[[2020年 次点]] #contents *概要 [#a6f645be] |名称|ファイナルソード (FINAL SWORD)|[[&ref(https://img-eshop.cdn.nintendo.net/i/a0d6a1e8c034e0260d3cbe2019bfd17f55d1882aabe2cfb0a55f2030de937e75.jpg,300x170,画像);>https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000031029]]| |ジャンル|アクションRPG|~| |対応機種|NintendoSwitch|~| |発売元|HUP Games Inc. (エイチユーピーゲームズ)|~| |開発元|HUP Games Inc.|~| |発売日|2020年07月02日|~| |価 格|1890円(税込価格)、DL専用|~| |対象年齢|CERO:B(12才以上対象)|~| |参考|07月06日に配信停止|~| -[[メーカー公式サイト>https://hupgames.wixsite.com/hupgames]] *参考動画 [#l22006a4] #youtube(defmDj00yQ8) //*要点 //**コンセプト など //作品の情報 //-作品の情報 *選評 [#u6635348] **選評1 [#r9db617b] [[要約版はこちら>https://docs.google.com/document/d/1g94Y7U7bffHdfp4QSyDlY6g3U_yPKRQFFE4EgE1ud1w/]] #aapro{{ ファイナルソード 選評 この選評は7月12日、Ver1.0.0現在の仕様を基に執筆されています。 目次 ・はじめに 1・主人公の操作、基本的な仕様の説明など 2・状態異常について 3・ザコモンスターについて 4・ボスモンスターについて 5・魔法の使い勝手詳細 6・ダンジョンについて 7・テキスト関連 8・その他細かいクソ要素 ・まとめ、及びこのゲームの評価について ・はじめに ファイナルソードは、2020年7月2日にHUP Gamesより発売されたオープンワールドアクションRPGゲームである。 プラットフォームはNintendo Switch、価格は1890円。DL専用ソフト。 発売前からしょぼすぎるグラフィック等で見えている地雷と称され、発売後もゼ○ダの伝説からのBGMパクリ疑惑など様々な形で話題となっていたが その中身は叩けば叩くほど埃が出てきて、しかもその全てが発見する度に思わず誰かに話したくなる、非常にシュールかつ味わい深いクソゲーであった。 動画サイト等で見ると全体的な演出のしょぼさ、珍妙なテキスト等が目立っている印象を受けるかもしれないが この選評では、実際にプレイしてみないと見えてきにくい部分を主に取り上げていこうと思う。 なお、筆者本人としてはそのような「一見しただけで分かる部分」「バグやパクリ騒動等」を一切取り上げなくとも十分にクソゲーとして語れると判断している。 ※前提として、筆者は3Dアクション自体あまり触れたことがありません。 よって「お前が下手なだけ」と言われたらそれまで、という項目もあるかもしれません。その辺りはご容赦ください。 1・・・主人公の操作、基本的な仕様の説明など 基本動作 ・弱攻撃…素早い攻撃で隙も少ない。判定が安定している?故か、初段から最後まで当たりやすい。三段目まで連携可能。リーチは極端に短い。 敵が怯むのが三段目のみなので、一段目と二段目は動きこそ素早いものの、実は敵からしたら反撃の的。隙が少ないのに隙だらけとはこれ如何に。とどめの一撃が最も有効か。 ・強攻撃…動きが重く、隙が多い。なぜか一段目の判定が非常に小さい?為か、当たりにくい。 しかし二段目以降は判定が大きく、敵によって多段ヒットしやすく、二段目と四段目は怯む相手に当てると安定して怯ませる事が出来る印象。四段目まで連携可能。 四段目はかなり大きく踏み込むが、その勢いゆえにダンジョンでは床の無い箇所まで踏み込んでしまい、落下確定になる事も多い。 こちらも三段目までのリーチは極端に短い。 ・回避…前転。出際無敵あり。終わり際に隙あり。敵は基本自機狙い以外の行動をしないので、特に雑魚はまずこれで攻撃を釣るのが基本。 ・ガード…盾で攻撃を防ぐ。向いている方向しか防げない。敵は一匹なら回避すればよく、二匹以上なら防ごうとしても食らってしまうので筆者は序盤で封印した。敵によっては回避より役に立つかもしれない、その程度。 ・剣を収める…名の通り。この状態で溜め攻撃を行うとランバッシュとなる。詳しくは後述。 スキル関連 使えるスキルは特定のボスを倒すと増えていき、メニュー画面で一定のゴールドを使用する事で解放可能。 