2018年 次点

概要

名称New ガンダムブレイカーhttps://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0700-CUSA10635_00-NGUNDAMBREAKER1M [外部リンク]
ジャンル創壊共闘アクション
対応機種PS4
発売元バンダイナムコエンターテイメント
開発元クラフト&マイスター
発売日2018年06月21日
価 格通常版7,600円
ビルドGサウンドエディション9,600円
プレミアムエディション11,800円
(税別)(パッケージ版・ダウンロード版)
対象年齢CERO:B(12才以上対象)

参考動画

トレーラー

PV

選評

選評1

New ガンダムブレイカー
1・2・3と続いてきたガンダムブレイカーシリーズの最新作。
開発元はクラフト&マイスター、発売元はバンダイナムコエンターテイメント。発売日は2018年6月21日、発売1週間前の2018年6月13日にはβテストと称して体験版が配信された(現在は配信終了)。プレイ人数は1人(シングル時)・6人(マルチプレイ時)。
メーカー希望小売価格は¥7,600(税別)、PS4DL版は¥8,208。夏頃にはSteam版を配信予定。
通常版のほかに、ガンダムビルドファイターズシリーズやガンダムブレイカーシリーズの楽曲20曲を収録した「ビルドGサウンドエディション」、さらに限定ガンプラが付属した「プレミアムエディション」も同時発売している。

●ゲーム概要
様々なステージを舞台にガンプラ同士の戦闘を描いたアクションゲーム。
敵を倒してパーツを奪取するハックスラッシュ要素とそれを自機のカスタマイズに組み込むロボットカスタマイズ要素を主軸としている。

新たなゲームシステムとして、「リアルタイムカスタマイズ(RTC)」「チーム対抗共闘バトル」が追加された。
舞台設定は「ガンブレ学園」という学校が舞台となっており、数多くのヒロインと接していくギャルゲーの様なADVパートも存在する(公式曰く「モテる!更にモテる!」)。
今作ではゲームエンジンに「アンリアルエンジン4」を採用し、過去作と比較して画質の向上とグラフィックの更なるリアル化が図られた。

●ゲーム用語
ガンプラ:テレビアニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの作中ロボットのプラモデル。このゲームにおいてはカスタマイズ要素としてこのプラモデルを、頭・胴・腕・脚・背・近接武器・遠距離武・盾の8部位に分けてカスタマイズする(原則的に一つの機体はこれらのパーツで構成される)。
インナーフレーム:格闘が得意・射撃が得意というように性能別に全5種類ある素体。この上にガンプラパーツを被せているという設定である。またこのフレームには2つのアビリティを同時に装備出来、ステージを進める事で得る経験値で常時発動の能力を強化出来る。
フレームレベル:有り体に言えば自機のレベル。ステージ各所の箱(コンテナ)や敵を倒した際に手に入るアイテムでレベルが上がり、自機のステータスアップやEXアクションが解放される(解放されるアクションはランダム)。このレベルはステージ毎にリセットされる。
EXアクション:必殺技。パーツ毎に設定されており、頭部バルカンや核バズーカなどの武装関係が殆ど。一度解放されれば時間経過でリチャージされる。隙が大きいが、中にはぶっ壊れレベルのアクションも存在する(核など)。
ファンネル:一部のパーツに装備されている。一言で説明するなら遠隔操作出来る飛行砲台。ビームを発射したりシールドを展開したり出来る。作品によってはビットやファングと呼ばれる事もあり、機能も斬ったりハサミで切断したりと多彩。
バーニア:宇宙ロケット等に取り付けられているバーニアスラスタの事。ロケット噴射する制御装置で、ガンダム作品においては推進装置として主に用いられる。
ブースト:アクションパートにおける×ボタンを押してのダッシュ移動。専用のゲージが存在し、連続で使用出来る時間に限りがある。ゲージは地面でブーストを使用してない間に回復する。ジャンプ中にブーストすると消費量は多くなるが更に上空へと移動できる。ゲージが空になってしまうと完全回復するまで再使用不可。
核バズーカ:射撃武器の一つ。元はガンダム試作2号機の武装で、巨大なバズーカから核弾頭を発射する。本作では発射後に着弾し周囲に大爆発を引き起こす。弾数は1発でリチャージもそれなりに長いが、威力が非常に高い。同機体の盾のEXアクションとしても設定されている。体験版となるβテストにおいて広範囲攻撃と高火力により猛威を振るい、そのまま初期版となるVer1.01前期においてマルチ部屋が世紀末と呼ばれる程に暴れまわった。が、後期にかけて検証が進むとより強力で当てやすい射撃武器が発見され形骸化。しかしそれを知らない一般プレイヤーの周りで騒がれていた為か、Ver.1.02で攻撃力の低下・チャージ時間の倍増等の弱体化を喰らい、Ver.1.03で無限発射バグも修正されて一気に産廃武器に成り果てた。
リアルタイムカスタマイズ(RTC):本作の目玉システム。敵機の落としたパーツを取得しその場で付け替えることが可能。落ちているパーツは5つまでストックすることができ、「EXアクション」が機体ではなくパーツに紐づけられている為、パーツを失う=ステータスの低下・EXアクション喪失+αのデメリットを一度に受けることになる。さらに奪ったパーツはその場で「換装」することができるため、強力なEXアクションを備えた優れたパーツであれば自機の強化にもつながる。
チーム対抗共闘バトル:3on3でチームを組んで戦う、今作のメインバトルコンテンツ。敵を〇体倒せなどのお題(クエスト)がバトル中に次々出題され、それをクリアして制限時間内に得点を稼いで勝敗を決定する。その為、基本的には敵チームと「直接戦って倒す」ことが勝利条件ではないことが特徴。もちろん「チームのリーダーを撃破せよ」といったクエストも提示されるので、敵リーダーを全力で倒しに行くケースもある。


●低評価点
・ゲームプレイ
タイトル表示から「NEW GAME」等の表示が出るまでに5秒近くかかる。
アップデートにより画面を小さくした影響で文字が読み辛く、あらすじはテレビによっては殆ど見えない。
パーツ回収のキューブが下から出現した際に自機と重なり、行動不能になるバグも報告された。
また、出撃前に全員で集まる画面が無いので一緒に戦う人のガンプラをゆっくり眺める事も出来ない。マルチ対戦とアセンブルが隔離されているのでマルチで味方の機体を確認してからそれに合わせて機体を変えるという事も出来ない。確認できるのも頭のパーツとフレームタイプだけなので味方の特性ぐらいしか把握は不可能。

・グラフィック・アセンブリに関して
追加パーツでバーニアを機体に装着出来るが、この追加したバーニアから火などのエフェクトは出ない。
また武装関係のパーツを追加してもそれを武装としては使用出来ず、見た目やステータスが変化するのみ。このステータス変化もメリット+デメリットを1つずつ同時に付与する為、メリットのみを受ける事は不可能(効果そのものを無効にする事は出来る)。
機体全体にエアブラシで質感を出す加工も可能なものの、ブツブツの様な物が表面に現れて色味が若干抑え目になるだけ。
写真を撮る為のポーズを決める機能もあるが、パーツ同士が干渉して機体によく埋まる。手持ちの大型銃などもよく機体に貫通する為にポーズが決めにくい。また、一部のパーツ(特に盾)は機体と繋げる為の細い棒が丸見え。
νガンダムのフィンファンネルはグラフィックが現物の物と異なっており、フィンファンネルバリアを張った際のファンネルの動きや向きが明らかにおかしく、バリアの内側にファンネルが入ってしまっている。
バグ・不具合もグラフィック関係のものが多く、ゲーム進行に致命的なものではないが、リザルト画面でパーツが急に揺れ始める・ショップでの表示がおかしいなどが報告されている。
初期収録機体の内、歴代作品の主役機体の参戦も少なく、人気サブキャラの機体も多くが実装されていない。1週間に1機、追加機体が確定で出てくるイベントミッションはあるものの、そのクエストを逃すと100機以上の中からランダムで敵に出てくるのを待つしかなく、1回でも追加イベントを逃すとコンプも難しくなる。また、そのイベントミッションもメインで出てくる敵を変えただけで内容が全く同一の物という手抜きステージである。

