2013年 総評

2013年 次点

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このページは、2013年度KOTY総評の案を集めるページです。総評の審議に役立てば幸いです。
書き方テンプレートは編集ページにコメントアウトで掲載します。

総評案1(ビビッドレッド・オペレーション-Hyper Intimate Power-)

2012年のKOTY(クソゲーオブザイヤー)。
その年は史上初の日米クソゲー大戦が勃発した忌念の年であった。
スレ住人たちはまさにクソゲー界に産み落とされた戦場カメラマン。
様々なクソの銃弾が飛び交う中、多くのクソを暴いていった。
そんな中、前年王者『嵐』は敵国はおろか、味方、そして中立的立場であるはずの
戦場カメラマンですら霧の中に消す最終兵器であった。
煩雑なUIの弾幕、不条理なゲーム性の砲撃。
KOTYの選評システムを嘲笑うような、語ることさえ封じる力を持った『嵐』を見て住民は思う。

「選評システムそのものを否定するこのゲームの後にクソゲーなんて出てくるのか?」

そう思えるほど何かが破綻した『嵐』の勝利は、長い平和をもたらすものに思えた。
しかし平和は長く続きはしない。
第一次世界大戦の後に第二次世界大戦が勃発したように。
四八ショックの後に七英雄が誕生したように。
人は学ばず、同じ過ちを繰り返す。
十年目の過ち、クソゲーを決める祭典…KOTY2013が始まる。


2012年の総評完成直後、それはKOTYに奇襲をかけてきた。
しかし、そのシルエットは奇襲と言うにはどこか見覚えがあった。
その正体はXbox36/PS3ソフト、『ヘビーファイア シャッタードスピア』(通称「HFS」)である。
『ヘビーファイア アフガニスタン』の続編にして日本ローカライズ版が
申し訳程度の改善と大きな改悪をひっさげてリベンジに舞い戻った。
今作は前作と同じく、ダメージ後の無敵判定などなく、
ダメージ時に画面が大きく揺れるので
複数の敵によってたかって撃たれる戦場そのものを表現している。
ならば隠れればいいと思って隠れても撃たれる、
敵の目の前に出るなどの理不尽さが襲い掛かる。
そもそも仕様で移動がオート化されており、
隠れられないことも多いとダメージを受けることが前提のようなシステムになっている。
連続ダメージで傷つき、リトライしても、ダメージが微量回復するだけで、
それ以外はチェックポイントを通過した時のままの戦いを強いられる。
どころかリトライ直後に相手が先んじて攻撃をしかけてくることもあるので、
リトライすることがそもそも無駄となる。
回復アイテムも非常に見辛く、取得したことすらよくわからないと言った状態でプレイヤーは思う。
「プレイ自体をシャットアウトしたい」と。
いくら操作性が悪くともストーリーが面白ければやりがいもあるのだが、
本作のストーリーは非常に淡白でつまらないものだ。
「米レンジャー部隊がイランで核兵器を確保しようとしたら発射され、国際問題になる前に国内で自爆させる」
という過激な舞台設定にもかかわらず、劇的な話も魅力的な敵も何もかもない。
ミッション前にナレーションがストーリーを長々と語るのだが、
本来ゲームで描写すべき点すらもそこで説明し、
しかもなんのビジュアルもないため、話に入りきれない。
そのミッションも「20以上」とパッケージに語られているが、
実際は12ステージを難易度で水増してあるだけだ。
そこの点は、『ヘビーファイア アフガニスタン』から何一つ変わっていないのである。
また、本作では「グラフィックと演出の向上」をかかげているが、
人物は徹頭徹尾無表情、ロープに引っ張られていると形容される敵のヘリコプター、
重力を無視したジープなどなど、本当に向上したのかと疑われるような出来である。
そして前作同様の電車ごっこ式マルチプレイ、ランキング機能のみと化したオンライン、
照準調整のための設定も見辛いと別の方面でも隙のないクソっぷりを発揮している。
前作よりクソっぷりが向上しているのにもかかわらず前作同様フルプライス。
値段を釣り上げられるのよりはマシだが、
そもそも前作すらフルプライスなのがおかしいレベルだったので、
やはりぼったくる気マンマンである。

