このページは、2011年度KOTY総評の案を集めるページです。総評の審議に役立てば幸いです。
書き方テンプレートは編集ページにコメントアウトで掲載します。
2010年のKOTYを制したのはラストリベリオンであった。
レベルを上げて物理で殴ればいいで解決する戦闘
イベント中にエリア移動の矢印が消えないといった演出
打ち切りエンドのストーリーなど王道のクソゲーだったと言えるだろう。
2011年はどのようなクソゲーが現れるのか…
いきなりではあるが2011年と言えばなんだろうか?
おそらくほとんどの人の答えは同じだろう「大震災」である。
当然ゲーム業界もその影響を受けた
3月からかなり長い期間クソゲーどころか普通のゲームすらあまり出ないという異常事態が続いたのである。
そんな背景があってか初めて話題になったクソゲーが出たのは9月29日
震災も少しづつ落ち着いてきた頃、ひっそりと一つのゲームが発売される。
code_18(C18)である。
名作として名高い「Ever17」から続く「infinity」シリーズの新作ではあるが、
前3作とは打って変わって、恋愛メインのオーソドックスな学園物なっていたり、過去作のスタッフがかかわっていないなど
不安要素が多かったのだがその結果は惨憺たる物であった。
まず目に付くのはあまりにも未完成なゲーム内容だ
流し見しただけでも大量に見つかる誤字、脱字、脱文
声優の話すボイスと内容の違う文章、
これらに加えてに加えて電車から降りても電車の効果音がなり続けるなどのバグも完備である。
ゲームシステムもなぜか週回数によって攻略できるヒロインが完全固定されている
つまり3人目のヒロインを攻略したければ1人目、2人目のヒロインを攻略しなければ攻略に挑むことすらできず
3人目のストーリーをバットエンドで上書きしたり消してしまったりした場合、
もう一度1人目のヒロインからニューゲームでやりなおさなくてはならないのだ。
またグラフィックの問題点も一部を紹介する
腕が脱臼させないと実現できない方向に曲がっている
デブキャラなのにどう見てもデブではない
夜なのに昼間の背景
コスプレ喫茶のシーンなのに制服のまま…などもはや基本すらできていない
肝心のストーリーも所々矛盾がありシリーズの特徴であった「サスペンス的な閉塞空間からの脱出」も無くなっているため
「infinity」シリーズとして出す意味があったのだろうか?
なかなかクソゲーが出てこない中、このままc18で決まりだろうか?という話題でスレは持ちきりだった
…まさかここからクソゲーラッシュが始まると誰が予想できただろうか?
平穏を破るかのごとく11月23日に現れたのがグラディエーターバーサス(剣投資)である。
古代ローマの剣奴をモチーフにした対戦格闘アクションで爽快感を売りにした剣闘志シリーズの最新作だ。
前作の好評要素であったドッジ、パリィが解除されて存在しない、ファンタジー要素が取り入れられて魔法の導入、
電撃Playstationで通常は絶対出ない最低評価などこのゲームも発売前から嫌な予感しか感じさせなかった。
本作はアクションゲームであり、基本的にAi操作の味方を連れて3VS3でゲームが進行するのだが、
この味方からの異常な妨害が目立つ
コンボの強制中断…というのはまだいいほうで何度とプレイヤーに魔法の誤射が当たりガードが崩れて
敵のどうでもいい攻撃にあたってしまう。
カスタム要素が存在しないため最大の癌である魔法をスキルから外すこともできない
とはいえいなければいないで敵からの集中砲火を浴びてしまうという不親切仕様
無駄に固い敵に加えて防具を弾くか破壊するかしないとダメージがほとんど与えられないという仕様で
序盤はただひたすらに同じ部位に連打する作業になる
防具を砕いても効果音すらなく中盤以降も味方をの妨害を避けながらゴリ押しするだけと爽快感を全く感じさせない
装備の強化もあらゆるタイミングでゲーム内通貨を要求され敵に奪われたり破壊されたりで、プレイヤーは疑問に思うはずだが
この疑問は公式サイトを見ることでなんとなく想像がつくだろう
そう、ダウンロードコンテンツ(以下DLC)の存在である。
まずあらかじめ言っておくがDLC自体を批判しているわけではない
だかしかし剣投資のDLCはこれらを売るために各種仕様をわざと不便にしているという疑いが極めて強いのだ。
では一部のDLCを紹介しよう。
