2008年 総評案

総評案は叩き台なので、基本的には自由に加筆・修正ができます

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既存の総評案を手直ししただけのものや、各作品の選評をコピペして文章でつないだだけのものに

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2008年のまとめ」としての総評 お待ちしています

2008年 総評案クソゲーオブザイヤー 総評案


その1 メジャー2大賞ver

2008年はこれまでにない程のハイレベルな戦いが繰り広げられた。

昨年の大賞である「四八(仮)」がそのありえないクソさでスレ住人の目を肥やしてしまい、

2006年までだったらノミネートされていたかもなぁ、というレベルのソフトもいくつかスルーされた。

これをスレ住人は「四八ショック」と呼び、今年はクソゲー飢饉かと囁かれたが、

一年を終えてみれば大豊作であったと言えるだろう。







今年の開幕投手を務めたのは「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!

Wiiバブルに何とかして便乗しようとして育成された、タカラトミーの隠し球である。

同じ試合中であるにも関わらずその状況になる度に何度も何度も現れる一枚絵の操作説明画面や、

打球の飛んだ方向に無関係に流される「意外性抜群の」打球デモ、

さらに1球1球投げる度にデモを流すなどして、一試合2時間以上という野球のプレイ時間を見事に再現してみせた。

投げた瞬間にストライクかボールかが相手にわかってしまう男らしい投球システムや、

ストーリーを圧縮しすぎて原作ファン以外お断りのADVパートもなかなか味わい深い。

まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソを投げつけられた思いであった。







この一本が出てからしばらくノミネートクラスのクソゲーは現れなかった。

梅雨の時期までのこの間は「クソゲー氷河期」であり、

ゲーム業界的には大変喜ばしい期間であったが、スレ的には厳冬であったと言える。



しかし終わらない冬は無い。 5月も終わり梅雨の到来が近づく頃、

低得点ほど信憑性が高いことで有名なファミ通クロスレビューから突如として豪雨警報が発せられた。

あのクソゲー界の征夷大将軍デスクリムゾンと同じ13点を叩き出したソフトの名は「大奥記」。

大奥を舞台に女の戦いを描くというターゲット層不明な内容、2年にわたる延期という前情報は、

クソゲー飢饉で餓死寸前であったスレ住人にフルコースを投げ込むようなものであった。



「いざ出てみればただの駄ゲー・凡ゲーでがっかり」が

今年前半のパターンであったが、13点のこのソフトはさすがに格が違った。

大奥と言うより吉宗…いやFC版水戸黄門を髣髴とさせる質素倹約なグラフィック、キャラがめり込むどころか貫通する机、

移動はホバリングで襖の開閉は超能力と揶揄されるモーションの少なさ。

過去にお色気クソゲー「THEミニ美女警官」を製作した会社だけあって、尻の描写だけはPS2クラスなのが唯一の救いか。

ゲーム内容は多すぎる部屋をいちいち回って延々証言を集めるのがほとんどで、

登場人物は頻繁に移動するわ、部屋は大半が無人だわ、入るたびにロードが長いわで

あるユーザーに「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」と言われる辺りに2代目将軍の貫禄が伺える。

せっかく集めた証拠を発揮する申し開きパートも、空気を読まないチャンバラSEと共に

証拠→悔しがる→証拠→悔(ry のループ。



某ゲーム雑誌では「悔しがる表情が良い」とレビューされていたが、実際はそんな機能は搭載されておらず、

その雑誌のスタッフは申し開きパートまで進める前にドロップアウトしたのだと予想できる。

さらに「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字が用意されており

大奥の世界に浸りすぎない為の引きこもり対策も万全と言え、製作サイドの最後の良心が見え隠れする仕様だ。

開発会社ダフトの公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末で

まさに宣伝文句通り、大奥記は底知れぬ伏魔"伝"(公式HPより)と言えよう。

尚、このゲームはマルチエンディングを採用しているのだが二年間延期して何をしていたのか、

という申し開きをダフトに聞く事がこのゲームの真エンドと言えるだろう。

(発売から三月を待たずしてサイトが404となり、
復活したと思ったら制作履歴から大奥記の名前が消えていた今となっては不可能に等しいが)

発売前日なのに提示された買取価格が200円という珍事も思い出深い出来事であった。







「テーブルゲーム」と言う安息の地にすらクソゲーの侵攻は休まらない。

360ユーザー待望の麻雀ゲーム「ジャンライン」は、フリーズバグは勿論の事、

見えるはずの牌が伏せ表示、チーの牌選択がままならない、点数計算がおかしい

そしてどこから牌を切ったかという相手の進行度を測る目安が非表示と、

麻雀ゲームの常識を超えて新たな次元へと飛翔する意欲作である。

オンライン対戦においても、部屋作成者が常に親になる先手必勝ルール、

ゲーム中に誰かが落ちたら対戦強制終了のちゃぶ卓返しルール、連戦不可能な一期一会ルールと、

斬新なルールを数多く採用し、歴戦の麻雀ファンをも大いに唸らせた。

社員が喋ったような出来のボイスデータを販売した上で、数日後に販売中止、返金対応とDLCにもぬかりはない。

発売初日に謝罪文を出す手厚いサポート体制に加え、

「素人が作ったのか?」との声に応えて社員ブログ書き手が麻雀素人をカミングアウトするサービス精神も好印象。

だが、「選評でクソゲーとしての面白さが伝わりにくい」という理由で次点入りも難しいと言われていた。

…この時点では。







次なる刺客が現れ、自動的に話題はこちらへと集中する。

「地雷地帯IFの作品は平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」という住人の平和ボケを蹂躙し

当スレを待ち受ける「真の地獄」の幕開けを告げた核弾頭『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』である。