・ADVパート
ADVパートの画面がアップデートにより小さくなった為、システム画面の背景が見える様になってしまい、一気に紙芝居に近くなってしまった。
選択肢は一択が多い上、選択肢後の会話も数回の会話後に共通に戻る。また各ヒロインに好感度は特にない。
文章が強制ゆっくり固定で、文章が流れている間にボタンを押して全文表示させるUIの為、速読したい時に会話をよく飛ばしやすい。バックログも無い為、飛ばした会話を確認するにはもう一度最初から見るしか無い。
会話のスキップを選択すると選択肢も含めてそのパートでの全会話をスキップする。口パクすらせずキャラの立ち絵が表示されるだけ、CGイラストも各ヒロイン2枚ずつ程度である。
肝心のシナリオに関してもとりあえずガンダム用語や歴代作品の名台詞を言わせておけという部分が随所に見られ、その台詞に関しても本当に原作を見たのかと思う様な発言も見られネタとしても寒い。敵勢力に関しても戦う前までは完全に敵対していたのにも関わらず、戦闘後4回程度の会話をしただけで即座に仲間になる程。ヒロイン7人個別ルートがあるが、シナリオは若干の会話変更があるだけで同じ展開同じステージの判子シナリオである。ラスボス戦は表6ヒロイン共通な上、ラスボスは突如として今まで伏線も何もなかった超能力を使ってくる超展開を見せる。
またアクションパートの直前にCGモデルを利用したガンプラ同士でのムービーシーンが存在するが、ガンプラが女性のポージング(ぶりっ子ポーズ等)をしながら女性の声で話すのはかなりシュールである。

・BGM関連
原作のBGMが多少のアレンジはあるものの多数収録されている為、評価は高い。また、アニメや過去作の主題歌を収録したサウンドエディションもキャラゲーとしては完璧である。
ただしBGMのシャッフル機能に不具合を抱えており、シャッフルでのランダム再生時に楽曲A→楽曲Aがループして冒頭だけ流れフェードアウト→楽曲B→楽曲Cがサビ途中でぶつ切りフェードアウト→楽曲Dという事が起こる。またボス格との戦闘時はシャッフル機能を用いていても1曲でのループ固定になる(どちらも仕様である可能性が高い)。
また似ている為か、逆襲のシャアのBGM「Sally(出撃)」と「MAIN TITLE」を間違えて収録している。

・アクションパート
ダウン中は完全に無敵になる上、通常攻撃2回程度で頻繁にダウンする為に敵の無敵時間が長く、通常の近接攻撃で雑魚敵を倒すのに非常に時間がかかる。相手が受け身を取れば即座に攻撃出来るが、取る敵と取らない敵がいる為、判別しづらい。
マップが広い割に自機の移動が遅いので移動に苦労する。自機の復帰地点からボスの所に行こうとすると1分近くかかるステージも存在する(ステージの制限時間は10分。ボスは最初からは出現していない)。雑魚敵の沸き状況によっては遠回りして移動する羽目になる。一部のステージでは味方が地形を上手く把握出来ていないのでボスのいる地点まで全く来てくれない事も多い(時間制限があるので自機だけでは火力が足らずにステージ自体が失敗する事も多発する)。上下移動が多いマップもあるが上昇にブースト消費があるにも関わらず消費スピードのバランスが悪いので移動しづらい(一番長くブースト出来る機体でも4倍以上の高さの段差は登れない)。機体の半分程度の段差でも一々ジャンプしなければ移動出来ない。
画面に表示されるマップも見辛く、高低さが考慮されていないので敵の反応を追ってみたら違う層だったという事も多い。また敵の反応も大型以外は比較的接近しないと表示されない。
雑魚敵の攻撃が異様に強く、3体以上に囲まれると胴上げ状態になる。実弾系の射撃武器は弾丸が殆ど見えず、雑魚敵の攻撃でも当たればヒットストップが発生する為、戦闘のテンポも悪い。雑魚以外のダメージを受ければ自機のパーツが吹き飛ぶので経戦能力は当然落ち、パーツを拾ったりRTCに手間取れば敵の攻撃の的になる。一応受け身で緊急回避は出来るものの、緊急回避直後にまた同様の状態になるので、死ぬか自爆するかの二択(この2つは公式への取材を行った記事でもパーツが外れた時の対策として推奨されている)。

「EXアクション」は戦闘開始時には使用出来ず、敵を倒した際やステージ各所に配置されたコンテナから出るパーツを獲得して機体のフレームレベルを上げた際にランダムで使用が解禁される。その為、戦闘開始時は敵もお題もそっちのけで1分程のコンテナ開けレベリングが行われる。また、解放される順番も完全にランダムなので戦略が立てづらい。フレームレベルが初期の状態で敵陣に突っ込むとそのまま胴上げ状態で撃破されるレベルの柔らかさ。自機以外にこの仕様は適用されておらず、敵味方共にコンテナを開けてレベリングを行わなくても「EXアクション」は使用可能。にも関わらず、コンテナを開けるお題が出題されずとも味方が正確無比な射撃でコンテナを開けていく為、開始直後は味方から離れなければ満足にコンテナ開けも出来ない。
一部の「EXアクション」に関しては「発動時に敵がいた場所をその2秒後に攻撃する(当然発動後も敵は動き続けるし、範囲攻撃ですらない)」等、本当にテストしたのか疑わしいものも存在している。射撃系のEXアクションも発動時の自機の向きにしか撃てない為、その間に敵が移動していても撃つ場所を照射しながら変える事が出来ない。
武器の威力に関しての検証の結果、フレームレベルが上がるにつれて元々の火力に比例して攻撃力が増加していく事が分かった。これにより元々の火力が高い単発攻撃武器は恩恵を得られるが、火力の低い手数武器は恩恵を得られず、1マガジン30発のガトリングを全弾命中させても(ロックオンしていても敵が横に動くと当てるのは至難の業)、ライフル4発(1マガジンの20%消費)程度の火力にしかならず、武器間での格差に繋がっている。
防御力の検証も行われ、これもまたフレームレベルの上昇で元々の防御力に比例して増加していく事が判明した。これにより同スキル持ちの同部位パーツは防御力が高い方が完全上位互換となり、他のステータスで差が無いパーツの格差が広がった。

