2008年 総評案
総評案は叩き台なので、基本的には自由に加筆・修正ができます
自分が書いた総評案を編集して欲しくない場合は、その旨を書いておいてください
求められるのは『2008年のまとめ』としての総評と『明確な選定理由』です
新たな総評案を投下する際には
既存の総評案を手直ししただけのものや、各作品の選評をコピペして文章でつないだだけのものに
なっていないか注意してください
2008年クソゲーオブザイヤー 総評案
2008年はこれまでにない程のハイレベルな戦いが繰り広げられた。
昨年の大賞である「四八(仮)」がそのありえないクソさでスレ住人の目を肥やしてしまい、
2006年までだったらノミネートされていたかもなぁ、というレベルのソフトもいくつかスルーされた。
これをスレ住人は「四八ショック」と呼び、今年はクソゲー飢饉かと囁かれたが、
一年を終えてみれば大豊作であったと言えるだろう。
今年の開幕投手を務めたのは「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」
Wiiバブルに何とかして便乗しようとして育成された、タカラトミーの隠し球である。
同じ試合中であるにも関わらずその状況になる度に何度も何度も現れる一枚絵の操作説明画面や、
打球の飛んだ方向に無関係に流される「意外性抜群の」打球デモ、
さらに1球1球投げる度にデモを流すなどして、一試合2時間以上という野球のプレイ時間を見事に再現してみせた。
投げた瞬間にストライクかボールかが相手にわかってしまう男らしい投球システムや、
ストーリーを圧縮しすぎて原作ファン以外お断りのADVパートもなかなか味わい深い。
まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソを投げつけられた思いであった。
この一本が出てからしばらくノミネートクラスのクソゲーは現れなかった。
梅雨の時期までのこの間は「クソゲー氷河期」であり、
ゲーム業界的には大変喜ばしい期間であったが、スレ的には厳冬であったと言える。
しかし終わらない冬は無い。 5月も終わり梅雨の到来が近づく頃、
低得点ほど信憑性が高いことで有名なファミ通クロスレビューから突如として豪雨警報が発せられた。
あのクソゲー界の征夷大将軍デスクリムゾンと同じ13点を叩き出したソフトの名は「大奥記」。
大奥を舞台に女の戦いを描くというターゲット層不明な内容、2年にわたる延期という前情報は、
クソゲー飢饉で餓死寸前であったスレ住人にフルコースを投げ込むようなものであった。
「いざ出てみればただの駄ゲー・凡ゲーでがっかり」が
今年前半のパターンであったが、13点のこのソフトはさすがに格が違った。
大奥と言うより吉宗…いやFC版水戸黄門を髣髴とさせる質素倹約なグラフィック、キャラがめり込むどころか貫通する机、
移動はホバリングで襖の開閉は超能力と揶揄されるモーションの少なさ。
過去にお色気クソゲー「THEミニ美女警官」を製作した会社だけあって、尻の描写だけはPS2クラスなのが唯一の救いか。
ゲーム内容は多すぎる部屋をいちいち回って延々証言を集めるのがほとんどで、
登場人物は頻繁に移動するわ、部屋は大半が無人だわ、入るたびにロードが長いわで
あるユーザーに「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」と言われる辺りに2代目将軍の貫禄が伺える。
せっかく集めた証拠を発揮する申し開きパートも、空気を読まないチャンバラSEと共に
証拠→悔しがる→証拠→悔(ry のループ。
某ゲーム雑誌では「悔しがる表情が良い」とレビューされていたが、実際はそんな機能は搭載されておらず、
その雑誌のスタッフは申し開きパートまで進める前にドロップアウトしたのだと予想できる。
さらに「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字が用意されており
大奥の世界に浸りすぎない為の引きこもり対策も万全と言え、製作サイドの最後の良心が見え隠れする仕様だ。
開発会社ダフトの公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末で
まさに宣伝文句通り、大奥記は底知れぬ伏魔"伝"(公式HPより)と言えよう。
尚、このゲームはマルチエンディングを採用しているのだが二年間延期して何をしていたのか、
という申し開きをダフトに聞く事がこのゲームの真エンドと言えるだろう。
(発売から三月を待たずしてサイトが404となり、
復活したと思ったら制作履歴から大奥記の名前が消えていた今となっては不可能に等しいが)
発売前日なのに提示された買取価格が200円という珍事も思い出深い出来事であった。
「テーブルゲーム」と言う安息の地にすらクソゲーの侵攻は休まらない。
360ユーザー待望の麻雀ゲーム「ジャンライン」は、フリーズバグは勿論の事、
見えるはずの牌が伏せ表示、チーの牌選択がままならない、点数計算がおかしい
そしてどこから牌を切ったかという相手の進行度を測る目安が非表示と、
麻雀ゲームの常識を超えて新たな次元へと飛翔する意欲作である。
オンライン対戦においても、部屋作成者が常に親になる先手必勝ルール、
ゲーム中に誰かが落ちたら対戦強制終了のちゃぶ卓返しルール、連戦不可能な一期一会ルールと、
斬新なルールを数多く採用し、歴戦の麻雀ファンをも大いに唸らせた。
社員が喋ったような出来のボイスデータを販売した上で、数日後に販売中止、返金対応とDLCにもぬかりはない。
発売初日に謝罪文を出す手厚いサポート体制に加え、
「素人が作ったのか?」との声に応えて社員ブログ書き手が麻雀素人をカミングアウトするサービス精神も好印象。
だが、「選評でクソゲーとしての面白さが伝わりにくい」という理由で次点入りも難しいと言われていた。
…この時点では。
次なる刺客が現れ、自動的に話題はこちらへと集中する。
「地雷地帯IFの作品は平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」という住人の平和ボケを蹂躙し
当スレを待ち受ける「真の地獄」の幕開けを告げた核弾頭『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』である。
タイトルに「學園」と謳いながらも學園は殆ど関係無い上、「幻光録」は「幻想録」などの転生學園シリーズ続編を思わせる。
ジャケ絵に同じ絵師を起用するあたり、もはやフィッシング詐欺。
ストーリー演出のあまりの簡略化ゆえか、仲間キャラと出逢った瞬間には恋人になっていたり、
ラスボス撃破後も一瞬画面が白くなったと思ったら「封印は成功した」で儀式終了したりする。途中経過とかほぼなし。
好感度というシステムでキャラ別の感情度が存在する割に、キャラ別EDは存在しない。
戦闘においては、キャラの動作や魔法・召還ムービーなどの演出は一切無し。
唯一の演出である味方との「合体技」も、痛い技名とセリフ(声が揃ってない)、
シュールな一枚絵(ほぼ立ち絵の使い回し)の挿入、と敵よりもむしろプレイヤーの精神へ大ダメージを与える。
キャラ毎に弱点属性が設定されているものの特にダメージが増加するでもなく、
ラスボス含む殆どの敵に状態異常が有効なので、基本的に『麻痺させて後はオートバトルで放置』でよい。
他作のシステムをパクった割には劣化して、地味・単調・戦略性皆無と三拍子そろっている。
6時間程度でクリア可能というボリュームも、作品本スレにて
「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。
時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれた。
データに本作と無関係なアニメのOPが存在する点など、クソな点を挙げるとキリがなく、
このゲームのタイトルはいざプレイしようとする購入者達に対して
クル・ヌ・ギ・ア
「これからが本当の地獄だ」と告げていたのであった。
10月末、ファミ通レビュー「ALL3」、即ち史上初「誰1人として4点以上をつけなかった」という奇跡を起こし
「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」という歴史に残る名言を生みだし
当スレッドをジャングルを駆ける猿の如き速度へ「ドギャ」っと加速させる怪物「プロゴルファー猿」が登場した。
今まで、クソゲーと呼ばれる物には酷いバグや電波なシナリオ、不快なシステムと言った、
そのゲーム特有となる頂点を取りうる何らかの武器を持っていたものが大半であった。
しかし、プロゴルファー猿はそれらの武器を一切廃し、クソゲー界に素手で殴りかかって来たまさに野生児である。
特定のポイントで大体の方向に大体のタイミングで打てば常に同質のショットが打てるゲーム性はゴルフゲームとしては異例であり、
ならば、キャラゲーとして評価するべきなのか?と言われれば使用キャラはのべ6人しかいない上、ストーリーモードも無い。
だが、強調しておきたいのはプレイする上でプレイヤーが不快に感じる事は無いだろうという事だ。
むしろ面白く感じてもなんら不思議は無い。
極端に底が浅いのだ。楽しみ続けるための要素が存在しない。一回クリアしてしまえば遊ぶ理由が無くなる知恵の輪。
この様なゲームをフルプライスパッケージで出したというのがファミ通ALL3の理由であろうと推測される。
発売前はPVやCMの出来が素晴らしかったこともあり「意外とただのがっかりゲーで終わりそう」
「ハードルが上がりすぎてノミネートは難しいかも」との不安も囁かれていた本作だが、
住人の想像を超越するがあまり『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』との
PV製作者への敬意の声も飛び出す等、その心配も杞憂であった事を実証したのだった。
お金に余裕があれば一度楽しみ、その後、このソフトをどうしたのか是非教えて欲しい。
そして2008年12月、既にノミネートされているにも関わらず、
「パッチをあてたら更にバグが酷くなった」という今世代機に於ける新しいクソゲーの在り方を示して
同一作品が改めてノミネートされるという奇跡が起こった。
宇宙麻雀の再来と揶揄される『ジャンライン』である。
そもそもパッチとはゲーム進行における不具合やバグを修正するためのプログラムであり、
購入者やスレ住民の多くはようやく配布された修正パッチの適用により、
ジャンラインがもたらした混沌は速やかに収束するであろうという無難な見解で推移していた。
しかし、彼らの淡い期待は脆くも崩れ去った。
ジャンライン製作会社のレコムが我々に送り出したパッチの内容は、
「修正」というよりも「改悪」でなかったら何かの呪いとしか思えぬものであり、
怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきたような惨状であった。
「カン」や「ポン」をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれるのは日常茶飯事。
さらに麻雀業界震撼の新ルール「先ヅモ」システムも搭載。
ロンしようと思ったら先にツモられていた。
何を言ってるのか分からねーと思うが俺にも分からねー。
というか誰にも分からねー。勿論製作陣も分かってないのだろう。
麻雀というゲームの根幹に関わる不可思議な現象にスレは沸き立った。
そもそも麻雀という完成されたルールのゲームを再現する試みは初代ファミコンの頃から無数に存在し、
ノウハウも蓄積された現代になってルールを完全に破壊するようなソフトが現れること自体が不可思議である。
また、麻雀を知らない人間にも一見して解るような改悪点が、ジャンラインというソフトの価値を高めている。
「牌がちょっと斜めになった」「手牌が突然ワープ」「牌の選択が飛び飛びにしか出来なくなった」……
このように卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、
「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」
――「宇宙麻雀」を超えた「四次元麻雀」がここに現れたのだ。
また、これらの致命的なバグだけに飽き足らず、
「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった、
昨今のクソゲー事情に欠かせない「問題ある運営」という要素もしっかり抑えている。
中でも「抗議の電話に対する『覚悟しています』という悲壮な返事」は、スレ住民に会社の悲惨な状態を偲ばせて余りあるものであった。
これらの事件は四八マンに次ぐ当スレマスコット、ジャッシー(仮)の姿とともに住民の心に深く刻まれ、
もう今年はこれで決まりになるかと思われた。
その他の候補作として
「最大32人の大規模オンライン対戦」の事前発表が発売直前に公式ホームページから削除されたが、
発売後数日に渡って「32-PERSON ONLINE MULTIPLAYER」という文言の入った動画を
一切の注釈もつけずに垂れ流し続けた「メダル・オブ・オナー ヒーローズ2」
収録されている各ミニゲームは
「操作性が悪いゲーム」「難易度バランスが悪いゲーム」
「操作性と難易度バランスが悪いゲーム」
の三つに全て分けることができてしまうが、
それ以前にまずパッケージ買いする人などいないであろう
「プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~」
フラグ管理の甘さ故に死亡したキャラが普通に歩き回り、
話しかけてみると「テキストがまだない」などと発言され、
さらに移動の3D演出の酷さから本家wikiで「酔い止めを飲め」とまで言われた
「奈落の城 一柳和、2度目の受難」
出場していない馬が優勝するというありえないバグが発生した
「ダービータイム オンライン」
等、いくつかの作品名が上がる。
これらは一時的にスレを盛り上げはしたものの、
並み居る猛者たちの前に膝を屈し、オブザイヤーから姿を消していった。
では、今年の大賞を発表しよう。
2008年も残り3週間を切り、KOTYも最終回へと突入、
「野球は9回から」と言わんばかりに前作から更なる進化を遂げた投手がマウンドに帰ってきた。
『メジャーWii パーフェクトクローザー』の登板だ。
まずは15秒のロードから幕を開ける、驚きの試合内容を紹介しよう。
守備ではストレートを投げればスタミナが減らない男らしい投球システム。
「1球外すか、いや、でもフリーズするかも」という自分との駆け引きが熱いボール球。
明らかにエラーなのにアウトになる謎判定だけではいざ知らず、
1アウトのはずが2アウトになる「通称:ジャイロキャッチ」という現象はプレイヤーの度肝を抜くのに十分なインパクトである。
フェンスと守備に衝突判定がなく、壁をすり抜けて場外へと走り去るライトに加え、
さらに条件を満たせばどこに転がっているボールでも俊足キャッチャーが拾いに行く
「通称:センター前キャッチャーゴロ」等、野球のルールを根本から覆した。
なお「センター前キャッチャーゴロでファールになった」という訳の解らない事態まで発生した。
打撃に回れば、木製バットにも関わらず金属音が鳴り響く上に消えたり伸びたりする「如意バット」から始まり、
3イニング遊べば10本はHRが飛び出す爽快感溢れる打撃システム。
CPUは一切ボール球を投げない上に、明らかに早すぎるタイミングで振らないとバットにかすりもせず、
3バント失敗してもアウトにならない。
CPUによる強制オート操作の走者は、勝手に盗塁して速攻刺されるだけには飽き足らず、
フライをキャッチされても帰塁せずに、タッチアップも無しにそのまま得点する頼もしさ。
そもそも塁審の存在しない球場で常識的な判定を求めるのが無理な話か。
バッターと審判が背を向け、全てを見なかったことにしようとするのにも頷ける。
あまりの馬鹿馬鹿しさに、名も無き捕手はそのプロテクターを脱ぎ捨てるまでに至った。
このような試合に耐え得るよう鍛え上げられた選手達の肉体は
ついに人間の原型を留めることが出来なくなり、
首なしバッターが現れる他、バッターの下半身は消え失せ、
ついにはゴローの首までもが180度回転した。
この作品はホラーゲームとしての要素まで兼ね備えているのである。
また、試合だけでなく練習風景にもキラリと光るものがある。
通常、ノック練習とはコーチが様々な方向に打つ球を選手が捕る練習の事を指すが、
本作品のノック練習は「ピッチャーが投げてきた球を指定された選手へ打ち返す」事を指すのだ。
「サードに捕球させるようにボールを打て!」と言われて打ってみれば、
ピッチャーが驚異的な好守備を見せたり、お馴染みのスーパーキャッチャーが俊足を飛ばして捕球したりと、
試合でHRを打つよりも高難易度を誇る。
そもそもプレイヤーが内野ゴロを打つ練習をしてどうするのだろうか。
選手だけではなくコーチの気持ちにもなれる、一粒で二度おいしい要素と言えるだろう。
昨今のエコブームに便乗してか、当ゲームも前時代ハード並のグラフィックで制作費を節約、
「ラベンダー畑」と揶揄される観客席や、試合中でも誰一人いないベンチなど、
制作会社の省エネへの努力姿勢が伺える。
前作同様の圧縮ストーリーは試合の内容に関わらず原作通りに進行するため、
大量にリードしているのになぜか延長戦に突入したり、サヨナラ負けしたのに優勝したことになったりと、
「もう試合しなくてもいいじゃん」的なゲーム展開。
昨年クソゲーマイスターの称号を賜った「ドリームファクトリー」と、
今年最初のノミネート作品を繰り出した「タカラトミー」の最強バッテリーが作り出した
この「野球のようなもの」は、
投球・打撃・走塁・守備・その他全てがメジャー級のクソという見事な完成度を誇った。
さすがは「追求したのは、本格野球ゲーム」、完全に前作どころか野球を超えている。
まさに2008年度KOTYのパーフェクトクローザーであった。
大賞の決定において、メジャーとジャンラインの実力は拮抗していた。
「野球」「麻雀」は同一線上で評価できるものではなく、
それ以前に上記2作品は「野球」でも「麻雀」でもなかった。
メジャーは野球のルールがあまりわからない人でも一目で「これはひどい」と言える出来であり、
ジャンラインは麻雀を多少齧ったことのある人であれば即鳥避けにしたくなるような内容だった。
異なったベクトル・そして間違った方向へと全力で突き進む両者に優劣を付けるのは非常に困難であったものの、
「クソゲーを笑い飛ばす」という当スレの趣旨において、
一目見たときの面白さはメジャーがジャンラインから半歩…いや、ほんの数mm程勝っていたと言える。
今年のクソゲーオブザイヤーを振り返ると、
どのゲームも「企画の段階から全力でクソを作った」という印象だ。
これは昨年のKOTYスレにあった
「脱力して出たクソより、全力で出したクソの方がいいに決まっているだろう」
というレスに対するゲーム業界からの挑戦状だったのであろうか。
最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、
次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。
「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」
・・・七英雄の伝説・・・
数多くの悪しきクソゲーを倒し
世界を救い、その後
いずこかへ消えた・・・
『メジャーWii投げろジャイロボール』『奈落の城 一柳和、2度目の受難』
『大奥記』『ジャンライン』『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』
『プロゴルファー猿』『メジャーWii パーフェクトクローザー』
いつの日か、彼らは戻ってきて
再びこのスレを救うのだという・・・
クソゲー界が乱れる度に、人々は
伝説を語り、救いを願った。
しかし、平和が訪れると・・
伝説は忘れられた・・・・
クソゲーの興亡は繰り返す。
メシジマによる
四八ショックの時代が終わり、
2008年クソゲーオブザイヤーの時代が始まった。
七英雄の名は
ふたたび
語られ始めた
そして、クソゲーは来た
・・・だが
クソゲーオブザイヤー【2008】
【七英雄の紹介】
『メジャーWii投げろジャイロボール』
まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソであり、今年の開幕投手を務めた。
Wiiバブルに何とかして便乗しようとして育成された、タカラトミーの隠し球である。
同じ試合中であるにも関わらずその状況になる度に何度も何度も現れる一枚絵の操作説明画面や、
打球の飛んだ方向に無関係に流される「意外性抜群の」打球デモ、
さらに1球1球投げる度にデモを流すなどして、一試合2時間以上という野球のプレイ時間を見事に再現してみせた。
投げた瞬間にストライクかボールかが相手にわかってしまう男らしい投球システムや、
ストーリーを圧縮しすぎて原作ファン以外お断りのADVパートもなかなか味わい深い。
『奈落の城 一柳和、2度目の受難』
総当りで進行するしかないストーリーとフラグ管理の甘さに失望する出来栄えだった。
死んだ筈のキャラが生きていて会話もでき、当人の死について尋ねると「テキストがまだない」と言い出すミステリー。
更に解いていない筈の謎がなぜか解決したことが全員の共通認識となっている等、
フラグ管理の甘さが一気に作品の評価を落とした例となった。
ちなみにこれらの問題を無視して推理しようにも、クリア必須の暗号に不備があり解けないものがあるという
致命的なミスがありプレイヤーをまさに奈落の底に突き落とした。
『大奥記』
あのクソゲー界の征夷大将軍デスクリムゾンと同じファミ通クロスレビュー13点を叩き出し、現代へと舞い降りた。
大奥と言うより吉宗…いやFC版水戸黄門を髣髴とさせる質素倹約なグラフィック、キャラがめり込むどころか貫通する机、
移動はホバリングで襖の開閉は超能力と揶揄されるモーションの少なさ。
部屋の大半が無人のマップをホバリングで迷走し、襖の開閉は超能力でこじ開け、集めた証拠を発揮する申し開きするだけのゲームあるユーザーに「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」と言われ2代目将軍の座に君臨した。
さらに「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字が用意されており、
大奥の世界に浸りすぎない為の引きこもり対策も万全と言え、製作サイドの最後の良心が見え隠れする仕様だ。
開発会社ダフトの公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末で
まさに宣伝文句通り、「大奥記」は底知れぬ伏魔"伝"(公式HPより)であった。
『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』
サブプライムの大波とともに姿を現し、「地雷地帯IFの作品は平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」という住人の平和ボケを蹂躙した。
タイトルに「學園」と謳いながらも學園殆ど関係無い上、「幻光録」は「幻想録」などの転生學園シリーズ続編を思わせる。
ジャケ絵に同じ絵師を起用するあたり、もはやフィッシング詐欺。
ストーリー演出のあまりの簡略化ゆえか、仲間キャラと出逢った瞬間親友や、恋人になっていたり、
ラスボス撃破後も一瞬画面が白くなったと思ったら「封印は成功した」で儀式終了する。
喜怒哀楽システムや、選択肢による好感度というシステムでキャラ別の感情度が存在する割に、キャラ別EDは存在しない。
戦闘においては、キャラの動作や魔法・召還ムービーなどの演出は一切無く、唯一の演出である味方との「合体技」も、痛い技名とセリフ(声が揃ってない)、
シュールな一枚絵(ほぼ立ち絵の使い回し)の挿入、と敵よりもむしろプレイヤーの精神へ大ダメージを与えた。
さらにはラスボス含む殆どの敵に状態異常が有効なので、基本的に『麻痺させて後はオートバトルで放置』
6時間程度でクリア可能というボリュームにも関わらず、作品本スレにて
「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。
時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれた。
『プロゴルファー猿』
ファミ通レビュー「ALL3」、即ち史上初「誰1人として4点以上をつけなかった」という奇跡を起こしたそのゲームは、
期待していた人々の想像を遥かに超えるものであった。
キャラゲーなのに使えるキャラが6人という、近年まれにみる少なさの上、
「ドラゴンボールに例えると孫悟空、孫悟飯、ヤジロベー、サイバイマン、ビーデル、ビーデル(髪切ったver)」
とまで言われた微妙すぎるキャラの選抜。
おまけにストーリーモードまでないという始末で、
キャラたちの活躍するシーンを楽しみにこのゲームを買った人がメニュー画面を見たときの絶望感が目に浮かぶようである。
発売前はPVやCMの出来が素晴らしかったこともあり「意外とただのがっかりゲーで終わりそう」
「ハードルが上がりすぎてノミネートは難しいかも」との不安も囁かれていた本作だが、
住人の想像を超越するがあまり『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』との
PV製作者への敬意の声も飛び出す等、その心配も杞憂であった事を実証したのだった。
『メジャーWii パーフェクトクローザー』
「野球は9回から」と言わんばかりに前作から更なる進化を遂げた投手がマウンドに帰ってきた。
15秒のロードから幕を開ける、驚きの試合内容は 、守備ではストレートを投げればスタミナが減らない男らしい投球システム。
「1球外すか、いや、でもフリーズするかも」という自分との駆け引きが熱いボール球。
明らかにエラーなのにアウトになる謎判定だけではいざ知らず、
1アウトのはずが2アウトになることまである「通称:ジャイロキャッチ」という現象はプレイヤーの度肝を抜くのに十分なインパクトである。
フェンスと守備に衝突判定がなく、壁をすり抜けて場外へと走り去るライトに加え、
さらに条件を満たせばどこに転がっているボールでも俊足キャッチャーが拾いに行く
「通称:センター前キャッチャーゴロ」等、野球のルールを根本から覆した。
なお「センター前キャッチャーゴロでファールになった」という訳の解らない事態まで発生した。
打撃に回れば、木製バットにも関わらず金属音が鳴り響く上に消えたり伸びたりする「如意バット」から始まり、
3イニング遊べば10本はHRが飛び出す爽快感溢れる打撃システム。
CPUは一切ボール球を投げない上に、明らかに早すぎるタイミングで振らないとバットにかすりもせず、3バント失敗してもアウトにならない。
CPUによる強制オート操作の走者は、勝手に盗塁して速攻刺されるだけには飽き足らず、
フライをキャッチされても帰塁せずに、タッチアップも無しにそのまま得点する頼もしさ。
発売直後に「審判と打者が後ろを向いている」という凄まじいバグ動画で話題を呼んだが、その後ゴローの首までもが後ろを向いた。
昨年クソゲーマイスターの称号を賜った「ドリームファクトリー」と、
今年最初のノミネート作品を繰り出した「タカラトミー」の最強バッテリーが作り出したこの「野球のようなもの」は、
投球・打撃・走塁・守備・その全てがメジャー級のクソという見事な完成度を誇った。
さすがは「追求したのは、本格野球ゲーム」、完全に前作どころか野球を超越していたのであった。
『ジャンライン』
「当然」と言う概念を幻想と知らされる麻雀ゲーム、そしてパッチにより更に異形の物と化し
2008クソゲーオブザイヤー大賞に選ばれた麻雀ゲームである。
クソゲーにつきものと言われるフリーズバグは当然のごとく標準装備であり、
ルール上見えるはずの牌が一部伏せられ、チーで鳴いた場合の牌の選択方法が不自然、点数の計算がおかしいことなどは序の口である。
なんと、駆け引きに重要な要素である相手の切り牌が手元からか、直前に引いたものか識別不能なのだ
さらには本来ならば4枚同じ絵柄をそろえた場合に行われる「カン」という行為をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれた、
これらの麻雀というゲームの根幹に関わる不可思議な現象はまさに「麻雀」ではなく「ジャンライン」と言う名の異空間であった。
そもそも麻雀という完成されたルールのゲームを再現する試みは初代ファミコンの頃から無数に存在し、
ノウハウも蓄積された現代になってルールを完全に破壊するようなソフトが現れること自体が不可思議である。
このあまりにも酷い仕様に「素人が作ったとしか思えない!」とユーザーが怒りに震える最中、
ジャンラインの社員ブログを『麻雀の素人が書いている』ことが判明し、火に油を注ぐ始末であった。
極めつけは公式サイトで有料ダウンロードしたボイスデータもオンラインのホストによっては反映されないといった素晴らしいサービスっぷりである。
そのダウンロードページでもVOICE_01が2つあり、発売からたった数日で販売中止、返金対応という離れ技をやってのけた。
こうして発売初日から公式サイトに初音○クを金髪にしたとしか思えない少女が頭を下げ、謝罪文が載せられることとなった。
だが、購入者やスレ住民の多くは「パッチで修正予定だし、ジャンラインがもたらした混沌は速やかに収束するであろう」という無難な見解で推移していた。
