名称 | 太平洋の嵐 ~戦艦大和、暁に出撃す!~ | |
ジャンル | 超ド級本格派戦略シミュレーション | |
対応機種 | PS3 | |
発売元 | システムソフト・アルファー | |
開発元 | システムソフト・アルファー | |
発売日 | 2012年11月22日 | |
価格 | 通常版:7,140円、限定版:9,240円(税込み) | |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
OP
2007年に発売され、当初から低レベル過ぎるグラフィックと、複雑難解な新規参入お断りシステムで酷評が相次いだPCゲーム『太平洋の嵐5』の移植版。
2008年にPS2とPSPに移植、その後更にDSにもされているため本作で実に3度目(4機種目)であり、流石は手抜き移植乱発に定評のあるSSαと言った所。
総容量が僅か617MBの上、グラフィック・操作性・UI・システム・音響・AI・ゲームバランス全てにおいて糞という、驚愕の低クオリティが発覚し住人達を戦慄させた。
多様な要素を無駄に詰め込み、普通に遊ぶだけで霧の中を彷徨う様な状態に陥れ、実際は殆どが不要な物で最後は虚無化、まさに「ゲー無」もとい「ゲー霧」である。
スレでの呼称は「嵐」「太平洋」、英語訳で「PO(Pacific Ocean)」とも。SSα4本目(携帯版含めると8本目)の話題作で、偶然にもあの『四八(仮)』と同じ誕生日。
艦隊(or潜水艦隊)vs艦隊(or潜水艦隊)
「全艦、突撃」 攻撃しつつ直進する。
「全艦、取舵」 攻撃しつつ左前方に進む。
「全艦、面舵」 攻撃しつつ右前方に進む。
「転進せよ」 攻撃しつつ180度ターンする。進行方向が180度反転する。
「全速前進!」 攻撃を行わずに直進する。
艦隊(or潜水艦隊)vs航空機
「対空防御、弾幕をはれ!」 直進しつつ対空攻撃を行う。
「全艦全力回避」 回避に専念する。潜水艦隊のときは全艦全力回避しかできない。
航空機vs艦隊
「全速前進!」 攻撃対象だけ指定可能。対象は旗艦、戦隊、支援隊etc.
航空機vs航空機
「全機、直進せよ!」 攻撃しつつ直進する。
「全機、右翼へ進め」 攻撃しつつ右前方へ進む。
「全機、左翼へ進め」 攻撃しつつ左前方へ進む。
「全機、右旋回せよ」 攻撃しつつ右旋回してターン。右後方へ移動し進行方向が180度反転する。
「全機、左旋回せよ」 攻撃しつつ左旋回してターン。左後方へ移動し進行方向が180度反転する。
「全機、上昇!」 低空→高空または高空→高々度へと高度を変える。
「全機、下降!」 高空→低空または高々度→高空へと高度を変える。
ただし、重爆撃機は「全機、直進せよ!」しかできない。
陸上部隊vs陸上部隊(根拠地戦)
「全軍進め!」 攻撃しつつ前進。
「全軍後退!」 攻撃しつつ後退。
「転進せよ!」 攻撃せず後退。
「敵を殲滅せよ」 弾薬を使い果たすまで攻撃を行う。
艦隊(砲撃)
「全艦、砲撃!」 攻撃対象が飛行場施設、工場施設、防御施設、地上部隊のとき。
攻撃対象が停泊艦船のときは細かな標的の設定がある。
「敵艦船を攻撃せよ」 敵艦船をランダムに攻撃。
「最大戦闘艦を攻撃せよ」 戦闘艦のうち規模が最大のものを集中攻撃。
「戦艦を攻撃せよ」 戦艦の中からランダムに攻撃。
「最大空母を攻撃せよ」 規模が最大の空母を集中攻撃。
「空母を攻撃せよ」 空母の中からランダムで攻撃。
「商船を順に攻撃せよ」 商船を番号順に攻撃。
「商船を攻撃せよ」 商船の中からランダムで攻撃。
航空機(爆撃)
「全機、爆撃!」 攻撃対象が飛行場施設、工場施設、防御施設、地上部隊のとき。
攻撃対象が停泊艦船のときは細かな標的の設定がある。
「敵艦船を攻撃せよ」 航空機1機ごとに敵艦船をランダムに攻撃。
「最大戦闘艦を攻撃せよ」 戦闘艦のうち規模が最大のものを集中攻撃。
「戦艦を攻撃せよ」 航空機1機ごとに戦艦の中からランダムに攻撃。
「最大空母を攻撃せよ」 規模が最大の空母を集中攻撃。
「空母を攻撃せよ」 航空機1機ごとに空母の中からランダムで攻撃。
「商船を順に攻撃せよ」 商船を番号順に攻撃。
「商船を攻撃せよ」 航空機1機ごとに商船の中からランダムで攻撃。
非常に長いので個別ページを参照。
スレでの有志が参加国全ての艦型と3Dモデルを調査して纏めたもの。下記ページ内を参照。
太平洋を起動する。(50%)
→SSαのロゴに狼狽し電源を切る(50%)
→シナリオを開始する(10%)
→序盤の輸送設定のだるさを思い出し電源を切る(90%)
→戦闘の無常観に打ちひしがれ、電源を切る(9%)
→敵潜水艦にやる気を通商破壊され降伏
→資源を管理する作業から得た勝利の快感に浸る(1%)
→AIから勝利したのに悲しみ、虚しさが残り、やる気が崩壊。セーブし電源を切る
→セーブデータを読み込む(90%)
→セーブした所までの苦労を振り返り、電源を切る(30%)
→将来する作業に憂鬱になり電源を切る。(70%)
上のルートを繰り返してプレイが進まないことがこの霧ゲーにはよくあること
これから嵐をやろうとしている人へ
数多くあるシナリオだが、最初は資源・搭乗員ルールなしで、富嶽飛翔スシナリオをプレイしよう
これだけでは霧ゲーを味わうことは出来ないが、雰囲気(超作業ゲー感)だけでも味わうことが出来る。
資源なし&富嶽使い放題だから凄くクリアするのには(システム的に)簡単だ。雰囲気を掴んだら終わりにしても構わない。
次に、資源ルールだけありにしてもう一度プレイしよう!
さっきのプレイがややこしくなるだけだからここで資源ルールの恐ろしさを学びつつ
チマチマセーブしながら進めると選評が届かない理由も学べるよ。
中断し、再び起動して、タイトル画面が見えた瞬間電源を切れるようになれば
君も立派な霧の中の迷子だ!売り飛ばしてきてもいいぞ!
もし霧ゲーを更に味わいたいなら太平洋の嵐シナリオ・資源ルールありでプレイしよう!
シナリオを開始出来るかが最大の壁だけど頑張ってクリアしてね。
クリアしたなら搭乗員ルールをありにして太平洋の嵐シナリオをプレイしよう!