溜め攻撃(後述)は解放すると強制的にそのスキルがセットされてしまうが、以前使っていた特定のスキルを使いたければ、メニュー画面でそのスキルにカーソルを合わせてAボタンを二回押せばいい。逆に言えば溜め攻撃は弱溜め攻撃と強溜め攻撃それぞれに一つずつしかセット出来ないとも言えるが、筆者はそれ自体はあまり問題にならなかった(後述)。 ・バッシュ…溜め攻撃のこと。弱攻撃ボタンでのアクション、強攻撃ボタンでのアクションがある。共通しているのは威力が高いことと、モーション中に無敵があること。 溜め時間によって三段階に威力が変動し、ボスにはこれでないとろくにダメージが入らない。また、溜め中は移動速度が遅くなる。終わり際には無敵が切れており、外すと隙を晒してしまう。 溜め攻撃を放つとその分スタミナゲージ(かどうかは知らんが、便宜上スタミナと表記します)が減り、減ったスタミナ以上に溜めようとすると一定時間動けなくなってしまう。スタミナは時間と共に回復する。 正直使える技と使えない技が極端に分かれており、使い分けというよりは今一番使える技だけセットしておけばいい印象。 また、一段目まで溜めるとキャンセルが出来ない。スタミナが減っている場合、ボタンを離して発動するか、スタミナに引っかかり動けなくなるかのどちらかとなる。 ・ランバッシュ…剣を収めた状態での溜め攻撃。最も大きな違いは溜めながらも移動速度に変化が無い事であり、実は相手によっては使いこなすと割と優秀。 ・アクション…主に盾を構えた状態で出来る事が増えていく。ジャストガード、サイドステップ、バック転等があり、ものによってはそこから専用攻撃に移行することも可能。 しかし、ジャストガードは混戦だとむしろ隙だらけになる事が多い、バック転やサイドステップは回避のほうがいい、など、使い道を探してはみたものの特に存在しなかった。というかむしろ邪魔であった。 実際、筆者はひとつも使わずとも特に問題なく攻略できた。使いこなせるほどやりこむ人にもなると違うのだろうか。 魔法の使い方 まずメニュー画面で、覚えた魔法の中から使いたい魔法を十字キー各方向にセットする。 次にメニューを解除し、Rを押しながら十字キーを押すと、右上の魔法アイコンに使いたい魔法がセットされる。 右上にセットしたら、Rを押しながら狙いをつけ、Rを離すことで魔法発動となる。 Rを押している間は強制的にカメラが主観視点となり、画面中央に向けて発射される。 範囲魔法はRを押した瞬間離せばいいし、回復や移動の魔法はメニューから直接使えるようになっている。 魔法は使った後、再使用までに一定の時間を要する。強ければ強いほど、便利であればあるだけ、その時間は長くなる傾向にある。 正直直感的に操作しづらい。具体的には、魔法自体は役立つものも多いものの、使いたい魔法をとっさに選びにくく、狙いをつけにくい。使いにくさの詳細は別項にて。 その他 ・どこでもセーブ可能。オートセーブもあるが、タイミングが謎すぎて筆者の調査の範疇では全く法則性を見出せなかった。一応事故の保険になるだけマシではあるのだが。 例を挙げるとダンジョンのあるポイント(詳細全く不明)を過ぎるといつの間にかセーブされているらしい。その割に、シナリオ上重要なボスを撃破したり、ダンジョンに入ったりしてもセーブされていない事がある。 ・このゲームには落下死と溺死がある。とはいえ意地悪な箇所に穴があることはあまりないので、よほど道を外れない限り、普通に歩いていれば滅多に引っかかるものではない。 …はずなのだが、実際には常に気をつけていないといつどこで落ちるか分からない程の事故要素と化している。詳しくは後述。 基本的な仕様の説明は以上となる。 このように、システムだけ見ると意外なほど作り込まれている事が分かる。実際思い通りに動かせるようになって、思い通りに雑魚を狩れた時なんかは中々快感ではある。 ではなぜこのゲームをクソゲーと評価したのか?それは、諸々の仕様で「プレイヤーの腕前の範疇でどうにかなる一線を越えているシーンが多発する」為である。 一言で言えば、上手く敵と戦っていることを実感できる快適な時間を過ごしている中、突然理不尽でどうしようもない時間がやってくるゲームなのだ。 この理不尽さは常に唐突、かつそれなりの頻度でやってくる。ある程度楽しんでいる最中の突然の事故、ゆえに非常にストレスが溜まる。 下手すると即死であり、後述の凍結が合わさると下手しなくても即死の可能性がある。もちろん死ねばゲームオーバー、最終セーブからやり直しである。 中途半端に遊べるが故に先へ進めてしまい、後半になるにつれて理不尽な要素に出会う機会がどんどん増えていく。 この「遊べるからこそ、誰もがクソ要素に辿り着いてしまう」という点も本作の特徴であると言えるかもしれない。 一見遊べそうな作りは、それこそがクソストレスへの入り口、巧妙な罠であった。もしこれが作り手の意図通りなのであれば、本作はゲー謀と呼んでもよいのではないだろうか。 