[[2012年 次点]]

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*概要 [#d6f69163]
|名称|ヘビーファイア アフガニスタン|[[http://ec2.images-amazon.com/images/I/517fenEBCxL._SL250_.jpg>http://www.amazon.co.jp/dp/B00861EPQA]]|
|ジャンル|レールシューティング|~|
|対応機種|PlayStation3|~|
|発売元|ハムスター|~|
|開発元|Teyon|~|
|発売日|2012年8月16日|~|
|価格|5,980円 (税込)|~|
|対象年齢|CERO:C(15歳以上対象)|~|

-[[公式サイト>http://www.hamster.co.jp/heavyfire/afghanistan/]]

*参考動画 [#b58ddde1]
-[[PVその1>http://www.youtube.com/watch?v=K5fG9W-a6s4]]
-[[PVその2>http://www.youtube.com/watch?v=GMxGnGsjZW0]]
-''※なお上記の動画は実際のゲーム内容とは大きく異なっておりますので惑わされぬように。''


*要点 [#g86989cd]
北米にてPS3・Wii・PCのトリプルマルチで発売された同タイトルの日本語ローカライズ版。よく間違われるがFPSではなくレールシューティングである。~
低価格ながら本格的なガンシューティングが楽しめるということで人気の高い「ヘビーファイア」シリーズの3作目で、今作は現代アフガニスタンが舞台。~
その''北米エリアでWiiwareのDL数一位''を記録したと言う、正直住人的には『[[人生ゲーム(Wiiware版)]]』の経験からして''全く当てにならない実績''を掲げて堂々販売。~
一応グラフィックは次世代機として申し分ない出来だったが、''その他の部分で何一つ褒めるべき所が無く''、レビュアー達から揃って最悪の評価をつけられる結果に。~
スレでの呼称は主に「アフガン」。他にゲーム内で主人公が叫ぶスラング「''ふぅあー!''(通称)」がその可笑しさから住人達の心を掴み、挨拶などに幅広く使われている。~

-インタフェースが最悪の一言に尽きる。 
--%%Move操作を要求するゲームでありながら、キャリブレーション(タイムクライシス等にあるガンコンの調整に相当するもの)がゲーム開始前にない。%% 
---%%テレビやEyeの設置箇所によっては照準が派手にぶれる。%%
---%%結果コントローラーと照準の動きがバラバラのままゲームをスタートすることを強制される。%%
--一応照準調整についてはMove左脇の「SELECT」ボタンで直接キャリブレーション画面に行ける。 
---判りにくいがマニュアルの操作方法の所にもに記載されており、メニュー画面でも 
「SELECT」での調整は可能。
---ただし、ボタン配置の所に「SELECTボタン・・・・照準調整」と書いてあるだけなので「キャリブレーションがゲーム開始前にない」と勘違するのも致し方ない。
--キャリブレーションを行うため「設定画面>コントローラー>照準設定」と選ぶ必要があるが、''メニュー画面のボタンが非常に小さい''。
---正しい照準でも狙いづらい始末。 
---行わずにプレイを始めた場合、''頻繁に画面の3分の1にMoveが感知できないとの警告が表示され''プレイの妨げになる。
--ナビゲーションコントローラー対応なのにメニュー操作・メッセージスキップはそこからはできない。
---いちいちMoveでやらされるのでメニュー操作が非常に煩わしい。
--ついでに、はしごを上るモーションもMoveで行う必要がある。
---何度も上方向にMoveを押し上げることになり、めんどくさい作業でしかない。  

-説明書が極薄。
--量にして僅か5P。しかもオールモノクロ。
---この手の海外ゲームには割と良くあることではあるが、前述の照準調整についてすら''何一つ触れられていない''のは流石に擁護できない。

-迫力のあるムービーや美麗なグラフィックに対して演出・効果音が陳腐すぎる。
--シューティング画面に切り替わるとカメラはぴたりと止まり、''ロボットのようなもっさりした動き''で敵が迫ってくる。 
---加えて意味も無くローリングし、''至近距離であさっての方向に乱射する''。いつの時代のゲームだこれは。
--サウンドエフェクトも酷く、まるでサイレンサーを付けているかのような軽い射撃音。 
---ヒット時の音声もあってないようなもので、遠くの敵は離れすぎているため''当たったかどうかすら確認できない''。 
---銃を見ると照準器のようなものが付いているが、覗く事など出来ないのでただの飾りなのだろう。
--敵からのダメージも画面に小さく穴が開くだけで、被弾したことに気付かない場合がよくある。 
--終盤で入手するロケットランチャーの爆発音は、''ポップコーンの仕上がり''のような音。
---しかも、命中する位置によっては音さえしない。 
--選評者曰く、テンションが上がった時に主人公が放つ違和感全開の「''ふぅあー!''」という叫び声が唯一の救い。
---ちなみに「ふぅあー!」はアメリカ陸軍が使うスラングで、意味は「no以外のどんな物」「全ての物に」とか何とか。 
---他に鼓舞とか了解って意味合いで使ったりする。要するに色々万能な言葉と思っておけばよい。

