2008年 総評案3
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2008年 総評案
2008年 総評案2
2008年 総評案3

その21 ジャンライン大賞ver

2007年、伝説のクソゲーが生まれ、このスレは大いに賑わった。2008年冬に動画サイトに上げられたことによりネタに飢えていた人の心を掴み、スレの規模はさらに拡大された。しかし、それは必ずしもKOTYスレの発展を意味するものではなかった…

KOTY2008の開幕を務めたのは『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』
何をするにも繰り返されるデモ画面、ストライクか否かが投げた瞬間わかる投球システム、キャラゲーにあるまじき圧縮ストーリー。
リアルなのは野球にかかる時間だけ。
バグに頼らない直球のクソが剛速球で襲い掛かってくる様は、年始早々幸先のよくKOTYスレがスタートが切れたと思われた。

しかしそれ以降いくつかのクソ要素を備えたゲームは出るものの、小粒なものばかりだった。
以前の年なら勢いがあれば入ったかもしれないが2007年のあのゲーム以降、スレ住人の求める水準が高くなっていた。
結果、
クソゲー予想→ゲットした者からの大したことないという報告
が繰り返される日々が続くことになる。これを「第一次クソゲー飢饉」と呼ぶ

この時期のノミネート候補として

発売前は昨年のKOTYを賑わせたフライトプラン作と期待された『ポイズンピンク』。
各ミニゲームは「操作性や難易度バランスが悪いゲーム」しかない、パッケージも日本向けではない『プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~』
オンにラグが出たりバグが出た『Mr.DRILLER Online』
「32人対戦」という触れ込みのオンがまるごとカットされてしまった『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2』。

以上のソフトが挙げられたが、いずれも落選の運命を辿った。
このように、飛びっきりのクソ要素を持つ作品達でも、パッチによる修正や、ある程度普通に遊べる作品程度ならノミネートされない日々が続いた。

そんな中、『奈落の城 一柳和、2度目の受難』が、注目された。
「本格推理ADV」という触れ込みに対し、推理の余地もヒントも殆ど無い単なる総当りを繰り返させるゲーム内容である。
事件の捜査は足で拾うという考えを伝えたかったのかもしれない。主人公が探偵ではなく、警察だったらなおよかったであろう。
また、死亡した人物が勝手に生き返ることがあるという、今年流行のフラグ管理のミスも装備されている。
そいつに話しかけると『テキストがまだない』と表示され、これはあくまでゲームの世界だと教えてくれる仕掛けが施されている。
この精神は時代の壁を乗り越えて『大奥記』に引き継がれることになる。
しかし、当初は有力な候補だったが、楽しんでる声も見られ大賞候補からは徐々にフェードアウトしていった。

奈落を越えるソフトが現れず、スレ内ではクソゲーを求める声が木霊していた。
そんな声に応えるかの如く、6月梅雨の到来と共に訪れたのは、ブームにのっかったことを全力で主張するタイトルの『大奥記』。
「発売前の前評判が高くても、いざ出てみればがっかり」が2008年前半のパターンであったが、2年の時を経て世に放たれたこの作品にその心配はいらなかった。
まずは2年前ではなく5年前から寝かせていたと言われていてもおかしくないグラフィックのOPで幕を開ける。
ゲーム内容は多すぎる部屋をいちいち回って延々証言を集めるのがほとんど。なのに入るたびにロードが長い。
登場人物は頻繁に移動、部屋は大半が無人等、「現実を追求すればよいゲームとは限らない」ことを私達に教えてくれる。
かと思えば移動はホバリング、手を使わず襖の開け閉め、キャラが机にめり込む等、非現実的な現象には事欠かない。
さすが伏魔"伝"というだけあって、彼女達の魔性が伺える。
テキストの「これkら」という誤字は、ゲームに引き込まれすぎないように、時を声奈落の底から継承したのだろう。
その前に引き込まれるようなゲームを作って欲しかった。
開発会社の公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末で、発売から三月を待たずしてサイトが404になった。
2年間スタッフが何をしていたのか知る機会は、もう無い。

この後夏も暑くなるとノミネートに値するソフトどころか選評を書きたくなるソフトすら出ず、「今年の大賞は大奥記なのか?」という意見が日ごとに多くなっていった。これを第二次クソゲー飢饉と呼ぶ。

秋に入るとこの状況にまったをかけるべく、レコムが名乗りをあげた。『ジャンライン』である
『ジャンライン』は「フリーズバグは当然のごとく標準装備」「ルール上見えるはずの牌が一部伏せられている。」「得点計算がおかしい」等、上げればキリが無いが、プログラム作成者が麻雀素人ならそれも必然かもしれない。
次世代機を象徴とするオンラインも完璧だ。社員のボイスを有料で売り、しかもそれが対戦で反映されないという始末。
あげく数日後にDL中止、返金というドタバタ劇。対応面でもそつがない。
この時は「後日修正パッチ等がされるだろう」という見方がされていた。
しかし今にして思えば、何故この時レコムがまともな修正が出せると期待してしまったのか、KOTYスレ住人にも問いかけてみたいところではある。

この時点では未だ大奥が大賞候補として一番手であり、もはや今年はこれで決まりだろうと思われた。
   クル・ヌ・ギア
だが、真の地獄 はこれからだ。
多くの新勢力が名乗りをあげ、クソゲーの老舗ことアイデアファクトリー(以下IF)も、遂に手段を選ばぬ暴挙に出た。
パッケージに別作品のシナリオライターを起用し、タイトルまで似せてのけるというフィッシング詐欺目的のパクリな『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』。
本来IFゲーとは「平均的に低水準だが規格外のクソは出ない」というスレ住民の認識があった。
クソゲーとわかっていても、なおIFゲーに突撃する、殉教者も存在した。しかしスレ住人は、またしても固定概念をひとつ破ることに成功する。
不快感だけを六時間に濃縮した超絶ストーリーや、敵よりもプレイヤーにダメージを与える迷ゼリフ、本筋に一切影響しない好感度システムや、ボスにまで効く麻痺によって麻痺→オートで全て終了する戦闘等、パクったのは絵だけだということがわかる。學園が関係しないのに學園幻光録とはこれ如何に?
「IFだから」から撃ち込まれた『RPG』は、平和ボケしたクソゲーマー達を大量殺戮していった。

『クル・ヌ・ギ・ア』という久々のホームランに沸き立つKOTY住人にクソゲーの「おかわり」が飛び込んできた。
ファミ通クロスレビュー史上初、「4点以上をつけたレビュアーがいない」という伝説を樹立した『プロゴルファー猿』の登場だ。
パッケージが悪いわけではない、挙動がおかしいわけではない、フラグがミスっているわけでもない。
では特筆すべき点は何かというと、量だ。何と10分で全クリアできてしまう。驚きの薄さである。
このゲームに6090円を払うよりは、フリーゲームの方がまだ遊べる、とまで言われる始末である。
発売前はPVやCMの出来が素晴らしかったこともあり「意外とただのがっかりゲーで終わりそう」「ハードルが上がりすぎてノミネートは難しいかも」との不安も囁かれていた本作だが、「ワイは詐欺や!プロゴルファー詐欺や!」との名言が生まれた。
バグでもなく、グラでもなく、ただただ薄味という今時珍しいクソさが光る作品であった。

この後、『ダービータイム オンライン』が大外から3強を差そうと飛び出してくる。「出場していない馬が優勝する」「0着」等のありえない多数のバグや、「他馬に当たったら自分の馬は取り残され、相手はそのまま進んでしまう」といった酷いラグ、発売日から1週間を待たずして、「サービス一時停止」となり、オンライン時代の競馬ゲームに期待する者達を奈落の底にたたき落とした。
当時は3強と共に話題にあがったが、オンラインの改善によりクソさが薄れ、残念ながら彼は落選となりシャバへ帰っていった。

この時は圧倒的に前半戦の話題を占めた『大奥記』と、圧倒的な手抜きをみせた『クル・ヌ・ギア』、圧倒的されるPV詐欺を見せた『プロゴルファー猿』による、仁義なき三国志が年末に向けて始まると、誰もが予想していた。
しかし、時は師走、男達がパワーアップして帰ってきた。
修正パッチを当てたはずなのにより改悪された『ジャンライン』と
年始にクソゲーとして散々な評価を受けた作品の続編の『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
二者のクソ具合は群を抜いたレベルで拮抗し、「どちらが大賞に相応しいか」でKOTYスレは議論百出となった。
質、量ともに十分のバグ、それを差し引いても残るクソ仕様、『ジャンライン』を作ったレコムはサイト閉鎖したと思いきや『メジャーWii パーフェクトクローザー』を作ったタカラトミーはサイトにアクセスするとパスワードが要求される始末。
バグ、内容、対応全てにおいて両者十分大賞に相応しいクソさを備えていた。しかし大賞はあくまで1作。連日激しい議論が繰り返された。
KOTYスレでは「ピッチャーの首が反転している」「キャッチャーが後ろを向いている」等の首反転バグ、向き反転バグ等、笑えるバグが多く搭載された、メジャーWii パーフェクトクローザーが多数の支持を集めた。

しかし、よく考えてみて欲しい。本来、クソというのはマイナスの意味を持つものである。
ゲームにおけるクソ要素とは、操作性の悪さ、画像の汚さ、モーションのおかしさ、それらの「不快性」を指す物ではないか?
KOTYにおける笑えるクソというのは、本来笑えないはずのクソをユーモアの効いた批評にすることで、笑えるものにしていくことに意義があったのではないか?
事象をそのまま笑えるというのは、クソ要素としてはプラスにならないのではないか?
別にメジャーのバグを笑えるからクソではない、と言っているのではない。単純な笑いが起きる事象は、それはKOTYの求めているクソさではないと言いたいのだ。

だがそれを差し引いたとしても、『メジャーWiiパーフェクトクローザー』の戦闘力はずば抜けていることは疑う余地がない。
「同年の年始にクソゲーを出しておきながら、続編がクソということはないであろう」という予想を見事に粉砕し、スレを『笑撃』の渦へ巻き込んだ。
いまどき流行りのフリーズはもちろん標準搭載で、対処法は「ボール球を投げてはいけない」。
強打者にもまっすぐ立ち向かうべしという吾郎の熱い意志が伝わってくる。全力でお断りしたい
「特殊なキャッチをしたら2アウト」という前代未聞のルールは、買って来た親が子に正しい知識を披露する機会でも作ろうというのだろうか。
「得点が負けてても勝ってても延長突入、もしくはその試合に勝利」というルール以前に根底から野球を破壊するシステムを搭載。
「早くエンディングを迎えさせてこのゲームから離れさせてあげたい」という、タカラトミーの思いやりが伺える。そんなことより先に思いやることがあるだろと叫びたい。
しかもそのたどり着いたエンディングにはプログラマ3人と「ドリームファクトリー」という単語。
追求したのは本格的な野球ゲームではなく、本格的なクソゲーだったのであろう。
このゲームをクリスマスプレゼントとして贈られた子どもが、間違った知識のまま野球をしないことをただ祈るばかりである。

本来パッチというのは局所的な不都合やゲームバランスを調整するためのものである。
にもかかわらずレコムはその大前提を覆す「改悪パッチ」をCSに持ち込んだ。
本年の大賞である

『ジャンライン』(パッチ後)