以下、ゲームの各仕様の説明と共に詳細を記す。 尚、特記の無い限り説明文イコール低評価点、問題点と捉えていただいて差し支えない。 2・・・状態異常について まず大前提として、以下の二つを覚えた上で目を通して頂きたい。 ひとつ、状態異常は一部の敵の一部の攻撃に付随する。防ぐ装備などは存在しないため、食らいたくなければその攻撃を受けないようにする以外の手段がない。 ひとつ、状態異常の判定はなぜか食らい硬直中・ダウン復帰中・溜め攻撃の無敵時間を無視する。ダメージこそ受けないものの、状態異常のみきっちり受けるという謎の仕様。 この二つを理解した上で以下を読んで貰うと、凍結を一回食らう事がいかに致命的であるかを理解頂けるはずだ。 状態異常(正式名称が分からないので名前は便宜上のものとします) ・毒…スリップダメージを受ける。このゲームには解毒草を落とす敵が山ほどいるのですぐに治せば問題ないし、ダメージもゆっくり1ずつなのでそれほど脅威ではない。 なぜかマップ変更時のロード中やイベントシーン中でもHPが減っていき、その最中0になれば当然のようにゲームオーバーとなるが、このゲームでは些細なことであろう。 ・凍結…理不尽極まりない状態異常。食らった瞬間から一定時間動くことが出来なくなる。この間はメニューも開けない。 特筆すべきは、凍結中に敵の攻撃を受けると凍結が解けるまでなぜか一発だけダメージが通ること、そして凍結した時のモーションがダウン中等の本来であれば無敵時間を纏っているはずの姿であっても凍結を食らうたびにやられ判定が復活してしまうことである。 さらには凍結時何の問題も無くても、凍結が解けた瞬間に食らいモーションに移行することもあり、その場合、そこに再び凍結効果のある攻撃を食らうとやはりループする。 結果として、凍結攻撃を受ける→近くの敵に一発殴られる→復帰→食らいモーション→凍結攻撃を受ける→近くの敵に一発殴られる→復帰→まだ食らいモーションの最中→凍結攻撃を…のループに非常に陥りやすい。 厄介なことに本格的に敵が凍結を駆使するようになるのはゲーム後半からであり、狙ったかのように一撃が重い雑魚の数が増えてきている時期だったりする。 経験値稼ぎのために戦っていたらカメラの範囲外から遠距離攻撃を食らい凍結し、そのまま殴られ続けてゲームオーバーというパターンを全く同じ敵に何度も繰り返す事も珍しくない。 ・スロウ…主人公のモーションが重くなる。なぜか雑魚ボス問わず、結構たくさんの攻撃に付随している印象。特に後半は持っている敵が妙に多い。 地味ながらこれもかなり危険。凍結と違い、理不尽でない&アクション次第で無傷で済むだけゲームしてはいるのでマシではあるが。 食らいモーションやダウンからの復帰まで重くなるのが厄介で、復帰の瞬間に雑魚の一撃を貰うと防げない。スロウだとそれが起こりやすく、やはりただのストレス源となりやすい。 3・・・ザコモンスターについて まず、経験値の入手バランスがかなり酷い。全体的に敵が猛烈に固い割に入手量が低い。 正確に言えば、序盤はそこまで敵も固くなく(弱いとは言っていない)、次の地域に行くとグングン入手経験値が上がっていくのでそれなりにレベル上げは楽しめるかもしれない。 しかし後半になればなるだけ敵はどんどん固く強くなり、敵から得られる経験値量と次のレベルまでに必要な経験値のバランスがおかしくなっていく。 特にレベル48を過ぎたあたりから次のレベルまでに必要な経験値量の増え方がおかしくなり、 ここまで6万強必要だったのが、なぜか1レベル上がるたびにそこから更に4万以上ずつ増えていき、その後も増加の一途を辿っていく。 確かにその辺りから雑魚の経験値も増えていくのだが、同時に出番が多くなるボスの量産型は特に固く、そして強く、 いつどこでやられるか分からない恐怖と戦いながらちまちまセーブしてちまちま回復しながら戦わなければならないため、非常にストレスが溜まる。 その代わりなのか、中盤以降のザコモンスターは全体的にいいものを落とすようになっており、倒せば倒すだけアイテムが手に入る。 特にMP回復アイテムは宝箱にあるアイテム以外ではモンスターを倒さないと手に入らない。 しかしながら、このゲームには魔法を使わないと倒せないボスがかなりの数おり、それらのボスと戦うときにMP回復アイテムを持っていないでMPが尽きると詰む。 「魔法を使えなくなると苦戦する」ボスがほとんどではあるが、一部は本当に「魔法が使えないと勝てない」のである。 MP回復アイテムはそこまでぽんぽん落としてくれるわけではないため、特に後半の長いダンジョンで計算なしに使っているとすぐに無くなってしまうと思われる。 完全な余談であるが、魔法でないと倒せないボスの中にはHPを減らすと急にこっちに来てくれなくなる奴がおり、最初から剣ではダメージを与えられないわけではない。 