装備強化用の宝石セット、アイテムボックス、キャラスロットの拡張権、スキルとステータスの再設定権などである。
本来DLCはゲーム+αとして楽しめる追加要素であったはずだが剣投資のDLCは明らかにマイナスをゼロに修正しているだけなのだ。
もうわかっている方も多いかと思うが剣投資という略称はこのメーカーの姿勢を皮肉ってつけられたものだ。
剣投資と同日に発売され、話題になったのが街ingメーカー4(待ing)
自分の街を作り、自分のキャラでその街を歩き回れるという街ingメーカーシリーズの最新作だ。
シリーズの特徴だった「一人一人の住民に個性があり、会話や買物をしたり不満を解消してあげることで街が発展する」といったAVG要素の大半を削除、
建物の種類まで減らされてそれに代わる新要素も特になく、シリーズファンを激怒させた。
ゲーム内容は非常に薄く、「建てる」「潰す」「眺める」を繰り返すだけ
ゲームクリアまで5〜6時間ほどと言われているがそのほとんどの時間は「何もせずに待っている時間」である。
早送り機能やスキップ機能などは当然ついていない
2009年にスレで話題になった「ゲー無」を思い出す完成度だ。
ミッションは人口を増やすことだけ、操作性も悪く、ロードも長いとシステム周りにもジワジワと精神力は削り取られていく
建物も少ない割に老朽化や発展といった要素がなく、学校も総合学園の一種類でまとめられてしまっている。
その他にも建物に入ることすらできない、地形は一種類、天候や季節といった概念もない、
さらに住民との交流という独自の要素は大幅に縮小
これらは前作のPS2では普通に出来ていたことである、その上グラフィックはPS2レベルどまりだ。
12月に入り、まさか!?というようなゲームの選評がスレに届いた。
12月8日発売のドラゴンボール アルティメットブラスト(UB)である。
説明不要の人気漫画「ドラゴンボール」を題材にした3D対戦アクションで1年に1本出ていた「レイジングブラスト」シリーズの3作目だ
劇的な進化こそないが少しづつ改善を重ね、前作の評判も良かっただけにあまりレビューなどを見ない人はまさか今更クソゲーにはならないだろうと思われていたゲームだろう
…海外評価が低くその完成度を危惧している人もいたのだが
キャラが少なくその影響でストーリーがぶつ切りになっている、セリフを飛ばす仕様がめんどくさいなど細かい不満点こそあるが、
UBが抱える最大の問題は「簡略化されすぎた戦闘」一つと言っていい。
まず通常攻撃をして何回かコンボを繋げるとQTE(クイックタイムイベント)というものが発生する。
これはじゃんけんのような2択の選択肢であり、これに勝てばコンボが繋がり、失敗すればコンボ終了…といった流れである。
ちなみに必殺技を撃つには通常攻撃をする必要があるためこのQTEは必須ということになる。
格闘ゲームの肝であるコンボが完全に運任せという時点で格闘ゲームファンは不満を抱くだろうが問題はこれだけではない
通常攻撃以外にも受け身、間合いの変更、必殺技などあらゆるタイミングでQTEが発生し、
そのたびに簡単なコマンド入力やボタン連打、じゃんけんなどをいちいちやらされるため操作不能の時間が多く、非常にテンポが悪いのだ。
そのため少し慣れてくると「ボタンを連打しながらじゃんけんをするだけのゲーム」というよくわからないものになってしまう
演出も動画などを数回見ただけではわかりにくいが演出が似たり寄ったりでこちらも飽きが速い
たとえばピッコロだから腕が伸びるといったキャラ独自の演出がなかったり、
QTE演出が全キャラ同じことなどである、その上QTEは頻繁に起きるのだからもはや飽きるという次元の話ではない。
漫画原作のゲームは毎回と言っていいほど「アニメを動かしているかのようなゲーム」を目指して作られているが
UBは「悪い意味」でアニメらしさを再現してしまったと言えるだろう。
UBの検証が進む中、今まで発売されたゲームの洗い出しが始まり、スレに一つの選評が届いた。
そのゲームとは1月27日に発売されていたウィザードリィ 囚われし亡霊の街(亡霊)
古くから続く3DダンジョンRPGウィザードリィシリーズ最新作がPS3のオンライン配信で登場した。
セーブできなくなるバグなどがあり、出だしから悪い予感こそあったのだが、
アップデートで改善され、発生確率は激減
ではなぜ亡霊はクソゲーになってしまったのか?
