2019年 次点

概要

名称YIIK: ポストモダンRPGhttps://store.playstation.com/ja-jp/product/EP2081-CUSA12012_00-JPPS400000000001 [外部リンク]NintendoSwitch [外部リンク]
ジャンルRPG
対応機種PS4/NintendoSwitch
発売元Ysbryd Games
開発元Ackk Studios
発売日2019年01月31日
価 格1980円(8%税込価格)、DL専用
対象年齢CERO:D(17才以上対象)

参考動画

トレーラー

紹介動画(任天堂)

選評

選評2

※本選評はネタバレを含みます。

■私が確認したバージョン情報
 ハード:PS4PRo
 ドライブ:内蔵SSD(2050GB Crucial MX300 2.5-inchi SSD)
 verision:1.06(タイトル画面左下に記載されているバージョン情報)

■ソフト情報
 名称:YIIK: A Postmodern RPG
 プラットフォーム:PS4、Nintendo Switch
 開発:Ackk Studios
 ジャンル:RPG
 販売形式:ダウンロード販売のみ
 標準価格:1980円

■シナリオ
 ※シナリオ自体がクソゲーとして賛否両論なので細かく書いています。もちろんネタバレを含みますので注意してください。

 ○導入
 1999年、物語の主人公アレックスは街で見かけた猫を追って工場跡地へと向かう。建物の中を進むアレックスは果ての見えない広大な空間にたどり着く。彼は戸惑いながらも好奇心に掻き立てられるのか立ち止まることなく足を進める。そして、その奥で同じように異空間に迷い込んだ少女、サミーと出会うのだった。
 アレックスとサミーの二人は元の廃工場になんとか辿り着く。安堵のひとときを迎えた二人はエレベータに乗る。しかし、そのエレベータの戸が開いた先で姿を表したのは異形の生命体だった。
 生命体を目の当たりにしたサミーは叫ぶ。
「放して約束したじゃない!もう連れて行かないって!」
 その言葉が何を意味しているのかはわからないが、彼女が抱いた恐れは現実となり謎の生命体に連れ去られてしまう。何かの力が働いているのだろうか、連れ去られる彼女の苦悶の表情を浮かべ、瞳からは血の涙を流していた。サミーはアレックスに何度も何度も助けを求める。手を伸ばすアレックス、しかしその手は彼女に届くことはなかった……


 ○ゲーム中の原理原則※ネタバレ
 過度のストレスを加えられるとアストラル投射が起きて、肉体と魂が分離される。分離した魂は物質世界とは別の精神世界にいくこともできるし、並行世界にいくこともできる。並行世界にいった魂は自分に適合した肉体があれば受肉化できる。この適合した肉体とは主に並行世界の自分自身を指す。

 ○関係ありそうで関係ないもの
 YⅡK問題、ノストラダムスの大予言

 ○ネタバレストーリー中核のみ概要※ネタバレ
 失踪したサミーを探すアレックスは、ローリーの妹の事件で上記のゲーム中の原理原則を知る。その上でサミーが自分からアストラル投射を起こしたという考えに疑問を感じていた。そんな折、白いアストラル体からレコードを探すように頼まれた彼は、ヴェラが別世界のアストラル体であることを知る。電波塔からヴェラの曲を流した一行はアンドロイドの少女。エッセンシャル2000に出会う。エッセンシャル2000が言うにはヴェラとサミー、エッセンシャル2000は並行世界の同一人物らしい。更にアレックスは彼自身が世界を滅ぼす存在になることを知らされる。この世界は、壊れかけていて本来であればマイケルは10歳のときに引っ越しており、代わりにサミーがやってきていることが発覚する。2000年1月1日にやってくるアレックスに向けて皆は戦いの準備をし始める。
 2000年1月1日に現れたアレックスの顔をした隕石に一行は敗れ、アレックスはアストラル体になることを決める。やがて彼は並行世界のアレックス達が集まる集合意識体へと合流する。そこでかつて自分たちの世界を破壊したプロト=アレックスたちに一緒に世界を破壊しないかと誘われるがアレックスはそれを拒む。アレックスはヴェラと同様に他の世界で受肉しようとする。そこに現れたのは、名前も姿も変わってしまっているが、かつての仲間達だった。
 「ウマ、エムブイティ、ジェム、ガンブレ、リアルタイムカスタマイズ!」
  ※適当に名前を付けててここで吹いた。
 意気込んでプロト=アレックスの元にたどり着いた一行、彼らを待ち受けていたのはプロト=アレックスとエッセンシャルだった。実は彼女は並行世界のヴェラではなく、並行世界の女版アレックスだった。激戦の末、アレックスは再び敗れる。しかし、ロイという謎の人物がアレックスを助けてくれた。このままでは勝てない。考えたアレックスはエッセンシャルとプロト=アレックスの電源コードを抜くことにした。
 「終わった。すべて終わった。俺たちのことを頼むよ」
 世界はすべて破壊され、アレックスも何もかもがなくなった。終劇。

