名称 | 仮面ライダー サモンライド! | |
ジャンル | フィギュア召喚アクション | |
対応機種 | PS3 / Wii U | |
発売元 | バンダイナムコゲームス | |
開発元 | エイティング | |
発売日 | 2014年12月4日 | |
価格 | 8550円(税別) | |
対象年齢 | CERO:B(12歳以上対象) |
PV
仮面ライダーの玩具と連動したゲームシステムを採用している育成型アクションゲームである。
開発元であるエイティングは「仮面ライダー バトライド・ウォー」「仮面ライダー クライマックスヒーローズ」シリーズの開発も手掛けている。
発売元であるバンダイナムコは2011年度のUBからトキトワ?、そして昨年度の大賞HIPと本作で4年連続出場となり、もはや常連候補となった。
ちなみにエイティングとバンナムは、かの「プロゴルファー猿」を制作したタッグでもある。
ゲームに使用する玩具は大きく分けて3つ存在する。それぞれ、仮面ライダーをゲーム内に召喚する「ライドフィギュア」、その召喚した仮面ライダーを強化したりNPCサポートキャラを召喚する「ライドチップ」、それらの読み取り端末である「ライドゲート」がある。
ゲーム中では任意のタイミングでライダーを入れ替えたりチップを使用でき、敵の属性や状況に応じてライダーを入れ替えるという戦略性、そして好みのライダーを育成・強化できる自由性がこのゲームのミソである。
年末のクリスマス商戦に向けて新たに投入された本作だったが、その正体は子供たちを恐怖・絶望させようとする非情なファントム、あるいは財産をむしり取ろうとする強欲なグリードか、いずれであっても強力な年末の魔物だと言えよう。
主な批判点は、玩具を増やさなければまともに遊べず際どいゲームバランスに関して集約されるが、それに留まらずあらゆる部分で欠点の目立つオールマイティーなクソゲーでもある。
地球とは違う世界、「クリスタルワールド」。
その平和な世界は、突如現れた
謎の怪人軍団によって
滅亡寸前まで追い込まれてしまう。
そして、この出来事は全ての世界を揺るがす
「クリスタルハザード」の幕開けだった――。
滅亡寸前の異世界「クリスタルワールド」を救えるのは、
仮面ライダーの記憶を宿すクリスタルと
正義の心を持った者だけ。
新しい力を手にしたキミと、
強大な敵との戦いが
今、幕を開ける!!
※フィギュアのデータ消去に関してはセーブ中にフィギアを台から完全に離さないと起こらない可能性もあり要検証
仮面ライダーサモンライド
君のフィギュアでライダーを召喚(サモンライド)というキャッチフレーズで
バンダイから発売された今作であるが、実態は仮面ライダーという子供向けの
題材にして、子供に厳しいゲームとなってしまった
まず、購入にあたって最初に当たる壁は値段である本体とフィギュア三種類と
チップ、ライドゲートという専用の台座がついて希望小売価格8550円
ただ、この本体価格はフィギュアや専用の機材がつくと考えれば妥当な方では
ある、問題はこのゲーム、台座型の機器にフィギュアを置くことで操作可能な
キャラクターを変更できるのだが本体に付いてある、ウィザード・ドライブ・
鎧武の三種類だけであり、ゲーム内で一切増えることはない
増やそうと思えば別売りのフィギュアとチップが二個付いているセットを
1600円で購入する必要があり、12月中旬時点で発売予定のものを合わせ
ると9種類あるのである、更に増えないことを願うばかりである
そして、好きなライダーだけ買えばいいというわけにもいかない、一緒に
付いてくるチップは別のライダーのものであり、同梱されているフィギュアの
チップはついてこないのある、チップはライダーの変身に必要なもので、わか
りやすくドラゴンボール例えるならベジータが操作できるものを買ったなら
超サイヤ人は別売りのトランクスのセットも買わないといけない感じである
つまりライダーを増やし、好きなフォームで戦いたいのなら
最低2セットの別売りを買わないといけない仕様なのである
そんな子供のお年玉やファンの財布から根こそぎ
お金を搾取したいという姿勢には感銘を受けざるを得ない
そんなDLCゲームが優しく見える価格設定
いざゲームをしてみるとカッコイイOPが飛び込んでくる
このOPやグラフィックはいい
さて、いざゲームを始めてみると最初に飛び込んでくるのは出るゲームを間違え
たのかと思いたくなる、フクロウと妖精と女神様っぽい三人がショッカー、に
囲まれているムービーが始まるショッカーが囲んでいるが初代仮面ライダーや
二号など昭和ライダーは現状参戦する予定はないみたいなのでフィギュアセット
を買う必要はないので安心して欲しい
この時字幕も低年齢向きで、漢字は殆ど使われていないのだがCERO・Bという
対象年齢が12歳以上なのでどの年齢層に向けているのかがわからない
この三人の声優は阿澄佳奈、中田譲治と豪華で仮面ライダーの声優にも期待でき
るところではあるのだが、ストーリーで仮面ライダーがしゃべる事はない
アクション自体は悪くはないのだが、爽快感はなく、慣れない独特なボタン配置に
苦労することになる回避ボタンが○にある独特なボタン配置だが設定をいじる
ことはできなくて、ジャンプボタンもない、折角順調に戦っていても、
ステージのギミックの為にキャラを変える作業をし、20秒間毎回ロードを
待つので、自然とテンポが悪くなる
更にフォームチェンジにも時間がかかり、強化チップを置いて10秒以上
ロードしてから反映されるのでボスが出てからの瞬時の対応がしにくい
そしてボスにキックホッパーという
ライダーなどが登場するのだが1,5倍の大きさで出てくるのを始めとし
フェニックスはゆうに10mを超す巨体で溶岩に浸っているという原作崩壊である
これだけでも、原作ファンの逆鱗に触れかねないのだが、更に、操作ライダーの
別フォームやライバルなど重要ポジションのライダーや主人公ライダーをサポートした
マシーンまで量産型クローンとして出てくる始末である
そしてこの頃になると、ゲーム自体のアクションの方にも不満が出始める
まず、折角買った強化チップを使い必殺技を使ってもカメラアングルは変わらないので
いくら必殺技を打ってもカメラは遠目からの視点から変えれないなので地味に見え
そして後半になると敵の攻撃も激しくなり、フェンスを貼られた外から複数の
ライダー(ゾルダ)が両手持ちのランチャーで砲撃してくる状況で、雑魚エネミーを
殲滅しないといけない事もあり、例えレベルマックスだとしても1キャラで攻略する
ことは困難になってきてしまいHPが無くなればキャラ交換を余儀なくされる
この様なゲームバランスだが回復手段は非常に限られており、一部の強化チップを
使った回復だけと乏しく、ジリ貧を強いられる。
このキャラ交換はフィギュアの数だけチェンジでき
持ちキャラ数=残機数
となっているシステムなのだが、持ちキャラを増やすにはフィギュアを購入する他の
手段は無いため、結局はフュギュアの課金を強いられるシステムとなっており、
しかもフュギュアの交換周りが不安定で常にフリーズの恐怖がつきまとう
更にこのフュギュア交換周りの不安定さはゲームデータにも関係しており
溜めた経験値を各キャラに振り分けるのだが、ステータス振り分けの画面移動する
ためにも10秒ほど待つのだがそこから、各フィギュアごとに
フィギュアを交換しながら
ステータスをそれぞれ、ふって行くことになる
幸い、この画面ではフィギュアのロード時間が短く放っているのだが
固定されてない台座から、少しでもフィギュアが動いたすると
フィギュアのデータが消去される可能性がある
各ライダーのステータスは完全にフィギュアに依存しており、本体にバックアップは
存在しておらず、少々慎重に取り扱う必要があるのだが、
このゲームが想定している低年齢層が誤って転倒させればソレでライダーのレベルは
リセットされる恐れが有るので危険と思われる
さすがにコレには公式も動き対策を練ったが
「フィギュアに データを ほぞんしています。
フィギュアを ライドゲートから はずさないでください。
データがこわれるばあいがございます。」
12/23現在でこの一文を載せるだけである。
更に最大4人までプレイ可能なのだがフィギュアの数=キャラ数なので
本体に付いてくる三体のフィギュアのでは一人足りないどころか
全部で5属性あるのだが、当然三種類しかフィギュアがないので他の2属性が
使いたければ当然、別売りのフィギュアを買う必要があり
属性ごとにフィギュアは別扱いだが、ライダー自体の造形は同じであり
違うのは足元のエフェクト部分だけである