しかし、彼らの淡い期待は脆くも崩れ去った。
ジャンライン製作会社のレコムが我々に送り出したパッチの内容は、
「修正」というよりも「改悪」でなかったら何かの呪いとしか思えぬものであり、
怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきたような惨状であった。
肝心の修正パッチの内容は、一部のバグが未修正のまま放置され、さらには役満多発のチート配牌の増加、
ゲーム進行速度低下、フリーズポイントの増加等、どう考えても改悪という表現しか考えられないような、
我々が従来持っていたパッチという概念を根底から覆す斬新なものであったのだ。
「牌がちょっと斜めになった」「カンを4回しても流局しない」「まだ切ってもいない牌で上がられた」「牌の選択が飛び飛びにしか出来なくなった」……
だが、上記に挙げた改悪点はいわば前座に過ぎない。我々はさらなる混沌を次々と目の当たりにするのである。
ルールを根底から覆す、麻雀業界震撼の新ルール「先ヅモ」システムの搭載である。
ロンしようと思ったら先にツモられていた。何を言ってるのか分からねーと思うが俺にも分からねー。
というか誰にも分からねー。勿論製作陣も分かってないのだろう。
更には上家の切った牌を大ミンカンしたら、下家の手牌の左端の牌が晒した牌に紛れ込んで、自分は多牌で下家が小牌に。
これにより一列に並ぶ牌が増えた結果、幾つかの牌同士がめり込んで融合するなど、このように卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、
「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」
――「宇宙麻雀」を超えた「四次元麻雀」がここに現れた。。
HDDなどの大容量ストレージを搭載し、オンライン経由で修正を行えるようになった今世代のゲーム機では
ゲームに支障をきたす不具合が生じた場合でも修正可能なため、
「それだけで大賞を狙うのは難しい」、「年内に修正されたら当然選外」などの厳しい意見もあった。
が、この「ジャンライン」はパッチを当てても不具合に不具合を重ねるという愚行を晒し、
オンライン機能が標準搭載された今世代機に於ける、新しいクソゲーの在り方を示してくれた功績は余りにも大きい。
【その他の英雄】
『ポイズンピンク』
「見えている地雷」と前評判は高かったが、テンポが悪いといった程度のガッカリゲー。
『メダルオブオナーヒーローズ2』
欧米版の売りである32人オンラインが無いことを発売直前までひた隠すなど
メーカー対応は糞の極み。しかしオフの内容はボリューム不足だがFPSとしては良ゲー~凡ゲー。
『公園で遊ぼう』
「クソっちゃクソだけどやってるうちに気に入ってしまって悪いレビューは書けないよ」と突撃した住人がボヤいていた。
『ダービータイムオンライン』
「未出走の馬が優勝」などのバグや、ラグがひどすぎるオンラインモードが話題になったものの、
その後サーバー強化やパッチによって改善され、ノミネートは難しいとの結論に至った。
ジャッシー「七英雄はその後どうなったの?」
スレ住民「七英雄は2008年が終わると鳥避けに変わったんだ」
ジャッシー「鳥避け?」
スレ住民「買ってみればわかるよ」
【2008】クソゲーオブザイヤー【完】
2007年の大賞を圧倒的な強さで勝ち取った~
”10年に1度のクソゲー”四十八(仮)の登場により
目の肥えたスレ住人にとって、2008年度は
不作の年になると思われた。
だが、そのスレ住人の予測は、いきなり破られることになる。
「メジャーwii 投げろ!ジャイロボール」の登場である。
試合中くどいぐらいに登場する操作説明画面や打球デモにより
一試合のプレイ時間が2時間と、野球のプレイ時間”だけ”みごとに再現。
その割にADVパートは圧縮しすぎで原作ファン以外お断り。
2008年の開幕投手にふさわしいクソッぷりを見せつけた。
続いてノミネートされたのは「奈落の城 一柳和、2度目の受難」だ。
本格ミステリーと銘打たれた本作は、まさに本格ミステリーの名にふさわしかった。
探偵役の主人公は「もう聞いたはずの事を今知ったかのように驚く」
「とっくに明かされている謎を聞いて本気でビビる」
「行方不明の登場人物を放置すると、そのまま話題にもせず館から脱出してクリアする」
おまけに死んだはずのキャラが生きていて会話もでき、当人の死について尋ねてみると「テキストがまだない」と言い出す。
「クリア必須の暗号に不備があり、解けないものがある」
なぜこんなものが発売されてしまったのか。解くに解けないミステリーである。
だが、これらはまだ2008年の序の口にすぎなかった。ファミ通レビューで
あのクソゲー界の征夷大将軍デスクリムゾンと同じ13点を叩き出したソフトが現れたのだ。
その名は「大奥記」。
一体どんなゲームなのかタイトルを聞いただけでは想像するのも難しいが
あるプレイヤーが語った「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」の
言葉により、概ねどんなソフトかは理解できるだろう。
その上に、質素倹約なグラフィック、キャラがめり込むどころか貫通する机、
移動はホバリングで襖の開閉は超能力と揶揄されるモーションの少なさ
クライマックスの申し開きに至っては
証拠→悔しがる→証拠→悔(ry~のループ。しかも無表情。
さらに「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字まで用意。
開発会社の公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末。
2年も発売延期してまで送り出したのは伊達じゃない。
発売元の、KOTY獲得に掛ける意気込みの伝わる作品であった。
RPGだって負けてはいない。
「地雷地帯IFの作品は平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」という住人の平和ボケを蹂躙した核弾頭
『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』の登場である。
タイトルに「學園」と謳いながらも學園ほとんど関係無い上、「幻光録」は「幻想録」などの転生學園シリーズ続編を思わせる。
ジャケ絵に同じ絵師を起用するあたり、もはやフィッシング詐欺としかいいようがない。
さて、ゲームとしての本作の特徴は”プレイ時間短縮のためには手段を選ばない”簡略化であろう。
ADV部分について言えば、ストーリーは一本道、キャラ別EDも存在しないのに、なぜか
好感度別にイベントが存在するため、いきなり「前にも話したと思うけど…」などと初耳の話をされたり
女主人子がストーリーの関係上好感度無視で別の男キャラと急に恋仲になってしまうという現象が発生。
RPG部分でも、ラスボスを含む殆どの敵に状態異常が効いてしまうため、『麻痺させて後はオートバトルで放置』で
勝ててしまう。
この結果、プレイ時間6時間でクリアという据え置きRPGでは驚きのお手軽さを実現した。
にもかかわらず、本スレで「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。
どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。
時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれる辺り
クソゲーマイスターの一員、IFが本気で作ったクソゲーの実力を見せつけられる思いがする。
だが、上記のソフト群ですら、まだ前座に過ぎなかった。
低いほど信憑性が高い、と揶揄…もとい、信頼されるファミ通レビューで
前代未聞、あのデス様を超える低得点12点をたたき出した野生児が、クソゲーオブザイヤーに名乗りを上げたのだ。
そのソフトの名は、「プロゴルファー猿」。
この作品は、ファミ通レビューの得点にふさわしく、キャラゲーの常識も、ゴルフゲームの常識も越える
驚くべき内容を誇っていた。
まず、ストーリーが無い。
漫画やアニメが原作のキャラゲーというものは大抵何かしらストーリーがあるものだが、今作にはこれが無いのである。
さらに、登場するキャラクターはわずか4名+隠しキャラ2名の合計6名のみ。
おまけに隠しキャラクターの出現条件は、未だに『不明』。
しかも原作の好敵手も登場しておらずキャラの性能差も無く違いは必殺技のみ。その必殺技すら被るキャラがいる。
キャラゲーの常識が全く通用しないのだ。
ではゴルフゲームとしてはどうか?
その内容はゴルフとはかけ離れたものだった。
打つポイントは決められたいくつかのポイントから選ぶのみ。
打つ強さも2,3段階でしか調整できず、
自分の打った球と相手の打った球が同じところに落ちることもしばしば。
そんな状況から、「これはゴルフゲーじゃなくてゴルフすごろくADVだ」といわれる始末である。
唯一の救いは、そんな苦行が最短10分で終わり、EDに到達出来ることだろうか。
発売前はPVやCMの出来が素晴らしかったこともあり「意外とただのがっかりゲーで終わりそう」
「ハードルが上がりすぎてノミネートは難しいかも」との不安も囁かれていた本作だが、
住人の想像を超越するがあまり『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』との
PV製作者への敬意の声も飛び出す等、その心配も杞憂であった事を実証したのだった。
他にもノミネート作はいくつかあったが、どれもこれも”人によっては面白いと感じるかもしれない”
”ゲームとして成り立ってるだけまし”といった理由で、上記ノミネート作には及ばないと判定された。
だが、その選外作の中で、この作品だけは、その選外にうつった理由故に特筆しておくべきだろう。
それは、「ダービータイム オンライン」である。
出場していない馬が優勝するというありえないバグが発生、「ジョッキーモードは破産者の強制収容所」といわれるぐらいひどい出来。
挙句の果てに発売後1週間を待たずしてサービスが一時停止とノミネート条件は十分に満たしていたものの
その後のパッチとサーバー強化で凡ゲー程度には回復したため、”年内に修正されたなら当然選外”と判定された。
オンラインゲームについての、クソゲーオブザイヤー選定基準を作ったという意味で、本作は重要であった。
さて、以上が、11月までの状況である。
2007年も、年末には魔物が潜んでいた。
2008年もまた、年末には魔物が潜んでいた。
もし、パッチによって改善されたならクソゲーオブザイヤーの選外になるのなら
パッチによって改悪されたなら、当然クソゲーオブザイヤーにノミネートされて然るべきである。
理論的には起こりうるが、現実的にはありそうもないことをやってのけたソフトが登場したのだ。
宇宙麻雀再来と揶揄される「ジャンライン」である。
元々発売当初からノミネートされていた本作であるが、その後に登場した超弩級のクソゲーの前に
大賞受賞は難しいとされていた。
だが、ジャンライン製作会社のレコムが送り出したパッチの内容は、
「修正」というよりも「改悪」でなかったら何かの呪いとしか思えぬものであり、
怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきたような惨状であった。
本来ならば4枚同じ絵柄をそろえた場合に行われる「カン」という行為をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれた、
本来ならば3枚同じ絵柄のセットを作る「ポン」という行為をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれたなどの、
これらの麻雀というゲームの根幹に関わる不可思議な現象にスレは沸き立った。
そもそも麻雀という完成されたルールのゲームを再現する試みは初代ファミコンの頃から無数に存在し、
ノウハウも蓄積された現代になってルールを完全に破壊するようなソフトが現れること自体が不可思議である。
また、麻雀を知らない人間にも一見して解るような改悪点が、ジャンラインというソフトの価値を高めている。
「牌がちょっと斜めになった」「手牌が突然ワープ」「まだ切ってもいない牌で上がられた」「牌の選択が飛び飛びにしか出来なくなった」……
このように卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、
「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」
――「宇宙麻雀」を超えた「四次元麻雀」がここに現れたのだ。
また、これらの致命的なバグだけに飽き足らず、
「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった、
昨今のクソゲー事情に欠かせない「問題ある運営」という要素もしっかり抑えている。
中でも「抗議の電話に対する『覚悟しています』という悲壮な返事」は
スレ住民に会社の悲惨な状態を偲ばせて余りあるものであった。
「これは麻雀ではない。ジャンラインだ」
この言葉すら、プレイ不可能になるバグの前では虚しく響く。
では、本年の大賞受賞作の発表に移ろう。
そう、まだそれを上回るクソゲーが2008年には存在するのである。
そのソフトの名は「メジャーWii パーフェクトクローザー」
クソゲーオブザイヤーの開幕投手を務めたメジャーが
さらにパワーアップして帰ってきたのだ。
では、本作のクソさぶりを、他のノミネート作品との比較を交えて実感してもらいたい。
15秒のロードの後、まず気づくのは、ボール球の投げられない男らしい投球システムである。
いや、投げる方法もあるのだが、COMは絶対にボール球を振らないので
全く意味がない、ていうか投げるとフリーズする可能性があるから投げられない。
スタミナも、ストレートを投げてる限り絶対に減らない。
打球はまるで砲丸を打っているようにぼてぼての当たりばかり。
かと思えばホームランは異様に出やすく、3イニングで10本は当たり前。
「プロゴルファー猿」に比すべき簡略化である。
だがこんなのは小手調べだ。
走塁は完全に自動化されていて、勝手に盗塁してアウトになるわ
フライでも飛び出してアウトになるわ、ヒットを打っても走らずにアウトになるわと
まるでアウトになるのが趣味なのかと思えてくる。
かと思えば内野ゴロで走塁してバッターランナーがアウトになってもホームインして得点する。
フライで走塁したランナーが打球をキャッチされてもそのままホームインして得点する。
塁審はどこに目をつけているんだと思ったら塁審は全く存在しない。
いくら舞台がマイナーリーグだからって3Aで審判が1人だけな訳がないだろう。
守備でももちろんやってくれている。
突然野手が棒立ちになり、キャッチャーしかボールを追いかけないなんてことも当たり前。
そのキャッチャーが異様に俊敏でセンター前キャッチャーゴロすら起きる。
それでも足りないのか、センター前キャッチャーゴロがファールになることすらある。
フライになった打球がワープしてミットに収まる。フライを捕ったらなぜかアウトカウントが二つ増える。
まだまだ超常現象は生じるが、長くなりすぎるので省略させていただきたい。
ファミコン黎明期にすらあり得ない、バグなのか仕様なのかすら判断に苦しむ異様な光景は
「これは野球ではない。メジャーだ」としか言いようがない。
もちろんプレイ時間短縮にも気を配っている。
ストーリーは「約2時間でクリア可能」なよう調整済み。
試合中、リードしたまま最終回を終えると
「物語の都合でリードしたまま延長戦に突入」。
逆に「優勝決定戦でサヨナラ負けしたはずなのに優勝したことになりEDに突入」と
原作通りの展開になるよう最大限の配慮が感じられる。
ヌギャー(クル・ヌ・ギ・ア)を彷彿とさせる親切設計である。
だが、パーフェクトクローザーの実力はまだまだこんなものではない。
「大奥記」ばりのPS1級グラフィックに、木製バットから響く金属音。
伸びたり縮んだりする特殊能力があるのだからこれぐらいは当然か。
それではまだ足りないのか、見た目のバグもてんこ盛りである。
審判が後ろを向いた、打者が後ろを向いた、キャッチャーのレガースが消えた。
五郎の首が反対に向いた、バッターがキャッチャーのスタンドと化したなど
次々と見つかるグラフィック関係の明白なバグは「さすがパーフェクトクローザー」と
スレ住人をうならせるものであった。
もちろん、クソゲーには欠かせない「問題ある運営」の要素も忘れてはいない。
公式サイトにはいるのにパスワードを要求する様は、まるで炎上を見越しているかのようだ。
そして、幾多の困難を乗り越え、EDにたどり着いたプレイヤーは
ここで衝撃的な事実を目にすることになる。
「制作 ドリームファクトリー」。
スタッフロールにたどり着くまで制作会社の名前を伏せるこのやり方は
クソゲーの重要ポイント、がっかりエンディングロールとプロモーション詐欺を
同時にこなす高等技術。ジャイロキャッチで2アウトとれてしまう本作にふさわしい
エンディングと言えよう。
まさに本作こそ、2008年を締めくくる「パーフェクトクローザー」である。
今年のクソゲーオブザイヤーを振り返ると、
どのゲームも「企画の段階から全力でクソを作った」という印象だ。
今やKOTYも、開発会社にとって「企画段階から狙って獲得すべき賞」へと
進化を遂げたと言うことであろうか。
もしそうであるなら、全力で頭を冷やしてもらいたいところだ。
最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、
次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。
「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」
2008年はかつてない程のハイレベルな戦いが繰り広げられた。
08年度は「クソの進化の年」と言えよう。
「四八ショック」と呼ばれる07年度のKOTY大賞「四八(仮)」のあまりのクソさを体験したため、
生半可なクソさでは大賞はおろかノミネートされることも難しいだろうという空気の中、
後に七英雄と呼ばれる規格外のクソゲーが次々と送り込まれた。
"剛速球のクソ"『メジャーWii投げろジャイロボール』
"「テクストがまだない」ADV"『奈落の城 一柳和、2度目の受難』
"ファミ通13点 永延と続く作業ゲー"『大奥記』
"進化と遂げた異次元麻雀(のようななにか)"『ジャンライン』
"IFの本気 パッケージ詐欺"『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』
"ファミ通ALL3点 バグにたよらない野生児"『プロゴルファー猿』
"前作からの更なる進化 08年度KOTYのパーフェクトクローザー"『メジャーWii パーフェクトクローザー』
では、各作品を掘り下げていこう。
今年の開幕投手を務めたのは「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」
Wiiバブルに何とかして便乗しようとして育成された、タカラトミーの隠し球である。
同じ試合中であるにも関わらずその状況になる度に何度も何度も現れる一枚絵の操作説明画面や、
打球の飛んだ方向に無関係に流される「意外性抜群の」打球デモ、
さらに1球1球投げる度にデモを流すなどして、一試合2時間以上という野球のプレイ時間を見事に再現してみせた。
投げた瞬間にストライクかボールかが相手にわかってしまう男らしい投球システムや、
ストーリーを圧縮しすぎて原作ファン以外お断りのADVパートもなかなか味わい深い。
まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソ。
KOTYの住人たちに真っ向から直球勝負を挑んできた男らしいキャラゲーであった。
「奈落の城 一柳和、2度目の受難」
ADVであり、前作が好評だったためにノーマークであったが、謎解きが不条理であったりフラグ管理の甘さから、まさかの話題作となった。
(死んだはずのキャラが再登場し、その当人の死について話し掛けると「テキストがまだない」と表示されるなど。)
前作がクソになったという点ではメジャー2と同じだが、発売当時はクソゲー飢饉であり。6月以降はそれ以上のタイトルが続出した為今では「ノミネートの最低ライン(奈落ライン)」「七英雄最底辺」などと呼ばれている。
この辺りの時期までは前述の「四八ショック」で目が肥えてしまったスレ住人にとってクソゲー飢饉で餓死寸前であった。
・・・ファミ通から朗報が届くまでは
あの「デスクリムゾン」と同じファミ通のクロスレビューで13点を叩き出した「大奥記」 がついに登場
2年にわたる延期という前情報、大奥を舞台に女の戦いを描くというターゲット層不明な内容、
そしてなにより低評価ほど信頼できる ファミ通クロスレビューで13点という快挙
実際のゲーム自体も期待を裏切らず、
大奥と言うより吉宗…いやFC版水戸黄門を髣髴とさせる質素倹約なグラフィック(ただし尻の描写だけはPS2クラス)、キャラがめり込むどころか貫通する机、
移動はホバリングで襖の開閉は超能力と揶揄されるモーションの少なさ。
ゲーム内容は多すぎる部屋をいちいち回って延々証言を集めるのがほとんどで、
登場人物は頻繁に移動するわ、部屋は大半が無人だわ、入るたびにロードが長いわで
あるユーザー曰く、「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」。
せっかく集めた証拠を発揮する申し開きパートも、空気を読まないチャンバラSEと共に
証拠→悔しがる→証拠→悔(ry のループ。
某ゲーム雑誌では「悔しがる表情が良い」とレビューされていたが、実際はそんな機能は搭載されておらず、
その雑誌のスタッフは申し開きパートまで進める前にドロップアウトしたのだと予想できる。
さらに「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字が用意されており
大奥の世界に浸りすぎない為の引きこもり対策も万全と言え、製作サイドの最後の良心が見え隠れする仕様だ。
開発会社ダフトの公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末で
まさに宣伝文句通り、大奥記は底知れぬ伏魔"伝"(公式HPより)と言えよう。
派手さはないものの堅実なクソゲーであり、夏までは大賞の最有力候補と囁かれていた
が。
360ユーザー待望の麻雀ゲーム「ジャンライン」
クソゲーとしての標準スキル、フリーズバグは勿論の事、
見えるはずの牌が伏せ表示、チーの牌選択がままならない、点数計算がおかしい
そしてどこから牌を切ったかという相手の進行度を測る目安が非表示と、
麻雀ゲームの常識を超えて新たな次元へと飛翔する意欲作である。
オンライン対戦においても、部屋作成者が常に親になる先手必勝ルール、
ゲーム中に誰かが落ちたら対戦強制終了のちゃぶ卓返しルール、連戦不可能な一期一会ルールと、
斬新なルールを数多く採用し、歴戦の麻雀ファンをも大いに唸らせた。
社員が喋ったような出来のボイスデータを販売した上で、数日後に販売中止、返金対応とDLCにもぬかりはない。
発売初日に謝罪文を出す手厚いサポート体制に加え、
「素人が作ったのか?」との声に応えて社員ブログ書き手が麻雀素人をカミングアウトするサービス精神も好印象。
だが、「選評でクソゲーとしての面白さが伝わりにくい」という理由で次点入りも難しいと言われていた。
…この時点では。
当スレを待ち受ける「真の地獄」の幕開けを告げた核弾頭『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』
「地雷地帯IFの作品は平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」という住人の平和ボケを蹂躙し
当スレを待ち受ける「真の地獄」の幕開けを告げた核弾頭
タイトルに「學園」と謳いながらも學園は殆ど関係無い上、「幻光録」は「幻想録」などの転生學園シリーズ続編を思わせる。
ジャケ絵に同じ絵師を起用するあたり、もはやフィッシング詐欺。
ストーリー演出のあまりの簡略化ゆえか、仲間キャラと出逢った瞬間には恋人になっていたり、
ラスボス撃破後も一瞬画面が白くなったと思ったら「封印は成功した」で儀式終了。
好感度というシステムでキャラ別の感情度が存在する割に、キャラ別EDは存在しない。
戦闘においては、キャラの動作や魔法・召還ムービーなどの演出は一切無し。
唯一の演出である味方との「合体技」も、痛い技名とセリフ(声が揃ってない)、
シュールな一枚絵(ほぼ立ち絵の使い回し)の挿入、と敵よりもむしろプレイヤーの精神へ大ダメージを与える。
キャラ毎に弱点属性が設定されているものの特にダメージが増加するでもなく、
ラスボス含む殆どの敵に状態異常が有効なので、基本的に『麻痺させて後はオートバトルで放置』でよい。
他作のシステムをパクった割には劣化して、地味・単調・戦略性皆無と三拍子そろっている。
6時間程度でクリア可能というボリュームも、作品本スレにて
「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。
時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれた。
データに本作と無関係なアニメのOPが存在する点など、クソな点を挙げるとキリがなく、
このゲームのタイトルはいざプレイしようとする購入者達に対して
クル・ヌ・ギ・ア
「これからが本当の地獄だ」と告げていたのであった。
「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」とまで言わしめた「プロゴルファー猿」
10月末、ファミ通レビュー「ALL3」、即ち史上初「誰1人として4点以上をつけなかった」という奇跡を起こし
当スレッドをジャングルを駆ける猿の如き速度へ「ドギャ」っと加速させた。
今まで、クソゲーと呼ばれる物には酷いバグや電波なシナリオ、不快なシステムと言った、
そのゲーム特有となる頂点を取りうる何らかの武器を持っていたものが大半であった。 (例えば四八(仮)はこれらをフル装備)
しかし、プロゴルファー猿はそれらの武器を一切廃し、クソゲー界に素手で殴りかかって来たまさに野生児である。
特定のポイントで大体の方向に大体のタイミングで打てば常に同質のショットが打てるゲーム性はゴルフゲームとしては異例であり、
ならば、キャラゲーとして評価するべきなのか?と言われれば使用キャラはのべ6人しかいない上、ストーリーモードも無い。
発売前はPVやCMの出来が素晴らしかったこともあり「意外とただのがっかりゲーで終わりそう」
「ハードルが上がりすぎてノミネートは難しいかも」との不安も囁かれていた本作だが、
住人の想像を超越する程の「がっかり感」を与え、
『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』
とのPV製作者への敬意の声も飛び出す始末。
だが、強調しておきたいのはプレイする上でプレイヤーが不快に感じる事は無いだろうという事だ。
むしろ面白く感じてもなんら不思議は無い。
極端に底が浅いのだ。
楽しみ続けるための要素が存在しない。一回クリアしてしまえば遊ぶ理由が無くなってしまう。
現代において忘れ去られていたクソゲーっぷりを復活させた歴史的な作品といえよう。
ここまでが七英雄の内、次点止まりであった作品である。
このどれもが購入したことを激しく後悔できる立派なクソゲーである。
だが、大賞と呼ぶには文字通り「次元」の壁があった。
では、2008年度の大賞を発表しよう。
栄えある08年度大賞は2つ
修正パッチによる復活を遂げた『ジャンライン』
前作から(クソな)進化を遂げた『メジャーWii パーフェクトクローザー』
である。
大賞の選考には大きく2つに意見が分かれ、2009年になっても決定されなかった。
クソゲー界の新境地を開拓した「ジャンライン」。
クソゲー界定番のジャンルではあるが、衝撃的なプレイ動画を有する「メジャーWii パーフェクトクローザー」
どちらの作品も大賞としての風格は十分に備わっており、両者ともに魅力的すぎるクソゲーだったからだ。
共に12月前半に登場し、「四八ショック」を過去のものにしてしまうほどの事件であった。
宇宙麻雀、真『ジャンライン』
このゲームがクソだとされる原因は大きくわけて3つ
ひとつは運営のクソな対応。
もうひとつは、ファミコンのころからある麻雀ゲーがXBOX360でバグまみれで麻雀として成立していないという点。
最後に、修正パッチの意義を再考させられるという点である。
そもそもパッチとはゲーム進行における不具合やバグを修正するためのプログラムである。
ところがジャンライン製作会社のレコムが我々に送り出したパッチの内容は、
「修正」というよりも「改悪」でなかったら何かの呪いとしか思えぬものであり、
怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきたような惨状であった。
「カン」や「ポン」をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれるのは日常茶飯事。
さらに麻雀業界震撼の新ルール「先ヅモ」システムも搭載。
ロンしようと思ったら先にツモられていた。
何を言ってるのか分からねーと思うが俺にも分からねー。
というか誰にも分からねー。勿論製作陣も分かってないのだろう。