-レールシューティングとしてのゲーム性も問題だらけ。 
--中盤から突如敵の命中率が向上し、弾丸が頻繁に飛んで来るようになるが、恐ろしい事に、''ダメージ後の無敵時間がまったくない''。 
---よって画面上に敵が複数いれば、そのまま連続でダメージが入る。しかも、画面の両端から同時に致命弾を撃ってくる場合もある。
---隠れる系のレールシューティングゲームに置いては前代未聞の仕様。
---余談だが、過去同じ仕様をやらかした物にクソゲー界の征夷大将軍、その名も『''デスクリムゾン''』がいたりする。妙な縁もあったものだ。
--当然隠れる以外の選択肢はないが、どういう訳か''隠れることができないシーン''もある。 
---加えて、隠れる動作中にも敵がこちらを捕捉し狙ってくる場合もある。 いやこれってレールシューですよね?
---挙句、''隠れても隠れきれて無い''シーンもある。隠れつつ打つ事が可能な場合もあるが一部のみ。
---ラストでは左側に隠れると、画面内に敵が居ないのに関わらずバンバン撃たれることになる。
--グレネードを投げることも出来るが、''モーションが非常に遅い''。
---しかも画面上の敵を一掃できるわけではないので結局焼け石に水。
--仕様上基本的に全ての移動は自動的に行われるため、安全地帯の確保が出来ない。
---その為、''ほぼ確実にダメージが入る場面に遭遇する''。 
--リトライしても''ダメージ残量はチェックポイント通過時のまま''で、場合によっては詰む。
--プレイヤーが「''開発側がFPSと間違えて作ったのではないか''」と疑いたくなる程、あらゆる点でゲームシステムがおかしい。

-ステージ数が明らかに水増しされている。 
--パッケージでは20以上の多彩なミッションと書かれてあるが、実際は12のミッションがそれぞれ''二つの難易度で遊べるだけ''。
---ようするに数にして実に2倍の水増しである。 
---なぜか途中明らかにチュートリアル用の射的ミッションが2つも挟まれる。
--ヘリや戦車でのミッション、人質救出もあると謳っているが、それぞれ''一本ずつしかない''。 
---しかも、''人質は全員殺害しても全員救出扱いになる''。一体なんの為のミッションだ。

-難易度の差が基本まるで感じられない。
--2つある難易度(ノーマル・ベテラン)は、どちらも''敵が基本的に1撃で倒れる''上、配置にも差が無い。
---車や戦車もあるが、こちらも難易度による違いがあまりない。
---細かい違いは、アイテムの配置や敵の命中率の若干の向上くらい。
--明快なのはステージの明暗の違いだけ。 
---逆光や影がさらに強調され、''敵がほとんど見えなくなる''。元々かなり見えづらい所にもってこの仕打ちである。
---はっきり言って敵を探す手間が増えるだけの、ただの手抜き仕事。

-とにかく敵が発見しづらい。 
--曰く「明らかに配置がおかしいというか、撃たれるまで見つけさせる気が全くないだろ」と言いたくなるレベル。
---敵が実際に隠れているならわかるが、''完全に遮蔽物から身を乗り出している状態なのに見えない''事が多い。
---しかもベテランモードになると更に悪化して、結果的に難易度が上がるというまさに手抜きの上塗り。
--銃撃音がしょぼすぎる上に、撃ってることを感じさせる演出も貧弱の為、全滅させたと思ったら隅っこでパスパス撃ってる敵を見つけることが多々ある。 
--迷彩とかじゃなく''煙の中から撃って来る''ことがある。当然こちらは全く見えない。 
---倒したと思ったら別の煙の中にもう一人居たりもする。
--火を噴いているドラム缶の真後ろに居たりもし、''警告用の「!」マークと色が被って気付きにくい''。
---しかも滅茶苦茶遠くに配置されており全然弾が当たらない。 曰く、「スナイパーゲーム」並みの遠さ。

