名称 | サマースウィートハート | |
ジャンル | ロールプレイング / シミュレーション | |
対応機種 | NintendoSwitch | |
発売元 | 風雲 | |
発売日 | 2019年10月17日 | |
価 格 | 2480円(税込価格)、DL専用 | |
対象年齢 | CERO:D(17歳以上対象) | |
参考 | DLCあり(アンロック方式、一部有料) |
サマースウィートハート 選評
○概要
中国発のメーカー風雲が送り出した恋愛シミュレーションゲーム。
ストーリーは実写で展開され、人気声優である今井麻美、若林直美らがアイドルの吹き替えを担当している。
物語は基本的にテキストで進行し、一部イベントでは実写ムービーとなる。
この報告は主に本作のシステム面の問題について取り上げたものである。
検証バージョン:ver1.0.2(DLC第二弾は未検証)
○システム
日程表:本作の最も基本的なシステム。一日を朝、昼、夕方、夜の4つに分け、そこに好きなイベントを当てはめていく。
どのイベントが出るかは一部を除いてランダムで決まるが、主人公の活力を超えるイベントは設定できない。(活力は休息をとることで回復する。また余分に休息を取ることで底上げ可能)
また、デートや回想イベントなどで強制的に一部日程が埋まることがある。
選択できるイベントは主人公の能力上昇、ヒロインとの交流、金稼ぎ、休息、レアイベントの5つに大別され、このうち能力上昇と金稼ぎイベントには「レベル」と「好不調」の概念がある。
前者は同じ内容のイベントでもアイコンについている花マークが多いほど消費活力とコイン、能力上昇が大きくなる。(金稼ぎにはない)
後者の方は日によってイベントアイコンに顔マークがついていることがあり、これがついた日程を選択すると能力倍増/失敗の確率が大きくなる。(最大3倍まで倍増を確認、失敗すると逆に能力が減る)
電話、Like:ヒロインと交流するうえで重要なシステム。
好きなヒロインに電話することでデートすることが可能。デートにはコインを消費し、連れて行く場所によっては時間帯制限が存在する。(遊園地は昼と夕方、温泉は夕方と夜限定など)
もう一つの交流手段であるLikeには「チャット」と「モーメンツ」の機能があり、チャットではヒロインと会話することで交流を深めることができる。(会話は選択式)
特にサブヒロインと交流を深めると、「スマホを通した映像」のような感じでムービーが流れることがある。
モーメンツはL○neというよりはTw○tterやFaceb○okに近い機能。主にメインヒロインが様々な内容を呟き、主人公はその書き込みに「いいね」やコメントを書き込むことができる。
(コメントはチャットと同様選択式)時折サブヒロインが書き込みをすることも。
衣装:ガチャを引き、出た衣装をヒロインにあげることのできる機能。衣装は取得後自動的にヒロインにあげた設定になる。
ガチャは主にメインヒロインの回想開放で得られるダイヤを使用して行う(回想1つ解放につきガチャ1回分のダイヤ取得)
出た衣装が被ったときは、その衣装のレア度に応じて衣装交換ポイントに変換される。(Rで20、SRで60、SSR、URで1080ポイント。ちなみに変換に必要なポイントはSR180、SSR1600、UR8000)
特定の衣装取得時にはヒロインがそれを試着するムービーが解放される。
セーブデータの仕様について:本作は少し特殊なセーブシステムを搭載している。それは、1つのセーブデータにつきメインヒロイン2人のデータが共有されるというものである。
どういうことかというと、例えばヒロインAのデータである程度進めた後ヒロインBのデータで始めると、それまで攻略したヒロインの好感度、主人公の能力がそのままヒロインBのデータに反映される。