どうやら「ジャンライン」というゲームは「時限」を超えることができるらしい。
麻雀というゲームの根幹に関わる不可思議な現象にスレは沸き立った。
とにかく麻雀として成立していない。
また、麻雀を知らない人間にも一見して解るような改悪点が、クソっぷりに拍車をかける。
「牌がちょっと斜めになった」「手牌が突然ワープ」「牌の選択が飛び飛びにしか出来なくなった」……
このように卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、
「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」
――「宇宙麻雀」を超えた「四次元麻雀」がここに現れたのだ。
また、これらの致命的なバグだけに飽き足らず、
「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった、
昨今のクソゲー事情に欠かせない「問題ある運営」というツボもしっかり抑えている。
中でも「抗議の電話に対する『覚悟しています』という悲壮な返事」は、スレ住民に会社の悲惨な状態を偲ばせて余りあるものであった。
これらの事件は四八マンに次ぐ当スレマスコット、ジャッシー(仮)の姿とともに住民の心に深く刻まれた。
これから先、修正パッチによる悪化がおこるたびに「ジャンライン」が引き合いにだされることは間違いないだろう。
「これは麻雀ではない、ジャンラインだ。」
麻雀のルールを知らない人にはクソさが伝わりにくいことや、
動画のインパクトが『メジャーWii パーフェクトクローザー』に及ばないことが欠点としてあげられる。
だが、ジャンラインという別ゲーに麻雀と冠して売り出したことや、修正パッチによる進化という快挙をふまえれば
2008年度の大賞の一角として十二分にふさわしいと言える。
後世に語り継がれるべきクソゲーである。
そしてもう一つの大賞。一目でわかるバグの宝庫、クソキャラゲーここに極まれり
前作から更なる進化を遂げ、マウンドに帰ってきた
『メジャーWii パーフェクトクローザー』
まずは15秒のロードから幕を開ける、驚きの試合内容から紹介しよう。
守備ではストレートを投げればスタミナが減らない男らしい投球システム。
「1球外すか、いや、でもフリーズするかも」という自分との駆け引きが熱いボール球。
明らかにエラーなのにアウトになる謎判定だけではいざ知らず、
1アウトのはずが2アウトになる「通称:ジャイロキャッチ」という現象はプレイヤーの度肝を抜くのに十分なインパクトである。
フェンスと守備に衝突判定がなく、壁をすり抜けて場外へと走り去るライトに加え、
さらに条件を満たせばどこに転がっているボールでも俊足キャッチャーが拾いに行く
「通称:センター前キャッチャーゴロ」等、野球のルールを根本から覆した。
なお「センター前キャッチャーゴロでファールになった」という訳の解らない事態まで発生した。
打撃に回れば、木製バットにも関わらず金属音が鳴り響く上に消えたり伸びたりする「如意バット」から始まり、
3イニング遊べば10本はHRが飛び出す爽快感溢れる打撃システム。
CPUは一切ボール球を投げない上に、明らかに早すぎるタイミングで振らないとバットにかすりもせず、
3バント失敗してもアウトにならない。
CPUによる強制オート操作の走者は、勝手に盗塁して速攻刺されるだけには飽き足らず、
フライをキャッチされても帰塁せずに、タッチアップも無しにそのまま得点する頼もしさ。
そもそも塁審の存在しない球場で常識的な判定を求めるのが無理な話か。
バッターと審判が背を向け、全てを見なかったことにしようとするのにも頷ける。
あまりの馬鹿馬鹿しさに、名も無き捕手はそのプロテクターを脱ぎ捨てるまでに至った。
このような試合に耐え得るよう鍛え上げられた選手達の肉体は
ついに人間の原型を留めることが出来なくなり、
首なしバッターが現れる他、バッターの下半身は消え失せ、
ついにはゴローの首までもが180度回転した。
この作品はホラーゲームとしての要素まで兼ね備えているのである。
また、試合だけでなく練習風景にもキラリと光るものがある。
通常、ノック練習とはコーチが様々な方向に打つ球を選手が捕る練習の事を指すが、
本作品のノック練習は「ピッチャーが投げてきた球を指定された選手へ打ち返す」事を指すのだ。
「サードに捕球させるようにボールを打て!」と言われて打ってみれば、
ピッチャーが驚異的な好守備を見せたり、お馴染みのスーパーキャッチャーが俊足を飛ばして捕球したりと、
試合でHRを打つよりも高難易度を誇る。
そもそもプレイヤーが内野ゴロを打つ練習をしてどうするのだろうか。
選手だけではなくコーチの気持ちにもなれる、一粒で二度おいしい要素と言えるだろう。
昨今のエコブームに便乗してか、当ゲームも前時代ハード並のグラフィックで制作費を節約、
「ラベンダー畑」と揶揄される観客席や、試合中でも誰一人いないベンチなど、
制作会社の省エネへの努力姿勢が伺える。
前作同様の圧縮ストーリーは試合の内容に関わらず原作通りに進行するため、
大量にリードしているのになぜか延長戦に突入したり、サヨナラ負けしたのに優勝したことになったりと、
「もう試合しなくてもいいじゃん」的なゲーム展開。
さらに2009年になり、バッターの体が3次元空間の次元を超越してしまう不思議な構え(?)をとる事態も確認された。
未だ、留まることを知らない「メジャー2」のバグの嵐の前に、住人たちは、
「バグ」とは何かについて考え始める始末。
クソすぎる仕様(?)とバグ(?)の前ではKOTYの大賞に選ばれないはずがない。
クリスマス商戦、お年玉、そしてNHKの正月のアニメの再放送などにより多くの子ども達が、
クソゲーの洗礼を受けたであろう事実も考慮にいれたい。
昨年クソゲーマイスターの称号を賜った「ドリームファクトリー」と、
今年最初のノミネート作品を繰り出した「タカラトミー」の最強バッテリーが作り出した
この「野球のようなもの」は、
投球・打撃・走塁・守備・その他全てがメジャー級のクソという見事な完成度を誇った。
さすがは「追求したのは、本格野球ゲーム」、完全に前作どころか野球を超えている。
まさに2008年度KOTYのパーフェクトクローザーであった。
その他の候補作として
「最大32人の大規模オンライン対戦」の事前発表が発売直前に公式ホームページから削除されたが、
発売後数日に渡って「32-PERSON ONLINE MULTIPLAYER」という文言の入った動画を
一切の注釈もつけずに垂れ流し続けた「メダルオブオナーヒーローズ2」
収録されている各ミニゲームは
「操作性が悪いゲーム」「難易度バランスが悪いゲーム」
「操作性と難易度バランスが悪いゲーム」
の三つに全て分けることができてしまうが、
それ以前にまずパッケージ買いする人などいないであろう
「プレイグラウンド ~公園で遊ぼう~」
出場していない馬が優勝するというありえないバグが発生した
「ダービータイム オンライン」
等、いくつかの作品名が上がる。
これらは一時的にスレを盛り上げはしたものの、
並み居る猛者たちの前に膝を屈し、オブザイヤーから姿を消していった。~
今年のクソゲーオブザイヤーを振り返ると、
どのゲームも「企画の段階から全力でクソを作った」という印象だ。
バグがなくても、仕様からクソという作品が大半を占める。
これは昨年のKOTYスレにあった
「脱力して出たクソより、全力で出したクソの方がいいに決まっているだろう」
というレスに対するゲーム業界からの挑戦状だったのであろうか。
大賞にいたっては、元とになった「麻雀」や「野球」を完全に超越してしまった。
最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、
次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。
「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」
2008年はかつてない程のハイレベルな戦いが繰り広げられた。
08年度は「クソの進化の年」と言えよう。
「四八ショック」と呼ばれる07年度のKOTY大賞「四八(仮)」のあまりのクソさを体験したため、
生半可なクソさでは大賞はおろかノミネートされることも難しいだろうという空気の中、
後に七英雄と呼ばれる規格外のクソゲーが次々と送り込まれた。
"剛速球のクソ"『メジャーWii投げろジャイロボール』
"「テクストがまだない」ADV"『奈落の城 一柳和、2度目の受難』
"ファミ通13点 永延と続く作業ゲー"『大奥記』
"進化と遂げた異次元麻雀(のようななにか)"『ジャンライン』
"IFの本気 パッケージ詐欺"『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』
"ファミ通ALL3点 バグにたよらない野生児"『プロゴルファー猿』
"前作からの更なる進化 08年度KOTYのパーフェクトクローザー"『メジャーWii パーフェクトクローザー』
「四八(仮)」を体験し、クソゲーに耐性ができた住人たちにインフレを続けるクソが襲いかかった。
そして・・・運命の12月が訪れる。
今年の開幕投手を務めたのは「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」
Wiiバブルに何とかして便乗しようとして育成された、タカラトミーの隠し球である。
1試合2時間、投げた瞬間にストライクかボールが判別できるなど、野球ゲームとしての問題点が山積み。
まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソ。
KOTYの住人たちに真っ向から直球勝負を挑んできた男らしいキャラゲーであった。
「奈落の城 一柳和、2度目の受難」
ADVであり、前作が好評だったためにノーマークであったが、謎解きが不条理であったりフラグ管理の甘さから、まさかの話題作となった。話し掛けると「テキストがまだない」と表示される問題作
前作がクソになったという点ではメジャー2と同じだが、発売当時はクソゲー飢饉であり。6月以降はそれ以上のタイトルが続出した為今では「ノミネートの最低ライン(奈落ライン)」「七英雄最底辺」などと呼ばれている。
この辺りの時期までは前述の「四八ショック」で目が肥えてしまったスレ住人にとってクソゲー飢饉で餓死寸前であった。
・・・ファミ通から朗報が届くまでは
あの「デスクリムゾン」と同じファミ通のクロスレビューで13点を叩き出した「大奥記」 がついに登場
2年にわたる延期という前情報、大奥を舞台に女の戦いを描くというターゲット層不明な内容、
そしてなにより低評価ほど信頼できる ファミ通クロスレビューで13点という快挙
実際のゲーム自体も期待を裏切らず、「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」。もちろんロード有り。
グラフィックもしょぼく(ただし尻の描写だけはPS2クラス)、ひたすら面白くない。
まさに宣伝文句通り、大奥記は底知れぬ伏魔"伝"(公式HPより)と言えよう。
派手さはないものの堅実なクソゲーであり、夏までは大賞の最有力候補と囁かれていた
が。
360ユーザー待望の麻雀ゲーム「ジャンライン」
クソゲーとしての標準スキル、フリーズバグは勿論の事、
麻雀としてのルールがところどころおかしく、オンライン対戦も問題点が山積み。
社員が喋ったような出来のボイスデータを販売した上で、数日後に販売中止、返金対応とDLCにもぬかりはない。
発売初日に謝罪文を出す手厚いサポート体制に加え、
「素人が作ったのか?」との声に応えて社員ブログ書き手が麻雀素人をカミングアウトするサービス精神も好印象。
だが、「選評でクソゲーとしての面白さが伝わりにくい」という理由で次点入りも難しいと言われていた。
…この時点では。
クソゲーメーカーIFからの最強の刺客『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』
当スレを待ち受ける「真の地獄」の幕開けを告げた核弾頭
他作のシステムをパクった割には劣化して、地味・単調・戦略性皆無と三拍子そろっている。
当然のように手抜きの演出や、電波要素も実装。
6時間程度でクリア可能というボリュームも、作品本スレにて
「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。
時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれた。
データに本作と無関係なアニメのOPが存在する点など、クソな点を挙げるとキリがなく、
このゲームのタイトルはいざプレイしようとする購入者達に対して
クル・ヌ・ギ・ア
「これからが本当の地獄だ」と告げていたのであった。
「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」とまで言わしめた「プロゴルファー猿」
10月末、ファミ通レビュー「ALL3」、即ち史上初「誰1人として4点以上をつけなかった」という奇跡を起こし
当スレッドをジャングルを駆ける猿の如き速度へ「ドギャ」っと加速させた。
今まで、クソゲーと呼ばれる物には酷いバグや電波なシナリオ、不快なシステムと言った、
そのゲーム特有となる頂点を取りうる何らかの武器を持っていたものが大半であった。 (例えば四八(仮)はこれらをフル装備)
しかし、プロゴルファー猿はそれらの武器を一切廃し、クソゲー界に素手で殴りかかって来たまさに野生児である。 ~。
プレイする上でプレイヤーが不快に感じる事は無い。
むしろ面白く感じてもなんら不思議は無い。
だが、極端に底が浅いのだ。
楽しみ続けるための要素が存在しない。一回クリアしてしまえば遊ぶ理由が無くなってしまう。
現代において忘れ去られていたクソゲーっぷりを復活させた歴史的な作品といえよう。
PVやCMの出来が素晴らしく、
『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』
という言葉と共にPV製作者への敬意をあらわしたい。
ここまでが七英雄の内、次点止まりであった作品である。
このどれもが購入したことを激しく後悔できる立派なクソゲーである。
だが、大賞と呼ぶには文字通り「次元」の壁があった。
そして運命の12月、
修正パッチにより、蘇り更なるパワーアップをはたした、真「ジャンライン」
七英雄の続編としての期待をはるかに上回った「メジャーWii パーフェクトクローザー」
他の七英雄と圧倒的な差をつけた両作品はクソのインフレを引き起こし、「四八ショック」を過去のものにしてしまった。
では、2008年度の大賞を発表しよう。
栄えある08年度大賞は2つ
修正パッチによる復活を遂げた『ジャンライン』
前作から(クソな)進化を遂げた『メジャーWii パーフェクトクローザー』
である。
大賞の選考には大きく2つに意見が分かれ、2009年になっても決定されなかった。
クソゲー界の新境地を開拓した「ジャンライン」。
クソゲー界定番のジャンルではあるが、衝撃的なプレイ動画を有する「メジャーWii パーフェクトクローザー」
どちらの作品も大賞としての風格は十分に備わっており、両者ともに魅力的すぎるクソゲーだったからだ。
宇宙麻雀、真『ジャンライン』
このゲームがクソだとされる原因は大きくわけて3つ
ひとつは運営のクソな対応。
もうひとつは、ファミコンのころからある麻雀ゲーがXBOX360でバグまみれで麻雀として成立していないという点。
最後に、修正パッチの意義を再考させられるという点である。
そもそもパッチとはゲーム進行における不具合やバグを修正するためのプログラムである。
ところがジャンライン製作会社のレコムが我々に送り出したパッチの内容は、
「修正」というよりも「改悪」でなかったら何かの呪いとしか思えぬものであり、
怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきたような惨状であった。
「空間」や「時間」を飛び越えたとしか思えないバグの数々に、もはや麻雀として楽しむことは不可能に近い。
卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、
「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」
――「宇宙麻雀」を超えた「四次元麻雀」がここに現れたのだ。
また、これらの致命的なバグだけに飽き足らず、
「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった、
昨今のクソゲー事情に欠かせない「問題ある運営」というツボもしっかり抑えている。
中でも「抗議の電話に対する『覚悟しています』という悲壮な返事」は、スレ住民に会社の悲惨な状態を偲ばせて余りあるものであった。
これらの事件は四八マンに次ぐ当スレマスコット、ジャッシー(仮)の姿とともに住民の心に深く刻まれた。
これから先、修正パッチによる悪化がおこるたびに「ジャンライン」が引き合いにだされることは間違いないだろう。
「これは麻雀ではない、ジャンラインだ。」
麻雀のルールを知らない人にはクソさが伝わりにくいことや、
動画のインパクトが『メジャーWii パーフェクトクローザー』に及ばないことが欠点としてあげられる。
だが、ジャンラインという別ゲーに麻雀と冠して売り出したことや、修正パッチによる進化という快挙をふまえれば
2008年度の大賞の一角として十二分にふさわしいと言える。
後世に語り継がれるべきクソゲーである。
そしてもう一つの大賞。一目でわかるバグの宝庫、クソキャラゲーここに極まれり
前作から更なる進化を遂げ、マウンドに帰ってきた
『メジャーWii パーフェクトクローザー』
「ジャンライン」は修正パッチという変化球的なクソさで大賞の座を得たとしたら、
「メジャー2」はど真ん中の直球で大賞をものにした。
剛速球なクソに更なる磨きがかかったどころか、もはやミートすることも不可能な魔球になってしまった。
「センター前キャッチャーゴロでファールになった」
「バッターと審判が後ろ向きになった」
「CPUによる強制オート操作の走者が勝手に盗塁死をする」
「ゴローの首までもが180度回転した」
「サヨナラ負けをしたのに優勝した」
などなど、数え上げれば切りがない不可思議な現象がおこり、
2009年になっても新しい現象が確認されている。
未だ、留まることを知らない「メジャー2」のバグの嵐の前に、住人たちは、
「バグ」とは何かについて考え始める始末。
仕様と思われる部分もクソすぎるため、仕様とバグの境界がわからないという完璧な内容。
クソすぎる仕様(?)とバグ(?)の前ではKOTYの大賞に選ばれないはずがない。
クリスマス商戦、お年玉、そしてNHKの正月のアニメの再放送などにより多くの子ども達が、
クソゲーの洗礼を受けたであろう事実も考慮にいれたい。
昨年クソゲーマイスターの称号を賜った「ドリームファクトリー」と、
今年最初のノミネート作品を繰り出した「タカラトミー」の最強バッテリーが作り出した
この「野球のようなもの」は、
投球・打撃・走塁・守備・その他全てがメジャー級のクソという見事な完成度を誇った。
さすがは「追求したのは、本格野球ゲーム」、完全に前作どころか野球を超えている。
まさに2008年度KOTYのパーフェクトクローザーであった。
その他の候補作として
「最大32人の大規模オンライン対戦」の事前発表が発売直前に公式ホームページから削除されたが、
発売後数日に渡って「32-PERSON ONLINE MULTIPLAYER」という文言の入った動画を
一切の注釈もつけずに垂れ流し続けた「メダルオブオナーヒーローズ2」
「プレイグラウンド ~公園で遊ぼう~」
出場していない馬が優勝するというありえないバグが発生した
「ダービータイム オンライン」
などが挙げられる。
これらの作品は06年度まではノミネートされていても不思議ではないが、
「四八(仮)」や七英雄の前ではクソゲーとすら思えない。
2008年のクソゲーオブザイヤーを振り返ると、
どのゲームも「企画の段階から全力でクソを作った」という印象だ。
バグがなくても、仕様からクソという作品が大半を占める。
これは昨年のKOTYスレにあった
「脱力して出たクソより、全力で出したクソの方がいいに決まっているだろう」
というレスに対するゲーム業界からの挑戦状だったのであろうか。
大賞にいたっては、元とになった「麻雀」や「野球」を完全に超越してしまった。
08年度は「四八ショック」から始まり、前半はクソゲーに飢え、後半は「四八(仮)」に迫るクソゲーに溢れ、12月に決定的なクソのインフレが起きた。
「四八(仮)」、真「ジャンライン」、そして「メジャー2」。もはや、これ以上のクソがあり得るだろうか。
最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、
次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。
「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」
四八(仮)の出現した2007年をジャイアントインパクトに例えるならば、2008年はカンブリア爆発と言えるだろう。
あらゆるジャンルのクソゲー達が、次世代の覇権を握ろうと跳梁跋扈したのが2008年である。
あるものは四八が示したクソゲーの概念に真っ向から立ち向かい、あるものは四八と同じ道においてそれを超えようとした。
まず、KOTY2008の始球式から叩きつけられたデットボール『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』
何をするにも繰り返されるデモ画面、ストライクか否かが投げた瞬間わかる投球システム、
圧縮を重ねたストーリー、一試合に本当に2時間掛かるなどといった要素を駆使することによって、
一見様への解りやすさと野球の試合へのリアリティ追求を両立し、2008年へ期待を持たせる先発投手の役目を果たした。
しかし、――今となっては意外な話だが――この後クソゲーマーたちは深刻な飢餓状態を迎えることとなる。
四八が存在する今となっては、それまでならノミネートクラスであったろうクソゲー達も、只のゲームとして扱われる。
この『四八ショック』は、もはや四八と拮抗する存在など生まれないのではないかという悲観的幻想すらも生んだ。
その幻想をぶち殺すと言わんばかりに、二年の長きに渡り延期を重ねたゲームが出現した。
六月の始め、嵐の到来を告げるアスファルトのきな臭い匂いとともにやってきたそいつの名は『大奥記』
ファミ通レビューで『デスクリムゾン』タイの13点、200円の買取価格とひどい前評判には事欠かない。
ドアの開閉や歩行ですら無駄に手足を動かさない『カイゼン』意識には、吉宗どころか派遣切りのトヨタも驚きだろう。
『女の戦いin大奥』という大儀の元、多すぎる部屋を延々歩き回る悪夢じみた作業の潜む城は、まさしく現代の伏魔『伝』だった。
クソ化が難しいとされていたノベルゲームの常識を打破した四八の後を追うように、一つのゲームが現れる。
超時空ジャンデレラこと『ジャンライン』が、テーブルゲームという聖域の開拓を行ったのだ。
フリーズなんて当たり前、点数計算がおかしかったり同じプレイヤー同士での連戦が不可能と対戦麻雀にあるまじき失態を露呈し、
素人としか思えないDLCボイス(発売直後に返金対応)や、本当に素人が書いていた公式ブログと脇もしっかり固めている。
この時点ではクソゲーの新機軸として、そのチャレンジ精神を称えられた。
クル・ヌ・ギア
だが、真の地獄 はこれからだ。
多くの新勢力が名乗りをあげ、クソゲーの老舗ことアイデアファクトリー(以下IF)も、遂に手段を選ばぬ暴挙に出た。
パッケージそのものがフィッシング詐欺目的のパクリな『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』にブランドイメージもクソも無い。
不快感だけを六時間に濃縮した超絶ストーリーや、敵よりもプレイヤーにダメージを与える迷ゼリフ、
本筋に一切影響しない好感度システムや、マヒさせてオートで済む戦闘は『動画の無いムービーゲー』とでも呼ぼうか。
「IFだから」と侮っていたクソゲーマーに撃ち込まれた『RPG』は、ここにその殺傷能力を証明した。
クソゲー波状攻撃にスレが沸く中、『プロゴルファー猿』が従来のクソゲーの定義に真っ向からケンカを売る。
「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」との言葉と共に全員納得のファミ通レビュー「ALL3」がつくのだから、
クソゲーとしての品質は推して知れるだろう。特筆すべきは、そのクソさの質にあるといえる。
バグが多い訳でも、仕様が理不尽な訳でもなく、ただただ薄っぺらく面白みがないという一点を追求したのだ。
「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」 この言葉は、多くのクソゲーマーの心に刻み込まれたであろう。
クソゲー的な、あまりにクソゲー的なゲームの新たなあり方を模索した『超人』の叫びとして。
こうした百花繚乱において、徒花となって散ったクソゲーもあった。
「テキストがまだない」ものの、死者の蘇生という人類の夢を実現した『奈落の城 一柳和、2度目の受難』
ソフト内にはかけらも存在しない三十二人同時対戦を売りにして大規模詐欺行為を行った『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2 』
これらのゲームは、2008年でこそ一線級ではないものの、クソゲーの幅を広めた偉大な開拓者達だ。
しかし、時は十二月、このメジャーはあってもモノサシがない混沌状態を打開すべく、良糞の彼岸から二つのクソゲーが帰還した。
まず、『パッチ』によって再誕を果たした『ジャンライン』
「パッチをあてたら更にクソゲー化した」の一言に集約される異常性は、クソゲーマーにすら理解不能の域に達した。
「亜空カン」で無関係牌を喰い、牌が傾いたり選択不能になったり融合したりと、その異常は見る・聞く・操作するの全点豪華主義。
意図しようとしまいとフリーズは頻発し、ロンをしたらツモられる意味不明の現象や、手牌を奪われれば上がり不能すらありえる。
パッチ前はまともな麻雀をしていなかったが、パッチ後にはまともでない『麻雀』をすることすら不可能になった。
正常なゲームの進行をも破壊し尽くすその様子は、破壊の権化というよりは、むしろ破壊そのものといったほうが適当だろう。
後を追って登場したのは『メジャーWii パーフェクトクローザー』
「本格的野球ゲームの追及」の名の元に、人が『野球ゲーム』と聞いて連想する全てのクソ要素を一本に詰め込んだ豪華仕様だ。
捕手が野手のようにセンターを走り回り、走手は勝手に塁を走り回ってアウトをもらい、バッターは後ろを向いている。
『スリーバント有』『キャッチの芸術点で2アウト』といった超ルールも、後ろを向いている審判に咎めさせるのは酷だろう。
『逆転サヨナラ負け優勝』という展開は、『負けるが勝ち』的な注目の集め方をしたこのゲーム自身への皮肉だろうか。
挙句の果てに、当初、只のコラでしかなかったはずの『ゴローの首反転』を『実装』してしまった。
この製品品質を実現したのは、映画にあわせた無理なスケジュール・ドリフ製作・プログラマ三人という完璧な製作体制あってこそ
そう、夢は時間を裏切らない。夢は野球を裏切ったのだ。
かつて「サービスの最底辺」と言われたゲームはあったが、この2強は遊べないのだから「ゲームと定義できる最底辺」すら下回る。
もはや『ゲーム』ではなく、『芸無』とでも呼んだ方がよさそうだ。
それでは、今年のKOTY『大賞』を発表しよう。2008年で最もクソゲーたるゲーム、それはジャンラインだ。
2強のクソぶりはマリアナ海溝レベルの深さに及んでおり、光すら差さない海底の優劣は、簡単にはつけ難い
そこで、「普通にプログラミングしていたらクソになりようのない部分」を破綻させたジャンラインの異常性に注目してもらいたい。
麻雀を家庭用ゲームのソフトにするという試みに、何一つ創造性を要する部分はなく、現にファミコン黎明期には実現していた。
にもかかわらず、起動してから終了もしくはフリーズするまで不快感だけを発生させ続ける技術力(パッチ込)は筆舌に尽くし難く、
それまでただ一個の点でしかなかった家庭用クソゲーを、パッチによって『ライン』へと引き伸ばした革新性も称えて、
ジャンラインに2008年KOTY大賞を贈りたい。
人類の科学は常に進歩する。それはゲームの世界においても同様だ。
次世代ハードの高いスペックは、ゲーム開発の自由度を更なる高みに引き上げた。
パッチをあてることで、ゲームを改良することも可能なはずだった。
だが、我々は忘れてはいないだろうか?いくら上限が上がったところで、下限も引き上げられた訳ではないことを。
もはやクソゲーに聖域も下限もない。あるのは、超えてはならない一線の先に広がる地獄だけだ。
商品未満の風が吹き荒れた2008年の地獄の住人から、まだ見ぬクソゲーがひしめいているであろう、未来の地獄の住人へ
この一言を警告として、2008年KOTYを締めくくりたい。
ジャンライン
その 一線 を超えることなかれ
2007年、クソゲーオブザイヤーは四八ショックに包まれた…
昨年の大賞である四八(仮)のありえないクソにより「もうクソゲーは出ないのではないか?」と思われた。
…だが… クソゲーは死滅していなかった!
