実な出来のゲーム化作品が続いていた。
美しいグラフィック、派手なエフェクト、ストーリーモードの見事なアニメーションはファンを期待させた。
だがその外見の美しさを以てしても、あまりの内容の無さを糊塗することは出来ていなかったのである。
本格的な原作再現で人気を集める「レイジングブラスト」シリーズの流れを汲む本作であるが何と今回、大幅に
システムを単純化させてしまったのだ。
『UB』には昨今の格ゲーのようにプレイヤーに技術を要求する部分がほぼ無く、「QTE(クイックタイムイベント)」が
その代わりを務めた。
しかしこの「QTE」、ほとんどが単に運任せの「二択」で勝敗を決めるもので、戦闘時の攻撃、移動、必殺技、つまりは
ほぼ全てのタイミングで発生する。

つまり、どういうことになるのか?
ユーザーは延々とムービー付きじゃんけんを見せられるハメになるのだ。非常にストレスが溜まる作りである。
そしてプレイヤーの介入できる部分が極端に少ないので、駆け引きや腕を磨くといった格闘ゲームの楽しさを味わう
事ができなくなってしまった。
しかも演出、モーションは全キャラ共通で「キャラの個性」も何もあったものではない。
「ストーリーモード」は退屈極まりなく、主要キャラの一部がリストラされ、シナリオがひどくスカスカの歯抜け状態
になってしまっている。
自作キャラを作成し活躍させられる「アバターモード」も存在するが、キャラクリエーションの自由度が非常に低く
体型は3種のみ、性別は男のみという有様。修行の内容が苦行でしかない、やることといえば単調な上記の戦闘を
繰り返すことのみ、と非常に残念な出来栄えである。
オンライン対戦も可能だが、ラグや回線切断が頻繁に発生してマトモにプレイできない、といったダメっぷりである。


そして年末、クリスマス。
1月に発売されてからほぼ1年、深き闇に沈潜せし巨凶がついに覚醒した。
「アクワイア」の「3DダンジョンRPG」

『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』(スレ内呼称:亡霊)である。

「ウィザードリィ(Wizardry)」といえば30年の歴史を持ち、「ウルティマ(Ultima)」や「ローグ(Rogue)」と
並んでコンピュータRPGの原点、古典と言われ、後のゲームに多大な影響を与えた傑作である。
本作はシリーズ再興を掲げた「Wizardry Renaissance」というプロジェクトの最新作である。
当初、注目されていた「レベル99を超えると命中値がオーバーフローして0になる」不具合やセーブ不能バグ等は
パッチによって緩和されたのだが、選評によってとんでもない伏兵であった事が明らかとなったのだ。

それは「圧 倒 的 な バ ラ ン ス 崩 壊」である。

本作はシナリオ1、2、3に分かれているのが特徴だが、序盤といえるシナリオ1からすでに腐臭を放っていた。
「とにかく先にダメージを浴びせられるかどうかだけが勝負の決め手」と評されるバランスで
訓練された旧作ファンも苦笑いするレベルだった。
そして亡霊が大きくその顎を開くのは、ゲームのクライマックスであるシナリオ3に入ってからである。
「殺らせていただきます」とばかりにプレイヤーを全力で殺しにくるのは、何と通常エンカウントの雑魚敵だ。

「戦闘に突入したが何もできずに全滅させられてしまった」
ほぼ確実に、出会い頭の魔法、または状態異常を伴った通常攻撃によって全滅させられてしまうのだ。

最終シナリオに突入する事により、敵味方共にレベルが100以上に上昇するようになるのだが、
プレイヤーキャラクターの能力がレベル99までに頭打ちになるのに対し、モンスターの能力は信じ難いほどに
上昇してしまう。
その結果、最大限に育った冒険者達すら圧倒的な能力値を得た敵キャラ達に易々と先制を許してしまう。
そして苦楽を共にしてきたキャラ達が次々に惨殺されていくのを見る事しかできないのだ。
なぜこんなことになってしまったのか?
実はこのゲーム、同社のレベル99までしかないゲームのデータを流用しているらしいのだ。
「レベルを上げて物理で殴ればいい」とはあの『ラストリベリオン』のプレイヤーが生み出した金言であるが、
まさかプレイヤー側が殴られる側になろうとは…