(ちなみに、選ばなかった方のメインヒロインはそのヒロインのデータで始めない限りもう一方のヒロインのシナリオには登場しない。始めた後はサブヒロインと同様の扱いになる)
○システムの問題点
・とにかく長い
本作は「サマー」とソフトタイトルについているのとは裏腹に、約1年間ヒロインたちと過ごし続けることになる。
1年間過ごすということは、上述した日程表も約1年間つけなければならない。当然1日ずつ。
これが原因でプレイヤーは修行僧のごとき地獄の耐久レースを強いられる。筆者は大体2,3日に1回休息を取りつつ能力上昇やデートイベントをこなしていたが、好感度上げの効率などから全く同じ内容を何日も見る羽目になりただの作業に感じた。
ちなみに「一日日程を付けなければ早く進むのでは?」と思うかもしれないが、ご丁寧に一日休むことを選択すると主人公が休むモーションが挿入される。きっちり4回分。
なので多少早くなる程度のものでしかないことを付記しておく。(ただしこれはあくまでテンポの話であり、何もしない=能力、好感度を上げないでいると告白イベントが失敗扱いになり強制終了するので、日程的には早く終わる。)
・デート、Like関連
上述した通り本作では好きなヒロインに電話を掛けることでデートに誘うことができるのだが、基本的に断られることがない。極端に言えば、「毎日デート」も可能。
例え初対面同然の仲であろうと電話一本であっさりデートを承諾するのはいかがなものか。
また誘う時期と場所によってはまるで季節感のないイベントが展開され、「夏に温泉で雪を眺める」だの「冬に海辺でサンオイルを塗る」現象が発生する。
Likeはヒロインとの会話が楽しめるとの触れ込みだが、実際に交流をすることができるのはメインヒロインのみ。サブヒロインとは会話することができず、それでいて彼女たちは主人公に対し「昨日は誘ってくれてありがとう」だとか「もらった服来てみたけどいいね」などと一方的に送ってくるので、まるで既読無視でもしているかのような虚しさを感じる。またチャット会話も特定の選択肢ありきで進めているような節があり、一部選択肢を選んだ際に話がかみ合わなくなり言葉のドッジボール状態になる場合がある。
・ムービー関連
メインヒロインのムービーは良質であり、一時停止やテキスト非表示機能もある。
が、1週目は早送りやスキップ機能がないのが気になった。(メインヒロインのムービー時間は約30秒程度、また2週目からは既に見たムービーのみスキップ可能)
また一部イベントではムービー中に選択肢が挟まり、選んだ方によって少しムービーの内容が変わるものが存在する。それ自体は別に悪いとは思わないし恐らく周回要素として導入したのだろうが、何を思ってこの作業ゲーに周回要素をぶち込んだのか理解しがたい。
その一方でサブヒロインのムービーは台詞1つ話す程度で非常に短く、メインとの格差を強く感じた。
・テキスト、イベント関連
テキスト面ではバックログ機能がなく、一部未翻訳のテキストが散見される。
またテキスト送りが速い部分があり、特にムービー中の主人公の台詞は一部ではあるが一瞬で消えることがあり、回想での見直しを余儀なくされる。
ヒロインとの交流イベントでは最低1回選択肢かボタン連打によるゲージ貯めがある。
選択肢の中には時間制限があるものが存在するが、一部「一定時間経つと選択肢が増える」ものが存在する。しかし選択肢が増えるといっても二択から三択になる程度のもので既存の選択肢に変化はほとんどなく、制限時間経過後も普通に選択肢を選べるのであまり時間制限の意味を成していない。(ただし低頻度ながら制限時間経過後進行不可になるバグが存在)
ゲージ貯めの方はというと、まず素の状態でゲージを満タンまで貯めるのは不可能に近い。というのも、ゲージ貯めには水準となるパラメータが設定されており、それを超えると上昇量が格段に上がり成功しやすくなる。しかし、どれだけパラメータを上げようと水準量に達していなければ素の状態と上昇量は全く変わらない。そのくせこちらのパラメータを大幅に超える水準設定が出てくるためそうなるとまず成功は不可能である。