2008年は再びクソゲーが割拠する乱世となっていた。
去年の大賞が10年に1本と言われる程のクソさ故に新年が明けても四八(仮)の話題にとらわれていた当スレであったが、
『メジャーWii投げろジャイロボール』で当スレも開幕を迎える。
ストーリーを圧縮しすぎて原作ファン以外お断りのADVパート。
ストライクか否かが投げた瞬間わかる投球システム。
更には、毎回現れる一枚絵の操作説明画面や、何をするにもデモを流すなどして、
一試合2時間以上という野球のプレイ時間を見事に再現してみせた。
まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソであった。
3月の決算時期を向かえ『奈落の城 一柳和、二度目の受難』に購入者の怒りの声が当スレにも届き始める。
本格推理ADVを名乗りながらも。実際はフラグ管理の甘さが目立ち推理の余地がない総当りゲームであった。
更には殺された人間が何事もなかったかのように再登場し「テキストがまだない」と言い出すミステリーは
購入者を奈落の底へと突き落とした。
そして『大奥記』が2年間の延期とファミ通のクロスレビュー13点と共に現代へと舞い降りた。
移動はホバリングで襖の開閉は超能力と揶揄されるモーションの少なさ。
部屋の大半が無人のマップをホバリングで迷走し超能力で襖をこじ開けるこのゲームは
あるユーザーに「延々とサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー」と言わしめられた。
更に「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字が用意されており、
まさに宣伝文句通り、大奥記は底知れぬ伏魔"伝"(公式HPより)であった。
サブプライムの大波とともに姿を現した『神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』は
「地雷地帯IFの作品は平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」という住人の平和ボケを蹂躙した。
某シリーズを連想させるジャケ絵に、学園とは全く関係のない電波シナリオ。
戦闘においては、キャラと敵の動作や魔法・召還ムービーなどの演出は一切無い。
更には立ち絵の使いまわしによるシュールな1枚絵の合体技がプレイヤーに精神ダメージを与える事に成功し、
「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。
時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言を生み出し、購入者をを地獄へと陥れた。
ファミ通クロスレビューで12点という奇跡を引っさげて登場した『プロゴルファー猿』もなかなか興味深いクソゲーだ。
「ストーリーモードが無い」「ゴルフゲームだと思ったら双六ゲームだった」という内容は
最初は熱心なクソゲーマーが他に隠しキャラやホールを探しながらも懸命に楽しもうとしていたが、
「全キャラ6人」「全12ホール」からは増える事がなく、僅か10分間のプレイでENDを迎えるたびに姿を消していった。
また、発売前はPVやCMの出来が素晴らしかった為に「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」という声思い出深い惨事であった。
今年のクソゲー界を締めるべく現れた『メジャーWii パーフェクトクローザー』は
「追求したのは、本格的野球ゲーム」ではなく「追求したのは、本格的クソゲー」な出来であった。
打撃では木製バットにも関わらず金属音が鳴り響く上に消えたり伸びたりする「如意バット」から始まり、
「野球ボールではなく砲丸」と揶揄される「打っても転がらないボール」
「3バント失敗してもアウトにならない」「3イニング遊べば10本はHRが飛び出す爽快感溢れる打撃システム」
そもそも塁審の存在しない球場で常識的な判定を求めるのが無理な話か、走塁ではCPUによる強制オート操作の走者は、
勝手に盗塁して速攻刺されるだけには飽き足らず、
フライをキャッチされても帰塁せずに、タッチアップも無しにそのまま得点になる。
守備ではストレートを投げればスタミナが減らない男らしい投球システム。
「1球外すか、いや、でもフリーズするかも」という自分との駆け引きが熱いボール球
更に1アウトのはずが2アウトになることまである「通称:ジャイロキャッチ」という現象は
プレイヤーの度肝を抜くのに十分なインパクトである。
また発売直後に「審判と打者が後ろを向いている」という凄まじいバグ動画で話題を呼んだが、その後ゴローの首までもが後ろを向き
ついには透明人間の出現する始末であった
昨年クソゲーマイスターの称号を賜った「ドリームファクトリー」と、
今年最初のノミネート作品を繰り出した「タカラトミー」の最強バッテリーが作り出したこの「野球のようなもの」は、
投球・打撃・走塁・守備・その全てがメジャー級のクソという見事な完成度を誇った。~
さすがは「追求したのは、本格野球ゲーム」、完全に前作どころか野球を超越していたのであった。
以下次点として4つのゲームがあがる。
『ポイズンピンク』
『メダルオブオナーヒーローズ2』
『プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~』
これらのクソゲーは「例年ならノミネートされていたかな?」と思われるが、乱世の中に飲み込まれ消えていった。
『ダービータイムオンライン』は
「未出走の馬が優勝」などのバグや、ラグがひどすぎるオンラインモードが話題になったものの、
その後サーバー強化やパッチによって改善され、ノミネートは難しいとの結論に至った。
では今年の大賞を発表しよう。
年の瀬の12月、パッチにより更なる進化を遂げた真『ジャンライン』である。
9月に発売したこの『ジャンライン』は既にノミネートされていたが
「ダービータイムオンライン」と共に「年内に修正されたら当然選外」などの厳しいが挙がり
ジャンラインがもたらした混沌は速やかに収束するであろうという無難な見解で推移していた。
だが、そのパッチは購入者やスレ住民の予想を大きく上回るものであった。
麻雀のルールを知らない開発者が作ったフリーゲームの麻雀ゲームにすら及ばない斬新なルールの数々。
見えるはずの牌が一部伏せられ、チーで鳴いた場合の牌の選択方法が不自然、点数の計算がおかしいことなどは序の口である。
なんと、駆け引きに重要な要素である相手の切り牌が手元からか、直前に引いたものか識別不能なのだ。
これに対し開発会社の「レコム」はパッチを出して修正したが、
代わりに出されたものはルールを根底から覆す、麻雀業界震撼の新ルール「先ヅモ」システムであった。
ロンしようと思ったら先にツモられていた。ポルナレフもビックリである。
さらにゲームを連戦できる様にした際に、牌を選択できなくなったのはもはやご愛嬌といっていいだろう。
また「亜空カン」もこの「ジャンライン」を語る上で欠かせないバグであろう。
本来ならば4枚同じ絵柄をそろえた場合に行われる「カン」という行為をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれ
さらに巻き込んだ牌が他人の牌であり「カン」したプレイヤー、巻き込まれたプレイヤーが上がれなってしまうのだ。
極め付けには「カン」をしたプレイヤーの牌同士がめり込んで融合してしまう始末である。
こうして異次元麻雀と散々揶揄されてきた「ジャンライン」は、名前が示すように
麻雀(ジャン)のこえてはならない一線(ライン)をこえてしまったのである
ダウンロードコンテンツの酷さも特筆すべき点である。
「社員が喋ったとしか思えないボイス」「SFC並の貧弱なエフェクト」
四八マンに次ぐ当スレマスコットとなったヨ○シーを放射能汚染させたとしか思えない「ジャッシー(仮)のアイコン」
メーカーのサポート対応も、HPで初音○クを金髪にしたとしか思えない少女が頭を下げ 謝罪文を載せるだけでは終わらずに
「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった対応も
購入者の怒りの炎に油を注ぐようなものであった。
「麻雀」それは人類の英知が詰まったテーブルゲームのはずだった。
「パッチ」それは不具合を直す魔法のはずだった。
しかしそんなものなど、吹けば飛ぶような脆いものでしかないとは証明した「ジャンライン」の功績は余りにも大きい。
今年のクソゲーオブザイヤーを振り返ると、
『メジャーWii パーフェクトクローザー』『ジャンライン』は9回裏、南4局目までそのクソさを争ったが
二作共に「商品未満」という印象だ。
ノミネートされた他のゲームですら、もはや商品として成立しているかどうかギリギリのレベルである。
最後に、2008年クソゲーオブザイヤーにノミネートされた全てのゲームに対し
以下の言葉をを贈りたいと思う。
「ク ソ ゲ ー に 物 申 す !」
2007年の四八によりクソゲーは沈静化するものかと思われた、強力すぎたのである
事実四八は10年に一つのゲームである、今後2017年までは肩を並べられるゲームは存在しないであろう
だが2008年はスレ住民の考えを裏切り5年に一つのゲームが七つ現れた
スレ住民はこの事実を恐れ敬いこの七つのクソゲーを七英雄と名づけたのである
まず、一試合二時間を誇る「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」がタカラトミーの強肩によってこのスレに届く
一球投げるたびに繰り返されるデモ画面と特定の条件で何度も出る操作画面によって
まるでひと匙のカルピスをパックの牛乳で割ったような味わいを出すことに成功している
だが安心してほしい、ADVパートは原作ファンを前提としたハイスピードの総集編になっていてゲーム部分とバランスを取っている
次に、死んだキャラが蘇りテキストがまだない謎を解く「奈落の城 一柳和、2度目の受難」がこのスレの冬を賑わせた
続編クソゲーによくある前作の悪いところを全て引き継ぐは当たり前、フラグ立てもシビアで進行に必要なキャラの所在もわからない
ルートはパートナーだけ違う使い回しで、暗いシーンで鬼クリックしてる自分の作業感をアップさせてくれる
しかしこの二つでさえ大賞は無いであろうと意見が主流であった、四八ショックが残した生々しい傷跡である
季節は年度末へと移り、スレの住民はクソゲー飢餓期のこの冬の時代にメジャーで一日12試合し奈落の城を何周もクリアしお互いを支えあった
だがクソゲーは枯渇しスレの勢いは衰え、ゲーム屋の前にはあまりの寒さに暖炉にくべる四八を求める列が出来たという
そこにファミ通が13点をつけたソフトが春に発売されるという吉報が送られてくる
二年という歳月は残酷で、二年前からそのままタイムスリップしてきた現代の北京原人「大奥記」
グラフィックとモーションといったビジュアル面はPS時代の出来で、ゲームの出来はファミコン以下である
広い部屋を念力で扉を開け長いロードに耐えホバーで行き来し証拠を集め、ザッザッというまるで畳を擦りつけたような耳障りなSEにも慣れ
やっと得られたご褒美は、最初だけ反応が違って後は手持ちの証拠を全て叩きつけるオラオララッシュ逆転裁判
発売前日に買取価格が200円になるという誰でもわかるプレッシャーを放っていた点も評価したい、まさに在庫を抱えた小売は伏魔伝
だがこれも四八には敵わないという見方が大勢であった、あと十年待たねばならないのか?
…それもここまでの話である
下半期に入りわざわざXbox360用でフリーゲームですら普通に遊べると言われている麻雀ソフトが注目を浴びた
異常な事態である、余程のことでもなければテーブルゲームの入賞など不可能である
そう「ジャンライン」では余程のことが起こっているのである
表であるはずの牌が裏、チーの牌選択がうまくいかず、点数の計算もおかしいという
自動イカサマシステムが搭載された次世代麻雀ゲームの金字塔になるべくして生まれたゲームである
オンラインでは同XboxテーブゲームのUNO(1200円)で搭載されている機能が軒並み未搭載
例え社員ブログで麻雀素人を告白したところでオンラインの仕様は言い訳できない
だがパッチが当たることによって収まるであろう、誰もがパッチに疑いなど持つはず無かった
ク ギ ャ ァ ー
その間「神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア」が大賞と噂される、天下のIFのノミネートは珍しいことと言っていい
転生学園と間違って買わせようと同じ絵師採用、低い志で開発されたことが目に見える
たっぷり6時間繰り広げられる痛いストーリーと痛いセリフにプレイヤーも敵もボスもマヒしっぱなしである
唯一の救いを求めた好感度は分岐EDも無いよ!と止めを刺され
オートで進む戦闘の横でオートでこんなゴミに6000円使った事実がのしかかってくる事間違いなし
だがクギャーをあざ笑うかのごとく大奥記より1点低い、つまりALL三点をひっさげ「プロゴルファー猿」が登場した
クギャーのボリュームなど最早相手にはならない、10分で全コースを回れる上キャラクターも6人しかいない
ボールは同じ場所に落ちるし合間合間にミスターXが話しかけてくるだけでゲーム自体も特別やることは無い
このゲームのPVを作った詐欺師に騙された消費者が、国民生活センターに「これは詐欺や!プロモーション詐欺や!」と電話をかけるのも時間の問題である
往年のシンプルシリーズを思い出させる出来で、まるでフルプライスの戦闘メカ ザブングルである
そしてジャンラインが動きだした
パッチが出たのである、つまりジャンラインからジャンライン Ver1.1になったのである
1.1になったジャンラインはイカサマシステムが進化、カンやポンで関係の無い牌まで一緒に積み
ロンしようとしたところにツモられ、一瞬目を離せば最早何が起こっているのかわからなくなる
まさしく現代の一瞬の油断を突いてイカサマを行う雀士達を再現しようとチャレンジしている
関係の無い牌を一緒にカンして何が嬉しいのかわからないが、それを聞こうにも公式の掲示板は閉鎖してしまったし
メールを送ってもコピペメールが帰ってくるだけだ、電話に対して「覚悟しています」という返答もその気迫がうかがえる
余談だが、オンラインをやろうと思ったらこのパッチは絶対に入れなければならない
だが待ってほしい、大賞はジャンラインなのか?たしかにルール破壊と劣化、公式の対応は素晴らしいがそれに比肩するソフトが存在するのだ
タカラトミーが放つ渾身の二球目『メジャーWii パーフェクトクローザー』
判定のおかしいことを書きあげればキリが無い、1アウトなはずなのに2アウトになる、エラーでアウト、センター前キャッチャーゴロとしか呼べないものが発生したり
バットは伸び縮みする柔軟性のある木製バットで打つと金属音がする、勝手に盗塁する味方
塁審は存在しないし、後ろを向く審判(仕事はする)とストライクゾーンに背を向けるバッター(打てる)まで出る始末
だがこれもまだ序の口である、無名選手によって加速する3Dバグの数々
首が反転する、肩から足が生える、審判の下半身と上半身がくっつく、首なしバッター Lv.21 HP129、下半身が消える、全身消える等々
まるで半壊したファミコンのカセットである、無名選手バグは高確率でフリーズするというおまけつき
試合もサヨナラ負けで勝利出来たり、大量の点差で延長戦に入ったりまず開発者に算数が出来る人間が必要なようだ
そして明かされるスタッフロール…「ドリームファクトリー」
そう、このメジャーはいわばタカラトミーだけの前作より酷くなるのは約束されていたようなものである
ドリフとタカラトミーの友情パワーによって産み落とされた真のメジャーだったのである
今年の大賞を授与する前に聞いてほしい
恐らく比べたジャンラインのほうがゲームとしては成り立っていないだろう
そういう意味ではジャンラインのほうが大賞にふさわしいかもしれない
だがジャンラインとメジャー2を分ける決定打となったのは、その数だ
ジャンラインがルールを破壊することに専念したストイックさなら、メジャー2はルール無関係バグるかバグらないかのデスマッチである
素晴らしいことに今年は商品未満が二つも出てしまった、別々の年ならば二つとも大賞であったであろう
だが、メジャー2はWiiで人気原作付きという被害者を大量に出した点でも一歩リードしている
そう今年の大賞は『メジャーWii パーフェクトクローザー』である、激戦を繰り広げたジャンラインも賞賛したい
今年を振り返ってみれば7本中3本キャラゲー、そのうち二本がタカラトミーとまったく頭が下がる思いである
ジャンラインとメジャー2は間違いなく商品未満レベルであるが猿やクギャーもかなり危ない線である
WiiやDSに乗っかり元気になってゆくクソゲーメーカー達は今後も衰えることもしないのであろう
健全な市場とも言えるだろうが、散っていった被害者達を忘れてはならない
最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、
次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。
「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」
2007年、終わらぬクソゲー界の戦場に現れた一つの鉄壁要塞『四八(仮)』。
沢山の人々の心と腹筋に想像以上の苦痛と恐怖を与えたこの要塞を壊せるものなどない、誰もがそう考えていた。
…しかし、私達は予想もしなかった。
まさか2008年、鉄壁要塞が壊れることなく、さらに同じようなものが増えてしまったということを……。
最初に登場した『メジャーwii 投げろ!ジャイロボール』は、一年の始まりにふさわしい活躍だった。
試合中に何度も流される押し付けがましい親切な操作説明画面、ボールを一球投げる度に出るデモ、
打球の飛んだ方向に関係無く流されるデモによってリアルに再現された一試合2時間。
さらに原作ファン以外お断りのたまったもんじゃない超圧縮のADVパート。
ボールではなくゲーム自体を投げたくなる出来に、――『四八(仮)』までとは行かなくとも――私達は身震いした。
次に登場したのは『奈落の城 一柳和、2度目の受難』というADV。
前作が好評だった為にノーマークだったが、不条理な謎解きに加えて死んだはずのキャラが復活し、
話しかけたら「テキストがまだない」と表示されることで当時話題となった。
その三ヶ月後、ファミ通クロスレビューで『デスクリムゾン』と同等の13点という数字を出した『大奥記』がついに登場。
豪華絢爛という言葉とは対照的なグラフィックの中で際立つ、人物のPS2クラスの尻描写。
スイスイと進むホバリング移動と部屋に入るたびに発生する長いロード。
さらに申し開きパートの為に必要な証言を何とか集めた気苦労をあざ笑うかのようなチャンバラSEと、
証拠→悔しがる→証拠→悔(ryの無限ループ。
某ゲーム雑誌のレビューで「悔しがる表情が良い」と掲載された機能なんてものはなかった。全くなかった。
派手さは無いがその堅実な作りに、私達はこの要塞に只ならぬ何かを感じ取っていた。
その他にも『ポイズンピンク』、『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2』、『プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~』などが
建設されそうになったこともあったが、その小さな建設予定地に彗星のごとく新たな要塞が誕生した。
その名は『ジャンライン』。
歴史ある麻雀ゲーの中に生まれたその存在は、クソゲーの常識であるフリーズバグを搭載してるのはもちろんのこと、
対戦麻雀にも関わらず同プレイヤー同士との連戦が出来ない、ありがたくない社員の美声を有料DLC販売されることに加えて
点数計算がおかしいことや、公式ブログを書いているのが麻雀素人と発覚してしまったことにより、
麻雀の歴史に新たな一ページを刻んで話題となった。……しかし、これよりもっと恐ろしいことなってしまうのだが、それはまた後のこと。
2008年のクソゲー界の戦場で最も衝撃的な出来事の一つといえば、
今までのIF製クソゲー要塞を一気に破壊したと思われる「IF製核地雷」、『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』の登場ではないだろうか。
六時間というコンパクトにまとめられたストーリーを終わらせた時に残るのは不快感のみの超絶(望)展開、
他のゲームの戦闘システムの上っ面だけを真似たことで生まれた、マヒさせてオートにすればラスボスさえ倒せる斬新なシステム、
プレイヤーの精神もマヒしてしまうような痛い台詞の数々など、おぞましい惨状に恐怖した。
もしも何も知らずにパッケージに騙されてこのゲームを買った人を見かけたら、
「クル・ヌ・ギ・ア(真の地獄はこれからだ)」と言ってあげよう。
「騙す」という言葉で思いつく要塞といえばやはり、『プロゴルファー猿』であろう。
先述したメジャーと同様キャラゲーなのだが、あっちが原作ファン以外お断りに対し、こちらは原作ファンがお断りのゲームだと思われる。
なにせストーリーが無い。そして登場キャラは6人しかない。
その登場キャラも突かなくてもいいような重箱の隅を突いたキャラクター達ばかり。
ストーリーが無いために最短10分でED行ける内容の薄さで、噛んでも噛んでも味が出ないするめゲーならぬ水ゲーであった。
発売前のPVの出来が良く、それに騙されてこのゲームを買った人は、心の中でこの言葉が響くだろう。
「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」
数々のクソゲー要塞が建設されて時が経ち、ついに12月を迎えた。
そしてこの12月から、二つの出来事によってクソゲー界の戦場はさらに激しくなっていくこととなった……。
まず一つ目は、パッチという補強工事によって生まれ変わった『ジャンライン』である。
パッチとは本来クソゲー界の戦場にとって、要塞を破壊する兵器のようなものだ。
今年発売された『ダービータイム オンライン』もバグゲーで注目されたが、パッチによって残念ながらクソゲー界の戦場から消えた。
しかし『ジャンライン』に当てられたパッチは、今までのパッチという概念を覆すものであった。
常備されていたフリーズバグがパワーアップしたり、手元の牌がちょっと斜めになったり、牌の選択が飛び飛びになったり。
さらには4枚同じ絵柄をそろえた場合に実行が可能な「カン」で、何故か関係ない牌が巻き込まれたという
プレイヤーの持つルール観を破壊しかねない事が平然起こってしまった。
しかも、3枚同じ絵柄をそろえた場合に実行が可能な「ポン」をした場合でも、同様のことが起こってしまったのである。
揃わぬカン・ポンが、目に染みる…そんなプレイヤーもいたのではないだろうか。
そして二つ目は、年末を締めくくるにふさわしい魔物の登場。その名は『メジャーWii パーフェクトクローザー』。
先に記述したメジャーのゲームの続編が、同じ年に生まれてしまった。しかも開発元は、あのドリームファクトリーである。
打撃の際には木製バットでも景気の良い金属音が鳴り響き、3バントを失敗しても安心。なんとアウトにならない。
変えられないCPUのオート走塁によって、野球は1人ではなく9人でやるものということを再確認させるのはこのゲームの良心とも思えてしまうが、
チームメイトの勝手な盗塁などの行動によって怒り覚えてしまうかもしれないので、どう受け取るかはプレイヤー次第である。
審判が尻を向け、同調するようにバッターも後ろを向いてかまえるというバグも稀にあり、一層本格的糞野球ゲーに磨きをかけている。
では今年の大賞を発表しよう。
それは、『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
同じ月にパッチによって進化した『ジャンライン』と壮絶な勝負を繰り広げた結果、このゲームを選んだ理由。
それは多感な年頃の子ども達に、大きな傷を残すのがこれではないかと思われたからだ。
このゲームの原作であるメジャーは大人気漫画であり、TVアニメ化もされた。
さらにこのゲームが発売した二日後に、劇場用映画も公開された。
メジャーの映画に感動した子ども達が、ゲーム売り場でこの夢工場が作った悪夢のゲームを見かけ、
親にせがんでクリスマスプレゼントとして購入し、そのゲームの内容にワクワクした心を完璧に抑えられる。
そのような光景が、メジャー人気が終焉を迎えるまで、これからも起き続けるのではないだろうか。
私達はこのような悲劇が新たに起きることのないように、この出来事を大きな声で語り継いでいかなければならないと思い、大賞とした。
最後に2008年のクソゲーオブザイヤーを、この言葉で締め括りたいと思う。
「追求したのは、本 格 ク ソ ゲ ー」
※問題があったため削除されました。
2008年、前年度大賞作品の四八(仮)が秩序を崩壊させ、クソゲーオブザイヤーも戦国時代を迎えようとしていた。
最初に登場したのは『メジャーwii 投げろ!ジャイロボール!!』である。
濃縮したまま還元しないADVパート、何回もの操作説明、1試合2時間のリアルタイム野球で頭角を現した。
続いて『奈落の城 一柳和、2度目の受難』もスレを賑わす。
推理出来ない暗号、3D酔いする迷路、生ける死者の言葉「テキストがまだない」がスレ住人を驚かせた。
だが、この2作では物足りないスレ住人はさらなる英雄の到来を求めていた。
そこに舞い降りたのは、ファミ通で伝説のクソゲー『デスクリムゾン』と同等とまで言われた『大奥記』である。
貧相なグラフィック、ホバリング移動に自動ドア、多すぎるロード、無表情なキャラクター等で大奥の底知れぬ伏魔“伝”を表現した。
この時期は、『ポイズンピンク』、『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2』、『プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~』、『ジャンライン』等のクソゲーが誕生したが、いづれも大奥記には及ばなかった。
そう、「この時点」までは大奥は王者と呼ばれていたのだ。
だがその影で、真の地獄の門は開き始めていた。
クソゲー道場、アイディアファクトリー最強の武将『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』が出現したのだ。
転生学園シリーズそっくりな名前のフィッシング詐欺を筆頭に、弱点の意味が無い、合体攻撃がシュールな一枚絵、ラスボスが麻痺するといった「金をドブに捨てた方がマシ」な作品であった。
同時期にファミ通最低点数と呼ばれた『プロゴルファー猿』も名乗り出る。