タイトルに「學園」と謳いながらも學園は殆ど関係無い上、「幻光録」は「幻想録」などの転生學園シリーズ続編を思わせる。

ジャケ絵に同じ絵師を起用するあたり、もはやフィッシング詐欺。

ストーリー演出のあまりの簡略化ゆえか、仲間キャラと出逢った瞬間には恋人になっていたり、

ラスボス撃破後も一瞬画面が白くなったと思ったら「封印は成功した」で儀式終了したりする。途中経過とかほぼなし。

好感度というシステムでキャラ別の感情度が存在する割に、キャラ別EDは存在しない。

戦闘においては、キャラの動作や魔法・召還ムービーなどの演出は一切無し。



唯一の演出である味方との「合体技」も、痛い技名とセリフ(声が揃ってない)、

シュールな一枚絵(ほぼ立ち絵の使い回し)の挿入、と敵よりもむしろプレイヤーの精神へ大ダメージを与える。

キャラ毎に弱点属性が設定されているものの特にダメージが増加するでもなく、

ラスボス含む殆どの敵に状態異常が有効なので、基本的に『麻痺させて後はオートバトルで放置』でよい。

他作のシステムをパクった割には劣化して、地味・単調・戦略性皆無と三拍子そろっている。

6時間程度でクリア可能というボリュームも、作品本スレにて

「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。

時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれた。

データに本作と無関係なアニメのOPが存在する点など、クソな点を挙げるとキリがなく、

このゲームのタイトルはいざプレイしようとする購入者達に対して

    クル・ヌ・ギ・ア

「これからが本当の地獄だ」と告げていたのであった。







10月末、ファミ通レビュー「ALL3」、即ち史上初「誰1人として4点以上をつけなかった」という奇跡を起こし

「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」という歴史に残る名言を生みだし

当スレッドをジャングルを駆ける猿の如き速度へ「ドギャ」っと加速させる怪物「プロゴルファー猿」が登場した。

今まで、クソゲーと呼ばれる物には酷いバグや電波なシナリオ、不快なシステムと言った、

そのゲーム特有となる頂点を取りうる何らかの武器を持っていたものが大半であった。

しかし、プロゴルファー猿はそれらの武器を一切廃し、クソゲー界に素手で殴りかかって来たまさに野生児である。

特定のポイントで大体の方向に大体のタイミングで打てば常に同質のショットが打てるゲーム性はゴルフゲームとしては異例であり、

ならば、キャラゲーとして評価するべきなのか?と言われれば使用キャラはのべ6人しかいない上、ストーリーモードも無い。



だが、強調しておきたいのはプレイする上でプレイヤーが不快に感じる事は無いだろうという事だ。

むしろ面白く感じてもなんら不思議は無い。

極端に底が浅いのだ。楽しみ続けるための要素が存在しない。一回クリアしてしまえば遊ぶ理由が無くなる知恵の輪。

この様なゲームをフルプライスパッケージで出したというのがファミ通ALL3の理由であろうと推測される。

発売前はPVやCMの出来が素晴らしかったこともあり「意外とただのがっかりゲーで終わりそう」

「ハードルが上がりすぎてノミネートは難しいかも」との不安も囁かれていた本作だが、

住人の想像を超越するがあまり『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』との

PV製作者への敬意の声も飛び出す等、その心配も杞憂であった事を実証したのだった。

お金に余裕があれば一度楽しみ、その後、このソフトをどうしたのか是非教えて欲しい。







そして2008年12月、既にノミネートされているにも関わらず、

「パッチをあてたら更にバグが酷くなった」という今世代機に於ける新しいクソゲーの在り方を示して

同一作品が改めてノミネートされるという奇跡が起こった。

宇宙麻雀の再来と揶揄される『ジャンライン』である。



そもそもパッチとはゲーム進行における不具合やバグを修正するためのプログラムであり、

購入者やスレ住民の多くはようやく配布された修正パッチの適用により、

ジャンラインがもたらした混沌は速やかに収束するであろうという無難な見解で推移していた。



しかし、彼らの淡い期待は脆くも崩れ去った。

ジャンライン製作会社のレコムが我々に送り出したパッチの内容は、

「修正」というよりも「改悪」でなかったら何かの呪いとしか思えぬものであり、

怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきたような惨状であった。



「カン」や「ポン」をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれるのは日常茶飯事。

さらに麻雀業界震撼の新ルール「先ヅモ」システムも搭載。

ロンしようと思ったら先にツモられていた。

何を言ってるのか分からねーと思うが俺にも分からねー。

というか誰にも分からねー。勿論製作陣も分かってないのだろう。

麻雀というゲームの根幹に関わる不可思議な現象にスレは沸き立った。

そもそも麻雀という完成されたルールのゲームを再現する試みは初代ファミコンの頃から無数に存在し、

ノウハウも蓄積された現代になってルールを完全に破壊するようなソフトが現れること自体が不可思議である。



また、麻雀を知らない人間にも一見して解るような改悪点が、ジャンラインというソフトの価値を高めている。

「牌がちょっと斜めになった」「手牌が突然ワープ」「牌の選択が飛び飛びにしか出来なくなった」……

このように卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、

「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」

――「宇宙麻雀」を超えた「四次元麻雀」がここに現れたのだ。



また、これらの致命的なバグだけに飽き足らず、

「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった、

昨今のクソゲー事情に欠かせない「問題ある運営」という要素もしっかり抑えている。

中でも「抗議の電話に対する『覚悟しています』という悲壮な返事」は、スレ住民に会社の悲惨な状態を偲ばせて余りあるものであった。



これらの事件は四八マンに次ぐ当スレマスコット、ジャッシー(仮)の姿とともに住民の心に深く刻まれ、

もう今年はこれで決まりになるかと思われた。







その他の候補作として

「最大32人の大規模オンライン対戦」の事前発表が発売直前に公式ホームページから削除されたが、

発売後数日に渡って「32-PERSON ONLINE MULTIPLAYER」という文言の入った動画を

一切の注釈もつけずに垂れ流し続けた「メダル・オブ・オナー ヒーローズ2



収録されている各ミニゲームは

「操作性が悪いゲーム」「難易度バランスが悪いゲーム」

「操作性と難易度バランスが悪いゲーム」

の三つに全て分けることができてしまうが、

それ以前にまずパッケージ買いする人などいないであろう

プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~



フラグ管理の甘さ故に死亡したキャラが普通に歩き回り、
話しかけてみると「テキストがまだない」などと発言され、

さらに移動の3D演出の酷さから本家wikiで「酔い止めを飲め」とまで言われた

奈落の城 一柳和、2度目の受難



出場していない馬が優勝するというありえないバグが発生した

ダービータイム オンライン



等、いくつかの作品名が上がる。

これらは一時的にスレを盛り上げはしたものの、

並み居る猛者たちの前に膝を屈し、オブザイヤーから姿を消していった。







では、今年の大賞を発表しよう。



2008年も残り3週間を切り、KOTYも最終回へと突入、

「野球は9回から」と言わんばかりに前作から更なる進化を遂げた投手がマウンドに帰ってきた。

メジャーWii パーフェクトクローザー』の登板だ。



まずは15秒のロードから幕を開ける、驚きの試合内容を紹介しよう。

守備ではストレートを投げればスタミナが減らない男らしい投球システム。

「1球外すか、いや、でもフリーズするかも」という自分との駆け引きが熱いボール球。

明らかにエラーなのにアウトになる謎判定だけではいざ知らず、

1アウトのはずが2アウトになる「通称:ジャイロキャッチ」という現象はプレイヤーの度肝を抜くのに十分なインパクトである。

フェンスと守備に衝突判定がなく、壁をすり抜けて場外へと走り去るライトに加え、

さらに条件を満たせばどこに転がっているボールでも俊足キャッチャーが拾いに行く

「通称:センター前キャッチャーゴロ」等、野球のルールを根本から覆した。

なお「センター前キャッチャーゴロでファールになった」という訳の解らない事態まで発生した。

打撃に回れば、木製バットにも関わらず金属音が鳴り響く上に消えたり伸びたりする「如意バット」から始まり、

3イニング遊べば10本はHRが飛び出す爽快感溢れる打撃システム。

CPUは一切ボール球を投げない上に、明らかに早すぎるタイミングで振らないとバットにかすりもせず、

3バント失敗してもアウトにならない。

CPUによる強制オート操作の走者は、勝手に盗塁して速攻刺されるだけには飽き足らず、

フライをキャッチされても帰塁せずに、タッチアップも無しにそのまま得点する頼もしさ。



そもそも塁審の存在しない球場で常識的な判定を求めるのが無理な話か。

バッターと審判が背を向け、全てを見なかったことにしようとするのにも頷ける。

あまりの馬鹿馬鹿しさに、名も無き捕手はそのプロテクターを脱ぎ捨てるまでに至った。



このような試合に耐え得るよう鍛え上げられた選手達の肉体は

ついに人間の原型を留めることが出来なくなり、

首なしバッターが現れる他、バッターの下半身は消え失せ、

ついにはゴローの首までもが180度回転した。

この作品はホラーゲームとしての要素まで兼ね備えているのである。



また、試合だけでなく練習風景にもキラリと光るものがある。

通常、ノック練習とはコーチが様々な方向に打つ球を選手が捕る練習の事を指すが、

本作品のノック練習は「ピッチャーが投げてきた球を指定された選手へ打ち返す」事を指すのだ。

「サードに捕球させるようにボールを打て!」と言われて打ってみれば、

ピッチャーが驚異的な好守備を見せたり、お馴染みのスーパーキャッチャーが俊足を飛ばして捕球したりと、

試合でHRを打つよりも高難易度を誇る。

そもそもプレイヤーが内野ゴロを打つ練習をしてどうするのだろうか。

選手だけではなくコーチの気持ちにもなれる、一粒で二度おいしい要素と言えるだろう。



昨今のエコブームに便乗してか、当ゲームも前時代ハード並のグラフィックで制作費を節約、

「ラベンダー畑」と揶揄される観客席や、試合中でも誰一人いないベンチなど、

制作会社の省エネへの努力姿勢が伺える。

前作同様の圧縮ストーリーは試合の内容に関わらず原作通りに進行するため、

大量にリードしているのになぜか延長戦に突入したり、サヨナラ負けしたのに優勝したことになったりと、

「もう試合しなくてもいいじゃん」的なゲーム展開。



昨年クソゲーマイスターの称号を賜った「ドリームファクトリー」と、

今年最初のノミネート作品を繰り出した「タカラトミー」の最強バッテリーが作り出した

この「野球のようなもの」は、

投球・打撃・走塁・守備・その他全てがメジャー級のクソという見事な完成度を誇った。

さすがは「追求したのは、本格野球ゲーム」、完全に前作どころか野球を超えている。

まさに2008年度KOTYのパーフェクトクローザーであった。





大賞の決定において、メジャーとジャンラインの実力は拮抗していた。

「野球」「麻雀」は同一線上で評価できるものではなく、

それ以前に上記2作品は「野球」でも「麻雀」でもなかった。

メジャーは野球のルールがあまりわからない人でも一目で「これはひどい」と言える出来であり、

ジャンラインは麻雀を多少齧ったことのある人であれば即鳥避けにしたくなるような内容だった。

異なったベクトル・そして間違った方向へと全力で突き進む両者に優劣を付けるのは非常に困難であったものの、

「クソゲーを笑い飛ばす」という当スレの趣旨において、

一目見たときの面白さはメジャーがジャンラインから半歩…いや、ほんの数mm程勝っていたと言える。





今年のクソゲーオブザイヤーを振り返ると、

どのゲームも「企画の段階から全力でクソを作った」という印象だ。

これは昨年のKOTYスレにあった

「脱力して出たクソより、全力で出したクソの方がいいに決まっているだろう」

というレスに対するゲーム業界からの挑戦状だったのであろうか。





最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、

次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。



「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」






その2 ジャンライン大賞ver

              ・・・七英雄の伝説・・・

    

             数多くの悪しきクソゲーを倒し

                世界を救い、その後

               いずこかへ消えた・・・

 

  『メジャーWii投げろジャイロボール』『奈落の城 一柳和、2度目の受難』

    『大奥記』『ジャンライン』『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』

     『プロゴルファー猿』『メジャーWii パーフェクトクローザー』

 

             いつの日か、彼らは戻ってきて

            再びこのスレを救うのだという・・・

   

            クソゲー界が乱れる度に、人々は

             伝説を語り、救いを願った。

             しかし、平和が訪れると・・

              伝説は忘れられた・・・・





             クソゲーの興亡は繰り返す。

                メシジマによる

            四八ショックの時代が終わり、

        2008年クソゲーオブザイヤーの時代が始まった。



                 七英雄の名は

                  ふたたび

                 語られ始めた



               そして、クソゲーは来た

            

                 ・・・だが





              クソゲーオブザイヤー【2008】





【七英雄の紹介】



『メジャーWii投げろジャイロボール』

まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソであり、今年の開幕投手を務めた。



Wiiバブルに何とかして便乗しようとして育成された、タカラトミーの隠し球である。

同じ試合中であるにも関わらずその状況になる度に何度も何度も現れる一枚絵の操作説明画面や、

打球の飛んだ方向に無関係に流される「意外性抜群の」打球デモ、

さらに1球1球投げる度にデモを流すなどして、一試合2時間以上という野球のプレイ時間を見事に再現してみせた。

投げた瞬間にストライクかボールかが相手にわかってしまう男らしい投球システムや、

ストーリーを圧縮しすぎて原作ファン以外お断りのADVパートもなかなか味わい深い。





『奈落の城 一柳和、2度目の受難』

総当りで進行するしかないストーリーとフラグ管理の甘さに失望する出来栄えだった。



死んだ筈のキャラが生きていて会話もでき、当人の死について尋ねると「テキストがまだない」と言い出すミステリー。

更に解いていない筈の謎がなぜか解決したことが全員の共通認識となっている等、

フラグ管理の甘さが一気に作品の評価を落とした例となった。

ちなみにこれらの問題を無視して推理しようにも、クリア必須の暗号に不備があり解けないものがあるという

致命的なミスがありプレイヤーをまさに奈落の底に突き落とした。





『大奥記』

あのクソゲー界の征夷大将軍デスクリムゾンと同じファミ通クロスレビュー13点を叩き出し、現代へと舞い降りた。



大奥と言うより吉宗…いやFC版水戸黄門を髣髴とさせる質素倹約なグラフィック、キャラがめり込むどころか貫通する机、

移動はホバリングで襖の開閉は超能力と揶揄されるモーションの少なさ。

部屋の大半が無人のマップをホバリングで迷走し、襖の開閉は超能力でこじ開け、集めた証拠を発揮する申し開きするだけのゲームあるユーザーに「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」と言われ2代目将軍の座に君臨した。

さらに「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字が用意されており、

大奥の世界に浸りすぎない為の引きこもり対策も万全と言え、製作サイドの最後の良心が見え隠れする仕様だ。

開発会社ダフトの公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末で

まさに宣伝文句通り、「大奥記」は底知れぬ伏魔"伝"(公式HPより)であった。





『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』

サブプライムの大波とともに姿を現し、「地雷地帯IFの作品は平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」という住人の平和ボケを蹂躙した。



タイトルに「學園」と謳いながらも學園殆ど関係無い上、「幻光録」は「幻想録」などの転生學園シリーズ続編を思わせる。

ジャケ絵に同じ絵師を起用するあたり、もはやフィッシング詐欺。

ストーリー演出のあまりの簡略化ゆえか、仲間キャラと出逢った瞬間親友や、恋人になっていたり、

ラスボス撃破後も一瞬画面が白くなったと思ったら「封印は成功した」で儀式終了する。

喜怒哀楽システムや、選択肢による好感度というシステムでキャラ別の感情度が存在する割に、キャラ別EDは存在しない。

戦闘においては、キャラの動作や魔法・召還ムービーなどの演出は一切無く、唯一の演出である味方との「合体技」も、痛い技名とセリフ(声が揃ってない)、

シュールな一枚絵(ほぼ立ち絵の使い回し)の挿入、と敵よりもむしろプレイヤーの精神へ大ダメージを与えた。



さらにはラスボス含む殆どの敵に状態異常が有効なので、基本的に『麻痺させて後はオートバトルで放置』

6時間程度でクリア可能というボリュームにも関わらず、作品本スレにて

「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。

時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれた。





『プロゴルファー猿』

ファミ通レビュー「ALL3」、即ち史上初「誰1人として4点以上をつけなかった」という奇跡を起こしたそのゲームは、

期待していた人々の想像を遥かに超えるものであった。



キャラゲーなのに使えるキャラが6人という、近年まれにみる少なさの上、

「ドラゴンボールに例えると孫悟空、孫悟飯、ヤジロベー、サイバイマン、ビーデル、ビーデル(髪切ったver)」

とまで言われた微妙すぎるキャラの選抜。

おまけにストーリーモードまでないという始末で、

キャラたちの活躍するシーンを楽しみにこのゲームを買った人がメニュー画面を見たときの絶望感が目に浮かぶようである。

発売前はPVやCMの出来が素晴らしかったこともあり「意外とただのがっかりゲーで終わりそう」

「ハードルが上がりすぎてノミネートは難しいかも」との不安も囁かれていた本作だが、

住人の想像を超越するがあまり『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』との

PV製作者への敬意の声も飛び出す等、その心配も杞憂であった事を実証したのだった。





『メジャーWii パーフェクトクローザー』

「野球は9回から」と言わんばかりに前作から更なる進化を遂げた投手がマウンドに帰ってきた。



15秒のロードから幕を開ける、驚きの試合内容は 、守備ではストレートを投げればスタミナが減らない男らしい投球システム。

「1球外すか、いや、でもフリーズするかも」という自分との駆け引きが熱いボール球。

明らかにエラーなのにアウトになる謎判定だけではいざ知らず、

1アウトのはずが2アウトになることまである「通称:ジャイロキャッチ」という現象はプレイヤーの度肝を抜くのに十分なインパクトである。

フェンスと守備に衝突判定がなく、壁をすり抜けて場外へと走り去るライトに加え、

さらに条件を満たせばどこに転がっているボールでも俊足キャッチャーが拾いに行く

「通称:センター前キャッチャーゴロ」等、野球のルールを根本から覆した。

なお「センター前キャッチャーゴロでファールになった」という訳の解らない事態まで発生した。

打撃に回れば、木製バットにも関わらず金属音が鳴り響く上に消えたり伸びたりする「如意バット」から始まり、

3イニング遊べば10本はHRが飛び出す爽快感溢れる打撃システム。

CPUは一切ボール球を投げない上に、明らかに早すぎるタイミングで振らないとバットにかすりもせず、3バント失敗してもアウトにならない。

CPUによる強制オート操作の走者は、勝手に盗塁して速攻刺されるだけには飽き足らず、

フライをキャッチされても帰塁せずに、タッチアップも無しにそのまま得点する頼もしさ。



発売直後に「審判と打者が後ろを向いている」という凄まじいバグ動画で話題を呼んだが、その後ゴローの首までもが後ろを向いた。

昨年クソゲーマイスターの称号を賜った「ドリームファクトリー」と、

今年最初のノミネート作品を繰り出した「タカラトミー」の最強バッテリーが作り出したこの「野球のようなもの」は、

投球・打撃・走塁・守備・その全てがメジャー級のクソという見事な完成度を誇った。

さすがは「追求したのは、本格野球ゲーム」、完全に前作どころか野球を超越していたのであった。





『ジャンライン』

「当然」と言う概念を幻想と知らされる麻雀ゲーム、そしてパッチにより更に異形の物と化し

2008クソゲーオブザイヤー大賞に選ばれた麻雀ゲームである。



クソゲーにつきものと言われるフリーズバグは当然のごとく標準装備であり、

ルール上見えるはずの牌が一部伏せられ、チーで鳴いた場合の牌の選択方法が不自然、点数の計算がおかしいことなどは序の口である。

なんと、駆け引きに重要な要素である相手の切り牌が手元からか、直前に引いたものか識別不能なのだ

さらには本来ならば4枚同じ絵柄をそろえた場合に行われる「カン」という行為をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれた、