(一応、上述したセーブデータの仕様を利用してもう片方のヒロインデータで能力を上げるという方法もあるにはある。また失敗することで逆に好感度が上がるものもある。逆もしかり)
・DLC関連
本作のDLCはアンロック式で、2つある。
が、そのうち第二弾はなぜか有料(100円)。ロック解放に金がかかるのか。
またDLCの内容は両方とも衣装とムービー、イベント追加となっているが、追加対象のヒロインがどちらも一緒である。これがヒロイン間の格差が広がる要因にもなっているのではと感じた。
・その他、バグや仕様ミスなど
特にこれといって致命的なバグは(少なくとも日本語版では)見当たらない。選択肢での進行不可バグはあるがごく一部の選択肢でかつ特定の動作をすると起きるもので、オートセーブの存在もあってそこまで支障があるものではない。そこはいい点であるといえるかもしれない。
強いて言うなら、再開時にコレクション(サブヒロインのムービー、イベント回想)がすべて未読扱いになるバグが鬱陶しいくらいか。
仕様ミス(?)の面では、特定のイベント時に主人公とヒロインが入れ替わる現象が発生。
これだけならただの仕様ミスでは?と思うかもしれないが、選択肢まで女性目線になっている(台詞ウィンドウは主人公になっている)ことからミスなのか故意なのか判別しがたい。「君の名は。」にでも影響されたのだろうか。
○総評
一言でいうなら、「端から見ると笑えるが、実際にプレイすると苦行なゲーム」であると感じる。
目立つバグがなくちゃんと完成されているが故に、一日一日の時間が長く、ひどく冗長なものに感じられる。しかしながらシナリオのカオス展開や謎翻訳などに注目が集まり、そういったシステム面での問題は見過ごされがちである。
初心者が下手に手を出すと精神すら蝕まれるようなゲームであると感じた。
サマースウィートハート選評2
○概要
この報告は、サマスイの主にシナリオ、翻訳、ボイス面の問題に焦点を当てて解説したものである。
○登場人物
主人公(デフォルトネーム:しょうた)
本作の主人公。職業不詳(仕事をしている描写はある)
家で一人暮らしをしているが、部屋が余っているためルームメイトを探している。
一人暮らしをしているため家事はお手のものらしく、普段はほとんど彼が家事全般をやっている模様。(両ヒロイン共通。一応夏美は一部家事を手伝ってくれたりはしている)
性格は基本真面目でこのゲームの中では比較的常識がある方ではあるものの、ヒロインへのサプライズとしてビルの窓を破って侵入しようと考えるなどお茶目な部分もある。
ちなみに本編以前に女性と付き合った経験があるらしい。(別れた元カノは町を出ていったとのこと)
宮水夏美(CV:今井麻美)
メインヒロインその1。
いわゆるツンデレ系ヒロインで、芸術大学に通う傍らネットで漫画を描いている。両親は1年前に交通事故で他界。
ある夜に泥酔していたところを主人公に介抱され、その後住んでいた家を追い出されたため主人公の家に転がり込む。主人公からの呼び名は「夏美」または「みーちゃん」。
主人公を家でずっと観察して漫画の素材集めをしたり、恋愛漫画の題材として主人公と疑似カップルを作るなど漫画づくりにはかなり本格的に取り組んでいる模様。
が、疑似恋愛が行き過ぎて主人公の帰りが遅いのを元カノと会っているからだと誤解し嫉妬してしまう一幕も。
林美優(CV:若林直美)
メインヒロインその2。
幼い頃から猫として育てられ、本人も自分を猫と思い込んでいる少女。
母親が海外に出張に出掛けたため、その間主人公が彼女の面倒を見ることになる。
序盤は主人公のことを「ご主人様」と呼び、それを主人公に咎められてからは主人公のことを「お兄ちゃん」と呼ぶようになる。
また、自分を猫と思い込んでいるためことあるごとに猫言葉(?)を使う。