これらのボスは一時的に遠距離攻撃に切り替えているわけではなく、ある程度までHPを減らしたときから、全く近距離戦をしてくれなくなるのである。 剣と魔法を使い分けるゲームなのに突然片方を強制させるのはどういう感性なのだろうか。 雑魚戦で一番の問題点は猛烈なまでのリポップのスピードであろう。 たった一匹の処理にてこずっているだけで、いつの間にか二匹になり、三匹になっていて、結果どうしようもなくなるという事が非常に多い。 そして中盤以降特に増えるボスの量産型雑魚は攻撃力も耐久力も共に凄まじく、どうしてもヒットアンドアウェイで慎重に戦わなければならず、 結果、一度に大量の雑魚を相手にするシーンが頻発してしまう。 厄介なことにこれらボスの量産型は経験値がそのままであり、倒せれば美味しいのだが、耐久力が非常に高く、構っている間に大量の雑魚が湧いてしまい…というパターンに陥りやすい。 対策として使える魔法も後半になると存在しないわけではないのだが、このゲームはMP回復アイテムが貴重であり、 また上記のMP回復アイテムとの兼ね合いからボス戦への備えとして、あまり魔法を乱発してMPを減らしたくないという心理が働くので、筆者はとっさに使うのもいちいち心にブレーキが掛かってしまった。 二匹以上の雑魚を相手にして一度でも回避に専念し始めてしまったら溜め攻撃を入れる隙すらほぼ無くなると言える場面も多く、 結果、最も有効な対策は、ダンジョン攻略の際はレベル上げや強制戦闘をこなしたら適度に回復に戻り、ボス部屋まで一切戦わずに無視して駆け抜ける事に行き着くだろうと思われる。 そこまでしなくてもクリアできるダンジョンが大半ではあるが、終盤は全くの無補給で進むのは無理に等しいと筆者は感じた。 4・・・ボスモンスターについて 全体的に、とても耐久力が高く、攻撃チャンスが少ない。そして、攻撃力はもっと高い。 少し食らうと即ピンチになってしまう割に、ダウンからの復帰直後を平気で狙ってくる、もしくはダウン中に広範囲ブレスを重ねてくるボスがとても多い。きちんと回復していないとメニューすら開けず死ぬこともしばしば。 序盤こそ適正まで、及び適正以上にレベルを上げると途端に楽になる極端なバランスに思えるが、中盤以降、適正レベルが段々と意味を失っていく。 適正レベル以上にしたところで、ごり押しではまず勝てないどころか、的確に弱点を突かなければダメージすらろくに与えられないバランスになっている。 後半になると攻撃に凍結効果が混じるボスまで出てくる始末である。しかも何故か凍結が解けたくらいのタイミングで凍結効果のある攻撃を入れてくる事が結構な数ある。筆者はとあるボスに幾度となく理不尽な敗北を味わった。 中盤以降のボス戦で勝つために必要なことは、ざっくり言うと行動パターンを把握して的確に攻撃及び回避する事と弱点を見つけることであるが、 そうすると多少楽になる…のではなく、正確には「行動パターンを把握して的確に攻撃及び回避しながら弱点を攻めないとまず勝てない」、という方が正しい。 またこのゲームにはどういうわけか遅延行為が大好きなボスが多く、 ザコモンスターの項に記したとおり、突然長時間に渡って遠距離攻撃しかしなくなるボスも結構な数存在する。 そういう行為に至るボスの攻撃に限って遠距離攻撃の回避が妙にシビアだったりするのも気が抜けない。 具体的には、飛んでくるのを見てからではまず回避不能な飛び道具を放つことが妙に多い。 予備動作に反応して回避ボタンを押せばなんとか避けられるのだが、少なくとも初心者はカメラを常に敵方向に向けておくだけでも苦労するはずだ。 ここまで読んで頂くとプレイヤーの腕前とやりこみ次第で突破可能なやり応えのあるゲームと捉える諸氏もいるだろう。実際そのようなボスも多い。 だが最悪なのは、好戦的な雑魚がかなりのスピードで無限湧きする中戦わなければならないボスが存在することである。 このゲームは自機狙い以外の攻撃及び行動パターンの雑魚がほぼ存在しない為、雑魚はどいつもこいつもプレイヤーに向けて突っ込んでくる。そして何故か、ボス戦で湧く雑魚には足が速いものが多い。 そんな中で前述の遠距離攻撃を的確に回避することは可能か?残念ながら戦略や操作精度で対応するには限界があると言わざるを得ない。 凍結やスロウの使い手がいると、その一瞬の隙から長時間拘束、下手すると瞬殺の可能性すらあるのだ。 少なくとも筆者の腕前では「理 不 尽」以外の言葉が出てこなかった。 上述のように、ボスとの戦いではもどかしさとストレスが最大の敵であり、 もういやだ、早く倒したいから最大の一撃を叩き込まないと…と思ってしまうと結果的にこちらが甚大な被害を受ける元となってしまうパターンにハマる事が非常に多い。 このゲームのボス戦で最も求められる戦い方は、非常に回避の難しい攻撃をしてくる相手に回避重視でちまちまと地道に戦う事なのである。 