2011年 総評案?
このページは、2011年度KOTY総評の案を集めるページです。総評の審議に役立てば幸いです。
書き方テンプレートは編集ページにコメントアウトで掲載します。
昨年は「薄い」「つまらない」をトレンドとし、ラストリベリオンが大賞を獲得した2010KOTY。
今年は日本のみならず全世界激動の1年となったが、クソゲー界にとっても激動の1年・・・となったのかもしれない(色々な意味で)。
今年は3月11日の東日本大震災により、東北のみならず、日本全体が甚大な被害を受けた。
それにより、この直後に発売される予定だったゲームが発売中止になったり、軒並み延期されるなど、ゲーム業界にも影響を与えた。
それが影響したのかどうかは定かではないが、なんと10月まで目立ったクソゲーが登場しないという、KOTY始まって以来の枯渇状態となった。
(なお、実はこの段階でクソゲーは影を潜め存在していたのだが、それについては後ほど紹介するとしよう)
上半期はクソゲーではないのか?と数本のゲームが持ち込まれ、どれも門前払いになるなど荒れ荒れしいスレの流れだったが、
下半期になるとそれすらもなくなり、時間と雑談のみが進むスレと化していた。
「もはや今年はクソゲーは現れないのではないのか」
そんな思いがスレ住人の頭をよぎり出した。
しかしその思いは、9月29日に発売されたこのゲームにより、杞憂に終わるのであった。
サイバーフロントにより発売された、Xbox360「code_18」である。
このゲームは、ADV屈指の神ゲーと名高い「Ever17」などの系譜を汲む「infinityシリーズ」の作品として発売されたものである。
しかし、このゲームにそれまでのシリーズスタッフは殆ど関わっておらず、ファンは不安視していた。
その予想はことごとく的中し、シリーズであることをファンに拒否されるレベルの作品にまで成り下がっていたのである。
ADVでクソゲーなんて普通はできないはずだ、簡単なシステムとある程度のストーリーができてればクソゲーになりえないじゃないか
と思う人もいるだろう。(四八のことは今は忘れてほしい)
しかし、このゲームはADVの肝であり命であるストーリーが、多数のバグと重なり見事に最低辺以下の仕上がりになっていたのである。
まずは定番の誤字脱字。ボイスと文章の不整合まで完備している。
電車の音がヒロインの回想まで鳴り響くことも。
そして酷いのが、表示されている画像と文章に食い違いが非常に多数見られることである。
夜の話で背景が昼、天候が回復したといっているのに背景は雨、目が醒めたのにCGは寝顔のまま、
食事前でも風呂前でも寝る前でもハンドバッグを手に下げるヒロイン、
学園祭のコスプレ喫茶で制服を着ているヒロイン、
キスシーンで眼鏡っ娘のを眼鏡を外してキス――CGで外れていない眼鏡、
極めつけはスカイタワーで「恋人みたいだな」と口にする(しているはずの)主人公の背景に淺草寺。
淺草寺と書いてスカイタワーと読むなど、この地球では聞いたことがない。
更にこのゲーム、仕様も酷く、ヒロイン分岐は一切なしで周回数によりヒロインが完全固定である。
選択肢は2種類のED、突然終了するBADかGOODかの2種類のみである。
なお、ルートマップなどもないため、進めたデータを上書きすれば特定のヒロインのみのやり直しなども当然不可能である。
ちなみに同日発売のPSP版にあるクイックロード・セーブがないのは謎極まりない。
最後にシナリオそのものだが、矛盾や問題点は非常に多く、ここでは少し割愛するが、
「飛行ユニットの研究が完成した。よし、次はタイムマシンだ!」と突然冒頭で喋る主人公や、
4周目までのヒロインルートは最終シナリオにほとんど関係しないなど、意味不明感満載である。
また、タイトルにある「code」とは、未来から送られてくるメッセージを意味しているのだが、