ならばフィギュアの完成度はどうかといえば
不良品かと思えるような粗悪ぶりであり、背面に至っては塗装すらされていない
ストーリーも上記のように仮面ライダーがストーリーで喋ることは一切なく
戦闘中の掛け声だけで、主人公仮面ライダーがストーリーに関わるようなことが殆どない
妖精やフクロウの三匹が雑談するだけであり、キチンとストーリーを進めてくれるのが
アポロガイストぐらいである、なお、ストーリー上ライダーはセリフがないが、
アポロガイストにはキチンとセリフがある
そして、図鑑らしきものが見当たらないのでどの敵が〇〇のアイテムを落とすと
教えられてもそれがどの敵やライダーなのかシリーズに詳しくないえお識別が困難である
更にフリーズも発生しやすいというスパイスもついており
ステージはじめのロードやクリア時、キャラ交換、強化チップ使用時など、更に
ナカマライドというシステムで味方を召喚する時の複数召喚までもフリーズの原因となりうる
このゲームで子供が学べるのは夢や希望ではなく
大人の商売の汚さを教育するための教材には相応しいといえよう
※フィギュアのデータ消去に関してはセーブ中にフィギアを台から完全に離さないと起こらない可能性もあり要検証
2014据置スレ28の>>418のサモンライド選評
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org68891.txt
の日本語がボドボドとのことで勝手に修正
当方ライダーファンのスレ住民ですが未プレイなので
大意を変えずに言葉を変更するにとどめています
2014年12月4日 バンダイナムコゲームスより発売
フィギュア召喚アクション「仮面ライダー サモンライド!」
昭和の頃より子どもに夢と希望を与え続けてきた仮面ライダー。
その新作ゲームとして『キミのフィギュアをゲームに召喚(サモンライド)!』という
キャッチフレーズでバンダナムコゲームスより発売された「仮面ライダー サモンライド!」。
子供向けゲームの筆頭とも言えるライダーゲーだが、子供に厳しいゲーム性がスレで話題となった。
本作品にはゲーム本体のディスクの他、ゲームで使用するライドフィギュア3つ、
チップ4つ、そしてライドゲートという専用の読み取り機が付属している。
これらの付属品の存在を考慮すれば、8,550円という価格は妥当なほうではある。
このゲームは先述したライドフィギュアをライドゲートにセットすると、ゲーム中に
仮面ライダーが召喚されるシステムになっている。ライドフィギュアを入れ替えれば
操作できるライダーも変わるのだが、ゲーム購入時点では本体に初めからフィギュアが付属している
ウィザード・鎧武・ドライブの3種類のライダーしか使用できず、
ゲームの進度によって使用可能キャラが増えることはない。
プレイアブルキャラを増やすには
・ライドフィギュア&チップセット(税抜1,600円・7種類)
・スペシャルチップセット(税抜1,500円・2種類)
・SGライドフィギュア(税抜500円・5種類)
・ガシャポンサモンライドチップ(300円・10種類)
などの商品を購入する必要があり、仮に全種類購入しようとすると
ガシャポンが1度もダブらず10回転でコンプできた場合でも、税込で21,252円になる。
そしてえげつないのが、好きなライダーだけ買えばいいというわけにもいかない点。
ライドチップにはナカマライドチップとキョウカライドチップがあり、どちらも
ライドゲートに置くとチップに描かれたライダーをNPCとして召喚する機能があるが、
キョウカライドチップには更に使用中の対応フィギュアを強化フォームにする機能がある。
ただし、例えば「SR-01光のライドフィギュア&チップセット」には
・仮面ライダードライブ(光属性)、仮面ライダーフォーゼ(光属性)のフィギュア
・仮面ライダービースト、仮面ライダーメテオのナカマライドチップ
が入っている、という具合に、同梱フィギュアに対応するキョウカライドチップはついてこない場合が多い。
2014年12月現在唯一の例外となるのが、新フィギュアと対応チップを1セットで追加できるディケイドのみで、
他にプレイヤーにお気に入りのライダーが居て、そのライダーでキョウカライドチップによる強化を行うためには、
上記の商品群からフィギュアとチップで最低2商品を追加購入しなければならない。
現在ゲームに付属していないライダーのライドフィギュアが入手できるのは「ライドフィギュア&チップセット」シリーズのみなので、
1体のライダーのみを追加したくても、もう1体のフィギュアとチップを2枚が抱き合わせされる。
値段に換算すると500円分の追加キャラに、1,100円の不必要なもの付いてきてしまう上に、
キョウカライドチップでの強化まで行いたければ更なる追加購入が必要ということになる。
ライダーゲーの常ではあるが、クリスマスやお年玉を全力で狙った年末発売で
子どもやライダーファンから根こそぎお金を搾取したいという姿勢には感銘を受けざるを得ない。
50円100円単位で課金できるDLCゲームが優しく見えてくる強気の価格設定である。
OPはカッコイイ。グラフィックにも破綻はない。
ゲームを始めてみると、およそ仮面ライダー世界には似つかわしくないデザインの
フクロウ・妖精・女神様がショッカーのみなさんに囲まれているムービーを見せられる。
(ショッカーのチップはあるものの、昭和ライダーの参戦予定は現時点ではない模様)
ムービー中の字幕は低年齢向けに殆どひらがなで構成されている。
CEROはBなので対象年齢12歳以上のはずだが、より低年齢層に配慮した結果だろうか。
3名のオリジナルキャラは中田譲治・阿澄佳奈・久川綾とかなり豪華。
ライダーの攻撃モーション等は悪くないが無双のようなバサバサ感は得られない。
回避行動が○ボタン(PS3版の場合)に設定されている独創的なボタン配置にもかかわらず
コンフィグはなく、ジャンプボタンは初めから存在しない。
ロードも非常に鈍重で、順調に戦えていてもステージギミックを解く為に
キャラを変更しようものなら毎回20秒間のロード時間を必要とし、自然とテンポが悪くなる。
フォームチェンジにも時間がかかり、キョウカライドチップを置いてから10秒以上
ロードしてから反映されるので、ボスが来たから瞬時に強化変身だ!などの対応は不可能。
そのうえ強化チップを使って必殺技を繰り出してもカメラアングルは変わらないので、
どれだけ派手な必殺技でも引きのアングルでしか見られず、いまいち爽快感がない。
各ステージのボスは巨大ライダーor巨大怪人。
キックホッパー(カブトの敵ライダー・人間)は3mほどの身長で登場し、
フェニックス(ウィザードの敵怪人・非人間)は10mを越す巨体で溶岩半身浴を行っている。
なんだかライダーファン諸兄のめまいを誘発しそうな情景だが、これだけではない。
操作ライダーの別フォームや各作品のライバルなどの重要ポジションのライダーや
主人公ライダーのサポートメカや登場マシーンが、量産型の雑魚敵として登場する始末。
アクションの微妙さ・ロードの遅さ・敵ライダーの扱いにげんなりしていると、
フィギュア大量購入を前提とした凄まじいゲームバランスの悪さが襲い掛かってくる。
後半になるにつれて敵の攻撃が激しくなり、フェンスで区切られた外から複数のライダー
(仮面ライダーゾルダ)が両手持ちのランチャーで砲撃してくるわけのわからない状況で
雑魚敵の殲滅を求められる。砲撃で削られつづければ例えレベルマックスだとしても
1キャラで攻略することは困難であり、HPがなくなればキャラ交換を余儀なくされる。
そのうえ回復手段は非常に限られており、一部の強化チップを使った回復だけだと
まったく回復量が追いつかずジリ貧になる。
キャラの交換はフィギュアの数だけ行うことが出来るので、
フィギュアの数=キャラ数=残機数
というシステムなのだが、持ちキャラを増やすにはフィギュアを購入するより他の
手段がないため、フュギュアの課金を強いられる守銭奴システムとなっている。
しかもフュギュアの交換周りの挙動がなかなか不安定で常にフリーズの恐怖がつきまとう。
各キャラに戦闘で溜めた経験値を振り分けて性能を向上させてゆく必要があるが、
その経験値振り分けの際には当然フィギュアを交換しなければならない。
フィギュアごとのロード時間はこのゲームにしては短いものの、ライドゲートと
フィギュアは一切固定されていないため、少しでもフィギュアが動こうものなら
読み込み不良が発生し、フィギュアのデータが消去される可能性がある。
各ライダーのステータスは完全にフィギュアに依存しており、本体にバックアップは