キャラクター6人、10分でエンディング、更にはキャラゲーなのにストーリーが存在せず、スレ住人をして「ワイは詐欺や! プロモーション詐欺や!」と言わしめた。
大奥、クル・ヌ・ギ・ア、猿の圧倒的クソゲーによる三国時代。
彼等の前に、魔王が立ちはだかった。
クソゲー『ダービータイム オンライン』を修復したパッチ。
だが、かつて大奥に敗北した『ジャンライン』は、そのパッチさえも吸収し、最強のクソに生まれ変わったのだ。
メニュー画面でフリーズは些細な事、点数の表示がおかしい、関係無い牌を組み合わせる「亜空カン」、他人からの勝手な横取り、何故か牌が斜めになったりワープしたりと、悪化の限りを尽くした。
更にどう見て気持ち悪いもマスコット「ジャッシー」と、ネタも十分であった。
ジャンラインの天下はもはや目前。
そこに、彼は続編となって帰って来た。
『メジャーWii パーフェクトクローザー』。
前作の長すぎる試合時間を、芸術点で2アウト、3イニング10本のホームラン、勝手に盗塁してアウト、等で改善した。
ADVパートも改善され、試合内容に関係無く延長戦や優勝など、原作ファンにも配慮している。
グラフィックでは、前作で不満だった塁審を排除することにより試合は無法化、
防具を捨てた俊足キャッチャー、超能力者や人外のバッター、挙げ句の果てにゴローの首も反転し、恐怖で審判は試合を見るのを止めた。
二大クソゲーの戦いは熾烈を極めた。
不毛な争い。その頂点に立ち大賞となった作品は……メジャーだった。
クソゲーとしては互角だったが、説明書の誤植ルビ、クソゲーマイスターのドリームファクトリー、劣化し続ける公式サイト等の豊富なバックアップで勝利を収めたのだ。
今年を振り返ると、どのゲームも「企画の段階から全力でクソを作った」という印象だ。
これは昨年のKOTYスレにあった
「脱力して出たクソより、全力で出したクソの方がいいに決まっているだろう」
というレスに対するゲーム業界からの挑戦状だったのであろうか。
もしそうならば、ふざけるな、と全員で物申したい。
最後に、2008年クソゲーオブザイヤー大賞の選考において、
次の一言をスレの総意として本年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。
「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」
2008年は不作の年だと思われた。
昨年の大賞である四八(仮)の想像を絶するクソさの前に、全てのクソゲーが霞んでしまうと思われていた。
四八(仮)で限界を見たと、さらなるクソゲーを求める心を閉ざしてしまったのである。
だが、時は流れ、あらゆるものは進化する。
一年を終えてみれば、『七英雄』とでもいうべき立派なクソゲーたちが生まれた、大豊作の年だった。
スレ住人たちの心を開いたのは、「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」である。
同じ試合中にもかかわらず何度も操作説明画面を表示し、1球1球の投球・打球にデモを流すなど、製作者の気合を伺うことができる。
一試合二時間以上という野球のプレイ時間までも見事に再現する男気と、プレイ時間の帳尻合わせのためか、極限までストーリーを圧縮するという暴挙に、一見お断りの玄人志向のクソさを感じられる。
「奈落の城 一柳和、2度目の受難」も、なかなかの逸品だった。
不条理な謎解きに、行方不明者を放置して脱出・クリアや、とっくに明かされた謎を解いて本気で驚くシュールさ、
死んだはずの人物より語られる『テキストがまだ無い』という衝撃の真相など、脅威のフラグ管理能力を見せ付けた。
上記2本があったとはいえ、しばらくはクソゲー氷河期といえる時期であったが、「大奥記」により春が訪れる。
ファミ通レビュー13点という朗報…もとい警報をひっさげやってきたこのゲームは、発売前日の買い取り価格200円という伝説をもたらした。
移動はホバリングで扉の開け閉めは超能力、頻繁に移動する登場人物を捜し求めて無人の部屋にひたすら出入りするという内容で
あるユーザーから『ひたすらサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー』と言われ、
某ゲーム雑誌で『存在しない悔しがる表情』が好評だったことから、雑誌のスタッフですらドロップアウトする圧倒的な貫禄を見せ付けた。
クソゲーはジャンルを超えて進化する。
テーブルゲームにクソゲー無しいう境界線も去年までの話である。
「ジャンライン」がそのラインを乗り越えた。
フリーゲームで存在するものを箱360で出したことからもその意気込みが伝わってくる。
フリーズバグは勿論のこと、オンオフ関係なく出てくる問題点。
麻雀素人の社員たちが喋ったような出来のボイスデータを販売し、数日後に販売中止、返金対応とDLCにもぬかりはない。
だが、『選評でクソゲーとしての面白さが伝わりにくい』という理由で次点入りも難しいと言われていた…はずだった。
クソゲーメーカーIFから届けられた核地雷、「神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア」
他作のシステムをパクった割には劣化して、地味・単調・戦略性皆無と三拍子そろっている。
好感度システムが存在するのにキャラ別ENDが存在しない、プレイ時間は6時間と、小型化にも成功した兵器である。
タイトルに『學園』と謳いながらも學園は殆ど関係無い上、『幻光録』は『幻想録』などの転生學園シリーズ続編を思わせる。
ジャケ絵に同じ絵師を起用するあたり、誘導兵器としても優れている。
この兵器が爆発し、クソゲーは『加速』した。その様は、まるで
クル・ヌ・ギ・ア
『これからが本当の地獄だ』と告げているようであった。
「大奥記」を下回る、ファミ通レビューALL3という史上初の暴挙を成し遂げたのが、「プロゴルファー猿」である。
クソゲーと呼ばれる物に欠かせない酷いバグや電波なシナリオ、不快なシステムといったものを一切持たず、
キャラ6人、存在しないシナリオ、プレイ時間10分という内容は、旧き良きクソゲーを思い出させる。
『現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重』とまで言わしめたことは、永く語られることになるだろう。
また、素晴らしいCMやPVなどにより、『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』との名言を生んだ事も高ポイントだ。
ここまでが11月までの英雄たちだ。どれも素晴らしいクソであるがが、クソゲーオブザイヤーはここからクライマックスを迎える。
あの「ジャンライン」がパッチを当てることで進化したのだ。
牌がちょっと斜めになる、関係の無い牌を呼び寄せる『亜空カン』、飛び飛びにしかできなくなる牌選択など、
X,Y,Z軸に加えたジャン軸(ジャンライン)を採用し、次元の壁を突破したのだ。
さらに、意図的に出せるフリーズ、ロンをしようとすると先にツモられるという先手必勝ルールなどにより、
クソゲーとしての地力もしっかり進化させたのだ。
その会心の出来は、抗議の電話に対する『覚悟しています』という返事からも伺える、
製作会社と社員の命を懸けた究極のアップデートは、パッチにより悪化した場合は再ノミネートというKOTYの新ルールを誕生させるまでに至った。
「ジャンライン」の進化により、これで決まりだろうという空気が流れたスレに、『クソにはクソを、進化には進化を』と、今年のKOTYを締めくくるために、進化した男が帰ってきた。
今年の先発を努めた、茂野吾郎の再登板、「メジャーWii パーフェクトクローザー」である。
有り得ない方向に反発するボールに、球場の壁を突き抜ける野手、勝手に盗塁して勝手にアウトになるランナーなど、クソの基本を見事抑えている。
さらに、センター前であろうと打球を追いかけてグラウンドを回るキャッチャー、
伸縮自在なバットを持つ者、後ろ向きに構え、超能力で一定の位置に打球を飛ばす者などといった究極の打者、
首が180度回ろうとも無限のスタミナでストレートを投げる吾郎、
『ジャイロキャッチ』といわれる、一回のキャッチで2アウトの、ルール超越の回転キャッチを誇る外野、
あまりの光景に、体を回し、吾郎に背を向ける審判など、『回転』にこだわった究極の演出面が光るゲームだ。
点差があろうとも突入する延長戦や、逆転サヨナラ負け優勝といった奇跡のストーリーがクソさに磨きをかける。
『三本の矢』体制のプログラマー三人が放つ、まさに魔球、といえる音速突破の剛速球だった。
さて、以上のノミネート作品から、今年のクソゲーオブザイヤー大賞を発表したい。
それは、「メジャーWii パーフェクトクローザー」である。
「ジャンライン」とかなり迷ったが、クリスマス・年末商戦と、メジャー劇場版、KOTY九回裏という究極の場面で、これほどのクソを生み出したということが決定的なポイントだった。
「投げろ!ジャイロボール!!」で子供の心を挫き、「パーフェクトクローザー」で子供の心を、クリスマス当日の親子の関係を、文字通りクローズさせたという、ゲームの中にとどまらない役割を果たした名作だ。
数知れぬクソを生み出した『タカラトミー』と『ドリームファクトリー』、この2つの融合により、キャラゲートしても野球ゲーとしても収まりきらないクソの金字塔である。
思えばこの一年は、各メーカーが全力で切磋琢磨しあってクソを生み出した一年である。
よって、以下の言葉で今年のクソゲーオブザイヤーを締めくくりたい。
「追 求 し た の は 、 本 格 ク ソ ゲ ー」
『四八(仮)』の出現した2007年をジャイアントインパクトに例えるならば、2008年はカンブリア爆発と言えるだろう。
あらゆるジャンルのクソゲー達が、次世代の覇権を握ろうと跳梁跋扈したのが2008年である。
あるものは四八が示したクソゲーの概念に真っ向から立ち向かい、あるものは四八と同じ道においてそれを超えようとした。
まず、KOTY 2008の始球式から叩きつけられたデットボールは『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』。
投げた瞬間に分かるストライク判定、1球1球の投球・打球に挿入されるデモ、ストーリーはおまけとでも言わんばかりの極限圧縮。
一試合に二時間以上かかるというリアリティは、ネタとして楽しめる範疇でなく本気で辟易してしまうほどの玄人志向を突きつけた。
しかし、その後は不作が続いた。
行方不明者を放置して脱出し、死んだはずの人物から「テキストがまだ無い」という衝撃の真相が語られる『奈落の城 一柳和、2度目の受難』…
ソフト内にはかけらも存在しない「32人同時対戦」を売りにして大規模詐欺行為を行った『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2 』…
いずれも例年なら燦然と名を連ねるはずのクソゲーだったが、ノミネートしないまま見送られた。
「ゲームとして成立していれば、問題ない。」住人はまだ、前年王者がもたらした『四八ショック』から立ち直ることが出来なかった。
そんな長すぎる厳冬に飢える6月、ようやく遅咲きの春が訪れた。二年の長きに渡り延期を重ねた超大作『大奥記』の上洛である。
ファミ通レビューで「デスクリムゾン」と同評価、発売前にして買取価格200円という驚異的な前評判は、やはり伊達ではなかった。
自動ドアならぬ『自動襖』、ホバリング歩行、表情は全編固定。異常に多い部屋数とロードに耐え、「サマルトリアの王子を探すだけ」と例えられる内容。
八代将軍吉宗も舌を巻くであろう倹約・改革を徹底したその姿は、まさに公式サイトの言うところの「伏魔『伝』」と称するにふさわしかった。
続いて、超時空ジャンデレラこと『ジャンライン』が華々しく戦線に躍り出た。驚いたことに、本作は麻雀ゲー、つまりテーブルゲームである。
クソ化が半ば不可能な同ジャンルにおいて、フリーズ頻発、点数計算が異常、同プレイヤー同士の連戦不可、と全てが崩壊していた。
他にも、素人ボイスをダウンロード販売するも直後に中止・返金対応したり、公式ブログを麻雀素人が書いていることをあっさり告白したりと、
新人らしい初々しさと敢闘精神に溢れていた。だが、あくまでもこの時点では中粒程度にしか見られていなかったはずだった。
クル・ヌ・ギア
にわかの豊作に浮き足立つKOTYに、『真の地獄はこれからだ』と言わんばかりの怪作が届けられる。
『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』……新興勢力が渦巻くKOTY 2008に、老舗・アイディアファクトリーの放った刺客である。
不快感だけを六時間に濃縮した超絶ストーリーや、敵よりもプレイヤーにダメージを与える「合体技」の迷ゼリフ、
本筋に一切影響しない好感度システムや、マヒさせてオートで済む戦闘は『動画の無いムービーゲー』とでも呼ぼうか。
パッケージに酷似タイトルの絵師を起用するという離れ業をやってのけ、クソゲー会社の基本精神である「釣り」の商魂をまざまざと見せ付けた。
息もつかせぬ波状攻撃はさらに続く。ファミ通誌上で史上初の評点オール3を成し遂げた隠れていない伏兵『プロゴルファー猿』が横殴りの奇襲を仕掛けてきた。
「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」──本作の偉業に対して、ファミ通編集部も賛辞を惜しまない。
このゲームは決してバグが多い訳ではない。キャラゲーなのに6人、ストーリーがない、開始10分でエンディング、飛球の方向は一定……
全てが仕様であり、ゲームとしての価値が全く無いのだ。本編より豪華なCMを揶揄して「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」と叫ばれたのも記憶に新しい。
かくして、KOTY 2008が飽食ムードで審議に入ろうとしていた十二月……さらなる激動が急転直下の幕を開けるとは誰も予想していなかった。
まず、『パッチ』によって再誕を果たした『ジャンライン』が再び門を叩いた。
「パッチをあてたら更にクソゲー化した」の一言に集約される異常性は、クソゲーマーにすら理解不能の域に達した。
「亜空カン」で無関係牌を喰い、牌が傾いたり選択不能になったり融合したりと、もはや「四次元麻雀」と評するほかない。
意図しようとしまいとフリーズが頻発し、ロンをしたらツモられる意味不明の現象や、手牌を奪われれば上がり不能すらありえる。
パッチ前はまともな麻雀をしていなかったが、パッチ後にはまともでない『麻雀』をすることすら不可能になったのである。
ともあれ、本作の再臨劇により、「パッチにより悪化した場合は再ノミネート」という記念すべき新ルールがKOTYに樹立された。
もはやこれで決まりだろう……突然の急襲に沸きかえったKOTYスレだったが、やがて、再びつかの間の安堵に包まれていった。
だが神はKOTYに安息を与えなかった。「クソにはクソを、進化には進化を」。九回裏のここ一番、さらなる進化を遂げた男が帰ってきたのだ。
今年の先発を努めた、茂野吾郎の再登板、『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
本作のクソゲーとしての資質は、フリーズと隣り合わせのボール球、金属バットの快音を鳴らす木製バットなど、枚挙に暇がない。
だが何より特筆すべきは『センター前キャッチャーゴロでファール』という言葉に集約される、衝撃ならぬ「笑撃」の大きさであろう。
操作不能で勝手に盗塁してアウトになる走者、タッチアップなしで本塁に生還する犠牲フライ、1キャッチで2アウトの『ジャイロキャッチ』。
点差に関わらず「原作通りに」突入する延長戦や、負けたのに勝ちルートのエンディングに突入するまさかの『逆転サヨナラ負け優勝』。
あまりの不条理さにキャッチャーはプロテクターを脱ぎ捨て、審判はピッチャーに背を向け、これまた後ろを向いたままのバッターが何もない空間から打球を飛ばす。
捕球もベースカバーもしない野手を尻目にキャッチャーがセンターまで駆け上がり、吾郎に至っては首が180度反転したまま全力投球する。
これらの信じがたいエピソードに対し「嘘だろ!?」と戦慄する住人を嘲笑うかのように、続々と画像や動画で証拠が提出される。
その評判は、KOTYスレはおろか大手ニュースサイトにまで瞬く間に飛び火し、KOTYは大混乱の様相を呈した。
公式サイトに謎のパスワードをかけたタカラトミーのウェブ担当は先見の明があったと言えよう。
なお、プレイ開始約二時間後に待つエンディングでは、開発がドリームファクトリー、プログラマーが三人という悪夢が待っていた。
さて、以上のノミネート作品から、今年のクソゲーオブザイヤー大賞を発表したい。
混迷を極めたKOTY 2008において見事大賞に輝いた作品……それは『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
『ジャンライン』とは意見が割れたが、クリスマス・年末商戦・そしてメジャー劇場版公開という子供たちの期待を一身に背負った中で
容赦なく全力でクソを投げつけた非情性、一目で理解できる「笑撃」の大きさを総合して、メジャーが一歩勝っていたと言えよう。
特に、クリスマスプレゼントに沸き立つ子供たちの心を、文字通り完全に「クローズ」させた業の深さはまさにクソゲーの鑑である。
「コンボイの謎」から続くキャラゲー地雷の老舗『タカラトミー』と、クソゲーマイスターと呼ばれた『ドリームファクトリー』……
二つの巨星の運命的な邂逅により、キャラゲーとしてもクソゲーとしても規格外の、純粋なる「クソ」の金字塔が見事誕生した瞬間であった。
思えば2008年は激動の年だった。
「四八ショック」と呼ばれる、前年王者の残した爪痕……巨大な幻影に翻弄され、クソゲーの何たるかが見失われつつある中で、様々な試みが行われた。
『猿』は「不条理」ではない純粋なる「無価値」を追究し、『ジャンライン』はパッチによって「進化」する新時代のクソゲーのあり方を示した。
そんな中で、『メジャー』が投げ込んだ「直球」がスレ住人の心をつかんだのは、それが最も力強く、クソゲーのあるべき姿を示したからであろう。
──ゲームを手にした「喜び」、クソとわかった時の「悲しみ」、理不尽な大人への「怒り」、そして、みんなで悪態をつく「笑い」──
幼い日のほろ苦い原風景が──見失ってしまった「クソゲー」の真の味わいが──本作とその周囲にはあったのだ。
そんな本作に感謝し、最大限の賛辞を送ることで2008年KOTYを締めくくりたい。
「追 求 し た の は 、 本 格 ク ソ ゲ ー」
2007年、四八(仮)というパンドラの箱級の災厄(クソゲー)が世に放たれてしまった。
その悪魔の所業によりスレ住人…もとい子羊たちの目も肥えてしまい、
ちょっとやそっとの駄ゲー、ガッカリゲーではノミネート不可という高水準(低水準?)が求められるようになってしまった。
……これが世に言う四八ショックである。
クソゲーオブザイヤー2008 「クソゲー黙示録」
第一の御使い(みつかい)がラッパを吹き鳴らす。 その音色は『殺意』
「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」2008年2月7日、タカラトミーより
・ジャンルがドラマティックアクションベースボール。この時点で既に地雷臭ぷんぷん。
・何度もしつこい位に現れる操作説明画面。お節介を通りこして殺意が芽生えそうな親切設計。
・さらに、毎回の投球時にもデモが流れるという至れり尽くせり仕様。踏んだり蹴ったりとも言う。
・結果、1試合2時間以上という忍耐プレイ時間。ある意味現実と同じ本格的時間設定。
・端折りすぎで、原作知らない人お断りのストーリー展開。ファンじゃないなら買うなと言わんばかり。etc…
今年の開幕投手を見事飾ったクソゲーである。ブチ切れる前に表に出て実際に野球でもやったほうが賢明かもしれない。
第二の御使いがラッパを吹き鳴らす。 すると死者が蘇り、歩きだした。
「 奈落の城 一柳和、2度目の受難」 2008年3月6日、日本一ソフトウェアより
・移動時の3D操作が最悪。リアルにプレイヤーが酔い止め薬を常備しなければいけない。
・フラグを立てるための総当り進行。しかも聞き込みの際に登場人物も勝手に移動しているので執拗なまでのセーブ&ロード
・ネタバレは避けるが犯人がアレ。例えるなら、シャーロック・ホームズの推理もので殺人犯が実は幽霊だった!!とかいうレベル。
…とまあここまでならフツーにガッカリゲーではあるが、このゲーム、フラグ管理に重大な穴があり、
・死んだはずのキャラが何故か館を闊歩している。
・話すと、『テキストがまだない』という明らかにミステリーを超えている不可解セリフ。
という奈落のズンドコに突き落とされそうな作品としてノミネート候補に。
ただ、恐ろしいことにこれでもまだ候補内では「小物」といわれる始末。今年のレベルの高さに畏怖する事に。
第三の御使いがラッパを吹き鳴らす。 …哀れな子羊たちよ。汝らは紅い銃を手にした地獄の総統の名を呼ぶがよい。
「大奥記」2008年6月5日 グローバル・A・エンタテインメントより (開発はダフト)
・最下位帝王「デスクリムゾン」と同じレビュー評価、『13点』。スレ内で危惧(期待?)の声が高まる。
・大奥を舞台に女の戦いを描くというどの層を狙ったのかサッパリなゲーム。しかも開発が2年間延期。
・絢爛豪華な大奥というより、質素倹約政策の吉宗というべきグラフィック。さらに机や背景にめり込むめり込む。
・移動は『ホバリング』襖の開閉は『サイコキネシス』とまで揶揄されるほどの貧弱モーション。大奥の舞台は武士の時代です。
・ゲーム内容、クライマックスの申し開きパートもこの上なく微妙。
・「これkら」という江戸時代を時空間ワープするようなありえない誤字。ラピュタに例えれば一気に成層圏までぶっ飛ぶような禁断のワード。
大奥の発するクソゲー瘴気はゲーム内だけにとどまらず。
・開発会社のサイトでは「プログラム以外はかかわっておりませぬ」というリアル申し開き。
・発売日前にもかかわらず買取の提示金額が驚きのプライス「200円」。
という珍事の勃発。この悪女の園で6月の時点で既に大賞は決まったか?と思われた。
第四の御使いがラッパを吹き鳴らす。 「真の地獄はこれからだ」
「神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア」2008年10月9日 アイディアファクトリーより(開発はアスミック・エース エンタテインメント)
・以前にも「転生學園幻想録」という「東京魔人學園」パクッたような作品を作った前科のある開発チーム。
・おまけに同じ絵師を起用するあたりに周到な計算を感じる。もはやフィッシング詐欺。伝説のオススメシールを超えてるかもしんない。
そもそも、IFのゲームは低水準の地雷ではあるがそこまで警戒するほどでもないだろうというのが大半の意見だった、が。
対人地雷どころか核爆弾級、メギドの火に灰も残らなかった者が続出。いわく、
・学園なのに学園ほとんど関係ない。
・麻痺させてしまえばラスボスでも簡単に屠れるという底の浅さ。
・出会った次の瞬間にすぐに恋人になってるという、次元の断層かと疑わんばかりの簡略ストーリー。
・「友情パワー」をはじめ、厨ニを通りこしてもはやカルト宗教みたいな技。(しかも表情が死んでる。)
彼らは、ゲーム開発ではなくプロの詐欺集団としてもやっていけるかもしれない。是非悔い改めやがりなさい。
第五の御使いがラッパを吹き鳴らす。 その響きは「無価値」
「プロゴルファー猿」2008年10月23日 バンダイナムコゲームスより (開発はエイティング)
下の下には下がいた。
・ファミ通のレビューでオール3点という史上最低点をたたき出す。
当然、スレの子羊たちは大いに沸いた。が内容はクソゲーというより単に『薄い』物であった。
・選択キャラは6人。ところがエンディングも変化せず。
・そのエンディングすら10分弱で到達できる、時間のない人にやさしい仕様。
・そのくせお値打ち価格フルプライス6090円(税込)。1分あたり609円くらい。爆死!!
・CM、PVの出来はかなり良かった。が上記、内容スカスカの状況に『ワイは詐欺や、プロモーション詐欺や!!』との名言が出る。
命をかけたその一打で白いボールとともに火と燃えてしまった勇者たちに敬礼。
ここで、ノミネートされなかった作品についても少し触れておこう。
「ポイズンピンク」
・テンポが悪いくらいの凡ゲー。
「メダルオブオナーヒーローズ2」
・32人オンラインが無いことを発売直前までひた隠すなど余罪はある
・とはいえオフ内容はボリューム不足だがFPSとしては良ゲー~凡ゲー。
「公園で遊ぼう」
・クソゲーの範疇ではあるがやってるうちに気に入ってしまった。との意見もあり、インパクトに欠けた。
『ダービータイムオンライン』
・「未出走の馬が優勝」バグや、酷いオンラインモードが話題になったものの、
・その後サーバー強化、パッチによる改善、ノミネートは難しいとの結論に。
・とはいえオンゲーとパッチのあり方にノミネートの指標を示した点は大きい。
そして 第六の御使いがラッパを吹き鳴らした。 誰が其の怪獣と戦えるか?
「ジャンライン」2008年9月25日 レコムより。さらに12月4日、パッチ配信。
オンライン対応麻雀ゲーム。テーブルゲームでクソが出るなどとありえないことではあるが
・フリーズする。
・点数計算がおかしい。
・牌の一部が表示されない。
さらにはプログラムは麻雀知らない人が組んだんじゃ?との疑惑まであがり(実際社員によるブログは麻雀知らない人が書いていた)
麻雀というファミコン時代から確立されたゲームであるにもかかわらずノミネート。
……だが、これで終わりにはならなかった。むしろここからが真のカタストロフ(破滅)である。
前述の12月4日。ジャンラインのパッチが配布される。
そもそもパッチとはプログラム上の穴を埋め動作を正常にする目的の追加プログラムなのだが、
・パッチを当てたらさらにフリーズが酷くなった。
・牌が斜めになったりポンやカン時にまったく違う牌が巻き込まれる。
・ロンしようとしたら先に順番無視して相手に上がられた。
他多数、修正パッチであるにもかかわらず症状をさらに悪化するというサイバーテロを引き起こした。何考えてんだレコム。
余談だが、ダウンロードキャラのジャッシー(実はこのスレ住民が命名)という四八マンに続く第二のマスコットも誕生し、
ジャンラインの勢力を更に磐石にすると思われた。…だが。
今年の大賞を発表しよう。
最後の御使いがラッパを鳴らす。 「ヒーローはこの世の終わりにやってくる」
「メジャーWiiパーフェクトクローザー」12月11日タカラトミーより(開発はドリームファクトリー)
年末。ついにサタンが降臨してしまった。翌日に某ニュースサイトにまで報じられてしまうほどの内容の悲惨さ。
・バッターの超絶背面打法。(バッターが逆向きになる)メジャーはいつから超人ベースボール漫画に!?