2013年が始まって早々『HFS』という門番が出たことによってスレは活気づいた。
しかし去年の次点作、そのマイナーチェンジ版という強大な門番は去年『嵐』と争った面々と同じレベルでなければ
話題作入りすることすら不可能なことを示していた。
そしてその通りに数か月間、スレ住人を満足させる選評が届くことはなかった。

だが来る9月、バンダイナムコゲームスから発売された『ビビッドレッド・オペレーション-Hyper Intimate Power-』(通称「HIP」)の選評が届いてからはその様子が一変した。
本作は2013年の1月から3月に放映された『ビビッドレッド・オペレーション』のキャラゲーであり、発売当初は話題になったものの、
「どうせいつものキャラゲー(ガッカリゲー)だろう」と軽視されていた。
しかしそこにはガッカリゲーを超える何かがあった。
まず本編アニメの話だが、4人のメインキャラが変身して戦い、
主人公のあかねが他三人と合体することで強力な必殺を使えるようになり、
そして敵と激しい空中戦を広げるという作品である。
とにかく原作アニメは「尻」を魅せることに拘りぬいた作品であり、
ゲームも確かにいろんな意味で拘りぬいていた。
まず本作にもキャラゲーによくあるストーリーモードが当然搭載されている。
本作のストーリーモードはADV形式で勧めるもの。
が、そのストーリーモードは本編の中盤までしか再現されない。
発売はアニメ放映後数か月後なのにもかかわらずである。
そのせいで本編未視聴者意味不明な内容になっており、数々の謎は明かされないまま打ち切りエンドを迎える。
一応本作オリジナルエピソードがあるが、あまりにも無価値すぎてファンですら価値を見いだせないほど寂しいものだ。
また、ADV部分がフルボイスであるという利点はあるが、
ADV自体が5分程度で終わることを考えればあまりいい点とも思えない。
そのADVの合間には本作のジャンルにもされている「空翔けるビビッド・アクションゲーム」のパートがある。
アニメ本編はキレのある空中戦が見どころだったが、本作の空中戦は非常につまらないものだ。
まずキャラゲーにもかかわらず操作できるのは主人公のあかねのみ。
公式画像や説明書には残り三人も描かれているというのに、ゲームではボイスだけの出演である。
キャラの省き方といい声だけ出演といい、あの2011年の次点作品を思い出させる。
また本編の見どころである変身シーンと合体シーンは削られていて、キャラゲーとしての最低基準すら満たされていない。
それだけでもノーサンキューなのに、肝心のアクションも異常だった。
まず、本作のゲームパートは空中戦にもかかわらず、垂直方向への移動ができない。
そのくせ敵は自由自在に三次元を飛び回るのだから、文字通り次元が違う。
移動も非常に理不尽な仕様で、「その場から動くな!」というミッションのくせに動かず方向転換ができないことがあったり、
攻撃しつつ移動する手段がないなど、敵が三次元機動をすることも相まってストレスは溜まっていく。
そして攻撃であるが、主人公のあかねの武器は巨大なブーメランなのに、近接武器としてしか使えない。投げるのは必殺技のみである。
友情ゲージが最大のときに使える合体を行えば多少マシになる…と思えばそうでもなく、
必殺技の範囲が少し増える程度でただの回復手段と化している。
何より前述のように合体シーンもないので正直合体するメリットは体力回復だけである。
インターフェイスの貧弱さを引きずるように敵も総じて弱く、二種類しかいない。
しかし先述の通り移動や攻撃が理不尽なので無駄にダメージは負う。
キャラゲーとしてダメでもせめて無双する快感を!
という一縷の希望すらブーメランのように空の彼方へと飛んで行ってしまうのだ。ただし、帰ってくることはない。
本作を「ケツからクソが出た」と言った者がいたが、本質を示していると言って過言ではない。
因みにこのソフトには『ビビッドレッド・オペレーション あかねとマヨっとオペレーション!』という販促ゲームが発売前に300円で配布されていたが、
こちらの方は食べ物にマヨネーズをかけていくというただそれだけの虚無ゲーで、
購入者をして「怒りどころか何の感情も湧いてこない」と言われた。
このゲーム(?)をもっていると「HIP」が500円引きで購入する権利とネタ武器が手に入るが、
値引きも9月24日までと今では販促ゲームとしてすら価値がなくなった点について触れておく。
また、このゲームと「HIP」を合わせて「ケツマヨ」というマスコットAAが作られたことも
この作品がいかにスレで愛されているかがわかるだろう。
なお、原作アニメは賛否あるもののゲームと違ってクソではないので誤解なきよう。