である。
そのクソさはわずかながらも『メジャーWii パーフェクトクローザー』を上回る。
『パーフェクトクローザー』はクソ要素があってもクリアすることが可能だ。また、クソながらもまだ可笑しく笑うことができた。
しかし『ジャンライン』は違う。クソ要素に一切の妥協はしない。
まずゲームをスタートしても最後までプレイできるかわからない。いつフリーズするか、わからないからである。
だがいっそのこと、100%フリーズしてもらった方がまだマシなのかもしれない。
トップの状態でラスト→切断→強制最下位に納得できるなら、そいつは聖人である。ゲームから離れ、もっと大きい事業を成し遂げて欲しい。
「運悪く」ゲームができたからといって油断してはいけない。
麻雀にはカンという4枚同じ絵の牌を組にするシステムがあるのだが、『ジャンライン』はその周りのルールがまったくできていない。
本来カンは同じ絵の牌で組むはずなのに、まったく関係がない牌と組まされたり、「カンを4回以上するとその局は流れる」というルールもまったく無視。こんな様では「鳴くに」なけないではないか。
ロン(相手からの捨て牌で自分の役が揃ったという意味)をしたにも拘らず、次の人が牌をツモっていく「先ヅモ」システムも見逃せない。
苦労して役を作り、その局を勝利したというのに、アガリが無視されゲームが進行するこのシステムは、賽の河原も真っ青の達成感のつぶし方である。
もっとも、実際に起こった時には状況の把握が追いつかないであろうが。
他にも「意味もなく牌が傾いた」「牌の選択が飛び飛びになった」「手牌が突然ワープ」等、珍現象が相次ぎ、「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」という声が上がった。
まだ人類に高次領域は早すぎると、レコムが送った警鐘なのかもしれない。
麻雀はFC時代から既に完成度の高い移植が存在している。20年以上たった今、ゲームのプログラムも目覚しい進歩を遂げている。
その現代にあらゆる面で不都合が見つかる20年前未満の麻雀に、CSで出会えたことはある意味奇跡である。
よって、『メジャーWii パーフェクトクローザー』とは僅差であるが、2008年は『ジャンライン』にKOTYを贈りたい。

2008年はクソゲー界にとっても、KOTYスレにとっても激動の年となった。
「四八ショック」のせいでクソゲーに対する基準が変わり、単に話題になるとか、声が大きいだけではノミネートすらできない状態になった。その結果、今年はスレの伸びに反して大賞は小粒だろうとの見方が秋までされていた。
しかし、その後のさまざまなジャンルから押し寄せる怒涛のクソゲーにより、「何がクソゲーなのか」ということを、今一度見つめることができた点で、実りある一年と言えたであろう。

そんな中、純粋なクソ要素を極限まで追求した『ジャンライン』が大賞に選ばれたのは、必然かもしれない。何故なら、この作品以下の存在は、もはやゲームとは呼べないからである。未来への警告の意味を込めて、この言葉で2008年のKOTYを締めくくりたい。

   ジャンライン
その 一線 を超えることなかれ

その21.5 メジャー2大賞ver

この時は圧倒的に前半戦の話題を占めた『大奥記』と、圧倒的な手抜きをみせた『クル・ヌ・ギア』、圧倒的されるPV詐欺を見せた『プロゴルファー猿』による、仁義なき三国志が年末に向けて始まると、誰もが予想していた。
しかし、時は師走、男達がパワーアップして帰ってきた。
修正パッチを当てたはずなのにより改悪された『ジャンライン』と
年始にクソゲーとして散々な評価を受けた作品の続編の『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。

帰ってきてしまった男『ジャンライン』(修正パッチ後)はゲームをスタートしても最後までプレイできるかわからない。いつフリーズするか、わからないからである。
だがいっそのこと、100%フリーズしてもらった方がまだマシなのかもしれない。
トップの状態でラスト→切断→強制最下位に納得できるなら、そいつは聖人である。ゲームから離れ、もっと大きい事業を成し遂げて欲しい。
「運悪く」ゲームができたからといって油断してはいけない。
本来カンは同じ絵の牌で組むはずなのに、まったく関係がない牌と組まされたり、「カンを4回以上するとその局は流れる」というルールもまったく無視。こんな様では「鳴くに」なけないではないか。
苦労して役を作り、その局を勝利したというのに、アガリが無視されゲームが進行するこの「先ヅモ」システムは、賽の河原も真っ青の達成感のつぶし方である。
もっとも、実際に起こった時には状況の把握が追いつかないであろうが。
他にも「意味もなく牌が傾いた」「牌の選択が飛び飛びになった」「手牌が突然ワープ」等、珍現象が相次ぎ、「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」という声が上がった。
ジャッシーのあの姿は、高次領域に突っ込んだのが原因と思われる。
まだ人類に高次領域は早すぎると、身を挺して送ってくれた警鐘なのかもしれない。

『ジャンライン』で今年は決まりだろうという空気が流れたが、9回裏、満塁のピンチに現れたのは、
『メジャーWii パーフェクトクローザー』
である。
発売前の画像から「ゴローの腕が左右で太さが違う!」という
「ピッチャーの首が反転している」「キャッチャーが後ろを向いている」等は序の口に過ぎない。
キャッチャーがセンターまでボールを取りに行くという姿に、人々は多くのドラマを垣間見たであろう。
審判まで後ろを向いているのだ。彼らはいったい、何を見ていたのだろうか?
後日、「プロ野球珍プレー・好プレー大賞」が放映されてる時、彼らは居間でも後ろを向くことになるだろう。
これらの笑えてインパクトがある画像がスレに投下され、スレは「笑撃」の渦に巻き込まれた。

『ジャンライン』と『メジャーWii パーフェクトクローザー』は両者とも抜きん出たクソである。しかしKOTYの座はひとつしかないのだ。
日々どちらが大賞に相応しいか議論されたが、やはり判りやすい画像を持つ『メジャーWii パーフェクトクローザー』を推す声が多数を占めた。
しかし、よく考えてみて欲しい。本来、クソというのはマイナスの意味を持つものである。
ゲームにおけるクソ要素とは、操作性の悪さ、画像の汚さ、モーションのおかしさ、それらの「不快性」を指す物ではないか?
KOTYにおける笑えるクソというのは、本来笑えないはずのクソをユーモアの効いた批評にすることで、笑えるものにしていくことに意義があったのではないか?
そして、純粋なクソとして見た場合でも、『メジャーWii パーフェクトクローザー』は大賞の器なのではないか?
表層から来る笑いに騙されて、メジャーの本質を見失っていないだろうか?
先ほど紹介したバグの数々も、キャラゲーとして見た場合の酷さで評価すべきではないか?

改めて『メジャーWii パーフェクトクローザー』を紹介しよう。
いまどき流行りのフリーズはもちろん標準搭載で、対処法は「ボール球を投げてはいけない」。
強打者にもまっすぐ立ち向かうべしという吾郎の熱い意志が伝わってくる。全力でお断りしたい
他にも、「CPUがボール球を投げることは一切無い」「フライにもかかわらずランナーが勝手に走塁」「ランナーが居ても気にせずワインドアップ」、「必殺球投げると7~8秒のミニムービーが時々入る」「明らかに早いタイミングで振らないとバットにかすりもしない」等、
野球として見てもゲームとしてみてもストレスを与える仕様となっている。
酷いのは「キャッチしたら1アウトのはずが2アウトになった」「3バント失敗してもアウトにならない」「フライをキャッチされてもタッチアップも無しにそのまま点が入ったりする」等という野球のルールすら根底から守れてない点である。
「"追求"したのは本格野球ゲーム」という触れ込みだが、野球界から訴訟"追及"されないか不安でしかたがない。
特に「得点が負けてても勝ってても延長突入、もしくはその試合に勝利」というのは野球を根底から覆す概念である。
「早くエンディングを迎えさせてこのゲームから離れさせてあげたい」という、タカラトミーの思いやりが伺える。そんなことより先に思いやることがあるだろと叫びたい。
しかもそのたどり着いたエンディングには「ドリームファクトリー」という単語。
もはやクリスマスに間に合わせたい一身で中身を確認しないで売り逃げしたいという意志が、これだけで伝わってくる。
ピッチャーやキャッチャーや審判だけでなく、タカラトミーも後ろを向いていたのだろう。

両者とも、まったく互角のクソである。
しかし『ジャンライン』のクソ要素というのは、ほとんどプログラムミスによるところが大きいと思われる。
何故なら、亜空カンや先ヅモのルールは、パッチが当たってからということであり、麻雀を知らないからこうなったとは言い切れないからである。
それよりも、ゲームとして未完成なのはもちろん、野球という存在自体を根底から無視しているかのようなゲームシステムを評価し、
『メジャーWii パーフェクトクローザー』にKOTYを贈りたい。

2008年はクソゲー界にとっても、KOTYスレにとっても激動の年となった。
「四八ショック」のせいでクソゲーに対する基準が変わり、単に話題になるとか、声が大きいだけではノミネートすらできない状態になった。その結果、今年はスレの伸びに反して大賞は小粒だろうとの見方が秋までされていた。
しかし、その後のさまざまなジャンルから押し寄せる怒涛のクソゲーにより、「何がクソゲーなのか」ということを、今一度見つめることができた点で、実りある一年と言えたであろう。
『クル・ヌ・ギア』はクソゲーに限界はないことを、『プロゴルファー猿』はもうひとつのクソゲーの在り方を示してくれた。
特に『ジャンライン』と『メジャーWii パーフェクトクローザー』は、製品としての「一線」の他に、「クソゲーとは何か」という線を考えるきっかけとなってくれた。
豊作なだけではなかった1年を振り返り、この言葉を持って総評を締めさせていただこう。

「追 求 し た の は 、本 格 ク ソ ゲ ー」

その22 メジャー2受賞ver(その17失格なしver)

『四八(仮)』の出現した2007年をジャイアントインパクトに例えるならば、2008年はカンブリア爆発とも言えるだろう。
あらゆるジャンルのクソゲー達が、次世代の覇権を握ろうと跳梁跋扈したのが2008年である。
あるものは四八が示したクソゲーの概念に真っ向から立ち向かい、あるものは四八と同じ道においてそれを超えようとした。

まず、KOTY 2008の始球式から叩きつけられたデットボールは『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』。
投げた瞬間に分かるストライク判定、1球1球の投球・打球に挿入されるデモ、ストーリーはおまけとでも言わんばかりの極限圧縮。
一試合に二時間以上かかるというリアリティは、ネタとして楽しめる範疇でなく本気で辟易してしまうほどの玄人志向を突きつけた。

しかし、その後は不作が続いた。
行方不明者を放置して脱出し、死んだはずの人物から「テキストがまだ無い」という衝撃の真相が語られる『奈落の城 一柳和、2度目の受難』…
ソフト内にはかけらも存在しない「32人同時対戦」を売りにして大規模詐欺行為を行った『メダル・オブ・オナー ヒーローズ2 』…
いずれも例年なら燦然と名を連ねるはずのクソゲーだったが、ノミネートしないまま見送られた。
「ゲームとして成立していれば、問題ない。」住人はまだ、前年王者がもたらした『四八ショック』から立ち直ることが出来なかった。