 ……冒頭は良いのに、その後がくそシナリオ。後半に行くほどクソ。


 ○シナリオ逆引き※ネタバレ
 エッセンシャル2000 :黒幕。アレックス、およびプロト=アレックスと同一人物。最初に並行世界のヴェラやサミーだと言って騙してくる。目的はプロト=アレックスを殺してアレックスの集合意識体を牛耳ること。そのため、刺客としてアレックスを育てていた。
 ヴェラ:並行世界で信じてたアレックスに浮気されアストラル化。物語の中心となる世界に移動してきて受肉化する。
 マイケル:並行世界で助けを求めてきたアレックスを見捨ててアストラル化。世界が崩壊しかかっている影響で合体した。デフォルトで空を飛ぶ。
 アレックス:自分が世界を破壊してアストラル化。エッセンシャルやプロト=アレックスと同一人物。つまり世界が破壊されるたびに集合意識体のアレックスはどんどん増えていってる。

 サミーがアストラル体になる経緯が不明であることと、アレックスが大学に入る前あたりで様子が変わっていることから、その時期に何かが起きていたと推測されるが、シナリオに直接結びついていない。


 ○シナリオの良い点
 序盤の引き込み具合は悪くない。ローリーの妹の話辺りから主人公アレックスの性格による影響のためか、徐々に感情移入ができなくなってくる。
 ノスタルジックな雰囲気は良い。

 ○シナリオの悪い点
 明らかな情報過多。その上、何度も裏を返してくるので読んでてつらい。
 バックログ機能がない。アドベンチャーにしてしまったほうが良かったと思う。
 用語集がない。
 以上の三点から、物語が進むに連れ、ついてこれないプレイヤーを蹴落とす仕様になっている。

 ○アレックスの台詞や独白が酷い
  ※「」内は原文そのまま
 「ケチを付けたくて仕方がない」→ヴェラがソウルサバイバーの説明を始めたときの独白。
 「お前の妹なんかどうでもいい。俺たちが死ぬところだったんだぞ。お前は俺たちを利用したんだ。サミーの事件に関係があるように振る舞ってな」→妹が死んだローリーに対して
 「貯金は?蓄えはあるんだろ?」→仕事をクビになった母親に対して
 「30ドルもあればいいだろう」→バイトを抜け出すことをためらったヴェラに対して
 「それはー…遠慮しておくよ」→無職のアレックスに仕事を紹介したローリーに対して。その後、アレックスの学士号取得マウントが始まるが、ローリーの職場でも学士号や博士号取得者がいることを説明されると黙る。
 「俺は女を愛したことがない」→独白。

 ○全体的に説教臭い
 親のスネをかじって大学を出たアレックスに対し、それを非難するような会話が何度も何度も入る。
学生ローンや卒業後の就職などの話がキャラクターの口から語られる。こういった会話が入るたびにアレックスの雰囲気が悪くなる。なお、物語の進行上、必要な設定だったのかは疑問が残る。
 恋人?の浮気を目撃する設定があるのだが、これが二度繰り返される。わざわざ天丼する意味があったのだろうか。
 「十で神童十五で才子二十過ぎれば只の人」を地で長々説明する。しかも、それが直接的な原因ではないので必要ない設定にも感じられる。
 人種差別に対して敏感な会話がちょくちょく入る。仲間内の会話でも流れをぶった切って入ってくる。なお。シナリオ上の必要性は皆無である。


■キャラクター
 アレックス:大学卒業後ニート生活を楽しんでいる。少なくても1留。
 サミー:謎の少女。
 マイケル:カメラが趣味。
 ベラ:ゲーセンの店員。
 ローリー:肉壁
 クラウディオ:レコード店の店長。アニメ好き。
 ショーンドラ:クラウディオの妹。ウインドウにより立ち絵の太ももが見えそうで見えない。
 エッセンシャル2000 :お気に入りだったのに。


■戦闘関連
 ○エンカウント
 フィールドはランダムエンカウント、ダンジョンやタウンではシンボルエンカウントとなっている。ただし、レベルを上げすぎるとランダムエンカウントでも敵が出なくなる。敵シンボルは一度撃破すると一部を除きリポップはしない。タウンでの敵シンボルは街の住人と区別がつかないので注意が必要となる。その他に宝箱からミミックというモンスターが出現することがある。

 ○概要
 ターンバトル制だが、頻繁にミニゲームが入る。ミニゲームについては糞度が高いので後に別記している。全滅時もHP、PPが全回復し戦闘開始から再戦できる。ペナルティーは特にない。

 ○バトル中の数字の表記
 実際のダメージがとてもわかりにくい。ミニゲーム中に敵へのダメージ演出とともに数字が表示されるが、それは意味のない数字である。ウインドウに表示される「○○にダメージ!」と表現される数字が真値となる。敵キャラに数十もの数字が表示されているのに下のウインドウでは1桁の数字が表示されていることもある。なお、ウインドウに表示される実際のダメージ値は一瞬だけ表示されて即消える技もあるので注意が必要である。