カスタマイズのキモとなるパーツ集めは敵を攻撃してパーツを外し、それを拾ってステージ内のキューブ(モンハンの納品ボックスの様な物)に納めなければならない。攻撃を受けた際、持っていたパーツを一定確立で落とす上、納めている間は完全に無防備になる(当然連続攻撃されればパーツを落とすし収容もされない)。NPC含む誰かがパーツを収容した際にそのキューブはエリアをランダムにワープする為、味方がパーツを収容していたら別の場所に移動して納めなければならない(当然、敵に襲われてパーツを落とすリスクは高まる)。万が一ボタンから手を離すと収容は一からやり直しになる。また、パーツの当たり判定が非常に小さい為に思うように拾ってくれず、最大で5個しか同時に持てない。シングルモードだと味方とですらパーツの取り合いに発展し、自分が落としたパーツを勝手に持って行かれる事も多い。誰が呼んだか通称「玉入れ運動会」「ゴミ収集」。試合に負けてしまった場合、こうして苦労して集めたパーツもステージクリア後に一部しか持ち帰れない(シングルで3個・マルチで6個)。
その機体の内1部分でもパーツを入手すればその機体はゲーム内のショップに並ぶものの、1パーツ辺りの価格が1万から10万(10万のパーツが半分以上を占める)。ストーリー序盤で1ミッション辺りに入手出来るのは3千程度なのでレスポンス劣悪のアクションパートを繰り返さなければならない(一応1周7千から2万程度の実入りがあるイベントシナリオもあるがクリアに10分近くかかる、また仕様変更によりラスボスが敵として出る為に序盤で戦うとなると結構厳しい)。
以上の点から、パーツを売って稼ぐにはパーツを大量に入手するのが難しく、直接取るにしてはゲーム自体のテンポが悪いという悪循環に陥っている。
パーツ購入の代替手段として1日1回の予約特典専用ミッションをクリアすれば1パーツと交換出来るチケットを入手できるが、このミッションがPS4の時間設定をずらせばほぼ無限に出来る事が検証によって判明している。そもそも予約特典なので現状で入手する手段は限られた者のみである。また通常このクエストはクリアした時間から24時間経過しないともう一度挑戦出来ない為、どんどんプレイ出来る時間がずれ込んでいく。
インナーフレームに装備するアビリティはリセットされないレベル制で成長していくが、取得出来るかがそもそもランダムな上にLV1からLV7まで上げるのに約10時間以上はかかる(上限LVは9)。全アビリティ数は112個。

敵をロックオンすると強制的にその対象を追う様にカメラが急激な移動動作を繰り返す。ロックオンを切っていても被撃墜時、復帰した際に強制的にロックオン状態に戻される。また敵が複数いると狙った敵にロックオンカーソルを移せない。コンテナのロックオンをオンにしていると敵とコンテナの区別が出来ないので対象を変更した時にどこにロックオンするか分かりづらい。初期状態の視点の旋回も非常に遅く、オプションから変更は出来るがオプション画面から実際の旋回速度は確認出来ない為、納得のいくカメラワークにするにはオプション→出撃までわざわざ移行して微調整を繰り返さなければならない。ステージ終了時にロックオン状態だと、リザルト画面までの約10秒間のパーツ回収タイムの間にロックオンを解除出来ない為、カメラがグルグル回ってパーツを集めにくい。
ロックオン射撃はホーミングが甘い・弾速が遅いという問題があり、近接装備の間合いまで入らないとまともに射撃が当たらない。CPU相手ならば直線で動いてくる為にまだ問題はないが、対人で当てるのは至難の業。逆に敵はこちらがロックオン出来ない距離から正確無比に射撃を当ててくる。
大型の相手に近づいた時のカメラアングルが強制的に見上げるように変更される為に見づらくなるので、白兵戦するときは距離は感覚頼み・ノーガードで斬りつけるしかない。
また肩越しのカメラアングルの為、大型の自機にしてしまうと前がほぼ見えない弊害も存在する。

新システムのRTCに関しては、乱戦において自機のパーツが頻繁に外れる為に使わざるを得ず、パーツの換装中は無防備なので換装中・直後にまたパーツが外されるなんてのもザラ。武装や腕が外れれば当然攻撃もまともに出来ないので換装しないという選択肢は無い(或いはわざと撃破されて元の状態に戻すか)。胴のパーツが外れている状態で落ちている胴パーツを拾うと勝手に装備するのでその後の換装も非常に行いづらい。Gガンダム系列の様に格闘で戦いたいという機体を組んでも近接武器を拾った瞬間に勝手に装備されるので、コンセプトの維持も難しい。
パーツアウトの条件は各パーツの耐久値が0になるかまたは被弾時にランダムで外れる。外れたそのパーツを拾い直しても耐久値は回復しないので、1回でもまた攻撃を受ければ外れる仕様と相まってRTCを強制されてしまう。また、そのパーツ毎の耐久値をステージ内で確認する方法は無い。ガードを行えば他のパーツの耐久値は守れるが、ガードしててもシールドは耐久力が0になる前に吹き飛ぶ。
そもそも自分で作ったオリジナルのガンプラで戦っていたはずが戦闘中にその辺のパーツをとっかえひっかえで付け替える為、自分のガンプラで戦うというこのゲームのコンセプトからも逸脱している。ジムで出撃していたら、戦闘終了時にはザクになっていたという事も。「EXアクション」はパーツに紐づいて決まっている為、パーツが変われば当然使える技も変わる。武装が変われば攻撃方法も変わるので、根幹的な戦術を組み直さざるを得なくなる。
超必殺技である覚醒アクションを行えば機体は最初の状態に戻るものの、覚醒時にまだ残っていた初期パーツの耐久力は回復しない(一応バランスフレームと呼ばれるインナーフレームを装備していれば耐久力は回復する)上、戦闘中に1・2回使えれば御の字である。このシステムは逆にRTCメインで戦いたいプレイヤーの邪魔にも成り得る。
一応、機体が一度破壊されれば初期状態に戻るものの、裏を返せばキメラ化を避ける為にはパーツが外れた場合はわざと撃破されるか自爆するしかないという事でもある。

もう一つの新要素「チーム対抗共闘バトル」は戦闘形式がラスボス戦まで通してこれ一つだけ。そのラスボスに関してはルールを完全に無視してこっちを殴ってくる事に終始してくる始末(これは他の雑魚敵も同様の思考ルーチンが見られる)。ラスボス戦は連戦で1戦目の終了地点から再スタートする為、開始位置が悪いと開始10秒でラスボス3機に袋叩きに遭って撃破されるレベル。
味方はクリアを最優先する為、パーツ集めをしていたら味方NPCが勝手にステージをクリアしていた事例も。お互いのAIが突撃指向の為に必然的に殴り合いになりやすく、現在のオフラインでの戦術はステージクリアを味方NPCに任せて自分はパーツ輸送に従事するのがテンプレになりつつある。ステージをやる目的であるパーツ集めと勝利条件が相反する。期間限定追加の機体が出るイベントミッションの敵構成がラスボス・ラスト手前のボスを含むのでクリアした機体でも戦うのが厳しくパーツ集めに奔走していると普通に負けかねない。その為、パーツを集める為のミッションでパーツを集めにくい事態になっている。
また一部のステージは最終的な勝利条件が特定の敵の撃破になっている為、極論スコアが0-100で負けていようが味方がその敵を撃破さえしてしまえば問答無用でこちらの勝利になる。大型の相手さえこちらが担えば、最悪最初から放置でも勝利は可能。ラスボスのHPが他の敵と大差が無い為、ラストステージの狭い空間と相まって事故でラスボスが死ぬ。
検証の結果、完全放置で1ヒロインの全ステージが3回以内の挑戦で全てクリアされた。
大型を除いて敵の名前が表示されない為、指定の敵を倒せというお題のクリアが作品に精通していないと難しいという問題も発生している。一部のお題にはクリア時にステージのワープポイントを解放するギミックがあるが、このギミックがあるかを確認出来るのはお題発生時の実況の台詞のみ。またお題をクリアしてもマップに表示されるわけでも無い為、どのギミックが解除されたかも分かりづらい。その上、ワープポイントのワープ先も表示されないのでワープ先を記憶しておかないと移動もままならない。
以上の仕様から共闘しているかと言われると怪しい物があり、尚且つNPCも勝手にパーツを運ぶ為、パーツ集めをしようとなると味方全員すら敵になる可能性を秘めている。