そんな長すぎる厳冬に飢える6月、ようやく遅咲きの春が訪れた。二年の長きに渡り延期を重ねた超大作『大奥記』の上洛である。
ファミ通レビューで「デスクリムゾン」と同評価、発売前にして買取価格200円という驚異的な前評判は、やはり伊達ではなかった。
自動ドアならぬ『自動襖』、ホバリング歩行、表情は全編固定。異常に多い部屋数とロードに耐え、「サマルトリアの王子を探すだけ」と例えられる内容。
八代将軍吉宗も舌を巻くであろう倹約・改革を徹底したその姿は、まさに公式サイトの言うところの「伏魔『伝』」と称するにふさわしかった。

続いて、超時空ジャンデレラこと『ジャンライン』が華々しく戦線に躍り出た。驚いたことに、本作は麻雀ゲー、つまりテーブルゲームである。
クソ化が半ば不可能な同ジャンルにおいて、フリーズ頻発、点数計算が異常、同プレイヤー同士の連戦不可、と全てが崩壊していた。
他にも、素人ボイスをダウンロード販売するも直後に中止・返金対応したり、公式ブログを麻雀素人が書いていることをあっさり告白したりと、
新人らしい初々しさと敢闘精神に溢れていた。だが、あくまでもこの時点では中粒程度にしか見られていなかったはずだった。

                           クル・ヌ・ギア
にわかの豊作に浮き足立つKOTYに、『これからが本当の地獄だ』と言わんばかりの怪作が届けられる。
『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』……新興勢力が渦巻くKOTY 2008に、老舗・アイディアファクトリーの放った刺客である。
不快感だけを六時間に濃縮した超絶ストーリーや、敵よりもプレイヤーにダメージを与える「合体技」の迷ゼリフ、
本筋に一切影響しない好感度システムや、マヒさせてオートで済む戦闘は『動画の無いムービーゲー』とでも呼ぼうか。
パッケージに酷似タイトルの絵師を起用するという離れ業をやってのけ、クソゲー会社の基本精神である「釣り」の商魂をまざまざと見せ付けた。
「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」
という作品本スレにて生まれた名言が全てを雄弁に物語っている。

息もつかせぬ波状攻撃はさらに続く。ファミ通誌上で史上初の評点オール3を成し遂げた隠れていない伏兵『プロゴルファー猿』が横殴りの奇襲を仕掛けてきた。
「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重」──本作の偉業に対して、ファミ通編集部も賛辞を惜しまない。
このゲームは決してバグが多い訳ではない。キャラゲーなのに6人、ストーリーがない、開始10分でエンディング、飛球の方向は一定……
「これはゴルフゲーじゃなくてゴルフすごろくADVだ」とまで評された本作ではあるが、最短10分でEDに到達出来ることが唯一の救いなのかもしれない。
全てが仕様であり、ゲームとしての価値が全く無いのだ。本編より豪華なCMを揶揄して「ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」と叫ばれたのも記憶に新しい。

かくして、KOTY 2008が飽食ムードで審議に入ろうとしていた十二月……さらなる激動が急転直下の幕を開けるとは誰も予想していなかった。

まず、『パッチ』によって再誕を果たした『ジャンライン』が再び門を叩いた。
パッチ前はまともな麻雀をしていなかったが、パッチ後にはまともでない『麻雀』をすることすら不可能になったのである。
意図しようとしまいとフリーズが頻発し、ロンをしたらツモられる意味不明の現象や、手牌を奪われれば上がり不能すらありえる。
「パッチをあてたら更にクソゲー化した」の一言に集約される異常性は、並み居るクソゲーマーにすら理解不能の域に達し、ジャッシー(仮)の姿とともに強烈な印象を与えた。
「亜空カン」で無関係牌を喰い、牌が傾いたり選択不能になったり融合したりと、卓上の時間と空間が歪んでいるとしか思えない数々の現象を眼前にした声、
「卓上にx,y,z軸の三次元にジャン軸(ライン)を加えた四次元空間が現れている」 ――そう、まさに「四次元麻雀」と呼ばれるものが今ここに現れたのだ。
ともあれ、本作の再臨劇により、「パッチにより悪化した場合は再ノミネート」という記念すべき新ルールがKOTYに樹立された。
また、昨今のクソゲー事情に欠かせない「問題ある運営」という要素をしっかり抑えていたことも付け加えておかねばなるまい。
もはやこれで決まりだろう……突然の急襲に沸きかえったKOTYスレだったが、やがて、再びつかの間の安堵に包まれていった。

だが神はKOTYに安息を与えなかった。「クソにはクソを、進化には進化を」。九回裏のここ一番、さらなる進化を遂げた男が帰ってきたのだ。
今年の先発を努めた、茂野吾郎の再登板、『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
本作のクソゲーとしての資質は、操作不能で勝手に盗塁してアウトになる走者、金属バットの快音を鳴らす木製バットなど、前作を着実に上回っている。
だが、審判と打者がピッチャーに背を向け、キャッチャーがセンター前ヒットを追いかけるという「本格野球ゲーム」を、一体誰が予想できただろうか。
戦慄する住人をよそに動画や画像によって続々と証拠が提出され、その評判は瞬く間に大手ニュースサイトに飛び火し、KOTYは大混乱の様相を呈した。
ファミコン黎明期にすらあり得ない、バグなのか仕様なのかすら判断に苦しむ異様な光景は「これは野球ではない。メジャーだ」という言葉に如実に表されている。
公式サイトに謎のパスワードをかけたタカラトミーのウェブ担当は先見の明があったと言えよう。
なお、プレイ開始約二時間後に待つエンディングに、開発がドリームファクトリー、プログラマーが三人という悪夢が鎮座していたことも特記せねばなるまい。

「年末には魔物が潜んでいる」とはよく言ったものだが、なぜ神は二本の英雄を同じ時期に産み落としたのであろうか。
究極改造を遂げて復活した「ジャンライン」、最強最後の超魔球「メジャー」。突如現れた二基の巨塔を前に、KOTY 2008の選考は難航の一途を辿っていた。
いずれ劣らぬ両雄であるが、その頭上に輝く王冠の数はたった一つしかない。優勢なのはメジャーであったが、ジャンラインも一歩も譲らなかった。
議論がさらなる議論を呼び、紛糾に紛糾を重ねる。クソゲーとは何か、KOTYとは何なのか。……果たしてこの空虚な闘争に終着点はあるのか。
もはやKOTYそのものの存続が危ぶまれ始めたその時、住人たちはある一つの決定に意見の一致を見出した。
  ジャンライン
「その 一線 を越えることなかれ」

「その一線」がどういう意味を持つか諸説あるものの、KOTYとはそもそも「その年でいちばんクソだったゲームを決める」ものであるはず。
然るに、再臨した『ジャンライン』は、麻雀ゲームとして最低限のルールすら機能せず、意図して起こす事が可能なフリーズは対戦プレイですら発動可能と、もはや「ゲーム」でも「クソゲー」でもなく、
「商品未満」、「ただのゴミ」などという批判・罵倒すら生易しいものと化していた。この先にあるのは、「起動、即フリーズ」「起動すら不可能」「ゲーム機本体を破壊する」といった誰もが望まぬ世界、
まさに荒野としか言えないものではないだろうか。
『ジャンライン』は、その想像を絶する進化のあまり、「越えてはいけない一線」を自ら越えてしまった、と評されても仕方がないのかもしれない。
「クソゲー」といえど、「ゲーム」としてまがりなりにも遊べることを考慮した場合、『メジャー』に分があるのではないだろうか、という意見も出始めていた。

それでは、気を取り直して今年のクソゲーオブザイヤーを発表したいと思う。
未曾有の激戦となったKOTY 2008を勝ち上がり、見事大賞に輝いた作品……それは『メジャーWii パーフェクトクローザー』である。
まず第一に、クリスマス・年末商戦・そしてメジャー劇場版公開という、子供たちの期待に応えて容赦なく全力でクソを投げつけた非情性が評価された。
特に、クリスマスプレゼントに沸き立つ子供たちの心を、文字通り完全に「クローズ」させた業の深さはまさにクソゲーの鑑であると言えよう。
だが何より決め手となったのは「笑いの神」から寵愛されているとしか考えられない無数のバグの衝撃、いや「笑撃」の大きさであろう。
ベンチに投げ込まれた暴投をその場で瞬時にミットに収める一塁手、球場の壁を突き抜けて消失する外野手、1キャッチで2アウトの「ジャイロキャッチ」。
点差に関わらず「原作通りに」突入する延長戦や、優勝決定戦で負けたのに勝ちルートのエンディングに突入するまさかの「逆転サヨナラ負け優勝」。
後ろ向きのバッターが何もない空間からセンターに向けて正確無比な打球を飛ばし、捕球もベースカバーもしない野手を尻目にキャッチャーが駆け上がる。
この惨状には、吾郎の首が180度反転したり、説明書の誤植「十字(じょうじ)ボタン」「決(けっ)める」から「ジョージ・ケツメル」と名付けられた球審が背を向けるのも無理は無い。
「コンボイの謎」から続くキャラゲー地雷の老舗『タカラトミー』と、クソゲーマイスターと呼ばれた『ドリームファクトリー』……
二つの巨星の運命的な邂逅により、キャラゲーとしてもクソゲーとしても規格外の、純粋なる「クソ」の金字塔が見事誕生した瞬間であった。

思えば2008年は激動の年だった。
「四八ショック」と呼ばれる、前年王者の残した爪痕……巨大な幻影に翻弄され、クソゲーの何たるかが見失われつつある中で、様々な試みが行われた。
『猿』は「不条理」ではない純粋なる「無価値」を追究し、『ジャンライン』はパッチによって「進化」する新時代のクソゲーのあり方を示した。
そんな中で、『メジャー』が投げ込んだ「直球」がスレ住人の心をつかんだのは、それが最も力強く、クソゲーのあるべき姿を示したからであろう。
──ゲームを手にした「喜び」、クソとわかった時の「悲しみ」、理不尽な大人への「怒り」、そして、みんなで画面に罵声を浴びせる「笑い」──
幼い日のほろ苦い原風景が──見失ってしまった「クソゲー」の真の味わいが──本作とその周囲にはあったのだ。

そんな本作に感謝し、最大限の賛辞を送ることで2008年KOTYを締めくくりたい。

「追 求 し た の は 、 本 格 ク ソ ゲ ー」

その23 メジャー2受賞ver(舞台裏SSとして残す要望多数)

    クソしんぼ

 ~ 混沌 対 悪夢 ~ クソゲー対決

ド「クソゲーは、その土地土地の一つの郷土自慢になっているものが多い。たとえば、IFの人間はヌギャーこそが最高だと思っている。
そのIFの人間にほかのクソゲーをこれこそが混沌とか悪夢とか言ったらどうなるか…他の土地の人も同じこと。
自分達の愛するクソゲー以外のものを混沌とか悪夢とか言われて、それで納得するだろうか?たとえムリに納得したところで、不快感は残るだろう。」

 「それはまずい。住人を不快にさせるなんてそれじゃ意味が無い」
 「わかりました、クソゲー取り消します、ほかの題材にします」

ド「いや、取り消さないでいただきたい。クソゲーで対決したい。私は、誰もが納得し喜んでくれる悪夢のクソゲーを作る自身がある。そっちも、作る自信はあるか」
レ「こっちも作ってみせるさ!誰もが納得する混沌のクソゲーを!」

バ「はあ…クソゲーはねぇたしかに難しいです、クソゲーの材料はもう新しいものを思いつかないくらいいろいろと出尽くしてますし…
ドリフ先生は、どんなゲームを考えておられるのでしょう。あの方は私達のような凡メーカーとは違いますから」
レ「その、私達ってのは、バンナムさんのほかに誰のことなのさ」
バ「あ、いや失礼、レコムさんのことじゃありませんよ」