 ○ミニゲーム
 ターンバトルの単調な戦闘を飽きさせないためにか攻撃時、スキル使用時、防御時、逃走時など随所で様々な種類のミニゲームが発生する。このミニゲームは指示されたボタンをタイミングよく押すといったもの等で、これ自体は特にレスポンスが悪い等ということもなくさほど問題ではない。ただし、あまりにも頻繁に入りすぎている。例えば4人パーティで敵が3体出現した場合、1ターンに計7回(味方の攻撃xパーティ人数+敵の攻撃x敵人数、)のミニゲームが発生する。敵の全体攻撃時は仲間全員一人ひとりにミニゲームが発生する。これにより1ターンに10回ミニゲームになることも多々発生する。これらの過剰なミニゲームにより戦闘時間が間延びし、ゲーム進行のテンポが著しく悪くなっている。
 また、ミニゲームの説明がないものや表示が間違っているものがある。特に逃走時のミニゲームで表示ボタンが間違っているのは致命的で、逃走を検討する=危機的状態に陥っていることがほとんどだと思うが、このボタン間違えに気づくまでは何度も回り込まれ更に危機的状況に追い込まれることになる。

 ○戦闘バランス
 一部例外(後述)があるが、ゲーム全編を通してミニゲームでフルコンボをつなげることを前提に戦闘バランスが調整されている。また、全部のミニゲームをミスすると攻撃時であれば失敗、防御時では大ダメージを喰らうなどのペナルティが発生する。よって、戦闘の難易度(=ゲームの難易度)はプレイヤースキルに大きく左右される。とは言っても、後述するアシストモードによる緩和措置や壊れスキルもあるのでさほど苦労することはないと思われる。

 ○スキル:LPスロー
 アレックスがLV8(選評者は下水道で取得)で覚える。ミニゲームはシューティングで、モンスターが多いほどシューティングの的も増える。おおよそ1-35ヒットくらいする。序盤にLPスローを覚えた直後(Lv8)だと、アレックスの通常コンボ8連のダメージと同程度の全ダメージ量の全体攻撃である。これがLv30くらいになると、通常コンボ8連の10倍相当のダメージを全体に与えるようになる。STR62だと、消費PP7のEPストライクで単体に90ダメージに対し、消費5のLPスローがミニゲーム1回成功だけでも全体に240ダメージを与える。これは、LPスローがミニゲームでの成功数が1回でも35回でも10%ほどしかダメージが変わらないためである。
 更にLv37で通常攻撃8連の15倍の250ダメージ、Lv43で通常攻撃8連の50倍の1200ダメージほどになる。ここまでくると、他の攻撃をする意味がなくなっている。最終的にはラスボスも一撃でゲージがなくなる。(後述するが実際は少し残る)
 なお、このLPスローは後述するタイムエネルギーを使ったスローモードと相性が悪いという特徴があるのでその点だけは注意してほしい。

 ○その他スレで話題に上がったスキル等
 マイケルは「ヘイトショット」というスキルを初期状態から習得している。前述した画面上の意味不明な数字が低い数字を示すためカススキルのように思えるが、ウインドウを確認すると、多少マシなダメージを与えていることがわかる。一例だが、画面上の演出は[1,1,1,1]でも12ダメージ与えていた。逆にヴェラの通常攻撃は、表記が[1,4,8,12]で4ダメージのこともあった。画面上の数字はダメージではなくヒット数ではないかと思われる。混同しないように。

 ○タイムエネルギーによるスローモーション
 L2ボタンを押しっぱなしにしている間、戦闘画面右上に表示されているタイムエネルギーを消費し、ミニゲームの目押しがスローモーションになる。このとき通常だと3回ボタンを連打できる間隔に対し11回連打ができることから約1/4倍くらいに遅くなっていると推測される。このタイムエネルギーを使えばミニゲームのタイミングが取りやすくなり、難易度が劇的に下がる。タイムエネルギーはターン経過や敵からダメージを受けるなどしたときに少しずつ溜まる。
 なお、メニューのコンフィグからアシストモードの変更ができる。これをONにするとバトル中にタイムエネルギーのゲージの残量に関わらず無制限に使用することができる。アレックスの通常攻撃および、クラウディオの「武士の心得」の威力があり得ないほど上昇し、完全にゲームバランスが壊れる。
 注意事項としては、戦闘をスローにする仕様なので決して戦闘時間が短縮されるわけではない。この方法ではテンポの悪さは健在である。

 ○まとめ
 楽をしたければ、序盤はLPスローの全体攻撃とアレックスの単体攻撃(+スロー)とを使い分ける。中盤はクラウディオの武士の心得(+スロー)も併用する。終盤は開幕LPスローのみでよい。何かの間違えで仲間にターンが渡ったときには防御させるのがベストだろう。どうせ次のターンにアレックスがLPスローで決めてくれる。
 エンティティにはアレックスの攻撃はLPスローも含め一切効かないので、ヴェラのバニッシュやエッセンシア2000の通常攻撃で対抗することになる。工場跡のエンティティはエッセンシア2000の攻撃しかダメージを与えられないので注意。

 以上から、パーティキャラを決める際にミニゲームの難易度が重視され、必然的に使うキャラが固定化される傾向にある。公式チートで進めるならアレックスだけで良いため他は肉壁と化す。