されないため、慎重に取り扱う必要があるが、このゲームのメインターゲットである
低年齢層にじっと座ってゲームしろなどというのは無茶な相談ではないだろうか。
さすがにこの事態には公式も対策を行ったが、
「フィギュアに データを ほぞんしています。
フィギュアを ライドゲートから はずさないでください。
データがこわれるばあいがございます。」
12/23現在、読み込み時にこの一文が追加されたのみ。
本ゲームは最大4人までプレイ可能なのだが、先述の通りフィギュアの数=キャラ数なので
本体に付いてくるフィギュア3体では1人分足りない。悪いなのび太、このゲーム3人用なんだ。
属性は5種類あるのだが、当然3種類しかフィギュアがないので他の2属性が
使いたければ当然、別売りのフィギュアを買う必要がある。
属性ごとにフィギュアは別扱いだが、ライダー自体の造形は同じであり
違うのは足元のエフェクト部分だけという手抜き仕様。ならフィギュアの完成度はといえば
お世辞にもハイクオリティとは呼べない粗悪ぶりであり、背面に至っては塗装すらされていない。
ストーリーも仮面ライダーがストーリーで喋ることは一切なく、
戦闘中の掛け声だけで、主人公仮面ライダーがストーリーに関わるようなことは殆どない。
妖精やフクロウと女神が雑談するだけであり、キチンとストーリーを進めてくれるのが
敵キャラのアポロガイスト(ディケイド版)ぐらいである。ストーリー上ライダーはセリフがないのに、
アポロガイストにはキチンとセリフがある。
また、大量の仮面ライダーとその怪人たちが登場するにもかかわらずキャラクター図鑑が見当たらず、
ゲーム中で「○○が〇〇のアイテムを落とす」と教えられても、それがどの敵やライダーなのかは
過去の平成ライダーシリーズ全てに詳しいゲーマーでないと識別が困難である。
ゲーム中いたるところで処理落ちやフリーズが発生し、
ステージはじめのロードやクリア時、キャラ交換、強化チップ使用時にフリーズが発生する。
ナカマライドによって複数のライダーを召喚しようものなら凄まじい負荷がかかる。
このゲームをプレイした子どもが学ぶのは夢や希望ではない。
大人の商売の汚さである。
PS3版『仮面ライダー サモンライド!』選評
○注意
・筆者は仮面ライダーシリーズについて、ほとんど知識が無い。また、同シリーズに対する思い入れも特に無いため、
以下の選評では「キャラゲー面」の評価はほぼ行っていない。ただし、門外漢なりに特に感じたことがあれば記述している。
・初期同梱のチップ・フィギュアのみ、一人プレイによる選評であり、追加要素を購入した場合、また多人数プレイの面は考慮していない。
・本作は機種や本体の状態、環境によって、不具合の発生状況が大きく異なると見られる。
よって、スレ内の他プレイヤーの情報を参考にしつつ、再現性が著しく低いと思われる点については出来る限り排除して評を作成したが、
筆者個人の環境に依存する記述が残っている恐れもあるため、総評に引用する場合等はご注意願いたい。
・ゲーム内の用語は出来る限り一般的な説明に置き換えたが、登場頻度・重要度の高いものは初回に【 】付きで表記し、以後使用した。
_____________________
まず、このゲームの良いところを挙げよう。
・主題歌がオリジナルで格好良い
・スーパーアポロガイストさんのファンになれる
以上の2点だ。これら以外に評価すべき点を筆者は発見できなかった。
以下、一面にクソの画鋲が植えられたこのクソゲーの内容を、項目ごとに詳述してゆこう。
_____________________
●ゲームディスク以外の付属品について
○ライドフィギュア
操作キャラのデータを保存しておく非接触チップが内蔵されたフィギュア。
このフィギュアを後述のライドゲートの上に乗せると、ゲーム内にそのライダーが操作キャラとして召喚される。
レベルやステータスなどのデータはフィギュアごとに固有であり、他のフィギュアと共有させることはできない。
フィギュア=ライダーの扱いは、例えばドラクエの馬車システムのようなものをイメージすると分かり易いだろう。
操作中のフィギュア=ライダーは馬車の外で戦うメンバーで、他のフィギュアが馬車の中で控えている仲間である。
他ゲームで言う「ステージ」は本作では【クエスト】と呼ばれるが、クエスト中、馬車の外と中のライダーは随時入れ替え可能である。
クエスト中に外のライダー全員のHPがゼロになった場合、ゲームを続行するには他のライダーを馬車外に出す=召喚しなくてはならない。
全てのライダーのHPが0になってしまうと全滅であり、本拠地に戻るしか選択肢は無い。
なおクエスト終了後には、クリアしていようと全滅していようと、全ライダーのHPが全快する。
実質的に「保有フィギュア数=残機/馬車の仲間数」のシステムだが、初期同梱フィギュアは以下の3体のみで、
他のライダーや同梱ライダーの他属性版が使用したければ別売りのフィギュアを購入するしかない。
仮面ライダーウィザード:火属性
仮面ライダー鎧武:水属性
仮面ライダードライブ:風属性(※属性の意義については後の「戦闘」「育成」の節で詳述する)
フィギュア自体はほぼ3色しか用いられておらず、塗りも雑なうえ背中部分が未塗装であり、お世辞にも良い出来だとはいえない。
食玩でももっといい出来のフィギュアはいくらでも有るだろう、程度の代物である。
これらフィギュアを使用してライダーを召喚するには5秒程度のロード時間が必要であり、さらに15秒程度の召喚ムービーが流れるため、
キャラ交換のテンポは悪い。ちなみに召喚ムービーは×ボタンでスキップできるが、これは説明書にもゲーム内にも説明が無く、
通常のメッセージ送りは○ボタンであるため、筆者はしばらくこの仕様に気づけなかった。書いとけよ。
○チップ
ライドゲートに乗せることで効果を発揮し、戦闘を一時支援するアイテム。同じチップは各クエスト中一度ずつしか使えない。
アシストキャラを数十秒間召喚【ナカマライド】するナカマライドチップ、
操作中のライダーを数十秒間フォームチェンジし無敵強化【キョウカライド】するキョウカライドチップが存在する。
ナカマライドチップは十角形で、各作品の主役以外のライダーの絵がついており
キョウカライドチップはほぼ円形で主役ライダーの別フォームの絵がついている、というように外見上は区別されており、
説明書にも別物であるかのように記述されている……が、実際の挙動は以下の通りだ。
ナカマライドチップ → 常にナカマライドの効果
キョウカライドチップ → 操作中のライダーと同じライダーの別フォームのチップはキョウカライド
操作中のライダーと異なるライダーのチップはナカマライド
例:鎧武を操作中、鎧武カチドキアームズのチップを使用→鎧武がカチドキアームズにフォームチェンジ、無敵強化される
ウィザードを操作中、鎧武カチドキアームズのチップを使用→鎧武カチドキアームズがアシストとして召喚され、ウィザードは無敵強化されない
このように、実質キョウカライドチップはナカマライドチップの効果も持っているのだが、それについては説明書・ゲーム内ともにろくに説明が無い。
(説明書の「協力プレイ」の欄に、「キョウカできるライダーがいない場合はナカマライドが発生します」とあるのみ)
筆者のようにライダーの知識が無い人間にとっては混乱を招く点であり、おそらくターゲット層の子供も同様に混乱するものと思われる。
なお、チップはいずれも読み込みに数秒かかり、効果発動時のエフェクト等の影響か処理落ちが発生することが多いため、
使うタイミングやキャラの位置取りには注意が必要である。
また、「キョウカライドするためにチップを使ったのに何故かナカマライドが発生する」というバグが存在する。
発生条件は不明だが、キョウカライドに頼りたい局面はだいたいピンチ時であるため、その際にこのバグに遭遇すると目も当てられないことになる。
なお、初期同梱チップは以下の4枚。
キョウカライドチップ「ウィザード オールドラゴン」「鎧武 カチドキアームズ」「ドライブ タイプワイルド」
ナカマライドチップ 「斬月・真 メロンエナジーアームズ」
各チップとも使用時には「レベル1」と表示され、どうやらレベルアップがあるようなのだが、
筆者の環境ではどれ一つとしてレベル2になったチップは無い。どうにも謎の多いシステムである。
○ライドゲート
フィギュア・チップの読み込みに必要な台。ゲーム機本体にUSB接続し、フィギュア・チップを同時に計4つまで読み込める。
本作は4人プレイ対応のはずだが、4人プレイの場合、上記の制限によりチップは使用できないことになる。この仕様を考えた奴は誰だ……。