仮にもアクションRPGを名乗りながら、目玉であるはずの強敵との戦いで爽快感を得る事が極めて困難というのはどうなのだろうか。 実際感想を辿ると、「やっと○○倒した!強かったー!!」という意見より「もう嫌だ」「クソボス」「二度と戦いたくない」という方が圧倒的に目立った。 5・・・魔法の使い勝手詳細 最初に書いた通り筆者はこの手の3Dアクションゲームをやった事がないので他のゲームとは比べられないことを前提に書くが、 結論から言って、ほぼ必須な割に非常に扱いにくい、という印象を受けた。 このゲームでは魔法を覚えるために特定の宝箱を開く必要がある。 最初のうちこそ魔法士(原文ママ)に宝箱の位置を教えてもらえるものの、途中からは完全にノーヒント。 しかもノーヒントで置かれている魔法にも重要・優秀なものが多い。 ダンジョンの間違った道の先にある行き止まりにある宝箱の中というお決まりのパターンでさえ探すのは中々面倒であるが、 最悪なのは、フィールドにぽーんと置かれているパターンである。 実際筆者はレベル上げがてらかなり様々な所を見逃さないように歩きながらプレイしていたものの、いくつかの魔法はとうとう見つけられずにエンディングを迎えた。 肝心の使い勝手であるが、魔法の効果自体はそこまで悪くはないだろう。使わなくても攻略できるものの、あれば確かに攻略が楽になる、そんな場面も多い。しかしながら、極端に操作がしにくい。 基本操作の項の通り、使いたい魔法をメニューでセットし、Rを押しながらセットを呼び出して、十字キーで切り替えて使う、だけならそこまで複雑な操作とは言えない。 しかしこの操作を、戦闘中あの魔法が使いたい!となった瞬間に 「Rを押すと強制される主観視点で、左スティックで大量の数の雑魚の凄まじい攻撃を避けながら、使いたい魔法のセットされている十字キーを押して、当てたい敵の方向を向いて、Rを離す」 事をとっさに出来るかと言われれば、筆者は最後まで慣れることが出来なかった。 結局魔法のセットに戸惑っているうちにカメラ範囲外から敵の一撃を貰い、そこを起点にズルズルとハメ殺しにあう…なんて事も一度や二度ではなかった。 なお説明が遅れたが、魔法を使用する為にRで構えている間は回避が出来なくなる。 前項目にある通り、一部ボスは魔法でしか攻撃できなくなる事があるのにMP回復アイテムは自由に入手できないのも問題点であろう。 とはいえ相当に戦わないとレベルが上がらないバランスである為に、勝手にいいアイテムがどんどん溜まっていくのも事実であり、 もしかしたらそれを見越してあえてそういうバランスにしたのかもしれない。 だからといって、道中でMP回復アイテムを計算なしに使うと間違いなく詰むボスがいる事を擁護できるかと言われればNOではないだろうか。 6・・・ダンジョンについて ほとんどのダンジョンは、長く、広く、強制戦闘が多い。 道なりに進む→強制戦闘が開始される→部屋のガーディアン的なちょっと強めの雑魚を倒す→道なりに進む…の繰り返しとなる。 当然というべきか、強制戦闘の始まる部屋でも雑魚は延々湧き続ける。 大体のダンジョンで上記の同じ流れを繰り返すことになるのだが、 後半になるにつれて厄介な雑魚の数が増していく分、強敵相手に雑魚にちょっかいを出されてそこを起点に理不尽なハメ殺しに合う、という展開も増えていく。 また、ほとんどのダンジョンは床が抜けており、落下死の危険と隣り合わせの中戦う事となる。 そんなに落ちるものか?と思われるかもしれないが、小部屋はともかく、道中で戦おうとするとなぜか道はどこもかしこもやたらと狭いため、 強攻撃四段目、バッシュ強2、回避…等の役立つ技の移動力もあいまって、特に慣れていないうちは驚くほど即死の可能性が高い。 酷い場合は強制戦闘を強いられる部屋の一部に円形の穴が開いていることも。 分かれ道の先が行き止まりだった場合ほぼ例外なく宝箱が置かれており、ここは純粋なこのゲームの評価点と言っていい箇所であろう。 しかし中には魔法、しかもよりによって移動魔法が入っている宝箱があり、それを知ってしまうと「このゲームで宝箱は絶対逃せない」という意識が高まってしまい、 結果、だだっ広いダンジョンを無駄に歩かされるハメになってしまった。 一応の補足として、強制戦闘は一度その部屋の戦闘をこなしたら同じ部屋で二度行うことは無いので、その点は安心してほしい。 7・・・テキスト関連 既に話題になっているが、このゲーム、稚拙な翻訳ゆえか珍妙な日本語と文章で会話するシーンがとにかく多い。 特筆すべきは、そのほぼ全てが「全くもって意味不明」ではなく、「特に問題ない」と「言いたいことは分かるが語順がおかしいorまるで会話になっていない」のどちらかで構成されていることであろう。 その為常にプレイヤーが油断した頃に突然向こうからネタがやってくるかのような感覚を覚える。 