タイトル通り18個あるのに、4周目までに送られてくるcodeは2。
5周目に7〜15まで怒涛の9連打が送られてきたり、結局codeが何なのかもいまいちわからないままで終了してしまう。
ここまで書けば、いかにこのADVが破綻しているかがわかっていたタケルだろうか。
このcode_18に気を発した今年のKOTY。
ここから年末にかけて、code_18の9連打ほどではないが、怒涛のクソゲーラッシュが始まるのであった。
11月23日。
同じ日に発売された2本のゲームソフトがある。
まず紹介するのはD3パブリッシャー制作、PS3/Xbox360「街ingメーカー4」である。
街ingメーカーシリーズは、「街づくり」を楽しむゲームで、
プレイヤーは都市開発のプロデューサーとなり、街を発展させ、住民とのイベントやら都市開発を楽しむ、
と言った特徴があり、シリーズ4作目、初の次世代機である。
しかし、次世代機で発売された街ingメーカーは、グラフィック以外旧世代以下に成り下がった作品となっていた。
まずアドベンチャー要素がほぼ完全に廃止された。
住民とのコミュニケーションも廃止され、建物から不満が出ることくらいしかイベント要素がない。
このゲームは1日(ゲームない時間)1万程度もらえるポイントを駆使し、建物を建てて住民を増やすことが目的だが、
建物を建てたら街を眺めるくらいしかやることがなくなり、ほとんどは時間経過の待ち時間に費やされる。
BGMもその待ち時間の退屈さを体現するかのように退屈な2種類しかない。
だいたい現実の10分ほどで1日が経過するのだが、要は建物を建てて10分待つの繰り返しだ。
建物の建設中は時間が停止するという余計なお世話まで完備されている。
時間早送りやスキップはそこだけ現実準拠なのだろうか、未搭載。
クリアまでは6時間ほど。
うち待ち時間が8割とプレイヤーからは言われている。
つまり、「待ingメーカー」である。
一応、クリア後のおまけとして、先ほどの待ち時間やポイントや住民の不満一切なしで建物を建てれるフリーモードが存在する。
ここまで書けばわかるかもしれないが、先述の3個が消滅した、ということはゲーム性が消滅したとほぼ同義である。
要は建物を建てるだけなので、相当な建物フェチでなければ一瞬で飽きる。
このような薄さで7140円。
6時間と7140円を無駄にしたくない人は、買わないほうが賢明だろう。
無駄にしたい人も、虚無感と後悔しかそこに残らないのでお勧めはしない。
続いて同日発売、アクワイア制作のPS3「グラディエーターバーサス」である。
電撃プレイステーションのバイヤーズガイドで、四八以来の最低評価がついたり(これは発売後の話だが)
低得点に絶対の信頼が置けるファミ通レビューが6665だったり、この段階でクソゲー臭を匂わせるが、
実際の中身はクソゲー臭に課金というエッセンスを加えた、シュールストレミングびっくりの腐敗臭立ち込める作品に仕上がっていた。
オンラインが即日過疎になったことからもクソゲーっぷりが伺える。
このゲーム、基本は3対3の戦闘で、自キャラ以外はAI操作である。
しかしAIの頭の悪さは初搭載(と言われる)DQ4主下回るようなもので、
魔法をプレイヤーに向かって誤射してくるのが当たり前で、
コンボ中に割り込んだり、プレイヤーがサシで戦ってるところ口笛を吹いていないのに他の敵を連れてきて1対1が1対3になったり。
ついでにNPCはカスタム要素がなく、魔法の誤射は避けることができない事態である。
ちなみに12月22日にアップデートが実施されたが、
これにより魔法の威力が大幅強化し、NPCがプレイヤーデストロイ機になったことも追記しておく。
なおアクション自体は無双に爽快感を一切消したようなゴリ押しゲーであり、連打ゲーである。
このゲームの酷いところはこれともう一つ、課金要素がある。
基本DLCはゲームの拡張に使われ、追加シナリオやキャラクター、アイテムなどに使われるが、