ライドゲートは製品によって個体差がだいぶあるようだが、全体的に読み込み速度や精度は良くないようで、
フィギュア・チップの読み込み数が多いほど、載せ替えが連続するほど、動作は目に見えて不安定になってゆく。
(数十秒の遅延、読み込み不能、フリーズ、召喚ムービーの表示がバグる、など環境により多種多様な不具合が発生するようだ。)
筆者が地味に苛立つのは、説明書に「ライドゲートを接続してからゲームを起動しろ」とあるにもかかわらず、
それに従うと「ライドゲートを接続して下さい」という表示が続き、永遠にゲームを開始できない、という不思議な挙動だ。
一度ゲートを引き抜いて再接続することでようやく開始できるが、ゲーム開始前からいきなりストレスを与えてくるとは流石クソゲーである。
ゲートを繋ぎっぱなしにしておくと起動のたびにこの流れが繰り返されるので、子供に「お片付けの大切さ」を教えたい場合は利用するとよいだろう。
○取扱説明書
「チップ」「ライドゲート」の項目でも述べたように、基本的に当てにならない。
「フィギュアのデータが壊れた時は、データを削除するといいよ。消したデータは戻ってこないけど(要約)」
という投げやりな対処法が唯一大切な項目だと思えるくらいの内容だ。
同封されている別売りフィギュアのチラシのほうが、ライダーを見分けるカタログとして使えるだけまだ役に立つレベルである。
_____________________
●システム全般における問題点
○ロード時間
おそらく本作最大のストレス点がロード時間の長さだ。
各クエストのマップ読み込みに30〜50秒、クエストから本拠地に戻る際も同様
ライダーを召喚するたびに5秒(ムービー込みだと20秒)、チップを使用するにも同様のロード+処理落ち、
育成画面に入るたびに15秒〜20秒、出るときは30秒以上、
と、何をするにも長々と待たされる。
クエストは5〜10分ほどで終わるものが多いが、そのために費やすロード時間は長ければ前後で2分程度。
おそらくプレイ時間の数分の一はロード時間である。
前項でシステムをドラクエに例えたので、この状況もドラクエで例えるとこうなる。
街に出入りするたびに30秒〜50秒ロード、馬車から仲間を出すたびに5秒ロード、
魔法を唱えると数秒ロードで画面カクカク、
街の武器屋や教会に入るたびに15秒ロード、出るときは30秒以上ロード
……たとえ他の部分がドラクエのような良ゲーだったとしても、これでは相当のストレスを感じるはずだ。
ましてや本作は他の部分も細かなクソ要素が敷き詰められた針の筵ゲーである。相乗効果でどれほどの苦痛を感じるかはご想像いただけよう。
○処理落ち・フリーズ
環境によって状況は異なるようだが、本作が処理落ち等、不安定な動作の多いゲームであることは確かである。
戦闘時の技エフェクト、敵の多数表示、チップ使用時のエフェクト、ムービー読み込みなど、至るところで当然のように処理落ちする。
処理遅延がそのままフリーズに繋がる場合もあり、本体には相当負荷がかかっているようだ。
処理落ちのせいでコンボが途切れる、敵が不可解な挙動をする、なども日常茶飯事である。
前項「ライドゲート」の動作の不安定さもあり、プレイ時には常時嫌な方向性のスリルを味わうことが出来る。
○確認要素の不足
「ムービーギャラリー」や「イベントログ」などといった、プレイを振り返るシステムが何も存在しない。
それどころかキャラゲーであるのに、キャラクターや敵の図鑑すら無い。
本作には雑魚敵やクエストボスとして、怪人っぽい奴ら以外にもどう見てもライダーにしか見えないキャラが大量に混じっているが、
ストーリー上では一括して「怪人」と呼ばれている上に、彼らの素性を確認する手段も無いため、こちらとしては混乱するしかない。
また、図鑑が無いことで大いに困るのはアイテム収集時だ。「○○という敵が××を持っている」といった提示があっても、
その○○がどんな容姿のどういう相手か、元の登場作品を知らなければどうにも特定しようがない。
平成ライダーシリーズは既に十数年続いている。筆者のような門外漢はともかくとして、メインターゲットであろう子供達は、
例えば十年前の作品のキャラクターを名前だけで指定されて、きちんと分かるものなのだろうか?
しかもゲーム中の画面は引き気味のクオータービューでほぼ固定されており、ムービーが挿入されるクエストボス以外の容姿は細かく確認することもできない。
また、手持ちのアイテムや経験値も、本拠地で育成画面に入らない限り確認することは出来ない。
ついでに言えば、現在のHPですら正確には表示されず、円グラフ状の簡易表示があるだけだ。
ストーリーも、キャラクターも、アイテムも、HPさえも自由に確認できないゲーム……これ本当に21世紀のゲームなの?
○コンフィグ要素の不足
いわゆる「充実したオプション」はデス様以来クソゲーの目安とも言えるが、本作もご多分に漏れない。
ユーザーが調整できるのは「音・ボイスの大きさ」「フィギュアの名前」の2点のみである。
難易度や操作キー、カメラ動作、メッセージスピードなど、通常なら調整できて当たり前の要素は何一つフォローされていない。
○表記
本作のストーリー・メニュー表記は全てひらがな・カタカナとなっている。唯一の例外は仮面ライダーの「仮面」で、これだけは漢字表記される。
子供向けと考えれば仕方ないのかもしれないが、オールかな書きのせいでかえって読みづらく、
「げきじょう……劇場? 激情?」「ばくげん……何だそれ?」のように、意味が分かりにくい場合もある。
そして、てきのボスのいげんや、せかいのききのしんこくさも、ひらがなまんさいのじまくでだいなしだ!
根強いファンを持つ特撮というジャンルゆえ、いわゆる「大きなお友達」も購入層であることは制作側も予測できていただろうに、
なぜ振り仮名、表示モード選択などの方法を取らなかったのであろうか……?
ただし、技のコマンドを確認する画面のみは、何故か漢字が使われている。わざわざひらがな書きにしてある「世界」や「存在」などより、
技名に使用されている「橙」や「掻」のほうが子供達にとっては遙かに馴染みのない漢字であろうが、こちらには振り仮名すら付いていない。
子供向けにするならするで、しっかりと徹底してほしいものである。
_____________________
●世界観・シナリオ等について
○キャラクターと世界
本作は仮面ライダーの世界とは全く関係が無い、【クリスタルワールド】というお子様向けファンタジー風の世界が舞台だ。
3人のオリジナルキャラクターが住人代表として登場するが、それ以外の住人は避難しているのか死んだのか、全く姿を見せない。
この世界には【クリスタルハザード】という災厄が襲いかかっているらしいが、それがどんな災厄なのかは説明が少なすぎてよく分からない。
キャラクター達は敵や災厄から一時逃れて【クリスタルベース】と呼ばれる拠点(シェルター?)にこもっている設定であるようだ。
何だか大変なことが起こっているらしいが、登場人物はやたら少なく、その詳細もまるで不明……ラスリベなのこれ?
ではここで、非常に分かり易いネーミングのオリキャラ達を紹介しておこう。
【トレイナ】キャラの育成担当の水の精霊。古伝承にも詳しいらしいが、シナリオが大したこと無いので大したことは言わない。
ライドゲートを操ってキャラや物品を別の場所に転送するという大技を持っているが、
その詳細は不明。そんな力があるならもっと何か出来るだろお前。
天然キャラなのか、イベント時のただでさえつまらない漫才にツッコまず、ボケ倒して極寒にするという特技も持っている。
【ミヌーク】アイテム鑑定係のフクロウ。トレジャーハンターなのに肥満のせいで冒険の経験が無い、というふざけた経歴を持ち、
イベント時にはCVがジョージじゃなかったら絞め殺したいレベルの寒い漫才を繰り広げる。
彼が鑑定するアイテムはマルチプレイ時にのみ入手できるため、一人プレイで彼の世話になることはまず無い。
【メモル】 案内・説明係の妖精。ライダーの周囲を常時飛び回っており、戦わないくせにライダーをせっつくような台詞や
ライダーと共闘してる雰囲気の台詞をきゃあきゃあ高い声で喚くので、殺意が湧くランキングは3人中堂々の一位である。
チュートリアルの担当も彼女だが、一番説明が必要であろうチップ関係がいいかげんすぎるので役に立たない。
お寒い漫才を開始するのもだいたい彼女なので、もうロード中にボイス無しで豆知識を呟くことだけを仕事にしておいてほしい。
うん、子供向けだからね、仕方ないね。世界に破壊が迫ってるのに誰一人緊張感無くても仕方ないよね、子供向けだもんね……そんなわけあるか!!!!
