概要

名称仮面ライダー サモンライド!
ジャンルフィギュア召喚アクション
対応機種PS3 / Wii U
発売元バンダイナムコゲームス
開発元エイティング
発売日2014年12月4日
価格8550円(税別)
対象年齢CERO:B(12歳以上対象)

参考動画

PV

選評

選評案その1

仮面ライダーサモンライド

君のフィギュアでライダーを召喚(サモンライド)というキャッチフレーズで
バンダイから発売された今作であるが、実態は仮面ライダーという子供向けの
題材にして、子供に厳しいゲームとなってしまった

まず、購入にあたって最初に当たる壁は値段である本体とフィギュア三種類と
チップ、ライドゲートという専用の台座がついて希望小売価格8550円
ただ、この本体価格はフィギュアや専用の機材がつくと考えれば妥当な方では
ある、問題はこのゲーム、台座型の機器にフィギュアを置くことで操作可能な
キャラクターを変更できるのだが本体に付いてある、ウィザード・ドライブ・
鎧武の三種類だけであり、ゲーム内で一切増えることはない

増やそうと思えば別売りのフィギュアとチップが二個付いているセットを
1600円で購入する必要があり、12月中旬時点で発売予定のものを合わせ
ると9種類あるのである、更に増えないことを願うばかりである
そして、好きなライダーだけ買えばいいというわけにもいかない、一緒に
付いてくるチップは別のライダーのものであり、同梱されているフィギュアの
チップはついてこないのある、チップはライダーの変身に必要なもので、わか
りやすくドラゴンボール例えるならベジータが操作できるものを買ったなら
超サイヤ人は別売りのトランクスのセットも買わないといけない感じである
つまりライダーを増やし、好きなフォームで戦いたいのなら
最低2セットの別売りを買わないといけない仕様なのである

そんな子供のお年玉やファンの財布から根こそぎ
お金を搾取したいという姿勢には感銘を受けざるを得ない
そんなDLCゲームが優しく見える価格設定

いざゲームをしてみるとカッコイイOPが飛び込んでくる
このOPやグラフィックはいい

さて、いざゲームを始めてみると最初に飛び込んでくるのは出るゲームを間違え
たのかと思いたくなる、フクロウと妖精と女神様っぽい三人がショッカー、に
囲まれているムービーが始まるショッカーが囲んでいるが初代仮面ライダーや
二号など昭和ライダーは現状参戦する予定はないみたいなのでフィギュアセット
を買う必要はないので安心して欲しい

この時字幕も低年齢向きで、漢字は殆ど使われていないのだがCERO・Bという
対象年齢が12歳以上なのでどの年齢層に向けているのかがわからない
この三人の声優は阿澄佳奈、中田譲治と豪華で仮面ライダーの声優にも期待でき
るところではあるのだが、ストーリーで仮面ライダーがしゃべる事はない

アクションは悪くはないのだが、爽快感はなく、慣れない独特なボタン配置に
苦労することになる回避ボタンが○にある独特なボタン配置だが設定をいじる
ことはできなくて、ジャンプボタンもない、折角順調に戦っていても、
ステージのギミックの為にキャラを変える作業をし、30秒間毎回ロードを
待つので、自然とテンポが悪くなる
更にフォームチェンジにも時間がかかり、強化チップを置いて10秒以上
ロードしてから反映されるのでボスが出てからの瞬時の対応がしにくい


そしてボスにはライバルだったキックホッパーという
ライダーが登場するのだが1,5倍の大きさで出てくるのを始めとし
フェニックスはゆうに10mを超す巨体で溶岩に浸っているという原作崩壊である

フリーズ頻度の高さも高く、2時間に一回は体験できる

選評案その2

2014年年末、クリスマスに向けて、多くの子供向け玩具やゲームが発売され、市場は色めき立っていた。
しかし、その水面下ではクソゲーの強豪バンダイナムコゲームズが年末の魔物の座を狙うべく「仮面ライ
ダーサモンライド」(以下サモン)を放たんとしていた。
仮面ライダーは言わずもがな、変身ヒーロー物の特撮番組である。
サモンでは、その仮面ライダーのフィギュアを、付属の台座型装置(ライドゲート)に読み込ませること
で、そのライダーをゲーム内で操り、戦闘中にチップを読み込み、ライダーをパワーアップさせたり、自
動で戦う仲間として召喚したりする。
海外で言うなら「ディズニーインフィニティ」や「スカイランダーズ」、日本で言うならWiiUの「amiib
o」といったフィギュア連動ゲームの仮面ライダーバージョンである。