ただ、これやると電源をいれる度に電源を切る癖がつきかねないからやめたほうがいい
・戦艦10隻なら大丈夫だろうと思っていたら、非武装の輸送船20隻に襲われた
・停泊地から半日の海上なのに駆逐艦が燃料不足で自沈していた
・艦底に何かがぶつかったので調べてみると、海底から湧いた潜水艦だった
・海上封鎖で閉じ込めた敵部隊がいつの間にから消え去り、ワープで味方拠点を攻撃していた
・波状攻撃をかけられ疲れた、というか抵抗できなくなった大部隊を一人に陥落させられた
・フェニックスからメキシコシティの間を陸路で移動するのに半日
・開戦日に真珠湾が艦砲射撃を受け、艦船・航空機・陸上部隊、施設さえも撃破された
・航空機ならより安全だろうと真珠湾に奇襲攻撃を掛けたら、機体の損害が増えただけで逆効果だった
・被撃墜の8割が対空砲火。リストの上部から狙っていく仕様のため「戦闘機ほど危ない」
・「そんな危険なわけがない」といって出撃したエース・パイロットが一人も帰って来なかった
・「何も持たなければ襲われるわけがない」と手ぶらで出てきたCPUの輸送船を撃沈したら、
攻撃に使った燃料の分だけこちらが損をしていた
・最近流行っている破壊工作は「積載1」 物資を1だけ積めば輸送船の自由を奪えるため
・海上拠点から半径1000km以内に潜水艦が湧き出る確率が150%。2つめの湧きポイントがある確立が50%の意味
・SSαのクソゲーによる被害者は1日平均12人、うち約10人がフルプライスで購入
年末、大筋の総評がまとまりかけたKOTYに猛烈な奇襲攻撃が仕掛けられた。
システムソフト・アルファーから発売された「太平洋の嵐~戦艦大和、暁に出撃す!~」(以下、「嵐」)である。
本作は1987年から続く「太平洋の嵐」シリーズの最新作であるが、そのルーツは多少複雑である。
2007年に発売された「太平洋の嵐5」がPCからマイナーチェンジを伴ってPSP・PS2に移植され(以下PSP版)、さらにこれをPS3に移植したものが本作の「嵐」となる。
問題点の指摘に入る前に、まずはゲームシステムについて述べる。
プレイヤーは軍を指揮して、マップ上に表示される敵領土を攻略し、指定ターン数が経過するまでに一定数の重要拠点を確保することでクリアとなる。
しかし、「嵐」では、軍艦や航空機、歩兵部隊を動かす「戦術」のほかに、資源を工場に輸送し、そこで各種軍需物資を生産するという「戦略」にも着眼しなければクリアすることができない。
前線での戦闘指揮の他に国家経営についても気を配って攻略する必要があるという点で、難易度が極めて高くプレイヤーを選ぶ反面、固定ファンも多く居たシリーズだったが・・・
では、本題に入ろう。
まず、ゲームを始めてすぐに目につく問題が二つ。
(1)グラフィック・SEが貧弱
(2)BGM音量が大きすぎ、反対にナレーションの音量が小さい、である。
特に(1)のグラフィックについては、「10年前のNHKの再現CGレベル」の出来であり、許容できないというのが大方の見解であった。
また、マップ画面では、艦隊の移動経路を細かく設定できる反面、狭い水路では陸地に引っかかり、スムーズに設定できないという問題が生じた。
さらに、マップが中途半端なところで切れていて戦略の幅が制限されるシナリオもあり、不満の声が上がった。
(3)各種情報が見にくい
自軍の保有部隊一覧や、資源一覧などの情報を見るのが面倒で、戦略シミュレーションとして問題がある。
次に、システム面の問題点がいくつも挙げられるが、これを解明することが非常な困難であった。
難解なゲームシステムのせいで、どれが仕様で、どれが欠陥であるのかの判断が難しかった故である。
2013年1月現在でも、どのような条件下でどんな問題が発生するのか判然としていない。早急な解明が待たれるところである。
(4)戦闘時の敵AIがお粗末
明らかに勝ち目がない戦闘を挑んでくる、戦闘中に意味不明な挙動を取るといった問題が報告されている。
さらに、戦闘時のダメージ計算がどのようにされているか不明で、総攻撃をかけたのにもかかわらず全く損害を与えられない、逆に寡兵相手にあっさりやられてしまうという現象が発生している。
(5)輸送システムが適用されるのは自軍だけ
先述したとおり、「嵐」では、産出した資源を工場などに輸送しなければならない。
その主役となるのが輸送船で、ゲームを始めると味方の輸送船がマップ中を走り回ることになる。
当然、この輸送船も敵の空襲や潜水艦の脅威にさらされる。
これに対抗し、如何に航路の安全を確保するかという「通商護衛」も「嵐」の醍醐味である。
しかし、敵の資源は、産出されると自動的に輸送され、敵輸送船はマップ上では確認できない
さらに、包囲されている敵拠点に自動的に守備隊が送り込まれ、さながら湧いて出たかのように見える「ステルス輸送」現象が頻発し、プレイヤーを混乱させる。
この仕様のせいで、敵輸送船の航路上で輸送を妨害する、「通商破壊」が行えず、敵の資源入手を阻止するためにはその根拠地を制圧しなければならない
(6)ブラックホール
検証中のプレイヤーから、「何もしていない筈なのに自軍の航空機が消滅する」という現象が報告された。
どのような条件下でこの現象が発生するか不明であるが、もはや擁護できないバグである。
総まとめ
「嵐」では、即ゲームが続行不能になる致命的なバグは報告されていない。
しかし、あちこちでフリーズが起こり、上述したような問題点があるため、決して良ゲーとはいえない。
もっとも、現在発売されているゲームで、資源輸送などの戦略面に着目したゲームは少なく、一応の評価はできる。
様々な要素を詰め込もうとして空振りした「ゲー無」感が強いが、どんなゲームを狙っていたかは十分伝わるためもったいない
KOTYスレは「海外産の洋ゲーによる侵略」という前代未聞の危機に晒されていた。
トキトワが登場しようともその数は2対1・・・数的不利は明らかである。
今年のKOTYは洋ゲーが跳梁跋扈したままで終わるのか、誰ぞ日本男児の意地を見せるものはいないのか・・・
そんな空気がスレに広まり始めたその時、例によって年末の魔物がスレ住人に対して強烈な奇襲攻撃を仕掛けてきたのである。
その魔物こそ、11月22日発売の『太平洋の嵐 ~戦艦大和、暁に出撃す!~』、通称「嵐」だ。
奇しくも四八と発売日を同じにし、71年前の日米開戦の日を3週間後に控えた時期にSSαから送り出された、まさに日米クソゲー決戦のトリを飾るにふさわしい作品と言える。
それでは、砲声かと思えるほどの爆音BGMで始まるゲームの内容を見てみよう。
まずはBGMの音量を調整すべく環境設定を開くと、充実のコンフィグを発見することができる
BGM、SE、VOICE、ゲーム中の報告の有無についてという昔懐かしの環境設定だが、システムデータが存在しないためにゲームを起動するごとに設定がリセットされるというオマケ付き。
実は環境設定をセーブデータに保存するという仕様のためで、新規にゲームを開始するときはいちいち設定しなおさなければならないのである。