『HFS』と『HIP』が登場し、去年のような日米クソゲー大戦が繰り広げられる中、アメリカから新たな刺客が送られてきた。
ベトナム戦争を舞台としたユービーアイソフトの『エア コンクリフト ベトナム』(通称「エアコンV」)である。
公式PVで「ベトナム戦争で初めて実戦投入された戦闘用ヘリの威力を完璧に再現」と称されるこのゲームは確かにすさまじい威力を放っていた。
まず肝心のヘリと戦闘機の操作はそれぞれ別になっていて、ヘリの場合△と□で上昇下降、左スティックで旋回と機首の上下、右スティックで平行移動と前進後退。
逆に戦闘機の場合は△と□で加速減速、左スティックで機体の操作、右スティックでカメラ操作…と同じようなジャンルのゲームとしては劣悪な操作性になっている。
やり辛いだけならまだしも、普通のゲームならできてあたりまえのオプションによる操作方法の変更もできず、自由自在に空を動き回れない。
かと思えば縦ローリング可能な爆撃機やどんな体勢からも水平飛行に戻せるなどやりたい放題。
ヘリや戦闘機の3Dモデルはリアルで出来がいいのに、まったくリアリティのない機動である。
そんなリアリティのなさは機動に全部持っていかれたのかストーリーは超が付くほどリアルだ。
主人公はパイロットとしてベトナムに送られた妻子がいるアメリカ兵なのだが、
戦地にいる間、その妻子から容赦ない言葉を浴びせられる。
手紙で罵倒され、離婚届を送りつけられ、「人殺し」呼ばわりされ…最初は二人とも主人公がパイロットに選ばれて喜んでいたことを考えると報われない。
(一応世が反戦ムードになったという理由はあるが)
そんな主人公の弟も主人公や亡くなった軍人の父に憧れて軍に志願するものの、
途中で鬱になりいつのまにやら戦死してしまい、
それによって主人公は母から遠回しに罵倒されるハメになる。
最後は元帥までなるが、家族は離散し1993年に癌で孤独死するという悲惨な目に。
PVで「ベトナム戦争の真実(リアル)がここにある」と言われていたが、
ゲームでここまでやる必要はあったのだろうか。
そのことで選評者には「wikipediaの同項目を熟読した方がよほど有意義」と言われてしまった。
こんな悲惨な結末を見るには苦痛の戦闘をする必要がある。
操作の煩雑さは前述のとおりで、さらにお荷物がついてくる。
本作の目玉とも言われている部隊戦だが、その時はいつでも部隊の別機体の操縦をできる。
しかし操作していない機体は集中砲火を受けようがなにがあろうがその場を旋回するだけで何もしない。
プレイヤーが操作している機体についてくれればまだいいのに随伴すらしないため、
全ての機体を目的地に運ぼうと思うと何度も何度も別機体で同じルートを進む必要がある。
また、味方機が撃墜された場合、パイロットの生存能力が高ければ救出ミッションが開始されるが
パイロットが死のうが行方不明になろうが替えはいくらでもいるためやる必要がない。
オンラインにも対応しているが、そもそも人がいないのでマッチングできない。
しかもオンラインプレイ関連の実績解除が5つもあり、実績解除コンプは無理とまで言われている。
他にもヘリのレーダーが無意味になったり、目的ポイントや敵がエリア外に出たりするなど恐ろしい事実はいくつかあるが、
何より恐ろしいのが死を繰り返す無限ループが存在することだ。
本作はチェックポイントの管理が甘く、壁と激突した直後にチェックポイントに戻ると壁に激突する瞬間に戻されて、死ぬ。もう一度戻っても死ぬ。
敵に撃墜されたからとチェックポイントに戻ると、敵に撃墜される直後に戻され、敵と激突して死ぬ。もちろんまたチェックポイントに戻っても死ぬ。
これ以外にも突如搭載した武器が消失する、切り替えができなくなると言った怪現象すら起きる。
このゲームのジャンルはエアコンバットであって、ホラーゲームではないのだが…。
低い空で、狭い大地で、あるときは時間の牢獄に閉じ込められて不自由に飛ぶ。
これのどこに公式HPで謳われる「史実を元にしたリアルな空中戦」があるのだろうか…。
こうして、『エアコンV』も『HFS』と『HIP』のあとに続いてKOTYに参戦することになった。