敵が強すぎるとすでに言われてこそいたが、シリーズにはおなじみの終盤の敵の固さやちょっとした油断が死を招くゲームであるということから甘く見られていた
しかしプレイヤー達がゲームを進めていくことによって終盤のゲームバランスが異常だということが少しづつ明らかになってきたのだ。
ゲームバランスがおかしくなるのは「シナリオ3」に入り、レベルキャップが100以上に解放されてからの話になるのだが、
亡霊は明らかに他のレベルが99までの他のゲームのプログラムを流用しているらしく
このレベルキャップ100の解放が信じられないような結果を招いてしまった。
シナリオ2の強さでほぼ強さが頭打ちになるプレイヤー側に比べて敵の強さがどんどん上がっていき、
素早さのステータスがモンスター側に設定されているらしく
ゲーム終盤になると先制攻撃で一撃必殺を何度も繰り返され、どんなに頑張っても6人中4人が死亡という状況になってしまう。
こんな状況の中先に進みたいのであれば数歩歩いてセーブを繰り返しエンカウントを回避するか
数百時間のレベル上げか裏技を使って10時間程度の作業、
もしくは偶然有ったと思われるDLCで購入できるエンカウント回避アイテムを購入するしかない。
ちなみにこんな地獄を乗り越えてたどり着いたラスボスは驚くほど弱いという有様だ。
さらにwizシリーズのもう一つの魅力であるアイテム収集も
入手できないアイテムがありコンプリート不可能だったり、ダンジョン内での戦利品であるはずのアイテムが
DLCでも入手可能だったりとプレイヤーの「集める気力」を削り取る。
しっかりとクリアできることもありクソゲーとして評価が低くなりがちなのだがそれは違う。
wizシリーズはそもそもストーリーなどが極限まで削り取られていてスリルなゲームバランスの戦闘や
ダンジョン内でのアイテム収集を楽しむものである。
これら2つの要素がクソの亡霊はゲームすべてを否定されていることと同じなのだ。
以上、5作品を紹介し終えたところで…と言いたいところだが実はまだ一作残っている
2011年も終わりという12月30日、滑り込むように一つの選評が届いた
そのゲームとは2月24日発売の Piaキャロットへようこそ!!4 〜夏の恋活〜 である
ファミリーレストランを舞台に、そこで働きながら同僚の女の子と仲良くなりカップルを目指す…というシリーズの最新作だ。
修羅の国であるエロゲー業界からの移植作であり元の評価自体がエロ以外壊滅的で
その内容からエロを取り除いている時点で評価は察するべきだがその中身を一部紹介するとしよう。
まず修羅の国からの移植作としてはもうあたりまえとなりつつある
唐突にヒロインと付き合っていたり、知らないうちにヒロインを孕ませていたりする現象から始まり
オートプレイにしてもボタン操作を要求されたり、謎のフリーズや処理落ちなど仕様面も不便そのものである。
一番肝心なシナリオも「事件」といったことが何もなくただ平和なだけと退屈で
主人公のパラメータが一定でない場合バットエンドとなるのだがいくら女の子と仲良くなっていて付き合っていても
「何も思い出を残す事はできなかった。この店で過ごした一ヶ月間は何だったんだ。」と、終わり方まで適当そのものだ。
発売前からの予想通り「ゲー無」となってしまい同じ修羅の国出身の2009年の某作と違い話題にすらならず、
実績を取るのが簡単程度の価値しかなく、まさに誰得という言葉が似合うゲームだろう。
今度こそ候補作の紹介を終えたところで2011年大賞を発表しよう。
どのゲームにも大賞の可能性があるといわれる激戦を制したのはグラディエーターバーサス
大賞の理由としてはグラディエーターバーサスは他の受賞作と比べて隙が少ないというところだろう。
例えば待ingはクリア後のフリーモードでは待ち時間がなく街づくりゲームの体験版程度の楽しさはあるはずだ。