さて、設定を終えてシナリオを選択、ゲームを始めるが、このときBGMの音量を下げておかないとBGMに隠れてシナリオ説明の声が聴こえない。
ディスプレイ側の音量を低めにしている場合、そもそも音声が流れていることに気づかない可能性があるほどだ。
ともあれ、ゲームを開始したプレイヤーを待ち受けているのは、SSαらしい操作性の欠片もないUIとストレスフルで理解不能な仕様の山である。
具体的に見てみよう。以下、細かに記述はしないが、それぞれ実にわかりづらく不便なUIでの操作であることを念頭に置いて貰いたい。
(操作性の良い、ストレスの溜まらない操作などこのゲームには存在しないのだ)
まずはゲームの肝とも言える「輸送」についてだ。
ただの戦術・戦略ゲーではなく、国家・軍隊の「運営と経営」に主眼が置かれたこのシリーズにおいては、然るべき資源を然るべき拠点に輸送しなければ弾薬の生産もままならない。
そうしたゲームのコンセプトを支える要素が輸送・・・なのだが、プレイヤーがこのシステムによって感じるのはとてつもない理不尽さと腹立たしさのみである。
支配地域から産出される資源を本土に運ぶべく輸送船の設定をしようとすれば、アイコンに勝手に吸い付くカーソルが目的地の近くの拠点にばかり吸い付きイライラ。
輸送の航路を指定しようとすれば、海峡でミリ単位の航路指定を強要されイライラ。しかもカーソルが近くのアイコンに吸い付こうとするため微調整ができない。
カーソルが勝手に動かない十字キーで動かすと今度はカーソルの動きが早くてイライラ。
輸送はゲームの根幹でもあるため、こうしたストレスの溜まる作業を何度も繰り返して輸送網を構築しないと話にならないのだ。
そして非常に面倒な操作の上に輸送網を構築しても、戦略ゲーである以上、その輸送網は常に敵の通商破壊の脅威にされされている。
そのこと自体は特に問題ない・・・そう、プレイヤー陣営が通商破壊を仕掛けられないことを除けば。
プレイヤー陣営はかように面倒な操作の上に、初期には数十隻、終盤には100隻以上もの輸送船を運用するわけであるが、CPUには輸送船を運用するなどという概念はない。
プレイヤーが苦労して資源を運んで生産活動を行い、敵の攻撃を掻い潜って部隊を運び上陸戦を実施するのに対して、CPUの資源は何もせずともいづこかに消え、上陸部隊はワープしてくる始末。
敵の潜水艦が太平洋の底から文字通り「湧き出て」は物資ごと輸送船を沈めていくのと比較して、プレイヤーは敵の輸送船を沈めてもなんら意味が無いという、理不尽極まりない仕様である。
(ちなみに、陸上の輸送であれば隣接拠点までの移動は1ターンの固定であるため、地図上で100kmしか離れていない地点だろうが、1000km離れた地点だろうが、隣接していれば6日で輸送が完了する手抜き仕様である。
参考までにゲーム内で一番距離が離れていると思われる隣接地はアリゾナ州フェニックス~メキシコシティまでの約2350km、最短は東京~横須賀までの約60kmだと思われる。距離はグーグル・マップ調べ。直線距離ではない)
突然ですが、ここで読者の方に問題です!輸送船の容量が10だとして、ある拠点から食料3と弾薬2、鉄2を運びだす必要がある時、一体何隻の輸送船が必要になるでしょうか?
答え:3隻
物資1種類につき輸送船が1隻必要という仕様のため、いかに少量の輸送だろうと物資の種類だけ輸送船が要求される。
輸送船が不足しがちな序盤において、幾度と無く「もっと積めるだろ!」というツッコミを入れたい衝動にかられたのは筆者だけだろうか。
そしてこの仕様は戦闘に対しても致命的な影響を与えるのである。詳しくは次の戦闘についての部分で記述しよう。
さて、大抵の人間はこの輸送設定のだるさに負けて電源を切るのであるが、それを乗り越えた1流のプレイヤーを待っているのはさらなる地獄、「戦闘」である。
何が地獄かといえば、この戦闘、とにかく仕様が「不明」である。
艦隊は戦隊、支援隊、航空隊、輸送隊、補給隊から構成されているのだが、艦隊戦の時の初期配置はランダム。輸送隊や補給隊が先陣を切って突撃していくのは日常茶飯事なこと。
CPUの輸送船を取り逃がしたと思ったら、なぜか180度ターンしてこちらの戦艦部隊に突撃を仕掛けてくる、などということも発生する。
船ごとに性能が定められているが、もちろん輸送船は非武装である。一体何がしたかったのか。
・・・もっとも、前述したように、CPUの輸送船を沈めた所でプレイヤーには利益など何もないのだが。
船の性能についてはさらに言及したいところだが、残念ながら、航空機も含めて表示される能力の効果が不明なのでこれ以上言及のしようがない。
(複数のパラメーターがあるが、例えば艦船の「雷撃力」の数値が有効に働く距離や戦術はあるのか、防御数値と攻撃数値の関係はどうなっているのかなど、一切不明である。航空機の兵装は「命中力」で表示される。
決して「命中率」ではない。こちらも、何によってどれだけ命中率が左右されるのか不明である。)
こうした仕様の結果、100機前後の航空部隊に戦艦部隊が攻撃されたが双方とも「被害0」なんてことが頻発したかと思えば、南雲艦隊が開戦日に真珠湾に突入・砲撃し、無傷で航空機による奇襲攻撃の5倍近い戦果をあげるような事態もしばしば発生する。
また、拠点の対空砲火は陸上部隊の数に応じて上昇する仕様なので、敵味方の前線などでは対空攻撃力がガンガン上昇していく。
開始直後の状態でも、日本側の防御力が低い機体でマニラ(対空340)に空襲を仕掛けると80機ほどの航空機が1フェイズ(=半日)で撃墜される。
しかも、表示される航空機リストの上にある機体から順々に撃墜されていくという仕様のため、リストの上部に表示される戦闘機のみが狙い撃ちにされる。
(このせいで、筆者は開戦から3日たらずで日本軍の誇る最優秀パイロット150人を喪失した。爆撃機がほぼ無傷だったので、戦闘機だけが100機単位で損耗していることに全く気づかなかった。)
戦闘のグラフィックや効果音も酷いもので、初代プレイステーションを遊んでいるような気分にさせてくれるシロモノだ。
「ブボッ・ブボッ」という艦砲射撃の音に始まり「プーン」というハエのような航空機の飛行音と「ペペペ、ペペペ」というしょっぱい機銃の射撃音。
陸戦では広大な大地をローポリの歩兵数人と戦車数台がホバー移動するというシュールな絵面を眺めることができる。
さて、先に輸送船の仕様が戦闘に決定的な影響を与えると書いたが、最後にそのことについて触れておこうと思う。
この仕様が悪さをするのは上陸戦を行うときである。
上陸戦に最低限必要な物を考えてみよう。まずは兵隊、そして食料・弾薬と、これらを目的地まで運ぶ輸送船である。
輸送船の仕様のため、輸送船に1部隊と、その部隊に必要な食料と弾薬を積み込むなどという真似はできないので、当然ながら食料と弾薬は個別の輸送船で運ばれることになる。
・・・おわかりだろうか?もし運悪く食料か弾薬を積んだ輸送船が撃沈された場合、その上陸部隊は完全に無力化されるのである!