そして『エアコンV』と同時に出現した『ダブルドラゴン? ワンダーオブザドラゴン』(通称「DD2」)の存在も忘れてはならない。
本作は同じ名前の名作横スクロールアクションゲーム、そのリメイク版であるが、
その中身はリメイクどころかリテイクしろと言いたくなるようなものだった。
まずリメイク前は前後の二方向に攻撃ができるが、本作は攻撃する方向が八方向に増えている。
一見問題ないように見えるが、それは裏を返せばリメイク前は前後の二つにだけ気を配っていれば良かったのに対し、
本作は八方向全てから敵が押し寄せてきてプレイヤーをタコ殴りにしてくるということだ。
一方を殴っていると、瞬く間に他の方向から攻撃され、
距離をとっても逃げてもすぐに近づかれては殴られる。
ガード機能もあるにはあるが、向いている方向にしか機能しないので、リンチされるのには変わりない。
また本作に攻撃・防御・ジャンプをすると消費するスタミナゲージがあるため、
仮にガードし続けてられていてもいつかは破られる。
某キャラクターが「戦いは数だよ兄貴!」と言っていたがまさにそれを体現するようなシステムである。
そんな理不尽な雑魚戦をなんとかいなし、ボスのところにたどり着くとそこもまた地獄であった。
ボスは一部のステージで出てくる最後の関門であるが、攻撃力が高く、怯まない。
それだけならまだいいのに、雑魚も召喚してボスを交えたリンチが行われるのだからさあ大変。
「ボスに攻撃⇒雑魚に殴られダウン⇒起きあがった直後にボスの攻撃⇒ダウン⇒起きあが(ry」という無限ループが行われる。
しかしこんなに酷いリンチでもなんとか抜けられる方法はある。
それを使うには特殊な条件を必要とするが…
本作は初期状態でコイン(残機)が20枚あって、HP0のときそれを使うことで復帰できる。
そう、特殊な条件とはコンテニュー時。コンテニューした瞬間、自機の周りに放つ波動…
それこそが切迫した状況をひっくり返す通称「コンテニュー拳」。
範囲は広くないものの威力は高く一気に敵を蹴散らせる。
こちらを袋にするボスですら、コンテニュー拳を多用することで嘘のように簡単に倒せるのだ。
これのほかに四種類の必殺技を使うことができるが、
一つ除いて全部使い勝手が悪く、わざわざ使う価値が見当たらない。
他にもPS1にすら劣ると形容されるグラフィックに10秒程度の旧作リミックスが延々と流される様、
しょっぱい効果音など枚挙に上げればきりがない。
しかしながら、体験版でこの作品のクソさはだいたい伝わる上に、
ユーザー評価が著しく低いため(5段階評価のうち1.5)、
事前に避けられるという点はまだマシと言えるだろう。