・キャッチャーの驚異的瞬発力。(バグにより捕手がセンター前まで走ってフライを捕る)こいつら人間じゃねえ。
・そして審判も逆向き(この現実から目をそむけているという説まで出てくる始末)
・さらには前作にもましてストーリー端折り過ぎ。
・にもかかわらず原作のストーリー展開上、こっちの得点が勝っていても問答無用で延長戦になってしまう。
とまあ、挙げるだけ挙げたら何十項目にもなってしまうほどの深い闇。
あげくのはてに、主人公吾郎の首が逆になっているという衝撃的映像がニコ動とようつべに配信。
やはり悪魔の化身だったか。とスレの子羊たちは深い嘆きと爆笑による腹筋崩壊におそわれる。
・開発がクソゲーメーカーとして名をはせたドリフ(ドリームファクトリー)。これにより突撃した住人が絶叫(発狂)した。
・年末になって発見された説明書誤植。『十字(じょうじ)ボタン』『決(けつ)める』
・同じく名無しキャラを作成すると発現するさらに逝っちゃったバグ。
・なぜかタカラトミーのホームページにアクセスするとPASSを要求される。
など現在進行形で出てくるネタ。
なお大賞を選ぶ際ジャンラインとメジャーはほぼ並んだ。スレの子羊たちも激しく対立。
麻雀VS野球。黙示録の怪獣VS選ばれし悪魔の投手。どちらが大賞でも遜色ないネタ&クソさではあったのだが。
・「パーフェクトクローザー」小学生が買うのを黙ってみてた。
・店員だけど「パーフェクトクローザー」を薦めて買わせた。
という『悪の手先』の活躍もあり相当の子供たちが聖なるクリスマスに『致命的な心の傷』を負っただろう事を考慮しその名を知らしめる目的で(僅差ではあるが)
「メジャーWiiパーフェクトクローザー」を大賞にえらんだ次第である。
今年を振り返るにあたり、思い当たるのはやはり「なるべくしてクソゲーになった」という因果の輪を地でいくような作品ばかり。
そんな2008年度にこの言葉を送ることで締めくくりたいと思う。
「追 求 し た の は 、 本 格 ク ソ ゲ ー」
2007年、あの「十年に一度」とも言われた「四八(仮)」が出現し、スレを跋扈した。
そのありえないクソさはスレ住人の目を肥やしてしまい、以後、普通ならノミネートされていたであろうソフトもスルーされていくという、
当スレ的には異常な事態を齎すに至った。
そして2008年、この「四八(仮)ショック」とも言える異常事態によりクソゲー凶作の年になるのか…とさえ言われた。
しかし、いざ蓋を開けてみればそのような危惧も杞憂でしかなかったことを、その時はまだ知る由もなかった。
まず開幕の先発投手を務めたのが「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」
一つの試合中に何度も見せられる一枚絵の操作説明画面や、1球1球投げる度に流れるデモ。
それ故1試合に2時間以上かかるのが普通という、ゲーム上で野球のプレイ時間の再現を見事にやってのけた。
その割にADVパートは圧縮しすぎで原作ファン以外お断りという残念な出来になっている。
まさにジャイロボールの名に恥じぬ、剛速球のクソであった。
次に、「奈落の城 一柳和、2度目の受難」
ADVであり、前作が好評だった本作たが、不条理な謎解き、フラグ管理の甘さでまさかの話題作となった。
死んだはずの人になぜか再会し、話し掛けると「テキストがまだない」と表示されるあたり、出来は推して知るべし。
これ以降、暫くの間ノミネートクラスのクソゲーも無く、スレはガス欠状態に陥るが、夏を迎える直前に『規格外のクソ』という燃料が投下され、スレも活気を取り戻した。
2年の延期の末、ファミ通のクロスレビューで13点の「大奥記」
ホバリングで移動して、襖は自動ドアならぬ自動襖という、江戸時代の時代設定と現代技術の危険なコラボレーション。
SFCどころかファミコンクラスのしょぼいグラフィックかと思いきや尻だけはHD画質。
そうでなくても不明な訴求層がますます不明になる事態を齎した。
さらに「これkら」という、江戸時代から一気に現代世界にユーザーを引き戻す誤字が用意されており、公式HPまで「『大奥記』は底知れぬ伏魔"伝"」という始末。
なお、本作は発売前日に「提示された買取価格が『200円』」という怪挙を打ち立てている。
360待望の麻雀ゲーム「ジャンライン」
クソゲーとしての標準スキルともいえるフリーズバグは勿論標準装備。
オンライン対戦においては、「部屋作成者が常に親になる先手必勝ルール」「ゲーム中に誰かが落ちたら対戦強制終了のちゃぶ卓返しルール」
「連戦不可能な一期一会ルール」といった斬新なルールを数多く採用。
社員が喋ったような出来のボイスデータを販売した上で、数日後に販売中止&返金対応。
挙句の果てに発売初日に謝罪文、さらには社員ブログ書き手が麻雀素人をカミングアウトという香ばしい公式運営。
老舗アイデアファクトリー渾身のクソ「神代学園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア」
タイトルに「學園」と謳いながらも學園とは無関係、そのくせ「幻想録」などの転生學園シリーズ続編を思わせる「幻光録」というタイトル、同じ絵師を起用したジャケ絵。
もはや詐欺でしかない。
ストーリーは一本道、キャラ別EDも存在しないのに、なぜか好感度別にイベントが存在。
戦闘は「麻痺させて後はオートバトルで放置」でラスボスですら屠ることが出来る。
この結果、プレイ時間6時間でクリアという据え置きRPGでは驚きのお手軽さを実現した。にもかかわらず、本スレで
「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」
という名言まで生まれた。
クル・ヌ・ギ・ア
「これからが本当の地獄だ」
ファミ通評価が全員3点でスレ住人も『ドギャ』な「プロゴルファー猿」
「ドラゴンボールに例えると孫悟空、孫悟飯、ヤジロベー、サイバイマン、ビーデル、ビーデル(髪切ったver)」と例えられる微妙すぎるキャラ選択。
「ストーリーモードが無い」「ゴルフゲームだと思ったら双六ゲームだった」といった立派な詐欺ぶり。
発売前のPVの出来が良く、「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」とのPV製作者への敬意の声が上がる。
これ以外にも、『ポイズンピンク』『メダルオブオナーヒーローズ2』『プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~』
といった2006年までならノミネートクラスのクソも散見されたが、乱世の中に掻き消された印象がある。
『ダービータイムオンライン』は、「未出走の馬が優勝」などのバグなどで話題になったものの、その後サーバーの強化やパッチ適用で改善され、KOTYの第一線からは姿を消した。
時は流れ、年末を迎えた。だが、年末には魔物が待っているという言葉は2008年も例外ではなかった。
ただ、これまでとは決定的に異なる点があった。それは、今回これまでノミネートされたソフトがさらなる「進化」を遂げ、再びKOTYの表舞台に立った点にある。
「ジャンライン」は修正パッチによりさらなるクソを進化させ、真「ジャンライン」として生まれ変わった。
一方、2008年開幕先発を務めた「メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!」も果てしないクソな進化を遂げ、「メジャーWii パーフェクトクローザー」として帰ってきた。
そして、両者相譲らぬ激しいせめぎ合いを繰り広げることとなる。
では、2008年のクソゲーオブザイヤー大賞を発表しよう。
今回は、特にこれまでにないハイレベルな戦いが繰り広げられ、大賞の選考も大きく2つに意見が分かれた。
そしてついに、除夜の鐘を以てしても雌雄を決することは不可能だった。よって栄誉ある2008年度大賞は2つ
「ジャンライン」(パッチ対応済)
「メジャーWii パーフェクトクローザー」
まず、両者に共通することとして、「運営・公式の対応がクソ」「バグまみれで既にゲームとして成立すらしていない」
が挙げられるが、寧ろ、これらは今日のクソゲーには必須条件なのかもしれない。
まずは、「真『ジャンライン』」こと「ジャンライン」(パッチ対応済)から。
「たとえ不良品であっても、修正パッチを当てれば多少はまともになるだろう」と考えるのが世の常だろう。
しかし、「ジャンライン」はその「常識」が単なる「幻想」でしかないことを思い知らせたのである。
そう、ジャンライン製作会社のレコムが送り出したパッチの内容は、「修正」というよりも「改悪」、もしそうでなければ何かの呪いとしか思えないものであり、
いわば怪我をして病院に行ったら医療ミスどころか得体の知れぬ怪獣に改造されて戻ってきた、そういう惨状であった。
「カン」や「ポン」をしたら何故か関係ない牌が巻き込まれ、あまつさえ多牌や少牌になるのは日常茶飯事。
さらに、麻雀業界震撼モノの新ルール「先ヅモ」システムの搭載をもやってのけた。
「ロンしようと思ったら先にツモられていた。何を言っているのかわからねーと思うが(以下AA略)」
さらに、「牌がちょっと斜めになった」「手牌が突然ワープ」「まだ切ってもいない牌で上がられた」
「牌の選択が飛び飛びにしか出来なくなった」、といった現象が当スレに逐次報告された。
このように、卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を目の当たりにし、スレでは
「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」という声も上がった。
そう、「宇宙麻雀」を超越した「四次元麻雀」がここに現れたのだ。
それだけではない。「パッチ配信直後に公式ブログと掲示板が閉鎖」「メールに対するコピペ丸出しの返信」といった運営の対応も香ばしさ満点で、スレを沸かせた。
中でも、「抗議の電話に対する『覚悟しています』という悲壮な返事」は、スレ住人に会社の悲惨な状態を垣間見せるのに十分すぎるものだった。
そのクソさは、四八マンに次ぐ当スレマスコット『ジャッシー』を生み出し、「麻雀ゲームのようなもの」という新ジャンルを打ち立てた。
また、今後あらゆるソフトに「パッチを当てるべきか否か」という、パッチに対する不信感を否応なく植え付けたという点においても本作の功績は大きい。
次に、「メジャー2」こと「メジャーWii パーフェクトクローザー」。
1作目がクソゲーだった上、2作目を年末に照準を合わせて出すだけに「次こそは期待」いう甘い期待も持ちたくなるが、この「メジャー2」は、そんな期待も全く意に介さないクソだった。
まず、投げる球はストレートしかなく、しかも必ずストライクになる。その上投げてもスタミナが減らないという点が何とも男らしい。
ボール球を投げる方法はあるが、いざ投げるとかなりの確率でフリーズ。相手よりも自分との駆け引きが熱いボール球というのはあっただろうか。
そして、「1アウトのはずが2アウトになる、通称『ジャイロキャッチ』」はスレ住人の度肝を抜いた。
「明らかにエラーなのにアウトになる謎判定」「壁をすり抜けて場外へと走り去るライト」、
さらにはどこに転がっているボールでも俊足キャッチャーが拾いに行く「センター前キャッチャーゴロ」等といった現象は枚挙に暇がなく、
「センター前キャッチャーゴロでファール」という訳の解らない事態まで発生した。
そして、「バッターと審判が後ろ向きになった」「ゴローの首までもが180度回転した」「サヨナラ負けになったのに優勝した」といった珍現象の報告が、
今なお当スレに上がってきている。
こうした艱難辛苦を乗り越え、いざスタッフロールを見るとそこには「ドリームファクトリー」の文字が。
さらに「プログラマー三人体制」という衝撃の事実、ついには公式サイトにパスワードをかけるという公式サイドの香ばしい対応ににスレは沸き立った。
「コンボイの謎」から連綿と受け継がれたキャラ地雷魂を持つ『タカラトミー』、クソゲーマイスター魂を存分に見せ付ける『ドリームファクトリー』、
まさに『最凶』と言ってもいいバッテリーが生み出したものは、それこそ「野球ゲームのようなもの」としか言いようがない新ジャンルだった。
いつしか「十字(じょうじ)ボタン」「決(けっ)める」といった取説の誤植をもじった『ジョージ・ケツメル』という名前が審判のあだ名になっていたことも付け加えておこう。
本作は、Xmas・年末商戦、劇場版公開といった子供の期待をまさしく「パーフェクト」に「クローズ」したという点において、タイトルの名に恥じないものとなった。
2008年は、年初の予想とは裏腹に、終わってみればクソゲー大豊作の年だったと言える。
とりわけ、「メジャー2」、真「ジャンライン」といった時空の歪みすらをも有したクソゲーを前にしては、
かの「十年に一度」という言葉さえも霞んでしまった。
2007年のKOTYスレにあった「脱力して出たクソより、全力で出したクソの方がいいに決まっているだろう」
という言葉を身をもって体現した、そういう規格外のクソゲーに恵まれた年だったとも言えよう。
以下の言葉をもって2008年のクソゲーオブザイヤーを締め括りたいと思う。
「追 求 し た の は 、 本 格 ク ソ ゲ ー」
突如現れた二対の巨塔の出現により、今年度の選考はこれまでも見たこともないほどに難航していた。
大方の予想通り、当初のKOTYは、究極改造を遂げて復活した「ジャンライン」と、それを追って現れた最強最後の超魔球「メジャー」との一騎打ちであった。
だが、ここで悲劇が起きる……
議論の詰めにおいて、両陣営の支持者が空虚な論争を続けていくうちに、それぞれの看過できない欠点が浮き彫りになってしまったのだ。
まずジャンラインはジャンルの性質上、ゲームと言うより「麻雀再現ソフト」の範疇であり、「PC上で散々見慣れた、ただの粗悪ソフト」に過ぎないと批判された。
また、凶悪パッチやジャッシーが出た当時の雰囲気が伝わりにくく、麻雀のルールに疎い住人も多かったので、熱狂者や被害者以外の支持を得られなかった。
他方、やや優勢であったメジャーは、バグが起こらなかった場合、ルールは破綻しているが擬似的な野球としては辛うじて遊べる代物であった。
それに加えて、多くのバグが再現性不明確な「反転バグ」の副産物であり、核地雷を期待して買った住人から失意と同情の混じった声が多く寄せられた。
稀代の両雄は、一方は「クソ『ゲー』」ですらない真正の「ゴミ」であり、もう一方はネット全盛の情報爆発によって作り上げられた「偶像」であった。
残念ながら両者ともKOTYとは言い難い……そこで、この二つの逸品はいつまでもKOTYの歴史に残すべく、創立以来初の「失格」とすることでその栄誉を讃えたい。
さて、以上の二つを除いた全ノミネート作品から、今年のクソゲーオブザイヤー大賞を発表したい。
最後まで混迷を極めたKOTY 2008の覇者……それは『プロゴルファー猿』である。
『大奥記』から幕を開けた群雄割拠のクソゲー戦国時代において、KOTYは「クソゲーが何たるか」という根本的な命題に苦悶しつづけた。
そんな中で、『プロゴルファー猿』は、いついかなる時に誰が見ても「ゲームであり、クソゲーである」と自信を持って言える質の高さを持っていた。
それも、フリーズやバグなどの「不条理」なしに、ゲームとして完璧な「合理性」を満たしながらもクソゲーたり得るという高度な逆説を我々に提示したのである。
本作の登場を以って、クソゲー界のコペルニクス的転回が起きたと言えよう。
思えば2008年は激動の年だった。
「四八ショック」と呼ばれる、前年王者の残した爪痕……巨大な幻影に翻弄され、クソゲーの何たるかが見失われつつある中で、様々な試みが行われた。
中でも、パッチによって「進化」する新時代のクソゲーのあり方を示した『ジャンライン』と、奇跡のバグによって「笑いの神」からの寵愛を証明した『メジャー』……
冬枯れの中で我々の心を灯した二つの大輪の花は、栄華を極めるKOTYの輝かしい歴史の中でも、いつまでも色褪せることなく咲き続けるだろう。
そんな中、颯爽と登場した『猿』は到来を予感させるクソゲー新世紀にふさわしい「原点回帰」と言われるものであったと思う。
高容量のDVDの中に詰まっていたのは、幼いころ、低容量のファミコンカセットの中に置き忘れた夢ではなかったか。
──大好きなキャラクターの描かれたゲームソフト。歓喜と共に電源を入れて‥…すぐに裏切られ、心に浮かぶ焦りと寂しさを必死に否定していた──
「キャラゲーは絶対に買ってはいけない」……あの日涙とともに飲み込んだはずの塩辛い教訓を、猿は再び教えてくれたのだ。
そんな本作に感謝し、最大限の賛辞を送ることで2008年KOTYを締めくくりたい。
「ワ イ は 詐 欺 や ! プ ロ モ ー シ ョ ン 詐 欺 や !! 」
四八(仮)』の出現した2007年をジャイアントインパクトに例えるならば、2008年はカンブリア爆発と言えるだろう。
あらゆるジャンルのクソゲー達が、次世代の覇権を握ろうと跳梁跋扈したのが2008年である。
あるものは四八が示したクソゲーの概念に真っ向から立ち向かい、あるものは四八と同じ道においてそれを超えようとした。
まず、KOTY 2008の始球式から叩きつけられたデットボールは『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』。
投げた瞬間に分かるストライク判定、1球1球の投球・打球に挿入されるデモ、ストーリーはおまけとでも言わんばかりの極限圧縮。
一試合に二時間以上かかるというリアリティは、ネタとして楽しめる範疇でなく本気で辟易してしまうほどの玄人志向を突きつけた。
しかし、その後は不作が続いた。
行方不明者を放置して脱出し、死んだはずの人物から「テキストがまだ無い」という衝撃の真相が語られる『奈落の城 一柳和、2度目の受難』…
ソフト内にはかけらも存在しない「32人同時対戦」を売りにして大規模詐欺行為を行った『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2 』…
いずれも例年なら燦然と名を連ねるはずのクソゲーだったが、ノミネートしないまま見送られた。
「ゲームとして成立していれば、問題ない。」住人はまだ、前年王者がもたらした『四八ショック』から立ち直ることが出来なかった。
そんな長すぎる厳冬に飢える6月、ようやく遅咲きの春が訪れた。二年の長きに渡り延期を重ねた超大作『大奥記』の上洛である。
ファミ通レビューで「デスクリムゾン」と同評価、発売前にして買取価格200円という驚異的な前評判は、やはり伊達ではなかった。
自動ドアならぬ『自動襖』、ホバリング歩行、表情は全編固定。異常に多い部屋数とロードに耐え、「サマルトリアの王子を探すだけ」と例えられる内容。
八代将軍吉宗も舌を巻くであろう倹約・改革を徹底したその姿は、まさに公式サイトの言うところの「伏魔『伝』」と称するにふさわしかった。
続いて、超時空ジャンデレラこと『ジャンライン』が華々しく戦線に躍り出た。驚いたことに、本作は麻雀ゲー、つまりテーブルゲームである。
クソ化が半ば不可能な同ジャンルにおいて、フリーズ頻発、点数計算が異常、同プレイヤー同士の連戦不可、と全てが崩壊していた。
他にも、素人ボイスをダウンロード販売するも直後に中止・返金対応したり、公式ブログを麻雀素人が書いていることをあっさり告白したりと、
新人らしい初々しさと敢闘精神に溢れていた。だが、あくまでもこの時点では中粒程度にしか見られていなかったはずだった。
クル・ヌ・ギア
にわかの豊作に浮き足立つKOTYに、『これからが本当の地獄だ』と言わんばかりの怪作が届けられる。
『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』……新興勢力が渦巻くKOTY 2008に、老舗・アイディアファクトリーの放った刺客である。
不快感だけを六時間に濃縮した超絶ストーリーや、敵よりもプレイヤーにダメージを与える「合体技」の迷ゼリフ、
本筋に一切影響しない好感度システムや、マヒさせてオートで済む戦闘は『動画の無いムービーゲー』とでも呼ぼうか。
パッケージに酷似タイトルの絵師を起用するという離れ業をやってのけ、クソゲー会社の基本精神である「釣り」の商魂をまざまざと見せ付けた。
息もつかせぬ波状攻撃はさらに続く。ファミ通誌上で史上初の評点オール3を成し遂げた隠れていない伏兵『プロゴルファー猿』が横殴りの奇襲を仕掛けてきた。
「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」──本作の偉業に対して、ファミ通編集部も賛辞を惜しまない。
このゲームは決してバグが多い訳ではない。キャラゲーなのに6人、ストーリーがない、開始10分でエンディング、飛球の方向は一定……
全てが仕様であり、ゲームとしての価値が全く無いのだ。本編より豪華なCMを揶揄して「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」と叫ばれたのも記憶に新しい。
かくして、KOTY 2008が飽食ムードで審議に入ろうとしていた十二月……さらなる激動が急転直下の幕を開けるとは誰も予想していなかった。
まず、『パッチ』によって再誕を果たした『ジャンライン』が再び門を叩いた。
「パッチをあてたら更にクソゲー化した」の一言に集約される異常性は、クソゲーマーにすら理解不能の域に達した。
「亜空カン」で無関係牌を喰い、牌が傾いたり選択不能になったり融合したりと、もはや「四次元麻雀」と評するほかない。
意図しようとしまいとフリーズが頻発し、ロンをしたらツモられる意味不明の現象や、手牌を奪われれば上がり不能すらありえる。
パッチ前はまともな麻雀をしていなかったが、パッチ後にはまともでない『麻雀』をすることすら不可能になったのである。
ともあれ、本作の再臨劇により、「パッチにより悪化した場合は再ノミネート」という記念すべき新ルールがKOTYに樹立された。
もはやこれで決まりだろう……突然の急襲に沸きかえったKOTYスレだったが、やがて、再びつかの間の安堵に包まれていった。
だが神はKOTYに安息を与えなかった。「クソにはクソを、進化には進化を」。九回裏のここ一番、さらなる進化を遂げた男が帰ってきたのだ。
今年の先発を努めた、茂野吾郎の再登板、『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
本作のクソゲーとしての資質は、操作不能で勝手に盗塁してアウトになる走者、金属バットの快音を鳴らす木製バットなど、前作を着実に上回っている。
だが、審判と打者がピッチャーに背を向け、キャッチャーがセンター前ヒットを追いかけるという「本格野球ゲーム」を、一体誰が予想できただろうか。
戦慄する住人をよそに動画や画像によって続々と証拠が提出され、その評判は瞬く間に大手ニュースサイトに飛び火し、KOTYは大混乱の様相を呈した。
公式サイトに謎のパスワードをかけたタカラトミーのウェブ担当は先見の明があったと言えよう。
なお、プレイ開始約二時間後に待つエンディングに、開発がドリームファクトリー、プログラマーが三人という悪夢が鎮座していたことも特記せねばなるまい。
「年末には魔物が潜んでいる」とはよく言ったものだが、なぜ神は二本の英雄を同じ時期に産み落としたのであろうか。
究極改造を遂げて復活した「ジャンライン」、最強最後の超魔球「メジャー」。突如現れた二基の巨塔を前に、KOTY 2008の選考は難航の一途を辿っていた。
いずれ劣らぬ両雄であるが、その頭上に輝く王冠の数はたった一つしかない。優勢なのはメジャーであったが、ジャンラインも一歩も譲らなかった。
議論がさらなる議論を呼び、紛糾に紛糾を重ねる。クソゲーとは何か、KOTYとは何なのか。……果たしてこの空虚な闘争に終着点はあるのか。
もはやKOTYそのものの存続が危ぶまれ始めたその時、住人たちはある一つの決定に意見の一致を見出した。
ジャンライン
「その 一線 を越えることなかれ」
再臨した『ジャンライン』は、もはや「ゲーム」でも「クソゲー」でもなかった。「商品未満」、「ただのゴミ」などという罵倒すらも生易しいものだった。
言うなればそれは天に滅するべき「存在自体の誤り」であったのだ。苦渋の末、我々は本作をKOTY史上初の「 失 格 」と処することに決定した。
稀代の新星により、ここにまた新たな歴史が刻まれた。二度と悲劇を繰り返さぬために、そして何より、その栄誉を後世に伝えてゆくために──
それでは、以上の一本を除く全ノミネート作品の中から今年のクソゲーオブザイヤーを発表したいと思う。
未曾有の激戦となったKOTY 2008を勝ち上がり、見事大賞に輝いた作品……それは『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
まず第一に、クリスマス・年末商戦・そしてメジャー劇場版公開という、子供たちの期待に応えて容赦なく全力でクソを投げつけた非情性が評価された。
特に、クリスマスプレゼントに沸き立つ子供たちの心を、文字通り完全に「クローズ」させた業の深さはまさにクソゲーの鑑であると言えよう。
だが何より決め手となったのは「笑いの神」から寵愛されているとしか考えられない無数のバグの衝撃、いや「笑撃」の大きさであろう。
ベンチに投げ込まれた暴投をその場で瞬時にミットに収める一塁手、球場の壁を突き抜けて消失する外野手、1キャッチで2アウトの「ジャイロキャッチ」。
点差に関わらず「原作通りに」突入する延長戦や、優勝決定戦で負けたのに勝ちルートのエンディングに突入するまさかの「逆転サヨナラ負け優勝」。
後ろ向きのバッターが何もない空間からセンターに向けて正確無比な打球を飛ばし、捕球もベースカバーもしない野手を尻目にキャッチャーが駆け上がる。
この惨状には、吾郎の首が180度反転したり、説明書の誤植から「ジョージ・ケツメル(十字・決める)」と名付けられた球審が背を向けるのも無理は無い。
「コンボイの謎」から続くキャラゲー地雷の老舗『タカラトミー』と、クソゲーマイスターと呼ばれた『ドリームファクトリー』……
二つの巨星の運命的な邂逅により、キャラゲーとしてもクソゲーとしても規格外の、純粋なる「クソ」の金字塔が見事誕生した瞬間であった。
思えば2008年は激動の年だった。
「四八ショック」と呼ばれる、前年王者の残した爪痕……巨大な幻影に翻弄され、クソゲーの何たるかが見失われつつある中で、様々な試みが行われた。
『猿』は「不条理」ではない純粋なる「無価値」を追究し、『ジャンライン』はパッチによって「進化」する新時代のクソゲーのあり方を示した。
そんな中で、『メジャー』が投げ込んだ「直球」がスレ住人の心をつかんだのは、それが最も力強く、クソゲーのあるべき姿を示したからであろう。
──ゲームを手にした「喜び」、クソとわかった時の「悲しみ」、理不尽な大人への「怒り」、そして、みんなで画面に罵声を浴びせる「笑い」──
幼い日のほろ苦い原風景が──見失ってしまった「クソゲー」の真の味わいが──本作とその周囲にはあったのだ。
そんな本作に感謝し、最大限の賛辞を送ることで2008年KOTYを締めくくりたい。
「追 求 し た の は 、 本 格 ク ソ ゲ ー」