UBは格闘ゲーム初心者の対戦ならば1時間は楽しめると思われ、亡霊も序盤はそこそこ遊べる。
それと比べて剣投資は序盤は連打ゲー、中盤以降はゴリ押しゲー
アイテムや装備の仕様はDLCに足を引っ張られ…と終始イライラするため爽快感を売りにしているゲームとしては比較的隙のない内容と言える。
また剣投資は単純なゲーム内容以外のクソゲー要素を多数含んでいるクソゲーだということを付け加えておかねばなるまい。
発売前に公式サイトがウィルスバスターに詐欺サイト扱いされたことから始まり、
馬鹿なAIの対策として期待されていたオンラインも過疎の影響で一週間で機能しなくなった。
初週の売り上げ本数も2700本と少なく本スレも「売った」というレスがいくつも見られ今後改善されることもないとみられている。
開発者が対戦に参加するオンラインイベントを開らくも極わずかな参加者を開発者がボコボコにするだけ、
バランス修正パッチを配布するが敵AIの強化、ガードの弱体化などの内容の中に
「魔法の強化」という内容が含まれておりラスボスが異常な強さになり味方の妨害性能もアップ
まさかの改悪アップデートで自分自身の息の根を止めてしまった。
なぜ味方AIの強化をしなかったのかはいまだに謎のままである。
その後無駄に完成度の高い体験版を配布するも発売後一か月経っていたため誰も興味を示さなかったりと
剣投資の対応はことごとく滑っていた。
もう気づいている方は多いと思うが今年のクソゲーの特徴はすべてが続編であり、自らの長所を潰しての受賞という点だろう。
DLCで内容が悪化しているものや独自の要素をなかったことにしたりととにかく愛の無い内容が多かったと言える。
「たくさんのファンがいてこそ続編は作ることができる」そんな当たり前の基本を今年の受賞作と未来の続編ゲーム達へ送りたい
最後に剣投資公式サイトから一言借りてKOTY2011を締めくくろう
「課 金 強 化 で ラ イ バ ル に 差 を つ け ろ !」
昨年は「薄い」「つまらない」をトレンドとし、ラストリベリオンが大賞を獲得した2010KOTY。
今年は日本のみならず全世界激動の1年となったが、クソゲー界にとっても激動の1年・・・となったのかもしれない(色々な意味で)。
今年は3月11日の東日本大震災により、東北のみならず、日本全体が甚大な被害を受けた。
それにより、この直後に発売される予定だったゲームが発売中止になったり、軒並み延期されるなど、ゲーム業界にも影響を与えた。
それが影響したのかどうかは定かではないが、なんと9月下旬まで目立ったクソゲーが登場しないという、KOTY始まって以来の枯渇状態となった。
(なお、実はこの段階でクソゲーは影を潜め存在していたのだが、それについては後ほど紹介するとしよう)
上半期はクソゲーではないのか?と数本のゲームが持ち込まれ、どれも門前払いになるなど荒れ荒れしいスレの流れだったが、
下半期になるとそれすらもなくなり、時間と雑談のみが進むスレと化していた。
「もはや今年はクソゲーは現れないのではないのか」
そんな思いがスレ住人の頭をよぎり出した。
しかしその思いは、9月29日に発売されたこのゲームにより、杞憂に終わるのであった。
サイバーフロントにより発売された、Xbox360「code_18」である。
このゲームは、ADV屈指の神ゲーと名高い「Ever17」などの系譜を汲む「infinityシリーズ」の作品として発売されたものである。
しかし、このゲームにそれまでのシリーズスタッフは殆ど関わっておらず、ファンは不安視していた。
その予想はことごとく的中し、シリーズであることをファンに拒否されるレベルの作品にまで成り下がっていたのである。
ADVでクソゲーなんて普通はできないはずだ、簡単なシステムとある程度のストーリーができてればクソゲーになりえないじゃないか