クソゲーたちの暴虐はまだ終わらない。
年の瀬迫る12月28日、閉じられようとしていたKOTYの門をこじ開けた修羅の国よりの来訪者がいた。

「PIACCI」が放つ「ファミレス恋活ADV+SLG」

『Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の恋活〜』(スレ内呼称:pia4、Pアフォ)だ。
ちなみに「恋活」と書いて「バイト」と読む。

ファミリーレストランを舞台に同僚の女の子と仲良くなる「Piaキャロットへようこそ!!」シリーズの最新作だ。
元々、18禁PCゲームで移植元の評価も「エロ以外壊滅的」と評される代物だったが移植に伴い、
売りであったエロ部分を抜いてしまった。正に誰も望んでいない作品である。
しかも抜かれていたのはそれだけではなく、一部ヒロインの攻略ルートも廃止となっていた。
追加されたものといえば、何の前触れもなく発生する処理落ち、フリーズバグくらいのものであろう。
当初駄ゲー止まりという声も聞かれたが、選評者による血を吐くような手記が発表されるとたちまち再評価された。
まさに「汚名挽回」である。
手記には130KB、およそ小説一巻分に及ぶ文が認められており、各ヒロインルートの放つ強烈な毒電波と
まったく感情移入できない主人公により、次第に心壊れていく選評者の様子が鮮明に描かれていた。
(余談ではあるが、この総評の容量は約20KBである)
メインヒロインルート「毎日走ってたら最後は全力で走れるようになった。それだけ。隠しヒロインのおまけ。」
ヒロインAルート「頭が残念な従姉が大騒ぎしていたら、いつの間にか妊娠させていたでござる。」
ヒロインBルート「格ゲーしてたら彼女できた。何を言ってるかわからねーと思うが…。」
ヒロインCルート「男嫌いの女をストーカーしてたら、なんか相手が彼女になった。」
ヒロインDルート「趣味を理解してやったら彼女になった、それだけ。おまけで父親助けた。」
ヒロインEルート「ストーカーが落ち込んでるヒロインの心に付け込んで彼女にしてしまう。」
実妹ルート「実妹喧嘩したけど、仲直りしたら愛情が芽生えたので肉体関係をもちました。」
隠しヒロインルート「自分の夢の元となった少女と再会した、また夢に向かって頑張ろう。」
そう、このゲームは削除した18禁シーンの変わりになるシーンをまったく入れていないのだ。
その為シナリオには穴が開き、意味不明なシーンが多発。さらに主人公の奇行もプレイヤーを苦しめる。

ゲームの一日は
朝SLG:勉強・鍛錬・休養の他、女の子に会いに行く事ができる。
仕事SLG:ただの育成。
仕事帰り会話イベント:その日出勤している女の子に話しかける事ができる。
夜SLG:勉強・鍛錬・休養の他、女の子に会いに行く事ができる。
という流れになっている。
しかし、育成部分のパラメータ上げは盛大な徒労で、パラメータによって変わるものは各ヒロインルートの
エンディング成否判定のみなのだ。
この成否判定に失敗してしまったら、いくらヒロインとイチャコラしてもまったくの無駄になり
問答無用で全ルートで同一のBADENDに突入してしまう…

主人公「お前、この一ヶ月どうだった?」
妹「バイト楽しかったよ。私も成長できたし。」
主人公「ふーん。ほんとこの一ヶ月はなんだったんだろ。よくわかんね。」
妹「またこようね!」
主人公「そうだな、またバイトしにくるかぁ!」

ヒロインとどんな事をしようとも、たとえ目の前にいる実妹とHしていても、主人公はこう言い放つのである。
もはやプレイヤーは「主人公…ハエのようにウルサイ奴め。」と思うしかなくなるであろう。