しかしこのライドゲートが中々に阿漕であり、wiiUの本体であるパッドで、直接読み取りができる「amii
bo」と違って、ライドゲートは「最大で4つのフィギュアを同時に読み込ませて4人プレイ同時出来る」
というのも売りのひとつのである。
そのためソフトとライドゲートは常にセットとして販売、定価9000円という圧倒的な価格となってしまった。
また付属しているフィギュアのクオリティも高いものとは言えず、1個五百円もするくせに背面が未塗装と
なっているなど、いちいちガッカリ感を伴う。
だがこれはまだ、パッケージを開けた時点での、序章に過ぎない。

ゲーム内容についてだが一貫して感じるのは「愛情の無さ」である。
ミッションクリア形式の3Dアクションゲームである本作に登場するライダーたちは、バイクに乗らず(移動方
法は徒歩のみ)ストーリーにほとんど絡んでない(クリスタルワールドと言うファンタジー世界が舞台)とい
う投げやりっぷりである。

そんなファンタジー世界でライダー達が対峙する敵キャラは、仮面ライダーナイト、威吹鬼、イクサ、ゼロノス
、レンゲル、カイザ、デルタ、サソード、ザビー、G3-X、G4、シザース、ゾルダ…などの各作品を彩ってきた歴
代ライダー達であり、雑魚敵としてクローンのごとく大量生産され、プレイヤーに襲い掛かってくる。

操作キャラの強化には、敵がドロップするパズル状のアイテムを組み合わせることが必要となるが、足りない場
合その敵を乱獲することになるという某狩りゲー要素も上記の敵キャラの事情のせいで不評で敵キャラにギャレ
ンもいることから「橘さんに(パズルの)ピースを吐かせる作業」と評されている。
その後も全編敵はクローン軍団であり、身長を1.5倍ほど大きくした仮面ライダーキックホッパーがボスとして現
れたり、仮面ライダージョーカー、スカル、ブラカワニコンボ、武神鎧武(劇場版の花と合体した姿)、など、
プレイアブルキャラであるライダー達の派生フォーム(仮面ライダーの形態)や師匠ポジションのライダーが同
じく身長が1.5倍になったり、量産されたりしながらワラワラ出てくるという、ファンなら憤死しかねない蹂躙の
限りを尽くしたカオスな空間が繰り広げられている。

またアクションとしてもいい加減なつくりであり、コンボ攻撃の途中でXボタンを押すと必殺技が出せるのだが
、なぜか無敵時間はほとんど無く、必殺技やコンボの最中でも簡単に横からザコ敵に割り込まれる。
さらに、中盤以降から遠・中距離攻撃をしてくる敵が増加し、画面外から高速で銃弾や突進攻撃が飛んでくるの
で、攻撃の振りの大きいキャラは間違いなく集中砲火に合いリンチに晒される。
ボスの攻撃力も終盤では一撃600程度は当たり前だが、一番ステータスを強化できる仮面ライダードライブでも
レベル99でHPが3000程度と割に合わない。
そんな中でも、ちまちま攻撃をしながらクリアを目指すプレイヤーに向けられる試練は、狭い柵のような結界内
に閉じ込められ、極太レーザーやエネルギー弾をぶっ放してくる4人の敵キャラに囲まれるというなんとも凶悪
なものである。

その後も結界の中の敵を倒したら先に進めるが、結界の外にいる戦闘員の群れが遠距離攻撃を仕掛けてくるとい
うようなデスマッチがたびたび仕掛けられるが、回復ポイントやアイテムは一切無い。
また頼りのチップは画面がゆがむほどの読み込みが必要となり、チップをフルで三枚読み込もうものなら100
%フリーズし、フィギュアも読み込み方が悪ければデータが消失する恐れがあるがセーブ中にそういった警告は一切出ない。

とここまで悪点を列挙してきたが、正直に言えば子供向けのゲームならその程度の大味なゲームはよくあるものである。
ではなぜこのゲームが批判されるのかといえばそれは開発元である「エインティング」に問題がある。
「エインティング」は同じくバンダイナムコゲームズから発売されている「バトライドウォー2」も開発している
が、サモンのモーションは、ほぼバトライドウォー2から流用されている。
またバトライドウォー2ではバイク移動やフルボイスだけでなく、フォームが自由に変更でき、プレイアブルキャラ
もすべてそろっているが、サモンはフィギュアを買い揃えなければならず、強化のチップ
は今のところフィギュア
2個とチップ2枚の定価1600円のセットしか売っておらず、フィギュアとチップの組み合わせを微妙にズラしてあ
り、企業の「多々買え・・・多々買え・・・」という声が聞こえてきそうである。

「売り方」と「仮面ライダーのゲームとして」の2つの失望感を与えたサモンライドであるが、これからもっとも
悲劇に見舞われるのはクリスマスにこのゲームをサンタさんに頼んでしまった子供たちであり
フィギュアによる散財、データ消失による失望感により全国の子供たちを絶望の底に叩き落すその姿は
仮面ライダーウィザードの儀式、サバトそのものであるといえよう。