タ「ほほう、クソゲーで対決ですか」
レ「タカラトミーさんのことだから、いろいろとクソゲーの秘密をご存知のはず。ook、ヌギャー、奈落、これが3大クソゲーだね」
タ「それはたしかに今の3つのクソゲーは凄いけれど、レコムさん、私のメジャーwiiをプレイしていませんな」
レ「今のおっしゃり方からすると、タカラトミーさんのメジャーwiiをプレイせずに3大クソゲーというのはおかしいと」
タ「そのとおり」
レ「ジャンルはどんなジャンルですか」
タ「キャラゲーですよ、よろしい、さっそく造りましょう」
レ「ま、待って」
タ「え、どうして」
レ「俺たち、今度のクソゲー対決ではすべての住人のKOTYの基準となるようになるようなゲームにしたいのです。
かざらず質素でありふれていてしかも心のこもったクソゲーを、だからキャラゲーや野球ゲーのような定番で人気なものは使いたくないのです。
ましてやメジャーときたら原作が人気作品すぎて。」
タ「レコムさんの考えがそういうことなら仕方がありません、メジャーwiiは他のメーカーと造りましょう」

ド「これはこれは飯島先生」
飯「ほうほうドリフさん久しぶり」
ド「本日は特別審査員をおつとめくださるとか、ご苦労さまです」
飯「いやあ私はクソゲーが大好きでなあ、商品未満がプレイできるというんでもう顔がほころんでしまうよ」
ド「ま、どこかのバカのクソゲーが、飯島先生を怒らせなければいいんですがね」
レ「なに!?」

 「ではまず、混沌のメニューからはじめてください」

レ「クソゲーがどうしてこんなに住人に愛されているか、その理由を知ることから私達は作業を始めました。
その理由1、クソゲーはどんな材料でも作れること。これが住人の融通無碍な国民感情にぴたりであるだけでなく、
さまざまな素材に恵まれた日本のゲーム市場の豊かさを味わうのに一番簡単で、奥が深く飽きがこないのです。
その理由の2、大勢でひとつのゲームを囲んで叩くのが、クソゲーの特徴です。堅苦しいしゃちほこばった良作とは違って、心の底からげんなりし、叩ける。
しかも初めてプレイしたときでも一度クソゲーをプレイするとすぐにげんなりする、こんなゲームは他にありません。
その理由の3、発売さえしてもらえば、あとは勝手にゲームをプレイして、好みの部分を叩けばよい。
素人でもデバッグに手を出す楽しみが味わえる喜びは大変なものです。
その理由の4、とつぜん納期が早まってもなにか適当に予定を削ってやればどうにでもカッコウがつく。
この発売時期の調整が自由自在というところがメーカーにとても都合よく、誰にでも叩けるところです。
その理由の5、クソゲーであればファミ通の機嫌をとる必要がありません、ゲームを叩きながら酒でも飲めばいい。
酒を飲めない子どもも、買ってくれた親に遠慮せずにすぐ友達に貸せます。ですから初心者ゲーマー老人子ども、万人向けです。
しかも最後に売却もできる、200円くらいにはなります、万々歳です。」

 「いやあ考えてみればクソゲーはよくできているんだねぇ。」
 「各家庭各人によってまだまだいくつも効用がありそうですな」
 「私の妹の家は子ども達が反抗期でこまっていたときにクソゲーを定期的に叩くことで、 親子の会話を取り戻してその後うまくいってるようだ」
 「面白いとか面白くないとかいうのとは別の社会的効用があるちゅうのは、クソゲーだけやろうなぁ」

レ「そんなクソゲーの特質を考えて私達が本日用意したのがこのゲームです」
ジャンル、仕様、価格、DLC、バグ、フリーズ、オンライン、etc…
 「ひゃあ、盛りだくさんの材料じゃ」
 「大変な品数でんな」
レ「クソゲーの醍醐味は、色々な要素を一緒にするところにあるという人がいます。極端な例で言えばMUGENです。
一方、クソゲーの醍醐味はMUGENのようなごった煮にあるのではないと言う人もいます。たとえば四八(仮)のように音楽とそのグラフィックは
テキストそのもののクソっぷりを引き出すためにあって、ほかのものを一緒に味わうためではないというのです。
だから同じクソでも、MUGEN派と四八(仮)派でわかれてしまうことになります」
 「そりゃ話が違う、クソゲーはみんなが激しく叩ける効用があるはずだろ、二派にわかれちゃいかんよ」
レ「ご心配なく、今日ここに用意したゲームは万人に認められるクソゲーです。ではこれから混沌のクソゲーをプレイしていただきます。
名づけて・・・『ジャンライン』!あるいは、宇宙麻雀の再来。」

 「ジャンライン?」
 「なんやそれは」
 「こない仰山材料があるのは豪勢でええが、しかしこれをどうクソにするちゅうのや」
 「ただの凡作になっちまいやせんかねぇ」

レ「クソゲーの効用の中であげたように、クソゲーはどんな材料でもつくることができて初めてあった者同士でも一緒に叩けて、
心の底からげんなりできるのが一番よろこばしいようです。
お客様に販売する、そのお客様をどのように後悔させる?その心をクソゲーで極めようというのが、混沌のクソゲーです。」

レ「前口上はこのくらいにして、プレイしていただきましょう。ゲームの中に入っているのは、ただの麻雀です、デバッグは何もしません。
色々な材料をいれていくうちに材料からいい味が出てきます。ただの麻雀がどんどんひどいゲームに仕上がっていくのを味わうのもジャンラインの楽しみの一つです。
クソゲーのもう一つの楽しみはメーカー対応とパッチです。
まずメーカー対応、発売日に公式謝罪、返信メールテンプレ、素人疑惑…と、一つ一つ説明するより実際にプレイするときご紹介したほうがよいでしょう。」

レ「手牌をカンの要領で卓の上で鳴く、このカンにさきほどの素人疑惑を…
ムホホホ!『鳴く』というより『泣く』がぴったり!その怒りを公式謝罪でふくらませて、ブログで素人カミングアウトしてすっきりさせる!
クソゲーとメーカー対応の相性ってのはこうありたいね!
パッチが配信されるまでにオンラインで遊びます、
連戦できないシステムだから、ぜひ一期一会と思っていただきたい…
くふー、誰かが落ちたら対戦強制終了で一期一会がひときわくっきりとひきたつー!
同じオンラインでもでも今度はDLC、メーカー対応は素人ボイス、この上にさらに返金問題をおこしてやって…
DLCってのはなんてひどい詐欺なんだ!ああじつに奥が深い!」

 「ふ、ふざけるな!いつまでおあずけを食わせる気だ!うがががが!もう辛抱でけん!プレイするぞ!さっそくフリーズ!」
 「むー、点数計算は『素人カミングアウト』の組み合わせがいいな」
 「DLCは金もたっぷりとって、素人ボイスに、他では使えないアイコン、ジャッシーなんて普通のDLCとはまた別物のおいしさ!」
 「おいおい、強制的にあてがわれるパッチによってクソ要素がどんどん濃厚になってくると、独自ルールのくせのある風味がいいぐあいにこなれて、一味格上になるぞ!」
 「ほいほい、パッチもいろいろ揃っていて面白いな!先ヅモシステムか。こっちは牌選択が飛び飛びになるもの。」
 「手配がワープに『掲示板消去』を加えると、独自ルールにぴったり!」
 「同じ役でも、牌を斜めにしたり融合させると見た目ががらりと変わる!これは楽しい!」
 「ちょっと、その役を、私のこの関係ない手牌で鳴いてごらんなさい」
 「じゃ、私の手牌と牌の取りっこ、こりゃ愉快だ、手牌が増えたり減ったり」

 「レコムさん、このジャンライン、なかなか受けているようですな。」

レ「われわれは日本中のクソゲーを集めて検討して、クソの真髄をここにあつめたのです。
何度も言うように、クソゲーは人の心をげんなりさせ、初めての人同士でも一緒に叩けるところが大事です。
そのためにはもったいぶることは禁物、定番で人気なものも人の心を自由にしないから禁物、誰でも、どこでもゲームをしたい思ったらすぐに始められるようなものが一番。
プレイの仕方も誰でもデバッガーになれるような自由さが大事。
今日はDLCもたくさん用意しましたが、そのときのふところぐあいで多くも少なくも自由にすればよい、大事なのはKOTYです。
住人の心に負担をかけないことです。たかがクソゲーだ、遠慮するなよ、くつろいで叩いてくれ、もったいぶらずにそういえるゲームであるべきです。
ジャンルはありきたりのもので、安価で、買ってくれた人の心に負担をかけるために、ゲーム内容とお客様対応には心をこめない。
これがすべての基本です。決まった手順もルールもおしつけない、心の底からげんなりしてもらえる自然体、それがクソゲーの真髄だと思います。」

 「なるほど、KOTYをとることを大事にする、それがクソゲーだというのですね」

レ「はい、選評を書く住人も、選評を読む住人も、住人同士もくつろぎ心が通い合い親しくなる。
点数の計算方法を問題にする必要もない、素人でもできる、麻雀ゲームであればこそそれが可能です。
だからこのジャンラインを私達は混沌のクソゲーとしたのです。」

 「うん、実に平凡な材料だが、こんなにひどい麻雀をしたのは初めてだな」
 「全く楽しくない、げんなりしたよ。勝手にしなさいって不親切のようだけど、本当はとてもひどい心がこもっているんだな」

 「なかなか好評のようです。このクソゲーの、KOTYをもとめるという考えに皆さんとても共鳴されたようです」

ド「ふっふ…はっはっはっ」
ド「これがKOTYとは笑止千万!混沌のクソゲーやぶれたり!」
レ「なに!?」
ド「最初、悪夢と混沌の対決をクソゲーでと話が出たときに私はクソゲーは郷土により、家庭により、それぞれ気に入りのものがあるから
どれか一つのクソゲーを悪夢のゲームとか混沌のゲームとか言って発表すると多くの人々を不快にし、反発を買うおそれがあると警告した。
混沌の側は、その私の警告に心からおびえたらしい、その結果、『万人に叩かれよう、KOTYに推してもらおう』、とその一点に拘った。」

レ「たしかに私達はどんな素人にも叩かれ、不愉快にすることを第一に考えた。それをこだわりといえばこだわりになるかもしれない…だけど…」

ド「混沌のメニュー側の出したジャンラインとやらがどうしてだめなのか、悪夢のメニューの用意したクソゲーを味わえばすぐにわかる。
ただ混沌のメニューはジャンラインたった一つを用意したが、我々は違う・・・・我々が用意したものは五つ、悪夢の五大クソ」

 「五大クソ!悪夢のクソゲーは5つもあるのか!」

レ「どうして5つも…」

ド「論より証拠、まずゲームを一つ一つプレイしていただこう。ただしこれからお出しする順番はクソの位付けとはまったく無関係だ。
プレイする人の好みで差が出ることがあるかもしれない、という程度のものでしかない。」

