2012年 次点

概要

名称時と永遠〜トキトワ〜http://www.amazon.co.jp/gp/product/B008N8TPK2/ [外部リンク]
ジャンルアニメーションRPG
対応機種PlayStation3
発売元バンダイナムコゲームス
開発元イメージエポック
発売日2012年10月11日
価格通常版:7600円、限定版:9505円(税込)
対象年齢CERO:C(15歳以上対象)

参考動画

要点

キャラモーションの全てが手描きで、フィールド移動やバトルシーンをアニメを動かしてプレイするという、今までに無いタイプのアニメーションRPG。

しかし発売前のPVから、誇大宣伝も大概にしろと言いたくなるお粗末な出来が露呈しており、いわゆる「見えている地雷」として期待危惧されていた。

いざ発売してみると、予想通りのアニメのクオリティの低さや作画枚数の少なさからくるカクカクっぷりに加え、RPGとしてもあまりにお粗末だったため更に大炎上。

声優好きからしても、口パクは完全無視、サブシナリオは声なしと散々な結果で、極薄内容の有料DLCを各500円(計2500円)で売り出す等、もはや擁護不可能。

スレでの呼称はそのまま「トキトワ」。ついでに、公式サイトのミニゲームでのトキの台詞「ひ、ひどすぎるよー!」が、本作を見事に表しているとしてテンプレ化した。

選評

選評その1

2012年10月11日、発売前から見えている地雷と評されていた「時と永遠〜トキトワ〜(以下トキトワ)」が発売された
まずは、何故見えている地雷と既に評されていたのかについて記したい

時は遡って2012年7月19日、販売販促のためのプロモーションビデオがyoutubeで満を持して公開された
トキトワはHDアニメーションのみによるRPGとして、発表があってから密かに注目されており
それに対して一定層の支持が付いていたことも事実である
しかし、それに反して公開されたPVは、移動シーンは不自然な歩幅で動き続け
RPGとして要である戦闘はとてもアニメーションとは思えない不自然なカクつき具合であり
伝説のクソアニメ「MUSASHI -GUN道-」の再来と呼ぶものまで現れ始めた

そのPVのあまりの酷さに2chのトキトワ本スレは大いに荒れ
次スレを立てただけでその者を社員の工作扱いするほどに荒んでいたことを述べておく

それでは実際のゲーム内容について語りたい
ゲームを開始して数分で分かることだが、致命的なまでに口パクと実際の声が合っていない
フルアニメーションを売りにしている作品としてはあまりにお粗末であり
そもそも口パクすらなく話している箇所すらあり
PC-FX時代のゲームをこの時代にして呼び起こさせるとんでもないシロモノである

マップの移動シーンでは、横に動くアニメーションを用意できなかったのか、前に進むことしかできない
上方向ボタンが前進、左右方向ボタンが視点移動、下ボタンが後ろに下がるという画期的な移動方法で
自由にアニメーションの中を縦横無尽に動き回れると思っていたプレーヤーはここで肩透かしをくらう

戦闘シーンもあまりにお粗末である
DQ1を彷彿とさせる1対1でしか戦えない戦闘から始まり
複数敵がいる場合でも1匹倒し終えたらまた敵が現れての1対1での戦闘が続くため、その場合非常に戦闘が長くなる
戦闘でのこちらの行動は前進と後退、攻撃か防御か回避、それとカウンター程度しか出来ないためやることが少なくすぐに飽きが来る
そもそもボスモンスターも含めて色違いを抜かせば敵の種類は十数体程度のバリエーションしかなく
敵の攻撃パターンも一部のボスモンスターを除いて一定の動きしかしてこないため
一度攻撃パターンを覚えてしまえば決まったタイミングで回避しつつ攻撃するだけの作業ゲーと化する
戦闘時の声のバリエーションも少なく「止まらないわよ!止まらないわよ!止まらないわよ!」
という同じボイスパターンを繰り返すだけの戦闘もここまで来るとご愛嬌である

戦闘バランスもめちゃくちゃである
そもそもステータスへ影響するものの装備の比重がものすごく高く、装備品を一つ上のものに上げるだけで
レベルを数レベル上げたのと同程度のステータス上昇を得ることが出来るため、レベルアップの効果が薄い

また、レベルアップに必要な経験値もめちゃくちゃで、序盤の雑魚敵と終盤の雑魚敵との経験値の差が僅かしかない
序盤では一匹70〜80程度もらえるが、終盤でもこれがようやく200程度になるだけである
序盤の雑魚敵戦闘は数十秒で終わるが、終盤だと数分かかってしまうため
最も効率のいいレベル上げの方法は、比較的序盤の敵を殴るだけの単調な作業となっている