・キャラゲーとしての評価
ガンプラ、それに基づくガンダムシリーズの原作のキャラゲーとなる本ゲームだが原作再現を出来ていない面が多々見られる。
敵の機体が持っている武器もその機体が原作で使っていないものも装備している為、配信前の機体が他の機体からのドロップで解禁されてしまった。
機体間の能力バランスも悪く、原作では能力値の高い機体のパーツもそれ以前の機体より能力が低い。また、PvPゲームとしても完全劣化のパーツも存在する(ガンダムデュナメスはガンダムエクシアの完全劣化)。頭・脚パーツに多く見られる同じEXアクションや別名扱いでもほぼ同じモーションなどの偏りも酷く、同じEXアクションのパーツでも性能差が露呈するのでアセンして写真を撮る以外に確実に使われないパーツも存在する。武装の攻撃方法・火力がほぼ同一なので見た目以外の差異が無く、同じ武器種で異なるモーションがある場合でもその表示がない為、どれがどういうモーションで動くかも分かりづらい。
機体についている武装がEXアクションにすら追加されていない為、装備しているのに使えない武装が存在する(ドーベンウルフ等についているインコムがEXアクションにない)。

Newガンダムブレイカー 選評1(Ver.1.05)

New ガンダムブレイカー
1・2・3と続いてきたガンダムブレイカーシリーズの最新作。
開発元はクラフト&マイスター、発売元はバンダイナムコエンターテイメント。発売日は2018年6月21日、発売1週間前の2018年6月13日にはβテストと称して体験版が配信された(現在は配信終了)。プレイ人数は1人(シングル時)・3 or 6人(マルチプレイ時)。
メーカー希望小売価格は¥7,600(税別)、PS4DL版は¥8,208。9/25にはSteam版を配信。
通常版のほかに、ガンダムビルドファイターズシリーズやガンダムブレイカーシリーズの楽曲20曲を収録した「ビルドGサウンドエディション」、さらに限定ガンプラが付属した「プレミアムエディション」も同時発売している。

●ゲーム概要
様々なステージを舞台にガンプラ同士の戦闘を描いたアクションゲーム。
敵を倒してパーツを奪取するハックスラッシュ要素とそれを自機のカスタマイズに組み込むロボットカスタマイズ要素を主軸としている。

新たなゲームシステムとして、「リアルタイムカスタマイズ(RTC)」「チーム対抗共闘バトル」が追加された。
舞台設定は「ガンブレ学園」という学校が舞台となっており、数多くのヒロインと接していくギャルゲーの様なADVパートも存在する(公式曰く「モテる!更にモテる!」)。
今作ではゲームエンジンに「アンリアルエンジン4」を採用し、過去作と比較して画質の向上とグラフィックの更なるリアル化が図られた。

●ゲーム用語
ガンプラ:テレビアニメ「機動戦士ガンダム」シリーズの作中ロボットのプラモデル。このゲームにおいてはカスタマイズ要素としてこのプラモデルを、頭・胴・腕・脚・背・近接武器・遠距離武器・盾の8部位に分けてカスタマイズする(原則的に一つの機体はこれらのパーツで構成される)。
インナーフレーム:格闘が得意・射撃が得意というように性能別に全5種類ある素体。この上にガンプラパーツを被せているという設定である。またこのフレームには2つのアビリティを同時に装備出来、ステージを進める事で得る経験値で常時発動の能力を強化出来る。
バランスフレーム:全ての能力が平均的な扱いやすいフレーム。器用貧乏だが弱点もない。
ストライカーフレーム:格闘能力・耐久に長けた近接型のフレーム。戦闘向きだが移動速度が遅い。
ガンナーフレーム:全体的な攻撃力と射撃に特化した遠距離型のフレーム。全フレーム中、最も撃たれ弱い。
エンチャントフレーム:EXアクションの使用に優れたフレーム。反面、攻撃力は低い。
サーチフレーム:戦闘には不向きだが移動速度・ブースト性能が最速で、機動性に特化したフレーム。パーツ回収に最も優れているのでこのフレームが選ばれることが多い。

フレームレベル:有り体に言えば自機のレベル。ステージ各所の箱(コンテナ)や敵を倒した際に手に入るアイテムでレベルが上がり、自機のステータスアップやEXアクションが解放される(解放されるアクションはランダム)。このレベルはステージ毎にリセットされる。
EXアクション:必殺技。パーツ毎に設定されており、頭部バルカンや核バズーカなどの武装関係が殆ど。一度解放されれば時間経過でリチャージされる。隙が大きいが、中にはぶっ壊れレベルのアクションも存在する(核など)。
ファンネル:一部のパーツに装備されている。一言で説明するなら遠隔操作出来る飛行砲台。ビームを発射したりシールドを展開したり出来る。作品によってはビットやファングと呼ばれる事もあり、機能も斬ったりハサミで切断したりと多彩。
バーニア:宇宙ロケット等に取り付けられているバーニアスラスタの事。ロケット噴射する制御装置で、ガンダム作品においては推進装置として主に用いられる。
ブースト:アクションパートにおける×ボタンを押してのダッシュ移動。専用のゲージが存在し、連続で使用出来る時間に限りがある。ゲージは地面でブーストを使用してない間に回復する。ジャンプ中にブーストすると消費量は多くなるが更に上空へと移動できる。ゲージが空になってしまうと完全回復するまで再使用不可。
核バズーカ:射撃武器の一つ。元はガンダム試作2号機の武装で、巨大なバズーカから核弾頭を発射する。本作では発射後に着弾し周囲に大爆発を引き起こす。弾数は1発でリチャージもそれなりに長いが、威力が非常に高い。同機体の盾のEXアクションとしても設定されている。体験版となるβテストにおいて広範囲攻撃と高火力により猛威を振るい、そのまま初期版となるVer1.01前期においてマルチ部屋が世紀末と呼ばれる程に暴れまわった。が、後期にかけて検証が進むとより強力で当てやすい射撃武器が発見され形骸化。しかしそれを知らない一般プレイヤーの周りで騒がれていた為か、Ver.1.02で攻撃力の低下・チャージ時間の倍増等の弱体化を喰らい、Ver.1.03で無限発射バグも修正されて一気に産廃武器に成り果てた。
リアルタイムカスタマイズ(RTC):本作の目玉システム。敵機の落としたパーツを取得しその場で付け替えることが可能。落ちているパーツは5つまでストックすることができ、「EXアクション」が機体ではなくパーツに紐づけられている為、パーツを失う=ステータスの低下・EXアクション喪失+αのデメリットを一度に受けることになる。さらに奪ったパーツはその場で「換装」することができるため、強力なEXアクションを備えた優れたパーツであれば自機の強化にもつながる。
チーム対抗共闘バトル:3on3でチームを組んで戦う、今作のメインバトルコンテンツ。敵を〇体倒せなどのお題(クエスト)がバトル中に次々出題され、それをクリアして制限時間内に得点を稼いで勝敗を決定する。その為、基本的には敵チームと「直接戦って倒す」ことが勝利条件ではないことが特徴。もちろん「チームのリーダーを撃破せよ」といったクエストも提示されるので、敵リーダーを全力で倒しに行くケースもある。


●低評価点
ゲームプレイ
タイトル表示から「NEW GAME」等の表示が出るまでに5秒近くかかる。
アップデートにより画面を小さくした影響で文字が読み辛く、あらすじはテレビによっては殆ど見えない。
パーツ回収のキューブが下から出現した際に自機と重なり、行動不能になるバグも報告された。
また、出撃前に全員で集まる画面が無いので一緒に戦う人のガンプラをゆっくり眺める事も出来ない。マルチ対戦とアセンブルが隔離されているのでマルチで味方の機体を確認してからそれに合わせて機体を変えるという事も出来ない。確認できるのも頭のパーツとフレームタイプだけなので味方の特性ぐらいしか把握は不可能。