しかも、輸送船1隻の容量でどんな大部隊であろうと賄えるだけの物資を運べるので、リスクを避けるためには積荷がスカスカの輸送船を何隻も運用する必要があるのだ。
(筆者は輸送船30隻の上陸部隊を編成し、本土から途中寄港しつつ2ヶ月かけてオーストラリア近海にまで運んだが、上陸直前に弾薬船だけを撃沈されて残りの29隻で引き返したことがある。)
他にも、表示される艦隊の行動半径には油槽船に積んである燃料が反映されず、実際にどれだけの航続距離があるか確認するためには艦隊内の艦艇の燃料消費を全て自力で計算しなければならないなど、不便極まりない仕様や不満点は数多くあるのだが、
あまりにも多すぎてここで語りきることは不可能である。そうしたことを確認したい物好きな諸氏には、ID:VdEIDCaF氏による詳細な選評・論評を読むことをオススメして、この選評を締めとする。
11/22、KOTYにとって革命的存在である四八が生まれた記念日に洋ゲーの怪進撃を受け大本営(SSα)が遂に動いた。
あの怪物ゲームに出撃命令を出したのだ。
そう、PS3版「太平洋の嵐~戦艦大和、暁に出撃する~」を発売したのである。
本題に入る前に本作を知らない人にこの作品の戦歴を簡潔に説明をしよう。
この「太平洋の嵐(以下嵐)」はG.A.Mが開発した戦略SLGである。
初代嵐は搭乗員までシミュレートできるゲームとして発売され、その硬派な作風、リアルなシステムが持て囃された作品で
多くのSLGゲーマーに衝撃を与えたとされている。その後に発売されたDX(アッパーバージョン),嵐2で硬派SLGの代表とも言われた。
しかしながら嵐の黄金期はここまでだった。ゲームデザイナーの離脱により2以降システムの進化が止まったのである。
3はグラフィックは気休め程度に強化されたものの親切心0のUI、理不尽な仕様により、1,2が築いた名誉を失墜させるには充分であった。
(なお、嵐3より開発はSSαである。)
そして失った名誉を回復しようと嵐4が2003年発売されるが、これまた、嵐3を悪化させた出来(というか2の深刻な悪化リメイク)で、
初代からついてきた多くのファンがSSαを見放す悲惨なものであった。それは2003年末にあった嵐4のスレが正月早々葬式状態のほどであった。
そして時は過ぎ2007年に突如嵐5が発売されたが、その出来は「(最近のSSαにおける意味で)よく見られる出来」であった。
(2の悪化リメイクである3の悪化リメイクの4のリメイクと思って良い)この時の評価は「4より酷い」とさえ言われている。
そんな「太平洋の嵐5」は何処をどう間違えたのかこっそりとPS2/PSP、DSに「太平洋の嵐~戦艦大和、暁に出撃する~」という名で展開され、
常に隠れたところで確実に購入者の悲劇を呼びつづけた。それはまるでドイツ海軍を彷彿とさせる活躍であったそうだ。
そして、今回説明するPS3版「太平洋の嵐~戦艦大和、暁に出撃する~」は、過去に移植されたPS2/PSP版をPS3に再移植したものである。
・・・余談だが、これがもし戦極姫3並の改装が済んでいたら今までの汚名が返上出来ただろう、
しかし、まさかの完全移植をするあたり汚名返上ではなく汚名挽回、いや、本気でKOTYを狙いに来たとしか言い様がない。
と言うより何故完全移植しようとしたのだろうか?筆者にはPS3版の存在意義が思いつかない。
まるで、甲子園DSを思わせる作品である。
話を戻そう、まずこのゲームの概要を説明しよう。このゲームの目的は至って簡単である。
ターンを進めながらプレイヤーは戦争を継続するにおいて"必要な戦略"を取り、敵根拠地を決められた数だけ奪い戦争に勝利するという単純なゲームである。
最もこの"必要な戦略"がこのゲームをクソゲーに仕立てた犯人であることは間違いないだろう。
それでは内容について述べる。
この作品は非常に多くの点で問題となっている。
すべての欠点を述べるには筆者の技量が足りないため僅かな欠点しか提示出来ないが許していただきたい。
(より詳しい問題点の指摘は ID:VdEIDCaF 氏による詳細な選評参考にして欲しい。)
(本選評をより解りやすく簡潔にまとめたものがID:ei20wwsxの選評である。)
(本選評は無駄にクドく長いので注意)
問題として提示するのは以下の点である。
・筆舌に尽くし難いシステムと舌を噛み切りたくなるようなゲームバランス
・全体的に不親切かつ説明不足なUI
・無脳なAIと無能なCPU
・貧弱な音楽と圧倒的な糞グラ
以上のシステム、UI、音楽、グラフィック、ゲームバランス、AIのそれぞれの欠点を説明していく。
では、始めにシステムの面から評価させて貰いたい。
何故システムの評価を優先するかというと
戦略SLGではシステムの完成度はとりわけ重要だからである。
何故なら戦略SLGは自分が立てた目標を達成する(敵勢力を全滅させる、〇〇まで生き残る等)のが目的のゲームである。
その目標を達成するためのシステムに欠陥があると目標を達成した際の達成感や、楽しみが薄れるのである。
例えば、貴方の中で面白かった戦略SLGを挙げてみて欲しい。
そのゲームのシステムがもし、最終的に何の変哲もないただのジャンケンで決まるシステムだったらどうだろうか?
つまり、どんなに最善を尽くしても、尽くさなくても勝てる確率は変わらないゲームである。
それは戦略SLGとして面白いといえるのだろうか?いやそんなことはない。
従ってシステムの完成度は戦略SLGにとって最も重要であるといえる。
では、嵐はどうだろうか?
嵐のシステムは先程述べたようにひたすらリアルにするために構成されている。
搭乗員の概念、自由な航路設定、軍需工場のための資源管理、自由に編成可能な航空隊と艦隊、輸送や補給が重視されたルール
といった面からもそれらは察することができよう。
確かに非常にリアルに再現しようとしている。それはこのゲームのシナリオを始めた時から心が痛いほど良くわかることである。
しかしながらただリアルかつより現実に再現しようとしたシステムはゲームとして失格であった。
システムの全てにケチを付けたいが、膨大なシステムを解りやすく解説し、
いかにクソかを説明するには筆者の力では全く及ばないため"一部分"だけの記述にする。
今回、その嵐のシステムを「空中」、「海上」、「地上」の3つに分類した。
それぞれの戦闘システムやそれに関連するシステムについて1つずつ評価することでシステムの評価を付けることにする。
最初に「空中」に関連するシステムについて評価する
「空中」に関連するシステムと言えば航空隊の整備・運用や、爆撃・迎撃等といった戦闘など様々なシステムが挙げられる。
先に航空隊の運営について評価する
このゲームにおける航空隊の運営は1機単位で扱うという珍しい形式である。
このシステムによって様々な航空機を無駄すること無く運用できる。
また、搭乗員の質、人数までもが管理できるルールが搭載されているという非常にマニアックな所を突いている。
確かに現実の戦争も搭乗員の質と量が戦争の行方を左右したためであろう。
その点を再現しようとした阿部氏ならびの初代嵐を作ったG.A.Mは評価されるべきである。
それでは、最初に本シリーズの空中関連システムの特徴である、「1機単位で航空部隊を扱う」について評価しよう。
この言葉を聞くバリエーション豊富なユニットが選べる良いシステムに聞こえるが、とんでもない勘違いである。
この仕様は言い換えれば「航空部隊がユニット化されていない」ということである。
即ち、予め根拠地に1機単位で迎撃部隊を編成しておいて迎撃の際に飛ばすというような事ができない。
この仕様により「1機単位で部隊編成してから命令する」という非常に面倒なものと成っている。
しかも、命令が終わると編成した部隊が解体され、また編成からやり直しである。
またこのゲームでは根拠地の自動化なんていう優しいものなどなく、命令の度に部隊を編成する必要がある。
例えば航空機100機があり20機を爆撃任務にあてる際には
爆撃機の機種と機数を決める→
搭乗員のレベルを決める→(爆撃して帰投)→
20機はもとに戻されて指示を待つ。
という流れになる。もちろんこれは1任務ごとにする必要があり、非常に面倒である。
しかも、部隊の数だけやらなくてはいけないため、編成の都合上、機動部隊では母艦1隻ずつにこの命令をしなくてはならない。
このように実際では階級毎にガチガチに固められていた指揮系統が嵐では
最高司令官(?)が国家の経済も管理しつつ、現場の編成、戦闘で直接指揮を取るという、