このゲームのDLCは一味違った。
まずスキル、ステータスの再設定に200円必要。
60個しか無いアイテム枠の拡張にもお金、2枠しかないキャラクタースロットの拡張にもお金。
ちなみにキャラ枠は2つで選択できる種族は3種。この時点で詰みである。
そして武器に必要な宝石。
本編内では大量のお金と非常に面倒な手間を踏む必要があるのだが、DLCでは更にひどく、
どこぞのMMOのガチャかと言わんばかりに宝石の種類(4種)とランク(8種)は完全ランダム。
「ライバルに差をつけろ」と公式のDLC宝石紹介欄にあるが、これはリアル財力で差をつけろということだろうか。
そもそもリアルにライバルが出来るほどオンラインに人はいないのだが。
同日発売のゲーム2本が登場し、加速するKOTY。
ここからスピードは更に増していくこととなる。
まずは2週後、12月8日に発売されたバンダイナムコゲームス制作、PS3/Xbox360「ドラゴンボール アルティメットブラスト」である。
こちらはドラゴンボールの格闘アクションシリーズ、レイジングブラストの正統進化として触れ込みがあった作品だ。
前作の評価はなかなか高く、DBファンも期待を寄せていた作品だ。
事実グラフィックやムービーの演出自体は評価が高い。
しかし、アクション性はこれでもかというほど劣化し、幼児向けどころか幼児にもつまらないと言わしめるほどのゲーム性に成り下がっていた。
まず、このゲームにはQTE(クイックタイムイベント)というコマンド入力付きのムービーがある。
これが攻撃や必殺技のみならず、移動でも発生し、テンポが非常に悪くなっている。
このQTEのコマンド自体は基本じゃんけんであり、攻略もへったくれもない単純明快運勝負である。
これが何かするたびに発生するため、非常にダレる。
全キャラ演出が共通である点もダルさを加速させている。
キャラ数も削減されており人選も非常に微妙なため(グルド、トランクス(格闘)、悟天、トランクス(幼年期)、悟飯(青年期)、ダーブラ、魔人ブウ(ゴテンクス吸収)などがいない)、
フリーザに元気玉を当てた後、原作ではピッコロが撃たれるなどの過程があるのだが、カットされクリリンがいきなり爆発したり。
また、会話スキップも1セリフごとにスタート押して○、という仕様のため、冗長なストーリーが更に冗長になり、苦行極まりない。
とにかく、連打とジャンケンで構成された新時代アクションゲームは、低俗すぎて誰にも得しない残念なものとなった。
そしてこれの熱にあてられたか、1月2月に発売されたゲームの選評が年末に一気に2本届くこととなる。
1月27日発売、アクワイア制作、PS3(Network配信専用)「Wizardry 囚われし亡霊の街」である。
Wizardryシリーズといえば、高難易度と深いゲーム性で人気を博した1981年から続くシリーズである。
最近は下火になっており、このゲームはシリーズ復活を掲げた「Wizardry Renaissance」というプロジェクトの最新作である。
しかし、このゲームは復活どころか、シリーズファンをも失意のどん底にたたき落とす最低な作品に仕上がっていたのである。
まずセーブバグ。
不定期発生で対処法がない上に、一度発現すればそのプレイ中はセーブ不能、再起動するしか泣い。
あっさり死ぬこのゲームにとってセーブは非常に重要であり、まずこの先制パンチでプレイヤーは絶望した。
そして本作のクソさが現れるのは、クライマックスシナリオ3なのだが、ここは仕様と云う名のクソが一気に襲いかかってくる。
プレイヤーはLvが上がっても後半はHPくらいしか上がるものがないのに対して、敵はきっちり全能力を上昇させてくる。
また敵が素早くほぼ確実に先制されるため。敵に出会えば先制壊滅はほぼ確定の状況である。
先述の通り、LVをあげてもHPしか伸びないので、死亡が瀕死になる程度で焼け石に水である。