グラフィック・アセンブリに関して
追加パーツでバーニアを機体に装着出来るが、この追加したバーニアから火などのエフェクトは出ない。
また武装関係のパーツを追加してもそれを武装としては使用出来ず、見た目やステータスが変化するのみ。このステータス変化もメリット+デメリットを1つずつ同時に付与する為、メリットのみを受ける事は不可能(効果そのものを無効にする事は出来る)。
機体全体にエアブラシで質感を出す加工も可能なものの、ブツブツの様な物が表面に現れて色味が若干抑え目になるだけ。
写真を撮る為のポーズを決める機能もあるが、パーツ同士が干渉して機体によく埋まる。手持ちの大型銃などもよく機体に貫通する為にポーズが決めにくい。また、一部のパーツ(特に盾)は機体と繋げる為の細い棒が丸見え。
νガンダムのフィンファンネルはグラフィックが現物の物と異なっており、フィンファンネルバリアを張った際のファンネルの動きや向きが明らかにおかしく、バリアの内側にファンネルが入ってしまっている。
バグ・不具合もグラフィック関係のものが多く、ゲーム進行に致命的なものではないが、リザルト画面でパーツが急に揺れ始める・ショップでの表示がおかしいなどが報告されている。
初期収録機体の内、歴代作品の主役機体の参戦も少なく、人気サブキャラの機体も多くが実装されていない。1週間に1機、追加機体が確定で出てくるイベントミッションはあるものの、そのクエストを逃すと100機以上の中からランダムで敵に出てくるのを待つしかなく、1回でも追加イベントを逃すとコンプも難しくなる。また、そのイベントミッションもメインで出てくる敵を変えただけで内容が全く同一の物という手抜きステージである。
10/9より複数の新規追加機体が出現するエクストラミッションが追加されたが、ステージが狭い上に敵リーダーの機体がストーリーモードより強化されておりバズーカ主体の拘束時間の長いビームEXアクションを装備している為、捕まって何も出来ない時間が多い。また途中で出てくるMA・ハシュマルを倒すと敵リーダーを撃破せよのクエストが始まり、倒すと強制クリアになる。この為、パーツを集める10分のミッションなのに4~5分で強制クリアになるのでパーツが集めにくい。

ADVパート
ADVパートの画面がアップデートにより小さくなった為、システム画面の背景が見える様になってしまい、一気に紙芝居に近くなってしまった。
選択肢は一択が多い上、選択肢後の会話も数回の会話後に共通に戻る。また各ヒロインに好感度は特にない。
文章が強制ゆっくり固定で、文章が流れている間にボタンを押して全文表示させるUIの為、速読したい時に会話をよく飛ばしやすい。バックログも無い為、飛ばした会話を確認するにはもう一度最初から見るしか無い。
会話のスキップを選択すると選択肢も含めてそのパートでの全会話をスキップする。口パクすらせずキャラの立ち絵が表示されるだけ、CGイラストも各ヒロイン2枚ずつ程度である。
肝心のシナリオに関してもとりあえずガンダム用語や歴代作品の名台詞を言わせておけという部分が随所に見られ、その台詞に関しても本当に原作を見たのかと思う様な発言も見られネタとしても寒い。敵勢力に関しても戦う前までは完全に敵対していたのにも関わらず、戦闘後4回程度の会話をしただけで即座に仲間になる程。ヒロイン7人個別ルートがあるが、シナリオは若干の会話変更があるだけで同じ展開同じステージの判子シナリオである。ラスボス戦は表6ヒロイン共通な上、ラスボスは突如として今まで伏線も何もなかった超能力を使ってくる超展開を見せる。
またアクションパートの直前にCGモデルを利用したガンプラ同士でのムービーシーンが存在するが、ガンプラが女性のポージング(ぶりっ子ポーズ等)をしながら女性の声で話すのはかなりシュールである。

BGM関連
原作のBGMが多少のアレンジはあるものの多数収録されている為、評価は高い。また、アニメや過去作の主題歌を収録したサウンドエディションもキャラゲーとしては完璧である。
ただしBGMのシャッフル機能に不具合を抱えており、シャッフルでのランダム再生時に楽曲A→楽曲Aがループして冒頭だけ流れフェードアウト→楽曲B→楽曲Cがサビ途中でぶつ切りフェードアウト→楽曲Dという事が起こる。またボス格との戦闘時はシャッフル機能を用いていても1曲でのループ固定になる(どちらも仕様である可能性が高い)。
また似ている為か、逆襲のシャアのBGM「Sally(出撃)」と「MAIN TITLE」を間違えて収録している。

アクションパート
ダウン中は完全に無敵になる上、通常攻撃2回程度で頻繁にダウンする為に敵の無敵時間が長く、通常の近接攻撃で雑魚敵を倒すのに非常に時間がかかる。相手が受け身を取れば即座に攻撃出来るが、取る敵と取らない敵がいる為、判別しづらい。
マップが広い割に自機の移動が遅いので移動に苦労する。自機の復帰地点からボスの所に行こうとすると1分近くかかるステージも存在する(ステージの制限時間は10分。ボスは最初からは出現していない)。雑魚敵の沸き状況によっては遠回りして移動する羽目になる。一部のステージでは味方が地形を上手く把握出来ていないのでボスのいる地点まで全く来てくれない事も多い(時間制限があるので自機だけでは火力が足らずにステージ自体が失敗する事も多発する)。上下移動が多いマップもあるが上昇にブースト消費があるにも関わらず消費スピードのバランスが悪いので移動しづらい(一番長くブースト出来る機体でも4倍以上の高さの段差は登れない)。機体の半分程度の段差でも一々ジャンプしなければ移動出来ない。
画面に表示されるマップも見辛く、高低さが考慮されていないので敵の反応を追ってみたら違う層だったという事も多い。また敵の反応も大型以外は比較的接近しないと表示されない。
雑魚敵の攻撃が異様に強く、3体以上に囲まれると胴上げ状態になる。実弾系の射撃武器は弾丸が殆ど見えず、雑魚敵の攻撃でも当たればヒットストップが発生する為、戦闘のテンポも悪い。雑魚以外のダメージを受ければ自機のパーツが吹き飛ぶので経戦能力は当然落ち、パーツを拾ったりRTCに手間取れば敵の攻撃の的になる。一応受け身で緊急回避は出来るものの、緊急回避直後にまた同様の状態になるので、死ぬか自爆するかの二択(この2つは公式への取材を行った記事でもパーツが外れた時の対策として推奨されている)。

「EXアクション」は戦闘開始時には使用出来ず、敵を倒した際やステージ各所に配置されたコンテナから出るパーツを獲得して機体のフレームレベルを上げた際にランダムで使用が解禁される。その為、戦闘開始時は敵もお題もそっちのけで1分程のコンテナ開けレベリングが行われる。また、解放される順番も完全にランダムなので戦略が立てづらい。フレームレベルが初期の状態で敵陣に突っ込むとそのまま胴上げ状態で撃破されるレベルの柔らかさ。自機以外にこの仕様は適用されておらず、敵味方共にコンテナを開けてレベリングを行わなくても「EXアクション」は使用可能。にも関わらず、コンテナを開けるお題が出題されずとも味方が正確無比な射撃でコンテナを開けていく為、開始直後は味方から離れなければ満足にコンテナ開けも出来ない。
一部の「EXアクション」に関しては「発動時に敵がいた場所をその2秒後に攻撃する(当然発動後も敵は動き続けるし、範囲攻撃ですらない)」等、本当にテストしたのか疑わしいものも存在している。射撃系のEXアクションも発動時の自機の向きにしか撃てない為、その間に敵が移動していても撃つ場所を照射しながら変える事が出来ない。
武器の威力に関しての検証の結果、フレームレベルが上がるにつれて元々の火力に比例して攻撃力が増加していく事が分かった。これにより元々の火力が高い単発攻撃武器は恩恵を得られるが、火力の低い手数武器は恩恵を得られず、1マガジン30発のガトリングを全弾命中させても(ロックオンしていても敵が横に動くと当てるのは至難の業)、ライフル4発(1マガジンの20%消費)程度の火力にしかならず、武器間での格差に繋がっている。
防御力の検証も行われ、これもまたフレームレベルの上昇で元々の防御力に比例して増加していく事が判明した。これにより同スキル持ちの同部位パーツは防御力が高い方が完全上位互換となり、他のステータスで差が無いパーツの格差が広がった。