 ■敵キャラクタ
 特徴的なモンスターだけ書いておく。

 ○雑魚敵
 「ミミック」
 HPが異常に高い。中盤ではLPスローでも簡単には倒せない。タイムエネルギーによるスローモーションを駆使しても苦戦する。ミミックの場合、宝箱に「ダリ」をぶつけても開かないので判別できる。なお、普通の宝箱でいくら「ダリ」をぶつけても開かないものも存在するので注意が必要。

 ○「シープマン」
 早い上に全体攻撃を行うため、戦闘開始直後に防御のミニゲームを8回することになる。絶許。

 ○中ボス
 「黄金のアルパカ」
 雑魚を吸収してどんどん狂気じみた姿へと変貌する。少し面白かった。エンティティを食べることができるこいつが何者なのかは最後まで語られなかった。

 ○ラスボス(Aルート)
 ラスボスは負けイベントである。5章の成長イベントはなんのためにあったのかと疑問に思う。戦闘バランスが崩壊したタイプの負けイベントではないので、アレックス達を成長させればさせるほど戦闘が長引く。体力ゲージは残り少しで減らなくなるのだが、Lv53のアレックスによるLPスロー1ヒットでその状態になってしまうので最大HPはいくつなのかは未知数である。

 ○ラスボス(Bルート)
 Bルートにラスボスどころか戦闘が存在しない。強いて言うなら扉が強敵。「ダリ」をぶつけることに気づくのに30分かかった。ちなみにその扉の隣にある扉は!マークが出るただのダミーなので注意。「ダリ」をぶつける扉には「!」吹き出しはない。



■謎解き
 序盤は簡単すぎるが、ヴェラのマインドダンジョンあたりからは良い難易度。
 はしごや人間などを運ぶ△ボタンの説明、ろうそくを炎を押しっぱなしで消せることなど操作面で気づけないことが多々あったのが難点。檻の中にワープで戻されるところはスケボーで突っ切ったんだけど、あれは正解だったのだろうか。


■システム関連
 ○キャラクターの成長
 経験値を溜めてのレベルアップ方式。レベルアップ時に主人公アレックスについては、どのパラメータにどれだけ割り振るのかを任意で決められるカスタム成長要素がある。
 ただし、この割り振りは「マインドダンジョン」と呼ばれる脳内のダンジョンでしか行うことができず、1レベル上げるごとに階段を降りたり会話したりしないといけない。
 エンティティが扉に取り付いていることがある。扉を開けようとするとヴェラのバニッシュ同様のミニゲームが始まる。エンティティに負けると、その扉で設定したステータス上昇は恒久的に得られなくなる。勝つと通常より上昇値が高くなる。
 メニューで割り振れるように出来なかったのだろうか。
 

 ○ペルソナ進行
 5章は進行が1-4章とは異なる。
 「マインドダンジョンでトレーニング」は一切トレーニングできない。実際は「友達と遊ぶ」が固定でLvが1上がるトレーニングである。このペルソナ進行では、マインドダンジョンはセーブポイントから入れないので注意が必要。なお、クエストをクリアすると強制的に翌日になるので注意。マインドダンジョンのセーブしたデータを読み込んだ場合も翌日になる。
 流石にこれはポストモダンではないだろとツッコミを入れたい。


■グラフィック
 移動時は3Dだが、PS3レベル。カクツキが多少気になる。ヴェラがずっと怒り顔である。キスした直後の立ち絵では赤ら顔なのに、3Dは怒り顔である。
 立ち絵は良い。ヴェラとのキスシーンの立ち絵は別にある。ローリーのキスはなかった。
 ステータス画面の顔グラは酷い。特にショーンドラ。どっかの黒人レスラーのようになっている。


■BGM
 良い。ミニゲーム時にBGMと連動していたらなお良かっただろう。


■バグ
 ※すべて確認済み

 ○開始時のバグ
 現行のバージョンでセーブデータなしの状態でゲームを新規開始すると、すべてのアイテムがnoneと表示され進行不能になるバグが存在する。この状態ではメニューにステータスやキャラ画像が表示されない、メニューから装備画面を開いたり街から出ようとするとPS4がフリーズするなど様々な現象が起きる。セーブを行いソフトを再起動することで正常な状態に復帰することを確認した。

 ○コンフィグからタイトルに戻り、連続してタイトルからロードすると、たまに決定とキャンセルが入れ替わることがある。特にアレックスの家の1Fで顕著に起こる。画面移動すると直るためこのまま戦闘に入ったことはない。

 ○ヴェラのスキル「癒やしの歌」中にタイムエネルギーを使用するとフリーズすることがある。ダンジョンの奥深く、連続ミミック戦でこのバグが発覚したので泣きたくなった。

 ○アレックスの家でセーブをした後、一度フリーズするとロード後も外に出ることができないことがある。再度セーブしてから再起動すると再び扉が開くようになることがあった。ただの再起動では直らない。