○シナリオ
オリキャラ3名が襲撃されているところに何の脈絡もなくライダーが召喚され、なし崩しに彼らの世界を救うために戦う羽目になる。
何故この世界に呼ばれたのか、何故どう見ても仮面ライダーっぽいのが大勢雑魚敵に混じっているのか、クリスタルハザードとは何なのか、
ほぼ説明は無いまま、ライダーは延々戦い続けねばならない。
そんな中、オリキャラどもはライダーに世界の救済をごく当然のように丸投げし、自分たちは戦いに出るわけでもなく、
イベント時にストーリーを進めるわけでもなく、心底どうでもいい漫才を繰りかえし続ける。
曰く「世界が救われたら温泉行きたいねえ」
「ミヌークは何でフクロウなのに『ワシ』って言うの?」
「メモルが妖精のリーダーなのはかけっこで一番だったから」
ライダーはこんな奴らにも不満一つ、疑問一つ口にするわけでもなく、淡々と頷いては戦いをこなしてゆくのみだ。
ヒーローとしては見上げた姿勢だが、付き合わされているプレイヤーはたまったものではない。
……あれ、何これ? エアコンの時もこんな感じの気分だったよ俺?
そしてこれ、仮にも仮面ライダーのゲームなのに、ライダーがかけ声以外全く喋らないっていうのはどうなの……?
このような状況でも、唯一敵の中間管理職(?)スーパーアポロガイストさんだけはストーリーを進める気があり、
「この世界のクリスタルを集めている」と敵の行動目的を教えてくれるうえ、大ボスの情報を提供してくれたりする。
彼が登場する時だけはオリキャラどももいつもより多少中身のあることを言うため、
プレイヤーは「ああ、ガイストさん次はいつ出てきてくれるのかな……」とその登場を心待ちにすることになる。
また、彼は戦いの際もクエストの奥に引きこもってこちらの消耗を待つのではなく、専用ステージで正々堂々戦ってくれるので好感度は鰻上りだ。
ただし前述のように、本作ではメッセージは全てかな書きなので、彼の重々しいボイスの決め台詞にも
「われわれは きみたちにとって めいわくなそんざいだ
きみたちは われわれにとって めいわくなそんざいだ」
そんざいとは ちょっかんの だいめいしである
げんごは はどうの ていちゃくである
……と、ついファミコン的に呟きたくなるような字幕が添えられ、非常に気の毒なことになっている。
そしてせっかくのガイストさんの努力も空しく、シナリオは非常に印象が希薄で、
「クリスタルに怪人達のライダーへの恨みつらみが宿ってる。だから怪人はクリスタル集めてそのパワーでライダーに復讐しようとしてた」
程度のものでしかない。
なお、この節での台詞回しやシナリオの引用には多少覚え違いや表記違いがあるかも知れないが、ご寛恕いただきたい。
何しろ本作には、前述のようにシナリオログやムービー集といったものが何も存在しない。
しかもイベントムービー時の字幕はボイスと同じ速度でゆっくり表示されていく上、途中で焦れて送りボタンの○など押そうものなら、
ボイスどころか字幕までキャンセルされて一気に吹っ飛んでしまうという驚愕仕様なのである。
ついでに言えば、ムービーでのキャラクターの動きは非常にパターン数が少なく、どんな台詞にもその少ないパターンを適当に当てはめているだけの造りだ。
したがって必然的に、リップシンクなどは完全に放棄されている。ボイスを飛ばしてはいけないような仕様であるのだから、
キャラの口の動きはどうしても長々と見ることになる。ここはもう少し丁寧に作ってもよい部分だったのではないだろうか。
_____________________
●フィールド・クエストについて
○フィールドおよびギミック
クリスタルベースの外には風・水・火・光・闇の属性の五種のフィールドが存在し、それぞれのフィールドでクエストをこなしていくことになる。
各フィールドとも、基本的にマップは一種類ずつしかなく、クエスト毎に開始地点・ゴール地点を変えたり、
後述のゲートやジャンプ台で行ける範囲を制限したりなどして目先を変えているだけなので、そのうち慣れると共に飽きてくる。
各フィールドには固有のギミックがいくつかあり、凶悪なダメージを与えてくるものも存在する。
ただし、ギミックによるダメージのみではHPは0にならない。
初期から行けるのは風・水・火の3つで、それらのボスを倒してフィールドを解放すると、光・闇のフィールドに行けるようになる。
以下に各フィールドと、固有のギミックを紹介しよう。
特筆のないダメージギミックは、おおむね一撃100前後のダメージを与えてくる。
また、ギミックは一部を除き任意に停止することはできず、基本的に何度でも効果を発揮し、敵側にもほぼ同様に作用する。
風:ヒューキャニオン
大峡谷のフィールド。
フィールド上に「強い風」が吹いており、風属性のライダー(初期同梱ではドライブ)以外は風の抵抗を受けるため、やや移動しにくい。
固有のダメージギミックは竜巻で、一定の時間をおいて、通路を塞ぐように発生する。
ちなみに筆者の環境では処理落ちが最も酷いフィールドで、走っているだけでも頻繁に処理が一瞬途切れ、
SEやボイスはガタガタに途切れてまともに再生されず、もし攻撃エフェクトなど出そうものなら画面はカックカクという状況である。
水:ゴボルレイク
湖の中洲をつなぎ合わせたようなフィールド。
一部川が流れている場所があり、中に入ると押し流されて移動しにくくなる。
戦闘中に「氷の雨」が降って地面が凍結するギミックもあり、こちらもツルツル滑って移動が不自由になる。
火:エンデルガス
一面に「溶けた鉄」が流れている工場のようなフィールド。
リフトや移動床などを乗り継いで進むが、乗り損ねて溶鉄に落ちるとなんと500ダメージ。
あの、このゲーム、レベル90でもHP3000とかなんですけど……
他のダメージギミックは降り注ぐ「火の玉」と、上にいると毎秒1ダメージを喰らう「熱い床」。
光:ギランガーデン
神殿のような雰囲気のフィールド。
ギミックの一部はスイッチでオンオフを制御できるようになっている。
回転・上下する「レーザー」でダメージを与えてくるギミックが至る所に仕掛けられている。故に鈍足の鎧武にとっては難所。
当たると一定時間麻痺する「光の玉」がやっかいで、一方的にハメ殺される危険性が大幅にアップする。
ここと次の「ヨールダーク」には、珍しくHPを回復してくれるギミック「ひかりのスイッチ」も存在する。
闇:ヨールダーク
墓場のような雰囲気の、不気味なフィールド。
スイッチを壊すまで毎秒10ダメージを喰らいつづける「モヤモヤ」、接触した者を拘束する「不気味な手」
周囲のものを吸い込み拘束する罠、など嫌らしいギミックばかり。
いかにも子供向けの分かり易い名が付けられてはいるが、いずれも容赦のないギミックが仕掛けられている。
そればかりでなく、わざわざ熱い床やモヤモヤの上で閉じこめてくる、拘束系の罠の側で敵が延々待ちを続ける、
などなど、殺す気満々の布陣でライダー達を待ち受けているのだ。
○各フィールド共通の要素
・ジャンプ台
筆者には「仮面ライダーと言えば跳び蹴り」というイメージがあったのだが、何故か本作にはジャンプという概念が無い。
上から下へ飛び降りることは可能だが、たとえ僅かな段差であっても上へ飛び上がることはできない。
そのため、各クエスト内にはジャンプ台が随所に設置されている。
ジャンプ台には上へ飛び上がるため、または水平方向に離れた場所へ移動するためのものがあり、
基本的に一方通行なので、戻りたければ飛ばされた場所から飛び降りるか、また歩いて戻ってくるしかない。
アクションゲームの要素としては特におかしなものではないのだろうが、たかだか身長程度の段差を登るために
ヒーロがとっとこ走ってジャンプ台に乗りにいく、という光景には、どこかしらもの悲しいものがある。
・ふしぎなとびら
各クエスト内には、特定条件を満たしたときしか通れない限定ゲート【ふしぎなとびら】が存在する。
属性限定 :火、水など特定の属性のライダーしか通れないゲート。
複数属性 :風と水、火と水と闇、などのように2種類以上の属性のライダーを要求してくるゲート。最大で4属性が指定される。
マルチプレイ、またはコントローラを2個使うか、設定を駆使して同時に複数属性のライダーを操作しないと通れない。
ライダー限定:属性ではなく、「ウィザード」「クウガ」のように特定のライダーを要求してくるゲート。
各ライダーの紋章がついたバリケードのような形状をしており、うっかり近寄ると
唐突に各ライダーが雑魚と戦うムービー(スキップ不可)が20秒程度流れるので、非常にうざったい。
