2010年 次点
概要
名称 | 人生ゲーム ハッピーファミリー | |
ジャンル | 人生体感パーティーボードゲーム |
対応機種 | Wii |
発売・企画元 | タカラトミー |
開発元 | タカラトミー |
発売日 | 2010年11月11日 |
価格 | 6090円(税込) |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
要点
前作『人生ゲームWiiEX』の機能縮小版のゲー無、Wiiウェア版が2009年度ノミネート作品となった、Wii版人生ゲームシリーズの通算5作目。
本作の機能を縮小したWiiウェア版『人生ゲーム ハッピーステップ』が先行販売され、ボリューム不足等の問題点があるも、1000円ならギリセーフとの評価で選外に。
しかし、今度はフルプライス版であるこちらの内容が、先のWiiウェア版とほとんど変わらないという事で話題となった。
追加された要素はマスの種類、家族システム、ハピネスモード、Miiの5つ。流通経路の違いもあるが、たったこれだけで1000円→6000円は手抜きにもほどがある。
本作はWiiパッケージ版の人生ゲーム3作目に当たるが、スレでは「人生2」(あるいはただ単に「人生」)と呼ばれる。
- 使えるキャラクターは男5人+女5人で、たったの10人。
- 名前も固定されていて、変更不可能。
- 顔も初期のものから全く変化しない、不老不死か。
- 結婚イベントで結ばれる相手もこのプレイヤーキャラからの使いまわし。
- 生まれてくる子供も、この10人のパーツを流用しただけで、親と全く同じ顔のクローンが誕生する。
- その為プレイヤーキャラが男だと、男の顔をした女の子(要するにオカマ)が誕生する。
- Miiが1回クリアしないと使えない。
- Miiキャラの場合、名前や顔を変更する事ができる。
- 子供の顔にMiiキャラは反映されない。
- 子供が居てもクリア時に子供を選択できず、Miiを継続して使うしかない。
- しかもスキルが1つ消滅するので他より弱体化している。
- 以上の点から、わざわざ隠し要素にする必要が全く感じられない。
- マップの数は多い少ない以前の問題で全1種類。
- ボードゲーム版の『人生ゲーム』を再現しているつもりだとしても、「幼児時代〜中学生時代」までのマップはないので、どの道擁護できない。
- 「婚活」「子育て」「仕事」といったミニマップはあるが、こいつらが本作最大の癌である。理由は後述。
- BGMは「マップ」「ミニマップ」に各一種類ずつ。
- しかもミニマップのBGMは2009の人生ゲーム(wiiware版)からの使い回し。
- 通常の所持金で順位を決めるモードの他に、「幸福度」を基準に1位を争うモードがあるのだが、このモードでもCPUの思考は現金重視のまま。
- そもそもモードを理解していないこと以前に、行動が支離滅裂で、明らかにAIの調整をサボっている。
- それ以外にも、あらゆる面において手抜きだらけ。
- 「ミニゲーム」、「カード」は存在しない。
- 「仕返しマス」等の一部のマスも存在しない。
- シリーズの顔であった「天使」と「悪魔」も存在しない。
- ステータスのスキル欄の文字が滲んでいてわかりにくい。
- 一応、スキルのところにカーソル合わせれば説明が出るが、パッと見ではわからない。
- ちなみにスキルは最高で2つしか取れない。
- にもかかわらず、取得できる「スキルマス」の数が(特に学生時代に)無駄に多いので、テンポが悪くなる。
- 1人のキャラの1つのステータス変化毎にいちいちシューンシューンといったアニメーションが入ってテンポが悪い。
- 子供がポンポン生まれるので、先に進むにしたがってどんどんテンポが悪くなる悪循環を生む。
- プレイヤーは「子供つくんなよめんどくせえ」と思うこと必至。
- スレ住人の検証によると、出目の確率が明らかに偏っている模様で、ゲームテンポの悪さに拍車をかけている。
- 8までの目が出るルーレットなのだが、3が出る確率だけ高く、逆に7の目が出る確率が低い。
- 本来約12.5%の確率になる筈が、3は20%、7は6%と、誤差が生じるにしても偏りすぎ。
- 4までの目が出るミニマップおいては、3の目に偏っており、その確立は40%近く。
- 例の如く、イベントの内容が非常につまらない。
- 「家に財布を忘れた、−4000万円」等々、毎度の事ながらもう少し考えろよと言いたくなること請け合い。
- そもそも内容云々以前に、イベントの少なさが致命的に酷い。
- 殆どのマスは片手で数えられる(最低で全3種類くらい)程度のイベントしか発生しない。
- 子育てマップ等のミニマップに至っては、ほぼ毎ターン同じイベントを見る事になる。
- 早急に脱出したくても、前述した出目の調整から事実上不可能。
- 数時間プレイしただけで、全く同じイベントを両手で数え切れないくらい見ることになる。飽きるなんてもんじゃない。
- その為、プレイ人数が増えるほどにクソゲー度が増すという、「パーティゲーム」としてあるまじき状態と化している。
- 「ミニマップ禁止」などの縛りを課さないと人間関係が破壊される可能性も。
- 対人戦でプレイした人が、外部含め揃って「やればやるほど気まずくなった」と報告している事から、その凄まじさが分かると思う。
- 子供に引き継いでの2周目プレイが出来るが、1周目でイベントは枯渇する。
- 2周目での追加イベントなんて物はない。
- その反面、周回プレイを前提にしたような仕様になっているので余計にたちが悪い。
- CPUは子供を作ると必ず子育てマップに移動するので、同じイベントを何度も何度も見せられる事になる。
- CPUの数が増えるごとにクソゲー度も2倍、3倍に!
