このページは、2009年度KOTY総評の案を集めるページです。総評の審議に役立てば幸いです。
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2007年『四八ショック』、2008年『クソゲー七英雄』。
前後10年間のクソゲーがすべて集まったとしか思えない、2年に及ぶこの奇跡のクソゲーラッシュは、
前年の『四八』直後以上の不安を住人達に抱えさせていた。
住人達の舌と目はこの2年で肥えに肥え、2006年以前ならノミネート間違いなしであったはずの強豪クソゲー達を
容赦なく選外へ追いやるようになり、その傾向は年を追って強くなっていた。
果たして、スレ住人達を満足させるクソゲーが、2009年に現れることはあるのだろうか。
スレ住人の予想通り、年明け後しばらくは、新たなクソゲーの選定どころか前年の大混戦の余韻から立ち直れず、
2月から開幕投手が豪腕を振るった前年と違い、スレは穏やかな様相を呈していた。
2009年KOTYに最初の衝撃が訪れたのは、3月。強烈な春一番と共に、文字通りの雪解けをスレにもたらした。
雛祭りに日本が沸く3月3日。
パッケージ販売に代わる新しい販売形態として台頭し始めたダウンロード販売専用のソフトが、先陣を切ってノミネートを果たした。
Wiiware用ソフトにして、テーブルゲームの定番『人生ゲーム』である。
テーブルゲームは鉄板……そんな幻想がまかり通っていたのは、ジャンラインの襲来までである。
1000円という一見良心的な価格設定であるものの、
蓋を開けてみれば文字だけのイベント進行、1種類のみのマップ、15ターン目での強制終了。
安かろう悪かろう、安物買いの銭失いを地で行くその品質で、見事『有料体験版』なる称号を獲得。
『人生ゲーム』という看板と手ごろな価格設定で、一般購買層を次々と犠牲にするそのスタイルは、
携帯機が主流となるゲーム業界で、据え置きゲームの新たなクソゲーの波の存在を感じさせていた。
さらに同月31日。春一番はそのまま早春の嵐へと姿を変えた。
ギャグセンスのなさで長年スレを沸かせ続ける日本一ソフトウェアが、期待に応えるかのごとく新たなソフトを送り込んできたのだ。
同じくWiiware用ソフト、マジハンパネェ『Let's 全力ヒッチハイク!!』である。
ポーズをキメるためにリモコンを振るだけの、1000円という値段相応の貧相なゲーム内容とボリュームはもちろんのことだったが、
何より、名だたるクソゲーハンターが集うKOTYスレを小指でひねりつぶしたその醜悪なキャラデザインは、
ある住人をして「モリマンのAVみたいだ、マジで誰も買わねえ」とさえ呻かせる威力。
その他、本当に「冗談はよし子ちゃん」と言いたいくらいのデザイン、一言一言満遍なくプレイヤーを腹立たせる文章センス。
バカゲーを目指して何もかもを履き違えた末、一周して一流クソゲーと化した巨星が、スレに輝き始めたのだった。
そしてこの時、天下統一を虎視眈々と狙う若武者が、ひっそりと旗を揚げていた……。
この後、4月には一挙6本の候補作が挙がるも、全て選外行きとなった。
やはり、四八で鍛えられた住人達の舌を満足させるものはそう世には出ないものなのだろうか。
スレ住人達が早くも日照りへの危機感を覚える中、否の声が上がった。
KOTYのみならず業界全体に話題を提供し続けることになる金色の流星が、猛スピードで接近していたのだ。
5月。Wii用ソフト『黄金の絆』が発売。
これこそが、FC時代よりクソゲーを世に送り出し続ける古参ジャレコが生み出した"オゴーナ"の降臨であった。
前衛的なCMと2ch風公式掲示板の設置で、発売前からその力の片鱗を遺憾なく撒き散らしたオゴーナは、
ファミ通レビューで堂々の低得点(5,4,4,4)を獲得した上で、満を持してスレに現れた。
地獄のようなロードの多さ、キャラクターの使いまわしと雑で二番煎じなゲームシステム構成で、
正統派クソゲーとしてスレに旋風を巻き起こしたが、何より異彩を放っていたのは、開発側の行動であった。