これらの麻雀というゲームの根幹に関わる不可思議な現象はまさに「麻雀」ではなく「ジャンライン」と言う名の異空間であった。

そもそも麻雀という完成されたルールのゲームを再現する試みは初代ファミコンの頃から無数に存在し、

ノウハウも蓄積された現代になってルールを完全に破壊するようなソフトが現れること自体が不可思議である。



このあまりにも酷い仕様に「素人が作ったとしか思えない!」とユーザーが怒りに震える最中、

ジャンラインの社員ブログを『麻雀の素人が書いている』ことが判明し、火に油を注ぐ始末であった。

極めつけは公式サイトで有料ダウンロードしたボイスデータもオンラインのホストによっては反映されないといった素晴らしいサービスっぷりである。

そのダウンロードページでもVOICE_01が2つあり、発売からたった数日で販売中止、返金対応という離れ技をやってのけた。

こうして発売初日から公式サイトに初音○クを金髪にしたとしか思えない少女が頭を下げ、謝罪文が載せられることとなった。



だが、購入者やスレ住民の多くは「パッチで修正予定だし、ジャンラインがもたらした混沌は速やかに収束するであろう」という無難な見解で推移していた。

しかし、彼らの淡い期待は脆くも崩れ去った。

ジャンライン製作会社のレコムが我々に送り出したパッチの内容は、

「修正」というよりも「改悪」でなかったら何かの呪いとしか思えぬものであり、

怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきたような惨状であった。



肝心の修正パッチの内容は、一部のバグが未修正のまま放置され、さらには役満多発のチート配牌の増加、

ゲーム進行速度低下、フリーズポイントの増加等、どう考えても改悪という表現しか考えられないような、

我々が従来持っていたパッチという概念を根底から覆す斬新なものであったのだ。



「牌がちょっと斜めになった」「カンを4回しても流局しない」「まだ切ってもいない牌で上がられた」「牌の選択が飛び飛びにしか出来なくなった」……



だが、上記に挙げた改悪点はいわば前座に過ぎない。我々はさらなる混沌を次々と目の当たりにするのである。

ルールを根底から覆す、麻雀業界震撼の新ルール「先ヅモ」システムの搭載である。

ロンしようと思ったら先にツモられていた。何を言ってるのか分からねーと思うが俺にも分からねー。

というか誰にも分からねー。勿論製作陣も分かってないのだろう。



更には上家の切った牌を大ミンカンしたら、下家の手牌の左端の牌が晒した牌に紛れ込んで、自分は多牌で下家が小牌に。

これにより一列に並ぶ牌が増えた結果、幾つかの牌同士がめり込んで融合するなど、このように卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、

「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」

――「宇宙麻雀」を超えた「四次元麻雀」がここに現れた。。



HDDなどの大容量ストレージを搭載し、オンライン経由で修正を行えるようになった今世代のゲーム機では

ゲームに支障をきたす不具合が生じた場合でも修正可能なため、

「それだけで大賞を狙うのは難しい」、「年内に修正されたら当然選外」などの厳しい意見もあった。

が、この「ジャンライン」はパッチを当てても不具合に不具合を重ねるという愚行を晒し、

オンライン機能が標準搭載された今世代機に於ける、新しいクソゲーの在り方を示してくれた功績は余りにも大きい。





【その他の英雄】



『ポイズンピンク』

「見えている地雷」と前評判は高かったが、テンポが悪いといった程度のガッカリゲー。



『メダルオブオナーヒーローズ2』

欧米版の売りである32人オンラインが無いことを発売直前までひた隠すなど

メーカー対応は糞の極み。しかしオフの内容はボリューム不足だがFPSとしては良ゲー~凡ゲー。



『公園で遊ぼう』

「クソっちゃクソだけどやってるうちに気に入ってしまって悪いレビューは書けないよ」と突撃した住人がボヤいていた。



『ダービータイムオンライン』

「未出走の馬が優勝」などのバグや、ラグがひどすぎるオンラインモードが話題になったものの、

その後サーバー強化やパッチによって改善され、ノミネートは難しいとの結論に至った。









              ジャッシー「七英雄はその後どうなったの?」

         スレ住民「七英雄は2008年が終わると鳥避けに変わったんだ」

                    ジャッシー「鳥避け?」

                 スレ住民「買ってみればわかるよ」

  


                 【2008】クソゲーオブザイヤー【完】




その3 メジャー2大賞ver



2007年の大賞を圧倒的な強さで勝ち取った~

”10年に1度のクソゲー”四十八(仮)の登場により

目の肥えたスレ住人にとって、2008年度は

不作の年になると思われた。



だが、そのスレ住人の予測は、いきなり破られることになる。

「メジャーwii 投げろ!ジャイロボール」の登場である。

試合中くどいぐらいに登場する操作説明画面や打球デモにより

一試合のプレイ時間が2時間と、野球のプレイ時間”だけ”みごとに再現。

その割にADVパートは圧縮しすぎで原作ファン以外お断り。

2008年の開幕投手にふさわしいクソッぷりを見せつけた。



続いてノミネートされたのは「奈落の城 一柳和、2度目の受難」だ。

本格ミステリーと銘打たれた本作は、まさに本格ミステリーの名にふさわしかった。

探偵役の主人公は「もう聞いたはずの事を今知ったかのように驚く」

「とっくに明かされている謎を聞いて本気でビビる」

「行方不明の登場人物を放置すると、そのまま話題にもせず館から脱出してクリアする」

おまけに死んだはずのキャラが生きていて会話もでき、当人の死について尋ねてみると「テキストがまだない」と言い出す。

「クリア必須の暗号に不備があり、解けないものがある」

なぜこんなものが発売されてしまったのか。解くに解けないミステリーである。



だが、これらはまだ2008年の序の口にすぎなかった。ファミ通レビューで

あのクソゲー界の征夷大将軍デスクリムゾンと同じ13点を叩き出したソフトが現れたのだ。

その名は「大奥記」。

一体どんなゲームなのかタイトルを聞いただけでは想像するのも難しいが

あるプレイヤーが語った「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」の

言葉により、概ねどんなソフトかは理解できるだろう。

その上に、質素倹約なグラフィック、キャラがめり込むどころか貫通する机、

移動はホバリングで襖の開閉は超能力と揶揄されるモーションの少なさ

クライマックスの申し開きに至っては

証拠→悔しがる→証拠→悔(ry~のループ。しかも無表情。

さらに「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字まで用意。

開発会社の公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末。

2年も発売延期してまで送り出したのは伊達じゃない。

発売元の、KOTY獲得に掛ける意気込みの伝わる作品であった。



RPGだって負けてはいない。

「地雷地帯IFの作品は平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」という住人の平和ボケを蹂躙した核弾頭

『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』の登場である。

タイトルに「學園」と謳いながらも學園ほとんど関係無い上、「幻光録」は「幻想録」などの転生學園シリーズ続編を思わせる。

ジャケ絵に同じ絵師を起用するあたり、もはやフィッシング詐欺としかいいようがない。

さて、ゲームとしての本作の特徴は”プレイ時間短縮のためには手段を選ばない”簡略化であろう。

ADV部分について言えば、ストーリーは一本道、キャラ別EDも存在しないのに、なぜか

好感度別にイベントが存在するため、いきなり「前にも話したと思うけど…」などと初耳の話をされたり

女主人子がストーリーの関係上好感度無視で別の男キャラと急に恋仲になってしまうという現象が発生。

RPG部分でも、ラスボスを含む殆どの敵に状態異常が効いてしまうため、『麻痺させて後はオートバトルで放置』で

勝ててしまう。

この結果、プレイ時間6時間でクリアという据え置きRPGでは驚きのお手軽さを実現した。

にもかかわらず、本スレで「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。

どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。

時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれる辺り

クソゲーマイスターの一員、IFが本気で作ったクソゲーの実力を見せつけられる思いがする。



だが、上記のソフト群ですら、まだ前座に過ぎなかった。

低いほど信憑性が高い、と揶揄…もとい、信頼されるファミ通レビューで

前代未聞、あのデス様を超える低得点12点をたたき出した野生児が、クソゲーオブザイヤーに名乗りを上げたのだ。

そのソフトの名は、「プロゴルファー猿」。

この作品は、ファミ通レビューの得点にふさわしく、キャラゲーの常識も、ゴルフゲームの常識も越える

驚くべき内容を誇っていた。

まず、ストーリーが無い。

漫画やアニメが原作のキャラゲーというものは大抵何かしらストーリーがあるものだが、今作にはこれが無いのである。

さらに、登場するキャラクターはわずか4名+隠しキャラ2名の合計6名のみ。

おまけに隠しキャラクターの出現条件は、未だに『不明』。

しかも原作の好敵手も登場しておらずキャラの性能差も無く違いは必殺技のみ。その必殺技すら被るキャラがいる。

キャラゲーの常識が全く通用しないのだ。

ではゴルフゲームとしてはどうか?

その内容はゴルフとはかけ離れたものだった。

打つポイントは決められたいくつかのポイントから選ぶのみ。

打つ強さも2,3段階でしか調整できず、

自分の打った球と相手の打った球が同じところに落ちることもしばしば。

そんな状況から、「これはゴルフゲーじゃなくてゴルフすごろくADVだ」といわれる始末である。

唯一の救いは、そんな苦行が最短10分で終わり、EDに到達出来ることだろうか。

発売前はPVやCMの出来が素晴らしかったこともあり「意外とただのがっかりゲーで終わりそう」

「ハードルが上がりすぎてノミネートは難しいかも」との不安も囁かれていた本作だが、

住人の想像を超越するがあまり『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』との

PV製作者への敬意の声も飛び出す等、その心配も杞憂であった事を実証したのだった。



他にもノミネート作はいくつかあったが、どれもこれも”人によっては面白いと感じるかもしれない”

”ゲームとして成り立ってるだけまし”といった理由で、上記ノミネート作には及ばないと判定された。

だが、その選外作の中で、この作品だけは、その選外にうつった理由故に特筆しておくべきだろう。

それは、「ダービータイム オンライン」である。

出場していない馬が優勝するというありえないバグが発生、「ジョッキーモードは破産者の強制収容所」といわれるぐらいひどい出来。

挙句の果てに発売後1週間を待たずしてサービスが一時停止とノミネート条件は十分に満たしていたものの

その後のパッチとサーバー強化で凡ゲー程度には回復したため、”年内に修正されたなら当然選外”と判定された。

オンラインゲームについての、クソゲーオブザイヤー選定基準を作ったという意味で、本作は重要であった。



さて、以上が、11月までの状況である。

2007年も、年末には魔物が潜んでいた。

2008年もまた、年末には魔物が潜んでいた。



もし、パッチによって改善されたならクソゲーオブザイヤーの選外になるのなら

パッチによって改悪されたなら、当然クソゲーオブザイヤーにノミネートされて然るべきである。

理論的には起こりうるが、現実的にはありそうもないことをやってのけたソフトが登場したのだ。

宇宙麻雀再来と揶揄される「ジャンライン」である。

元々発売当初からノミネートされていた本作であるが、その後に登場した超弩級のクソゲーの前に

大賞受賞は難しいとされていた。

だが、ジャンライン製作会社のレコムが送り出したパッチの内容は、

「修正」というよりも「改悪」でなかったら何かの呪いとしか思えぬものであり、

怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきたような惨状であった。

本来ならば4枚同じ絵柄をそろえた場合に行われる「カン」という行為をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれた、

本来ならば3枚同じ絵柄のセットを作る「ポン」という行為をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれたなどの、