また『DD2』に前後してWiiUで発売された『ARC STYLE:野球!!SP』(通称「悪球」)が一時期スレを騒がせた。
本作は2012年に3DSで発売されたものの移植版であるが、移植前にできたオンライン対戦ができなくなっているという劣化移植という点や、
トーナメントモードの敵が貧弱すぎる点、隠しチームが異常に強い点などなど問題はあるものの、
800円という値段や一応野球ゲームとして成立していることから、惜しまれつつも選外へといくことになった。

そして激動の9月が終わってからは特にこれと言ったゲームも出ず、すでに話題作入りした作品の検証を行う日々が続いた。
しかしそいつはそろそろ総評を書こうというムードになっていた元旦に、待ったと言わんばかりに滑り込んできた。
ユビキタスエンターテインメント作品、WiiU専用ソフト『ガイアブレイカー』(通称「ガイア」)である。
12月25日のクリスマスにDL販売開始された今回の年末の魔物である。
わざわざクリスマスに販売してくるあたり、「家にいる家族みんなで楽しんでほしい」というユビキタスエンターテインメントからのプレゼントなのだろう。
しかしそのクリスマスプレゼントはゲームを楽しむことに支障をきたすものだった。
それでは長いロードと「Miiverse」表示関連しか項目のない充実したオプションから始まるこのゲームを見ていこう。
本作はいわゆる縦スクロールシューティングと言われるジャンルのゲームだ。
縦シューティングと言えば、『怒首領蜂』や『レイシリーズ』といった名作が多くあるジャンルで古くから親しまれてきた一つの文化だ。
そんな古き良きシューティングを見習ったのか本作は斜め移動はおろか上下移動すら封じ、左右移動限定というインベーダー仕様である。
アイテムやパワーアップ、ボムといった昨今のシューティングならあってあたりまえのものをあえてなくすあたり、インベーダーへの本気のリスペクトがうかがえる。
その一方でリスペクトばかりではなく、本作独自の機能が輝く。
まずプレイヤーの分身として共に戦う自機は通常弾とレーザーの二種類しか撃てない。
用意されているグラフィックも最小限で、使いまわしばかりの敵とあわせてアーケード時代のシューティングを思い出させる。
また、左右移動しかできない本作であるが、プレイしているうちにその移動すらなぜか働く慣性や謎の遅延、処理落ちに悩まされる。
ストレスフルな移動を行いたどり着いた4面以降は「自機狙い弾」の増加と真横からくる「追尾レーザー」によってミスを強要される。
結果として左右移動しかできないのに左右移動では回避できない状況が生まれる。
「背景と同化していて見えづらい」と報告される弾幕すらある始末だ。
それらを超えても待ち受けるのは残機MAXでも勝つことが運ゲーと称されるラスボス。
運ゲーの果てにクリアしても待ち受けるのはスコアとタイトル画面のみ。
後の検証で、クリア時にスコアが500万点以上ならスタッフロールが流れるということがわかったが、
クリアするのがそもそも運ゲーだというのに、さらに条件を提示して何人がスタッフロールを見られるというのか。
当然だが、スタッフロールというものは普通にあってしかるべきのものである。
また、SE、BGMや背景をはじめとするグラフィックもお粗末なもので、クソゲーはBGMだけはいいという法則すら成り立ってない。
まるでスマホアプリのようだ、と言われても仕方ない出来であるが、本作はもともとスマホアプリを移植したものだ。
しかし600円のアプリを1890円に増やしたうえで追加した機能は「Miiverse」への対応のみ。
この出来でWiiUダウンロードソフト最高額なことを考えればeショップで23人連続☆1評価という記録を叩きだすのも納得である。
検証が続き一時期は選外とも言われていた本作であったが、
そのあまりにも手抜きな内容と開発者の香ばしい発言によって最後までスレを賑やかせ、
年末の魔物が最後に参加表明を出していったのであった。