ムービーにはナレーションも字幕も付かないので、ライダーに詳しくないと「誰だこれ……?」となる。
上2種のゲートで光・闇の属性が指定された場合は、当然初期同梱のライダー達では通過できない。ライダー指定ゲートの場合は言わずもがなである。
定価9000円近いゲームで別売りのフィギュアを当然のように要求してくる商魂には、つくづく感服するしかない。
初期セットしか持っていない筆者には全てのゲートは通れないので確定的ではないが、確かめられた範囲で言えば、
これらゲートの先にはステータス強化や技を追加するためのレシピや素材が置かれているようだ。
ここでしか入手できないものも存在するようで、その点でも凶悪な仕様であると言えよう。
○クエスト
・クエストの種類と難度
基本的なクエストには、ストーリーを進行させる(とメモルは主張する)【ストーリークエスト】、
敵が多く難度が高い【とうばつクエスト】
安置されたクリスタルを押し寄せる敵から防衛する【ぼうえいクエスト】の三種がある。
ぼうえいクエストは時折発生する【とっぱつイベント】として発生するのでいつでもプレイできるわけではない。
また、他のとっぱつイベントとしては「指定のクエストで拾える素材アイテムが増える」
「指定のクエスト内に、スーパーアポロガイストさんが巨大化雑魚ボスとして登場する」などがある。お疲れ様ですガイストさん。
ちなみにクエストを選ぼうとカーソルを動かすたびにメモルがきゃあきゃあ喚くため、たいそう喧しい。もう黙ってろお前。
各クエストは★1〜★5(クリア後は★7まで)の難度に分けられているが、ストーリークエストの場合、
★3からは全力でこちらを殺しに掛かってくる構成になり、初見では大人でもじゅうぶん全滅の危険がある。
★5ともなると、初見であろうとなかろうと死ぬレベルで、とても子供向けとは思われない仕上がりになっている。
他の二種のクエストはメモルのメッセージなどからもマルチプレイを前提とした調整であることが窺われ、
同じ★の数でもストーリークエストより難度が高い。特に、たとえライダーが無事でもクリスタルを壊されてしまうとアウトの
ぼうえいクエストでは、★2程度ですらクリア困難な場合がある。
また、大ボス級の敵との戦いのみを行う特別なクエストが存在し、これらはトレイナに話しかけて転送して貰うことになる。
いずれの種類でも、後半のクエストはほぼ初見では突破できない難度であるが、「コンティニュー」「やり直し」といったリトライ要素は無い。
全滅した場合や、何らかのミスでやり直したい場合は、ただでさえもストレスが溜まっているというのに
「クソ長いロードに耐えて本拠地に戻り、再び同じだけのロードを経てクエストに入り直す」しか方法が無く、プレイテンポは非常に劣悪である。
・クエストの評価
各クエストにはS〜Dの5段階のクリア評価がある。
S・A・B・Cはクエストをクリアできた場合に付き、Dはクエストをクリアできなかった際に付く評価である。
S〜Cまでの評価基準は基本的に「そのクエスト内で倒した敵の数」のみだが、ぼうえいクエストは例外的に「クリスタルの残りHP」が基準となる。
クエストによっては、前述の「ふしぎなとびら」を通れないと倒す敵の数が足りず、Sランクを取得できないという嫌がらせのような状況が発生する。
クエストクリア時に、ランクS・Aの場合は2種類、Bの場合は1種類の重要素材アイテムがボーナスとして貰える。
また、クエストごとに、そのクエスト内で取得した経験値=【オーラ】を増加させるフラグアイテム【ホワイトオーラ】を最大3個拾えるが、
Dランクの場合はその効果は発揮されない。つまり、全滅した場合はアイテムも経験値も碌に稼がせては貰えないことになる。
_____________________
●戦闘について
○基本的な操作法・操作性
本作のアクションは、□ボタンを任意回数押した後△を押すことで特定コンボが繋がってゆく、いわゆる無双型のシステムだ。
□は比較的発生が速く、○ボタンのガードまたは回避で発生をキャンセル可能だ。
波状攻撃で押し寄せる敵の前では、回避は雀の涙以下、ガードはさらにそれ以下の効果しか無い。
よって、戦闘時における○ボタンの存在意義は、ほぼこのキャンセルにしか見いだせない。
△を押すことで出る強力な攻撃=【必殺技】はキャンセルできず、発生もやや遅いものが多い。
また、×+アナログスティックでダッシュ中に攻撃を行うと、単発だが敵を怯ませる効果の高い「ダッシュ攻撃」が発生する。
○ボタンが防御行動に割り当てられているのは比較的珍しいが、本作には前述のようにキーコンフィグは存在しないので、
操作感に不満があってもこのボタン設定で戦い抜くしか無い。
しかし、ボタン配置はそのうちに慣れるとしても、操作性にはなお問題が残る。
本作はコンボ時、ほぼ「攻撃モーションの発生中」にしか次の入力を受け付けてくれない。いわゆるコマンドの「先行入力」がほとんど効かないのだ。
特に△は、その前の□のコンボモーションを全段ゆっくり確認してから押さない限り繋がらず、コンボのテンポは非常に悪い。
本家無双シリーズや、一般的なアクションゲームと同じ感覚・速度でボタン入力を行うと確実に失敗し、
「□□□△のコンボだったはずが、途中の□が認識されていないために□△に化ける」などのような、下位技の暴発を引き起こす。
一方、□の攻撃は発生が速いため入力テンポの面では多少マシだが、逆に言えば次のボタンの受付時間も短いため、
アクション慣れしていない子供などの場合は「□□だったはずが□単発に化ける」といった事故を引き起こしやすいと思われる。
「□の連打は速く、△だけスローに」……何故このような特殊な操作性にしようと考えたのか、まるで謎である。
○基本コンボに伴う問題点
「でも結局、画面よく見てボタン押せば良いだけだろ? よほど下手じゃなきゃ慣れるでしょ」
――そんな反応が聞こえてきそうだが、もしそうならば、どれほど良かっただろうか。
忘れて頂きたくないのは、このゲームのカメラは引き視点のクォータービューでほぼ固定であり、ズームや視点変更などは不可能だということだ。
小さなキャラの動きを、コマンド入力のたびに熾烈な敵の攻撃に晒されつつ視認するのは正直なところ、大変難しい。
頑張って確認しようとしても、頻繁に起こる処理落ちによって阻害されることもしばしばだ。
そして、コンボには無敵時間や敵の攻撃への怯み耐性(いわゆるスーパーアーマー)などといった要素がほぼ無い。
鎧武、ドライブの「□△」のコンボは一度上空へ飛び上がるため敵の攻撃を回避しやすいが、
飛び上がり時にも当たり判定は残っており、飛んでいる敵や投擲された武器などに当たるとあっさり撃墜される。
更に言えば、コンボには方向補正や吸引、追尾などといった「攻撃を当たりやすくする要素」もろくに見られない。
つまりは敵を撃ち漏らしやすい上に、雑魚の攻撃にちょっと当たっただけでいとも簡単に中断し、多大な隙を晒してしまうのだ。
加えて、長いコンボほど派手な演出があり、処理落ちを引き起こしやすいのもネックで、
プレイヤーとしては必然的に「長いコンボはハイリスク、使い物にならない」という判定を下すことになる。
そのため、ライダーの使い勝手はどうしても、隙の少なさ、短いコンボの使い勝手のみで判断されやすくなってしまう。
初期同梱3体の中ではドライブが移動スピードの速さ、ダッシュ攻撃にスーパーアーマーが付くこともあって圧倒的に使いやすく、
△単発および□△の使い勝手が良くない(前者は乱射でダメージが小さく分散し、後者は隙が大きい)ウィザードはやや不遇である。
純粋にアクションゲームを楽しみたい層にとっても、ライダーの華麗で派手なアクションの再現を望むライダーファンにとっても、
総じて溜息しか出ないようなアクション性であろう。
○戦闘バランスの悪さ
全般に非常に大味、かつ凶悪な戦闘バランスである。
・ダメージバランス
基本的に悪バランスの原因は、敵からの被ダメージが大きすぎ、また敵の体力が高すぎることにある。
ライダー達の初期HPは1000前後で、レベル90以上でも3000に手が届くかどうか、といったところだ。
しかし、敵は初期から雑魚でも簡単に3桁、それどころか数百のダメージを気軽にぶつけてくる。
ボスクラスになると4桁台を叩き出す攻撃も珍しくはない。
前述のギミックによるダメージも容赦がなく、どんなに高レベルでもあっという間にHPが溶けてゆく。