これらの麻雀というゲームの根幹に関わる不可思議な現象にスレは沸き立った。

そもそも麻雀という完成されたルールのゲームを再現する試みは初代ファミコンの頃から無数に存在し、

ノウハウも蓄積された現代になってルールを完全に破壊するようなソフトが現れること自体が不可思議である。

また、麻雀を知らない人間にも一見して解るような改悪点が、ジャンラインというソフトの価値を高めている。

「牌がちょっと斜めになった」「手牌が突然ワープ」「まだ切ってもいない牌で上がられた」「牌の選択が飛び飛びにしか出来なくなった」……

このように卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、

「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」

――「宇宙麻雀」を超えた「四次元麻雀」がここに現れたのだ。

また、これらの致命的なバグだけに飽き足らず、

「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった、

昨今のクソゲー事情に欠かせない「問題ある運営」という要素もしっかり抑えている。

中でも「抗議の電話に対する『覚悟しています』という悲壮な返事」は

スレ住民に会社の悲惨な状態を偲ばせて余りあるものであった。

「これは麻雀ではない。ジャンラインだ」

この言葉すら、プレイ不可能になるバグの前では虚しく響く。



では、本年の大賞受賞作の発表に移ろう。

そう、まだそれを上回るクソゲーが2008年には存在するのである。

そのソフトの名は「メジャーWii パーフェクトクローザー」

クソゲーオブザイヤーの開幕投手を務めたメジャーが

さらにパワーアップして帰ってきたのだ。

では、本作のクソさぶりを、他のノミネート作品との比較を交えて実感してもらいたい。



15秒のロードの後、まず気づくのは、ボール球の投げられない男らしい投球システムである。

いや、投げる方法もあるのだが、COMは絶対にボール球を振らないので

全く意味がない、ていうか投げるとフリーズする可能性があるから投げられない。

スタミナも、ストレートを投げてる限り絶対に減らない。

打球はまるで砲丸を打っているようにぼてぼての当たりばかり。

かと思えばホームランは異様に出やすく、3イニングで10本は当たり前。

「プロゴルファー猿」に比すべき簡略化である。



だがこんなのは小手調べだ。

走塁は完全に自動化されていて、勝手に盗塁してアウトになるわ

フライでも飛び出してアウトになるわ、ヒットを打っても走らずにアウトになるわと

まるでアウトになるのが趣味なのかと思えてくる。

かと思えば内野ゴロで走塁してバッターランナーがアウトになってもホームインして得点する。

フライで走塁したランナーが打球をキャッチされてもそのままホームインして得点する。

塁審はどこに目をつけているんだと思ったら塁審は全く存在しない。

いくら舞台がマイナーリーグだからって3Aで審判が1人だけな訳がないだろう。

守備でももちろんやってくれている。

突然野手が棒立ちになり、キャッチャーしかボールを追いかけないなんてことも当たり前。

そのキャッチャーが異様に俊敏でセンター前キャッチャーゴロすら起きる。

それでも足りないのか、センター前キャッチャーゴロがファールになることすらある。

フライになった打球がワープしてミットに収まる。フライを捕ったらなぜかアウトカウントが二つ増える。

まだまだ超常現象は生じるが、長くなりすぎるので省略させていただきたい。

ファミコン黎明期にすらあり得ない、バグなのか仕様なのかすら判断に苦しむ異様な光景は

「これは野球ではない。メジャーだ」としか言いようがない。



もちろんプレイ時間短縮にも気を配っている。

ストーリーは「約2時間でクリア可能」なよう調整済み。

試合中、リードしたまま最終回を終えると

「物語の都合でリードしたまま延長戦に突入」。

逆に「優勝決定戦でサヨナラ負けしたはずなのに優勝したことになりEDに突入」と

原作通りの展開になるよう最大限の配慮が感じられる。

ヌギャー(クル・ヌ・ギ・ア)を彷彿とさせる親切設計である。



だが、パーフェクトクローザーの実力はまだまだこんなものではない。

「大奥記」ばりのPS1級グラフィックに、木製バットから響く金属音。

伸びたり縮んだりする特殊能力があるのだからこれぐらいは当然か。

それではまだ足りないのか、見た目のバグもてんこ盛りである。

審判が後ろを向いた、打者が後ろを向いた、キャッチャーのレガースが消えた。

五郎の首が反対に向いた、バッターがキャッチャーのスタンドと化したなど

次々と見つかるグラフィック関係の明白なバグは「さすがパーフェクトクローザー」と

スレ住人をうならせるものであった。



もちろん、クソゲーには欠かせない「問題ある運営」の要素も忘れてはいない。

公式サイトにはいるのにパスワードを要求する様は、まるで炎上を見越しているかのようだ。



そして、幾多の困難を乗り越え、EDにたどり着いたプレイヤーは

ここで衝撃的な事実を目にすることになる。



「制作 ドリームファクトリー」。



スタッフロールにたどり着くまで制作会社の名前を伏せるこのやり方は

クソゲーの重要ポイント、がっかりエンディングロールとプロモーション詐欺を

同時にこなす高等技術。ジャイロキャッチで2アウトとれてしまう本作にふさわしい

エンディングと言えよう。

まさに本作こそ、2008年を締めくくる「パーフェクトクローザー」である。



今年のクソゲーオブザイヤーを振り返ると、

どのゲームも「企画の段階から全力でクソを作った」という印象だ。

今やKOTYも、開発会社にとって「企画段階から狙って獲得すべき賞」へと

進化を遂げたと言うことであろうか。

もしそうであるなら、全力で頭を冷やしてもらいたいところだ。



最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、

次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。



「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」






その4 W受賞ver

2008年はかつてない程のハイレベルな戦いが繰り広げられた。

08年度は「クソの進化の年」と言えよう。

「四八ショック」と呼ばれる07年度のKOTY大賞「四八(仮)」のあまりのクソさを体験したため、

生半可なクソさでは大賞はおろかノミネートされることも難しいだろうという空気の中、

後に七英雄と呼ばれる規格外のクソゲーが次々と送り込まれた。

"剛速球のクソ"『メジャーWii投げろジャイロボール』

"「テクストがまだない」ADV"『奈落の城 一柳和、2度目の受難』

"ファミ通13点 永延と続く作業ゲー"『大奥記』

"進化と遂げた異次元麻雀(のようななにか)"『ジャンライン』

"IFの本気 パッケージ詐欺"『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』

"ファミ通ALL3点 バグにたよらない野生児"『プロゴルファー猿』

"前作からの更なる進化 08年度KOTYのパーフェクトクローザー"『メジャーWii パーフェクトクローザー』

では、各作品を掘り下げていこう。






今年の開幕投手を務めたのは「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」

Wiiバブルに何とかして便乗しようとして育成された、タカラトミーの隠し球である。

同じ試合中であるにも関わらずその状況になる度に何度も何度も現れる一枚絵の操作説明画面や、

打球の飛んだ方向に無関係に流される「意外性抜群の」打球デモ、

さらに1球1球投げる度にデモを流すなどして、一試合2時間以上という野球のプレイ時間を見事に再現してみせた。

投げた瞬間にストライクかボールかが相手にわかってしまう男らしい投球システムや、

ストーリーを圧縮しすぎて原作ファン以外お断りのADVパートもなかなか味わい深い。

まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソ。

KOTYの住人たちに真っ向から直球勝負を挑んできた男らしいキャラゲーであった。



「奈落の城 一柳和、2度目の受難」

 ADVであり、前作が好評だったためにノーマークであったが、謎解きが不条理であったりフラグ管理の甘さから、まさかの話題作となった。

(死んだはずのキャラが再登場し、その当人の死について話し掛けると「テキストがまだない」と表示されるなど。)

 前作がクソになったという点ではメジャー2と同じだが、発売当時はクソゲー飢饉であり。6月以降はそれ以上のタイトルが続出した為今では「ノミネートの最低ライン(奈落ライン)」「七英雄最底辺」などと呼ばれている。



この辺りの時期までは前述の「四八ショック」で目が肥えてしまったスレ住人にとってクソゲー飢饉で餓死寸前であった。

・・・ファミ通から朗報が届くまでは





あの「デスクリムゾン」と同じファミ通のクロスレビューで13点を叩き出した「大奥記」 がついに登場

2年にわたる延期という前情報、大奥を舞台に女の戦いを描くというターゲット層不明な内容、

そしてなにより低評価ほど信頼できる ファミ通クロスレビューで13点という快挙

実際のゲーム自体も期待を裏切らず、

大奥と言うより吉宗…いやFC版水戸黄門を髣髴とさせる質素倹約なグラフィック(ただし尻の描写だけはPS2クラス)、キャラがめり込むどころか貫通する机、

移動はホバリングで襖の開閉は超能力と揶揄されるモーションの少なさ。

ゲーム内容は多すぎる部屋をいちいち回って延々証言を集めるのがほとんどで、

登場人物は頻繁に移動するわ、部屋は大半が無人だわ、入るたびにロードが長いわで

あるユーザー曰く、「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」。

せっかく集めた証拠を発揮する申し開きパートも、空気を読まないチャンバラSEと共に

証拠→悔しがる→証拠→悔(ry のループ。



某ゲーム雑誌では「悔しがる表情が良い」とレビューされていたが、実際はそんな機能は搭載されておらず、

その雑誌のスタッフは申し開きパートまで進める前にドロップアウトしたのだと予想できる。

さらに「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字が用意されており

大奥の世界に浸りすぎない為の引きこもり対策も万全と言え、製作サイドの最後の良心が見え隠れする仕様だ。

開発会社ダフトの公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末で

まさに宣伝文句通り、大奥記は底知れぬ伏魔"伝"(公式HPより)と言えよう。

派手さはないものの堅実なクソゲーであり、夏までは大賞の最有力候補と囁かれていた



が。







360ユーザー待望の麻雀ゲーム「ジャンライン」

クソゲーとしての標準スキル、フリーズバグは勿論の事、

見えるはずの牌が伏せ表示、チーの牌選択がままならない、点数計算がおかしい

そしてどこから牌を切ったかという相手の進行度を測る目安が非表示と、

麻雀ゲームの常識を超えて新たな次元へと飛翔する意欲作である。

オンライン対戦においても、部屋作成者が常に親になる先手必勝ルール、

ゲーム中に誰かが落ちたら対戦強制終了のちゃぶ卓返しルール、連戦不可能な一期一会ルールと、

斬新なルールを数多く採用し、歴戦の麻雀ファンをも大いに唸らせた。

社員が喋ったような出来のボイスデータを販売した上で、数日後に販売中止、返金対応とDLCにもぬかりはない。

発売初日に謝罪文を出す手厚いサポート体制に加え、

「素人が作ったのか?」との声に応えて社員ブログ書き手が麻雀素人をカミングアウトするサービス精神も好印象。

だが、「選評でクソゲーとしての面白さが伝わりにくい」という理由で次点入りも難しいと言われていた。

…この時点では。









当スレを待ち受ける「真の地獄」の幕開けを告げた核弾頭『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』

「地雷地帯IFの作品は平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」という住人の平和ボケを蹂躙し

当スレを待ち受ける「真の地獄」の幕開けを告げた核弾頭

タイトルに「學園」と謳いながらも學園は殆ど関係無い上、「幻光録」は「幻想録」などの転生學園シリーズ続編を思わせる。

ジャケ絵に同じ絵師を起用するあたり、もはやフィッシング詐欺。

ストーリー演出のあまりの簡略化ゆえか、仲間キャラと出逢った瞬間には恋人になっていたり、

ラスボス撃破後も一瞬画面が白くなったと思ったら「封印は成功した」で儀式終了。

好感度というシステムでキャラ別の感情度が存在する割に、キャラ別EDは存在しない。

戦闘においては、キャラの動作や魔法・召還ムービーなどの演出は一切無し。



唯一の演出である味方との「合体技」も、痛い技名とセリフ(声が揃ってない)、

シュールな一枚絵(ほぼ立ち絵の使い回し)の挿入、と敵よりもむしろプレイヤーの精神へ大ダメージを与える。

キャラ毎に弱点属性が設定されているものの特にダメージが増加するでもなく、

ラスボス含む殆どの敵に状態異常が有効なので、基本的に『麻痺させて後はオートバトルで放置』でよい。

他作のシステムをパクった割には劣化して、地味・単調・戦略性皆無と三拍子そろっている。

6時間程度でクリア可能というボリュームも、作品本スレにて

「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。

時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれた。

データに本作と無関係なアニメのOPが存在する点など、クソな点を挙げるとキリがなく、

このゲームのタイトルはいざプレイしようとする購入者達に対して

    クル・ヌ・ギ・ア

「これからが本当の地獄だ」と告げていたのであった。







「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」とまで言わしめた「プロゴルファー猿」

10月末、ファミ通レビュー「ALL3」、即ち史上初「誰1人として4点以上をつけなかった」という奇跡を起こし

当スレッドをジャングルを駆ける猿の如き速度へ「ドギャ」っと加速させた。

今まで、クソゲーと呼ばれる物には酷いバグや電波なシナリオ、不快なシステムと言った、

そのゲーム特有となる頂点を取りうる何らかの武器を持っていたものが大半であった。 (例えば四八(仮)はこれらをフル装備)