 ○エッセンシアのマインドダンジョンのウェンディに右から話しかけキャンセルすると、壁の上にたどり着けてしまう。


■その他
 ○ゲームの進行状況の確認
 目的地がわからなくなったときは、メニュー画面のヒントに次の目的地が書かれている。そのため迷うことは少ない。

 ○シナリオ分岐など
 エンディングは二種類用意されている。三種類目が示唆されていたがそれはゲーム外なので、KOTYで審議するべきことではないだろう。

 ○レスポンス
 ボタンのレスポンスが悪いことがある。特にマインドダンジョンの扉の開閉。一度キャンセルをすると、その場では○ボタンを受け付けないことが多かった。おそらく一度○ボタンを押した場所で連続して○ボタントリガーのイベントが発生しないように処理されている。

 ○ゆれる画面
 人物に話しかけたときにアップになるのだが、たまにそのまま画面がゆらゆらと揺れ続ける。

 ○日本語訳
 良い。

 ○決定ボタンの仕様
 セーブおよびロードをするときだけ、上書きの確認のみ決定ボタンが「☓」になる。
 
 ○自宅前の墓にエアリス
 ヴェラのマインドダンジョンに潜ることができるタイミングで自宅前の墓にエアリスが現れる。墓標にはⅦの文字。製作者いわく「アレックスの悔恨の象徴」らしい。おそらく無許可。

 ○はしごの持ち運びは△ボタン
 ヴェラのマインドダンジョン攻略に必要なのだが、なんの説明もない。厳密には最初のダンジョンで説明を受けるのだが、それ以降使わないので仕様を忘れやすい下地が作られている。同様の事例として生贄や扉も△ボタンで持ち運ぶ。

 ○Item整頓
 △ボタン。ただし武器の順番がめちゃくちゃ。

 ○高速化
 フィールド移動中に□ボタンを押しっぱなしで高速移動。
 Item選択中に□ボタンを押しっぱなしで高速移動。
 戦闘中にR2ボタンを押しっぱなしで高速化。

 ○スケートボードによる移動
 上述した□ボタンより高速移動が可能だが、坂に弱く僅かな上り坂でも頻繁に停止する。

 ○一部英語のまま
 医薬品だけ説明文が英語のまま、風車の原っぱも英語のまま。フォントも異なるので処理ミスと思われる。

 ○クリア後
 経験値を引き継いでの強くてニューゲームができる。しかし、二週目をやる人間はよっぽどの物好きだと思う。

 ○Tips
 ロード時間には画面端にTipsが表示される。
 「しっているかい?ほとんどの絵の具は有毒なんだよ」


■所感
 良さと悪さが混在するタイプのクソゲー。せめて戦闘に特化するのか、シナリオに特化するのかどちらかを選ぶべきだったと思う。このどちらから一方が好きだったとしても、もう片方が確実に足を引っ張っているため、どちらかが琴線に触れてもトータルはクソゲーという結論になる。
 全体的に雑で詰め込みすぎ。ミニゲーム+アストラル投射+多元宇宙論+5章だけペルソナ風システム。そして詰め込みすぎたせいかどれも雑に終わっている。個々の説明不足や調整不足を他で補おうと手を伸ばしているかのように感じた。



■おまけ
 ろくな日本語の攻略サイトがないため

○POGの場所
 フランクトン:アレックスの家1Fの本棚
 フランクトン:ヘアーウィップで切る茂み
 廃工場:コンテナ
 ウインドタウン:コンビニの後ろの見えないゴミ箱
 ショッピングモール:左奥のゴミ箱
 山の電波塔:宝箱
 フラッグスタウン:右端
 マウンテンタウン:落下するエリアの先の宝箱
 エッセンシア2000のマインドダンジョンボスのドロップ
○POG(レア)の場所
 フランクとん質屋(4章から)

■選評rev.1.01(20190603)
 誤字修正および微修正。Item整頓に明らかな間違えがあったので修正。
■選評rev.1.02(20190701)
 トロフィー取得バグに明らかな間違えがあったので削除。

選評1

注:この選評は古いバージョンに基いています。大賞選定等の資料としては選評2を優先してください。(2019年7月7日時点の暫定措置)

●はじめに
ラスボスやエンディング等の重大なネタバレ情報を多く含む。
2/18時点の情報を元に執筆されており、それ以降のバージョンアップや新情報等は考慮されていない。
筆者のプレイ環境はPS4なので、特に断りの無い場合はPS4でプレイした時のものとする。
エンディングは複数あるが筆者は1種類しか見ていない。
本著は以上を前提とする。

●基本情報
YIIK: A Postmodern RPG
開発はシンガポールのAckk Studioであり、販売形態はDL販売専用となっている。
プラットフォームはPS4、Switch、steamであり、発売日は1/31(steam版は1/17だが日本語対応は1/31なので実質同日)である。
値段は各機種ともに税込み1980円となっておりお手軽なロープライスゲームである。

●ゲーム概要
本作品は3Dで作られており、見下ろし型の視点でキャラを操作する街とダンジョンとフィールドから成り立つごく一般的な、それも90年代の古き良き時代を思わせるRPG+ADVである。