社会から隔絶されて育ったため出会った当初はろくに一般常識も分からない有り様だったが、主人公の指導により知識を得ていき最終的に雅の喫茶店で働けるまでに成長する。
杉本雅(CV:松舞奈)
サブヒロインその1。
主人公行きつけの喫茶店のオーナーで、このゲームの中ではおそらく一番の常識人ポジ。(というより被害者ポジ)
基本的に弱気で、騙されやすい。林美優を喫茶店の従業員として迎え入れるなど、寛容な一面も。
先天的な病気を持っているらしく、化け物のレッテルを貼られた過去がある(らしい)。
江口歩(CV:江口育美)
サブヒロインその2。
正義感の強い女刑事。主人公に容疑者を取り押さえてもらったことから知り合う。
刑事としてはある程度出世しているらしく、複数の部下を連れている様子が見られる。
彼女の父親も警察官だったが、任務中に殉職している。
好きなものはアイスクリーム。理由は幼少時の父親との思い出を思い出すからとのこと。
峰山千尋(CV:赤星麻衣子)
サブヒロインその3
芸術大学に通う大学生。バンドを作っており、ドラムを担当している。
しかしその一方で独自の薬を作っていたり、主人公を新しい治療法(?)の実験台にしたりといった裏の顔を持っている。本人曰く、「業界のブラックリストに載っている」らしい。それ犯罪者なのでは…
自信家で、やや傲慢な面がある。玲華のバーで開かれたバンドコンテストで八百長があったことに怒り、自らコンテストを辞退するなどプライドが高い。
市川玲華(CV:笹本奈津枝)
水増し枠その1。
海辺にあるバーを経営している女性。メインヒロイン2人と交流があるらしく、Likeのモーメントに名前が出てくることが多い。また千尋のバンドをバーに呼ぶなど、(おそらく)一番他ヒロインと交流している人物でもある。
公式の人物紹介曰く、「刺付きの薔薇みたいなセクシーな女性」とのこと。
赤羽星(CV:高木遥香)
水増し枠その2。
傲慢で中二病なお嬢様。・・・というのは公式の人物紹介だが、実は大してお嬢様でもないらしい(本人談)。玲華とは逆に他ヒロインとは全くといっていいほど交流がない。(回想がない影響もあるかもしれないが)
とにかく我儘かつ自由奔放で、お宝があるかもしれないという根拠もクソもない理由で真夜中に雅の喫茶店や良子の働くビルへ侵入するという犯罪者まがいのことに主人公を巻き込んでいる。(分かっていながら行く主人公も大概だが)
島崎良子(CV:山石さとみ)
水増し枠その3。
オフィス街で働くOL。公式の人物紹介曰く、「そそっかしい森ガール」。
残業が多いらしく、度々それを主人公に労われるシーンがある。
金魚を飼っているらしく、なぜかそれをオフィスに鉢ごと持ちこんでいる。
新堂鈴江(CV:鈴木麗子)
水増し枠その4。
花屋を営んでいる女性。
雅のために冷香丸(薬の一種)の材料を提供したり、楽に生け花を教えてあげたりと優しい性格。
柳瀬楽(CV:篠田有香)
水増し枠その5。
主人公の家の隣に住む高校生。美優とは仲がいい。
頭はあまりよくないようで、時々主人公に勉強を教えてもらっている。特に数学が苦手。
また鈴江に生け花を習っており、作品について主人公にアドバイスを求めるなど熱心に取り組んでいる様子。
○問題点
・シナリオ面
あまりにも唐突かつ現代日本という世界観をぶち壊すようなエピソードが所々に入ってくる。
例:「夜にショッピングしてたらいつの間にか結界を越えて別の世界に行ってた」「ヒロインに怪しげな治療術を受け足の怪我が回復する」など
また元々中国向けに開発された名残なのか日本人にはあまりなじみのないイベント、食べ物、故事の知識などが入ってくるのも問題である。特に故事の知識は普通の日本人であればまず分からない内容でありかつ選択肢に絡んでくる問題があるため、該当イベントに当たったときはわざわざ調べるか好感度ダウン覚悟で当てずっぽうで行くしかない。