しかし、プロゴルファー猿はそれらの武器を一切廃し、クソゲー界に素手で殴りかかって来たまさに野生児である。

特定のポイントで大体の方向に大体のタイミングで打てば常に同質のショットが打てるゲーム性はゴルフゲームとしては異例であり、

ならば、キャラゲーとして評価するべきなのか?と言われれば使用キャラはのべ6人しかいない上、ストーリーモードも無い。

発売前はPVやCMの出来が素晴らしかったこともあり「意外とただのがっかりゲーで終わりそう」

「ハードルが上がりすぎてノミネートは難しいかも」との不安も囁かれていた本作だが、

住人の想像を超越する程の「がっかり感」を与え、

『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』

とのPV製作者への敬意の声も飛び出す始末。



だが、強調しておきたいのはプレイする上でプレイヤーが不快に感じる事は無いだろうという事だ。

むしろ面白く感じてもなんら不思議は無い。

極端に底が浅いのだ。

楽しみ続けるための要素が存在しない。一回クリアしてしまえば遊ぶ理由が無くなってしまう。

現代において忘れ去られていたクソゲーっぷりを復活させた歴史的な作品といえよう。





ここまでが七英雄の内、次点止まりであった作品である。

このどれもが購入したことを激しく後悔できる立派なクソゲーである。

だが、大賞と呼ぶには文字通り「次元」の壁があった。







では、2008年度の大賞を発表しよう。

栄えある08年度大賞は2つ

修正パッチによる復活を遂げた『ジャンライン』

前作から(クソな)進化を遂げた『メジャーWii パーフェクトクローザー』

である。

大賞の選考には大きく2つに意見が分かれ、2009年になっても決定されなかった。

クソゲー界の新境地を開拓した「ジャンライン」。

クソゲー界定番のジャンルではあるが、衝撃的なプレイ動画を有する「メジャーWii パーフェクトクローザー」

どちらの作品も大賞としての風格は十分に備わっており、両者ともに魅力的すぎるクソゲーだったからだ。

共に12月前半に登場し、「四八ショック」を過去のものにしてしまうほどの事件であった。





宇宙麻雀、真『ジャンライン』

このゲームがクソだとされる原因は大きくわけて3つ

ひとつは運営のクソな対応。

もうひとつは、ファミコンのころからある麻雀ゲーがXBOX360でバグまみれで麻雀として成立していないという点。

最後に、修正パッチの意義を再考させられるという点である。

そもそもパッチとはゲーム進行における不具合やバグを修正するためのプログラムである。

ところがジャンライン製作会社のレコムが我々に送り出したパッチの内容は、

「修正」というよりも「改悪」でなかったら何かの呪いとしか思えぬものであり、

怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきたような惨状であった。



「カン」や「ポン」をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれるのは日常茶飯事。

さらに麻雀業界震撼の新ルール「先ヅモ」システムも搭載。

ロンしようと思ったら先にツモられていた。

何を言ってるのか分からねーと思うが俺にも分からねー。

というか誰にも分からねー。勿論製作陣も分かってないのだろう。

どうやら「ジャンライン」というゲームは「時限」を超えることができるらしい。

麻雀というゲームの根幹に関わる不可思議な現象にスレは沸き立った。

とにかく麻雀として成立していない。



また、麻雀を知らない人間にも一見して解るような改悪点が、クソっぷりに拍車をかける。

「牌がちょっと斜めになった」「手牌が突然ワープ」「牌の選択が飛び飛びにしか出来なくなった」……

このように卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、

「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」

――「宇宙麻雀」を超えた「四次元麻雀」がここに現れたのだ。



また、これらの致命的なバグだけに飽き足らず、

「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった、

昨今のクソゲー事情に欠かせない「問題ある運営」というツボもしっかり抑えている。

中でも「抗議の電話に対する『覚悟しています』という悲壮な返事」は、スレ住民に会社の悲惨な状態を偲ばせて余りあるものであった。



これらの事件は四八マンに次ぐ当スレマスコット、ジャッシー(仮)の姿とともに住民の心に深く刻まれた。

これから先、修正パッチによる悪化がおこるたびに「ジャンライン」が引き合いにだされることは間違いないだろう。

「これは麻雀ではない、ジャンラインだ。」





麻雀のルールを知らない人にはクソさが伝わりにくいことや、

動画のインパクトが『メジャーWii パーフェクトクローザー』に及ばないことが欠点としてあげられる。

だが、ジャンラインという別ゲーに麻雀と冠して売り出したことや、修正パッチによる進化という快挙をふまえれば

2008年度の大賞の一角として十二分にふさわしいと言える。

後世に語り継がれるべきクソゲーである。





そしてもう一つの大賞。一目でわかるバグの宝庫、クソキャラゲーここに極まれり

前作から更なる進化を遂げ、マウンドに帰ってきた

『メジャーWii パーフェクトクローザー』



まずは15秒のロードから幕を開ける、驚きの試合内容から紹介しよう。

守備ではストレートを投げればスタミナが減らない男らしい投球システム。

「1球外すか、いや、でもフリーズするかも」という自分との駆け引きが熱いボール球。

明らかにエラーなのにアウトになる謎判定だけではいざ知らず、

1アウトのはずが2アウトになる「通称:ジャイロキャッチ」という現象はプレイヤーの度肝を抜くのに十分なインパクトである。

フェンスと守備に衝突判定がなく、壁をすり抜けて場外へと走り去るライトに加え、

さらに条件を満たせばどこに転がっているボールでも俊足キャッチャーが拾いに行く

「通称:センター前キャッチャーゴロ」等、野球のルールを根本から覆した。

なお「センター前キャッチャーゴロでファールになった」という訳の解らない事態まで発生した。

打撃に回れば、木製バットにも関わらず金属音が鳴り響く上に消えたり伸びたりする「如意バット」から始まり、

3イニング遊べば10本はHRが飛び出す爽快感溢れる打撃システム。

CPUは一切ボール球を投げない上に、明らかに早すぎるタイミングで振らないとバットにかすりもせず、

3バント失敗してもアウトにならない。

CPUによる強制オート操作の走者は、勝手に盗塁して速攻刺されるだけには飽き足らず、

フライをキャッチされても帰塁せずに、タッチアップも無しにそのまま得点する頼もしさ。



そもそも塁審の存在しない球場で常識的な判定を求めるのが無理な話か。

バッターと審判が背を向け、全てを見なかったことにしようとするのにも頷ける。

あまりの馬鹿馬鹿しさに、名も無き捕手はそのプロテクターを脱ぎ捨てるまでに至った。



このような試合に耐え得るよう鍛え上げられた選手達の肉体は

ついに人間の原型を留めることが出来なくなり、

首なしバッターが現れる他、バッターの下半身は消え失せ、

ついにはゴローの首までもが180度回転した。

この作品はホラーゲームとしての要素まで兼ね備えているのである。



また、試合だけでなく練習風景にもキラリと光るものがある。

通常、ノック練習とはコーチが様々な方向に打つ球を選手が捕る練習の事を指すが、

本作品のノック練習は「ピッチャーが投げてきた球を指定された選手へ打ち返す」事を指すのだ。

「サードに捕球させるようにボールを打て!」と言われて打ってみれば、

ピッチャーが驚異的な好守備を見せたり、お馴染みのスーパーキャッチャーが俊足を飛ばして捕球したりと、

試合でHRを打つよりも高難易度を誇る。

そもそもプレイヤーが内野ゴロを打つ練習をしてどうするのだろうか。

選手だけではなくコーチの気持ちにもなれる、一粒で二度おいしい要素と言えるだろう。



昨今のエコブームに便乗してか、当ゲームも前時代ハード並のグラフィックで制作費を節約、

「ラベンダー畑」と揶揄される観客席や、試合中でも誰一人いないベンチなど、

制作会社の省エネへの努力姿勢が伺える。

前作同様の圧縮ストーリーは試合の内容に関わらず原作通りに進行するため、

大量にリードしているのになぜか延長戦に突入したり、サヨナラ負けしたのに優勝したことになったりと、

「もう試合しなくてもいいじゃん」的なゲーム展開。

さらに2009年になり、バッターの体が3次元空間の次元を超越してしまう不思議な構え(?)をとる事態も確認された。

未だ、留まることを知らない「メジャー2」のバグの嵐の前に、住人たちは、

「バグ」とは何かについて考え始める始末。

クソすぎる仕様(?)とバグ(?)の前ではKOTYの大賞に選ばれないはずがない。

クリスマス商戦、お年玉、そしてNHKの正月のアニメの再放送などにより多くの子ども達が、
クソゲーの洗礼を受けたであろう事実も考慮にいれたい。





昨年クソゲーマイスターの称号を賜った「ドリームファクトリー」と、

今年最初のノミネート作品を繰り出した「タカラトミー」の最強バッテリーが作り出した

この「野球のようなもの」は、

投球・打撃・走塁・守備・その他全てがメジャー級のクソという見事な完成度を誇った。

さすがは「追求したのは、本格野球ゲーム」、完全に前作どころか野球を超えている。

まさに2008年度KOTYのパーフェクトクローザーであった。







その他の候補作として

「最大32人の大規模オンライン対戦」の事前発表が発売直前に公式ホームページから削除されたが、

発売後数日に渡って「32-PERSON ONLINE MULTIPLAYER」という文言の入った動画を

一切の注釈もつけずに垂れ流し続けた「メダルオブオナーヒーローズ2」



収録されている各ミニゲームは

「操作性が悪いゲーム」「難易度バランスが悪いゲーム」

「操作性と難易度バランスが悪いゲーム」

の三つに全て分けることができてしまうが、

それ以前にまずパッケージ買いする人などいないであろう

「プレイグラウンド ~公園で遊ぼう~」



出場していない馬が優勝するというありえないバグが発生した

「ダービータイム オンライン」



等、いくつかの作品名が上がる。

これらは一時的にスレを盛り上げはしたものの、

並み居る猛者たちの前に膝を屈し、オブザイヤーから姿を消していった。~





今年のクソゲーオブザイヤーを振り返ると、

どのゲームも「企画の段階から全力でクソを作った」という印象だ。

バグがなくても、仕様からクソという作品が大半を占める。

これは昨年のKOTYスレにあった

「脱力して出たクソより、全力で出したクソの方がいいに決まっているだろう」

というレスに対するゲーム業界からの挑戦状だったのであろうか。

大賞にいたっては、元とになった「麻雀」や「野球」を完全に超越してしまった。





最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、

次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。



「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」




その5 W受賞ver(その4を短くしたもの)

2008年はかつてない程のハイレベルな戦いが繰り広げられた。

08年度は「クソの進化の年」と言えよう。

「四八ショック」と呼ばれる07年度のKOTY大賞「四八(仮)」のあまりのクソさを体験したため、

生半可なクソさでは大賞はおろかノミネートされることも難しいだろうという空気の中、

後に七英雄と呼ばれる規格外のクソゲーが次々と送り込まれた。

"剛速球のクソ"『メジャーWii投げろジャイロボール』

"「テクストがまだない」ADV"『奈落の城 一柳和、2度目の受難』

"ファミ通13点 永延と続く作業ゲー"『大奥記』

"進化と遂げた異次元麻雀(のようななにか)"『ジャンライン』

"IFの本気 パッケージ詐欺"『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』

"ファミ通ALL3点 バグにたよらない野生児"『プロゴルファー猿』

"前作からの更なる進化 08年度KOTYのパーフェクトクローザー"『メジャーWii パーフェクトクローザー』



「四八(仮)」を体験し、クソゲーに耐性ができた住人たちにインフレを続けるクソが襲いかかった。



そして・・・運命の12月が訪れる。







今年の開幕投手を務めたのは「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」

Wiiバブルに何とかして便乗しようとして育成された、タカラトミーの隠し球である。

1試合2時間、投げた瞬間にストライクかボールが判別できるなど、野球ゲームとしての問題点が山積み。

まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソ。

KOTYの住人たちに真っ向から直球勝負を挑んできた男らしいキャラゲーであった。



「奈落の城 一柳和、2度目の受難」

 ADVであり、前作が好評だったためにノーマークであったが、謎解きが不条理であったりフラグ管理の甘さから、まさかの話題作となった。話し掛けると「テキストがまだない」と表示される問題作

 前作がクソになったという点ではメジャー2と同じだが、発売当時はクソゲー飢饉であり。6月以降はそれ以上のタイトルが続出した為今では「ノミネートの最低ライン(奈落ライン)」「七英雄最底辺」などと呼ばれている。



この辺りの時期までは前述の「四八ショック」で目が肥えてしまったスレ住人にとってクソゲー飢饉で餓死寸前であった。

・・・ファミ通から朗報が届くまでは





あの「デスクリムゾン」と同じファミ通のクロスレビューで13点を叩き出した「大奥記」 がついに登場

2年にわたる延期という前情報、大奥を舞台に女の戦いを描くというターゲット層不明な内容、

そしてなにより低評価ほど信頼できる ファミ通クロスレビューで13点という快挙

実際のゲーム自体も期待を裏切らず、「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」。もちろんロード有り。