また、敵に与えるデバフ効果(能力ダウン系状態変化)のバランスが狂っている
自分へのバフ効果(能力アップ系状態変化)と合わせて強化と弱化を一気にしてやれば
これまで一度に数百程度受けていた被ダメージが0へと変わってしまう
このバランスはラスボスまで続き、ラスボスですら攻撃ダウンと防御アップを重ねてやれば0ダメージである
推奨レベル50以上と示されているラスボスだが、レベル30程度で防具を整えたら通常攻撃は0ダメージだったことを付け加えておく

さらに、その戦闘でも攻撃魔法の威力が通常攻撃とは桁違いなまでに違う
一番最初に序盤で攻撃魔法を覚える頃は、通常攻撃では60、70程度のダメージしか与えられないのだが
攻撃魔法を使えばいきなり4000ダメージというすさまじいダメージ量を叩きだす
このインフレ具合は物語が進むにつれ加速し、中盤だと通常攻撃で300ダメージくらいのところであるが
序盤の頃に覚えた魔法をそのまま使うだけで30000ダメージと100倍程度のダメージ量となる
そのため、雑魚敵戦は適当なタイミングで避けつつ魔法を撃つだけの作業となるが
稀に魔法が効かない雑魚敵もおり、通常攻撃しか効かないため戦闘を長引かせるだけの要因となっている

トキトワのシステムの中に、デュアルソウルシステムというものがある
操作キャラであるトキの中にはもう一つの人格が眠っており、レベルアップでトワへと変化するというものであるが
このシステムが災いし、トキで新しいスキルを覚えた瞬間にトワへチェンジするためそのスキルが使えないといったことが起こる
そもそもトキとトワで使用出来るスキル等の成長システムが別々であるため、場合によってはレベルアップで弱体化する
そして戦闘時や移動時のモーションは髪の色等が違うだけで両者共に全く一緒であるため
覚えるスキル等やパラメータ等は両者で多少は違うのだが、大まかには同じであり
一体何のためにこんなシステムにしたんだろうとプレイヤーに疑問符を抱かせることに成功している

さて、トキトワはキャラクター部分を多く取り上げ、声優も豪華に使っているからそちら目当ての購買層に対してはどうだろうか
まずキャラクター部分だが、なんと本編でイベントCGが11枚しかないというびっくりな内容となっている
11枚以外にも求めるなら、肌色部分の多い海イベントや温泉イベントとなるが、これらは全てDLCで有料という潔さである

また、声優目当てで買った層にも残念な結果となっている
あろうことか、トキトワはサブシナリオでは一切声が出ないのである
サブシナリオ中はアニメーションの口パクだけが動き続ける奇妙な空間となっており
この時代にして据え置き機でまさかのノンフルボイスアニメーションRPGとなっている
必要HDD容量は4500MBなのであるが、一体何に容量を使っているのだろうか気になってしょうがない

ここまでつらつらと語ってきたが、このゲームで真に酷いところはシナリオである
結婚式を妨害されたのでトキの王家としての力を使って過去に戻ってその妨害の原因をなくし
最後にトキとトワのどちらか一人だけを選んで幸せな結婚式を開くというのがおおまかなストーリーだが
その原因を正して現代に戻って結婚式を開く場面は作中で5回あるが、これらはエンディングに至るまで全て使い回しである
そのため、デュアルソウルシステムでトワに戻っているはずの時でもひたすらトキの映像が流れ続け
最後にトワを選んだ場合などは「まるでトキみたいだ…」という有り得ないセリフ一言でその現象が説明される
エンディングのキスシーンでは、アニメーションを発注していたのかいきなりトワに変わるため、違和感バリバリである

肝心の本編部分も非常に冗長な作りとなっている
カクザ島やグラニュー島、オサ島に行こうといった絶望的なネーミングセンスの島へお使いに行かされるのはまだ許せる方で
ドラゴンと不当な契約を結ばされたから、消費者センターに訴えることでそれを無しにしようだとか
うちのテレビはアナログテレビだから、映るのは砂嵐だけどナイター中継を毎晩観たいからそのために戦うだとか
挙句の果てには、緊迫したシーンなのに関わらず、主人公とボスとの早口言葉言い合い合戦がスタートする
世界観を完全に無視しているセリフや、空気の読めないセリフで、プレイヤーを唖然とさせることに成功している