・戦闘
戦闘はコマンド戦闘方式に特殊な操作を組み合わせたものである。詳しくは後述する。
各キャラにはHPとPPが割り振られており、HPが無くなると戦闘不能になる。PPはスキルの仕様に消費する。
特殊なキャラとしてHPやPPを使用しないキャラもいるが、代わりにENと言う両方が合わさったものが割り振られている。
エンカウントはフィールドがランダム、それ以外はシンボルエンカウントとなっており、シンボルエンカウントに関しては一度倒すと復活しない仕様となっている。

ダンジョンには様々な仕掛けがあり、それらを主人公の持つ特殊なアイテム等で仕掛けを解き踏破する謎解き要素の強い物となっている。

・ストーリー
大学を卒業した主人公アレックスが地元に帰り、ふと気になった変な猫を追いかけたらサミーと名乗る女性に出会う。
初対面のサミーに何故か妙な親しみを感じていた。しかしサミーは超自然的な何かに連れ去られてしまい行方不明となったサミーを探す事になる。
探索するうちに様々な仲間との出合いがあり、その一方で宇宙の深淵を知ってしまい、やがて来る世界の崩壊と対峙することになる。

本作はマルチエンディングで2つ目のエンディングが確認されている。公式で3つ目のエンディングが示唆されているが2/18現在発見者は0である。

●戦闘の問題点
序盤はストレスが貯まるQTEを長時間何度もこなす耐久マラソンであり後半は強スキルの連打ゲーと化す。

・戦闘システム
戦闘はただのコマンド戦闘ではなくコマンド1つ1つにQTEがあり、キャラによってはミニゲームが挟まる。それらに失敗すると強制的にミス扱いとなるので毎回のプレイが必須である。
ちなみにQTEは設定で難易度を下げられる。下げれば劇的に成功しやすくなるものもあるが、焼け石に水の物もある。
仲間キャラは主人公を含め大雑把に7人いるが7人とも全く違うものになる。
例えば主人公がたたかうを選ぶと、画面に回転するレコードが出てきてヒットゾーンでボタンを押せば成功となる。(要はシャドウハーツ)
レコードが1周する迄に2回まではミスが許されるので適当に連打してもある程度攻撃が出来るのだが、うまくやれば2周3周と回転し何度も攻撃が出来る。
あまりに適当ではミスするが、うまくやってもそこまで強くない。

他の仲間のこうげきはレバーを倒してタイミングよく離すものであったり、ボタンを長押ししてタイミングよく離すモノであったり様々である。
これらもうまくやれば攻撃力が上がったりこうげきが全体化したりと恩恵があり、やはり適当では弱くキャラによっては主戦力になり得る場合もある。

最も難易度が高いのはマイケルという仲間のこうげきであり、タイミング良くボタンを押すと言うものだが判定が異常にシビア且つ一回でもミスると即終了となる。
しかも全員に言えることだがこうげきに失敗するとミス扱いになるので、何ターンも延々とミスを出し続けることになる。
そしてマイケルを必ず使用しなければならない序盤は敵が固くこちらの火力も低いので、戦闘が異常に時間がかかりマイケルに殺意が向くことになるであろう。
対して序盤から仲間になるヴェラのこうげきQTEは非常に簡単なのでQTEの難易度のお陰で主戦力になる。

戦闘にはたたかう以外にぼうぎょ、スキル、逃げる、アイテムがある。
スキルも各キャラどころか各スキル毎に操作が違いやはり失敗するとミス扱いになる。
例えば仲間のヴェラは3つのスキルを覚えるが1つはしょぼいゼルダのような戦闘が挟まり、1つは何故かエアホッケーが始まる。
もう1つが操作方法も覚束ない状態で始まるマリオUSAなのだが、初見でマリオUSAと見抜きアイテムを引っこ抜くと言う発想に至れるプレイヤーは余程のゲーム強者であろう。
筆者は制限時間も相まって3回目の使用でようやくルールを把握し初めて当てたのが5回目の使用だった。
ちなみにヴェラはマリオUSAを使用するのに必要なPPが15に対し最大PPがクリア時に50弱程度であった。
成功するかどうかも微妙なスキルに最大PPの1/3を使うのはどうかと思うが、他のスキルは対象限定だったり、はたまた敵味方関係なく全員に攻撃する(しかも味方にとってはそれなりに痛く敵に対しては誤差ダメージの)スキルなので遠慮なくマリオUSAを使えるのは長所であろう。
なお成功しても誤差程度でしかないダメージなのは目を瞑る事とする。
他にもボタンを触らなければ成功したが未だに成功条件がよくわからないスキル(実プレイ時にはボタンを触ると敵に攻撃防御のバフがついた)や、主人公の攻撃QTEの難易度を上げただけのスキル等様々なミニゲームが用意されており、退屈になりがちな戦闘を筆者の怒号や罵声で彩ってくれていた。
ものによってはミニゲームの無いスキルも一部あり、選ぶだけで即座に発動してくれる。

逃げるのにもちょっとしたミニゲームが挟まる。
ちなみにイベント戦闘で逃げ切れない場合でもミニゲームが始まり、頑張って逃げるミニゲームをこなしても出口で強制的に捕まってしまう。
ぼうぎょとアイテムは選べば即座に発動してくれるのでストレスフリーである。