グラフィックもしょぼく(ただし尻の描写だけはPS2クラス)、ひたすら面白くない。

まさに宣伝文句通り、大奥記は底知れぬ伏魔"伝"(公式HPより)と言えよう。

派手さはないものの堅実なクソゲーであり、夏までは大賞の最有力候補と囁かれていた



が。







360ユーザー待望の麻雀ゲーム「ジャンライン」

クソゲーとしての標準スキル、フリーズバグは勿論の事、

麻雀としてのルールがところどころおかしく、オンライン対戦も問題点が山積み。

社員が喋ったような出来のボイスデータを販売した上で、数日後に販売中止、返金対応とDLCにもぬかりはない。

発売初日に謝罪文を出す手厚いサポート体制に加え、

「素人が作ったのか?」との声に応えて社員ブログ書き手が麻雀素人をカミングアウトするサービス精神も好印象。

だが、「選評でクソゲーとしての面白さが伝わりにくい」という理由で次点入りも難しいと言われていた。

…この時点では。






クソゲーメーカーIFからの最強の刺客『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』

当スレを待ち受ける「真の地獄」の幕開けを告げた核弾頭

他作のシステムをパクった割には劣化して、地味・単調・戦略性皆無と三拍子そろっている。

当然のように手抜きの演出や、電波要素も実装。

6時間程度でクリア可能というボリュームも、作品本スレにて

「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。

時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれた。

データに本作と無関係なアニメのOPが存在する点など、クソな点を挙げるとキリがなく、

このゲームのタイトルはいざプレイしようとする購入者達に対して

    クル・ヌ・ギ・ア

「これからが本当の地獄だ」と告げていたのであった。







「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」とまで言わしめた「プロゴルファー猿」

10月末、ファミ通レビュー「ALL3」、即ち史上初「誰1人として4点以上をつけなかった」という奇跡を起こし

当スレッドをジャングルを駆ける猿の如き速度へ「ドギャ」っと加速させた。

今まで、クソゲーと呼ばれる物には酷いバグや電波なシナリオ、不快なシステムと言った、

そのゲーム特有となる頂点を取りうる何らかの武器を持っていたものが大半であった。 (例えば四八(仮)はこれらをフル装備)

しかし、プロゴルファー猿はそれらの武器を一切廃し、クソゲー界に素手で殴りかかって来たまさに野生児である。 ~。

プレイする上でプレイヤーが不快に感じる事は無い。

むしろ面白く感じてもなんら不思議は無い。

だが、極端に底が浅いのだ。

楽しみ続けるための要素が存在しない。一回クリアしてしまえば遊ぶ理由が無くなってしまう。

現代において忘れ去られていたクソゲーっぷりを復活させた歴史的な作品といえよう。

PVやCMの出来が素晴らしく、

『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』

という言葉と共にPV製作者への敬意をあらわしたい。






ここまでが七英雄の内、次点止まりであった作品である。

このどれもが購入したことを激しく後悔できる立派なクソゲーである。

だが、大賞と呼ぶには文字通り「次元」の壁があった。





そして運命の12月、

修正パッチにより、蘇り更なるパワーアップをはたした、真「ジャンライン」

七英雄の続編としての期待をはるかに上回った「メジャーWii パーフェクトクローザー」

他の七英雄と圧倒的な差をつけた両作品はクソのインフレを引き起こし、「四八ショック」を過去のものにしてしまった。









では、2008年度の大賞を発表しよう。

栄えある08年度大賞は2つ

修正パッチによる復活を遂げた『ジャンライン』

前作から(クソな)進化を遂げた『メジャーWii パーフェクトクローザー』

である。

大賞の選考には大きく2つに意見が分かれ、2009年になっても決定されなかった。

クソゲー界の新境地を開拓した「ジャンライン」。

クソゲー界定番のジャンルではあるが、衝撃的なプレイ動画を有する「メジャーWii パーフェクトクローザー」

どちらの作品も大賞としての風格は十分に備わっており、両者ともに魅力的すぎるクソゲーだったからだ。







宇宙麻雀、真『ジャンライン』

このゲームがクソだとされる原因は大きくわけて3つ

ひとつは運営のクソな対応。

もうひとつは、ファミコンのころからある麻雀ゲーがXBOX360でバグまみれで麻雀として成立していないという点。

最後に、修正パッチの意義を再考させられるという点である。



そもそもパッチとはゲーム進行における不具合やバグを修正するためのプログラムである。

ところがジャンライン製作会社のレコムが我々に送り出したパッチの内容は、

「修正」というよりも「改悪」でなかったら何かの呪いとしか思えぬものであり、

怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきたような惨状であった。



「空間」や「時間」を飛び越えたとしか思えないバグの数々に、もはや麻雀として楽しむことは不可能に近い。

卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、

「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」

――「宇宙麻雀」を超えた「四次元麻雀」がここに現れたのだ。



また、これらの致命的なバグだけに飽き足らず、

「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった、

昨今のクソゲー事情に欠かせない「問題ある運営」というツボもしっかり抑えている。

中でも「抗議の電話に対する『覚悟しています』という悲壮な返事」は、スレ住民に会社の悲惨な状態を偲ばせて余りあるものであった。



これらの事件は四八マンに次ぐ当スレマスコット、ジャッシー(仮)の姿とともに住民の心に深く刻まれた。

これから先、修正パッチによる悪化がおこるたびに「ジャンライン」が引き合いにだされることは間違いないだろう。

「これは麻雀ではない、ジャンラインだ。」



麻雀のルールを知らない人にはクソさが伝わりにくいことや、

動画のインパクトが『メジャーWii パーフェクトクローザー』に及ばないことが欠点としてあげられる。

だが、ジャンラインという別ゲーに麻雀と冠して売り出したことや、修正パッチによる進化という快挙をふまえれば

2008年度の大賞の一角として十二分にふさわしいと言える。

後世に語り継がれるべきクソゲーである。









そしてもう一つの大賞。一目でわかるバグの宝庫、クソキャラゲーここに極まれり

前作から更なる進化を遂げ、マウンドに帰ってきた

『メジャーWii パーフェクトクローザー』



「ジャンライン」は修正パッチという変化球的なクソさで大賞の座を得たとしたら、

「メジャー2」はど真ん中の直球で大賞をものにした。

剛速球なクソに更なる磨きがかかったどころか、もはやミートすることも不可能な魔球になってしまった。

「センター前キャッチャーゴロでファールになった」

「バッターと審判が後ろ向きになった」

「CPUによる強制オート操作の走者が勝手に盗塁死をする」

「ゴローの首までもが180度回転した」

「サヨナラ負けをしたのに優勝した」

などなど、数え上げれば切りがない不可思議な現象がおこり、

2009年になっても新しい現象が確認されている。

未だ、留まることを知らない「メジャー2」のバグの嵐の前に、住人たちは、

「バグ」とは何かについて考え始める始末。

仕様と思われる部分もクソすぎるため、仕様とバグの境界がわからないという完璧な内容。
クソすぎる仕様(?)とバグ(?)の前ではKOTYの大賞に選ばれないはずがない。

クリスマス商戦、お年玉、そしてNHKの正月のアニメの再放送などにより多くの子ども達が、
クソゲーの洗礼を受けたであろう事実も考慮にいれたい。





昨年クソゲーマイスターの称号を賜った「ドリームファクトリー」と、

今年最初のノミネート作品を繰り出した「タカラトミー」の最強バッテリーが作り出した

この「野球のようなもの」は、

投球・打撃・走塁・守備・その他全てがメジャー級のクソという見事な完成度を誇った。

さすがは「追求したのは、本格野球ゲーム」、完全に前作どころか野球を超えている。

まさに2008年度KOTYのパーフェクトクローザーであった。







その他の候補作として

「最大32人の大規模オンライン対戦」の事前発表が発売直前に公式ホームページから削除されたが、

発売後数日に渡って「32-PERSON ONLINE MULTIPLAYER」という文言の入った動画を

一切の注釈もつけずに垂れ流し続けた「メダルオブオナーヒーローズ2」

「プレイグラウンド ~公園で遊ぼう~」

出場していない馬が優勝するというありえないバグが発生した

「ダービータイム オンライン」



などが挙げられる。

これらの作品は06年度まではノミネートされていても不思議ではないが、

「四八(仮)」や七英雄の前ではクソゲーとすら思えない。





2008年のクソゲーオブザイヤーを振り返ると、

どのゲームも「企画の段階から全力でクソを作った」という印象だ。

バグがなくても、仕様からクソという作品が大半を占める。

これは昨年のKOTYスレにあった

「脱力して出たクソより、全力で出したクソの方がいいに決まっているだろう」

というレスに対するゲーム業界からの挑戦状だったのであろうか。

大賞にいたっては、元とになった「麻雀」や「野球」を完全に超越してしまった。

08年度は「四八ショック」から始まり、前半はクソゲーに飢え、後半は「四八(仮)」に迫るクソゲーに溢れ、12月に決定的なクソのインフレが起きた。

「四八(仮)」、真「ジャンライン」、そして「メジャー2」。もはや、これ以上のクソがあり得るだろうか。





最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、

次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。



「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」




その6 ジャンライン大賞ver



四八(仮)の出現した2007年をジャイアントインパクトに例えるならば、

2008年はカンブリア爆発と言えるだろう。

あらゆるジャンルのクソゲー達が、次世代の覇権を握ろうと跳梁跋扈したのが2008年である。

あるものは四八が示したクソゲーの概念に真っ向から立ち向かい、

あるものは四八と同じ道においてそれを超えようとした。

まず、KOTY2008の始球式から叩きつけられたデットボール『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』

何をするにも繰り返されるデモ画面、ストライクか否かが投げた瞬間わかる投球システム、

圧縮を重ねたストーリー、一試合に本当に2時間掛かるなどといった要素を駆使することによって、

一見様への解りやすさと野球の試合へのリアリティ追求を両立させた意欲作として、

先発投手としての役目は果たしたとこのときは思われたのだった。



しかし、――今となっては意外な話だが――この後クソゲーマーたちは深刻な飢餓状態を迎えることとなる。

四八が存在する今となっては、それまでならノミネートクラスであったろうクソゲー達も、

只のゲームとして扱われる。

『四八ショック』と呼ばれたこの状態は、もはや四八と渡り合えるクソゲーなど生まれないのではないかという



悲観的(正常な価値基準から言えば楽観的)幻想すらも生んだ。



その幻想をぶち殺すと言わんばかりに、二年の長きに渡り延期を重ねたゲームが出現する。

六月の始め、嵐の到来を告げるアスファルトのきな臭い匂いとともにやってきたそいつの名は『大奥記』

ファミ通レビューにおいて、かの『デスクリムゾン』と同点の13点をたたき出し、

大奥を舞台とした女の戦いを描く客層不在のキャッチコピーや、

発売日前から200円だった買取価格など話題には事欠かない。

尻以外のポリゴンや動作は、大奥ではなく吉宗を思わせる徹底倹約ぶり。安普請故に机に服がめりkむのだ。

ドアの開閉や歩行するときにも無駄に体を動かさない『カイゼン』意識には、派遣切りのトヨタも驚きだろう。

証拠を集める為に多すぎる部屋を延々歩き回る悪夢じみた作業の潜む城は、まさしく現代の伏魔『伝』だった。





クソ化が難しいとされていたノベルゲームの常識を打破した四八の後を追うように、一つのゲームが現れる。

超時空ジャンデレラこと『ジャンライン』が、テーブルゲームという聖域の開拓を行ったのだ。

クソゲーとしての嗜み、フリーズバグを搭載しているのはもはや当たり前だろう。

点数計算がおかしい。対戦麻雀なのに同じプレイヤー同士での連戦が不可、社員の美声を有料DLCとして販売

など、地球上のどの麻雀のルールにもありえない宇宙麻雀を開発したあげく、

公式ブログを書いているのが麻雀素人だと発覚し、発売初日から『謝罪文』発表、DLC返金対応

という前代未聞の異常事態を作り上げたクソゲー界の秀才アイドルだった。この時点では。





   クル・ヌ・ギア

だが、真の地獄 はこれからだ。



多くの新勢力が名乗りをあげ、クソゲーの老舗ことアイデアファクトリーも、遂に手段を選ばぬ暴挙に出た。

例えるならば、核不拡散などクソ食らえとプルトニウムてんこ盛りで作ってしまった対人地雷だろうか。

『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』には老舗の驕りは無い。純粋にゲーマーを殺しにかかっている。

何せ、パッケージそのものがフィッシング詐欺目的のパクリであるのだ。

六時間で終了し、しかもその短時間で残るのは不快感だけという超絶ストーリーや、

マヒさせてオートにしておけばラスボスすら倒せる『ムービーゲーではないのにムービーゲー』、

そしてストーリーに関係しない好感度システムや、敵よりもプレイヤーにダメージを与える迷言など、

RPGというジャンルをどこまでクソとして高められるか、というIF自身の限界への挑戦が伺える。

このゲームによって、IFは自分たちを甘く見ていた者達へ宣戦布告を行ったのだ。





そんな最中、『プロゴルファー猿』が従来のクソゲーの定義に真っ向からケンカを売る。

ファミ通レビュー「ALL3」、即ち史上初「誰1人として4点以上をつけなかった」という奇跡を起こし、

「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」との言葉を導き出したことから、

クソゲーとしての品質は推して知れるだろう。

猿の偉業は、そのクソさの質にあるといえる。

バグが多い訳でも、仕様が理不尽な訳でもなく、ただただ薄っぺらく面白みがないという一点を追求したのだ。

「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」

この言葉は、クソゲー的な、あまりにクソゲー的なゲームの新たなあり方を模索した『超人』の叫びとして、

多くのクソゲーマーの心に刻み込まれたであろう。





こうした百花繚乱の戦国時代の中、徒花となって散ったクソゲーもあった。

「テキストがまだない」ものの、死者の蘇生という人類の夢を実現した

『奈落の城 一柳和、2度目の受難』



ソフト内にはかけらも存在しない三十二人同時対戦を売りにして大規模詐欺行為を行った
『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2 』