また明らかに重要そうなイベントを汎用イベントにした結果同じことを何度も聞かされることが多い。例えば歩の父親の思い出を聞くイベントや、雅が難病を抱えていることを告白されるイベントなどが該当する。
もっと言うと、汎用イベントに限らずほとんどのイベントは単体で完結しているため、上記の設定などが軒並み死に設定と化している。過程を映すだけで結果が言及されなかったり解決しないようなイベントが多いため、「で、結局どうなったの?」と言いたくなるような展開が多い。
・翻訳
誤字脱字は当たり前、中にはエキサイト翻訳未満の意味不明な訳も多い。
これらに元々の表現の拙さが合わさって何とも言えないカオスな翻訳が出来上がっている。
例:「はい!義母になる!」「記憶の中の匂いを掻いた」など
男女の口調が逆になることもしばしばあり、女性口調で話す主人公や弱々しい性格のヒロインが突然男らしくなるなどといった光景も。
声優がフルボイスで演じるムービー部分は割とまともだが、それ以外の部分はほぼこの問題が付きまとうことになる。
・キャラクター面
メインヒロイン2人の内、美優のキャラ設定が目につく。
中盤から多少改善されるとはいえ、常時猫になりきっていてかつ一般常識のかけらもない18歳の少女というのはさすがに好みの範疇を越えているのでは?と感じる。(あくまで個人の感想だが)
サブヒロインの中にも、実際にやったら間違いなく犯罪者であろう行為を罪悪感もなしにやるヒロインが複数いる。そんなことをするヒロインにはどんな過去があろうと共感や愛着は湧かないだろう。(そもそも共感できるほどの過去があるヒロインが半分くらいしかいないのだが)
そして登場人物の項でも少し述べたが、サブヒロインの中に明らかな水増し枠がいる。それもサブヒロイン8人中5人も。
具体的に言うと衣装がデフォルト含めて2着しかなかったり、ムービー、回想がない。残り3人はちゃんとムービーも十数個はあるし衣装もDLC等含めて5、6着はある。あまりにもヒロイン間の格差が大きすぎである。
またヒロイン間の関係が曖昧で、モーメントなどを通して会話しているヒロインは多いものの具体的にどんな関係なのかいまいち分かりにくい。他にメインヒロインとモーメントで絡んでいる人物も本編に登場しないキャラが多く、どういう人間の集まりなのかがよく分からないのも気になった。
・ボイス面
本作はムービーイベント以外は基本的にパートボイスで進行する。ボイスそのものは悪くないのだが、明らかに使いどころを間違っているボイスがちらほら。
例:これからショッピングを始めようというときに「楽しかったね!」と話すなど
また、ボイスの内容が全員ほとんど一緒なのも気になった。多少の違いこそあれ、「大変だったでしょ?ありがとう」とか「早くあなたに会いたいです」と別々のヒロインに同じようなことを言われるため、ヒロインの個性が無くなっているのでは?と感じた。
・その他
やたらと作品の名前が濁されずに出てくる。自分が確認した限りでは「斉木楠雄のψ難」「東京喰種」「千と千尋の神隠し」等の名前が出てきていた。LikeやCoutureは多少なりとも濁しているのに・・・お国柄が出ているのだろうか。
○総評
恋愛シミュレーションというジャンルにおいて核ともいえるシナリオ、ヒロインの問題は致命的な問題である。本作も、シナリオやヒロインが良ければ例え夏が題材なのに1年近くやらされることになろうがバックログがなかろうが佳作あるいは良作になりえた可能性もあったわけである。
が、本作は現代日本という世界観を無視したシナリオ、激しすぎるヒロイン間の格差に加えて意味不明な翻訳という三重苦により前述したシステム面の問題と相まってどうしようもない苦痛が生まれている。これではクソゲーという謗りを免れることはできないだろう。
少なくとも自分は甘さもへったくれもない、むしろこの上なく苦い恋愛ゲームであると感じた。