以上、ノミネート5作品の紹介を終えたところで、今年の大賞を発表しよう。
KOTYが10周年を迎え、今までの大賞・次点作品が見守る中、10番目の大賞を勝ち取った作品は…

『ビビッドレッド・オペレーション-Hyper Intimate Power-』である。

理由は本作が「クソゲーオブザイヤー」を象徴する作品であるからだ。
まずはKOTYという祭典が開始されたときのことを思い出してほしい。
最初のKOTYは期待度が高かったが微妙だったゲーム、つまりガッカリゲーの哀しみを笑い飛ばすスレだった。
大作、期待作、キャラゲー…それらのガッカリを笑っていたあの日々。
次にあの日、四八(仮)という魔神が生み出されてしまった日、
あの日からKOTYは真のクソゲーを決める祭典へと進化した。
来る日も来る日も押し寄せてくる質の違うクソに笑うしかなかった日々。
四八ショックの前後どちらも含めてのKOTYの10年だ。

それを踏まえて『HIP』を見てほしい。
『HIP』は「尻さえ拝めれば後はどうでもいい」というファンの希望すら満足に叶えなかった。
限定版「ビビっとテンコ盛りパック」も発売されていたが、本作がDL限定販売ということもあり、
設定資料集やサントラはPS3本体にしかその身を置けず、従来のファングッズとは違い自由に取り出すことができない。
しかも2013年9月下旬までの限定販売であったため、今はファンアイテムとしての価値はないと言っていい。
また変身シーンなどの見せ場を悉く削っており、キャラゲーとしてあるべきものが何もかも欠けていた。
『HIP』は間違いなく、ファンのささやかな願いを踏みにじり弄んだ「ガッカリゲー」だ。
しかし、それだけではない。
垂直移動もできず、移動中に攻撃はできない、移動せず方向転換ができない、できないこと尽くしの操作性。
それを嘲笑うかのように自由に動き回るザコ、そして安地を徘徊するラスボス。
見辛い背景と狭い視界、少なすぎる攻撃手段。
簡単なのに理不尽にダメージを喰らい、それすら合体で回復することができる。
原作未見ですら楽しめない究極の虚無。「ゲームとして成立してない」様がここにあった。

つまり『HIP』はガッカリゲーとクソゲー、どちらの要素も持ち合わせたハイブリッドクソゲー。
四八前というケツと、四八後というケツの間から出てきたクソ、それこそが『HIP』なのである。
それは10周年を迎えるKOTYそのものを示してると言って過言ではないだろう。

2013年のKOTYは例年以上に荒れた年であったように思える。
前年王者『嵐』の暴風、PS3版『大戦略PERFECT』の延期…。
選評が上がったものの、選評者自身が取り下げを行うという未曽有の事態も起きた。
少ない情報で議論され、話題作と選外を行き来する作品もあった。
しかし、そんな凄まじいうねりの中で、『HFS』『HIP』『エアコンV』『DD2』『ガイア』といった趣の違う鈍色の個性を放つゲームが出てこれたのは
ソーシャルゲーが発展してる今日においては僥倖と言えるだろう。
特に前作から引き続き参戦した『HFS』はKOTYのこれからを感じさせる作品であり、
『HIP』はKOTYの10年の歴史、クソゲーオブザディケイドを物語り、四八(仮)の座を引き継ぐクソゲー界の破壊者なのかもしれない。

最後に同じ10周年記念作品である『仮面ライダーディケイド』のキャッチコピーを借りてKOTY2013を終えるとする。

「クソゲーの破壊者『HIP』。いくつものクソゲーを退け、そのケツは何を出す?」

総評案X(投下予告)

規制で書き込みできないので、後日こちらにアップロードします。
申し訳ありませんがその際はスレにお知らせ・投下代行して頂けると幸いです。
お手数おかけしてしまい申し訳ありません。