1月、総評の作成に取り掛かろうとしていたスレに、1つのクソゲーが姿を現した。
実は9月に発売されていたのだが、英雄《ヒーロー》は遅れてやってくる。
2007年より5年連続でユーザーにクソを投げつけた、強豪「タカラトミー」の「わいわいボードゲーム」

『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(スレ内呼称:誤当地)
人生ゲームとしては3年連続の登場だ。

本作は前年のノミネート作、『人生ゲーム ハッピーファミリー』のマイナーチェンジ版である。
「基本MAPやBGMの種類は全1種」
「ミニゲームや特殊マスが無い」
「看板キャラ、天使と悪魔が不在」
「プレイヤーキャラは設定変更不能の10人」
「投げやり感溢れる+種類が少なすぎるイベント」
「行動が支離滅裂で、ルールを理解するどころではないAI」
と、前作の不満要素はもちろん完備。不可解な事に、人生ゲームの要素ではなく地方ネタイベントを追加して
おり、完全に増量するところを間違えている事、また追加されたイベントもいいかげんなものがほとんどの為、
「誤当地」と呼ばれるようになった。

○○県「○○(←名産らしきもの)おいしい」
△△県「△△ではカラオケに行くと必ず県歌を歌う」
××県「新幹線に乗ってきたからあっという間についた!」
といった具合である。すごく、投げやりです。

選評が来た当初は、「酷いとはいえ、イベントが増えている」という評価が多かったが、
検証者によって実際に多人数プレイされた結果が報告が届くと、その評価はとんでもない誤解だとわかった。
新事実として「ルーレットの出目が偏っている」という情報が浮かび上がってきたのだ。
その後、統計をとった結果「3」が多く(20%)、「7」が少ない(6%)となった。
また「おじゃましマス」の被害に遭うプレイヤーの確率が偏りも明らかにされる。
3人目か4人目が被害に遭う確率が7割、逆に一人目の回避率は異常と言っていいレベルだ。
明らかに調整ミスである。そして、
「ご当地ネタが何の脈絡もなく割り込んできて苦痛」
「ステータス1種変化するごとにアニメーションが入る、非常にテンポが悪い」
「つまらなすぎて途中で相方が寝てしまった」
ついには「人間関係にヒビが入った」という報告まで寄せられた。
友情破壊自体はこの種のパーティゲームの宿命ともいえるが『誤当地』の場合、「ゲームが白熱した結果」
ではなく、罪深い事に「ゲームを凍りつかせる要素が多発した結果」なのだ。
前述の全ての要素が絡み合い、プレイヤーを不快にさせるのだ。
前々作『人生ゲーム(Wiiware版)』のように「15ターン目に強制的にゲーム終了」という「救済措置」も無い。
「人生ゲームへようこそ! ここまでは楽しんでいただけたかな?」と言われても「もう帰る」とは言えず、
テンポが悪く、種類が少ない、ひたすらつまらないイベントを気が遠くなるほどこなしていくしかないのだ。


以上、7本のクソゲーがノミネートされた。
今年のKOTY選出は困難を極めた。例年は荒れる事があっても二強、多くてもせいぜい三つ巴であった。
しかし今年は7作全てが大賞となるポテンシャルをもち実力は拮抗、いずれも一歩も引かなかった。
しかも12月に選評が大量に来たこともあり、検証作業も難航した。1月は検証作業の月だったといってもよい。
当スレの勇敢なる検証班(クソゲーハンター)が出撃、数多の犠牲の果てに審議は進められた。
ある作品で評価点が見つかったと思えば、またある作品でクソ要素が新たに発掘され再評価されるという
具合で紆余曲折、有力作品は二転三転、議論は丁々発止となった。
そんな中、「動かざることクソゲーの如し」とそのゲー無性ゆえに常に不動であった『待』の存在は
特筆に値する。

それでは2011年据え置き版KOTY大賞を発表しよう。

『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』である。

前述の通り、今年の七英雄はいずれ劣らぬ猛者ばかりであった。しかも、様々なクソ要素をもった彩り豊かな
作品が揃った。単純なクソ要素の比べあいでは埒があかなくなっていた。
そこで重要となってきたのが「クソゲーとは何なのか?」という視点である。
本来、クソゲーとは「本来面白いモノがつまらなくされてしまったモノ」なのだ。
このゲームが本来もっていたはずの面白さとは何なのか? なぜ、それが潰されてしまったのか?
これが今年のKOTYを決めた視点である。

