2016年 次点

概要

名称TORO -牛との戦い-https://store.playstation.com/#!/ja-jp/%e3%82%b2%e3%83%bc%e3%83%a0/toro-%e2%80%90%e7%89%9b%e3%81%a8%e3%81%ae%e6%88%a6%e3%81%84%e2%80%90/cid=UP1291-CUSA02944_00-JPPS400000000001 [外部リンク]
ジャンルアクション(闘牛シミュレーション)
対応機種PS4
発売元Recotechnology S.L.
開発元Recotechnology S.L.
発売日2016年11月22日
価格1490円(税込価額)(DL専用)
対象年齢CERO:B(12歳以上対象)

参考動画

TORO THE GAME Official Teaser

選評

選評1

part19 >>224(ID:Lbtb5LGm)氏投稿分を加筆修正
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TORO -牛との戦い-

RECOTECHNOLOGY S.L.開発の闘牛士シミュレーター。
STEAM版が2016年1月に発売されており、本作はそのPS4移植版となる。
配信開始日は2016年11月22日。価格は税込み1,490円。

「一流闘牛士を目指そう!」というキャッチコピーで、
闘牛という珍しい題材をゲームの世界で再現しようとした意欲作。
しかしその意欲とは裏腹に、ゲーム内容は限りなく薄い。



ゲームを始める際にキャラクターエディットが出来る。
髪型、もみあげの量と形状、肌の色、目の色、服の色などを数種類から選べるが
レパートリーは少なく、グラフィック自体もPS2かと見紛うレベルで拙い。
闘牛士のコスチュームも安っぽく、マントは紙のように薄く常に不自然に揺れる。
PS4のゲームとしては15年遅れのグラフィックと言わざるを得ない。



キャラメイクが終わり、いざ闘牛を始めると、今度はひたすら単調な作業が待ち構えている。

両手持ちのマントで牛をかわす第1フェーズ
2本の槍を牛の背中に突き刺す第2フェーズ
片手持ちのマントで牛をかわす第3フェーズ
エストックで牛に止めを刺す第4フェーズ

闘牛は以上の4段階のフェーズに分けられ、本作もその流れに沿ってゲームが進行する。

第1、第3の牛をかわすフェーズは、牛との距離感がわかりにくく、非常に操作性が悪い。
同じタイミングで同じ回避行動を取ったつもりでも回避が安定しなかったり、
逆に明らかに接触したと思っても回避できたりするなど、見た目と判定のちぐはぐさが目に付く。
さらに、回避時にボタンを多く押しすぎると次の回避までその入力が生きている謎仕様があり
ボタンを連打してしまうとその入力を前提に回避操作をしなくてはならなくなる。

回避に失敗して牛と衝突しても、闘牛士が糸の切れた人形のようにぐんにゃり倒れて
時間をロスするだけで、ゲームオーバー等にはならず、牛と戦っている緊迫感は特にない。

回避を連続で成功させるとコンボによって得点が上がっていき、
時間経過で発生するQTEで一気に得点を稼ぐのが基本的な流れになっている。
一定以上の点数を取ればクリアになるが、コンボの点数がかなり高い。
コンボは時間経過で簡単に途切れるため、出来るだけ早く牛に突進してもらわなければならない。

牛は挑発すると振り向くが、その際にカメラがめまぐるしく動く上に、振り向くときにちょうど
闘牛士と牛が重なったりもするために牛の目視が困難で、タイミングが取りにくい。
牛を振り向きざまに突進させる操作と難しい技の両立は難しいので、簡単な回避を強いられる。
クリアのために単調で簡単な操作をひたすら繰り返さざるを得ないのは作業感が強い。

闘牛士をLで移動させることも可能だが
壁際に行くと牛のリターンが早くなり回避が難しくなり
ミスをすると起き攻めをされるようになる
さらにLボタンを使用中は回避行動を取れずコンボがとぎれ位置調整には使えない
使うとすれば回避後時間稼ぎに牛を追いかける小技を使う時ぐらいだ
(回避後牛をLで追いかけると牛が距離を取ろうとして牛の再突撃までの時間が延長される)
更には牛が壁に向かって走り続ける事態も起こりうる(復帰可能)


第2フェーズはQTEを成功させると槍が2本刺さるだけ。

クライマックスの第4フェーズでは、闘牛において一番盛り上がるであろう
牛に止めを刺す場面が画面に映ることはなく、エストックが刺さる直前に画面がスライドする。
よくわからないうちに闘牛が終わり、画面には喝采を浴びる闘牛士とスコアだけが表示される。



ステージを進めるとクリアのノルマが上がるだけで、以上の内容が全ステージで繰り返される。

一応、レベルアップの概念があり、レベルが上がるとステージと技が増えるのだが、
ステージが開放されるレベルは異様に高く設定されており全開放までが非常に遠い
技が増えたところで先述したとおり同じ基本技を繰り返すので恩恵は特にない。
更に牛が闘牛士に引っかかる現象もあり、それは高難易度の技になればなるほど発生しやすくなり
ターンする距離が短くなるので次の回避コマンドまでの猶予時間が間に合わなくなる
上記により要求レベル75まで単純作業の繰り返しと実質的な変化の無さが重なり
ただひたすら同じ事を繰り返す無限ループのごとく地獄となる
しかし、単純作業の中に要素を解放するには
何回か特定の技を使え
何回か失敗するなもあり
上記のリスクを強制的に背負わされるステージも出てくるのでストレスを加速させる結果となっている


ステージ開始時点ではBGMはなく、安っぽい観客の歓声や蹄音のSEが聞こえるだけ。
コンボを重ねても歓声は起きないが、失敗にはリアクションするなど地味にイラつく仕様。
観客の盛り上がりを最高潮にするとBGMが鳴り始めるが、歓声がないので盛り上がりには欠ける。
ステージを進めても同じステージの使いまわしなどが目立ち
無観客で客の歓声のSEすらもなくなっている中華ステージも存在している一方で
同じく無観客の筈が歓声のSEがあるコロッセオステージも存在している


ゲーム本編のほかにミニゲームが収録されている。
収録されているミニゲームは、おっさんを飛ばすものと牛が壁を突き破っていくものの2編。

おっさんを飛ばすものはボタン連打で加速し、角度を決めて飛ばすというオーソドックスなもの。
接地した瞬間にスコアが表示されるので、転げまわるおっさんの姿は見られず爽快感は低い。
なお、高速でおっさんに突っ込むと確実にポリゴンが崩壊して四肢がぐにょぐにょ伸びる。

牛が壁を突き破っていくものは、
ひたすら走る牛が扉に近づくとQTEが発生し、成功すると扉が突き破れるというゲーム。
カメラが牛目線固定で、画面が激しく上下に揺れ、酷い3D酔いを引き起こす代物。
こちらも失敗した瞬間にスコアが表示されるだけで、扉にぶつかった牛のリアクションもない。



このゲームの長所を挙げるなら、闘牛についての解説が非常に充実していることだろう。
闘牛士の衣装、牛の種類、闘牛場などが用語を踏まえて詳細に解説されている。
日本語非対応のため解説は英語かスペイン語だが、中学英語レベルの単語力があれば
理解できる内容で、図解もわかりやすいため、下手な本を買うよりは闘牛の知識が得られる。
闘牛にまったく触れたことのない人でも理解できる出来になっている点は素晴らしい。



それらの長所や低価格のゲームであることを踏まえても内容は限りなく薄く、飽きが早い。
苦痛すら感じる作業を延々と繰り返させられる本作は間違いなくクソゲーと言えるだろう。