名称 | 人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ | |
ジャンル | わいわいボードゲーム | |
対応機種 | Wii | |
発売元 | タカラトミー | |
開発元 | 不明 | |
発売日 | 2011年9月1日 | |
価格 | 6,090円 (税込) | |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
ハッピーファミリーのPV
2009年、2010年と2年連続でKOTYノミネートを果たしているWii版「人生ゲーム」シリーズの最新作で、通算6作目(Wiiware版を除くと4作目)。
2010年の『ハッピーファミリー』をバージョンアップ(公式より)した作品で、「ご当地ネタ」という、おおよそ人生ゲームとは無関係の追加要素を加えただけの焼き直し。
元々あった部分は改善を完全に放棄し、その追加要素自体も圧倒的に不評。結局"50点と言われた前作が、今回で更に点数を下げる結果となってしまった。
こんな状態で出しておきながら、値段も10ヶ月前に発売したものと全く一緒。2007年から4年経ってなおユーザーを舐め切っている辺り、「タカラトミー」の本気が伺える。
スレでの呼称は「人生」「ご当地」。メーカーの増量すべき所を完全に履き違えていることに引っ掛けて「誤当地」と呼ぶ人も居る。
夏休みの終わった9月1日
その悪名を知ってる人なら100%スルーするであろうクソゲーが姿を変えて現れた
その名はご存知タカラトミーの、
「人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ 」である
昨年発売され、フルプライス版なのに先の簡易版と殆ど差異がないことで
詐欺ゲーとして話題になった「人生ゲーム ハッピーファミリー」の増補改訂版だ
ファ身通レビューで「7/5/6/6」とこれまた微妙な点数をつけられた本作
まず、Miiが1回クリアしないと使えない、別にクリア後特典(というのも微妙だが)にする程の物なのか?
使えるキャラクターは男5人+女5人で、なんとたったの10人、名前も固定
顔も服装もデフォルトのものから変化しない
もちろん、結婚イベントで結ばれる相手もこいつらの使いまわし
更にいえば、生まれてくる子供も、この10人のパーツを流用しただけ、男の顔した女の子って何だよ
気ぐるみを着ているキャラがいるのだが、その子供もまんま気ぐるみ装備と
どこまで手を抜きたいんだといいたくなる
マップの数も見事な手抜きで全1種類、ボードゲームの方を再現してるつもりだろうか?
だとしても、「幼児時代~中学生時代」までのマップがないのはどういうことなのか
ミニゲームは存在しない、仕返しマス等の一部のマスが存在しない、天使も存在しないと、細かい不満も満載だ
なにより酷いのが肝心のゲーム部分
現金を貯めるモードと、幸福値を上げるモードの2種類あるのだが
CPUはどっちのモードでも現金を貯めることに終始する、幸せは金で買えるということか
というかモードを理解していないこと以前に、行動が支離滅裂に思える
致命的といえるのが、イベントの圧倒的な少なさだ
物にもよるが、殆どのマスは片手で数えられる程度のイベントしか発生しない
初見の4,5時間のプレイだけで、全く同じイベントを両手で足りないくらい見ることになるのだ、死ぬほど飽きる
「増量仕上げ」してこのざまとは、元はどれだけひどかったのだろうかもはや想像出来ない
ちなみに子供に引き継いでの2週目プレイが出来るのだが
まず間違いなく1週目でイベントは枯渇する、2週目での追加イベントなんて物はない
本作で追加された「ご当地ネタ」だが
各都道府県の名産品やら、名所やら、遺産やらを紹介してくれる物であるが、
単なる豆知識紹介と言った感じで、お金や幸福度などのゲーム進行には特に影響しない
筆者の周りでもこの部分を評価している人はおらず、