正直、ネタ目的で購入した人の何割かはこれのおかげで続けられているのではないだろうかと思えるほどその塩梅は絶妙であり、 苦行である雑魚ボス戦を繰り返してテキストを全く意識しなくなった、つまり忘れた頃に非常にシュールな会話や演出がどこでも襲い掛かってくる可能性があるのである。 これがこのゲームの評価や、続けるための活力?に繋がっているのはある程度間違いないと思われる。 また極一部であるが、翻訳が稚拙という問題ではない箇所、具体的にはセリフの取り違えとしか思えない箇所が存在した事も記しておく。 特に終盤に出会う、「神聖な木」との会話は突っ込み所の嵐である。 以下、詳細を記す。 「待っていました… 『はい?誰をですか? 「あなたを…待っていました… 『僕をですか?僕の事を知ってるんですか? 「わかりません。ただ、あなたは100年ぶりに生まれた伝説の勇者です。 『ははは…そうなんですか。 「あなたは悪に打ち勝つ唯一の存在のようです。 『責任重大ですね… 「心配しないでください。私が手伝ってあげます。 『悪の根源はどこですか? 「北の方角の深い火山に1000年間眠っていた 「ドラゴンがその悪の源です。 『やっぱりドラゴンだったんですね。1000年間眠っていたドラゴンがなぜ今… 「必然的にいまあなたが生まれたんですね。 「ドラゴンと戦うためには必ず 「ドラゴンの剣とドラゴンの盾を持たなければなりません。 「その武器以外ではどんな武器もドラゴンの相手にはなりません。 『その武器はどこにあるんですか? 「ドラゴンの剣はこの雪の山に眠っています。 「ドラゴンの盾がある場所は… 「人間の力では行けない場所ですが… 「私がその場所まで送ってあげます。 「先にどこに行くかを選ぶのは勇者様です。 「最後に私があなたの為に装備を差し上げます。 「人間がこの場所に現れたのは初めてだけど 「ここは人間ごときがくる場所ではない。 8・・・その他細かいクソ要素 ・当たり判定が主人公も敵も不明瞭。 明らかに全身食らい判定になっていそうな敵にも強攻撃一段目はスカったり当たったりする等、法則がまるで分からない。 それでも主人公側の攻撃はずっと操作する事もあり、なんとなくどの敵にどの技が当たりやすく有効か等感覚的に分かっていくものだが、 モンスター側の攻撃はそれこそ判定が千差万別で、似たようなモーションの似たような攻撃なのに同じ箇所にいて食らったり食らわなかったりする。 ある敵が腕を振り下ろした時に明らかに主人公と重なっているのに食らわないことがあれば、ある敵の棍棒は明らかに振り下ろす前に食らっていたりするので、 引き付けて回避しようとして早めのタイミングで食らう、早めの回避を心掛けて終わり際のタイミングで食らう、等、なんで今の当たったんだ?となる事が全編通してとても多い。 ボス敵はもっと意味不明で、特に飛び道具、魔法、光弾、ブレス系の攻撃は見た目より判定が大きかったり小さかったりすぐ消えたりやたらと残ったりするので、 それに気付かず見た目に食らわなそうな側に回避ばかりしていると、当たったり当たらなかったりするので判定が運だと思い込んでしまいやすい。実際運なのではと思える攻撃もあるのだが。 ・アイテムはそれぞれ20個まで持てるが、買うときに持てる上限は10個までとなる。 どういう意味かというとたとえば薬草を9個持っているときに店で購入しようとすると、薬草は1個以上売ってくれないのである。11個目を狙うにはドロップや宝箱からの入手しかない。 全く意味不明な仕様であり、実際に初見のボス相手等には特にHP回復アイテムは20個あっても足りない事などしばしばであり、何のためにこのような仕様にしたのか理解に苦しむ。 確かにモンスターを倒していれば11個目以降も割とすぐに溜まるが、じゃあ売らなくていいよねとはならないと思うのだが。 ちなみに道具屋の言い分は「これは在庫がありません」である。 ・なぜかフィールド地図の位置が妙に分かりづらい。 具体的には、一枚目は最初の村の空き家の中、二枚目は砂漠のど真ん中、三枚目はキングダム地方のフィールド宝箱の中である。 一枚目はともかく、二枚目と三枚目は中途半端な位置にあり、特に三枚目は草むらの中に巧妙に隠されているので、非常に分かりづらい。実際見つけられなかった人も多い。筆者はノーヒントでは無理であった。 そもそもフィールド地図など標準装備、及びイベントで手に入れるのが当然ではないかと思うのだが、それは昨今の親切なゲームに毒されすぎだというファイナルな警鐘なのだろうか。 ・メニューボタン(+)を押すと即座にメニュー画面が開くのだが、この世界の時間は一瞬経ってから止まるらしく、 やばい!回復だ!と思ってメニューを開いた時に敵側、特に光弾やブレスのような動く攻撃判定はコンマ数秒ほど動ける猶予があり、 ギリギリの所でメニューを開いた結果敵の攻撃を食らってしまうことがあるのだ。 地味ながら相当なクソ要素であり、この一瞬の差が命取りになる事もあり、実際にこの時間でダメージを受けると非常にストレスが溜まる。 