 「なるほど、下から5つでなく…商品未満もなにもかも突き抜けた5つというわけか…」

ド「悪夢の五大クソの一つ、『プロゴルファー猿』。
このゲームは、酷いバグも不便なシステムも搭載してないにもかかわらず、ファミ通でALL3をとった実力者だ。
使用キャラは隠し含めて6人だが、その選出も微妙だ。ストーリーモードもキャラ同士のかけあいも存在しない。
特定のポイントにしかショットが打てず、そのショットも強と弱しかないなど、ゴルフと言うより、すごろくに近い。
キャラゲーともゴルフゲーとも言えない、とにかく底が浅いゲームだ。
クリアまでの時間が10分というのも重要だ。」

 「現代で、こういうゲームに出会えるのは、ある意味貴重だな。」
 「むふう!パットくらい自分で打たせてくれぃ!」
 「何度みてもPVは素晴らしい!ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!」

ド「悪夢の五大クソ、その二、『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』。
學園は殆ど関係無いのにタイトルに「學園」とつけているのは、転生學園シリーズ続編を思わせるため、ただそれだけ。
パッケージ絵だけはシリーズと同じ絵師を起用しているので、まずは間違って購入してほしい。
ストーリー演出は徹底的に削ってある。仲間と出会った瞬間に恋人になっているサマや、地味な戦闘を楽しんでもらいたい。
麻痺魔法は戦闘バランスを完全に壊すので私は使わないが、ラスボス含むほとんどの敵に効くので、好みによって使っていただく。
ただし、唯一の演出である合体技は、使う前には覚悟をしてほしい。シュールな一枚絵と同時に、声が揃ってない痛い口上が入るので、素人にはオススメしない。
隠し味として、データに本作と無関係なアニメのOPを入れておく。」

 「これはフィッシング詐欺ですな」
 「ううむ、数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てた方が時間の浪費がなくて建設的だな」
 「キャラ別エンディングが無いから、好感度システムが死んどる。」
 「電波シナリオのうまみを味わうのはコレが一番かもしれないな。とにかく苦痛。まさに真の地獄。」

ド「悪夢の五大クソその三、『奈落の城 一柳和、2度目の受難』。
テキストがまだない。」

 「こ、これは参った。」
 「なんというフラグ管理の甘さや。」
 「ああ、長生きはするもんやなあ。死んだはずのキャラが平然と歩いとる。これがゲームじゃなかったらと考えるとぞっとするで」

ド「続いて悪夢の五大クソその四、『大奥記』。ファミ通は13点だ。」
 「ひゃあ、悪夢の側はこれでもかこれでもかと超贅沢攻勢だ。」
ド「まず質素倹約なグラフィックに、キャラがめり込むどころか貫通する机。移動はホバリングで襖の開閉は自動ドアと揶揄できるほどモーションは少なくしてある。
尻の描写だけはPS2クラスなので、そこに注目して他には目をつぶって欲しい。」
 「ゴクリ…」
ド「ゲーム内容は、多すぎる部屋をいちいち回って延々証言を集めるのがほとんどだ。
登場人物は頻繁に移動する上、部屋は大半が無人。入るたびにロードが長いので、ゆっくりしてもらおう。
そして集めた証拠を空気を読まないチャンバラSEと共に発揮する申し開きパートも、証拠→悔しがる→証拠→悔(ry のループ。
ユーザーがのめり込みすぎないように、「これkら」という一気に現代世界に引き戻す誤字も用意してある。
公式サイトでは、プログラム以外は関わってないとのリアル申し開きが始まる始末。まさに宣伝文句通り、大奥記は底知れぬ伏魔"伝"と言えよう。」

 「そんな、2年も延期しておいて…」
 「やっぱり悔しがる表情がいいよ」
 「タハー!延々とサマルトリアの王子を探し続ける夢を見ちゃいそうだよ!」
 「まったく、殺生なんてもんじゃない!題材からしてターゲットがまったくわからない。」
 「ああ…こ、殺してくれえ……」

レ「もしかすると、五大クソの最後のクソゲーというのは…」

ド「悪夢の五大クソ、その五、『メジャーwii 投げろ!ジャイロボール』。」
レ「メ、メジャー!まさかと思ったのに!」
ド「ここで皆さんにご紹介せねばならぬメーカーが居る。実はそのメーカーこそ、これからプレイしていただくメジャーwiiを発売したメーカーである。
タカラトミー氏をご紹介します。私はあるとき、タカラトミーさんのメジャーをプレイする機会に恵まれた、驚嘆すべきクソだった。
なまなかにそれ以上手を加える余地がない完璧なクソゲーであり、これこそ私の考える至高のクソゲーに加えるべきものと確信した。
幸い、タカラトミーさんは強力を快諾してくれて、今日ここに悪夢のクソゲーとして発表してもらえる事になった。では、お願いするとしよう。」

 「おわ、見事な原作だ。」
 「贅沢もここにきわまれり!」

タ「このメジャーは今年の開幕投手です。Wiiバブルに何とかして便乗しようとして育成しました。ADVパートは、ストーリーをとにかく圧縮してあります。」
 「それじゃ読者以外にはとてもムリだね」
タ「同じ試合中でも、同じ状況になる度に何度も何度も一枚絵の操作説明画面を入れます。打球の飛んだ方向に無関係に『意外性抜群の』打球デモも流します。
さらに1球1球投げる度にデモを流すなどして、一試合2時間以上という野球のプレイ時間を再現しました。」

 「投げた瞬間にストライクかボールか相手にわかってしまう男らしい投球システムだな」
 「なにやら泣けてくるわ…」
 「わしらがとっくの昔に忘れてもうた大事なものをおもいださせてくれるゲームや…」

ド「これにて悪夢の五大クソ、すべてプレイしていただいたことになる。」

 「まったく、これこそ本当の洗練というもの」
 「やはりドリフ先生の方が数段上だよ」
 「いや、考え方として悪夢のメニューは面白くない。素晴らしいクソの紹介だけして、安易ですよ。」
 「安易なんかじゃないでしょう、大変な選球眼がいるよ」
 「個性を追求した結果、ほかに例のない麻雀ゲームを作り出した混沌のメニュー側の方が上だ!」
 「いいや、ジャンラインはルールが難解すぎて万人向けではない!」
 「第一フリーズが多すぎて、気の短い人にはつらい!」
 「あんたにはクソゲーの批判はムリだよ!」
 「まぁ、審査員同士で激しいやりとりを」
 「この勝負は引き分けじゃ」
 「ま、それが妥当ですかね」
 「両方とも混沌と悪夢のメニューに入れる価値があるもの!」

レ「ちょっと待て、今のゲームは全て、ドリフが作ったものではない」

 「そういえば紹介だけで決めるのは…」
 「確かにメーカーとしての評価が抜けていたな」
 「いかがでしょうか、ドリフ先生、皆さんがああ言っておられますが?」

ド「ふふふ、五大クソを超えるクソゲーを作った、と言ったら?」
レ「何ィっ!」
ド「私は先ほど、メジャーwiiを『なまなかにそれ以上手を加える余地がない完璧なクソゲー』と紹介した。
これだけのいいクソが手に入ると、えてして凡庸なメーカーは間違いを犯しやすい。しかし、そこに誤りがある。
発表しよう、タカラトミーさんの協力のもと我々が開発した、悪夢の五大クソゲーをも超える『メジャーwii パーフェクトクローザー』だ。」

 「なんだって!」
 「これはすごいことになったぞ!」

ド「まずは15秒のロードから幕を開ける試合内容を紹介しよう。
変化球を投げるのにはスタミナが要るが、ストレートを投げればスタミナは減らない。ボール球を投げるには、特殊な操作が必要だ。
しかしボール球を投げるとフリーズしやすいので、『1球外すか、いや、でもフリーズするかも』という自分との駆け引きが楽しめる。 」
 「なんちゅう男らしい投球システムや…」
 「吾郎が普通のストレートとジャイロを投げ分けとる…」
ド「引き続き紹介していく。次はバッティング。金属音を放つ木製バットを使用した。
3バント失敗は搭載していない。3イニング遊べば10本はHRが飛び出して気分爽快です。
ただし、ゴロは鉄球かと思うほど転がらないので、どうしてもゴロが打ちたければひたすらバントがいいでしょう。
走者はCPU側が勝手に操作します。タッチアップを無視して得点してくれたりと頼もしい。もちろん、勝手にアウトになることもありますが、それは愛嬌というもの。」

 「完全に抜けた打球がいつのまにかグラブに収まっててアウトになったで…。」
 「ほほ、守備もすごいな。回転しながらキャッチしたら一気に2アウト、芸術点か。」

ド「ジャイロキャッチです。そもそも塁審の存在しない球場で常識的な判定を求めるのが無理な話でしょう。」

 「あひぃっー!すごいよこれはっ!」
 「前作のメジャーより数段上やっ!前作どころか野球を超えとる!」

ド「グラフィックは前作から多少向上させましたが、ボールの抜けそうなフェンスや、無人のスタンドなど、好みで叩いてください。
前作では試合時間は約2時間かかりましたが、約30分へ短縮しました。 ただしストーリーモードは相変わらず圧縮してありますので、素人にはつらいかもしれませんな。
そこに配慮して、挟まれる試合の内容に関わらず原作通りにシナリオ展開するようにしてあります。」
 「大量にリードしているのに延長戦に突入することがあるというわけか…」
 「なんちゅう…なんちゅうもんを作ってくれたんや……」
ド「仕様は以上です。次は、芸術的とも言えるバグの数々を紹介しましょう。
クソゲーは目で見ても楽しめることが重要ですからな。
審判と打者が後ろを向きます。それだけではバランスも悪いので、吾郎も首だけ後ろを向かせます。
キャッチャーは前を向いてますが、防具をつけ忘れることもありますし、他の守備に一切頼らずにセンター前まで拾いに行くこともあります。
名無しの選手や伸びるバット、フリーズなども好きな人には大変喜ばれるでしょう。」

 「あふ」
 「……」
 「セ、センター前キャッターゴロ…」
 「……」

ド「価格は7140円です。お年玉をもらった子どもにも手のでる価格でしょう。
説明書には、『決(けつ)め』や『十字(じょうじ)』など誤字を入れてあります。間違い探しのような気分をお楽しみください。」

ボー

レ「皆、声も出ない…あまりのクソっぷりに言葉を失ってしまった…」

ド「追求したのは、本格野球ゲームです。」

ハッ
 「頭の中がボーッと真っ白になってしもうた……」
 「仕様、バグ、そして買ったことを後悔させる価格、間然とするところが一切ない」
 「ゲームをプレイする快感を深い絶望に変える…」
 「使ったんは、キャラゲーと野球ゲーだけや、それであの羽二重のようなデキの悪さ、魂の奥まで激しく蹂躙するようなクソっぷりが出るモンなのか…」
 「純粋にクソ。あそこがひどいここがひどい言うのがマシに感じるひどさだな」
 「これこそ五十年間、夢にまで見たクソゲーだっ!」

