名称 | 恐怖体感 呪怨 |
ジャンル | ホラー |
対応機種 | Wii |
メーカー | AQインタラクティブ |
発売日 | 2009年07月30日 |
価格 | 5040円(税込) |
対象年齢 |
記念すべき10周年という節目に、新たな劇場作品2作とともにWiiに登場した「呪怨」のゲーム化。
映画の監督もアドバーザーとして参加し、上記映画作品での発表会でも猛烈なアピールをした「恐怖体感 呪怨」は、
プレイヤーたちにクソゲーの恐怖を存分に味わさせた。
バグやフリーズ等もなく、グラフィックも上々であるためプレイ当初は良ゲーと思えたのも、リモコンのBボタンを押すまで。
開始早々、信じられないほどトロトロと歩きだす主人公。
ポインターの感度も悪く、少しでも照準が外れると画面が高速回転し、さながら全力で回転するコーヒーカップである。
こうなるときめ細かく描かれた画質があだとなり、激しい画面の揺れですぐに気分が悪くなる。
もはや恐怖を体感する前に、体調の方が心配になってくる。
消耗が尋常ではないほど早い懐中電灯の電池を補充しなければゲームオーバーになるため、がんばるトシオ君を横目に数少ない電池を探す「電池ゲー」と化す。
時折出てくるコマンド入力もわかりにくく、一つでも間違えれば即ゲームオーバー、そして最初からやり直し。
中間ポイントというサービスは一切なく、公式のいう「誰でも楽しめるゲーム」とは思えない壮絶な難易度に。
隠しステージの開放条件も、各章に隠されたアイテムを全部回収する作業となり、
何度も同じステージを不良品のごとき電池を回収しながら探索をしなければならなず、せっかくの恐怖演出が台無しに。
加えて、各ステージ後にでてくるビビリ度/ヘタレ度表示が感度の悪いセンサーの動きによって診断されるため、
的外れな見解を示す上に何の役にも立っていない。
がんばって数値をゼロにしても、「怖がってさっさとクリアしただけ」と、とことんプレイヤーをおちょくる始末。
演出への飽和と電池切れのストレスに打ち勝ち、最終ステージにたどり着いても、その先にあるのは全く報われない展開のみ。
さんざんイライラさせられてクリアした先には、行き場のない憤怒を抱えたままのプレイヤーが取り残されているのである。
残された最後の手段は、2PモードでプレイをしているパートナーをAボタンで15秒おきに怖がらせる事だが、
気づけば相手のゲームの進行を妨害するだけの単純作業と化しているという、むなしい現実が待ち受けている。
購入者達が5000円も支払って手にするのは、やり場のないストレスと他人への嫌がらせ行為に走るしかない絶望感。
壮絶なクソ溜めへと突き落とされる恐怖だけは、しっかりと体感できる事だろう。