『四八(仮)』の出現した2007年をジャイアントインパクトに例えるならば、2008年はカンブリア爆発と言えるだろう。
あらゆるジャンルのクソゲー達が、次世代の覇権を握ろうと跳梁跋扈したのが2008年である。
あるものは四八が示したクソゲーの概念に真っ向から立ち向かい、あるものは四八と同じ道においてそれを超えようとした。
まず、KOTY 2008の始球式から叩きつけられたデットボールは『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』。
投げた瞬間に分かるストライク判定、1球1球の投球・打球に挿入されるデモ、ストーリーはおまけとでも言わんばかりの極限圧縮。
一試合に二時間以上かかるというリアリティは、ネタとして楽しめる範疇でなく本気で辟易してしまうほどの玄人志向を突きつけた。
しかし、その後のKOTYは未曾有の「心理的不作状態」が続く。
行方不明者を放置して脱出し、死んだはずの人物から「テキストがまだ無い」という衝撃の真相が語られる『奈落の城 一柳和、2度目の受難』
ソフト内にはかけらも存在しない「32人同時対戦」を売りにして大規模詐欺行為を行った『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2 』
いずれも例年なら燦然と名を連ねるはずのクソゲーだったが、ノミネートしないまま見送られた。
KOTY住人はまだ前年王者がもたらした「四八ショック」から立ち直れていなかったのである。
そんな長すぎる厳冬に飢える6月、ようやく遅咲きの春が訪れた。二年の長きに渡り延期を重ねた超大作『大奥記』の上洛である。
ファミ通レビューで「デスクリムゾン」と同評価、発売前にして買取価格200円という驚異的な前評判は、やはり伊達ではなかった。
自動ドアならぬ「自動襖」、ホバリング歩行、表情は全編固定。異常に多い部屋数とロードに耐え、「サマルトリアの王子を探すだけ」と例えられる内容。
八代将軍吉宗も舌を巻くであろう倹約・改革を徹底したその姿は、まさに公式サイトの言うところの「伏魔"伝"」と称するにふさわしかった。
続いて、超時空ジャンデレラこと『ジャンライン』が華々しく戦線に躍り出す。驚いたことに、本作は麻雀ゲー、つまりテーブルゲームである。
クソ化が半ば不可能な同ジャンルにおいて、フリーズ頻発、点数計算が異常、同プレイヤー同士の連戦不可、と全てが崩壊していた。
他にも、素人ボイスをダウンロード販売するも直後に中止・返金対応したり、公式ブログを麻雀素人が書いていることをあっさり告白したりと、
新人らしい初々しさと敢闘精神に溢れていた。だが、あくまでもこの時点では中粒程度にしか見られていなかったはずだった。
クル・ヌ・ギア
にわかの豊作に浮き足立つKOTYに、「これからが本当の地獄だ」と言わんばかりの怪作が届けられる。
『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』新興勢力が渦巻くKOTY 2008に、老舗・アイディアファクトリーの放った刺客である。
不快感だけを六時間に濃縮した超絶ストーリーや、敵よりもプレイヤーにダメージを与える「合体技」の迷ゼリフ、
本筋に一切影響しない好感度システムや、マヒさせてオートで済む戦闘は「動画の無いムービーゲー」とでも呼ぼうか。
パッケージに酷似タイトルの絵師を起用するという離れ業をやってのけ、クソゲー会社の基本精神である「釣り」の商魂をまざまざと見せ付けた。
息もつかせぬ波状攻撃はさらに続く。ファミ通誌上で史上初の評点オール3を成し遂げた隠れていない伏兵『プロゴルファー猿』が横殴りの奇襲を仕掛けてきた。
「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」──本作の偉業に対して、ファミ通編集部も賛辞を惜しまない。
このゲームは決してバグが多い訳ではない。キャラゲーなのに6人、ストーリーがない、開始10分でエンディング、飛球の方向は一定、
等々全てが仕様であり、ゲームとしての価値が全く無いのだ。本編より豪華なCMを揶揄して「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」と叫ばれたのも記憶に新しい。
そして十二月、想定外の飽食ムードの中で審議に入ろうとしていたKOTYに予想を遥かに超えた2作品が投入された。
まず、パッチによって再誕を果たした『ジャンライン』が再び門を叩いた。
パッチによる改善でKOTY候補から消えたゲームもある中で「パッチをあてたら更にクソゲー化した」報告の異常性はクソゲーマーにすら理解不能の域に達していた。
「亜空カン」で無関係牌を喰い、牌が傾いたり選択不能になったり融合したりと、もはや「四次元麻雀」と評するほかない。
意図しようとしまいとフリーズが頻発し、ロンをしたらツモられる意味不明の現象や、手牌を奪われれば上がり不能すらありえる。
パッチ前はまともな「麻雀」をしていなかったが、パッチ後には「まともでない麻雀」をすることすら不可能になったのである。
ともあれ、本作の再誕劇により、「パッチにより悪化した場合は再ノミネート」という記念すべき新ルールがKOTYに樹立された。
そしてこの時、我々は想像を超えた新機軸を前に「もはやこれ以上の糞は出ない」と考えていたのである。
しかし僅か一週間後、もう一つの激震がKOTYを襲うこととなる。
神はKOTYに安息を与えなかった。「クソにはクソを、進化には進化を」。九回裏のここ一番、さらなる進化を遂げた男が帰ってきたのだ。
今年の先発を努めた、茂野吾郎の再登板、『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
本作のクソゲーとしての資質は、操作不能で勝手に盗塁してアウトになる走者、金属バットの快音を鳴らす木製バットなど、前作を着実に上回っていた。
だが、審判と打者がピッチャーに背を向け、キャッチャーがセンター前ヒットを追いかけるという「本格野球ゲーム」を、一体誰が予想できただろうか。
戦慄する住人をよそに動画や画像によって続々と証拠が提出され、その評判は瞬く間に大手ニュースサイトに飛び火し、KOTYは大混乱の様相を呈した。
公式サイトに謎のパスワードをかけたタカラトミーのウェブ担当は先見の明があったと言えよう。
なお、プレイ開始約二時間後に待つエンディングに、開発がドリームファクトリー、プログラマーが三人という悪夢が鎮座していたことも特記せねばなるまい。
以上が本年のノミネート作品である。年初には「四八ショック」による不作が心配されたKOTY2008だが、結果的にはこれだけの良糞作品がそろった事をうれしく思う。
しかしながら我々はKOTY2008大賞発表を前に一つの悲しい報告をせねばならない。
『ジャンライン』をKOTY史上初の「 失 格 」とする。
再誕した『ジャンライン』は誰もが認める糞さを持ったソフトである。しかしながら『ジャンライン』はその糞さのあまり事実上プレイ不可能となった。
この惨状に対し発売元のレコムはサポートを実質放棄しており、ゲームとしての器に留まろうとする努力を何ら見せていない。
かの『四八(仮)』でさえ斜め上対応とは言え製品交換やバグ回避手段のアナウンスを行っていた事を思い出して頂きたいのだ。
クソゲーオブザイヤーとは素晴らしい糞さを持つゲームを称え、その年の最も優れた「クソゲー」に贈られる賞である。
当然審査対象は対象期間内に発売された「ゲーム」であり、「ゲーム」で無いものは審査対象とはならない。
我々はプレイ不可能なソフトを「ゲーム」として認めるわけにはいかなかった、この方向を突き詰めると「起動、即フリーズ」や「起動すら不可能」の様な荒野しか残されない。
それは我々が求める「クソゲー」では無い、故に『ジャンライン』をもはやKOTY審査対象「ゲーム」では無いと判断した。
ジャンライン
「その 一線 を越えることなかれ」
それでは、上記一本を除くノミネート作品の中から今年のクソゲーオブザイヤーを発表する。
未曾有の激戦となったKOTY 2008を勝ち上がり、見事大賞に輝いた作品。
それは『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
まず第一に、クリスマス・年末商戦・そしてメジャー劇場版公開という、子供たちの期待に応えて容赦なく全力でクソを投げつけた非情性が評価された。
特に、クリスマスプレゼントに沸き立つ子供たちの心を、文字通り完全に「クローズ」させた業の深さはまさにクソゲーの鑑であると言えよう。
だが何より決め手となったのは「笑いの神」から寵愛されているとしか考えられない無数のバグの衝撃、いや「笑撃」の大きさであろう。
ベンチに投げ込まれた暴投をその場で瞬時にミットに収める一塁手、球場の壁を突き抜けて消失する外野手、1キャッチで2アウトの「ジャイロキャッチ」。
点差に関わらず「原作通りに」突入する延長戦や、優勝決定戦で負けたのに勝ちルートのエンディングに突入するまさかの「逆転サヨナラ負け優勝」。
後ろ向きのバッターが何もない空間からセンターに向けて正確無比な打球を飛ばし、捕球もベースカバーもしない野手を尻目にキャッチャーが駆け上がる。
この惨状には、吾郎の首が180度反転したり、説明書の誤植から「ジョージ・ケツメル(十字・決める)」と名付けられた球審が背を向けるのも無理は無い。
「コンボイの謎」から続くキャラゲー地雷の老舗「タカラトミー」と、クソゲーマイスターと呼ばれた「ドリームファクトリー」……
二つの巨星の運命的な邂逅により、キャラゲーとしてもクソゲーとしても規格外の、純粋なる「クソ」の金字塔が見事誕生した瞬間であった。
思えば2008年は激動の年だった。
「四八ショック」と呼ばれる、前年王者の残した爪痕……巨大な幻影に翻弄され、クソゲーの何たるかが見失われつつある中で、様々な試みが行われた。
『猿』は「不条理」ではない純粋なる「無価値」を追究し、『ジャンライン』はパッチによって「進化」する新時代のクソゲーのあり方を示した。
そんな中で、『メジャー』が投げ込んだ「直球」がスレ住人の心をつかんだのは、それが最も力強く、クソゲーのあるべき姿を示したからであろう。
──ゲームを手にした「喜び」、クソとわかった時の「悲しみ」、理不尽な大人への「怒り」、そして、みんなで画面に罵声を浴びせる「笑い」──
幼い日のほろ苦い原風景が──見失ってしまった「クソゲー」の真の味わいが──本作とその周囲にはあったのだ。
そんな本作に感謝し、最大限の賛辞を送ることで2008年KOTYを締めくくりたい。
「追 求 し た の は 、 本 格 ク ソ ゲ ー」
『四八(仮)』の出現した2007年をジャイアントインパクトに例えるならば、2008年はカンブリア爆発と言えるだろう。
あらゆるジャンルのクソゲー達が、次世代の覇権を握ろうと跳梁跋扈したのが2008年である。
あるものは四八が示したクソゲーの概念に真っ向から立ち向かい、あるものは四八と同じ道においてそれを超えようとした。
まず、KOTY 2008の始球式から叩きつけられたデットボールは『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』。
投げた瞬間に分かるストライク判定、1球1球の投球・打球に挿入されるデモ、ストーリーはおまけとでも言わんばかりの極限圧縮。
一試合に二時間以上かかるというリアリティは、ネタとして楽しめる範疇でなく本気で辟易してしまうほどの玄人志向を突きつけた。
しかし、その後は不作が続いた。
行方不明者を放置して脱出し、死んだはずの人物から「テキストがまだ無い」という衝撃の真相が語られる『奈落の城 一柳和、2度目の受難』
ソフト内にはかけらも存在しない「32人同時対戦」を売りにして大規模詐欺行為を行った『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2 』
いずれも例年なら燦然と名を連ねるはずのクソゲーだったが、ノミネートしないまま見送られた。
住人はまだ、前年王者がもたらした『四八ショック』から立ち直れていなかったのだ。
そんな長すぎる厳冬に飢える6月、ようやく遅咲きの春が訪れた。二年の長きに渡り延期を重ねた超大作『大奥記』の上洛である。
ファミ通レビューで「デスクリムゾン」と同評価、発売前にして買取価格200円という驚異的な前評判は、やはり伊達ではなかった。
自動ドアならぬ『自動襖』、ホバリング歩行、表情は全編固定。異常に多い部屋数とロードに耐え、「サマルトリアの王子を探すだけ」と例えられる内容。
八代将軍吉宗も舌を巻くであろう倹約・改革を徹底したその姿は、まさに公式サイトの言うところの「伏魔『伝』」と称するにふさわしかった。
続いて、超時空ジャンデレラこと『ジャンライン』が華々しく戦線に躍り出す。驚いたことに、本作は麻雀ゲー、つまりテーブルゲームである。
クソ化が半ば不可能な同ジャンルにおいて、フリーズ頻発、点数計算が異常、同プレイヤー同士の連戦不可、と全てが崩壊していた。
他にも、素人ボイスをダウンロード販売するも直後に中止・返金対応したり、公式ブログを麻雀素人が書いていることをあっさり告白したりと、
新人らしい初々しさと敢闘精神に溢れていた。だが、あくまでもこの時点では中粒程度にしか見られていなかったはずだった。
クル・ヌ・ギア
にわかの豊作に浮き足立つKOTYに、『これからが本当の地獄だ』と言わんばかりの怪作が届けられる。
『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』新興勢力が渦巻くKOTY 2008に、老舗・アイディアファクトリーの放った刺客である。
不快感だけを六時間に濃縮した超絶ストーリーや、敵よりもプレイヤーにダメージを与える「合体技」の迷ゼリフ、
本筋に一切影響しない好感度システムや、マヒさせてオートで済む戦闘は『動画の無いムービーゲー』とでも呼ぼうか。
パッケージに酷似タイトルの絵師を起用するという離れ業をやってのけ、クソゲー会社の基本精神である「釣り」の商魂をまざまざと見せ付けた。
息もつかせぬ波状攻撃はさらに続く。ファミ通誌上で史上初の評点オール3を成し遂げた隠れていない伏兵『プロゴルファー猿』が横殴りの奇襲を仕掛けてきた。
「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」──本作の偉業に対して、ファミ通編集部も賛辞を惜しまない。
このゲームは決してバグが多い訳ではない。キャラゲーなのに6人、ストーリーがない、開始10分でエンディング、飛球の方向は一定、
等々全てが仕様であり、ゲームとしての価値が全く無いのだ。本編より豪華なCMを揶揄して「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」と叫ばれたのも記憶に新しい。
かくして十二月、想定外の飽食ムードの中で審議に入ろうとしていたKOTYに予想を遥かに超えた2作品が投入された。
まず、『パッチ』によって再誕を果たした『ジャンライン』が再び門を叩いた。
「パッチをあてたら更にクソゲー化した」の一言に集約される異常性は、クソゲーマーにすら理解不能の域に達していた。
「亜空カン」で無関係牌を喰い、牌が傾いたり選択不能になったり融合したりと、もはや「四次元麻雀」と評するほかない。
意図しようとしまいとフリーズが頻発し、ロンをしたらツモられる意味不明の現象や、手牌を奪われれば上がり不能すらありえる。
パッチ前はまともな『麻雀』をしていなかったが、パッチ後には『まともでない麻雀』をすることすら不可能になったのである。
本作によって、2007年、「ゴーストリコン アドバンストウォーファイター2(360版)」が、「年内にパッチにより改善された場合は除外」というルールを確立したのとは正反対に、
「パッチにより悪化した場合は再ノミネート」という記念すべき新ルールがKOTYに樹立された。
この時、我々は想像を超えた新機軸を前に「もはやこれ以上の糞は出ない」と考えていたのである。
しかし僅か一週間後、もう一つの激震がKOTYを襲うこととなった。
神はKOTYに安息を与えなかった。「クソにはクソを、進化には進化を」。九回裏のここ一番、さらなる進化を遂げた男が帰ってきたのだ。
今年の先発を努めた、茂野吾郎の再登板、『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
本作のクソゲーとしての資質は、操作不能で勝手に盗塁してアウトになる走者、金属バットの快音を鳴らす木製バットなど、前作を着実に上回っていた。
だが、審判と打者がピッチャーに背を向け、キャッチャーがセンター前ヒットを追いかけるという「本格野球ゲーム」を、一体誰が予想できただろうか。
戦慄する住人をよそに動画や画像によって続々と証拠が提出され、その評判は瞬く間に大手ニュースサイトに飛び火し、KOTYは大混乱の様相を呈した。
公式サイトに謎のパスワードをかけたタカラトミーのウェブ担当は先見の明があったと言えよう。
なお、プレイ開始約二時間後に待つエンディングに、開発がドリームファクトリー、プログラマーが三人という悪夢が鎮座していたことも特記せねばなるまい。
以上が本年のノミネート作品である。
究極改造を遂げて復活した「ジャンライン」、最強最後の超魔球「メジャー」。奇しくも同時期に聳え立った二つの巨塔を前に
KOTY 2008の選考は難航の一途を辿っていた。
議論がさらなる議論を呼び、紛糾に紛糾を重ねる。クソゲーとは何か、KOTYとは何なのか。
ジャンライン
「その 一線 を越えることなかれ」
最終的にその闇と暗を分けたのは、この言葉であった。
再臨した『ジャンライン』は、もはや「クソゲー」でさえなかった。
「商品未満」、「ただのゴミ」などという罵倒すらも生易しいものだった。
言うなればそれは天に滅するべき「存在自体の誤り」であったのだ。
瓦解する塔の天辺から睥睨する荒野の中には、卓を囲み牌を積み上げる賽の河原が見える。
ジャンラインは「ゲーム」としての三途の河を越えてしまっていたのだ。
そしてKOTYには、ダイヤモンドに背を向けた一人の選手だけが残った。
未曾有の激戦となったKOTY 2008を勝ち上がり、見事大賞に輝いた作品。
それは『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
まず第一に、クリスマス・年末商戦・そしてメジャー劇場版公開という、子供たちの期待に応えて容赦なく全力でクソを投げつけた非情性が評価された。
特に、クリスマスプレゼントに沸き立つ子供たちの心を、文字通り完全に「クローズ」させた業の深さはまさにクソゲーの鑑であると言えよう。
だが何より決め手となったのは「笑いの神」から寵愛されているとしか考えられない無数のバグの衝撃、いや「笑撃」の大きさであろう。
ベンチに投げ込まれた暴投をその場で瞬時にミットに収める一塁手、球場の壁を突き抜けて消失する外野手、1キャッチで2アウトの「ジャイロキャッチ」。
点差に関わらず「原作通りに」突入する延長戦や、優勝決定戦で負けたのに勝ちルートのエンディングに突入するまさかの「逆転サヨナラ負け優勝」。
後ろ向きのバッターが何もない空間からセンターに向けて正確無比な打球を飛ばし、捕球もベースカバーもしない野手を尻目にキャッチャーが駆け上がる。
この惨状には、吾郎の首が180度反転したり、説明書の誤植から「ジョージ・ケツメル(十字・決める)」と名付けられた球審が背を向けるのも無理は無い。
「コンボイの謎」から続くキャラゲー地雷の老舗『タカラトミー』と、クソゲーマイスターと呼ばれた『ドリームファクトリー』……
二つの巨星の運命的な邂逅により、キャラゲーとしてもクソゲーとしても規格外の、純粋なる「クソ」の金字塔が見事誕生した瞬間であった。
思えば2008年は激動の年だった。
「四八ショック」と呼ばれる、前年王者の残した爪痕……巨大な幻影に翻弄され、クソゲーの何たるかが見失われつつある中で、様々な試みが行われた。
『猿』は「不条理」ではない純粋なる「無価値」を追究し、『ジャンライン』はパッチによって「進化」する新時代のクソゲーのあり方を示した。
そんな中で、『メジャー』が投げ込んだ「直球」がスレ住人の心をつかんだのは、それが最も力強く、クソゲーのあるべき姿を示したからであろう。
──ゲームを手にした「喜び」、クソとわかった時の「悲しみ」、理不尽な大人への「怒り」、そして、みんなで画面に罵声を浴びせる「笑い」──
幼い日のほろ苦い原風景が──見失ってしまった「クソゲー」の真の味わいが──本作とその周囲にはあったのだ。
そんな本作に感謝し、最大限の賛辞を送ることで2008年KOTYを締めくくりたい。
「追 求 し た の は 、 本 格 ク ソ ゲ ー」
2007年、伝説のクソゲーが生まれ、このスレは大いに賑わった。2008年冬に動画サイトに上げられたことによりネタに飢えていた人の心を掴み、スレの規模はさらに拡大された。しかし、それは必ずしもKOTYスレの発展を意味するものではなかった…
KOTY2008の開幕を務めたのは『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』
何をするにも繰り返されるデモ画面、ストライクか否かが投げた瞬間わかる投球システム、キャラゲーにあるまじき圧縮ストーリー。
リアルなのは野球にかかる時間だけ。
バグに頼らない直球のクソが剛速球で襲い掛かってくる様は、年始早々幸先のよくKOTYスレがスタートが切れたと思われた。
しかしそれ以降いくつかのクソ要素を備えたゲームは出るものの、小粒なものばかりだった。
以前の年なら勢いがあれば入ったかもしれないが2007年のあのゲーム以降、スレ住人の求める水準が高くなっていた。
結果、
クソゲー予想→ゲットした者からの大したことないという報告
が繰り返される日々が続くことになる。これを「第一次クソゲー飢饉」と呼ぶ
この時期のノミネート候補として
発売前は昨年のKOTYを賑わせたフライトプラン作と期待された『ポイズンピンク』。
各ミニゲームは「操作性や難易度バランスが悪いゲーム」しかない、パッケージも日本向けではない『プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~』
オンにラグが出たりバグが出た『Mr.DRILLER Online』
「32人対戦」という触れ込みのオンがまるごとカットされてしまった『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2』。
以上のソフトが挙げられたが、いずれも落選の運命を辿った。
このように、飛びっきりのクソ要素を持つ作品達でも、パッチによる修正や、ある程度普通に遊べる作品程度ならノミネートされない日々が続いた。
そんな中、『奈落の城 一柳和、2度目の受難』が、注目された。
「本格推理ADV」という触れ込みに対し、推理の余地もヒントも殆ど無い単なる総当りを繰り返させるゲーム内容である。
事件の捜査は足で拾うという考えを伝えたかったのかもしれない。主人公が探偵ではなく、警察だったらなおよかったであろう。
また、死亡した人物が勝手に生き返ることがあるという、今年流行のフラグ管理のミスも装備されている。
そいつに話しかけると『テキストがまだない』と表示され、これはあくまでゲームの世界だと教えてくれる仕掛けが施されている。
この精神は時代の壁を乗り越えて『大奥記』に引き継がれることになる。
しかし、当初は有力な候補だったが、楽しんでる声も見られ大賞候補からは徐々にフェードアウトしていった。
奈落を越えるソフトが現れず、スレ内ではクソゲーを求める声が木霊していた。
そんな声に応えるかの如く、6月梅雨の到来と共に訪れたのは、ブームにのっかったことを全力で主張するタイトルの『大奥記』。
「発売前の前評判が高くても、いざ出てみればがっかり」が2008年前半のパターンであったが、2年の時を経て世に放たれたこの作品にその心配はいらなかった。
まずは2年前ではなく5年前から寝かせていたと言われていてもおかしくないグラフィックのOPで幕を開ける。
ゲーム内容は多すぎる部屋をいちいち回って延々証言を集めるのがほとんど。なのに入るたびにロードが長い。
登場人物は頻繁に移動、部屋は大半が無人等、「現実を追求すればよいゲームとは限らない」ことを私達に教えてくれる。
かと思えば移動はホバリング、手を使わず襖の開け閉め、キャラが机にめり込む等、非現実的な現象には事欠かない。
さすが伏魔"伝"というだけあって、彼女達の魔性が伺える。
テキストの「これkら」という誤字は、ゲームに引き込まれすぎないように、時を声奈落の底から継承したのだろう。
その前に引き込まれるようなゲームを作って欲しかった。
開発会社の公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末で、発売から三月を待たずしてサイトが404になった。
2年間スタッフが何をしていたのか知る機会は、もう無い。
この後夏も暑くなるとノミネートに値するソフトどころか選評を書きたくなるソフトすら出ず、「今年の大賞は大奥記なのか?」という意見が日ごとに多くなっていった。これを第二次クソゲー飢饉と呼ぶ。
秋に入るとこの状況にまったをかけるべく、レコムが名乗りをあげた。『ジャンライン』である
『ジャンライン』は「フリーズバグは当然のごとく標準装備」「ルール上見えるはずの牌が一部伏せられている。」「得点計算がおかしい」等、上げればキリが無いが、プログラム作成者が麻雀素人ならそれも必然かもしれない。
次世代機を象徴とするオンラインも完璧だ。社員のボイスを有料で売り、しかもそれが対戦で反映されないという始末。
あげく数日後にDL中止、返金というドタバタ劇。対応面でもそつがない。
この時は「後日修正パッチ等がされるだろう」という見方がされていた。
しかし今にして思えば、何故この時レコムがまともな修正が出せると期待してしまったのか、KOTYスレ住人にも問いかけてみたいところではある。
この時点では未だ大奥が大賞候補として一番手であり、もはや今年はこれで決まりだろうと思われた。
クル・ヌ・ギア
だが、真の地獄 はこれからだ。
多くの新勢力が名乗りをあげ、クソゲーの老舗ことアイデアファクトリー(以下IF)も、遂に手段を選ばぬ暴挙に出た。
パッケージに別作品のシナリオライターを起用し、タイトルまで似せてのけるというフィッシング詐欺目的のパクリな『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』。
本来IFゲーとは「平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」というスレ住民の認識があった。
クソゲーとわかっていても、なおIFゲーに突撃する、殉教者も存在した。しかしスレ住人は、またしても固定概念をひとつ破ることに成功する。
不快感だけを六時間に濃縮した超絶ストーリーや、敵よりもプレイヤーにダメージを与える迷ゼリフ、本筋に一切影響しない好感度システムや、ボスにまで効く麻痺によって麻痺→オートで全て終了する戦闘等、パクったのは絵だけだということがわかる。學園が関係しないのに學園幻光録とはこれ如何に?