そのくせ敵はやたらに硬い。キョウカライドしていないライダー達の与ダメージは最大限頑張っても一撃2000程度なのだが、
敵はやや強めの雑魚程度ですら数千のHPを持っており、ボスに至ってはそれこそ気の遠くなるような体力を誇る。
しかもフィールドボスクラス以上となると、常時スーパーアーマーが基本装備という嫌がらせっぷりで、
プレイヤーの技術で隙を突くだの何だのと言うレベルでは既にない。
(ちなみにスーパーアポロガイストさんは紳士なので無粋なアーマーなど着用しておらず、ここでもまた好感度が上がる。)
例:エンデルガスのフィールドボス、巨大フェニックス
このボスは近接すると一撃500〜1000オーバー程度の攻撃を乱発してくるが、
ウィザードの「スラッシュストライク」という必殺技で遠距離から安全にハメ殺すことができ、
ダメージ計算がしやすいため試しに計算してみた。
ダメージ667の攻撃が17回、ダメージ734の攻撃が6回、計120程度の多段攻撃が5回ヒット
ここでフェニックスの体力が半分になり、攻撃パターンが変化した。
多少誤差はあるだろうが、フェニックスのHPは「32000〜33000」程度ということになる。
「こちらは攻撃が2〜3回当たったら1人死ぬが、敵は必殺技50回当てないと死なない」
最初にここに来るようなレベルだと、だいたいこういうバランスだ!ハメなきゃやってらんないね!
一方、回復面は非常に貧弱だ。
ドライブキョウカライド時の必殺技「マッドドクター 回復」、「ひかりのスイッチ」、
チップを使うたびに回復する強化エナジープレート(後で詳述)などで一応HPを回復できるのだが、
いずれも状況が非常に限定されているため、実用的な回復手段は無いに等しいと言って良い。
マルチプレイ時でも、他のプレイヤーを回復できたりバフ・デバフなどの支援ができたりするわけではない。
ただ皆で、ひたすら敵を殴るのみの脳筋仕様である。
さらにバランス上問題があると思われるのは、操作中のフィギュアのHPが尽きて次のフィギュアに入れ替える際、
いわゆる「無敵時間」が無いように感じられる点だ。
残機型のアクションゲームでは「囲まれて死んだ場合のハマリ」を回避するため、
キャラの復帰時に無敵時間や敵をノックバックさせる処置を設けるのが一般的だと思われる。
だが本作では、フィギュアのHPがOになった時点・位置で時間が即凍結され、「別のフィギュアに入れ替えろ」と指示される。
ゲームを続行するには指示に従うしかないが、従えばそのままの位置に次のフィギュアが召喚され、時間が解凍されるだけだ。
囲まれた状態や、弾幕の中にいる状態で前のフィギュアが倒れていた場合は、無論次のフィギュアも開幕大ダメージコースとなる。
「コンティニュー拳」レベルはやりすぎとしても、子供向け作品ならばもう少しユーザーに優しい仕様でもよいのではなかろうか。
・クリスタルケージ
クエスト中、一定地点に足を踏み入れると、周囲一帯をプロレスリングのように囲む結界【クリスタルケージ】が発生する。
ケージは時間経過によって火・水・風。光・闇のいずれかの属性に変化してゆき、ケージ内部の同属性のキャラクターと
その都度【きょうめい(共鳴)】を起こす。敵だろうと味方だろうと、共鳴した者は攻撃力が大幅に上昇する。
ケージの発生と共に、内部にはたいていの場合大量の雑魚が湧くのだが、その他にも
「通常の雑魚群に加え、ライダー系の強雑魚が複数同時出現する」
「ケージ内に氷の雨や火の玉が降る」「一度敵を一掃しても第二波第三波が押し寄せる」
「そもそもダメージゾーンの上なのにケージに囲まれる」
など、こちらを真剣に殺す方向の工夫に満ちあふれた囲み方をしてくる上、
中にいる敵を全て倒さない限り出られないため、高確率で体力を大きく消耗する。
クエストのボスとの戦闘時もケージに囲まれるが、それ以外でも1クエストにつき2〜3回は覚悟しておかねばならず、
後半の死に覚えゲー状態の現出に大きく貢献している。
・苛烈な遠距離攻撃
★3のクエストあたりから敵の遠距離攻撃が熾烈になってくることも、バランス崩壊の大きな原因だ。
「通路一面に雑魚を敷き詰めて、その奥から別の雑魚が射撃」
「こちらの届かない場所、カメラの具合によっては見えない場所から射撃」
「一度敵を一掃したはずの場所に唐突に雑魚が湧いて一斉に爆弾投擲」
「周囲をクリスタルケージで囲われて逃げられないのに外側から爆発魔法」
「複数地点から一斉に射撃」
およそ嫌な遠距離攻撃のパターンは網羅していると言ってよい。
本作の雑魚は基本的に一種類の行動パターンしか持っておらず、マシーンの如くひたすら同じ行動を繰り返すので、
射撃野郎が大量出現した場合には、ちょっとした弾幕の様相を呈することさえある。
反面、ライダーの技の射程はほとんどが近距離から中距離であり、遠くにいる相手を倒すのは困難である。
ウィザードの必殺技、スラッシュストライクだけはかなり遠距離まで届くものの、
如何せんコマンドが「□□□□△」と長く、敵をスナイプする前にコンボを潰されるのがオチだ。
・ナカマライドとキョウカライド
ナカマライドでアシストキャラを数十秒間召喚することが出来るが、このアシストの使い勝手が今ひとつだ。
補助という概念が存在しない脳筋世界・クリスタルワールドでは、アシストも無論脳筋仕様。
手近な敵に全力で攻撃を仕掛けることのみが使命だ。マルチプレイ時の仲間と同様に、アシストキャラも
プレイヤーの操作キャラから一定距離以上離れた場合、プレイヤーのすぐ側にワープしてくるように設定されているので、
「遠くでアシストにボスを引きつけて貰い、プレイヤーは先に雑魚を片付ける」といった戦略的行動にも使いづらい。
結局、敵にダメージを与えるための鉄砲玉扱いをするしかないが、敵の攻撃でダウン・怯みを起こしてしまうと、
その間はただでさえ短い召喚時間を無駄にすることになる。アシストには指示をいっさい出せないので、
アシストのAIが演出が長くダメージ効率の良くない技(例:オールドラゴンの「ブリザード」)を選択した場合も、同様に時間が無駄になる。
キョウカライドの場合、被弾を気にせず動けるようになるので、長いコンボで大ダメージを発生させやすく、
どうにも不安定なダメージ源であるナカマライドより頼りやすい。
よって、キョウカライドのためのチップをどれだけ温存できるかが後半では最重要課題の一つとなる。
それゆえ、「チップ」の項目で述べたキョウカライドとナカマライドの入れ替わりバグは、本作のバグ・不具合の中ではかなり深刻である。
_____________________
●育成と強化システム
○アップデートによる改善
キャラの強さ・装備品のデータはすべてフィギュアにセーブされる。
このセーブがいつ行われているか発売当初はよく分からず、セーブ中にフィギュアを動かしてしまった結果データが壊れる、
という事故があちこちで報告されていたが、現在はセーブ中に注意書きが出るようにアップデートされているので安心だ。
ただ、その注意書きのせいで、せっかくのライダー達の「レベルアップのガッツポーズ」が隠れてしまうようになった。
もうちょっと……もうちょっと配慮して修正出来なかったかこれ……
○レベルアップ
本作では、キャラのレベルアップは共同プールに溜まった経験値=オーラを各フィギュア=ライダーに割り振ることで行う。
この作業はクエスト中には行えず、クリスタルベースでトレイナに話しかけ、育成画面に入ったのちに実行する。
オーラにもやはり火・水・風・光・闇の5属性が設定されており、同属性のライダーのレベルしか上げることができない。
入手できるオーラの属性はほぼフィールドの属性、または敵の属性に依存しているため、
「ゴボルレイク(水)でドライブ(風)が頑張ってクエストをクリアしたが、出番の無かった鎧武(水)のレベルしか上がらない」
といった何とも切ない状況がよく発生する。
一度フィギュアに割り振ったオーラを取り戻すことは出来ず、新しいフィギュアを別購入して追加した場合は
また新たに対応する属性のオーラを稼がねばならない。
レベル30になると、後述する【エナジープレート】の効果で「攻撃がヒットすると自分と同属性のオーラを入手できる」ようになる。
これが可能になると「バランスブレイカーじゃねこれ?」と言いたいほどオーラ稼ぎの効率が上昇するが、
同時に「今までの長く苦しい道のりはいったい何だったのだろう……」と、一抹の空しさが心にさし込むのも事実だ。
――まあレベルをいくら上げたって、終盤では一瞬で溶けるんですけどね!