レ「やられた…。子どもにも人気のメジャーでなかったら被害も少なかっただろうし、ゲームでなかったらここまで破綻できなかっただろう…」

ド「審査を始められる前に、少々申し上げてきたいことがある。混沌側は二つの考えで自分を縛ってしまった。
一つは、クソゲーは郷土により家庭により、人々が強い愛着を抱いているものがあるから、混沌のゲームはこれでございと押し付けると感情を害する…
そのためにも、誰にでも応用可能で受け入れやすいものを作らねばならぬという考え方。
もう一つは、KOTYを誤解して、こだわりのなさどころか大こだわりにこだわって、KOTYを狙ってしまったからだ。
タカラトミーさんがせっかく教えようとたメジャーを断った上に、キャラゲーも野球ゲーも使わない気だと言ったと聞いて、
両人がとんでもない思い違いをしているのに気がついた。混沌側はクソゲーの本質を心得違いしている。
クソゲーは一緒に被害にあった人同士がこころを通い合い親しく馴れる、またそのためのゲームだという。
しかし、それならなにもテレビゲームに限ることではない、すごろくでも、はたまた現実の麻雀でも心は通い、親しくなる。
だいたい人と人とが心を通い合うのに必要なのはゲームいいかすごろくがいいかなどという技術論ではない。
それこそKOTYなのだ。飯島先生いかがでしょう。」

飯島「ほうっほっほ…ま、簡単に言えば私はドリフさんのゲームが好きだ。レコムくんのゲームより、ずっとクソじゃよ。」

レ「あんな豪華な原作を使ったゲームの方が!」
飯島「レコムさんの気持ちもわかるが、メジャーもミスターフルスイングも同じじゃよ。人気だの不人気だの言うのは市場の原理じゃろ、仏の目には皆同じ。
レコムさんは、KOTYと、ユーザーに気に入られようと媚を売る気持ちとを取り違えたのではないかな、
あれもこれもと取り揃え、このバグ画像はここがおかしいとわざわざ解説まで書き、麻雀素人にもわかるように見せてはいるが、力説される方はうんざりする、
それはジャンラインの心が見えないからじゃ。
一方、ドリフさんのゲームは単純明快、これ以上のものがないひどいクソゲーをプレイさせてやりたい、その心がみなぎっている。
メジャーはこうして扱うのが一番ひどい、という信念があふれている。
我々はそのドリフさんの世界を見せられて、まあどうぞと招かれる。そこにはいっさいの媚がない。自分の裸の心まで広々と開いて、そこに招いてくれる。
狙うのではなくて、存在自体が最初からまさにそれ、それがKOTYだ。」

レ「安直なものをとこだわりすぎて、バグに心を奪われすぎた…
レ「飯島先生の四八(仮)も、まさに2007年の最高のクソゲーだった…
我々も、手に入る最高のものを素直に求めればよかった、どうせ混沌などと謳っているのだもの。」
ド「さらに、ゲーム化の本質とはなにか、考えるがいい。
本質の一、野球は、ゲームでプレイするのが一番手軽だからゲームにする。ゲームならば人を集めたり場所を用意したりという手間がかからないという必然性があるのだ。
本質の二、原作物は、発売する時期に最大の意味がある、発売する時期と、アニメや映画の公開時期とにズレがない。それはなにを意味するのか。
人気だ。人気があるうちにプレイすることができる。人気作の世界感を体験するためのゲーム化なのだ。
そしてその発売時期こそが納期の短縮を招き、ゲームをクソゲーたらしめる。
以上、二つの本質を追求してこそ混沌とか悪夢のゲームといえよう。」

 「ほんまや、ゲームとしての必然性、それを見失っては意味がない…」

ド「最後に…、私は郷土のクソゲーや自家伝来のクソゲーに愛着を抱くものをも不快にしないクソゲーをお出しすると約束した。
悪夢の五大クソゲーを見て、そしてパーフェクトクローザーを見て誰か(原作者以外で)不愉快になる人間がいると思うか?
これらのクソゲーを記事で読んだ人は、いつかプレイしてみたいと憧れこそすれ、不快に思う人は誰も居ない。
一方、混沌の側はあまりにも不愉快過ぎるため、かえって住人はこんなものなら普通に麻雀した方がマシと思いやすい。そっちの狙いは裏目に出たのだ…」

 「審査の結果を申し上げます。混沌側のジャンライン、考え方は面白かったのですが、
 高々と聳え立つ悪夢のパーフェクトクローザーの前では砂場に子どもが作った砂山のように見えます」
 「思想的にもゲーム化の本質を踏まえた点をとっても、今回は文句なしに悪夢側の勝ち、KOTY2008はメジャーwii パーフェクトクローザーとします。」

その24 クル・ヌ・ギ・ア大賞ver

「クソゲーとは一体何なのか」

2008年度KOTYはその議論で白熱した。
四八(仮)ショックの醒めぬまま始まった2008年度。スレ住人は熱も下がらぬまま新たなクソゲーの掘り出しにかかった。
2007年度のように突き抜けたクソゲーが出ない代わりに、クソゲーと呼ぶに相応しいゲーム達が絨毯爆撃のように投下されるのである。

『メジャーWii投げろ!ジャイロボール』『奈落の城 一柳和、2度目の受難』『大奥記』
『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』『プロゴルファー猿』『ジャンライン』『メジャーWiiパーフェクトクローザー』

この七英雄である。
だが、この七英雄の中には、偽りの英雄がいたのだ。

『ジャンライン』

もともと、このゲームにはバグが多かった。いつフリーズするか分からない状況で怯えながらゲームをし
あまつさえ、オンライン対戦で相手側が回線を切るだけで強制終了。
まともにゲームが出来ない状況下で、我慢すれば辛うじてゲームが出来る。
まさにクソゲーの鏡のような存在であった。ただし、インパクトは小さい。
これが、まだ、麻雀という存在であった頃は・・・。
「パッチが出たぞ!」
「お、ジャンラインは凡ゲーに成り下がりかー・・・」
「・・・・・・おい・・・うそ・・・・・・だよな・・・?」
「は?」
「パッチを付けたら、更に悪くなった」
「なん・・・だと?」
“改悪パッチ”その衝撃はあまりにも凄まじかった。
パッチとは本来、不具合を修正するため、あるいは追加要素を追加するために、会社が無償・有償で配布するものである。
ジャンラインの場合、不具合を修正するためであるから、普通のゲームになるはずだった。そのはずだったのだ。
その計画は完全に破綻した。
そして、住人達はある決断をしたのだ。
『ジャンライン』はゲームではない。「プレイが不可能なゲームは、もはや存在価値すらない」そう判を押したのだ。
これを重過ぎる判決だと言う者もいる。だが、考えて欲しい。
ゲームという物がなんなのかを、クソゲーという前に、『ジャンライン』はゲームですらない存在に昇華してしまったのだ。
これでは他のゲームと比較は出来ない。

クソゲーとは、ゲームある事が前提なのだ。

1つの英雄を失った2008年度は、1年で2つのクソゲーを排出した『メジャーWii1、2』に栄光の冠が置かれようとしていた。
リアル1試合2時間の野球ゲーム。野球ゲームだが、観客席はラベンダー畑、ベンチは無人。謎の守備体制。
ホームラン以外に得点源は無く、ランナーは暴走し、センター前ヒットをキャッチャーが取りに行く始末。
その野球に対する冒涜ぶりに、球審もバッターも背を向ける始末。
最後には主人公の首が反転し、KOTYの住人に大いに衝撃と笑撃を与えてくれた。
その笑いは収まらないまま、『メジャーWii』が大賞を取るのだと誰もが確信していた。
しかし、ふと振り返ると、そこには1本のゲームがあった。
それでは、本年度KOTY受賞作品を発表しよう。

『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』

    クル・ヌ・ギア
“これからが本当の地獄だ”ゲームは語っていた。
バグがあるわけではない。裏技もなければ、改悪パッチが当てられたわけではない。
見た感じでは普通のゲームだ。が、何かが根本的に違った。
ゲームを行っていて感じる違和感。それは万人に共通する感覚。
ADV? 違う、これはRPGだ!
忘れていた記憶が呼び戻される。そう、ジャンル的にはこれはRPGのはずなのだ。
しかし、やけに長くテンポも悪く、何よりセンスの無いADVパート。
それがやっと終わったと思えば、1世代も2世代も前のような戦闘画面、すぐに終わるのが唯一の救いである。
だが救いようのないのがクソゲーだ。速攻で戦闘が終われば、またも待っているのは地獄。
そう、ADVパートに変化はなく苦痛な上に終わらない。本当に地獄の連続である。
そして、プレイヤーに止めを刺すのが、キャラが技名を叫ぶ瞬間。その時、プレイヤーの手は自然に電源ボタンへと伸びているだろう。
「プレイを再開出来ない」
「精神的に一番苦痛」
そんな声を多々聞く。
某動画投稿サイトで、全てをやり切ったうp主に救われた人が一体何人いるだろうか。
だれがゲームをしながら地獄を味わえるなんて想像しただろうか。

『メジャーWii』はある意味皆に愛されていた。首が180度回転する主人公など、微笑ましい限りではないか。
だが、『クル・ヌ・ギア』は誰も愛してくれない。孤高のクソゲーである。いや、孤立無援のクソゲーだった。
2008年度のクソゲーは、ある意味笑える部分が多くて、大いに盛り上がった。
その中でただ1本『クル・ヌ・ギア』は笑えない“純粋な糞”として取り上げられた。

ジ ャ ン ラ イ ン
そ の 一 線 を超える事なかれ

飛び道具も裏技もなく、ただ精神的苦痛を感じるだけでここまで上り詰めた『クル・ヌ・ギア』
このゲームにこそクソゲーの真価があるのではないのだろうか。

2008年度は議論が紛糾した。冒頭でも伝えたように「クソゲーとは一体何なのか」という話題で持ちきりだった。
ゲームですらない物は除外し、プロモーション詐欺は捨て去られ、野球の様なスポーツをやるゲームは大きな波を作った。
そんな中で、不動にして王道。王道にして地獄のゲームが最後に栄冠を手にした意義は大きい。

そんな本作に対して、最大限の賛辞を送る事で2008年度KOTYを締めくくりたい。

“このゲームこそ本当の地獄だ”

その25 クル・ヌ・ギ・ア大賞ver

「どうしようもないクソゲーは存在する」

2007年度大賞作品「四八(仮)」の存在はKOTYスレに大きな革命を起こした
後にその現象は「四八ショック」と呼ばれ、住人達はクソゲーに対し更に真摯に向き合うようになった

次のような言葉がある
「気をつけねばならない。 深淵を覗き込むとき、 深淵もまたお前を見つめているのだ」
それでも住人達はより深く、暗いところにあるクソゲーを追い求めて覗き込むのをやめなかったのだ…

2008年、序盤こそ不作に苦しんだが、最終的には7本ものクソゲーがノミネートされる異常事態が発生した
そのノミネート作品7本は「クソゲー7英雄」と呼ばれ雌雄を決することになる

では、順を追ってその7本の紹介していこう
発売順に紹介していくが大賞作品は最後に回させてもらおう

『最高にリアルタイムな野球ゲーム』
2/7【wii】メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!(タカラトミー)

キャラゲーとしても微妙、野球ゲーとしても微妙と言われた作品
いちいち演出やらが入るためテンポも悪い
では何が売りなのか。そう、このゲームの売りは試合時間にある
1試合のプレイ時間が2時間を越えるのだ。リアルを目指すのはそこじゃないだろう
子供向けの作品だけあって「ゲームは1日1時間!」な子供は永久にクリアできないゲームに住人達は笑顔で震え上がった

『テキストがまだない』
3/6【PS2】奈落の城 一柳和、2度目の受難(フォグ、日本一ソフトウェア)