と思う人もいるだろう。(四八のことは今は忘れてほしい)
しかし、このゲームはADVの肝であり命であるストーリーが、多数のバグと重なり見事に最低辺以下の仕上がりになっていたのである。
まずは定番の誤字脱字。ボイスと文章の不整合まで完備している。
電車の音がヒロインの回想まで鳴り響くことも。
そして酷いのが、表示されている画像と文章に食い違いが非常に多数見られることである。
夜の話で背景が昼、天候が回復したといっているのに背景は雨、目が醒めたのにCGは寝顔のまま、
食事前でも風呂前でも寝る前でもハンドバッグを手に下げるヒロイン、
学園祭のコスプレ喫茶で制服を着ているヒロイン、
キスシーンで眼鏡っ娘のを眼鏡を外してキス――CGで外れていない眼鏡、
極めつけはスカイタワーで「恋人みたいだな」と口にする(しているはずの)主人公の背景に淺草寺。
淺草寺と書いてスカイタワーと読むのだろうか。
淺草寺でデートらしいことをする主人公とは、とても未来から来たとは思えない江戸っ子っぷりである。
更にこのゲーム、仕様も酷く、ヒロイン分岐は一切なしで周回数によりヒロインが完全固定である。
選択肢は2種類のED、突然終了するBADかGOODかの2種類のみである。
なお、ルートマップなどもないため、進めたデータを上書きすれば特定のヒロインのみのやり直しなども当然不可能である。
ちなみに同日発売のPSP版にあるクイックロード・セーブがないのは謎極まりない。
最後にシナリオそのものだが、矛盾や問題点は非常に多く、ここでは少し割愛するが、
「飛行ユニットの研究が完成した。よし、次はタイムマシンだ!」と突然冒頭で喋る主人公や、
4周目までのヒロインルートは最終シナリオにほとんど関係しないなど、意味不明感満載である。
また、タイトルにある「code」とは、未来から送られてくるメッセージを意味しているのだが、
タイトル通り18個あるのに、4周目までに送られてくるcodeは2。
5周目に7〜15まで怒涛の9連打が送られてきたり、結局codeが何なのかもいまいちわからないままで終了してしまう。
しかもこの時、実績が立て続けに9連続で解除されるのだが、その影響からなのかXbox360の処理がやたらと重くなってしまい、不用意にボタンを連打していると最悪フリーズしてしまうのである。
ここまで書けば、いかにこのADVが崩壊しているかがわかっていたタケルだろうか。
このcode_18に気を発した今年のKOTY。
ここから年末にかけて、code_18の9連打ほどではないが、怒涛のクソゲーラッシュが始まるのであった。
11月23日。
同じ日に発売された2本のゲームソフトがある。
まず紹介するのはD3パブリッシャー制作、PS3/Xbox360「街ingメーカー4」である。
街ingメーカーシリーズは、「街づくり」を楽しむゲームで、
プレイヤーは都市開発のプロデューサーとなり、街を発展させ、住民とのイベントやら都市開発を楽しむ、
と言った特徴があり、シリーズ4作目、初の次世代機である。
しかし、次世代機で発売された街ingメーカーは、グラフィック以外旧世代以下に成り下がった作品となっていた。
まずアドベンチャー要素がほぼ完全に廃止された。
住民とのコミュニケーションも廃止され、建物から不満が出ることくらいしかイベント要素がない。
このゲームは1日(ゲームない時間)1万程度もらえるポイントを駆使し、建物を建てて住民を増やすことが目的だが、
建物を建てたら街を眺めるくらいしかやることがなくなり、ほとんどは時間経過の待ち時間に費やされる。
序盤は1000ポイント以下で建物を建てれるからいいものの、後半はバブルもびっくりのインフレ化を起こし、
建物1,2件でポイントが枯渇してしまう。そこからはひたすら待ち時間である。
BGMもその待ち時間の退屈さを体現するかのように退屈な2種類しかない。