「IFだから」から撃ち込まれた『RPG』は、平和ボケしたクソゲーマー達を大量殺戮していった。
『クル・ヌ・ギ・ア』という久々のホームランに沸き立つKOTY住人にクソゲーの「おかわり」が飛び込んできた。
ファミ通クロスレビュー史上初、「4点以上をつけたレビュアーがいない」という伝説を樹立した『プロゴルファー猿』の登場だ。
パッケージが悪いわけではない、挙動がおかしいわけではない、フラグがミスっているわけでもない。
では特筆すべき点は何かというと、量だ。何と10分で全クリアできてしまう。驚きの薄さである。
このゲームに6090円を払うよりは、フリーゲームの方がまだ遊べる、とまで言われる始末である。
発売前はPVやCMの出来が素晴らしかったこともあり「意外とただのがっかりゲーで終わりそう」「ハードルが上がりすぎてノミネートは難しいかも」との不安も囁かれていた本作だが、「ワイは詐欺や!プロゴルファー詐欺や!」との名言が生まれた。
バグでもなく、グラでもなく、ただただ薄味という今時珍しいクソさが光る作品であった。
この後、『ダービータイム オンライン』が大外から3強を差そうと飛び出してくる。「出場していない馬が優勝する」「0着」等のありえない多数のバグや、「他馬に当たったら自分の馬は取り残され、相手はそのまま進んでしまう」といった酷いラグ、発売日から1週間を待たずして、「サービス一時停止」となり、オンライン時代の競馬ゲームに期待する者達を奈落の底にたたき落とした。
当時は3強と共に話題にあがったが、オンラインの改善によりクソさが薄れ、残念ながら彼は落選となりシャバへ帰っていった。
この時は圧倒的に前半戦の話題を占めた『大奥記』と、圧倒的な手抜きをみせた『クル・ヌ・ギア』、圧倒的されるPV詐欺を見せた『プロゴルファー猿』による、仁義なき三国志が年末に向けて始まると、誰もが予想していた。
しかし、時は師走、男達がパワーアップして帰ってきた。
修正パッチを当てたはずなのにより改悪された『ジャンライン』と
年始にクソゲーとして散々な評価を受けた作品の続編の『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
二者のクソ具合は群を抜いたレベルで拮抗し、「どちらが大賞に相応しいか」でKOTYスレは議論百出となった。
質、量ともに十分のバグ、それを差し引いても残るクソ仕様、『ジャンライン』を作ったレコムはサイト閉鎖したと思いきや『メジャーWii パーフェクトクローザー』を作ったタカラトミーはサイトにアクセスするとパスワードが要求される始末。
バグ、内容、対応全てにおいて両者十分大賞に相応しいクソさを備えていた。しかし大賞はあくまで1作。連日激しい議論が繰り返された。
KOTYスレでは「ピッチャーの首が反転している」「キャッチャーが後ろを向いている」等の首反転バグ、向き反転バグ等、笑えるバグが多く搭載された、メジャーWii パーフェクトクローザーが多数の支持を集めた。
しかし、よく考えてみて欲しい。本来、クソというのはマイナスの意味を持つものである。
ゲームにおけるクソ要素とは、操作性の悪さ、画像の汚さ、モーションのおかしさ、それらの「不快性」を指す物ではないか?
KOTYにおける笑えるクソというのは、本来笑えないはずのクソをユーモアの効いた批評にすることで、笑えるものにしていくことに意義があったのではないか?
事象をそのまま笑えるというのは、クソ要素としてはプラスにならないのではないか?
別にメジャーのバグを笑えるからクソではない、と言っているのではない。単純な笑いが起きる事象は、それはKOTYの求めているクソさではないと言いたいのだ。
だがそれを差し引いたとしても、『メジャーWiiパーフェクトクローザー』の戦闘力はずば抜けていることは疑う余地がない。
「同年の年始にクソゲーを出しておきながら、続編がクソということはないであろう」という予想を見事に粉砕し、スレを『笑撃』の渦へ巻き込んだ。
いまどき流行りのフリーズはもちろん標準搭載で、対処法は「ボール球を投げてはいけない」。
強打者にもまっすぐ立ち向かうべしという吾郎の熱い意志が伝わってくる。全力でお断りしたい
「特殊なキャッチをしたら2アウト」という前代未聞のルールは、買って来た親が子に正しい知識を披露する機会でも作ろうというのだろうか。
「得点が負けてても勝ってても延長突入、もしくはその試合に勝利」というルール以前に根底から野球を破壊するシステムを搭載。
「早くエンディングを迎えさせてこのゲームから離れさせてあげたい」という、タカラトミーの思いやりが伺える。そんなことより先に思いやることがあるだろと叫びたい。
しかもそのたどり着いたエンディングにはプログラマ3人と「ドリームファクトリー」という単語。
追求したのは本格的な野球ゲームではなく、本格的なクソゲーだったのであろう。
このゲームをクリスマスプレゼントとして贈られた子どもが、間違った知識のまま野球をしないことをただ祈るばかりである。
本来パッチというのは局所的な不都合やゲームバランスを調整するためのものである。
にもかかわらずレコムはその大前提を覆す「改悪パッチ」をCSに持ち込んだ。
本年の大賞である
『ジャンライン』(パッチ後)
である。
そのクソさはわずかながらも『メジャーWii パーフェクトクローザー』を上回る。
『パーフェクトクローザー』はクソ要素があってもクリアすることが可能だ。また、クソながらもまだ可笑しく笑うことができた。
しかし『ジャンライン』は違う。クソ要素に一切の妥協はしない。
まずゲームをスタートしても最後までプレイできるかわからない。いつフリーズするか、わからないからである。
だがいっそのこと、100%フリーズしてもらった方がまだマシなのかもしれない。
トップの状態でラスト→切断→強制最下位に納得できるなら、そいつは聖人である。ゲームから離れ、もっと大きい事業を成し遂げて欲しい。
「運悪く」ゲームができたからといって油断してはいけない。
麻雀にはカンという4枚同じ絵の牌を組にするシステムがあるのだが、『ジャンライン』はその周りのルールがまったくできていない。
本来カンは同じ絵の牌で組むはずなのに、まったく関係がない牌と組まされたり、「カンを4回以上するとその局は流れる」というルールもまったく無視。こんな様では「鳴くに」なけないではないか。
ロン(相手からの捨て牌で自分の役が揃ったという意味)をしたにも拘らず、次の人が牌をツモっていく「先ヅモ」システムも見逃せない。
苦労して役を作り、その局を勝利したというのに、アガリが無視されゲームが進行するこのシステムは、賽の河原も真っ青の達成感のつぶし方である。
もっとも、実際に起こった時には状況の把握が追いつかないであろうが。
他にも「意味もなく牌が傾いた」「牌の選択が飛び飛びになった」「手牌が突然ワープ」等、珍現象が相次ぎ、「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」という声が上がった。
まだ人類に高次領域は早すぎると、レコムが送った警鐘なのかもしれない。
麻雀はFC時代から既に完成度の高い移植が存在している。20年以上たった今、ゲームのプログラムも目覚しい進歩を遂げている。
その現代にあらゆる面で不都合が見つかる20年前未満の麻雀に、CSで出会えたことはある意味奇跡である。
よって、『メジャーWii パーフェクトクローザー』とは僅差であるが、2008年は『ジャンライン』にKOTYを贈りたい。
2008年はクソゲー界にとっても、KOTYスレにとっても激動の年となった。
「四八ショック」のせいでクソゲーに対する基準が変わり、単に話題になるとか、声が大きいだけではノミネートすらできない状態になった。その結果、今年はスレの伸びに反して大賞は小粒だろうとの見方が秋までされていた。
しかし、その後のさまざまなジャンルから押し寄せる怒涛のクソゲーにより、「何がクソゲーなのか」ということを、今一度見つめることができた点で、実りある一年と言えたであろう。
そんな中、純粋なクソ要素を極限まで追求した『ジャンライン』が大賞に選ばれたのは、必然かもしれない。何故なら、この作品以下の存在は、もはやゲームとは呼べないからである。未来への警告の意味を込めて、この言葉で2008年のKOTYを締めくくりたい。
ジャンライン
その 一線 を超えることなかれ
この時は圧倒的に前半戦の話題を占めた『大奥記』と、圧倒的な手抜きをみせた『クル・ヌ・ギア』、圧倒的されるPV詐欺を見せた『プロゴルファー猿』による、仁義なき三国志が年末に向けて始まると、誰もが予想していた。
しかし、時は師走、男達がパワーアップして帰ってきた。
修正パッチを当てたはずなのにより改悪された『ジャンライン』と
年始にクソゲーとして散々な評価を受けた作品の続編の『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
帰ってきてしまった男『ジャンライン』(修正パッチ後)はゲームをスタートしても最後までプレイできるかわからない。いつフリーズするか、わからないからである。
だがいっそのこと、100%フリーズしてもらった方がまだマシなのかもしれない。
トップの状態でラスト→切断→強制最下位に納得できるなら、そいつは聖人である。ゲームから離れ、もっと大きい事業を成し遂げて欲しい。
「運悪く」ゲームができたからといって油断してはいけない。
本来カンは同じ絵の牌で組むはずなのに、まったく関係がない牌と組まされたり、「カンを4回以上するとその局は流れる」というルールもまったく無視。こんな様では「鳴くに」なけないではないか。
苦労して役を作り、その局を勝利したというのに、アガリが無視されゲームが進行するこの「先ヅモ」システムは、賽の河原も真っ青の達成感のつぶし方である。
もっとも、実際に起こった時には状況の把握が追いつかないであろうが。
他にも「意味もなく牌が傾いた」「牌の選択が飛び飛びになった」「手牌が突然ワープ」等、珍現象が相次ぎ、「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」という声が上がった。
ジャッシーのあの姿は、高次領域に突っ込んだのが原因と思われる。
まだ人類に高次領域は早すぎると、身を挺して送ってくれた警鐘なのかもしれない。
『ジャンライン』で今年は決まりだろうという空気が流れたが、9回裏、満塁のピンチに現れたのは、
『メジャーWii パーフェクトクローザー』
である。
発売前の画像から「ゴローの腕が左右で太さが違う!」という
「ピッチャーの首が反転している」「キャッチャーが後ろを向いている」等は序の口に過ぎない。
キャッチャーがセンターまでボールを取りに行くという姿に、人々は多くのドラマを垣間見たであろう。
審判まで後ろを向いているのだ。彼らはいったい、何を見ていたのだろうか?
後日、「プロ野球珍プレー・好プレー大賞」が放映されてる時、彼らは居間でも後ろを向くことになるだろう。
これらの笑えてインパクトがある画像がスレに投下され、スレは「笑撃」の渦に巻き込まれた。
『ジャンライン』と『メジャーWii パーフェクトクローザー』は両者とも抜きん出たクソである。しかしKOTYの座はひとつしかないのだ。
日々どちらが大賞に相応しいか議論されたが、やはり判りやすい画像を持つ『メジャーWii パーフェクトクローザー』を推す声が多数を占めた。
しかし、よく考えてみて欲しい。本来、クソというのはマイナスの意味を持つものである。
ゲームにおけるクソ要素とは、操作性の悪さ、画像の汚さ、モーションのおかしさ、それらの「不快性」を指す物ではないか?
KOTYにおける笑えるクソというのは、本来笑えないはずのクソをユーモアの効いた批評にすることで、笑えるものにしていくことに意義があったのではないか?
そして、純粋なクソとして見た場合でも、『メジャーWii パーフェクトクローザー』は大賞の器なのではないか?
表層から来る笑いに騙されて、メジャーの本質を見失っていないだろうか?
先ほど紹介したバグの数々も、キャラゲーとして見た場合の酷さで評価すべきではないか?
改めて『メジャーWii パーフェクトクローザー』を紹介しよう。
いまどき流行りのフリーズはもちろん標準搭載で、対処法は「ボール球を投げてはいけない」。
強打者にもまっすぐ立ち向かうべしという吾郎の熱い意志が伝わってくる。全力でお断りしたい
他にも、「CPUがボール球を投げることは一切無い」「フライにもかかわらずランナーが勝手に走塁」「ランナーが居ても気にせずワインドアップ」、「必殺球投げると7縲鰀8秒のミニムービーが時々入る」「明らかに早いタイミングで振らないとバットにかすりもしない」等、
野球として見てもゲームとしてみてもストレスを与える仕様となっている。
酷いのは「キャッチしたら1アウトのはずが2アウトになった」「3バント失敗してもアウトにならない」「フライをキャッチされてもタッチアップも無しにそのまま点が入ったりする」等という野球のルールすら根底から守れてない点である。
「"追求"したのは本格野球ゲーム」という触れ込みだが、野球界から訴訟"追及"されないか不安でしかたがない。
特に「得点が負けてても勝ってても延長突入、もしくはその試合に勝利」というのは野球を根底から覆す概念である。
「早くエンディングを迎えさせてこのゲームから離れさせてあげたい」という、タカラトミーの思いやりが伺える。そんなことより先に思いやることがあるだろと叫びたい。
しかもそのたどり着いたエンディングには「ドリームファクトリー」という単語。
もはやクリスマスに間に合わせたい一身で中身を確認しないで売り逃げしたいという意志が、これだけで伝わってくる。
ピッチャーやキャッチャーや審判だけでなく、タカラトミーも後ろを向いていたのだろう。
両者とも、まったく互角のクソである。
しかし『ジャンライン』のクソ要素というのは、ほとんどプログラムミスによるところが大きいと思われる。
何故なら、亜空カンや先ヅモのルールは、パッチが当たってからということであり、麻雀を知らないからこうなったとは言い切れないからである。
それよりも、ゲームとして未完成なのはもちろん、野球という存在自体を根底から無視しているかのようなゲームシステムを評価し、
『メジャーWii パーフェクトクローザー』にKOTYを贈りたい。
2008年はクソゲー界にとっても、KOTYスレにとっても激動の年となった。
「四八ショック」のせいでクソゲーに対する基準が変わり、単に話題になるとか、声が大きいだけではノミネートすらできない状態になった。その結果、今年はスレの伸びに反して大賞は小粒だろうとの見方が秋までされていた。
しかし、その後のさまざまなジャンルから押し寄せる怒涛のクソゲーにより、「何がクソゲーなのか」ということを、今一度見つめることができた点で、実りある一年と言えたであろう。
『クル・ヌ・ギア』はクソゲーに限界はないことを、『プロゴルファー猿』はもうひとつのクソゲーの在り方を示してくれた。
特に『ジャンライン』と『メジャーWii パーフェクトクローザー』は、製品としての「一線」の他に、「クソゲーとは何か」という線を考えるきっかけとなってくれた。
豊作なだけではなかった1年を振り返り、この言葉を持って総評を締めさせていただこう。
「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」
『四八(仮)』の出現した2007年をジャイアントインパクトに例えるならば、2008年はカンブリア爆発とも言えるだろう。
あらゆるジャンルのクソゲー達が、次世代の覇権を握ろうと跳梁跋扈したのが2008年である。
あるものは四八が示したクソゲーの概念に真っ向から立ち向かい、あるものは四八と同じ道においてそれを超えようとした。
まず、KOTY 2008の始球式から叩きつけられたデットボールは『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』。
投げた瞬間に分かるストライク判定、1球1球の投球・打球に挿入されるデモ、ストーリーはおまけとでも言わんばかりの極限圧縮。
一試合に二時間以上かかるというリアリティは、ネタとして楽しめる範疇でなく本気で辟易してしまうほどの玄人志向を突きつけた。
しかし、その後は不作が続いた。
行方不明者を放置して脱出し、死んだはずの人物から「テキストがまだ無い」という衝撃の真相が語られる『奈落の城 一柳和、2度目の受難』…
ソフト内にはかけらも存在しない「32人同時対戦」を売りにして大規模詐欺行為を行った『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2 』…
いずれも例年なら燦然と名を連ねるはずのクソゲーだったが、ノミネートしないまま見送られた。
「ゲームとして成立していれば、問題ない。」住人はまだ、前年王者がもたらした『四八ショック』から立ち直ることが出来なかった。
そんな長すぎる厳冬に飢える6月、ようやく遅咲きの春が訪れた。二年の長きに渡り延期を重ねた超大作『大奥記』の上洛である。
ファミ通レビューで「デスクリムゾン」と同評価、発売前にして買取価格200円という驚異的な前評判は、やはり伊達ではなかった。
自動ドアならぬ『自動襖』、ホバリング歩行、表情は全編固定。異常に多い部屋数とロードに耐え、「サマルトリアの王子を探すだけ」と例えられる内容。
八代将軍吉宗も舌を巻くであろう倹約・改革を徹底したその姿は、まさに公式サイトの言うところの「伏魔『伝』」と称するにふさわしかった。
続いて、超時空ジャンデレラこと『ジャンライン』が華々しく戦線に躍り出た。驚いたことに、本作は麻雀ゲー、つまりテーブルゲームである。
クソ化が半ば不可能な同ジャンルにおいて、フリーズ頻発、点数計算が異常、同プレイヤー同士の連戦不可、と全てが崩壊していた。
他にも、素人ボイスをダウンロード販売するも直後に中止・返金対応したり、公式ブログを麻雀素人が書いていることをあっさり告白したりと、
新人らしい初々しさと敢闘精神に溢れていた。だが、あくまでもこの時点では中粒程度にしか見られていなかったはずだった。
クル・ヌ・ギア
にわかの豊作に浮き足立つKOTYに、『これからが本当の地獄だ』と言わんばかりの怪作が届けられる。
『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』……新興勢力が渦巻くKOTY 2008に、老舗・アイディアファクトリーの放った刺客である。
不快感だけを六時間に濃縮した超絶ストーリーや、敵よりもプレイヤーにダメージを与える「合体技」の迷ゼリフ、
本筋に一切影響しない好感度システムや、マヒさせてオートで済む戦闘は『動画の無いムービーゲー』とでも呼ぼうか。
パッケージに酷似タイトルの絵師を起用するという離れ業をやってのけ、クソゲー会社の基本精神である「釣り」の商魂をまざまざと見せ付けた。
「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」
という作品本スレにて生まれた名言が全てを雄弁に物語っている。
息もつかせぬ波状攻撃はさらに続く。ファミ通誌上で史上初の評点オール3を成し遂げた隠れていない伏兵『プロゴルファー猿』が横殴りの奇襲を仕掛けてきた。
「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」──本作の偉業に対して、ファミ通編集部も賛辞を惜しまない。
このゲームは決してバグが多い訳ではない。キャラゲーなのに6人、ストーリーがない、開始10分でエンディング、飛球の方向は一定……
「これはゴルフゲーじゃなくてゴルフすごろくADVだ」とまで評された本作ではあるが、最短10分でEDに到達出来ることが唯一の救いなのかもしれない。
全てが仕様であり、ゲームとしての価値が全く無いのだ。本編より豪華なCMを揶揄して「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」と叫ばれたのも記憶に新しい。
かくして、KOTY 2008が飽食ムードで審議に入ろうとしていた十二月……さらなる激動が急転直下の幕を開けるとは誰も予想していなかった。
まず、『パッチ』によって再誕を果たした『ジャンライン』が再び門を叩いた。
パッチ前はまともな麻雀をしていなかったが、パッチ後にはまともでない『麻雀』をすることすら不可能になったのである。
意図しようとしまいとフリーズが頻発し、ロンをしたらツモられる意味不明の現象や、手牌を奪われれば上がり不能すらありえる。
「パッチをあてたら更にクソゲー化した」の一言に集約される異常性は、並み居るクソゲーマーにすら理解不能の域に達し、ジャッシー(仮)の姿とともに強烈な印象を与えた。
「亜空カン」で無関係牌を喰い、牌が傾いたり選択不能になったり融合したりと、卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、
「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」 ――そう、まさに「四次元麻雀」と呼ばれるものが今ここに現れたのだ。
ともあれ、本作の再臨劇により、「パッチにより悪化した場合は再ノミネート」という記念すべき新ルールがKOTYに樹立された。
また、昨今のクソゲー事情に欠かせない「問題ある運営」という要素をしっかり抑えていたことも付け加えておかねばなるまい。
もはやこれで決まりだろう……突然の急襲に沸きかえったKOTYスレだったが、やがて、再びつかの間の安堵に包まれていった。
だが神はKOTYに安息を与えなかった。「クソにはクソを、進化には進化を」。九回裏のここ一番、さらなる進化を遂げた男が帰ってきたのだ。
今年の先発を努めた、茂野吾郎の再登板、『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
本作のクソゲーとしての資質は、操作不能で勝手に盗塁してアウトになる走者、金属バットの快音を鳴らす木製バットなど、前作を着実に上回っている。
だが、審判と打者がピッチャーに背を向け、キャッチャーがセンター前ヒットを追いかけるという「本格野球ゲーム」を、一体誰が予想できただろうか。
戦慄する住人をよそに動画や画像によって続々と証拠が提出され、その評判は瞬く間に大手ニュースサイトに飛び火し、KOTYは大混乱の様相を呈した。
ファミコン黎明期にすらあり得ない、バグなのか仕様なのかすら判断に苦しむ異様な光景は「これは野球ではない。メジャーだ」という言葉に如実に表されている。
公式サイトに謎のパスワードをかけたタカラトミーのウェブ担当は先見の明があったと言えよう。
なお、プレイ開始約二時間後に待つエンディングに、開発がドリームファクトリー、プログラマーが三人という悪夢が鎮座していたことも特記せねばなるまい。
「年末には魔物が潜んでいる」とはよく言ったものだが、なぜ神は二本の英雄を同じ時期に産み落としたのであろうか。
究極改造を遂げて復活した「ジャンライン」、最強最後の超魔球「メジャー」。突如現れた二基の巨塔を前に、KOTY 2008の選考は難航の一途を辿っていた。
いずれ劣らぬ両雄であるが、その頭上に輝く王冠の数はたった一つしかない。優勢なのはメジャーであったが、ジャンラインも一歩も譲らなかった。
議論がさらなる議論を呼び、紛糾に紛糾を重ねる。クソゲーとは何か、KOTYとは何なのか。……果たしてこの空虚な闘争に終着点はあるのか。
もはやKOTYそのものの存続が危ぶまれ始めたその時、住人たちはある一つの決定に意見の一致を見出した。
ジャンライン
「その 一線 を越えることなかれ」
「その一線」がどういう意味を持つか諸説あるものの、KOTYとはそもそも「その年でいちばんクソだったゲームを決める」ものであるはず。
然るに、再臨した『ジャンライン』は、麻雀ゲームとして最低限のルールすら機能せず、意図して起こす事が可能なフリーズは対戦プレイですら発動可能と、もはや「ゲーム」でも「クソゲー」でもなく、
「商品未満」、「ただのゴミ」などという批判・罵倒すら生易しいものと化していた。この先にあるのは、「起動、即フリーズ」「起動すら不可能」「ゲーム機本体を破壊する」といった誰もが望まぬ世界、
まさに荒野としか言えないものではないだろうか。
『ジャンライン』は、その想像を絶する進化のあまり、「越えてはいけない一線」を自ら越えてしまった、と評されても仕方がないのかもしれない。
「クソゲー」といえど、「ゲーム」としてまがりなりにも遊べることを考慮した場合、『メジャー』に分があるのではないだろうか、という意見も出始めていた。
それでは、気を取り直して今年のクソゲーオブザイヤーを発表したいと思う。
未曾有の激戦となったKOTY 2008を勝ち上がり、見事大賞に輝いた作品……それは『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
まず第一に、クリスマス・年末商戦・そしてメジャー劇場版公開という、子供たちの期待に応えて容赦なく全力でクソを投げつけた非情性が評価された。
特に、クリスマスプレゼントに沸き立つ子供たちの心を、文字通り完全に「クローズ」させた業の深さはまさにクソゲーの鑑であると言えよう。
だが何より決め手となったのは「笑いの神」から寵愛されているとしか考えられない無数のバグの衝撃、いや「笑撃」の大きさであろう。
ベンチに投げ込まれた暴投をその場で瞬時にミットに収める一塁手、球場の壁を突き抜けて消失する外野手、1キャッチで2アウトの「ジャイロキャッチ」。
点差に関わらず「原作通りに」突入する延長戦や、優勝決定戦で負けたのに勝ちルートのエンディングに突入するまさかの「逆転サヨナラ負け優勝」。
後ろ向きのバッターが何もない空間からセンターに向けて正確無比な打球を飛ばし、捕球もベースカバーもしない野手を尻目にキャッチャーが駆け上がる。
この惨状には、吾郎の首が180度反転したり、説明書の誤植「十字(じょうじ)ボタン」「決(けっ)める」から「ジョージ・ケツメル」と名付けられた球審が背を向けるのも無理は無い。
「コンボイの謎」から続くキャラゲー地雷の老舗『タカラトミー』と、クソゲーマイスターと呼ばれた『ドリームファクトリー』……
二つの巨星の運命的な邂逅により、キャラゲーとしてもクソゲーとしても規格外の、純粋なる「クソ」の金字塔が見事誕生した瞬間であった。
思えば2008年は激動の年だった。
「四八ショック」と呼ばれる、前年王者の残した爪痕……巨大な幻影に翻弄され、クソゲーの何たるかが見失われつつある中で、様々な試みが行われた。
『猿』は「不条理」ではない純粋なる「無価値」を追究し、『ジャンライン』はパッチによって「進化」する新時代のクソゲーのあり方を示した。
そんな中で、『メジャー』が投げ込んだ「直球」がスレ住人の心をつかんだのは、それが最も力強く、クソゲーのあるべき姿を示したからであろう。
──ゲームを手にした「喜び」、クソとわかった時の「悲しみ」、理不尽な大人への「怒り」、そして、みんなで画面に罵声を浴びせる「笑い」──
幼い日のほろ苦い原風景が──見失ってしまった「クソゲー」の真の味わいが──本作とその周囲にはあったのだ。
そんな本作に感謝し、最大限の賛辞を送ることで2008年KOTYを締めくくりたい。
「追 求 し た の は 、 本 格 ク ソ ゲ ー」