少なくともこの追加要素が+に働いているとは言えないのではないだろうか。
まあ+だとしてもクソを脱却したとはお世辞にもいえないが
こんな1回プレイしただけで確実に中古ゲーム屋さんに走りたくなる作品が
驚きの「6090円」、ちなみに元のハッピーファミリーも同価格である
超微妙なマイナーチェンジ版の癖して、
ビタ1文も安くしないタカラトミーの姿勢には本当に頭が痛くなってくる
これなら俺の人生の方がまだ面白いのではと再確認できた事だけは良かった
完
2011年9月1日、あの超有名ボードゲーム“人生ゲーム”が御当地ネタを手土産にWiiに帰ってきた。
その名も、
「人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ 」である。
このゲームは昨年発売された「人生ゲーム ハッピーファミリー」のバージョンアップ版となる。
発売はもちろんタカラトミー。人生ゲームといえばタカラ(トミー)というくらい我々には馴染み深い。
注意して欲しいのは増量したのは御当地ネタのみである。
前作になかったミニゲームや仕返しマスなどは追加されていない。
もちろん人生ゲームでお馴染みの天使も悪魔もいない。
その上オプションすら存在しない。
お値段も据え置きで『6090円』と自信の程が伺える。
まずは人生ゲームの駒であり、プレイヤーの分身ともいえるキャラクターについて説明しよう。
キャラクターは男5人、女5人の10人である。
従来の人生ゲームなら自分の好きなように顔を作れると考えるだろうが、
このゲームにそんな機能は存在しない。
顔は固定。髪型も固定。メガネやリボンなどのアクセサリーも固定。もちろん名前も固定である。
また、服装についてだが、これは職業ごとに決まっており、
ゲーム開始時は全員が職業"学生"からスタートするため、
全員同じ服装となる。(さすがに男女で分けられているが)
次に人生ゲームで欠かせない結婚イベントと、誕生する子供について説明しよう。
先ほど述べたとおりキャラクターは用意された10人の男女から選択され、
結婚相手となるのは、キャラ選択で選ばれなかった6~8人となる。
なお、子供には自由に名前を付けることができるので安心して欲しい。
しかし名前入力用インターフェースが用意されているのに
なぜデフォルトキャラの名前を変えられないのか理解できない。
生まれてくる子供は、両親のどちらかの顔となる。
髪型は男なら男キャラ用、女なら女キャラ用の髪型のいずれかがランダムで選ばれる。
その結果、自キャラのクローンみたいな子供や、男顔の女の子、
逆に女顔の男の子が生まれてくる。
そんなコピペみたいな子供を4~5人引き連れてマップを移動するさまはなんとも異様。
間違ってもパッケージ裏の画像のように様々な顔(といってもこれも他キャラのコピペだが……)の
子供を引き連れて移動することなど不可能というパッケージ詐欺っぷり。
ではゲームの内容について説明しよう。
メインマップは1種類。スタートからゴールまで行くマップとなっており、
定番となったマップ終盤の赤い橋もある。
ゲーム開始時は学生からはじまる。小中高の区別は無い。
前作にもなかったのだからあるわけが無い。
学生時代はマップの各所に置かれたスキルカードを集めることが主な目的となる。
スキルカードは職業のランクアップに必要なものや一部のパラメータを伸ばしやすくなるといった効果があるので積極的に回収しよう。
取得したカードはステータス画面で確認できるが、カードの文字が滲んでおり
判別は困難である。超能力を一発で読めたらえらいっ!
学生時代を終えたら就職しよう。
サッカー選手や芸人などの一部の職業では、ランクアップのために特定のスキルが必要となる。
ランクアップに必要なスキルはスキルカードを読めばわかるのだが、
それ以外の条件は職業の説明文からどのパラメーターが重要なのかを推測するしかない。
就職してからがこのゲームの本番であり、本当の地獄の始まりだ。
ものすごく種類の少ないイベントを嫌なほどこなし、ゴールを目指そう!