これらのゲームは、2008年でこそ一線級ではないものの、クソゲーの幅を広めた偉大な開拓者達だといえる。



しかし、時は十二月

あるいは埋もれた時の流れの中から、あるいは異次元の外宇宙から

この「メジャーはあってもモノサシがない」混沌状態を打開すべく、

二つのクソゲーが圧倒的な進化を遂げて帰ってきた。

二作の登場によって、戦いは良糞の彼岸へと場所を移すことになるとは、誰が想像しえたであろうか。



まず、『パッチ』によって再誕を果たした『ジャンライン』

本来ゲームを改善するはずの『パッチ』によって、パッチ前から破壊的だったその戦闘力は、

何故か圧倒的進化を遂げてしまった。

頻度の増したフリーズによってハードを、『鳴き』を行う際の牌選択権をはじめとする一切の選択肢を、

何故か牌が傾き、牌と牌が融合することによって物理現象を、

場に捨てた牌でロンしたと思ったらツモられていたという異常現象で事象の因果律を、

そして他者の場に出てすらいない手牌を奪い取ってカンする『亜空カン』で上がりを封じることで、

正常なゲームの進行すら破壊し尽くすその様子は、破壊の権化というよりは、むしろ

破壊そのものであると言う事ができるだろう。



後を追って登場したのは『メジャーWii パーフェクトクローザー』

「本格的野球ゲームの追及」の名の元に、人が『野球ゲーム』と聞いて思いつくありとあらゆる

クソ要素を一つにまとめたといえば分かりやすいであろうか。

誰一人としてマトモな方向を向いていないメンバー達。挙動不審な野手・走手・捕手・審判。

透明人間の出現するエディットや、キャッチの芸術点でアウトカウントが増える新ルール。

塁審がいないことを考えれば、野球ルールがまともに適用されないのも当たり前か。

挙句の果てに、当初、只のコラでしかなかったはずの『ゴローの首反転』を『実装』してしまった。

パーフェクトの名に恥じない、野球クソゲーの集大成と名乗ることを誰も止めはしないだろう。

この製品品質を実現したのは、映画にあわせた無理なスケジュール・ドリフ製作・プログラマ三人

という完璧な製作体制あってこそである。

そう、夢は時間を裏切らない。夢は野球を裏切ったのだ。





それでは、今年のKOTY『大賞』を発表しよう。2008年で最もクソゲーたるゲーム、それはジャンラインだ。

ジャンラインが大賞である理由は二つある。

まず、『ストーリーのないテーブルゲームでのクソゲー』であるということ。

ストーリーはゲームの良し悪しに大きく関わってくることはご周知の通りだろう。

プレイヤーの関わる余地が少ないサウンドノベルですら、ストーリーが悪ければ途端にクソゲーと化すのだ。

しかし、『テーブルゲーム』にはそれがない。

あるのは選択肢とルールだけであり、テーブルゲームの面白みとは、

プレイヤーによって作られる『筋書きの無いドラマ』だ。

家庭用の麻雀ゲームはクソゲーになり得るはずの無い代物であり、フリーの麻雀ゲームですら楽しまれてきた。

破綻させようにも、本来どこにも破綻させられる要素が無い故に

だがしかし、ジャンラインは『テーブルゲームのルール破壊』という偉業(異形)をもってして

その不可能性を打ち破った。

ただ麻雀をするためだけのゲームで麻雀が不可能という事態を作り出すことで、

『存在しないはずの筋書き』を破壊したのだ。



そして、言わずもがなだが、『パッチによる進化』を実現したこと。

かつて『ダービータイム オンライン』というゲームが一時期ノミネートされていたのだが、

パッチによって不具合が解消されたが故に候補からはずされたという経緯がKTOYには存在していた。

そう、ほぼ全ての人間にとって、家庭用ゲームにおけるパッチとは『クソゲーを弱体化させるモノ』でしか

なかったのだ。

この共通認識をジャンラインが破壊したことは、ゲーム界において大きな意味を持っている。

あらゆる家庭用ゲームがパッチ一つでクソゲーとなりうる、

『クソゲーバイパスライン』が構築されてしまったのだ。

これらの功績と、ジャンラインそのものの類を見ない異常性をもってKOTY大賞としたい。





人類の科学は常に進歩する。それはゲームの世界においても同様だ。

次世代ハードの高いスペックは、ゲーム開発の自由度を更なる高みに引き上げた。

パッチをあてることで、ゲームを改良することも可能なはずだった。

だが、我々は忘れてはいないだろうか?

この『自由』には、『クソゲーを作る自由』が含まれていることを。

我々は見ないようにしてきたのではないだろうか?

近代に生まれた科学技術の数々は、人を害する方向にも無限大の可能性を秘めていることを。

もはやクソゲーに聖域はない。あるのは、超えてはならない一線の先に広がる地獄だけだ。



商品未満の風が吹き荒れた2008年の地獄の住人から、

まだ見ぬクソゲーがひしめいているであろう、未来の地獄の住人へ



この一言を警告として、2008年KOTYを締めくくりたい。



   ジャンライン

その 一線 を超えることなかれ

その7 ジャンライン大賞ver

2007年、クソゲーオブザイヤーは四八ショックに包まれた…

昨年の大賞である四八(仮)のありえないクソにより「もうクソゲーは出ないのではないか?」と思われた。

…だが… クソゲーは死滅していなかった!

2008年は再びクソゲーが割拠する乱世となっていた。



去年の大賞が10年に1本と言われる程のクソさ故に新年が明けても四八(仮)の話題にとらわれていた当スレであったが、

『メジャーWii投げろジャイロボール』で当スレも開幕を迎える。

ストーリーを圧縮しすぎて原作ファン以外お断りのADVパート。

ストライクか否かが投げた瞬間わかる投球システム。

更には、毎回現れる一枚絵の操作説明画面や、何をするにもデモを流すなどして、

一試合2時間以上という野球のプレイ時間を見事に再現してみせた。

まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソであった。





3月の決算時期を向かえ『奈落の城 一柳和、二度目の受難』に購入者の怒りの声が当スレにも届き始める。

本格推理ADVを名乗りながらも。実際はフラグ管理の甘さが目立ち推理の余地がない総当りゲームであった。

更には殺された人間が何事もなかったかのように再登場し「テキストがまだない」と言い出すミステリーは

購入者を奈落の底へと突き落とした。


そして『大奥記』が2年間の延期とファミ通のクロスレビュー13点と共に現代へと舞い降りた。

移動はホバリングで襖の開閉は超能力と揶揄されるモーションの少なさ。

部屋の大半が無人のマップをホバリングで迷走し超能力で襖をこじ開けるこのゲームは

あるユーザーに「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」と言わしめられた。

更に「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字が用意されており、

まさに宣伝文句通り、大奥記は底知れぬ伏魔"伝"(公式HPより)であった。




サブプライムの大波とともに姿を現した『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』は

「地雷地帯IFの作品は平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」という住人の平和ボケを蹂躙した。

某シリーズを連想させるジャケ絵に、学園とは全く関係のない電波シナリオ。

戦闘においては、キャラと敵の動作や魔法・召還ムービーなどの演出は一切無い。

更には立ち絵の使いまわしによるシュールな1枚絵の合体技がプレイヤーに精神ダメージを与える事に成功し、

「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。

時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言を生み出し、購入者をを地獄へと陥れた。





ファミ通クロスレビューで12点という奇跡を引っさげて登場した『プロゴルファー猿』もなかなか興味深いクソゲーだ。

「ストーリーモードが無い」「ゴルフゲームだと思ったら双六ゲームだった」という内容は

最初は熱心なクソゲーマーが他に隠しキャラやホールを探しながらも懸命に楽しもうとしていたが、

「全キャラ6人」「全12ホール」からは増える事がなく、僅か10分間のプレイでENDを迎えるたびに姿を消していった。

また、発売前はPVやCMの出来が素晴らしかった為に「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」という声思い出深い惨事であった。





今年のクソゲー界を締めるべく現れた『メジャーWii パーフェクトクローザー』は

「追求したのは、本格的野球ゲーム」ではなく「追求したのは、本格的クソゲー」な出来であった。



打撃では木製バットにも関わらず金属音が鳴り響く上に消えたり伸びたりする「如意バット」から始まり、

「野球ボールではなく砲丸」と揶揄される「打っても転がらないボール」

「3バント失敗してもアウトにならない」「3イニング遊べば10本はHRが飛び出す爽快感溢れる打撃システム」

そもそも塁審の存在しない球場で常識的な判定を求めるのが無理な話か、走塁ではCPUによる強制オート操作の走者は、

勝手に盗塁して速攻刺されるだけには飽き足らず、

フライをキャッチされても帰塁せずに、タッチアップも無しにそのまま得点になる。



守備ではストレートを投げればスタミナが減らない男らしい投球システム。

「1球外すか、いや、でもフリーズするかも」という自分との駆け引きが熱いボール球

更に1アウトのはずが2アウトになることまである「通称:ジャイロキャッチ」という現象は

プレイヤーの度肝を抜くのに十分なインパクトである。



また発売直後に「審判と打者が後ろを向いている」という凄まじいバグ動画で話題を呼んだが、その後ゴローの首までもが後ろを向き

ついには透明人間の出現する始末であった

昨年クソゲーマイスターの称号を賜った「ドリームファクトリー」と、

今年最初のノミネート作品を繰り出した「タカラトミー」の最強バッテリーが作り出したこの「野球のようなもの」は、

投球・打撃・走塁・守備・その全てがメジャー級のクソという見事な完成度を誇った。~
さすがは「追求したのは、本格野球ゲーム」、完全に前作どころか野球を超越していたのであった。





以下次点として4つのゲームがあがる。

『ポイズンピンク』

『メダルオブオナーヒーローズ2』

『プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~』

これらのクソゲーは「例年ならノミネートされていたかな?」と思われるが、乱世の中に飲み込まれ消えていった。



『ダービータイムオンライン』は

「未出走の馬が優勝」などのバグや、ラグがひどすぎるオンラインモードが話題になったものの、

その後サーバー強化やパッチによって改善され、ノミネートは難しいとの結論に至った。





では今年の大賞を発表しよう。

年の瀬の12月、パッチにより更なる進化を遂げた真『ジャンライン』である。

9月に発売したこの『ジャンライン』は既にノミネートされていたが

「ダービータイムオンライン」と共に「年内に修正されたら当然選外」などの厳しいが挙がり

ジャンラインがもたらした混沌は速やかに収束するであろうという無難な見解で推移していた。

だが、そのパッチは購入者やスレ住民の予想を大きく上回るものであった。



麻雀のルールを知らない開発者が作ったフリーゲームの麻雀ゲームにすら及ばない斬新なルールの数々。

見えるはずの牌が一部伏せられ、チーで鳴いた場合の牌の選択方法が不自然、点数の計算がおかしいことなどは序の口である。

なんと、駆け引きに重要な要素である相手の切り牌が手元からか、直前に引いたものか識別不能なのだ。

これに対し開発会社の「レコム」はパッチを出して修正したが、

代わりに出されたものはルールを根底から覆す、麻雀業界震撼の新ルール「先ヅモ」システムであった。

ロンしようと思ったら先にツモられていた。ポルナレフもビックリである。

さらにゲームを連戦できる様にした際に、牌を選択できなくなったのはもはやご愛嬌といっていいだろう。



また「亜空カン」もこの「ジャンライン」を語る上で欠かせないバグであろう。

本来ならば4枚同じ絵柄をそろえた場合に行われる「カン」という行為をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれ

さらに巻き込んだ牌が他人の牌であり「カン」したプレイヤー、巻き込まれたプレイヤーが上がれなってしまうのだ。

極め付けには「カン」をしたプレイヤーの牌同士がめり込んで融合してしまう始末である。



こうして異次元麻雀と散々揶揄されてきた「ジャンライン」は、名前が示すように

麻雀(ジャン)のこえてはならない一線(ライン)をこえてしまったのである



ダウンロードコンテンツの酷さも特筆すべき点である。

「社員が喋ったとしか思えないボイス」「SFC並の貧弱なエフェクト」

四八マンに次ぐ当スレマスコットとなったヨ○シーを放射能汚染させたとしか思えない「ジャッシー(仮)のアイコン」



メーカーのサポート対応も、HPで初音○クを金髪にしたとしか思えない少女が頭を下げ 謝罪文を載せるだけでは終わらずに

「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった対応も

購入者の怒りの炎に油を注ぐようなものであった。



「麻雀」それは人類の英知が詰まったテーブルゲームのはずだった。

「パッチ」それは不具合を直す魔法のはずだった。

しかしそんなものなど、吹けば飛ぶような脆いものでしかないとは証明した「ジャンライン」の功績は余りにも大きい。





今年のクソゲーオブザイヤーを振り返ると、

『メジャーWii パーフェクトクローザー』『ジャンライン』は9回裏、南4局目までそのクソさを争ったが

二作共に「商品未満」という印象だ。

ノミネートされた他のゲームですら、もはや商品として成立しているかどうかギリギリのレベルである。





最後に、2008年クソゲーオブザイヤーにノミネートされた全てのゲームに対し

以下の言葉をを贈りたいと思う。



「ク ソ ゲ ー に 物 申 す !」

その8 メジャー大賞ver

クソゲーに終わりはない
2007年の四八によりクソゲーは沈静化するものかと思われた、強力すぎたのである

事実四八は10年に一つのゲームである、今後2017年までは肩を並べられるゲームは存在しないであろう

だが2008年はスレ住民の考えを裏切り2年に一つのゲームが四つ5年に一つのゲームが三つ排出され

スレ住民はこの事実を恐れ敬いこの七つのクソゲーを七英雄と名づけたのである

まず2008年上半期は異常なテンポの悪さで一試合二時間を誇る「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」

死んだキャラが蘇りテキストがまだない謎を解く「奈落の城 一柳和、2度目の受難」がこのスレの冬を賑わせた

だがこの二つは明らかに力不足であった、どうしても四八と比べてバグもなければ製作者側のミスもないのである

うつつを抜かす住民に待ったをかける一声があげられた、ファミ通で13点を取ったソフトが春に登場したのである

二年という歳月は残酷だと教えらえる「大奥記」

グラフィック、モーション、ビジュアル面はPS時代の出来である、ゲームの出来はファミコン以下である

広い部屋を長いロードに耐え行き来し証拠を集め、耳障りなSEにも慣れた頃

時間の浪費以外何物でもない作業を終えてやっと得られたご褒美は劣化した逆転裁判である

このゲームを楽しみたかったら買取200円で売ってきて、800円ほど足して初代逆転裁判を買ってくることをお勧めする

だがこれも四八には敵わないという見方が大勢であった、あと十年待たねばならないのか?