- だからと言って対人でやれば、ほぼ確実に険悪な雰囲気になるというジレンマ。
- 「おじゃましマス」の被害に遭うプレイヤーの確率が偏っている。
- 3人目か4人目が被害に遭う確率が7割。
- 逆に一人目の回避率は異常と言っていいレベル。
- 明らかに調整ミスであり、まともなテストプレイをしたかどうかすら疑われる。
- 株を買うことが出来るのだが、値段の変動が殆ど無い。
- お金の増減が終盤インフレ化するので、それまでにコツコツ貯める意味があまりない。
- ギャンブルで簡単に7億ほど稼ぐ事ができる。
- ゴールすれば借金は踏み倒せる。
- そこまでに購入していたお宝アイテムがある場合、約6倍の価格で評価される。
- 順位発表では最終資産が表示されない。
- なお、人生ゲームWiiウェア版は最終資産は表示される。
- 「タカラトミー」のKOTY連続ノミネート記録は本作で4年に到達し、歴代最多記録を更新した。
- 単純なノミネート数でも、『ゾイド』『メジャー』『メジャー2』『人生』に続いて5作品目。
選評
選評案その1
このゲームにはキャラエディットがなく、名前固定10名のデフォルトキャラで人生をスタートする。
NPCも子供も10名のパーツを流用しオカマとクローンを生産、人生ゲームの顔役である天使達は全てリストラ、
恋愛相手も5人〜2人のデフォルトキャラで済ませる仕様からは「手間を省きたい」という強い意志を感じさせる。
使えて当然のMiiを隠し要素にするあたり末期である。
時間設定すらない上にMAPは全1種類、職業のランクアップに必要な才能カードと、
最悪−1億円+能力値−というバランスの悪いマスなどを追加した代わりに
お馴染みのマスとミニゲーム・カードの両方をばっさり削除。基本の職業システムと恋愛は縮小、学校のシステムは丸ごと消えた。
その年代らしいイベントも少なくなり、顔が変わらず制服も着ないキャラからは時間の経過が感じられない。
人生は同じことの繰り返しとでも言いたいのか、総評も含めてイベントは地味でつまらなく、とにかく被る。
普通にプレイすると毎ターン被ることもあり、同じマスの続くミニマップは周回すると最早罰ゲーム状態である。
他を削って注力したのだからメインの家族システムは素晴らしいものに…なっていない。
子供を育てるのはいいが、イベント数が少なすぎるせいで数回作ると2度と見たくない気分にされる。
通常のモードに加えてハピネスモードがあるが勝利判定を幸福度にしただけのモードで本当にそれだけなのか
CPUはルールを理解しておらず、金を溜め込もうとするときがある。
子孫による引継ぎプレイを前提としているようで、1周では職業のランクアップすら難しいバランスにする一方、
2周目の目玉要素は特になし、イベントの枯渇は深刻になる。いつの時代から来たのかキャラの保存枠は
モード毎で以降は何故かプレイ人数から順番に至るまで全て固定される。
最後に6000円のこのゲームには「人生ゲームハッピーステップ」という出来の悪い体験版が1000円で発売されているが
それとの違いは、マス追加、トロフィー(実績)、家族システム、ハピネスモード、Miiの5つである。
差額がちょうど5000円で要素も5つなので、1000円で家族システムやMiiを使う権利を買ったと思えば納得できるだろう。
タカラトミーは。
以上
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