公式ページのソースに有名作品のタイトルを加えることでヒット数を稼ごうという、ネットマナーに正面から喧嘩を売る悪辣なサイト運営。
開発(タウンファクトリー)を堂々とけなし、クソゲーであることを認めた挙句『ジャレコ崩壊計画』なる陰謀論を展開するジャレコ社長の発言。
さらにはファミ通誌上でのクソゲー認定、4億円の制作費に対して累計2000本という売り上げなどなど…。
まさに2009年のKOTYにおいて黄金の輝きを放つ、ド級のクソゲーが降臨したのであった。
しかし、スレはここから、とうとう地獄の日照りを迎える。
4月には6本もの候補作が挙がったものの、やはり舌の肥えたスレ住人達を満足させることは容易ではなかった。
その後、候補作の発見は急激に減少。
7月〜9月の3ヶ月で候補作は4本のみ、6月や10月にいたっては選評なしという灼熱の日照りが訪れ、
そしてそのいずれもが選外としてノミネートを逃す。
前年、前々年の恵み多き雨は影すら見せず、KOTYウィキやテンプレには、
「年末の魔物に期待」の一文が長々と居座ることとなった。
この分では、年末にラッシュが来ることすら疑わしいのではないか?
果たして、このまま待っていて大丈夫なのか?
スレに不穏な空気が立ち込める中、日照りは半年続いた。
多くの偉人の急逝、政権交代を経た、半年後の11月。とうとう年末の魔物が重い腰を上げた。
奇しくも2007年、群雄割拠の状況下にあの「四八」が殴りこんできたのと同じ月のことであった。
3月に"ある選外作品"を1本送り込んでいたシステムソフトアルファが、灼熱の日照りを戦乱の豪雨に変えたのだ。
PCギャルゲーからの移植作品『戦極姫』。天下無双のバグ量を引っさげての、堂々の出陣であった。
そのバグの多さはまさに圧巻の一言であり、可愛らしい絵柄に惹かれた購入者達を完膚なきまでに叩きのめすものだった。
軍資金はいきなり増え、領民の感情はいきなり急降下し、切腹したはずのキャラクターは堂々と次の戦に出陣し、
兵力を減らしたはずの敵軍が一瞬で全快して遠方へワープし、イベントがあったはずのキャラにイベントがない……。
なくなったエロの代わりにバグを3倍追加しましたとでも言わんばかりの"バグの塊"っぷりは、ターンごとのセーブを不可欠にした上、
多くの研究者達によって日々新しいバグが発見されるという、さながらひとつの研究分野としての様相すら呈している。
さらには、発売後すぐに続編が発表され、プレイヤーのバグ発見活動は、体のいい「有償デバッグ」であったと判明。
バグにもめげず逞しく生きる領民達から徹底的に搾取するその暴君っぷりが、住民達を沸き立たせた。
『戦極姫』は圧倒的な兵力でKOTYスレを蹂躙し、クソゲー戦国時代の寵児として領地を構えてしまったのだった。
そして、この巨人の出陣を好機と捉えた猛者がいた。
遡ること7ヶ月、あの春の嵐の中でひっそりと旗をあげていた、SLG『戦国天下統一』である。
開発は、『姫』と同じシステムソフトアルファ。『姫』の出陣を機に、再評価が始まったのだ。
PCからPS2への移植作品である今作は、マイナータイトルであることと、同時期に出現したノミネート候補2作品の影響で、
当初は注目されなかったものの、この再評価でその驚くべき実態が判明。
発売時期が10年単位で遅れたとしか思えないほどに旧時代的なグラフィック、ある種のノスタルジアすら感じさせる古典的システム、
移植元から忠実に受け継いだバグ要素などで、田舎の足軽からあっというまに天下を狙う大名へと成長。
年末に至って今作もまた、2009年の天下統一を貪欲に狙い始めたのだ。
12月。
年末の魔物は"選外作品の再評価"という新たな姿を現し、スレは静かに1年間の総決算へと流れている。
少数ながらも名乗りを上げた実力者たちが、着実にその領地を固めている。
2009年KOTYの戦乱は、年末の混乱でどう動くのだろうか。
天下分け目の戦が、すぐそこに近づいている。
・・・七英雄の伝説・・・
数多くの悪しきクソゲーで世界を乱し、その後いずこかへ消えた・・・
メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!