カスタマイズのキモとなるパーツ集めは敵を攻撃してパーツを外し、それを拾ってステージ内のキューブ(モンハンの納品ボックスの様な物)に納めなければならない。攻撃を受けた際、持っていたパーツを一定確立で落とす上、納めている間は完全に無防備になる(当然連続攻撃されればパーツを落とすし収容もされない)。NPC含む誰かがパーツを収容した際にそのキューブはエリアをランダムにワープする為、味方がパーツを収容していたら別の場所に移動して納めなければならない(当然、敵に襲われてパーツを落とすリスクは高まる)。万が一ボタンから手を離すと収容は一からやり直しになる。また、パーツの当たり判定が非常に小さい為に思うように拾ってくれず、最大で5個しか同時に持てない。シングルモードだと味方とですらパーツの取り合いに発展し、自分が落としたパーツを勝手に持って行かれる事も多い。誰が呼んだか通称「玉入れ運動会」「ゴミ収集」。試合に負けてしまった場合、こうして苦労して集めたパーツもステージクリア後に一部しか持ち帰れない(シングルで3個・マルチで6個)。
その機体の内1部分でもパーツを入手すればその機体はゲーム内のショップに並ぶものの、1パーツ辺りの価格が1万から10万(10万のパーツが半分以上を占める)。ストーリー序盤で1ミッション辺りに入手出来るのは3千程度なのでレスポンス劣悪のアクションパートを繰り返さなければならない(一応1周7千から2万程度の実入りがあるイベントシナリオもあるがクリアに10分近くかかる、また仕様変更によりラスボスが敵として出る為に序盤で戦うとなると結構厳しい)。
以上の点から、パーツを売って稼ぐにはパーツを大量に入手するのが難しく、直接取るにしてはゲーム自体のテンポが悪いという悪循環に陥っている。
パーツ購入の代替手段として1日1回の予約特典専用ミッションをクリアすれば1パーツと交換出来るチケットを入手できるが、このミッションがPS4の時間設定をずらせばほぼ無限に出来る事が検証によって判明している。そもそも予約特典なので現状で入手する手段は限られた者のみである。また通常このクエストはクリアした時間から24時間経過しないともう一度挑戦出来ない為、どんどんプレイ出来る時間がずれ込んでいく。
インナーフレームに装備するアビリティはリセットされないレベル制で成長していくが、取得出来るかがそもそもランダムな上にLV1からLV7まで上げるのに約10時間以上はかかる(上限LVは9)。全アビリティ数は112個。

敵をロックオンすると強制的にその対象を追う様にカメラが急激な移動動作を繰り返す。ロックオンを切っていても被撃墜時、復帰した際に強制的にロックオン状態に戻される。また敵が複数いると狙った敵にロックオンカーソルを移せない。コンテナのロックオンをオンにしていると敵とコンテナの区別が出来ないので対象を変更した時にどこにロックオンするか分かりづらい。初期状態の視点の旋回も非常に遅く、オプションから変更は出来るがオプション画面から実際の旋回速度は確認出来ない為、納得のいくカメラワークにするにはオプション→出撃までわざわざ移行して微調整を繰り返さなければならない。ステージ終了時にロックオン状態だと、リザルト画面までの約10秒間のパーツ回収タイムの間にロックオンを解除出来ない為、カメラがグルグル回ってパーツを集めにくい。
ロックオン射撃はホーミングが甘い・弾速が遅いという問題があり、近接装備の間合いまで入らないとまともに射撃が当たらない。CPU相手ならば直線で動いてくる為にまだ問題はないが、対人で当てるのは至難の業。逆に敵はこちらがロックオン出来ない距離から正確無比に射撃を当ててくる。また射撃武器の弾数も少なく、3発撃った程度で8秒程の自動リロードを挟まないと再度使用出来ない。
大型の相手に近づいた時のカメラアングルが強制的に見上げるように変更される為に見づらくなるので、白兵戦するときは距離は感覚頼み・ノーガードで斬りつけるしかない。
また肩越しのカメラアングルの為、大型の自機にしてしまうと前がほぼ見えない弊害も存在する。

新システムのRTCに関しては、乱戦において自機のパーツが頻繁に外れる為に使わざるを得ず、パーツの換装中は無防備なので換装中・直後にまたパーツが外されるなんてのもザラ。武装や腕が外れれば当然攻撃もまともに出来ないので換装しないという選択肢は無い(或いはわざと撃破されて元の状態に戻すか)。胴のパーツが外れている状態で落ちている胴パーツを拾うと勝手に装備するのでその後の換装も非常に行いづらい。Gガンダム系列の様に格闘で戦いたいという機体を組んでも近接武器を拾った瞬間に勝手に装備されるので、コンセプトの維持も難しい。
パーツアウトの条件は各パーツの耐久値が0になるかまたは被弾時にランダムで外れる。外れたそのパーツを拾い直しても耐久値は回復しないので、1回でもまた攻撃を受ければ外れる仕様と相まってRTCを強制されてしまう。また、そのパーツ毎の耐久値をステージ内で確認する方法は無い。ガードを行えば他のパーツの耐久値は守れるが、ガードしててもシールドは耐久力が0になる前に吹き飛ぶ。
そもそも自分で作ったオリジナルのガンプラで戦っていたはずが戦闘中にその辺のパーツをとっかえひっかえで付け替える為、自分のガンプラで戦うというこのゲームのコンセプトからも逸脱している。ジムで出撃していたら、戦闘終了時にはザクになっていたという事も。「EXアクション」はパーツに紐づいて決まっている為、パーツが変われば当然使える技も変わる。武装が変われば攻撃方法も変わるので、根幹的な戦術を組み直さざるを得なくなる。
超必殺技である覚醒アクションを行えば機体は最初の状態に戻るものの、覚醒時にまだ残っていた初期パーツの耐久力は回復しない(一応バランスフレームと呼ばれるインナーフレームを装備していれば耐久力は回復する)上、戦闘中に1・2回使えれば御の字である。このシステムは逆にRTCメインで戦いたいプレイヤーの邪魔にも成り得る。
一応、機体が一度破壊されれば初期状態に戻るものの、裏を返せばキメラ化を避ける為にはパーツが外れた場合はわざと撃破されるか自爆するしかないという事でもある。