まったくノーマークで現れたため住人達はその喜ばしい不意打ちに身悶えた
ADVでありながら謎解き、フラグ管理が理不尽の域に達している
極めつけは物語の進行上死んだ人間に話しかけることが可能で、返ってきた台詞が
「テキストがまだない」
であったため住人達のツボにヒット
しかし年末になる頃には他のノミネート作品との実力差が顕著になり
「ククク…奴は四天王の中で一番の小物よ…」といったレベルに落ち着いてしまった

『時をかけすぎた少女』
6/5【PS2】大奥記(グローバル・A・エンタテインメント)

ファミ通のクロスレビューで3/3/4/3の計13点(あの『デスクリムゾン』と同じ点)を叩き出し、住人達は発売前から眠れない夜を過ごすことになる
蓋を開ければひたすら同じ作業を繰り返すだけの派手さはないものの堅実なクソゲーで当時は大賞候補としてスレに君臨し続けた
自動で開く襖、主人公が机に貫通するバグ等小技も揃い、スレ内でook(oookukiの略)と呼ばれ共に夏を過ごす事になる
調べてみれば制作発表から2年後にようやく発売されたため、完全にブームに乗り遅れたことが発覚
2年前なら売り逃げも可能だったかもしれない可能性に住人達は時の残酷さを噛み締めた

『その一線を超えることなかれ』
9/25【Xbox360】ジャンライン(レコム)

「麻雀ゲームなのに麻雀の基礎が出来ていない」とフリーゲーム以下のゲームの登場に住人達は困惑した
しかし麻雀のルールに詳しくない住人にはそのインパクトは弱く、それほど存在感は無かった
だがそれがクソゲー神の怒りに触れたのか、12月末、パッチを当てたら更にクソゲー化するというKOTYスレ前代未聞の事態に突入
元々バグやフリーズはそれなりにあったのだが更に悪化。牌がずれる、先ヅモ化、オンライン対戦で意図的にフリーズを起こせる等の状況に住人達は
「もやはこれはゲームとして扱っていいのか」とまさかゲームの定義に行き着くとは思いもよらなかったであろう
また、オンライン関係のテンプレを改変せざる得ない、とスレの改変に貢献した点も見逃せない

『ワイは詐欺や!プロモーション詐欺や!』
10/23【Wii】プロゴルファー猿(バンダイナムコゲームス)

年内にまさかのook超えに住人達は目を疑った
ファミ通のクロスレビューで史上最低点タイとなる3/3/3/3の計12点を叩き出した問題作
「4点以上をつけたレビュアーがいない」という評価は前代未聞である
一見PVを見ると普通のゴルフゲーに見えるのだが、それは大きな落とし穴だった
実際にプレイしてみると決まったところにしかショットを打てないすごろく以外の何者でもないPV詐欺だったのである
また10分でクリアできるほど内容が薄く、キャラゲーとしても非常に薄い「体を成してるが何から何まで薄いゲーム」であった
楽しめる人も少なからず存在したがどう考えてもマイノリティであろう、と住人達はしっかりと深淵を覗き続けた

『目指したのは本格野球ゲーム』
12/11【Wii】メジャーWii パーフェクトクローザー(タカラトミー)

まさか年内に2本も、しかもクソゲーとして登場するとは住人達も予想できなかった
年末に向けて激しい椅子取りゲームを続けるスレで、印象が薄くなっていたメジャーがパワーアップして帰ってきたのである
そのクソっぷりはニュースサイトで扱われるほどであり、住人達は笑い涙を流し続けることとなる
ある条件化でフライを捕ると2アウトになる通称「ジャイロキャッチ」を筆頭にもはや野球ではない何かであった通称「メジャー2」
野球としてのルーチンがおかしいのは序の口で、主審とバッターがピッチャーに背を向けてる、キャッチャーがセンターゴロを取りに走り回る等ネタを完璧に新調してきたのである
試合時間は30分ほどに改善されたが、クリアまで約2時間と相変わらずどこかずれてるところもポイントだ
またキャラゲーとしてもいい加減で、点差がついているのに延長戦突入、負けたはずなのに試合終了後勝っていた等ファンが涙するサービスも見逃せない
年末に現れた魔物。まさにパーフェクトクローザーであった
余談ではあるが、携帯機でもクソゲーを排出し続けたメジャーは2008年度の風雲児といっても過言ではないだろう

さて、いよいよ大賞の発表である
2008年度KOTYスレ大賞作品、それは

『真の地獄はこれからだ』
10/9【PS2】神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア(アイディアファクトリー)

である。ここからは大賞作品、通称「ヌギャー」をじっくりと順を追って解説して行こうと思う

地獄其の一 タイトル&パッケージ詐欺

このゲームの存在を知ったとき、「お?」と思った人も少なからずいるだろう
そう。これは「転生學園シリーズ」の新作のように見て取れるのだ
しかしそれはまったくの嘘。これは何の関係も無い作品である
「転生學園シリーズ」のスタッフが監修についているがもはや名義貸しレベルということをご了承いただきたい
「でも転生學園シリーズ好きだし…」「監修とはいえスタッフや絵師がいるのなら…」と思ってしまった貴方、それが罠なのだ
そういった人をピンポイントで狙った詐欺なのである

地獄其の二 冥界住人も裸足で逃げ出す出来

まず、冥界住人について説明しておこう
冥界住人とはアイディアファクトリー(以下IF)信者のことである
IF製のクソゲーを好みとし、お布施のように何故か新作を買ってしまう悲しき業を背負った殉教者達
喜んで地雷を踏みに行く彼等ですら本作が核爆弾だと予想できなかったし、耐えられなかった
信者が擁護できないゲーム、それがヌギャーである
ではどうクソなのか、少しずつ紐解いていこう

地獄其の三 パクリまくりなのに劣化しまくり

まず戦闘システムを見ていこう
一言で言えばアトラスの「プレスターンバトル」のパクリである
「プレスターンバトル」とは弱点を突いたり、クリティカルが発生すると再度行動できる、と非常に戦略性に長けた戦闘システムである
しかしパクリがお家芸の癖に劣化するのがIF。アイディアファクトリーではない。アイディアファックなのだ
アトラスのプレスターンバトルを採用しているゲームの殆どは、相手の弱点を調べる技なりシステムが存在する
運任せなクリティカルでは確実性に欠けるため、弱点を突き有利に、時には不利になる緊張感の途切れない素晴らしい戦闘を約束している
ではヌギャーはどうか。そう。敵の弱点を調べられないのである
…しかしそのような事実を吹き飛ばす狂った仕様が存在するのがIFクオリティ。それは何か
「ほぼ全ての敵(ラスボス含む)に麻痺が効く」のである
つまり先手を取れば敵は麻痺→オートバトルで終了。これがヌギャーの戦闘である
合体技という笑うしかないシステムも存在するが全て無意味なのである
これならパクる必要は無かったのではないか。そう思わざる得ない

地獄其の四 摩訶不思議アドベンチャー

ヌギャーのジャンルはADV+RPGである。RPG部分が腐っているのは前述の通り、ではADVはどうか
これも一言で言えばクソである。あまりに不親切でプレイヤーがついていけないのだ
学園と謳っているが学園はまったく関係ない、飛びまくるストーリーとまるで隙が無い出来である
さっき初めて会った仲間と次の瞬間親友や恋人になっていたりと終始プレイヤーは困惑する
また好感度システムを搭載しているがEDに反映されない。きっとこれは詐欺に必要だったのであろう

地獄其の五 深淵に近きクソゲーとは

衝撃のクソ要素が存在する。このゲーム、6時間ほどでクリア可能なのである
ADV+RPGで6時間である。これが7,140円(税込)なのである
6時間といえば朝飯を食べた後このゲームを買い、怒りで味がわからない昼飯を食べ、怒りが悲しみに変わる頃、そう、夕方前に終わる
これが7,140円(税込)なのである
他にも長く、回数が多過ぎるロードやフリーズは標準装備
データ解析すると本作と関係無いアニメのOPが入ってるとネタに事欠かない
某ゲーム雑誌に「すべてクリアするのに60時間」かかるという情報を申告したこと
そしてネットラジオでゲームの出来を自信満々に語る開発者等、ゲーム本編以外でもクソさを発揮

さて、如何にクソであるかわかって頂けたであろうか
絶望に沈んだ本作のスレで以下のような名言が生まれた

「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ
どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ
時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ」

こういうゲームなのである

クソゲー7英雄はどれも大賞を狙える器である中、ヌギャーが大賞となった
どれも素晴らしいクソゲーばかりだが、「隙の無い純度の高いクソゲー」であったのが勝因だろうか
四八ショック、クソゲーの大漁とまるで世界情勢のように安定が見えないクソゲー事情
2009年度はどうなってしまうのであろうか…

最後に、冒頭でも使った言葉で閉めたいと思う
もしこれを読んだ貴方が今後つまらないゲームと出会ったとき、ヌギャーを、次の言葉を思い出して欲しい

「どうしようもないクソゲーは存在する」

その26 クル・ヌ・ギ・ア大賞ver

四八(仮)の圧倒的クソ力に2007年クソゲーオブザイヤーは締めくくられた。
疲弊したスレ住民たち誰もが思った。「去年があれだったんだ。今年は不作に違いない」と(通称:四八ショック)。
それが浅はかな考えだったことも知らずに・・・。こうして2008年のクソゲー戦争は幕を開けた。

残雪目立つ戦場に、早々と芽吹くようにクソゲーどもが襲来し始める。
ストライクかボールかが投げた瞬間にわかるシステム、野球盤の如きバッティング判定、
一試合二時間越えのリアル野球を体験可能な一品である『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』。
32人同時オンライン対戦を宣伝しながら、製品版では削除し、文句を言ってきた消費者を
クレーマー扱いする、
制作側がもはや詐欺レベルの『メダル・オブ・オナー・ヒーローズ2』。
死人が生き返り、「テキストがまだない」などとほざき始める、不条理すぎる謎解きや3D酔いなどにより
推理ADVとして破綻している『奈落の城 一柳和、2度目の受難 』。
キャラクターがキモく、収録されているミニゲームが総じて悪質なバランス、操作性を誇る、
子供泣かせのパーティーゲーム『プレイグラウンド ~公園で遊ぼう!~』などが候補としてあがる。

しかし、四八ショックにより目が肥えてしまった住民たちにはどれもイマイチで、
並大抵のクソゲーではノミネートすら危うい事態に陥っていた。

小物たちの競り合いに、突如としてファミ通レビュー13点という旗を掲げて出撃した『大奥記』にスレも色めき始めた。
表情変化のないキャラを、自動ドアだらけの大奥内をホバー走行しつつ延々と証言を集めるゲーム性に、
『ひたすらサマルトリアの王子を探し続ける作業ゲー』とまで言われるほどの納得のクソさを見せ付ける。

平和だった箱○陣営にも、オン対応麻雀ゲームと称して刺客『ジャンライン』が送り込まれた。
頻発するフリーズ、不親切なオンの仕様、出来の悪いシステムにより対戦ゲームとして認められないレベルであり、
音声は社員ボイス、あげく公式ブログを麻雀素人が書いていたことが発覚するなど話題性にこと欠かなかった。

大奥記よりもさらに低いファミ通史上最低タイの12点を叩きだした『プロゴルファー猿』が満を持して戦線に乗り込む。
たったのキャラ6名(実質4名)、長いロード、意味不明な選択肢、10分でクリアなどは言うに及ばず、決まった場所にしかショットできないという
ゴルフとして成り立たないシステムに、さすがの任天堂も「なりきりゲーム」としてのジャンル分類を余儀なくされた。