…それもここまでの話である

下半期に入りわざわざXbox360用でフリーゲームですら普通に遊べると言われている麻雀ソフトが注目を浴びた

異常な事態である、余程のことでもなければテーブルゲームの入賞など不可能である

そう「ジャンライン」では余程のことが起こっているのである

表であるはずの牌が裏、チーの牌選択がうまくいかず、点数の計算もおかしいという

自動イカサマシステムというシステムが搭載された次世代麻雀ゲームの金字塔になるべくして生まれたゲームである

オンラインでは同XboxテーブゲームのUNO(1200円)で搭載されている機能が軒並み未搭載

例え社員ブログで麻雀素人を告白したところでオンラインの仕様は言い訳できない、だがパッチが当たることによって収まるであろうと言う見解がなされていた

そう誰もがパッチという可能性に疑いなど持つはず無かったのである



その間「神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア」が大賞と噂されることになる

転生学園と間違って買わせようと言う低い志で開発されたことが目に見えるかのようで

限りなく薄い内容、出来の悪い戦闘、キャラクター面でのフォローも無しという三拍子を揃えた一見完璧なクソゲーであった

恐らく惜しいことに2006年に出ていれば大賞であったであろう

だがクギャーをあざ笑うかのごとく大奥記より1点低い、つまりALL三点をひっさげ「プロゴルファー猿」が登場した

クギャーのボリュームなど最早相手にはならない、10分で全コースを回れる上キャラクターも6人しかいない

ボールは同じ場所に落ちるし合間合間にミスターXが話しかけてくるだけでゲーム自体も特別やることは無い

往年のシンプルシリーズを思い出させる出来である、シンプルシリーズなら仕方ないなと思われていたであろう

ちなみに当然フルプライスである



そしてジャンラインが動きだした

パッチが出たのである、つまりジャンラインからジャンライン Ver1.1になったのである

1.1になったジャンラインはイカサマシステムが進化、カンやポンで関係の無い牌まで一緒に積み

ロンしようとしたところにツモられる先ツモされ、一瞬目を離せば最早何が起こっているのかわからなくなる

まさしく現代の一瞬の油断を突いてイカサマを行う雀士達を再現しようとチャレンジしている

関係の無い牌を一緒にカンして何が嬉しいのかわからない、それを聞こうにも公式の掲示板は閉鎖してしまったし

メールを送ってもコピペメールが帰ってくるだけだ、電話に対して「覚悟しています」という返答もその気迫がうかがえる

余談だが、オンラインをやろうと思ったらこのパッチは絶対に入れなければならない



だが待ってほしい、大賞はジャンラインなのか?たしかにルール破壊と劣化、公式の対応は素晴らしい

麻雀も成り立っていないあたりそれに比肩するソフトも存在しないだろう、…だがそれを超えるソフトは存在しえるのだ

タカラトミー&ドリームファクトリーが放つメジャー『メジャーWii パーフェクトクローザー』

判定のおかしいことを書きあげればキリが無い、1アウトなはずなのに2アウトになる、エラーでアウト、センター前キャッチャーゴロとしか呼べないものが発生したり

バットは伸び縮みする柔軟性のある木製バットで打つと金属音がする、勝手に盗塁する味方

塁審は存在しないし、後ろを向く審判(仕事はする)とストライクゾーンに背を向けるバッター(打てる)まで出る始末

だがこれもまだ序の口である、無名選手によって加速する3Dバグの数々

首が反転する、肩から足が生える、審判の下半身と上半身がくっつく、首なしバッター Lv.21 HP129、下半身が消える、全身消える等々

まるで半壊したファミコンのカセットである、無名選手バグは高確率でフリーズするというおまけつき

試合もサヨナラ負けで勝利出来たり、大量の点差で延長戦に入ったりまず算数が出来る人間が必要なようだ


最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、

次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。



「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」

その9 メジャー2大賞ver

2007年、終わらぬクソゲー界の戦場に現れた一つの鉄壁要塞『四八(仮)』。

沢山の人々の心と腹筋に想像以上の苦痛と恐怖を与えたこの要塞を壊せるものなどない、誰もがそう考えていた。

…しかし、私達は予想もしなかった。

まさか2008年、鉄壁要塞が壊れることなく、さらに同じようなものが増えてしまったということを……。



最初に登場した『メジャーwii 投げろ!ジャイロボール』は、一年の始まりにふさわしい活躍だった。

試合中に何度も流される押し付けがましい親切な操作説明画面、ボールを一球投げる度に出るデモ、

打球の飛んだ方向に関係無く流されるデモによってリアルに再現された一試合2時間。

さらに原作ファン以外お断りのたまったもんじゃない超圧縮のADVパート。

ボールではなくゲーム自体を投げたくなる出来に、――『四八(仮)』までとは行かなくとも――私達は身震いした。



次に登場したのは『奈落の城 一柳和、2度目の受難』というADV。

前作が好評だった為にノーマークだったが、不条理な謎解きに加えて死んだはずのキャラが復活し、

話しかけたら「テキストがまだない」と表示されることで当時話題となった。



その三ヶ月後、ファミ通クロスレビューで『デスクリムゾン』と同等の13点という数字を出した『大奥記』がついに登場。

豪華絢爛という言葉とは対照的なグラフィックの中で際立つ、人物のPS2クラスの尻描写。

スイスイと進むホバリング移動と部屋に入るたびに発生する長いロード。

さらに申し開きパートの為に必要な証言を何とか集めた気苦労をあざ笑うかのようなチャンバラSEと、

証拠→悔しがる→証拠→悔(ryの無限ループ。

某ゲーム雑誌のレビューで「悔しがる表情が良い」と掲載された機能なんてものはなかった。全くなかった。

派手さは無いがその堅実な作りに、私達はこの要塞に只ならぬ何かを感じ取っていた。



その他にも『ポイズンピンク』、『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2』、『プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~』などが

建設されそうになったこともあったが、その小さな建設予定地に彗星のごとく新たな要塞が誕生した。



その名は『ジャンライン』。

歴史ある麻雀ゲーの中に生まれたその存在は、クソゲーの常識であるフリーズバグを搭載してるのはもちろんのこと、

対戦麻雀にも関わらず同プレイヤー同士との連戦が出来ない、ありがたくない社員の美声を有料DLC販売されることに加えて

点数計算がおかしいことや、公式ブログを書いているのが麻雀素人と発覚してしまったことにより、

麻雀の歴史に新たな一ページを刻んで話題となった。……しかし、これよりもっと恐ろしいことなってしまうのだが、それはまた後のこと。



2008年のクソゲー界の戦場で最も衝撃的な出来事の一つといえば、

今までのIF製クソゲー要塞を一気に破壊したと思われる「IF製核地雷」、『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』の登場ではないだろうか。

六時間というコンパクトにまとめられたストーリーを終わらせた時に残るのは不快感のみの超絶(望)展開、

他のゲームの戦闘システムの上っ面だけを真似たことで生まれた、マヒさせてオートにすればラスボスさえ倒せる斬新なシステム、

プレイヤーの精神もマヒしてしまうような痛い台詞の数々など、おぞましい惨状に恐怖した。

もしも何も知らずにパッケージに騙されてこのゲームを買った人を見かけたら、

「クル・ヌ・ギ・ア(真の地獄はこれからだ)」と言ってあげよう。



「騙す」という言葉で思いつく要塞といえばやはり、『プロゴルファー猿』であろう。

先述したメジャーと同様キャラゲーなのだが、あっちが原作ファン以外お断りに対し、こちらは原作ファンがお断りのゲームだと思われる。

なにせストーリーが無い。そして登場キャラは6人しかない。

その登場キャラも突かなくてもいいような重箱の隅を突いたキャラクター達ばかり。

ストーリーが無いために最短10分でED行ける内容の薄さで、噛んでも噛んでも味が出ないするめゲーならぬ水ゲーであった。

発売前のPVの出来が良く、それに騙されてこのゲームを買った人は、心の中でこの言葉が響くだろう。

「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」



数々のクソゲー要塞が建設されて時が経ち、ついに12月を迎えた。

そしてこの12月から、二つの出来事によってクソゲー界の戦場はさらに激しくなっていくこととなった……。



まず一つ目は、パッチという補強工事によって生まれ変わった『ジャンライン』である。

パッチとは本来クソゲー界の戦場にとって、要塞を破壊する兵器のようなものだ。

今年発売された『ダービータイム オンライン』もバグゲーで注目されたが、パッチによって残念ながらクソゲー界の戦場から消えた。

しかし『ジャンライン』に当てられたパッチは、今までのパッチという概念を覆すものであった。

常備されていたフリーズバグがパワーアップしたり、手元の牌がちょっと斜めになったり、牌の選択が飛び飛びになったり。

さらには4枚同じ絵柄をそろえた場合に実行が可能な「カン」で、何故か関係ない牌が巻き込まれたという

プレイヤーの持つルール観を破壊しかねない事が平然起こってしまった。

しかも、3枚同じ絵柄をそろえた場合に実行が可能な「ポン」をした場合でも、同様のことが起こってしまったのである。

揃わぬカン・ポンが、目に染みる…そんなプレイヤーもいたのではないだろうか。

そして二つ目は、年末を締めくくるにふさわしい魔物の登場。その名は『メジャーWii パーフェクトクローザー』。

先に記述したメジャーのゲームの続編が、同じ年に生まれてしまった。しかも開発元は、あのドリームファクトリーである。

打撃の際には木製バットでも景気の良い金属音が鳴り響き、3バントを失敗しても安心。なんとアウトにならない。

変えられないCPUのオート走塁によって、野球は1人ではなく9人でやるものということを再確認させるのはこのゲームの良心とも思えてしまうが、

チームメイトの勝手な盗塁などの行動によって怒り覚えてしまうかもしれないので、どう受け取るかはプレイヤー次第である。

審判が尻を向け、同調するようにバッターも後ろを向いてかまえるというバグも稀にあり、一層本格的糞野球ゲーに磨きをかけている。







では今年の大賞を発表しよう。

それは、『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。

同じ月にパッチによって進化した『ジャンライン』と壮絶な勝負を繰り広げた結果、このゲームを選んだ理由。

それは多感な年頃の子ども達に、大きな傷を残すのがこれではないかと思われたからだ。

このゲームの原作であるメジャーは大人気漫画であり、TVアニメ化もされた。

さらにこのゲームが発売した二日後に、劇場用映画も公開された。

メジャーの映画に感動した子ども達が、ゲーム売り場でこの夢工場が作った悪夢のゲームを見かけ、

親にせがんでクリスマスプレゼントとして購入し、そのゲームの内容にワクワクした心を完璧に抑えられる。

そのような光景が、メジャー人気が終焉を迎えるまで、これからも起き続けるのではないだろうか。

私達はこのような悲劇が新たに起きることのないように、この出来事を大きな声で語り継いでいかなければならないと思い、大賞とした。

最後に2008年のクソゲーオブザイヤーを、この言葉で締め括りたいと思う。



「追求したのは、本 格 ク ソ ゲ ー」