奈落の城 一柳和、2度目の受難
大奥記
ジャンライン
神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア
プロゴルファー猿
メジャーWii パーフェクトクローザー
いつの日か、彼らは戻ってきて再び世界を救うのだという・・・
ゲーム業界が乱れる度に人々はクソゲーオブザイヤーを語り、救いを願った
しかし、2009年が訪れると・・・ 伝説は忘れられた・・・
クソゲーの興亡は繰り返す、
安定した据置ゲーによる平和な時代が終わり携帯ゲーと携帯アプリの時代が来た
七英雄の名は再び語られ始めた そして彼らは来た
だが・・・
メシジマセブン……タカラトミーの新作ゲーム……
新たな七英雄になると思われた作品は、
ことごとく作品として生まれる前に姿を消していった……
しかし、新たな対抗馬もまた、戦う事すらなく力尽きていく
2007年の四八(仮)
2008年のパーフェクトクローザー
2匹の魔物と戦った住民たちには、
もはや普通のクソゲーでは満足できないという呪いがかけられていたのだ
「今年は不作なのではないか?」
住民は、そうささやき嘆いた
彼らはクソゲーという贅沢にならされすぎて、通常の感覚を失っていたのだ
そんな彼らの人生に罰を与えるべく、かの者は降臨する
『人生ゲーム』
無のクソゲーという新たなジャンルの誕生であった
それは、Wiiウェアで1000円というお値打ち価格でファミリー層を襲撃した
それは、お試し版であるということを言い訳にマップを1つしか作らなかった
それは、1個しか存在しない文字だけのイベントで人々に悲しみをもたらした
それは、15秒ほどでループするBGMで人々の鼓膜を破壊した
それは、15ターン目に強制的にゲーム終了となるルールで遊びの幅を狭めた
それは、『人生ゲーム』という名前を利用し、ランキング上位に君臨した
何もない、ということはクソゲーとなりうる
バグもなく、糞仕様もない
それは、人々に「無」の恐怖を植え付け、2009年上半期を駆け抜けていった……
『人生ゲーム』が住人に新たな恐怖を植えつけてから早幾日
新たなクソゲー『戦国天下統一』が発掘される
これは、歴史SLGの老舗システムソフトαが生み出した魔物だ
しかし、有望株であるにも係わらず、選評は来ない
住民の第六感が、この作品の恐ろしさを感じ取ったのか
誰も特攻するものがないという状況が続く
そんなある日、ファミ通レビューで低得点(5・4・4・4)を取ったA・RPGが
その片鱗を見せた
『黄金の絆』
FC時代からの古豪ジャレコが放つ超大作A・RPGである
発売前から、公式サイトのソースに他社のヒット作の名前を仕込むなど
ゲーム外から搦め手で攻めるやり口
ゲーム作りではなく、痛すぎることで有名になる名物社長
見えている地雷が、核弾頭を搭載して住民たちに特攻してきたのだ
そして発売日。特攻に耐え抜き、ゲーム部分に触れた住人は、ことごとく爆死した
最長40秒というロード地獄
棒立ちの雑魚戦
ラスボスを含む4体のボスが全員同じ倒し方、見た目も使いまわしという斬新さ
隠しボスが発覚するもやっぱり使いまわしという手抜きっぷり
それまで、仲違いをしていた住民の思いがひとつとなる
この手抜きゲーは許してはいけない、と
『黄金の絆』のおかげで、住民たちの絆は強固となるのだった……
さて、ここで少し話題を変えよう
毛利元就の「三子教訓状」から作られたという故事「三矢の教え」をご存知だろうか
彼は、三人の後継者を集めてこう告げた
「一本の矢なら容易く折れてしまうが、三本になると思うように折れない。
毛利の家もこれと同じで、三家が協力し合えば決して折れることは無い」
クソゲーにも同じ事が言えるのではないだろうか
「1本では単なるクソゲーだが、同じ会社から3本ぐらいでると住民の心が折れる」
この恐ろしい逸話を実践した会社が存在した
その名も、システムソフト・アルファー!