-ストーリー性がほぼ皆無。
--具体的には「''戦地に赴いてゲリラの一部を掃討して終わり''」、本当にそれだけである。 
---「COD」の様にきちんとした物語があればまだ許された面もあったかもしれないが、これでは風呂敷の広げようがない。

-無線と実際のプレイ内容が噛み合っていない場面が多い。 
--ヘリでの市街地戦で「建物には一般市民がいるから誤って撃つな」→爆撃で建物を壊す→ボーナスポイントが入る、等々。 
---それ以前に一般市民が一人も出て来ない。

-ルート分岐が一切無い上に、イベントも意味が全く無い。
--ステージは全て決められた道をただ進むだけの一本道。
--何度かMoveによるQTEが発生するが、これによる分岐は当然ない。 
---「倒れてくる鉄塔を避ける」「爆弾を回避する」等のQTEを''失敗しても演出は変わらず、ただボーナスポイントが加算されないだけ''。
---ここまで取って付けた要素であることがバレバレなのはある意味潔い。 
 
-カスタマイズの要素が内容に乏しすぎる。
--幅が非常に狭く、弾薬とグレネードの増加、HPの増強とメイン武器の種類の追加(最大4つ)のみ。 
---しかも、''武器の切り替えはこのカスタマイズ画面でしか出来ず''、別の武器に変えるには全てのステータスを毎回リセットする必要がある。 

-武器使用の自由度が非常に狭い。
--メイン武器(マシンガン系)とハンドガン(カスタマイズ不可)を交互に使うが、''交換はメインが弾切れを起こした時だけ''。 
---しかも、弾薬補填アイテムを拾った時は自動的にメイン武器のリロードが始まる。少しはTPOを考えろ。  
---ちなみに、画面上に表示される自分の武器で、敵が隠れてしまう場面もある。

-オンラインや多人数プレイの必要性が感じられない。
--反映されるのはランキングのみで、Coopプレイはオフライン限定。 
--最大4人まで同時にプレイできるが、ノーダメージを目指す以外に本作で遊ぶ価値などない。

-日本版で出す際の作業が手抜きもいいとこ。
--そもそも日本語音声は収録されておらず、追加されているのは字幕のみ。 
--その字幕が、何を考えてこうなったのか''画面の中央に何行もの文章が並べられる仕様''。 
---フォントも読づらく、場面によっては逆光により全く文字が見えない。 
---極め付けは、''敵との銃撃戦中に指令が表示され、見事に敵を覆い隠す''。 
---先で挙げたMoveの警告と同時に表示された場合、画面の半分が見えなくなる。 

-PVがどう見ても詐欺。
--プレイした人曰く、''ゲーム中に存在しないカメラアングルのシーンが多数''。
--しかも明らかに一番高画質なPC版の映像を流用している。
--FPSと勘違いして購入し激怒したユーザーが多数いるが、このPVを見た感じでは間違えるのも致し方ないと言えるほど紛らわしい造り。
---まあジャンルを見れば違うのは一目瞭然だが。

-価格が完全に分不相応。
--値段にして''5980円''。しかも元々(北米版)の価格は19.90ドル。 
--しかも、上記の画面を見えづらくする糞字幕が追加されての値段。
---つまるところ、わざわざ日本語版を買う必要性は0と言って差し支えない。


*選評 [#jf86307a]
**選評その1 [#j2f847ea]
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8月16日。 
そのゲームは突如日本のゲーム市場に登場した。 
「北米で人気のレール・ガンシューティング」のキャッチフレーズで海外から殴り込みをかけたその作品は 
戦場をモチーフにしたゲームに慣れたプレイヤー達に衝撃を与えた。 

ヘビーファイアアフガニスタン。 

北米市場では主にWiiwareで配信され 
低価格ながらも本格的なシューティングが楽しめることで知られるシリーズの一作である。 
最新作に当たる本作はwii/PS3/PCのマルチ用に開発され 
ローカライズの形でPS3版のみが日本で発売されている。 
その一見ハードそうな内容を思わせるパッケージデザインと 
シリーズでWiiWareNOAエリアで1位を記録した実績から 
本格的なシューティングゲームを連想したユーザーも多いかもしれない。 
だがふたを開けてみれば、そこには不満とストレスが混在する美しいまでのクソっぷりが待ち受けていた。 