また、前述したデュアルソウルシステムの影響で、ボス戦闘後にレベルアップが生じた場合
今までトキと話していたはずなのにトワへ変わるといったことが起こり得るが、ボスはそれに対して何のリアクションもしない
急に戦っていた相手が別の人に変わるわけだから当然おかしいわけだが、何の説明も無しに淡々と進んでいく

発売前インタビューで、開発者自らとても笑えるシナリオに出来たと自画自賛していたが
ある意味その願いは失笑という形で叶ったのではなかろうか

ここまで長々と語ってきたが、最後にトキトワの良い部分を紹介しよう
まずは、動いてなければ非常に綺麗なアニメーションに見えるため、静止画だと面白そうに見えることである
このため、紙媒体でしか伝えられないファミ通では、発売直前には期待の新作第6位まで上り詰めた

また、広報戦略が非常に見事であった
体験版等を一切配信せず、発売直前にあったTGSでは試遊台を設けずトークショーのみで留めるなど
購入するまでプレイヤーにどんなゲームか出来るだけ知らせない広報展開に思わず息を呑んだ

その他にもゴールデンタイムにCMを流すなど売るための努力はしっかりしており
初週販売本数は32000ちょっととなかなかの売れ行きを見せた
販売元のバンダイナムコとしたらしてやったりなのではないだろうか

それでは、暴落するであろう中古相場を楽しみにしながら、トキトワ公式サイトのミニゲームのトキのセリフで締めさせてもらう
「ひ、ひどすぎるよー」

選評その1補足

トキトワ本スレ等では「究極魔法だけ使ってればボスも瞬殺」等の書き込みが見受けられますが
筆者自身がその究極魔法を使えるところまでプレイせずにクリアすることが出来たので選評には入れていません
もしかすると雑魚敵戦と同じくボス等も魔法だけで倒せるクソバランスなのかも知れませんが
攻撃と魔力ダウンを当てて防御と魔法防御アップさえかければノーダメージですしちょっとやる気がないです

その他にもスリップダメージを当てるだけで全ボス勝てる等の報告はあるのですが
それを試すまでもなくしかもレベル上げもほとんどしていないのに簡単にクリアできてしまうところにクソ要素があると思います

一応そんなに簡単なのかと言われると、バフとデバフを使わなければ一度に数千ダメージを受けてしまう場面もありましたが
その数千ダメージすらバフとデバフを整えれば0ダメージになるクソバランスでした
もしかするとこれらを駆使しないのならば白熱したバトルになっていたかも知れません

2週目ではトキとトワを同時に選べるエンディングが存在するらしいですが
「このエンディングを見れたけど達成感があって良かったわー!」
等の好意的意見がネット上に一切見当たらないため、これは評価のプラス要素にはならないだろうとプレイしていません
筆者がプレイしたのは1週目だけです

発売前のバンナムTVによる配信で
「時と永久〜トキトワ〜」と誤字されていた件も含めようと思いましたが
バンナムの広報展開は非常に頑張っていたと思うので見送りました

トキトワは手抜きをしたからクソなゲームに仕上がったとかいうことではなく
真剣にスタッフが全力を出して作っていそうなのに関わらずクソなところが個人的にツボです
クソゲーマイスターの方々には是非プレイしていただきたい一品です

選評その2

・・・戦闘について

・主に経験値がおかしい
雑魚を倒したら金はしょっぱい、経験値も少ない。
これはその前提でバランスを組んでいるならいいと思われるかもしれないが、問題はそこではない。
平原の雑魚敵がダンジョンの強敵の倍の経験値があったり、経験値分布がめちゃくちゃなのだ。
全体的にどこで戦っても10回以上戦わないとレベルアップしない。
ARPGなのに、プレイヤースキルを鍛えて強い雑魚を狩ってもうまみゼロである。
本編のメインシナリオは、サブシナリオを全部クリアして丁度推奨レベルに届くような調整がしてある。
テキストの寒さに耐えかねて本編だけ進めていた場合は、悪ければ推奨の半分以下である。
ARPGだし魔法の強さに頼ってボス倒せばいいじゃん、まあできるならそうすればいいだろうが、
特定の魔法1種類しか効かない(半減とかそういうのじゃなく全部0にするため魔法無効と勘違いする、というか効くという話を後から聞いたので勘違いした)ボスや、
開幕に回避不能の大魔法を打ってきてレベルが足りなかったら即死、レベリングを強制されるとかいうARPG
にあるまじきボスも出てくる。
こいつに引っかかると、敵の強い弱いにかかわらず今までのマップで経験値のうまい敵を探すために総洗い
するはめになったり、見つけても10いくつとか戦わないとレベルアップしない。
敵が複数出てきても全体攻撃とかないので、一回の戦闘に時間がかかって非常に疲れる。物理が弱いのでな
おさら敵がクソ固く感じるのがやってられない。
なお、サブクエは進行によって消滅するのでレベル上げには目標の無さを強いられる。
しかもこの大魔法ボスは、話の都合でまったく同じステータス、同じ動きなのに2連続で戦わされる。
ボス→イベント→同じボス こんな具合である。苦労していようがしてなかろうがうんざりである。
このゲームの難易度は、製作者の想定外のことをするとすぐにバランスが崩壊するのが一番のクソといえる。
サブクエを消化せずにガンガン進めて、上記のボスに詰まることになると理不尽なゲームと化すが、一方
魔法の組み合わせによる状態異常に全てのボスが耐性を持っていないことに気付いたり、バフデバフの強さ
に気がつくと一気に時間がかかるだけの作業ゲーになる。詰めが大変甘いと言える。