敵が攻撃してくる時にもQTEが挟まりうまく行けばダメージの軽減や完全回避等も行える。
QTEが挟まらない攻撃も一部存在する。

・戦闘バランス
とにかくダメージがデフレしておりQTEをどれだけ頑張っても序盤は1ダメージ、精々2ダメージが出るかどうかである。
敵の体力は体力バーで可視化されており与えたダメージがある程度わかるのは幸いである。
中盤になると2桁ダメージがちらほら出始めるが、基本はQTEがうまく行かないときの4ダメージや、頑張っての12ダメージ程度である。
とあるキャラが20ダメージも与えた時はあまりの強さに筆者は感動してしまった。
終盤になると唯一のENを持つキャラが自身の最大ENの半分を消費し50ダメージを与える程である。
対して敵は異常に固い。最序盤こそ1や2のダメージでワンパンだが、そこを乗り越えると体力が7もある敵が出始め戦闘に時間がかかることとなる。
体力7に対しこちらの攻撃要員は3人である。うち1人はマイケルなので実質2人であり1体敵を倒すのに数ターンかけるか、お金の無い序盤に回復アイテムを贅沢に使うかの2択を迫られる。
それから中盤までは味方の火力は雀の涙程度だと言うのに敵の体力だけはきっちり上がっていくので戦闘にかかる時間はどんどん増えていく。
雑魚戦相手に2〜3分かかるのはザラであり、ボス戦もかなりの時間がかかる。
RPGお馴染みのミミックはどのタイトルでもそこそこ強いがこのゲームでも勿論強く、実プレイ時には一桁〜10そこそこ程度のダメージを駆使し倒すのに10分近くかかった。
ミリ単位でしか減らない体力バーをカスダメで減らす事に喜びを見出すプレイヤー以外にとってはもはや作業でしかない。
しかもQTEが毎回毎回発生するので疲れからミスする事があり、その度にため息を漏らす羽目になるだろう。

終盤になるとどうなるんだろうと心配してるだろうがどうか安心してほしい。
中盤あたりで主人公がLPスローと言う技を覚えるのだがここから戦闘がガラリと変わる。
この技を使うと敵に3桁ダメージを平気で与えラスボスでさえ3回も使えば体力を削りきれるのだ。
問題はQTEの難易度だがこちらも気にする必要はない。
ミニゲームはSTGのような物なのだが○を連打してれば大体成功するので難易度を下げる必要どころか画面を見る必要すらない。
この技の出現により主人公以外はアイテム要員兼肉壁と化し煩わしいRPG要素はLPスローを選びボタンを連打するだけで大抵は終了する。
通じないのはラスボスを含む一部イベントボスだけであり、ラスボス手前の中ボス群はほぼワンパンである。
ちなみにラスボスの攻略方法はわざと全滅すると言うものであり、気が付かずに30分戦ったプレイヤーもいるようだ。
攻略方法はほぼノーヒントであり手探りで探らなければならないのは、倒すだけのゲームに対するアンチテーゼとしてポストモダン的な表現したのかもしれない。
なにはともあれスキルを覚えてLPを投げればいいと言うだけのバランスにならなかったのは僥倖と言えよう。
蛇足だが睡眠を付与するスキルがあり、勿論ラスボスにも通じる事を付け加えておく。

●ストーリー等の問題点
戦闘やシステムで溜まったストレスに追い打ちをかける主人公の身勝手さが光る。

・ストーリー
詳しく説明すると長くなるので、詳細を知りたいなら是非ともプレイしてもらいたい。
時代は1999年でありY2K問題直前の話である。
序盤は化け物みたいなのや違う世界からの訪問者や幽霊等かなと思える存在が現れる。
しかし中盤に差し掛かるとパラレルワールドがどうのソウルメイトがどうの魂は同じだのとオカルトのようなSFのような何かになっていく。
最終的に主人公の魂はどの世界でも世界を滅ぼすのでこの世界も滅ぶことになるらしく、破壊に立ち向かう事にする。
話の大筋自体はわからないでもないが最近は凄惨な事件が多い事をY2Kだからなと皆が納得するのは首を傾げざるを得ない。
最後は大晦日に世界を滅ぼすものが現れるのだが、これの存在はともかく何故Y2Kと絡めて話に関わるのかもよくわからない。
話の本筋自体は強引だが納得できなくも無い。しかし出来の悪いSFでしかなく面白いと褒められるかと言うと疑問符が浮かぶものである。
筆者の見たEDはバッドエンドと言うかビターエンドと言うか、ハッピーでは無いが当然だろうなとは思えた。

矛盾点はパッと見無いが投げっぱなしの伏線がかなり多く回収はされていない。
伏線だけではなく思わせぶりな部分も目立つが、大半は思わせぶりなだけで話は広がらず今ひとつ消化不良である。
主人公の家にはほぼ母親しか出てこないのに本当は6人家族で他の家族にはほぼ触れられなくて家族構成が父親と母親と主人公以外は不明だったり、
とあるキャラクターの妹の痕跡で起きる不運な出来事が起きた理由だったり、
何故か海の向こうにRPGお馴染みの塔があるのにそこには行けなかったり、
その塔はただのオブジェクトかと思いきや作者が思わせぶりな事を言うだけでやっぱりいけなかったり、
ついに誰か到達したと思ったらバグを駆使しての到達だったりと消化不良感が非常に強い。