どこぞの独立戦闘国家もびっくりする様な指揮体制をとっているのだ。
このへんはリアルを売りにしているとは言えゲームだからと擁護も出来るが、
流石はシミュレーションソフトの大御所SSα、この超集権的指揮系統の問題点も無駄にリアルに再現している。
指揮官(プレイヤー)に負担がかかりすぎるのだ。
ただでさえ空戦は頻度が多く、その上戦局が激しければ空襲は何回も行われる。その度に
→「空襲の報告」
→「母艦を選ぶ」
→「出撃する機体を選ぶ」
→「出撃機数の決定」
→「搭乗員の決定」
→「出撃する機体を選ぶ」
・
・
・
→「次の母艦を選ぶ」
→「出撃する機体を選ぶ」
・
・
・
・
・
・
→「最後の母艦を選ぶ」
→「出撃する機体を選ぶ」
・
・
・
→「搭乗員の決定」
→「出撃」
→「実感のない空中戦闘指示」×(部隊数)×(敵機が離脱するor撃墜するまで)
→「被害報告の確認」
→「空襲の報告」
・
・
・
という長い指示ループをしなければならない。しかも、これに海戦、陸戦と言った他の戦闘も加わるのだから面倒でしかない。
ただし航空編成には一応「自動編成」はある。
「一括」、「艦別」か「戦闘機のみ」「爆撃機のみ」「混合編成」と非常に充実している。皮肉なしに素晴らしい仕様である。
しかし、残念にもこの素晴らしい仕様も少しばかりか欠点がある。
上から順に出撃機体と飛ばせるだけの機数を設定するだけともなんともかゆいところに手が届かない仕様と成っているのだ。
なぜこれが欠点かといえるのか?それは敵の戦力に関係なく常に全力出撃を選ぶからだ。
本作では資源の節約が重要である。つまり、敵機が10機襲来したのに迎撃機を100機向けるのは貴重な燃料の無駄なのだ。
その点を自動編成コマンドは理解していないのである。しかも、旧世代の飛行機が上にある場合もあり、下手をすると
「B-29が襲来したので紫電改で迎撃しようとしたら自動編成が艦上戦闘機として活用したい烈風や、
(資源のために)廃棄予定の零式艦上戦闘機を選んで貴重な出撃枠を奪う」
「爆撃するため「一括」「爆撃機のみ」の自動編成を選んだら戦艦や重巡の水上偵察機まで選ばれる」
といったように自動編成が弱冠ながら機能しない場合があり、地味にウザい。
次に、本シリーズの特徴である搭乗員ルールについて評価する。
本作では搭乗員にレベルがあり、それぞれのレベルでできることが異なる。
特にレベル4は唯一空母から発艦できる搭乗員であり、非常に需要が高い。
しかし、搭乗員は60ターンもの長い時間を掛けなければレベルが上がらないという気休めの成長要素のせいで、
すぐには補充されず、レベル4の搭乗員は非常に貴重な存在である。
戦争において人材の重要さが身を持って体験できるのはこのゲームぐらいではないだろうか?
さてこのリアルに再現されたルールだが、ゲームである以上楽しさで評価せざるを得ない。
ゲーム面の観点から結論付けると、そんなルールはOFFにすべきである。
このルールがONであるとゲームにならないどころか苦行を超えた何かにレベルアップするからだ。
この一見完成度が高いシステムが何故クソ要素になるのか?
それは、本作の超絶ゲームバランスに原因がある。
本作では日本機は脆いということをリアルに再現しようとしたのかバグったレベルで航空機が落とされるのである。
その為、現実ではありえないような勢いで搭乗員の消耗が激しいのである。
仮にルールをONにしてプレイするとたちどころに機体はあっても人がいないという太平洋戦争末期の状況を開戦早々に味わうことになる。
あくまでゲームである以上、プレイにすぐ障害を起こすルールは評価に値しない。
次に、空中戦について述べる。
今作の空中戦は簡単な作りとなっている。
「どのように航空隊を動かすか?」
この命令だけで戦闘が終わる。(詳しい内容は ID:VdEIDCaF 氏による詳細な選評内で語られているのでそちらで確認して貰いたい。)
一応、航空隊の位置によって攻撃する航空隊を選んでいるはずなのだが、実感はなくよくわからない戦闘を繰り広げる。
当然、「どの敵航空隊を攻撃するか?」は指定できない。遠く離れていようとも近くに居ようがランダムで航空隊はダメージを受ける。
また、航空隊がダメージを受けると航空隊内の航空機の内どれが落ちるのだが、
「航空隊の上にある機体から墜落していく」という素晴らしい仕様となっている。
そのため、結果画面で上に来る戦闘機が多く撃墜されることが多い。というか戦闘機から撃墜される。
いくらなんでも、リストの上から墜落させて擬似的に空戦で戦闘機が落ちたことを再現するという発想は何処のゲームもないだろう。
その為、今作でおかしい対空火力を持つ根拠地へ爆撃すると、爆撃機が優先的に落とされるとかいう物のではなく
やはり、リストの上にある戦闘機から落とされていく。
SSαにとって「爆撃されたら高射砲で戦闘機を優先して撃墜するべきだ。」という信条でもあるのか?
なお、この仕様は艦艇攻撃の場合、逆にリストの下から墜落する仕様となっている。(ただし殆ど落ちないが・・・)
なぜ、根拠地爆撃もそうしてくれなかったのか。
SSαの超絶仕様でゲームバランスを取るというやり方はここまで来ると芸術ものである。
以上で述べたように空中に関連したシステムは非常に面倒かつ不条理なシステムに成っている。
次に海上のシステムについて評価する。
海軍は艦艇を1隻単位で編成され、燃料があり、陸に上がらなければどこでも行くことが出来る。
頑張ればレイテ沖海戦並みの複雑な航路設定できるということは非常に魅力的なのだが、問題はその航路設定である。
今作では移動経路をポインタで指定して作るのだが、根拠地が密集している海域だと根拠地に吸い寄せられ、まともな航路が組めないのである。
特に呉、八幡付近といった瀬戸内海といった所は狭く出撃するのにでさえ慣れが必要である。地味に苦痛である。
また、陸に触れてなければ何処にでもいけるとあるが、逆に言えば僅かでも陸に触れるとキャンセルされるのである。瀬戸内海の苦労は絶えない。
出港までの苦労を味わうには最高だろう。
また、本作の醍醐味でもある、リアルな海上輸送についても述べたい。
今作では、海上輸送隊を自由に編成し、好きな航路で輸送することが可能である。
例えば輸送隊の護衛に大和をつけるなどの無茶をしても、
1線級の戦力を用いた大規模護衛船団を組むといった「海上護衛戦」著者大井篤氏が歓喜するような編成であろうと好き勝手に編成出来るのだ。
しかし、海上輸送も苦労を味わう仕様となっている。
海上輸送を選択する際に資源の輸送量を設定できるのだが、なんと、1ターンあたりの輸送量といった情報がないのだ。
大した問題ではないと思うかもしれないが、「輸送する品目が不足していると輸送しない」という仕様により問題となるのである。
定期的に輸送する以上、消費量を超えた余剰資源は然るところに輸送する必要がある。
そこで、島国という都合上余剰資源を輸送する際に海上輸送を利用することになるのだが、この時余剰資源量は与えてくれない上、海上輸送の仕様上1ターンに何往復するか不明なためどれだけの量を輸送すればいいか不明なのである。
例えば、仙台-室蘭間で余剰石炭を輸送したい場合、
1ターンの間に何往復するか
室蘭にはどれだけ1ターンあたりどれだけ余剰石炭があるか
室蘭にある余剰石炭を何分割すれば途切れることなく輸送できるか
海上輸送隊の燃料は毎ターンどれだけいるか
敵潜水艦の通商破壊による損失の補充分はどれだけ用意しておくか
といった外部要因といったことを計算して海上輸送を設定しなくてはならない。
もちろんゲーム上には計算機など無く、電卓やらExcelなどの計算で求める必要がある。
それだけ輸送の設定は面倒なものである。
恐らくこの仕様がプレイ続行するにあたり序盤の最大の壁になるだろう。
ちなみに、どのシナリオも予め輸送が設定されていないためシナリオを開始する度に1から輸送設定をする必要がある。
SSαもこの作業はやりたくないからしなかったのでは?とすら思うほどである。
不良点はこれだけでは済まない。この嵐は初代がPC98という非常に古いパソコンで作られたため、
スペック上泣く泣く変更した仕様がPS3になった現在でもそのまま使われている。
その仕様とは「輸送船の積荷の種類」である。
この問題を端的に表した名文を改悪することでこの異常性を理解してもらおう。
Q.輸送容量100の輸送船(高速ではない)があります。石炭100、鉄20、アルミ10、食料10、戦闘部隊4、設営部隊6、弾薬50の物質を運ぶには何隻いるでしょうか?