だいたい現実の10分ほどで1日が経過するのだが、要は建物を建てて10分待つの繰り返しだ。
建物の建設中は時間が停止するという余計なお世話まで完備されている。
時間早送りやスキップはそこだけ現実準拠なのだろうか、未搭載。
クリアまでは6時間ほど。
うち待ち時間が8割とプレイヤーからは言われている。
つまり、「待ingメーカー」である。
一応、クリア後のおまけとして、先ほどの待ち時間やポイントや住民の不満一切なしで建物を建てれるフリーモードが存在する。
ここまで書けばわかるかもしれないが、先述の3個が消滅した、ということはゲーム性が消滅したとほぼ同義である。
要は建物を建てるだけなので、相当な建物フェチでなければ一瞬で飽きる。
このような薄さで7140円。
6時間と7140円を無駄にしたくない人は、買わないほうが賢明だろう。
無駄にしたい人も、虚無感と後悔しかそこに残らないのでお勧めはしない。
続いて同日発売、アクワイア制作のPS3「グラディエーターバーサス」である。
電撃プレイステーションのバイヤーズガイドで、四八以来の最低評価がついたり(これは発売後の話だが)
低得点に絶対の信頼が置けるファミ通レビューが6665だったり、この段階でクソゲー臭を匂わせるが、
実際の中身はクソゲー臭に課金というエッセンスを加えた、シュールストレミングびっくりの腐敗臭立ち込める作品に仕上がっていた。
オンラインが即日過疎になったことからもクソゲーっぷりが伺える。
このゲーム、基本は3対3の戦闘で、自キャラ以外はAI操作である。
しかしAIの頭の悪さは初搭載(と言われる)DQ4主下回るようなもので、
魔法をプレイヤーに向かって誤射してくるのが当たり前で、
コンボ中に割り込んだり、プレイヤーがサシで戦ってるところ口笛を吹いていないのに他の敵を連れてきて1対1が1対3になったり。
ついでにNPCはカスタム要素がなく、魔法の誤射は避けることができない事態である。
ちなみに12月22日にアップデートが実施されたが、
これにより魔法の威力が大幅強化し、NPCがプレイヤーデストロイ機になったことも追記しておく。
なおアクション自体は無双に爽快感を一切消したようなゴリ押しゲーであり、連打ゲーである。
前作にあったバリィ(寸前回避)やドッジ(弾き返し)をなくしたことも大いに謎であり、
果たして製作者はどれだけゴリ押しゲーを作りたかったんだろうか。
ちなみにこれに代わって追加されたのが、先ほどの魔法である。
このゲームの酷いところはこれともう一つ、課金要素がある。
基本DLCはゲームの拡張に使われ、追加シナリオやキャラクター、アイテムなどに使われるが、
このゲームのDLCは一味違った。
まずスキル、ステータスの再設定に200円必要。
60個しか無いアイテム枠の拡張にもお金、2枠しかないキャラクタースロットの拡張にもお金。
ちなみにキャラ枠は2つで選択できる種族は3種。この時点で詰みである。
そして武器に必要な宝石。
本編内では大量のお金と非常に面倒な手間を踏む必要があるのだが、DLCでは更にひどく、
どこぞのMMOのガチャかと言わんばかりに宝石の種類(4種)とランク(8種)は完全ランダム。
「ライバルに差をつけろ」と公式のDLC宝石紹介欄にあるが、これはリアル財力で差をつけろということだろうか。
そもそもリアルにライバルが出来るほどオンラインに人はいないのだが。
同日発売のゲーム2本が登場し、加速するKOTY。
ここからスピードは更に増していくこととなる。
まずは2週後、12月8日に発売されたバンダイナムコゲームス制作、PS3/Xbox360「ドラゴンボール アルティメットブラスト」である。
こちらはドラゴンボールの格闘アクションシリーズ、レイジングブラストの正統進化として触れ込みがあった作品だ。
前作の評価はなかなか高く、DBファンも期待を寄せていた作品だ。