なお、メニュー画面はダウン硬直中や凍結時は開けない。ここでも凍結優遇である。 また細かいクソ要素として、このゲームでは魔法以外のあらゆる入力に十字キーを使わせないという奇妙な仕様があり、 メニュー画面などそれこそ十字キーを使って入力したいのに、なぜか左スティックでしか選べないのも慣れるまでに時間を要した。 一応こちらに有利な仕様?もあり、魔法は連続で使おうとすると一定の待ち時間を要するのだがその時間はメニューを開いていても進む。溜め攻撃に必要なスタミナも同様。 フル活用すると一部のボスの攻略がかなり楽になるが、これが本来想定していた挙動か否かは不明である。 ・物を調べたり会話したり出来る判定が妙にシビアで、きちんと相手の目の前に立たないと会話が出来ないし、宝箱も真正面からでないと開けられない。 特にダンジョンで崖際に置いてある宝箱を調べようとして回避が暴発して奈落の底へ、という死に方は最早テンプレと化している。 ・移動魔法と脱出魔法、どちらも演出がチープ。 移動魔法は空を飛んでいると思われるが画面上では上方向へスライドしているようにしか見えず、脱出魔法はその場をクルクル回るだけの代物。PS2時代でももう少し頑張っていた印象があるほど。 もっとも、クソ要素というよりは見る度にツッコみたくなる箇所と指すべきかもしれない。 脱出したいイコール消耗している筈なので、ギリギリまで戦って疲れたプレイヤーの心に爽やかかつ生温い風を吹かす事には成功していると言えなくもないか。 ・グラフィックだけではなく、演出力も全体的に不足している。 全編通しておかしな箇所は山ほど見受けられるものの、特にお姫様を助ける時、崩れる寺院の中で動けないお姫様に向けて主人公が 「じっとしていてください。私がそちらに行きます。 と抜かした直後に二人ともその場でテレポートしたのは前述の演出と重なり、とてもシュールな印象を受けた。 誤植らしきものも多い。以下一例。 ・防御スペルカードというアイテムの説明文に、攻撃力を一時的に10%上げると表示される。尚、実際には防御力が上がっている模様ではあるが。 ・次の目的地と推奨レベルが示される冒険手帳に、ドラゴンの盾の欄に「ドラゴンの剣を必ず手に入れよう。」とあり、ドラゴンの剣の欄に「ドラゴンの盾を必ず手に入れよう。」とある。 ・前述の神聖な木が最後に突然「ここは人間ごときが~」と態度を豹変させる理由は、その後のとあるボスが全く同じ台詞を吐くのを見るに取り違えたものと推測される。 ・その他、有名になった「当然んじゃろ…!!」等、拾っていたらキリがない。 ・まとめ、及びこのゲームの評価について パッと見の印象こそ案外悪くないのではと思える感があり、実際に意外と面白いと思える箇所も少なくないものの、進めれば進めるだけ歪な作りが嫌でも目に付く出来になっている。 中途半端に進めたくなる出来であるからこそ、どこかで必ず裏切りに合うその塩梅は、ある意味見事である。 クソゲーである事は疑いの余地なしだが…一方で、興味深いことに実際にプレイした人の感想を辿ると、文句を言いながらも真剣に憤っている人、途中で投げ出す人はとても少ないという印象を受けた。 プレイヤーも動画勢と呼ばれる側の人も皆一様に口にする魔法の言葉?に、「頑張って作ろうとした感は窺える」というものがあり、実際筆者もそう思いながらプレイしていた。 前述の理不尽極まりない諸々の仕様も、手抜きや調整不足故に出来上がってしまったものではなく、 あまりの作り手のセンスの無さゆえ、高難度という概念をユーザーの求める高難度と取り違えてしまったゆえの悲劇である公算が高いのである。 他にもこの選評では言及を控えたが、グラフィックの荒さに加え、まさかのクソデカレベルアップくんの再来等の珍妙なセンスも見逃せない重要なポイント。 落下死ひとつ取っても主人公のリアクション、ボイス、GAME OVERのフォント、そこで流れる音楽、どれも笑わせようと思って入れたわけではない(はず)にも関わらず 「こんな死に方しました」という落下死のパターンを動画にするだけでネタとして紹介したくなり、実際に発信することで多くの人を笑顔にしてしまう辺りがこのゲームの破壊力の高さを物語っていると言えよう。 これらは作り手が狙ったわけでは決してなく、真面目かつ真剣にゲームの良さを追及したゆえの出来の筈なのに、結果だけ見るとこのようになってしまったという事が見ていてなんとなく分かるからこそ、 このゲームを見た人やった人全てに「ああ、本当はこうしたかったんだろうな…」という哀れみの目を向ける猶予を与えてしまうのである。 要するに、ゲームそのものの評価をしようとする過程でなぜか作り手のセンスに感情移入してしまうのだ。これは非常に珍しい現象である。 