◆ 選 評 ◆



2006年のクソゲー市場は過去類を見ない程の盛り上がりを見せた。

ゲーム的にもネタ的にも十分な質と量を兼ね備えたクソゲーがこれでもか、と言わんばかりに投入された。

が、それと同時に商品レベルに無いと言われるような物が取り沙汰される悲しい年でもあった。



2006年はまず年明けの「FF7DC」で幕を開ける。

FF7のスピンオフ、美麗グラフィック、オンライン対戦の実装でファンを期待させ、

蓋を開けてみればTPSの基本がなってない、よってオンライン対戦も・・・、世界観ぶち壊しのGackt起用、

開発者の「ミリオンは通過点、そこからどれだけ売るかの勝負」発言、そしてヴィンセンとー!!と、

数々のネタを盛り込み、新年早々「もうこれで決まりだろう」的な空気を作り出した。





だがそんな状況に待ったをかけるべく「ガンパレードオーケストラ白(緑、青)の章」が名乗りを上げた。

「絢爛舞踏祭」等で御馴染みのシステム、反省の色が微塵も見えない開発者、明らかに分割商法の3部作構成、

ディスクの取り出しづらい限定版の箱の造り等隙の無い構成ではあったが、

ユーザーとしては概ね想定の範囲内、と言ったところであったのだろうか、今一つ盛り上がりに欠け、FFDCを追随しきれてはいなかった。



それからしばらくは対抗馬不在であったがシンプル2000の「THE男たちの機銃砲座」が登場し、スレも活気を取り戻す。

このゲームはシンプル2000ではあるものの、そのハンデを乗り越える程のカオスっぷりを見せ付けていた。

フォントがフリー素材、この・・・通信は・・・電波妨害・・・されている・・・等もうちょっと考えろよ的な要素すらも些細な事である。

シューティングゲームなのに敵を撃たずに無視する事でクリア、とシューティングゲームを根本から見詰め直した斬新なゲーム性が評価された。





これらの前後に「BLEACH〜放たれし野望〜」、「宇宙刑事魂」、「魔砲使い黒姫」、「格闘美神ウーロン」等のクソキャラゲーが

乱発され、クソゲーが無い日が無い、と言う程の充実を得た。

これだけの量のクソゲーを生産できるバンナムには頭の下がる思いである。



そして年末も近くなり、そろそろ駆け込み見切り発車のクソゲーが届き始める頃か、

と思っていた矢先にまさかの「カルドセプトサーガ」である。

わざわざXBOX360専用で開発、過去の実績、猿楽庁等の要素から考えてクソゲーであるはずが無く、

またこのスレで名前が挙がるとは誰もが夢にも思ってなかったであろうソフトだった。

このソフトを二文字で表すなら「バグ」である。

最初は熱心なファンがバグがあることは感じながらも懸命に楽しもうとしていたが、

日に日に発見されるバグの数と反比例して姿を消していった。





そんな状況の中でも沈黙を守り続けるバンナムの姿に怒りで震える購入者の声は届かず、

真っ先に謝罪したのがハード会社のマイクロソフト、というなんともやるせない惨状に、

現代の歪んだ社旗情勢が反映されていると言えるであろう。

開発者がmixi内で、本人かどうかの確証も無いが、「アレがサービスの最底辺」と発言しており、

もはやダイスすらまともに作れていなかった事などほんの瑣末な事と言える。

余談ではあるが後(2007年)に発売される攻略本が発売直前に回収されるという離れ業をもやってのけた。

年末には10数年ぶりのナンバリングタイトル、物理演算搭載、発表当時は次世代機の物とも思われていたグラフィックで

期待を一身に背負っていた「聖剣伝説4」が見切り発車ミエミエ、バランス調整放棄、ストーリー詰め込むのマンドクセ、の出来で発射され、

「クソゲーすぎる、、どうなってんだ、、?」との名言を生み出し、2006年を最後まで盛り立てた。





そんな中で見事大賞を受賞したのは「ファンタシースター ユニバース」

PSOのノウハウ、実績を引き下げた新たなオンラインRPGに誰もが期待していたが、

いきなりのサーバーダウンや発売後に有料ベータテスト化、初期はログインするのが既にゲーム、等

これまた開発の粗末な対応にファンは振り回される。

オフ部分についても、「オフだけでも大作RPGです。」「オフはオンのチュートリアル。」と開発にも迷いがあったようだ。

ゲーム部分もPSOから大幅に退化しており、PS2版は泥人形と揶揄されるキャラクタ、ただ連打するだけの戦闘、

不可解な味方AIの行動、何をするのにも微妙にストレスの溜まる造りに呆れかえるファンの姿があり、

見ているだけでいたたまれない気持ちになる。

時間を掛けて開発したが時の流れは残酷である、という事を購入者に知らしめた功績は大きい。

このゲームは上記クソゲーと比べて突き抜けたクソという訳では無いがこのソフトを取り巻く環境や状況が

昨今のクソゲー市場を端的に表している、と言う意味で今年のクソゲーを代表すると言えるだろう。





最後にシリーズを悉く潰していき、次世代機でもクソゲーを乱発するバンナム、

ゲームを着飾る事に溺れているスクエニ、

過去を振り返る事の出来ないソニックチームに以下の言葉を贈ることによって

2006年クソゲーオブザイヤーを締めくくりたい。





全 て の ク ソ ゲ ー を 過 去 に す る。