事実グラフィックやムービーの演出自体は評価が高い。
しかし、アクション性はこれでもかというほど劣化し、幼児向けどころか幼児にもつまらないと言わしめるほどのゲーム性に成り下がっていた。
まず、このゲームにはQTE(クイックタイムイベント)というコマンド入力付きのムービーがある。
これが攻撃や必殺技のみならず、移動でも発生し、テンポが非常に悪くなっている。
このQTEのコマンド自体は基本じゃんけんであり、攻略もへったくれもない単純明快運勝負である。
これが何かするたびに発生するため、非常にダレる。
全キャラ演出が共通である点もダルさを加速させている。
キャラ数も削減されており人選も非常に微妙なため(グルド、トランクス(格闘)、悟天、トランクス(幼年期)、悟飯(青年期)、ダーブラ、魔人ブウ(ゴテンクス吸収)などがいない)、
フリーザに元気玉を当てた後、原作ではピッコロが撃たれるなどの過程があるのだが、カットされクリリンがいきなり爆発したり。
また、会話スキップも1セリフごとにスタート押して○、という仕様のため、冗長なストーリーが更に冗長になり、苦行極まりない。
とにかく、連打とジャンケンで構成された新時代アクションゲームは、低俗すぎて誰にも得しない残念なものとなった。
そしてこれの熱にあてられたか、1月2月に発売されたゲームの選評が年末に一気に2本届くこととなる。
1月27日発売、アクワイア制作、PS3(Network配信専用)「Wizardry 囚われし亡霊の街」である。
Wizardryシリーズといえば、高難易度と深いゲーム性で人気を博した1981年から続くシリーズである。
最近は下火になっており、このゲームはシリーズ復活を掲げた「Wizardry Renaissance」というプロジェクトの最新作である。
しかし、このゲームは復活どころか、シリーズファンをも失意のどん底にたたき落とす最低な作品に仕上がっていたのである。
まずセーブバグ。
不定期発生で対処法がない上に、一度発現すればそのプレイ中はセーブ不能、再起動するしか泣い。
あっさり死ぬこのゲームにとってセーブは非常に重要であり、まずこの先制パンチでプレイヤーは絶望した。
そして本作のクソさが現れるのは、クライマックスシナリオ3なのだが、ここは仕様と云う名のクソが一気に襲いかかってくる。
プレイヤーはLvが上がっても後半はHPくらいしか上がるものがないのに対して、敵はきっちり全能力を上昇させてくる。
また敵が素早くほぼ確実に先制されるため。敵に出会えば先制壊滅はほぼ確定の状況である。
先述の通り、LVをあげてもHPしか伸びないので、死亡が瀕死になる程度で焼け石に水である。
一応お金を積むことでLVをあげられるので、LVを限界まで上げ戦えるようにすることは不可能ではないが、
数十億単位のお金が必要であり、普通にお金稼ぎをしたら有に数百時間を超えることは言うまでもない。
ちなみにこのお金稼ぎ、敵を倒すことでお金は稼げないので(強すぎて倒せないので)、ここではお金の無限増殖バグを使ってのお金稼ぎのことを指す。
なお、エンカウント回避アイテムがあり、これを使えばラスボスまで行くことは可能で、ラスボスは弱いのでEDを見ることも容易いが、
これも特定の敵がドロップなのでまずそもそも倒せない。
DLCで同じアイテムを買うという解決策があるものの、
ダンジョン内で手に入れる苦労を一切カットして虚無感という喜びを得られることは間違いないだろう。
そして2月24日発売、PIACCI制作、Xbox360「Piaキャロットへようこそ!!4〜夏の恋活〜」である。
こちらはエロゲーの移植である。
エロゲーとして発売当初の評価は「エロしか取り柄がない」という評価。
そしてコンシューマー化され、エロを取り除いた本作品。
結果がどうなるかは、ここまで読んだ者は皆わかるはずだ。