ハートマスでは数種類。
こどもマスでは数種類。
おじゃましマスでは数種類
働きマスでは職業ごとに数種類。
ついでにたまに発生するターン開始時のイベントも数種類。
片手で間に合う数のイベントが用意されており、
同じイベントが両手では足りない数だけ発生する。
よろこびマスやかなしみマスでは
このゲームの一番のウリである御当地ネタがたくさんあるわけだが
ほとんどがガイドブックから拾った様な食べ物ネタばかり。
御当地の人が「そうくるか」と思わず唸るようなものは一切ない。
そのうえ「長野ではカラオケで長野民謡を絶対歌う」という嘘知識まで混じっている始末。
また、御当地ネタが出るマスは決まっているため、二人目が同じマスに止まると同じイベントが発生する。
就職してからは15マス程度のマスで構成されたミニマップに行けるようになる。
意中の異性キャラの好感度UP&結婚のための婚活マップ、
子供が産まれたときに移動できる子育てマップ、
メインマップ上の移動しマスに止まると強制的に行くことになるバカンスマップ、
働いた回数が少ないと強制的に飛ばされる仕事マップ、
毎度おなじみ最後の賭けで失敗したときに飛ばされる開拓マップの5つがある。
婚活マップならハートマス、子育てマップならこどもマス、
バカンスマップならよろこびマスなど、マップごとに
特定のマスがたくさん配置されている。
つまりミニマップにいる間は同じイベントを何度も何度も見るハメになるのだ。
さらにこれらのマップは小さなマップのためか出目は1~4となる。
運が悪ければ5ターン以上ミニマップに拘束されることもある。
ちなみにBGMはメインマップで1種類、ミニマップで1種類。
マップごとに音楽が変わるなどといった努力は一切ない。
ミニマップで流れるBGMは多くの人々の脳裏にこびりついたであろう
Wiiウェア版のBGM(20秒でループ)を使い回している。
何度も子供がはしかにかかり、
何度も同じ仕事を行い、
何度も他人を巻き込んで植林を行い、
何度も恋愛占いを行い、
何度もケータイ小説が大ヒットする。
これがゴールまでずっと続く。ずっと続く。
同じように続くのはイベントだけではない。
おじゃましマスでとばっちりを喰らうプレイヤーも同じなのだ。
おじゃましマスとは、踏んだプレイヤーだけでなく
他のプレイヤーを巻き込んだマイナスイベントが発生するマスのことだ。
プレイ中におじゃまマスに巻き込まれるのが
特定のプレイヤーばかりなのが気になったので検証してみた。
その結果、1周で19回おじゃまマスを踏んだ中で3番が9回、4番が8回と
実に90%の確率で3番と4番が巻き込まれることがわかった。
3番と4番が人間だった場合、寿命がストレスでマッハなのは間違いないだろう。
続いてゲームの進行速度というかゲームのテンポについて説明しよう。
結論を述べてしまえば最悪の一言。
まず資金・能力の増減の処理がゲームの進行を阻害する。
全員の資金・能力一覧が表示され、変動対象が1つずつ変動する。
1つの変化に1秒くらいのアニメーションが入るため非常にテンポが悪い。
例えば誕生日イベントが発生した場合、
変動対象は全員の資金と誕生日となったキャラクターの全能力となる。
流れとしては
1番目の資金が増える→1番目のハピネスが増える→
1番目の体力が増える→(中略)→4番目の資金が減る→おわり
すべて終えるまでに10秒以上かかる。
しかし今の例はまだまだ可愛いものである。
このゲームでは子供が生まれるとターンのはじめに子供の全能力が上昇する。
この効果は3ターンの間続くが、子育てマップに行けばてマップを抜けるまでずっと上昇する。
一見メリットだけのように見えるものの、
能力上昇のテンポの悪さ、かぶりまくるイベント、
ミニマップの出目1~4設定によっていくら14マスのミニマップとはいえ
出目が悪ければ抜けるまで6ターン以上かかってしまう。
もはや子育て自体が苦痛となるのだ。
一応子育てマップに行くかどうかの選択ができるが
デフォルトの位置が【はい】であるためうっかり飛んでしまう危険性がある。
人間なら回避できるがCPUはそんな空気を読めない読みにくい。毎回子育てマップゴーである。
それはゴール手前3マスのハートマスであっても変わらない。
キャラクターの見た目は変わっていないが、定年退職したご老人状態である。
そんな老人が子供を生んで子育てに行くのは常識的に考えても無理がある。
ルートにもよるが、1回のゲームで生まれてくる子供の数は
大体4~5人くらいなので、子供が生まれるたびに
「ガキ作んなよめんどくせぇ」という気持ちになる。
ハッピーファミリーどころかDVファミリーである。
CPU抜きならば結婚禁止にすることでいくらかテンポよく遊べるようになるが
果たしてそれでいいのだろうか?