「石炭100で1隻、鉄アルミ食料陸上部隊弾薬まとめて1隻の2隻」 と思った方は少なくとも数学的に正しい。
だが、正解は
A.SSα「石炭100で1隻、鉄20で1隻、アルミ10で1隻、食料10で1隻、陸上部隊10で4隻、弾薬50で1隻で計9隻だろ?」
本作では、輸送船には、1隻に付き1種類の資源しか乗せられない。また、陸上部隊は3部隊が上限である。
資源の集積のために大量の輸送船がいる序盤ではこの仕様のせいで輸送隊の苦悩を味わうことになる。
しかも、この仕様には重大な欠陥がある。
それは資源を単品でしか運べないという事によりリスクを分散出来ないのである。
単品の都合上各艦に分散して積むといった現実では当たり前のリスク回避が出来ず、輸送設定の大きな課題となる。
イメージしづらいので具体例を述べよう
先ほどの質問にあったように「弾薬」という資源がある。こいつは陸戦を行うのになければならないという攻撃用の資源である。
当然太平洋に浮かぶ孤島を攻略するためには輸送船でこいつと戦闘部隊を連れて来なくてはならない。
しかし、敵もただやられるわけじゃないので航空隊などで反撃する。その結果、以下の様なことが起きる。
プレイヤー 「長かったけど目的地のサンフランシスコまでもう少しだ。さっさと占領しようぜ!」
ナレーション 「敵機襲来!」
プレイヤー 「何だ少数機か大量の護衛がいるし大丈夫だろ。」(テキトウニポチー
輸送船18( 弾薬 搭載) 沈没
輸送船19(戦闘部隊搭載) 沈没
プレイヤー 「」(デンゲンポチー
戦力はあっても攻撃できない。まるでハメ技を受けたCPUの気分になるようなことが頻発する。
その為訓練された嵐プレイヤーは先程の質問にこう答えなければならない。
嵐プロ「石炭100で2隻、鉄20で2隻、アルミ10で3隻、食料10で5隻、戦闘部隊4で4隻、設営部隊6で3隻、弾薬50で5隻で計24隻ですサー!」
残念ながらリスクの分散をするには、数少ない輸送船の数を増やしつつ、既存の輸送船でなんとかしないと、という管理職泣かせの仕組みとなりプレイヤーのやる気を削り取っていく。ある意味リスク分散の重要性を体感させる素晴らしい一面を持つ。
他にも、問題点としては敵の隠す気がないチート行為がある。
今作では敵の通商破壊として潜水艦が異常なまでにウヨウヨしている。
別に異常なまでの数はアメリカの生産力を感じられて非常によろしいのだが、航続距離的にあり得ないところまで潜水艦が届くことがある上、
米本土制圧しようが敵の全根拠地制圧しようがアメリカ国籍の潜水艦が現れたという報告もある。
このため多くの潜水艦はアメリカ産ではなく、プレイヤーの目が届かないどこかで作られ、戦場に届けられている養殖物であることが人柱の報告より判明している。
正にチート国家と言えよう。甚だ理不尽である。というか、頼むから開戦早々日本海に来ないで・・・
もう一つ、輸送に関することで即座にわかる敵のチート行為がある。
それは、ワープ輸送の存在・・・では無く「CPUのみ物質無限が常に適用される」である。
(ちなみにワープ輸送も仕様として確認されている)
今作では輸送ルールが適用されるのはプレイヤー側だけである。これは根拠地画面を見るだけでわかることである。
CPU側は物質無限である上、ルール上では陸上部隊が湧かない根拠地でも土から人が採れるかのように陸上部隊を湧かせるのである。
それが、完全に包囲されていようと、輸送船の来ないガダルカナル島であろうと、プレイヤー海上部隊が根拠地入口にいようと
CPU司令官ならその場で物質を錬成し、根拠地から採れた人間で部隊を作り、抵抗しようとするのである。
「ああ、チートモードでプレイされるとこんなに理不尽なのか・・・」そう思うほど理不尽なチートである。
次に、海上戦闘について述べる。
本作は海上戦闘が起こることが稀(たいてい航空機で殲滅する)だが、海上で戦艦同士の打ち合いに持っていっことは可能である。
今回ももちろん目標を選ぶことが出来ない。
(どういう訳か航空機が艦艇を攻撃する時と航空機または艦艇が根拠地への攻撃時は目標を選べる。何故・・・)
また、本戦闘も同じよな欠陥がある。何をどうすればいいのかがよく分からないのだ。
戦闘画面に突入するとレーダー画面が映り、行動を選ぶのだが、距離関係なく沈んでいくようにしか見えない都合上、
どう動けば良いかまるで解らない。唯一理解できるのは、輸送船・補給船をレーダー外にすぐに逃がせということだけである。
プレイヤーに取っては連打作業モードにすぎない。
このように海上関連は非常に面倒な上、最も苦労するシステムである。
目玉である海上輸送システムは考えられた当初はマニア向け、あるいはスペックの問題として許容されたかもしれない。
しかし、時代は下り、ユーザーに対してのフォローが当然となった今では、このシステムは許容されるべきではない。
少なくとも、HoI2の補給のような多少は委任できる形式に修正するべきである。
次に陸戦について述べる
今作では陸軍の重要度は計り知れない。敵根拠地を落とすためにも陸軍は必要だからだ。
しかし、今作では異常なほど日本陸軍は弱い。同数なら必ず負け、数で勝っていても異常なほど損害がでかい。
即ち、正攻法が効かないのだ。しかし、今作ではそんな弱い陸軍にも計略(システムの弱点)で必ず勝てるという素晴らしいバランスである。
先程述べたように本作の陸戦では「弾薬」がなければ攻撃できないというルールがある。
なるほど確かに理論的だ。(現実的ではないが)
しかし、この作品では弾薬の消費量を調整できない
。即ち、弾薬を100消費する部隊はどんな敵でも攻撃時には100消費されるのである。
これをこれを逆手に100対20の戦力差があっても100対1を数回繰り返すだけで相手の弾薬が尽き100対1で勝利できるのである。
「システムの欠陥でもそんなの使わなきゃいいだけ」と思う方もいるだろう。
しかしシステムの欠陥は曲がりなりにもゲームとしての欠陥だ。少なくともゲームバランスとして問題であるといえる。
そもそも、この手法を使わなければいけないレベルのゲームバランスなんぞ調整放棄としか言い様がない
しかも本作は敵の防御陣が異常に固く、少しでも防御陣地があるとまともに地上攻撃が成功しないのである。
その上無限湧きにより各地に設営隊(毎ターン要塞と飛行場を建設)が配属され、
マジノ線も真っ青なレベルで各地を要塞化するのである。
つまり、毎回毎回根拠地を制圧するのに多大かつ無駄な労力が必要になるのである。