まずはインタフェースである。 

Move操作を要求するゲームであるにもかかわらず 
キャリブレーション(タイムクライシス等にあるガンコンの調整に相当するもの)がゲーム開始前にないのである。 
そのため、テレビやEyeの設置箇所によっては照準が派手にぶれることあり 
コントローラーと照準の動きがバラバラのままゲームスタートすることになる。 
加えて、キャリブレーションを行うためには「設定画面>コントローラー>照準設定」と選ぶ必要があるのだが 
メニュー画面のボタンがやたらと小さく、正しい照準でも狙いづらいのである。 
万一キャリブレーションを行わずにプレイを始めた場合 
頻繁に画面の3分の1にMoveが感知できないとの警告が表示され 
プレイの妨げになる(プレイ進行自体は止まらない)。 
狂った照準で狙いづらいメニューバーを選択するという過酷な試練がゲーム開始前から用意されているとは 
さすがは本格的な戦争ゲームである。 

なおこの事は、わずか5Pの取扱説明書(オールモノクロ)には当然のごとく記載されていない。 

困難な設定を乗り越えて到達した戦場で待ち受けているのは 
美麗なグラフィックと躍動感あるカメラワークで映し出されるヘリの内部。 
兵士の視点からロープで戦地に投下 
戦車や戦友とともに戦場へとかり出す姿に心躍らされるのもつかの間 
銃撃とともにシュールな光景が一気に広がる。 
シームレスにシューティング画面に切り替わるとカメラはぴたりと止まり 
ロボットのようなもっさりした動きで敵が迫ってくる。 
意味も無くローリングし、至近距離であさっての方向に乱射するなど 
まるで初期のレールシューティングのようなモーションを行う。 
華麗なグラフィックの中での一連の敵の動作は 
とてつもない違和感を覚えさせてくれる。 
さらにサウンドエフェクトもひどく、まるでサイレンサーを付けているかのような軽い射撃音である。 
ヒット時の音声もあってないようなものであり 
遠くの敵はあまりにも離れすぎているため当たったかどうかすら確認できない 
(照準器という便利なものが付いている気もするが、たぶん気のせいだろう) 

加えて敵からのダメージも画面に小さく穴が開くだけであり、被弾したことに気付かないこともままある。 
こうしたプレイ中のしょぼさは終盤まで続き、迫力のデモシーンと相まってとてつもないグダグダ感を演出している。 
終盤で入手するロケットランチャーの爆発音でさえ 
ポップコーンの仕上がりのような音である(命中する位置によっては、音さえしない)。 
操作中に心の支えとなるのは、テンションが上がった時の主人公の「ふぅあー!」ぐらいだろうか。 
(一応、最終的に得られる軽機関銃の連射音は比較的まとも、ただしヒット音は・・・・) 

初見では残念な演出に隠れがちではあるが 
レールシューティングとしてのゲーム性にも問題がある。 
敵の命中率が著しく悪い序盤はよいものの 
中盤から突如敵の命中率が向上しライフを奪う弾丸が頻繁に飛んでくるようになる。 
そこでこのゲームにおけるレールシューティングとしてのあるまじき仕様が露呈する。 

まず第一に、ダメージ後の無敵時間がまったくない。 
画面上に致命弾を撃つ敵が複数いれば、そのまま連続でダメージが入ることになる。 
しかも、これらの敵の中には画面の両端から同時に致命弾を撃ってくる場合もあり 
こうなると隠れる以外の選択肢はないが、隠れることができないシーンもある。 
加えて、隠れる動作中にも敵がこちらを捕捉し狙ってくる場合もある。 
グレネードを投げることも出来るが、モーションが非常に遅く 
画面上の敵全てを一掃できるわけではないので所詮は焼け石に水である。 
一人称や三人称視点のシューティング(FPS/TPS)のように自ら移動を行うゲームでならよくある仕様だが 
レールシューティングである本作では勝手が違う。 
基本的に全ての移動は自動的に行われるため安全地帯の確保が出来ず 
ほぼ確実にダメージが入る場面に遭遇することになる。 
(複数プレイの場合、個別の敵に対処すればかろうじてダメージ回避は可能かもしれないが 
3〜4人同時に致命弾を撃ってくる場合もあるので全員の意思疎通が不可欠) 

しかも、リトライしてもダメージ残量はチェックポイント通過時のままなので、場合によっては詰むことになる。 
FPSと間違えて購入し憤るユーザーの声もあるが、開発側がFPSと間違えて作ったのではないかと疑いたくもなる。 