続いてお金の事について説明しよう
序盤~終盤までの金稼ぎは後述する最後の賭けによって意味を失う。
ゴール15マス前くらいのチェックポイントで発生する最後の賭けというギャンブルイベントで
マイナス1億円の赤貧状態からでも10億近く稼げる可能性が5割近くあるのだ。
最後の賭けという一見リスクが大きそうな感じだが、これが実にローリスク。
チェックポイント前に最後の給料マスがある。
ここで限度額の9億9千万円の借金をして、その金をギャンブルの掛け金にすればよい。
このギャンブルはルーレットの1~8の目に金額をベットし、
あたったら4倍のお金がもらえるというものなのだが
なぜか前後賞というものが存在する。
例えば2,4,6,8の目に2億ずつベットし残りに3千万くらいをベット、
3で止まった場合、前後賞として約7億円ゲット出来る。
もし4で止まれば12億もの金額をもらえるのだ。
どの目で止まっても最低7億ゲット可能な上に、ダブルアップ(偶数停止で金額2倍)の権利までゲットできる。
そのうえゴールしてしまえば借金を踏み倒せるという金融業者涙目な仕様である。
最後の掛けでピタリ賞を当てた者が最も勝利に近づくのだ。
今ままでの人生はなんだったのだと言いたくなる。
だが、まだあきらめないでほしい。土壇場の大逆転のチャンスがある。
全員がゴールした後には精算が行われる。精算時に給料日マスで購入した株や家、お宝アイテムが換金されるのだが
5億で買った赤ワインが清算時に今回の目玉商品に選ばれて31億というアホみたいな額になるといった事例も報告されている。
そしてある意味一番盛り上がる最終結果発表では、
最終金額は発表されず、順位しか発表されないというとんでもない肩透かしが待っている。
ボードゲームにおける最終金額というのは、非常に重要な位置にある。
一人プレイの場合自分がどれだけ頑張ったのかがわかるし、
次のプレイで今回の記録を超えるためへ試行錯誤を行い、次回プレイへの意欲が生まれる。
対人戦ならば、僅差で勝ったのか、それとも大差をつけて勝ったのかがそのままゲーム後の達成感へとつながる。
僅差ならお互いの健闘を称えあったり、次は負けないといった次戦への奮起へとつながるであろう。
大差ならばハンデを付けてもう1戦など、いずれの場合も"次回プレイ"へのモチベーションとなるだろう。
それがないということはまさに画竜点睛を欠くというものだ。
最終金額発表のない桃鉄をあなたはやりたいか?
少なくとも筆者はやりたくはない。
勝って当然の赤鬼(最弱)に数十兆円の差をつけて勝ってこそフルボッコにした実感が生まれるのだ。
1千万円差の大接戦の末にお互いの健闘を称えあえるのだ。
もっとも、このゲームは画竜点睛もクソもないのだが。
最後に、このゲームを1周クリアするとMiiをプレイヤーとして参加できるようになる。
だが考えてみて欲しい。1周目でこれだけ酷いゲームだとわかっているのに
"あなた"の分身であるMiiを参加させる意味はあるのだろうか?
まったくもってプラスになっていない御当地ネタ。
圧倒的に少ないイベント。
ハッピーファミリーもどこへやら、苦痛でしかない子育て。
最後の賭けの存在により全くの意味のない金稼ぎ。
イベントがかぶりまくり、その上ゲームの進行を遅らせるミニマップ。
人数が増えれば増えるほどストレスが倍増しになるCPU。
順位しか発表されない結果発表。
驚愕の「6090円」という値段。
これらの要素が完璧な相性で組み合わさり、
まさにクソのハッピーファミリー~クソ増量仕上げ!~となったといえよう。
友達と楽しむ? 家族で楽しむ?
やめておいたほうがいい。
友情破壊要素が何一つないのに、友情を破壊する力をこのゲームは持っている。
おわり
※おまけ
余談ではあるが、筆者は発売から約半年たってから購入した。
ほとんど値下がりしていないこのゲームを発見してしまったときは
歓喜とは逆方向の震えが走り、エヘラヘラと笑顔で購入するという
人生で初めての体験をした。