また、バランス調整()の一環か、敵の根拠地を爆撃で更地にしても不思議なことに、
設営隊と整備隊(航空機の整備をする隊)だけはそれぞれ1ずつ残るため、
どんなに頑張って削っても要塞を回復され正攻法では全く手のうちようがないである。
また、肝心の陸上戦闘は、これまでの戦闘の中で最も酷い出来である。
他の戦闘では「敵の後ろに回り込む」、「敵の側面から攻撃する」といったことが出来たが、
陸戦では実質的に「前進」と「後退」しか命令出来ないという「天下統一」仕様となっている。
そのせいか陸上戦闘はただの連打作業となり、非常に楽しみようのないシステムとなっている。
以上で述べてきたように本作の陸戦ほどゲームとして意味のないものはない。
本作の陸軍は「敵根拠地を奪取する」のためではなく「誰もいない敵根拠地に進駐する」という存在でしかない。
玉尽きても戦ったと言われる勇敢な日本軍なんて居なかったのである。
以上がシステムについての評価である。(これでも本当にごく一部の問題しか提示できていない。)
次にUIについての評価をする。
嵐シリーズにはSSα時代から脈々と受け継がれてきたある伝統がある。それは、「UIの悪さと不親切仕様」である。
元の初代嵐でさえ凄まじい説明量があり、単行本並みの厚い説明書がデフォルトであったそうだ。
初期にはコマンドの説明、パラメータ、各種計算式の紹介、各種兵器の解説などが事細かに説明されており、充分使用に耐えるものであったそうだ。
しかし、時代が下り、SSαの時代になるとマニュアルも劣化した。とは言っても誤植が増えたり単行本の半分程度になった程度で最低限のことは乗せられており、何とか使用に耐えるものであった。
しかし、今回のPS3版はPC版の最低限しか載っていない説明書を更に半分にしたものを説明書として同封している。
一般の方々ならPS3版の説明書は一見、分厚く、十分説明されているように見えるかも知れない。
しかし、本作をプレイするには不十分な説明しかされていないのである。正直に言って使い物にならない。
(特に各種性能に関しては具体的に言及されないためどのような働きかわかりづらい、
戦闘のコマンドもどうすれば有利に戦えるのかとかが書かれていない。
誤植も標準搭載。)
このゲームを理解するのに必要な説明量からすればPS3版はパンフレットいや、チラシに過ぎない。
PS3版の説明書見て悩むよりパソコンを起動してPC版の体験版についてくるマニュアル(pdf)を参照することをおすすめする。
そもそも、現代ではゲーム中でチュートリアルを用意するのが常識となりつつあるのに、
SSαはDS版にはあったといわれるチュートリアルをPS3で削るということをやらかしている。
何故削ったし。
(余談だが、PS3版はDS版にあった追加兵器などといったDS版オリジナルの要素は存在しない。
本当にPS2版をPS3に完全移植しただけである。尚更存在価値がない。)
新規ユーザーなど考えずにほとんどいないシリーズファンの事ばかり重視する姿勢はもはや畏敬の念を抱く。
UIについては昔のゲームデザインの都合上か現在のゲームでは意識されているようなことができていない。
例えば
ボタン配置に統一性がない
重要なコマンドが何処にあるかわかりづらい(特に生産・技術関連はわかりにくい。)
与えられた情報が何かわかりにくい説明
見づらい情報画面 (どれが何処に書いてあるかわかりにくい)
プレイを補助することをしない (この飛行経路では天候的に墜落する とか行った気の利いた注意なし。)
(それぐらい忠告してよ・・・)
1報告1ウィンドウのため、一斉に報告が来ると連打する必要がある。まとめて一覧で報告してくれ・・・
といった風にプレイヤーにこれでもかというほど嫌がらせしてくる仕様となっている。
これほどまでプレイヤーのことを考えたとは思えない程のUIの悪さは中々ないだろう。
また、このUIの悪さは公式でも認めたほどである。(太平洋の嵐6公式サイト参照)
次にAIについて述べる。
今作のAIは他のSSαゲーと同等と言える。
「戦闘に備え(チートで)戦力増強→(意味不明な行動で)プレイヤーを撹乱→増強した戦力(と仕様というチート)で撃破」という思想は受け継がれている。。
また、今作ではよりプレイヤーを撹乱するために、様々な困惑方法を使ってくる。以下は多くのプレイヤーが体験してきた敵の困惑方法である。
敵が迎撃に艦隊を出撃させてきた。 → 輸送船オンリーでした。
→ 航空戦隊に駆逐艦数隻、補給隊に駆逐艦数隻、輸送隊に駆逐艦数隻
という編成だった。
真珠湾奇襲を行った → 迎撃機が全力で上がってきた。
真珠湾奇襲で艦隊ごと真珠湾突撃し敵を封じた。 → ミッドウェーの航空機輸送艦隊が威風堂々と入港して来て全滅していった。
米沖縄攻略部隊の輸送船を全部沈めた → 残存艦隊が全力で沖縄に向かってきて、居座った。
無防備な輸送船を含む敵艦隊を襲撃 → 輸送船を逃さず、逆に此方に向けてきた。
といった事例が確認されている。全く手の内が読めないAIであり、本作を盛り下げる要因となること間違いなしである。
恐らく多くのプレイヤーはこういった行動を見て決定的な何かが折れてプレイしなくなるだろう。
次に効果音・音楽・グラフィックといった演出について述べる
最初にOPについて評価する。
今回のOPはPS3になったからといって、新しく作り直されていない。PC,PS2/PSPといったOPと比べほとんど変わっていない。
さて今作は硬派かつリアルなゲームとして売りだされているが、OP初っ端から仮想空間を生み出している。
坊ノ岬沖海戦のシーンを再現していると思われるが、全然リアルじゃない。
例えるなら
グランツーリスモのOPで微妙に現実と違う車がマリオカートみたいなコースでスターを取って無双している。
そんな感じである。
こんなげーむにまじになっちゃってどうするの
とでもSSαはいいたいのか?お前が言うなと言い返してやりたい。
(詳しいツッコミはID:VdEIDCaF 氏による詳細な選評内で語られているのでそちらで確認して貰いたい。
実際のOPを見ると少しでも軍事知識のある方なら間違いなく突っ込みたくなること請け合いである。)
しかしながら、悲しいことにグラフィック自体は本作において最高のクォリティを誇っており、一番見れるものである。
なぜ、ゲーム中でこのクォリティを出さないのか?
起動したら一度しか見ないOPよりも何度も見る戦闘シーンのクォリティを上げるべきではないのか?