このように、遊べば遊ぶだけ本来の遊び方とは違った本作の魅力もといネタが次々見えてくるのも本作の特徴であり、 はじめにの項に挙げた「シュールかつ味わい深いクソゲー」という文章には、このようなスルメゲーとしての意味も込めた。 そしてここで、何度か主張している「中途半端に遊べるがゆえのクソ」という要素が大きな意味を含む事になる。 本作はこれら謎の魅力ゆえ、途中で投げ出したくなりにくい、やめたらもったいない気がするという心理が働きやすく、 結果、「まごうことなきクソゲーなのに、最後までプレイヤーを離さない」という矛盾を成立させることに成功している。 つまり、多くのプレイヤーが最後までゲームを進められてしまい、結果として、誰もが等しくゲーム内の全てのクソ要素に触れることが出来てしまうゲームなのである。 それに付随して、本稿では言及を避けたがエンディングにもツッコミ所がある。 具体的には、感動させようとしている事は伝わるものの、実際に画面に映る主人公の落下モーションが非常にシュールであり、 確かなクソゲーであるにも関わらず、最後の最後まで「酷いもの」を「見せてもらった」という不思議な感情を抱いたままゲームを終えることが出来てしまう。 「いいものを作ろうとしたんだろうけど結果なぜかこうなった」という面はデスクリムゾンを、 「ツッコミ所が多すぎて超絶苦痛なのに、なぜか率先してそれを探したくなる謎の魅力」は戦極姫を、 「理不尽要素からくるストレスゆえの悲鳴を上げながらもなぜか最後までやってしまう」プレイヤー心理は鬼帝を、 「バグも仕様もいちいち笑える要素が多く、プレイヤーから一見さんまで皆一様に興味を抱いてしまう」点はダメジャーを、それぞれ彷彿とさせる。 本作は、令和という時代に生まれた、かつて愛されたクソゲー達のハイブリッドだったのである。 ファイナルソードとは、現代に蘇った負のブラックホールと呼べる作品であった。 ゲーム内容の選評は以上です 以下、「何故ファイナルソードをKOTYに推そうと思ったか」を中心とした、個人的な所感となります ここから先を選評として扱うか、残すか等の判断は住人の皆様に任せようと思います これを書いた主な理由はファイナルソードがKOTY2020としては弱いのではないか?という7月上旬に目立っていた意見に真っ向から反論するためです (正直読んで貰えればいいやって気分で殴り書きしたものなので、感情論は選評として不適切だと言われたら取り下げる気満々なのであまり深く考えず流し読みしてください) ・所感 筆者はこのゲームを7月上旬現在の基準でKOTY2020大賞に相応しいゲームであると確信を持ち、今回選評にしたためさせて頂いた。 その最大の理由は、このゲームが「感情を共有したくなる」クソゲーであるからだ。 昨今のKOTYは、製作者のやる気を問う程の手抜きが見え見えのゲー無、バグだらけでまともに遊べない等を武器にした 「薄い」「つまらない」「不快感」がトレンドかのごとく話題をかっさらってきたと言える。 すなわち、プレイした側も見た人も「これはひどいね…」以上の感情を抱きようがないのである。 だがファイナルソードは違う。 購入した人たちは個人差はあれど、皆文句を言いながら、やりたくないと言いながら、もうこのボスやだと言いながら、 何かしらのネタを見つけては、それが笑えるネタであろうが純粋に酷いものであろうが関係なく、嬉々として画像や動画で周りの人たちに発信し続けている。 それらを見た人もまた、皆文句を言いながら、酷いゲームだと罵りながらも、一切の不快感を抱かず、 「まだ何かありそうだ…」「次は一体何が起きるのだろう」と、期待の目を向けてしまうのだ。 発信するプレイヤーも、ネタゲー好きで自ら漁る側も、果ては興味本位で見に行くだけ、偶然目にしただけ、これら一見さんまで、 「これはひどいwww」「やってみたいwww」という感情を皆が一様に抱ける、そんなゲームは果たしてここ数年で何本あっただろうか。 やる側も見る側も、満場一致で笑顔になれるクソゲー。 プレイしている人は、これはネタになるぞと気付いた箇所を逃さず「発信」する。 それを見にきた人と、皆でシュールな笑いを「共有」出来る。 まだこのゲームを知らない人達に、こんなクソゲーがあるんだぜと「紹介」するだけの魅力がある。 一度見たら忘れられないインパクトを誇る変な語録やシュールな描写のおかげで、知る人にも知らぬ人にも「語りやすい」。 このようなゲームが令和となった今この時代に出てきた事は奇跡に等しく、まさにKOTYという戦場において強烈に存在感を示していると感じた。 であればその存在は決して忘れてはならない、残すべき存在、語り継ぐべき存在、に相応しいと言えるのではないだろうか。 よって私はこのゲームを、2020年で「最も感情を共有したくなるクソゲー」として、ここにその証を残し、末永く語り継いでいきたい。 この思いが、筆者に筆を取らせた。 ファイナルソードは、2020年7月現在、確かに最も語り継ぐに相応しいクソゲーであった。 }}