このゲーム、魔法が効く敵と効かない敵の二種類がいるのかと思っていたが、上記ボスのように特定属性
なら効くのだろうか? 正直後半は魔法で0が出た瞬間に即逃げしていた(このゲームは逃げるコマンドで
所持金が減るが、それも大変鬱陶しい)のだが、耐性を半減や1/4にするなどばらつかせるという発想は
なかったのだろうか?
なお、未確認なので本当に魔法がまったく効かない可能性もあるが、その場合プレイ方法によっては弱い
物理で長時間ペチペチ殴る本当のクソゲーになるので、そうではないと信じたい。

・トキとトワの格差
物理でゲージを溜めて魔法で殴ればいい、これはそういうゲームなのだが、ゲージ溜めに関しては両者に
格差がある。
物理の連打で最初の一発はゲージが上がらないので、3連打なら2ゲージ、3連打x2セットなら4、6連打なら5
ゲージとなる。
トキは銃をボタンを押し続ける限り打ち続けることができるが、トワは最大3連射で必ず途切れる。つまり、
魔法を撃つことが全てのこのゲームにおいて、トワは著しい性能の不遇を持っているのだ。
トワの得意芸は近接なのだが、違いは威力のみであり、こちらも3連打が最高である。物理のダメージなど
微量すぎて差を実感しない上に、近距離は敵の攻撃が苛烈なので、トワでインファイトを仕掛けようもの
なら、敵のラッシュの合間にタイム連打をして回復アイテムを飲ませまくるゲームになる。
モーションはトキトワで全く共通、スキルでも特に利点はないので、二週目にあたっては、ボスではトキしか
使わないだろう。なおチェンジアイテムのコショウは課金で手に入るのだが、狙ってやったとしか思えない。


なんとかアクションとかいうシステムで特定の行動をした時に丸ボタンが出てきて、押すと特殊行動
みたいなのが出るのだが、演出のしょぼさが凄まじく実際の効果とも乖離している。
どうなるかって、画面効果のないSEもしょぼいビンタ一発でボスが即死する。
どうやったら出るのかはよくわからなかった。


・・・ストーリーとテキストについて

・とにかく酷い
語るべきもない気がするが、語らなければいけないのが既に苦痛である。
なぜ語るべきかもないかって、全編ぶっ通しで酷いからやればわかるだろ…。
消費者センターがよく取りざたされるが、ラスボスの山場で何の脈絡もなく「〜消費者センター!〜…」を
8連呼くらいされる、しかも戦闘中に至ってまで連呼するのは酷いという時限を通り越して、なんでRPGのシナリオやってるの? RPGを作るのにシリアスアレルギーなの? という疑問がひたすら湧いてくるのだが、
個人的には次の章のほうが酷い。
このゲームが下ネタを中心に、非常に、極めて、人を選ぶ加齢臭が漂っており、この点でキャラデザや
声優に愛着が湧いても一切おすすめをする気にならないゲームなのだが、4章は最もやる気が削がれる。
サムシングフォーという4つのアイテムを集めるために3体の精霊+1体の竜にあるのだが、そのアイテムを出す
時に「う〜〜〜ん!!ひり出すから受け止めろよぉ〜〜〜!!!出る〜〜〜〜!!!!」というような台詞
を吐きながら暗転中に手渡される。ひとつはセクハラクイズの後、ひとつはボス戦の後、最後に見た目荘厳
な竜からゲロマズケーキとかいうお使いアイテムを渡した後にこれである。
唯一女性ボイスの精霊はやらないのだが、ふざけんなと思う一方むしろやらなくてよかったと思わせて
くれる。