『C18』は演出で駄目になっているとはいえ、感動できるシーンは一応用意されている。
ボロボロとはいえ伏線も一応張られており、謎を解く楽しさの欠片は残っている…かもしれない。

『待』はフリーモードで街づくりの楽しさを少しだけ味わえる。

『剣投資』は工夫すれば乱戦の駆け引きが再現できるとの声もあった。

『UB』はキャラゲーとしては魅力が残っているともいえる。人選は微妙で、前作よりも大幅に数が減った
とはいえ64ものキャラクターがおり、画像も綺麗という事も評価点となった。

『pia4』はメインヒロインや隠しヒロインルートは及第点と評される事もあった。

『誤当地』はパーティゲームとしての楽しさとは正反対の存在であり、隙は無いように見えたがイベント数が
増えている事を評価する声がごく少数あり、最後の最後で大賞を逃した。

そして『亡霊』である。そもそも「wiz」というゲーム、現在良く見られるいわゆる「JRPG」と呼ばれるゲーム
に要求される要素、つまり美しいグラフィックも、重厚なシナリオも、魅力的なキャラも、よく練られた世界観も、
何ももっていない。そのようなハナから求められていないのが「Wiz」である。
では「wizの楽しさ」とは何なのか? モンスターを倒して経験値や強力なレアアイテムを入手し、キャラを強化
してさらに強力なモンスターを倒すというゲームスタイル、いわゆる「ハック&スラッシュ」を体現したゲーム
なのだ。このシンプルさ故に強く根源的な楽しさで、30年もの間ユーザーを魅了してきたのだ。
しかし、『亡霊』ではそれを全て台無しにしてしまった。
最大HPの数倍のオーバーキルを仕掛けてくる雑魚が最序盤から徘徊し、後半では完全に雑魚が倒せなくなる。
そこには戦闘の楽しみも無ければ、成長の楽しみもない。歴戦の冒険者にさえ「戦闘は非効率」と言わせる始末だ。
レアアイテムも収集しようにも、そもそもアイテムリストに入手不能のものが混入し、アイテムコンプリート不能
という仕様。おまけに最強レベルの武具が商店やDLCであっさり販売されている。
プレイヤーが技術や知識で打開できる余地など欠片も無い。
このように「本来面白いモノがつまらなくされてしまった」という視点で各ノミネート作を見てみると
『亡霊』は頭1つ飛び抜けていた。

終わってみれば2011年は過去最大級の祭りとなった。気付かれた方も多いだろうが、今年のノミネート作は
全て「シリーズ物」であった。皆、ゲームの面白さが評価された作品の後継者なのだ。
今年のノミネート作は本来であれば全て、良ゲーとして名を馳せるポテンシャルをもっていたと断言する。
現在ゲーム業界では、開発費の高騰、ゲーム離れによる市場縮小といった逆風が吹いている。
力を失った製作者は冒険する余裕を無くし、携帯機やモバイルゲームといった安価な制作環境や、すでに評価を
受けている作品の続編タイトルに目を向けている。
しかし、どのような作品を作るにしても、先人が積み上げてきたノウハウを疎かにしたものが素晴らしい作品
になる道理が無い。継承するにしても、打破するにしても、自分たちが乗り越えなければならないモノをしっかり
見据えねば先には進めないのだ。
七英雄はそんなゲーム業界の闇を表す嚆矢であったのかもしれない。
願わくばこの闇を払い、全てのゲームに携わる人々に平安が訪れますように…

最後に今年、特大のクソを2度もユーザーに投げつけた「アクワイア」に対し、あらん限りの呪詛を込めた
一言をもって2011年据え置き版KOTYの締めの言葉としたい。

「あくわ…あくどいわ、…逃がさん…お前だけは…」

総評案22 ()