そういった疑問がOPを見る度に疑問に思うのである。
次に戦闘シーンについて述べる
本作は戦闘シーンをよく見ることになる。SSαもその部分を「迫力の戦闘シーン搭載」とと宣っている。
過去の実績を見てこの言葉を信じるような人がどれほどいるかは解らないが、戦闘シーンは結局いつものSSαクォリティである。
と思っていたが実際に確認すると信じられないクォリティであることが判明した。
どの戦闘も言えることなのだが、
ただショボイ火花を吐きながら移動するだけ。
それだけである。
空戦はピューンと飛んで綺麗な水平移動て終了
海戦はただ横に向かってショボイ一斉射撃するだけ
陸戦は何が起きたかよくわからない戦闘を繰り広げる
特に陸戦においては棒立ちでホバー歩行をする歩兵は少ない購入者に衝撃を与えた。
ある人曰く、「こういうグラフィックを2012年で見るのは珍しい」とのことである。
(詳しくはID:VdEIDCaF 氏による詳細な選評内で(ry)
次にサウンド関連について評価する
今作の効果音は非常に軽い。
特に機銃は酷く、複数発砲されているのに発射音が複数鳴らされないため、激しい違和感が生じている。
先ほど述べた戦闘シーンでもこのような酷い効果音、手抜きモーションが相まってとてもじゃないが見ていられない出来である。
恐らくプレイヤー全員一度見たら即スキップにしたくなる出来である。
音楽は全て軍関連の音楽(軍艦マーチ等)で統一されている上ランダム再生もされずに延々に同じ曲が流される。
聴けるものだったら良いのだが、妙に音質が悪く、非常に残念な出来である。
音楽の残念クォリティと、無限ループが相まって、非常に眠くなることは確実だと思われるが、実際はそうではない。
音量の問題である。
今作において起動する際、ヘッドホンを装着したまま起動するのはよろしくない。
タイトル画面で爆音が鳴り響き、耳に悪影響を及ぼすからだ。「自分で調整すれば問題ない」と思う方も居られかと思うが、
今作は環境設定で音量を調節してもシステムファイルが作られず、電源を切るとリセットされるので、
起動する度にデフォルト=大音量になるのだ。(ゲーム中はセーブデータに環境設定が記録するため調整はリセットされない)
その大音量ぶりははシナリオ開始時に入るナレーションが聞こえないほどである。
SSαは音量調整も出来ないのか・・・と思われるが、素人の考えだが恐らくこの調整は意図的なものであると思われる。
作業感の強いゲームにおいて眠気は最大の敵である。眠気対策としてSSαは音を大音量気味に設定したのでないだろうか?
本作では全体的に音楽の音量が大きい。その為、無調整でプレイすると、大音量の軍艦マーチがプレイヤーを襲う。
間違いなく眠気などどこかへ吹き飛ばしてくれる。
ある意味、SSαの調整がプレイヤーのやる気を回復させてくれているとも言えなくはない。
もっとも、眠たくなるほどプレイできないが・・・
演出関連についての評価は以上である
それでは各部門ごとの評価を終えた。全体の評価をまとめることで嵐に対しての選評をまとめたいと思う
結論から述べればこの嵐はシミュレーターとしてもゲームとしても存在価値はない。
いや、今更このまま発売されること事態が間違いである。
今まで述べてきたようにこの嵐、相対的な評価点がないのだ。
非常に少ないが評価点はあるものの、その評価点を打ち消すような仕様
例「どこもスポット当ててないロジックに着目」 → 「敵のワープ輸送、輸送船の仕様、海底産潜水艦、・・・」で台無し
「太平洋戦争をリアルに再現」 → 「敵のチート、リアルじゃない戦闘結果、史実シナリオなのに史実と異なる設定、
意味不明の行動をするAI、・・・」で台無し
「硬派な雰囲気」 → 「下手な軍歌風音楽、マヌケな判断をするAI、適当なグラフィック、・・・」で台無し
「様々な兵器を収録」 → 「多く収録されている補助艦の多くがグラの使い回しなため実感できない、
史実ではありえないようなバランスを持つ兵器設定」で実感なし
「かつてない大規模グランドキャンペーン」 → 大規模に敷き詰められたプレイヤーのやる気を削ぐ仕様でただ苦痛でしかない
「お手軽に遊べるショートキャンペーン」 → プレイする時点でお手軽じゃないシステムで意味なし
が同時に搭載されているため、結果的に評価点が無くなる、いや、むしろ全方向で欠点となっているのである。
1つのクソ要素がほかの仕様をクソ要素に変え、そのクソ要素が別の仕様をクソにするというクソの連鎖反応が暴走した結果、
霧のように実態をつかめない欠点を指摘しきれない程持つクソゲーとなった。
クソの連鎖反応が暴走したゲーム、それが「太平洋の嵐」の姿なのである。
このゲームを他の言葉で例えるなら
従来のクソゲーは単体のクソ要素が明確かつ奥深い(糞なバグが有る、戦闘バランスがおかしい等)「専門店」式
に対し、
嵐は小さなクソを無限と思われる程大量に積み上げ、それぞれの相乗効果を期待する「大型ショッピングセンター」式
である。
・・・余談であるが、この新型クソゲーはKOTYに対し猛威を振るった。
陸の「虚無」、海の「苦行」、空の「作業」。この3要素が複雑に絡み合った土台の上で
「理解できない仕様」、「理解させてくれない説明」、「理解しなくては楽しみ様のないゲーム性」という
3条件が噛み合った結果、KOTY史上前例のない「ゲー霧」という猛毒の霧を発生させ、
多くないプレイヤーの士気に破滅的なダメージを与えることとなった。
その結果、多くのプレイヤーがプレイを放棄し、SSαのロゴを見るのでさえ嫌となったとのことである。
また、余りにも脱落者が出たため一時期、「クソすぎて選評が出来ないから選外」という事態になった。
恐らく近年ここまで多くのプレイヤーを脱落させたゲームは中々ないし、これからもないだろう。
さて、今作の特徴は昔のあるゲームと酷似している。
・様々な要素を詰め込みすぎている。
・説明がなく、マニュアルか攻略本がなければクリアすらままならない
・全体的にバランスがおかしい
・ひと目ではよくわからないコマンドやシステム
・大量に脱落者を生み出した
そう昔多くのファミコンユーザーを恐怖に陥れた「たけしの挑戦状」である。
今作は間違いなく「たけしの挑戦状」の後継者とも言えるゲームなのだ。「SSαの挑戦状」とでも言えばいいのだろうか?
なるほど、それなら今までの全ての仕様が説明出来る。
やる気を削ぐ仕様も 「プレイヤーがこのゲームを続けられるのか?」 という忍耐力
よく分からないルールも 「プレイヤーはどれだけゲームについて理解できるのか?」 という理解力
酷いゲームバランスも 「どれだけ理不尽に許せる事が出来るのか?」 という許容力
手抜きAIも 「不測の敵の行動に対し、どれだけ対応できるか?」 という処理能力
貧弱なグラとサウンドも 「過酷な環境においてもプレイできるか?」 という生命力
という試練であると考えればこれらの仕様は全て理解できるのである。
そう、嵐はKOTY民の能力を試す挑戦状だったのである。SSαはKOTYに挑戦状を叩きつけたのである。
そんなSSαに対し、祖先である「たけしの挑戦状」からの言葉を改変することでこの選評を締めることにする。
「そんなに、げーむをまじにしちゃってどうするの」