一応お金を積むことでLVをあげられるので、LVを限界まで上げ戦えるようにすることは不可能ではないが、
数十億単位のお金が必要であり、普通にお金稼ぎをしたら有に500時間を超えることは言うまでもない。
なお、エンカウント回避アイテムがあり、これを使えばラスボスまで行くことは可能で、ラスボスは弱いのでEDを見ることも容易いが、
これも特定の敵がドロップなのでまずそもそも倒せない。
DLCという解決策があるものの、虚無感という喜びを得られることは間違いないだろう。
そして2月24日発売、PIACCI制作、Xbox360「Piaキャロットへようこそ!!4〜夏の恋活〜」である。
こちらはエロゲーの移植である。
エロゲーとして発売当初の評価は「エロしか取り柄がない」という評価。
そしてコンシューマー化され、エロを取り除いた本作品。
結果がどうなるかは、ここまで読んだ者は皆わかるはずだ。
シナリオには「事件」が一切無く、日常の中で突然ヒロインとの中が発展する。
ハーレムアニメでもないような日常の中に紛れ込む恋愛はもはや閉口するばかり。
当然のことながらエロは無理なので、エロシーンは突然暗転スキップ。どこぞの戦極姫を彷彿とさせる。
その後にヒロインが孕んでいる、なども当然完備である。果たして暗転中に何があったのだろうか。
なお、このゲームのバッドエンド条件は主人公の能力値なので、いくらヒロインとHしてようが
「何も思い出を残す事はできなかった。この店で過ごした一ヶ月間は何だったんだ。」と発言をする。
なお、SLGみたいなものができるパートもあるのだが、敵が一切出てこないドラクエのごとく、何もすることがない。
要は不要である。
また、謎の処理落ち、フリーズが不定期に発生する。
この発生は完全ランダムであり、タイトル画面でもロード中でも容赦なく発生する。
このように、ラストリベリオンを恋愛SLG化したかのごとく「ゲー無」と化した作品は、誰の目にも触れられることのなく消えていったのである。
シリーズファンもPCの時点で激怒していた作品なので、当然といえば当然だが。
さて、ここまで発表した所で、今年のクソゲーオブザイヤー、大賞を発表しよう。
「code_18」である。
理由としては、ADVとして致命的な、シナリオの破綻があげられる。
淺草寺と書いてスカイタワーと読むADVが今まであっただろうか。
ここまで不自然なストーリーとバグ(仕様かもしれない)を作ったスタッフには尊敬の念(当然皮肉)を感じ得ない。
そもそも戸籍もない主人公が学校に行ってる時点で不自然だというのに。
メガネを外して外してない状態でキスをする、といった意味不明要素も完備したり、
「制服自体がコスプレだ!」と言わんばかりに制服姿で(手抜き)コスプレ喫茶の接客をするなど、
恋愛ADVとしてあるまじきCGの食い違いや破綻をきたしてる点は非常に大きい。
ちなみにこのゲームのプロデューサー、雑誌インタビューにて「code_18はInfinityシリーズの入門編のようなものです」と発言しており、
この文からも開発陣が入門編(ゲーム制作としての)として作ってたということが予想・・・できるのかもしれない。
なお、発売日には自身のツイッターを非公開にするなど、対策も万全であった。
2011年。
激動の1年となったこの1年は、KOTYにとっても、3ヶ月で6本、12月に至っては4本の選評が届くといった大激震の1年となった。
今年の9月28日まで「今年のKOTYは大賞なしだな」といってた時が今は懐かしく思える。
振り返ってみれば、昨年よりも多い6本。
どれも「劣化」と「薄さ」が目立つ6本であった。
これからのクソゲートレンド、どのようになっていくのだろうか。
最後に、code_18の冒頭、主人公が放つ一言をお借りして、今年のKOTYを締めくくろうと思う。
「C18がクソゲーオブザイヤーの大賞を獲得した。よし、次は四-十八だ!」