余談だが、ゲロマズケーキを渡した時に「こんなわけのわからないお使いをよくぞクリアした!」「わけの
わからないって自分で言うのかよ…」のようなかけあいがあるのだが、それはプレイヤーの台詞である。
このゲームはどうも寒いイベントをわかっててやっている節があり、確かオサ島カクザ島という名前につい
ても自分で茶化していたし、ほかにもいくつか作中でつっこんでいた。
つまり予防線を張っているのである。この時点で話から設定から全てふざけているのを全く好意的に見られ
ない。つまんないと思うけど、わかっててやってるんだよ! と製作者が暗に言っているのだから。

話を戻すが、4章は全体的に酷く、章ラスボスもサムシングフォーがが結婚をさせてくれると信じて
いきなり絡んできた嫁ぎ遅れが持ちネタのババア(例の大魔法さん)なのだが、こいつを倒すと強奪した
サムシングフォーをいきなり崖下に投げ捨てる。もちろん帰ってこない。
その後サブヒロインと話し合って「みんなでサムシングフォーを作りましょう!」とか言って貝殻などで
小さなアクセサリーを作るのだが、後に普通に効果を発揮する。サムシングフォーとはなんだったのか?
とにかく今までの苦労を無駄にする展開が多いのがこのゲームの特徴でもある。
サムシングフォーを目的にする所からして、全能なばあさんが「これ探せば一発じゃない?」と3回もタイムリープしてから教えてくれるので、最初から教えてくれてもよかったんじゃないかなと思う。
全能ばあさんのあんたがいればいいんじゃないかな感は主に5章で発揮され、ラスボスが出てきた後に
「私は原因を知ってるし解決する能力もある。過去に戻って原因の芽を摘み取ってきましょう」とか言い
出す。この問題は根本から解決しないと不可能なもののため、知ってたなら最初からやってくれよ…という
徒労感がつきまとう。それでも「帰ってこれるかわからない」と言った時には、まあそれならしょうが
ないか、とも思うのだが、エピローグで普通に帰ってきて「なんか余裕だった。私ってすごいから」とか
言い出した時には、今までの冒険はなんだったのか? という感想のみが残る。

一応それぞれのループごとにサブヒロインとの絆が深まるのが大団円への布石なのだろうが、根本的に
シナリオを楽しめないのが徒労感の原因だろう。話が小規模なのでおつかいが多めになるのに加えて、
シリアスアレルギーのシナリオが一瞬足りともプレイヤーに気合を入れさせてくれない。
サブヒロインは屋敷にたむろしていてイベントが見られるのだが、CGとかないしトキとトワを掘り下げて
くれたほうが、コンセプト的にもずっとよかったと思う。願望だが。

・サブクエストをやりたくない
ヤムロ、揚げま〜す! に代表される寒い脇キャラがいるおかげでやりたくない。
報酬もしょっぱくてやりたくない。○○を倒せとか○○を取って来いとか水増しクエストにありがちな
ネトゲ並のおつかいばかりでやりたくない。
ミカゲールとかいう社長のパロキャラが定型的な陰険貴族みたいな面してて殴りたい。
例によってボイスなし口パクキャラだが、社長ボイスとか入っていなくて本当によかった。血圧が危ない。


ケーキがキーアイテムとして出てくるシーンがやたら多かったり、島の名前が全部砂糖、アイテムにお菓子
が多い、と要素だけ見れば女の子向けのゆるさがあるような気がするのだが、中身の作風がそっぽを向いて
いるので無意味なのがすごい。挙句作中で冗談の種にするのだから、舞台設定とストーリー制作は全くの
別人な上に会話すらしてないのではないかと勘ぐるほどだった。


・総括
最大風速がすごかった。
消費者センターを見たときは凄まじい風を浴びてる気分だったし、最後に出てくる2週目で真エンド!の
記述には今までの感想すべてを吹き飛ばすような威力があった。
精神衛生に大変よくないゲームなので、体調を悪くしたい人はぜひ買うべきである。


アニメを売りにしてるのに、アニメーションが少なくてパートボイスなのはやっぱり駄目だと思うよ?
CG11枚でサービスシーンにアニメが1個もない、暗転ばっかりなのもどうかと思うよ?
ここらへんに釣った魚に餌はやらない根性を感じて、もう駄目でしょ色々と。