シナリオには「事件」が一切無く、日常の中で突然ヒロインとの中が発展する。
ハーレムアニメでもないような日常の中に紛れ込む恋愛はもはや閉口するばかり。
当然のことながらエロは無理なので、エロシーンは突然暗転スキップ。どこぞの戦極姫を彷彿とさせる。
その後にヒロインが孕んでいる、なども当然完備である。果たして暗転中に何があったのだろうか。
なお、このゲームのバッドエンド条件は主人公の能力値なので、いくらヒロインとHしてようが
「何も思い出を残す事はできなかった。この店で過ごした一ヶ月間は何だったんだ。」と発言をする。
なお、SLGみたいなものができるパートもあるのだが、
たまに休みつつヒロインのいる場所を徹底的に叩くだけで話が進むため、育成感覚はほぼ0である。
適当にやってても条件を満たしていることも多く、敵が一切出てこないドラクエのごとく、何もすることがない。
要は不要である。
また、謎の処理落ち、フリーズが不定期に発生する。
この発生は完全ランダムであり、タイトル画面でもロード中でも容赦なく発生する。
このように、ラストリベリオンを恋愛SLG化したかのごとく「ゲー無」と化した作品は、誰の目にも触れられることのなく消えていったのである。
シリーズファンもPCの時点で激怒していた作品なので、当然といえば当然だが。
さて、ここまで発表した所で、今年のクソゲーオブザイヤー、大賞を発表しよう。
「code_18」である。
理由としては、ADVとして致命的な、シナリオの崩壊があげられる。
ストーリーが酷い、というと随分主観的な要素が入ってしまうことが多いが、
このゲームは誰の目にもわかるバグや不具合、そしてCG不整合などで客観的に見ても酷いという感情を感じざるを得ないストーリーとなってしまっている。
実際その点がなくともストーリーがダメダメなのには変わりないが。
まさかストーリー1周目〜4周目までで殆ど伏線が貼られずヒロインとのイチャラブを楽しむとは、誰が予想したであろうか。
仮にもループものであるのだが。
そして、淺草寺と書いてスカイタワーと読むADVが今まであっただろうか。
ここまで不自然なストーリーとバグ(仕様かもしれない)を作ったスタッフには尊敬の念(当然皮肉)を感じ得ない。
そもそも戸籍もない主人公が学校に行ってる時点で不自然だというのに。
メガネを外して外してない状態でキスをする、といった意味不明要素も完備したり、
「制服自体がコスプレだ!」と言わんばかりに制服姿で(手抜き)コスプレ喫茶の接客をするなど、
恋愛ADVとしてあるまじきCGの食い違いやストーリー崩壊をきたしてる点は非常に大きい。
ちなみにこのゲームのプロデューサー、雑誌インタビューにて「code_18はInfinityシリーズの入門編のようなものです」と発言しており、
この文からも開発陣が入門編(ゲーム制作としての)として作ってたということが予想・・・できるのかもしれない。
なお、発売日には自身のツイッターを非公開にするなど、対策も万全であった。
他5本も、クソに事欠かないいずれ劣らぬ精鋭揃いであったが、
ADVの命であるストーリーの崩壊をバグと仕様によって体現し、つまらないを超えたクソへ成り下げたcode_18が大賞を獲得することとなった。
2011年。
激動の1年となったこの1年は、KOTYにとっても、3ヶ月で6本、12月に至っては4本の選評が届くといった大激震の1年となった。
今年の9月28日まで「今年のKOTYは大賞なしだな」といってた時が今は懐かしく思える。
振り返ってみれば、昨年よりも多い6本。
どれも「劣化」と「薄さ」が目立つ6本であった。
これからのクソゲートレンド、どのようになっていくのだろうか。
最後に、code_18の冒頭、主人公が放つ一言をお借りして、今年のKOTYを締めくくろうと思う。
「C18がクソゲーオブザイヤーの大賞を獲得した。よし、次は四-十八だ!」