名称 | ダービータイム オンライン | |
ジャンル | 総合競馬エンタテインメント | |
対応機種 | PS3 | |
発売元 | SCEJ | |
開発元 | 株式会社ランド・ホー! | |
発売日 | 2008年11月13日 | |
価格 | 5,980円(税込) | |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
時にクソゲーというものは、競馬の予想印に例えれば本命、対抗どころか無印だったものから、
急に大化けして戦列に加わってくるものもある。暮れも押し迫る中、ひとつのソフトが発売された。
発売前まさに無印だったそのタイトルの名は、「ダービータイムオンライン」だ。
まずオフラインで遊べるモード。それがトレーニングモードだ。
「ニゲウマ」「サシウマ」など、ネーミングもへったくれもないCPU操作の馬を相手に、
オンラインでの”ウリ”となるはずであった「ジョッキーレースモード」の予行演習ができるというもので、
開発者曰く、「革新的な操作方法」という、
6軸検出でコントローラーを傾ければコーナリング、激しく振れば加速という、
字面を見ただけで疲れそうな操作を学べるモードであった。
オフラインでは、このモードしかできない為、発売日3日前からフラゲした気の早いものの口からは、
大方の予想通り、「疲れる」「ボタン操作は効かないのか」などの悲鳴が聞かれていた。
そして発売日を迎え、胸躍らせてサーバーにつないだ者達を待ち受けていたのは、想像以上の惨状であった。
このゲームはオーナー、予想、BET、ジョッキーの4つのモードに分かれている。
まずはオーナー。生産も育成もなく、単にガチャガチャで馬を引き、それを1日でゲーム内1年というスパンで
行われる競馬番組に出走させ、一喜一憂を味わうというものだ。
このガチャガチャには無料(メダル使用)と有料(円使用)のものがあり、無料でも現実競馬でG1を勝っている馬も引ける為、
それほど差は出ないと思われていたが、無料ガチャには落とし穴が待ち受けていた。
「ヒキが偏りすぎる」のである。スレでは、「7頭引いたけど全部ボンネビルレコードだった」等、
悲惨な報告が次々と寄せられた。
そして有料では、「ディープインパクト300円」等、生々しい価格で能力が飛びぬけた馬を手に入れることができる。
予想モードは、特に語ることもない。
次にBET。このモードは、ゲーセンによくあるメダルを賭けて増やす競馬予想ゲームそのものだ。
仮想通貨の単位もメダルである。
今時、三連複も三連単もなく、「これは10年前のゲームか」との声も聞かれる中、
決定的な事件が起こった。「スペシャルウィーク未出走のはずなのに有馬記念圧勝事件」だ。
出走表にはいなかった為、当然賭けることもできなかったわけだが、
あまりの予想外な出来事に、住民はもう笑うしかなかった。
最後に満を持して紹介するモード。それがジョッキーレースモードだ。
オフラインで腕を磨き、オンラインでは全国のつわもの達と対決する・・・そんな絵を思い浮かべていた。
だが実際は、ゲームとして成り立っていない代物であった。
このモードはラグに尽きる。他馬と接触した場合、自分の馬だけ取り残され、他馬は遥か先へと行ってしまう。
その間必死にコントローラーを振っても馬が加速することはない。
運良くラグがないレースができても、スタートして200mで15馬身以上離して逃げることが可能であったり、
ダートで上がり3F33秒を記録したり、「ねーよwww」としか言いようがない事象が続出した。
ただ、他のモードで破産した場合このモードをプレイするしかメダルを稼ぐ手段は無く、
「ジョッキーモードは破産者の強制収容所」との声も聞かれた。
そして、発売日から1週間を待たずして、
「オーナーレースで不具合が見つかった為サービス一時停止」となり、24時間以上停止する事態に陥っている。
本当に不具合はオーナーレースだけなのか甚だ疑問であるが、
「フルプライスで有料ベータテスト」を体験できたことは、しばらく忘れることがないであろう。