・キャラクター
主人公のアレックスがとにかく嫌なヤツと言う程の物ではないがクズに近い無職でストレスが溜まりがちである。
ローリーというキャラが消えた妹を探すのに手を貸して欲しいと主人公達に頼む。
アレックス達はそれらがサミーに繋がるかもしれないと協力する。
かなりの危険に合うが妹はとっくに死んでいた事が判明する。
安全な所まで逃げ出したがそこで意気消沈のローリーに対しアレックスが俺達は死にかけたんだぞと罵倒を浴びせるシーン等はかなりのクソ展開ではないだろうか。
確かに気持ちはわからんでもないがそこまで言う事なくない? と他の仲間に窘められる始末である。
そんな主人公が村上春樹よろしく謎の独白やモノローグを繰り返すのだが正直不快である。
ストーリー上読み飛ばしても大体わかるので連打で飛ばせるのは評価点と言えよう。
他には母親が失職した際に働きたくないでござるみたいな空気を出すが、プレイヤーの主人公に対する好感度は低いので何いってんだこのクズとしかならない。

●UI等システムの問題点
微妙に反応しない場合があったり変な仕様だったり、そもそもフリーズも多く場合によっては進行不能になるバグも存在する。

・色々な問題点
まず起動してはじめからを選択すると○けってい×キャンセル△ランダムとの表記と共に会話が始まる。
しかし名前入力の時には△が何の機能も果たさない軽いジャブでまずつまずくだろう。

アイウエオ カキクケコ
サシスセソ タチツテト
〜〜
パピプペポ
ァィゥェォ ャュョッ
スペース けってい

このような入力画面なのだがオとカの間でスペースが入力出来るに関わらずスペースがあるのは良いとして、スペースからけっていにカーソルを移動しようとすると何故か複数回キー入力しないと移動しない仕様になっている。
何故か伸ばし棒は無いので名前入力の際には注意が必要である。
妙にやりにくい名前入力を7回も終えたら「じゃあ今入力したのは全部忘れて!」の文言と共にゲームが始まる。
ゲームをはじめたら先ずはステータスを見てみたくなるものである。
メニューを開くと何も表示されておらずステータスを見てみようとすると間違いなくフリーズする所で第一ラウンド終了である。
これを回避するためにはゲームを初めて一番最初にゲームをセーブしてロードすればいいのだが、そこに至るまでにまたもや7回の名前入力が待ち構えている。どうか乗り切って欲しい。
ちなみに名前入力の際に主人公の名前を一文字にしてキャンセル直後に決定を入力すると名前欄がTrueと言う表記になる。
この場合どんな弊害があるのかはまだ試してはいない。

他にもゲーム中はしょっちゅうではないが思い出したかのようにフリーズするのでセーブは頻繁に行うべきである。
他には別データをロードするにはゲームを終了させなければならないがゲームを終了する際にもしょっちゅうフリーズするが些細な問題である。
余談だがセーブ画面だけは決定が×なのでたまに間違うのは笑って許せるようになるだろう。

フリーズ以外で再現度が高いバグではとあるダンジョンに顔のついてる壁がある。
その壁に対し向かって右側面から話しかけると壁の上にワープ出来てしまい、しかも鍵のある扉に辿り着けてしまう。
RTAに使えそうに思えるバグだがそこの扉をバグルートで開けてしまうと進行不能となるので注意する必要がある。

例えば大晦日に戦う事になるボスがいるのだが開幕に眠らせて眠らせたまま戦うと何故か進行が停止してしまいリセットを余儀なくされる。
そもそも勝利条件がHPを0にすることではないので眠らせる必要はないのだが、初見でそんな事がわかるはずも無く筆者は何度かやりなおすハメになった。

地味にイラつく要素もある。
例えばアイテムなのだが一列に下まで並んでいて、新規アイテムは一番下に収納される。
新しいアイテムの詳細を知りたいなら下までカーソルを動かせば良いのだが、カーソルの移動が妙に遅く地味なストレスポイントになる。

●評価点
クソゲーなので音楽はとても良くサントラが欲しくなる出来だ。
ザコ相手の戦闘曲ですら毎回違っていて音楽のアレンジによる舞台の表現などもあり手放しで褒められる。

キャラクターも主人公以外は個性的であのマイケルですら最終的には個性の塊になる。
アクも強いが不思議な魅力もあり嫌いにはなれなかった。

グラフィックはチープだが1980円という値段もあり気にはならない。
デザインはMOTHER2に影響を受けたのがそこかしこに見えていてこれもまたアクが強いが個人的には好みである。

●まとめとして
確かにつまらないゲームである。不思議な魅力もありただのクソとして切り捨てるのはどうかと思うが、こうしてクソ要素を並べるとクソはクソと客観的に思える作品だった。