もう一つの新要素「チーム対抗共闘バトル」は戦闘形式がラスボス戦まで通してこれ一つだけ。そのラスボスに関してはルールを完全に無視してこっちを殴ってくる事に終始してくる始末(これは他の雑魚敵も同様の思考ルーチンが見られる)。ラスボス戦は連戦で1戦目の終了地点から再スタートする為、開始位置が悪いと開始10秒でラスボス3機に袋叩きに遭って撃破されるレベル。
味方はクリアを最優先する為、パーツ集めをしていたら味方NPCが勝手にステージをクリアしていた事例も。お互いのAIが突撃指向の為に必然的に殴り合いになりやすく、現在のオフラインでの戦術はステージクリアを味方NPCに任せて自分はパーツ輸送に従事するのがテンプレになりつつある。ステージをやる目的であるパーツ集めと勝利条件が相反する。期間限定追加の機体が出るイベントミッションの敵構成がラスボス・ラスト手前のボスを含むのでクリアした機体でも戦うのが厳しくパーツ集めに奔走していると普通に負けかねない。その為、パーツを集める為のミッションでパーツを集めにくい事態になっている。
また一部のステージは最終的な勝利条件が特定の敵の撃破になっている為、極論スコアが0-100で負けていようが味方がその敵を撃破さえしてしまえば問答無用でこちらの勝利になる。大型の相手さえこちらが担えば、最悪最初から放置でも勝利は可能。ラスボスのHPが他の敵と大差が無い為、ラストステージの狭い空間と相まって事故でラスボスが死ぬ。
検証の結果、完全放置で1ヒロインの全ステージが3回以内の挑戦で全てクリアされた。
大型を除いて敵の名前が表示されない為、指定の敵を倒せというお題のクリアが作品に精通していないと難しいという問題も発生している。一部のお題にはクリア時にステージのワープポイントを解放するギミックがあるが、このギミックがあるかを確認出来るのはお題発生時の実況の台詞のみ。またお題をクリアしてもマップに表示されるわけでも無い為、どのギミックが解除されたかも分かりづらい。その上、ワープポイントのワープ先も表示されないのでワープ先を記憶しておかないと移動もままならない。
以上の仕様から共闘しているかと言われると怪しい物があり、尚且つNPCも勝手にパーツを運ぶ為、パーツ集めをしようとなると味方全員すら敵になる可能性を秘めている。

キャラゲーとしての評価
ガンプラ、それに基づくガンダムシリーズの原作のキャラゲーとなる本ゲームだが原作再現を出来ていない面が多々見られる。
敵の機体が持っている武器もその機体が原作で使っていないものも装備している為、配信前の機体が他の機体からのドロップで解禁されてしまった。
機体間の能力バランスも悪く、原作では能力値の高い機体のパーツもそれ以前の機体より能力が低い。また、PvPゲームとしても完全劣化のパーツも存在する(ガンダムデュナメスはガンダムエクシアの完全劣化)。頭・脚パーツに多く見られる同じEXアクションや別名扱いでもほぼ同じモーションなどの偏りも酷く、同じEXアクションのパーツでも性能差が露呈するのでアセンして写真を撮る以外に確実に使われないパーツも存在する。武装の攻撃方法・火力がほぼ同一なので見た目以外の差異が無く、同じ武器種で異なるモーションがある場合でもその表示がない為、どれがどういうモーションで動くかも分かりづらい。
機体についている武装がEXアクションにすら追加されていない為、装備しているのに使えない武装が存在する(ドーベンウルフ等についているインコムがEXアクションにない)。

Newガンダムブレイカー 選評2 (Ver1.05)

New ガンダムブレイカー
開発元はクラフト&マイスター
発売元はバンダイナムコエンターテイメント
発売日は2018年6月21日
βテストは2018年6月13日に配信された(現在は配信終了)
プレイ人数はシングル1人でマルチが6人
3作続いてきたガンダムブレイカーシリーズの最新作
本作では通常版以外に、ガンダムビルドファイターズシリーズや過去のガンダムブレイカー
シリーズの楽曲を収録した「ビルドGサウンドエディション」と、そこに限定ガンプラが付属した「プレミアムエディション」も同時発売している。
メーカー希望小売価格は通常版¥7,600、ビルドGサウンドエディション¥9,600、
プレミアムエディション11,800となっている。
Steam版は2018年9月25日配信予定。

●ゲーム概要
歴代ガンダムシリーズのプラモデル(ガンプラ)をテーマとしたキャラゲーである。
本作では下の3要素を中心に構成されている。
1.様々なステージでガンプラ同士を競わせるアクション要素
2.相手のパーツを奪い自分の機体を強化していくカスタム要素
3.ガンプラが普及した世界で繰り広がる物語を読み進めるADV要素

そして新要素として「リアルタイムカスタマイズ(RTC)」と「チーム対抗共闘バトル」が追加された

●用語
ガンプラ:ガンダムシリーズのプラモデル。本作では頭、胴、腕、脚、バックパック、近接武器、遠距離武器、シールドの8項目に別れている。
フレームレベル:インナーフレームのレベル。このレベルはステージ内に配置されているコンテナを開けるか敵を撃破した時に確率で得られる経験値を取得することで上げることが出来る。挙げたフレームレベルはステージ毎にリセットされ、ステージ開始時は最低レベルからスタートとなる。Ver1.04にて味方の取得経験値の一部を得られるようになった。
EXアクション:パーツごとに設定されているアビリティのこと。発動により回復や攻撃などの多種多様なアクションを行うことが出来る。
(※インナーフレームについては「カスタム要素について」の「インナーフレームについて」にて説明します)
ビルダーズパーツ:機体を装飾するためのパーツ。付けることで1つのステータスが上昇して1つのステータスが減少するようになっている。このステータスの変動はON/OFFを切り替えることが可能になっている。
ブースト:他のゲームで表すとスタミナゲージのようなもの。このゲージを消費することで高速移動が可能になる。高速移動を止めると回復するが使い切るとゲージが貯まるまでの間高速移動を使用できなくなる。
チーム対抗共闘バトル:3人でチームを組んで戦う3on3、本作メインのバトルシステム。
バトル中に敵機の破壊やパーツの回収などのクエストが次々と発生し、相手チームよりも早くクエストをクリアすればポイントを取得出来る。制限時間終了時により多くのポイントを稼いだチームが勝利する。基本的には他の対戦ゲーとは異なり相手チームと直接戦うだけでは勝利出来ないことが特徴となっている



●低評価点
○アクション要素について
▶移動について
ステージの広さに対しての移動速度が極端に遅いため端から端までの移動に時間がかかる。そして、ブーストを使用する場合でも横方向移動と比べ縦方向へ上昇する時にゲージの消費量が多く、更に上昇する速度も遅く設定されているため大きな段差を登ることが難しい。そのためステージではショートカットが出来ず遠い位置に目的がある場合でもそこまでの移動を強いられる。さらに、マップに表示されるマーカーが高低差を考慮していない上に階層が別れているステージもあり、遠くから来てみれば階層が違ったせいで更に移動を強いられることも多々ある。
一部のステージにはテレポート出来るギミックがあり、そのギミックはバトル中に発生するギミック開放クエストを敵味方どちらかがクリアすることで開放されるが、どこのギミックが開放されたかマップには表示されることは無く、テレポート先も分からないので開放されたギミックは自力で探してテレポート先は記憶していくしか方法がない。さらに、ギミック解放クエストは発生時にアナウンスがあるだけでそれ以外で確認するすべがないので分からなくなったら片っ端からクエストをクリアするしか方法が無くなる。
▶戦闘について
実際の戦闘では、射撃武器の弾速が遅いので横移動をする敵に対して当てるのが難しく、弾数も少ないため数発打ってリロードをしている時間が長い。近距離で戦おうをすると敵機の射撃攻撃でひるまされて反撃に合う場合や、バズーカなどの爆発する攻撃で機体が宙に打ち上げられたところに他の機体がバズーカを打ち込み、さらに打ち上げられるといった複数の敵によるリンチを受ける場合などがあり、射撃と格闘の両方が戦闘する上で使い勝手があまり良くない。
他の攻撃手段としてEXアクションがある。これはフレームレベルが1つ上昇するとランダムに1つ開放される。そのため、戦闘でどうしても使用したいEXアクションがある場合はそのアクションが開放されるまでフレームレベルを上げる必要がある。フレームレベルは攻撃力や防御力を上昇させる効果もあり、ステージスタート時のフレームレベル1ではすぐに倒されてしまうのでEXアクションに関係なくステージ開始後はフレームレベルレベルを上げることがセオリーとなる。レベルを上げる方法はコンテナを開ける、敵の撃破、味方の取得経験値の一部を取得、この3通りあるが、開始直後は敵の撃破が厳しいためコンテナの破壊をすることになる。味方はコンテナを正確無比の射撃で開けてくるので狙っていたコンテナを横取りされることもあり、敵も自機を狙ってくる場合があるので、開始直後は味方と敵が居ないところを探してその周辺にあるコンテナをクエストを無視して開け続ける作業となる。クエストの制限時間は10分だがそのうち2分ほどはこの箱開け作業になることは少なくない。
EXアクションも一部のアクションは発動してから1秒後に敵が居た座標を攻撃するものや、名前が違うだけで同じモーションの攻撃などがあるので実用的なのも存在するがそうでないものも多く存在している。
▶システムについて
カスタム要素で使用するパーツを取得するにはバトル終了時にストックに入っているかステージ内に存在する回収ボックスへ収納する必要がある。回収ボックスは味方チームの誰かが収納する度に複数ある出現ポイントのうち1箇所へランダムで出現するため、収納する度にマップに表示される回収ボックスを探して移動必要がある。さらにストックが5つまでなのに対して敵のドロップが多いのでパーツをなるべく回収する場合は戦闘そっちのけで回収することになり、戦闘を中心に行うとパーツの回収が厳かになる。さらにパーツの収納をするときは無防備のまま棒立ちすることになり、その間に攻撃を受けるとストック内のパーツをドロップして収納出来ない場面が多々存在する。シングルプレイの場合は味方が収納したパーツは共有されないので、欲しかったパーツを味方が収納した場合はもう一度同じパーツがドロップする事を祈るか諦めてショップで購入するしか無くなる。