『戦国姫〜戦乱に舞う乙女達〜』
『戦国天下統一』
そして、それぞれのPSP版でクソゲー界に宣戦布告をした悪鬼の登場である
『戦国姫〜戦乱に舞う乙女達〜』
PC版18禁ゲームの移植であるこの作品は、
すでにPCのころからバグの宝庫として有名であった
しかし、住民の一部はこのソフトの登場に反発する
「バグがあっても、所詮ギャルゲーだから仕方ないのではなかろうか?」
確かに、ギャルゲーというジャンルは全体的に品質の低い作品が多い
そんな、たかをくくってかかる住人たちにもたらされた情報は
彼らの偏見を打ち砕くものであった
城に配置されたキャラが消える「ブラックホールバグ」
滅ぼしたはずの大名が復活し、自勢力の城を乗っ取って操作不能になる「亡霊バグ」
死んだ仲間武将が突然敵武将として出現する「ゾンビバグ」
次元の彼方から独立勢力が攻めてきて、勝手に全滅する「異次元戦国バグ」
AVGパートで、立ち絵が分裂することがある「カツラバグ」
バグ
バグバグ
バグバグバグ
バグバグバグバグ……
残念ながら、あまりにも多すぎてここですべてを語る事は難しいが、
バグの申し子とも言える姫の誕生に人々は驚喜した
しかし、げに恐ろしきはバグだけではないのだ
その真の恐ろしさについては、後述するとして
2体目の魔物『戦国天下統一』について記述しよう
『戦国天下統一』
これは、上半期に登場するものの選評がなく忘れ去られていた作品だった
しかし、姫の出現により、再評価がなされたのだ
姫と同じく、バグの嵐
武将の顔グラパターンが少なく「顔面統一」といわれるほどの使いまわし
ゲーム全体のテンポの悪さ
海上の移動距離という概念がなく、突如対岸からワープする武将……
天下の前に仕様すら統一されていない杜撰さである
戦国時代の娯楽の少なさを再現したかのごとく、ただただつまらない
それが『戦国天下統一』の恐ろしさといえよう
さて、こうしてみると2009年もクソゲー豊作の年である、といえるのではないだろうか
むしろ「まったくおもしろくない、笑えるところもない」という意味の
真のクソゲーがそろってしまった不幸な年でもあるといえる
人生ゲーム
黄金の絆
戦国姫
戦国天下統一
七英雄ではなく少数精鋭の「四魔貴族」により、クソゲー界は乱されてしまったのだ
そのなかでも、見事大賞に輝いた作品を発表しよう
システムソフト・アルファーの『戦国姫〜戦乱に舞う乙女達〜』である
ほかのソフトも、ひけをとらないクソッぷりではあった
何もない無のクソゲー『人生ゲーム』
自ら糞と認め、ファミ通で公式にクソゲーとしてインタビューされた『黄金の絆』
プレイすら苦痛となる『戦国天下統一』
だが、無限にも等しきバグを搭載した『戦国姫』は格が違った
げに恐ろしきはバグではないと、先ほど語ったが
この作品はバグを乗り越えた先に地雷があったのである
シナリオそのものがつまらないのだ
バグを乗り越え、やっと到達したシナリオがつまらない
しかも、元々18禁ゲーであった部分を削ったため、
意味不明になる部分が存在するという始末
もはや、ゲームとしての体も成していないという体たらくである
そして、さらなる事実が発覚する
PS2、PSP版『戦国姫』の新キャラに18禁シナリオを追加した
『戦国姫2』がPCで発売されるのだ
つまり、我々はPC版の『2』を売る為の有料デバッグをさせられていたのである
この事実により、ギャルゲー板住民の心さえも打ち砕いた『戦国姫』
この作品に、2009年度のクソゲーオブザイヤーをささげようと思う
1本では単なるクソゲーだが、3本では心が折れる
そして、4本のクソゲーが出れば、2010年が不安になる
我々は、新たなクソゲー戦国時代を目撃しているのかもしれない……
完