○エナジープレート
・作成
トレイナはフィギュア=ライダーを強化する装備【エナジープレート】も作成してくれる。
効果はHP・力・守り・運の各種ステータス強化、特殊技能(特定時パワーアップ、など)の追加、特殊な必殺技を追加、の概ね3種である。
各プレートの作成にはそれぞれ「プレートのレシピ」が必要であり、以下の素材のうち数種類を数個ずつ組み合わせて作る。
A 各属性の力を持った素材(例・みずのクリスタル、ひかりのしずく)
B 特定敵が落とすクリスタル(例・げきじょうのクリスタル、Δのクリスタル)
C 特定の場所にあるクリスタル(例・しっそうのクリスタル、きぼうのクリスタル)
D 時間素材(例・アサストーン・マヨナカストーン)
E ライン方向指定素材(例・マヨコストーン・ブンキストーン)
AとDは普通にプレイしていれば大量に集まるので特に問題は無い。
Bにはアイテムごとに「よく落とす・落とす・たまに落とす」の3種のドロップ率が設定されているが、
「よく落とす」の場合でもドロップ率はさほど高くなく(体感的には10%以下か?)、
「たまに落とす」の場合は終盤になっても入手できていないことがザラである。
ステータスの「運」が高ければ入手率は向上するのだが、それでも「よく手に入る」という印象でもない。
Cは「ふしぎなとびら」の奥にあるものがほとんどのようで、光と闇のフィギュアを別購入しない限り入手不可能なものが存在することになる。
ちなみにCが必要な「必殺技追加」のプレートで追加できる技は、ボタン溜め押しのみで発動でき、通常のコンボより潰されにくい。
一部の技は非常に強力で(例:ドライブの「スピードロップ」)。有ると無いとでは地獄の1丁目と最深部くらいに攻略の苦痛度に差がある。
EはクエストをS・Aランクでクリアしたときに入手でき、クエストによって貰える種類が限定されている。
有用なものは★3以上のクエストで入手できることが多く、当然レベルが低いうちはなかなか手に入らない。
素材の種類が多いこと、入手しにくいこと自体はクソではないのだが、本作の場合は前述のようにクソ長いロード時間、
戦闘のクソバランス、手持ちの素材を確認できない仕様、図鑑が無く落とす敵の外見を確認できない不親切さなどとの相乗効果で、
恐ろしく煩わしい作業となってしまっている。
・プレートのソウビ
作成したプレートは、各フィギュアに【ソウビ(装備)】することで効果を発揮する。
装備スロットはライダー=フィギュアを中心としてマス目状に広がっており、1マスに1枚のエナジープレートを装備できる。
ただし、ただ装備すれば良いわけではなく、ライダーから伸びる線【エナジーライン】が途切れないよう、プレートに刻まれたラインを繋がねばならない。
ラインの種類は直線・L字・T字など様々なもの(前項Eの「ライン方向指定素材」は、これを決定するために必要)がある。
このマス目はレベルアップによって何度か拡張され、初期配置されている「特殊で強力なプレート」も存在するので、つなぎ方をよく考える作業が必要だ。
――これ自体は面白いアイディアであるし、パズル的な楽しさがあることも事実だ。
ただ、それを十全に楽しむよりも先に、システムの不親切さによるストレスがまず襲いかかってくる。
プレートの置き方は「自分で置く」「自動で決定する」の2種類があるが、「自動」の方はラインさえ繋がればよいと思っているのか、
そのライダーでは効果を発揮しないプレートまで繋いでしまう。また、どういう効果を優先させて繋ぐかなどは全く指定できないので、
結局「自分で置く」ほうが遙かに効率がよい、のだが……これ以降がまたストレスの塊だ。
プレートの配置を大幅に変えたい場合でも「全て外す」という手段が無いため、わざわざ一枚一枚外してゆくことになる。
やっとのことでまっさらにしたマス目にいざプレートを置こうとしても、手持ちのプレート=パズルのピースは
種類も数も一覧表示されず、種類ごとにちまちまカーソルを動かして探す必要がある。
しかも種類を選び直すごとにトレイナがいちいち喋るので、やかましいことこの上無い。トレイナ、お前もか……
プレートを置いて×ボタンを押すとトレイナが「この配置でいいか」と尋ねてくるが、「あ、あそこに違うのを置けば良かった」
などと思ってこれにうっかり「いいえ」と答えてしまうと、一気に一連の作業前の配置に戻ってしまい、努力は水泡に帰す。
装備しているプレートのデータは各フィギュアごとにセーブされているが、育成画面では同時に複数フィギュアを表示することはできないため、
他のフィギュアが装備しているプレートを外して流用したい場合は、もちろんライドゲートにいちいちフィギュアを乗せ替えるしかない。
――ちなみに育成画面ではフィギュアの読み込みは2秒で終わるよ! わーい早くて便利だなあ。ハハハ……
・裏技
本作では、フィギュアに割り振る前の経験値と、未装備のプレートはフィギュアではなく本体側にセーブされる。
そして、本体のセーブデータは外部バックアップ可能である。と、いうことは……?
クソロードに耐えていちいちデータを読み込み直すのはそれはそれで苦痛で空しいのだが、このクソ仕様だらけのクソゲーに
まともに付き合う苦痛よりは遙かにマシで、ドブに捨てる時間も短い。まあいくらキャラを強化したって(以下略)なのだが。
_____________________
以上、このクソゲーの内容を述べてきた。
一つ一つは致命的ではないかもしれないが、至る所隈無くクソ要素が張り巡らされ、壮大なクソゲーを作り上げていることが多少なりとも伝われば幸いだ。
本作では戦闘しようとストーリーを見ようと育成をやりこもうと、どこにもストレスからの逃げ場が無い。
クリアまでの標準プレイ時間は数十時間程度であろうが、それなりにボリュームがあることで更に苦痛は倍加する。
近年の「ゲー無」系とは一線を画した充実したクソであり、発売から一月経った今でもなお、謎の挙動や不具合の報告が相次ぐクソの泉だ。
紛う方無きクソなのに、何故かプレイを継続したくなる負の吸引力にも満ちており、血に飢えたクソゲーハンターには非常にお勧めの一品である。
だが、純粋にライダーが好きな子供達に買い与える際にはくれぐれも「フィギュア・チップの大量買い足し」「マルチプレイとレベル上げの手伝い」を忘れないであげてほしい。
それが無ければ、このゲームはただの献身と慈悲と謙譲の徳を養う苦行でしかない。
我が子を聖者にでもしたい場合以外は決してお勧め出来ないし、万一そうしたいなら、中古ショップでウルティマを探す方が圧倒的に賢明な選択である。