○カスタム要素について
▶機体のカスタムについて
本来であればほとんど見えないはずの首と胴を繋ぐジョイントや腕とシールドを繋ぐジョイントが見えていて、ガンプラを原作としてみても不自然な隙間ができている場合がある。
機体のカスタマイズをさらに細かく作り込むためにガンプラのパーツ以外に武装やセンサーなどを装飾出来るビルダーズパーツがあるのだが機体にどれだけ装備をビルダーズパーツで追加しても使用することが出来ず、プレイヤーがビルダーズパーツを含めてコンセプトを考えて作った機体も戦闘では近接、射撃、EXアクションしか使用することが出来ないためコンセプトを完全に再現することは不可能になっている。
▶EXアクションのカスタムについて
EXアクションが1部位に1つしか設定できないため、同部位に複数アビリティが付いているパーツは原作では場面に合わせて使い分けることが出来たとしても本作ではその再現が不可能となっている。
他にも一部のパーツでは見た目では付いている武装もEXアクションにそもそも無いのでただの飾りになっている武装というものも存在している。
▶パーツの入手について
入手方法は前述した通りで、戦闘で回収してくるかショップで購入するかのどちらかである。ショップで購入するにも金額が高く目安でしか無いが、戦闘で100個パーツを収納して1つのパーツと交換できる程度である。1回の収納で最大が5個のため、100個の収納には回収ボックスとパーツ拾いの往復を最低20回行う必要がある。そして、一番手っ取り早く入手する方法が敵の落としたパーツを収納することのため、戦闘そっちのけで通称「玉入れ」や「ゴミ拾い」といった作業をパーツ入手のためにせざるを得ない状況となっている
▶インナーフレームについて
性能差のある5つの素体のこと、フレーム上にガンプラを装備しているという設定で、フレームの種類と概要は下記の通りである。
▷平均的な性能のバランスフレーム
▷耐久値やひるみ耐性が高く近接に向いた性能のストライカーフレーム
▷攻撃力は高いが打たれ弱いため遠距離に向いた性能のガンナーフレーム
▷EXスキルを発動せさ易いので妨害などに向いた性能のエンチャントフレーム
▷戦闘能力は低いが移動速度が早く回収に向いた性能のサーチフレーム
各フレームにはそれぞれの得意とする事と不得意な事が設定されているが、「パーツの入手について」の項にある通りパーツの入手には拾って納品する作業が必要になる。
戦闘でパーツ購入用のポイントがドロップすることや、納品しなくても入手出来るパーツが落ちることはないので戦闘をすることで得られる物が無い。そのため、戦闘をせずにパーツ回収をしている方が得られる物が多く、その成果物がカスタム要素に直結するためパーツ収集を優先した場合、サーチフレーム以外を選択するメリットが少ない状態となっている。
▶グラフィックについて
パーツを表示させる時にテクスチャのロードを低画質、中画質、高画質の順でロードしているがそのロード遅い。
パーツを表示した直後は粗いテクスチャの物が1秒近く表示されるため、線の細いパーツであればボヤケてモザイクがかかったようになる。

○ADV要素について
▶シナリオについて
舞台となるのはガンダムシリーズのファンが集まる「ガンブレ学園」ということなのだが、出てくるヒロインたちの言動の中には本当に本編を見たのだろうかという言動や、ガンダムの名言を適当に言わせておけと言うような部分が目立ち全体的に寒く感じる。
複数居るヒロインのシナリオも殆どが同じ展開であり変わった部分がキャラと機体程度であり、それ以外の目立った変化を感じられる部分は少ない。
新規にギャルゲーの要素を取り入れたものの一枚絵が1キャラにつき1,2枚程度で立ち絵の差分も多くはないためADVパートは表現が乏しい状態になっている。

○新要素について
▶リアルタイムカスタマイズ(RTC)について
戦闘時に敵から奪ったパーツをその場で装備できる新システムであり本作の目玉機能の一つである。プレイヤーは5つまでパーツをストックすることが出来、強い敵から奪ったパーツで自機を強化することが出来る機能だが、ストーリーが中盤くらいに差し掛かれば自機のパーツも大体が強パーツになりRTCを使用すると機体が弱体化するため使用しなくなる。
元々使用するメリットがほとんど無く、一時的に自機のステータスを底上げすることが可能な覚醒を行うとRTCしたパーツが外れてしまうので、有効活用できる場面が無い。
さらにRTCでは自機のパーツが外れている時や出撃時に装備していない部位が存在する場合にその部位を手持ちのパーツや拾ったパーツで補おうとする。そして、パーツを付け替えることは可能だが外すことは出来ないので、射撃武器を付けない機体やシールドを付けない機体といった機体コンセプトもRTCにより維持が難しい状態になっている。
▶チーム対抗共闘バトルについて
ゲーム全体を通しての戦闘方式がこれしかなく戦闘するステージの種類も両手で数えるほどしか無いので変わり映えのしないステージで同じ作業を繰り返すことになる。
勝負の勝敗は10分の制限時間で、どちらのチームがより多くのクエストクリアでポイントを稼いだかで決まるのだが、シングルプレイのステージで発生する特殊なクエストにメインクエストというものがありこれをクリアした場合は例外で自チームがポイントで負けていたとしても強制的に勝利となる。
クエストの内容としては「(大型機体の名前)を倒せ」や「(敵チームのリーダーの名前)を倒せ」といったものが発生する。味方CPUの思考がクエストのクリアを優先するため、CPUを放っておくと勝手にクリアしている場合が多々ある。
さらに、過去バージョンで行った検証では、ステージスタートから完全に放置しても試行回数3回以内にCPUが勝手にクリアしていると言うほどの難易度である。

○キャラゲーとしての評価
本作では細かいところだけではなく大きな部分ですら再現できていないと感じられる部分が多く存在する。
本来であれば使えるはずの武装が使えない機体や、敵として出現する時には持っているはずのない武器を持っている機体も居たりと作品を知っていれば知っているほど粗が見えてくる出来となっている。