この他にもプレイヤーにストレスをかける不親切な部分やツッコミどころが数多く存在する。 
まず総ステージ数であるが、パッケージでは20以上の多彩なミッションと書かれてある。 
しかし実際は12ミッションがそれぞれ二つの難易度で遊べるだけである。 
一本一本はレールシューティングとしては平均的な長さだが 
なぜか途中にどうみてもチュートリアル用の射的ミッションが2つも挟まれる(これをカウントすると14ミッション) 
ヘリや戦車でのミッション、人質救出もあるとうたわれているが、それぞれ一本ずつしかない。 
しかも人質は全員殺害しても、全員救出扱いである(ポイントは減るが) 
2つある難易度も、どちらも敵が基本的に1撃で倒れ(車や戦車もあるが、こちらも難易度による違いがあまりない) 
配置にも差が無く、細かい違いとしてはアイテムの配置や敵の命中率の若干の向上ぐらいが挙げられる。 

唯一明快なのが、ステージの明暗の違いである。 
逆光や影がさらに強調され、敵がほとんど見えなくなるのである。 
ただでさえルーキーモードでも逆光や影で非常に見えづらい敵が 
大勢いたにもかかわらず、その数が増えるのである。 
だが、はっきり言って探す手間が増えるだけの、ただの手抜きである。 
これでステージ数を倍にしているというのであるから、立派な水増しと言えよう。 
ステージ自体もルート分岐が無く、全て決められた道をただ進むだけの一本道である。 
途中、幾度かMoveによるQTEが発生するが、これによる分岐は当然ない。 
「倒れてくる鉄塔を避ける」「爆弾を回避する」等のQTEを失敗しても演出は変わらず 
ただボーナスポイントが加算されないだけである。 
成功する度に主人公が叫ぶ「ふぅあー!」がただむなしく響くだけである。 
加えて、はしごを上るモーションもMoveで行うが 
こちらは何度も上方向にMoveを押し上げることになり、めんどくさい作業でしかない。 

武器の強化要素も一応はあるが 
戦争ゲームにしてはカスタマイズの幅が非常に狭く 
弾薬とグレネードの増加、HPの増強とメイン武器の種類の追加(最大4つ)しかない。 
しかも武器の切り替えはこのカスタマイズ画面でしか出来ず 
別の武器に変えるためには全てのステータスを毎回リセットする必要がある。 
プレイ中にはメイン武器(マシンガン系)とハンドガン(カスタマイズ不可)を交互に使うが 
交換はメインが弾切れを起こした時だけとなる。 
しかも弾薬補填アイテムを拾ったときには 
自動的にメイン武器のリロードが始まるため、敵の弾幕に晒されるリスクを伴う。 
余談ではあるが、画面上に表示される自分の武器のせいで 
敵が隠れてしまう場面もあるので、探すときには注意する必要がある。 
一応オンライン対応ではあるもののあくまでもランキングの反映のみであり 
Coopプレイはオフライン限定となっている。 
最大4人まで同時にプレイできるとのことだが 
ノーダメージを目指す以外に同じ画面の前で4人同時に遊ぶ価値があるかははなはだ疑問である。 

元々海外で発売されたこのゲームはローカライズ化に伴い日本用に翻訳されているが 
日本語音声は収録されていない。 
追加されているのは字幕のみであるが 
画面の中央に何行もの文章が並べられるとは誰が想像しただろうか。 
フォントも読みやすいとは到底言えず 
場面によっては逆光により全く文字が見えないシーンもある。 
酷いときには敵との銃撃戦中に指令が表示され、見事に敵を覆い隠すのである。 
上記のMoveの認識が出来ない表示と同時に表示されると 
画面半分が見えないことにもなりかねないのである。 

このように数々の不満点、不親切な要素をたぶんに含み 
内容も充実しているとは言いがたいにも関わらず 
値段はなんとフルプライス(約6000円)である。 
しかも元々の価格は19.90ドルであり 
ローカライズによる画面を見えづらくする字幕が追加されての値段である。 

派手なPVにだまされ、本格的なFPSと勘違いして突撃した兵士達に同情したい気分にもなる。 
だがこのゲームは、レールシューティングとしての理不尽さと値段に釣り合わない内容を通じて 
戦争のむなしさを我々に伝えてくれているのかもしれない。 
そんなゲームを輸入しローカライズで 
さらに不満点を追加したハムスター(ゲーム会社)には敬礼ととも最大のふぅあー!を送りたい。 

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