2008年も残り僅か、スレ住民の警戒心が一気に高まる。
彼らが忘れるはずもない・・・年末には魔物が出現することを・・・。

開幕を務めた者が凶悪なバグという名の力を身につけ復活した。『メジャーWii パーフェクトクローザー』の台頭である。
バットが変形したり野手がフェンスを貫通するなど序の口。華麗に回転しながら捕球すると芸術点によりアウトが一つ加算される、
ボール球を投げると高確率でフリーズする、球がそれると時間が巻き戻ってエラーしなかったことになる、
審判とバッターがピッチャーにケツを向けた状態で試合が進行するなど、もはや野球を超越した何かがそこにはあった。
「制作 ドリームファクトリー」の文字が流れるスタッフロールはさながら戦犯名簿。

クソを排出するだけが勝利手段だとだれが決めた?『ジャンライン』が修正パッチによりプレイヤーを更なる深淵にいざなう。
もとより問題のフリーズ発生率は高まり、亜空カン、牌融合、ロンしようと思ったらツモられていたなどの理解不能な状態が発生。
余りの異次元麻雀っぷりに「これは麻雀ではない、ジャンラインだ」と現実逃避するプレイヤーがあとを絶たず。
時間差で攻撃をしかける様はさながら二段分裂弾頭ミサイル。容赦ない二発目がクソゲーハンターたちの戦場を席巻する。
パッチでバグが強化されるなど誰が想像するだろうか。超えてはならない一線(ライン)、それを侵してしまったのが『ジャンライン』なのだ。

年の瀬の決戦、この二つのクソは幾度もぶつかり合い、苛烈を極めた。

この阿鼻叫喚とする激戦を支配した猛者が存在した。
今年のクソゲーオブザイヤー大賞を受賞した『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』である。

まずパッケージからして秀逸である。タイトルと絵師で転生學園シリーズの続編だと勘違いさせる気みえみえ。
ストーリーはなんら學園に関与しないのでもう確信犯としか思えない。
いざゲームを始めるとアイディアファクトリーのロゴとともに地獄のRPGもどきが待ち受ける。
無意識レベルで拒絶反応を引き起こす電波シナリオはWikipediaで調べれば構築可能なほど設定が浅く、
似合わない声でムダにフルボイス化されたADVパートとともにプレイヤーに精神的苦痛を与え続ける。
肝心の戦闘はRPGツクールでつくったのかと疑うレベルのクオリティの低さで、
敵グラがアニメーションする時点でゲームボーイ版ドラクエ3のほうが数段上といえよう。
悪質なテンポと中二病たっぷりの必殺技、マヒ+オート戦闘でラスボス撃破可能という戦闘バランスも見逃せない。
キャラクターたちにいたっては設定と行動が支離滅裂、出会った次の瞬間に旧知の仲や恋人になるなど日常茶飯事。
あまりの苦痛に見ているだけでも金をくれと言いたくなる出来に、
「何度も言うが買おうか迷ってる奴は本当にやめとけ。どうしても数千円ドブに捨てたいのなら実際にドブに捨てろ。
時間の浪費がないだけそっちのほうが建設的だ。」という名言が生まれるほどだ。
たった6時間でクリアでき、やりこみ要素皆無なうえに驚きのフルプライス7140円。
データ上に関係ないアニメのOPムービーが存在しているなど探せば探すほどクソさが増してゆく素敵仕様である。

クソゲーとはなんなのか?

例年だったらオブザイヤークラスのはずのクソどもの泥沼化した戦いに終止符を打とうとした戦士たちは答えをもとめる。
クソとは見ただけで不快なもののハズでは?ゲームとして成立しないものはクソ´ゲー´ではないのでは?
バグに頼らず、ゲームとしての形を残し、見た瞬間にだれもがクソゲーだと認める要素のみに拘った最終兵器、ヌギャー。
その存在が、一つの回答として後世に語り継がれるのであろうか。

クソゲーがこの世からなくなることは無い。人々から争いがなくならないように。
明日になれば明日が、その次の日になればその時が「今」である。

そう、

『 真 の 地 獄 は こ れ か ら だ 』

その27 メジャー2受賞ver

2007年の覇者『四八(仮)』がKOTYに与えたショックは大きかった。
物語、システム、バグ、メーカー対応、制作者の香ばしさなど全方位に渡ってクソ。
クソゲーが出にくいADVというジャンルの不利を物ともせぬ十年に一つの逸材を体験し、人々は恐怖した。
「我々は以前のようにクソゲーを楽しむ事は出来ないのでは」
「四八に比べれば、どんなクソが来ても色あせて見えてしまうのでは」と。

そんな冷え切った空気の中、2008年の開幕投手を務めたのが『メジャーWii 投げろ!ジャイロボール!!』だ。
投げた瞬間に分かるストライク判定、1球1球の投球・打球に挿入されるデモ、ストーリーはおまけとでも言わんばかりの極限圧縮。
一試合に二時間以上かかるというリアリティは、ネタとして楽しめる範疇でなく本気で辟易してしまうほどの玄人志向を突きつけた。

続いて現れたのが、『奈落の城 一柳和、2度目の受難』。
本格推理ADVを自称しているが、推理の余地もなく総当りしかない捜査、見にくく迷って酔うばかりの3D移動、解読不能な暗号、
真犯人の正体や動機がノックスの十戒も呆れる反則技と、「本格」の前に「新」の字を入れ忘れたとしか思えない。
さっき死んだばかりの人が平気で屋敷内を歩いており、自身の死について聞き込みすると「テキストがまだ無い」と語る衝撃の展開が来ようとは、
どんな名探偵にも推理できなかっただろう。

だが、スレ住人は手放しで喜ぶ事は出来なかった。
こんなものではない。KOTYとなるクソゲーがこの程度であるはずがない。
四八の存在が、まだ人々の心に影を落としていたのだ。

そんな長すぎる厳冬に飢える6月、ようやく遅咲きの春が訪れた。二年の長きに渡り延期を重ねた超大作『大奥記』の上洛である。
大奥での女の争いという誰が喜ぶんだという題材。膨大な空き部屋とロードに耐えつつ聞き込みをする「延々サマルトリアの王子を探すだけ」なゲーム内容。
歩行はホバリングで襖は自動ドア、キャラは終始無表情と、二年も時間をかけたのは尻のポリゴンだけなのかと思える質素さ。
さすがファミ通レビューであの伝説クソゲー『デスクリムゾン』に並ぶ13点を叩き出しただけの事はある。
ゲームのクライマックスは問い詰められての申し開きなのだが、あまりのクソさに開発会社がリアル申し開きを始める事態まで引き起こした。

上半期の作品ながら、今年はこれで決まりかと皆が思い始めていた。……が、クソゲーはそんな底の浅い物ではなかったのだ。
テーブルゲームというADV以上にクソが出にくいジャンルから、『ジャンライン』が颯爽と現れた。
フリーズ頻発、点数計算が異常、同プレイヤー同士の連戦不可と、様々な要素で360の麻雀好きたちの気持ちを逆撫でする一方、
発売日に謝罪文を出したり、素人ボイスをダウンロード販売したと思えばデータが重複してたと返金対応、
公式ブログを麻雀素人が書いてる事をカミングアウトするなどのツンデレっぷりがスレを賑わせる。

クソゲーをコンスタントに輩出する老舗・アイディアファクトリーも、満を持してKOTYに名乗りを上げた。
常に低水準ながら一線を越えず、ファン層すら存在した同社だが、『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』は
そんな菩薩のようなファンたちも「買って金をドブに捨てたいのなら、実際にドブに捨てる方が建設的」と発言するほどの瘴気を放っていた。
転生學園シリーズの絵師を起用しタイトルも似ているが、シリーズ関係ないだけでなく、学園物ですらない。
出会った瞬間に恋人になるスピーディーな展開で、クリアまでたったの6時間。ラスボス戦でもマヒさえさせれば後はトイレに行ってても勝てる戦闘。
合体技での「友情パワー」「魅惑的殺人(チャーミングマーダー)」など、敵よりプレイヤーにダメージを与える痛いセリフ。
どこを切ってもクソ要素という隙のなさはさすが老舗、円熟の技と言えよう。

ところで「クル・ヌ・ギ・ア」とは平たく言えば地獄の事。
以降、「真の地獄(クル・ヌ・ギ・ア)はこれからだ」とのフレーズが囁かれたが、まさにKOTYはその通りの展開となった。
名作ゴルフ漫画が原作の『プロゴルファー猿』が、ファミ通レビュー史上初のオール3点を成し遂げたのだ。
原作物ながらストーリーモードなし。使用キャラがたった6人の上にしょっぱい顔ぶれ。
肝心のゴルフも打てるポイントが数ヶ所しかなく、誰が打っても全く同じ場所に玉が落ちる事がしばしばの、双六のようなゲーム性。
その結果クル・ヌ・ギ・アを遥かに超越した、クリアまで10分という前代未聞の記録を打ち立てた。ジャンルが「ゴルフ」でなく「なりきりゲーム」というのも頷ける。
そんな内容を想像させないPVの素晴らしいクオリティーを讃え「ワイは詐欺や! プロモーション詐欺や!」の名言も生まれた。

しかし、である。それすらまだ「真の地獄」には程遠かった。ここまでクソゲーが並び、12月を迎えたというのに、今までは前座に過ぎなかったのだ。
「年末には魔物が潜む」、この言葉は今年も正しかった。

魔物の一体は『ジャンライン』。前に聞いた名前だ、と思うかもしれない。しかし奴は以前の奴とは違っていた。パッチが当たったのだ。
パッチはゲームを改善するための物で、通常ならそれによりクソ度は薄められる。
実際『ダービータイムオンライン』は出走していない馬が優勝する、0着が存在、レースで同じ馬だらけと、
どれ1つ取っても競馬の概念を覆すクソゲーでありながら、改善されたためにノミネートを逃している。
しかしジャンラインは違った。パッチを当てた結果、以前とベクトルの違うクソさを発揮するという信じられない変貌を遂げたのだ。
麻雀は牌を集めて役を作るゲームだが、同種の牌を集めようとしたら勝手に違う牌が混ざったり、他人の牌を奪ってしまい数がおかしくなり二人とも勝てなくなったり、
並んでる牌が1つおきにしか選べなくなったり、選択肢に「はい」だけが3つ並んでいたり……
それは「進化するクソゲー」という、新たなクソゲーの可能性であった。

もう一体の魔物は『メジャーWii パーフェクトクローザー』。これまた聞き覚えのある名だ。
あの2008年クソゲーの開幕投手を務めたメジャーが、携帯ゲームで1作中継ぎを経て(これもクソゲーだった)、そしてタイトル通りにKOTYのクローザーとして降臨したのだ。
1作目から開発会社を変えるにあたり、わざわざクソゲーマイスターの「ドリームファクトリー」を採用するところにタカラトミーの本気さが伺える。
ドリフ側もプログラマーを3人しか投入しないという万全の体制でこれに応え、まさに「追求したのは本格クソゲー」という言葉が相応しい剛速球のクソが爆誕した。
バッターは後ろ向きにかまえ、ピッチャーは首が180度反転し、キャッチャーは光速でセンター前ゴロを取りに行き、ランナーは勝手に走塁してはアウトになり、
野手は回転しながらのジャイロキャッチで一度に2アウトを取る。そこには我々の知らない野球の姿があった。
大きく逸れた悪送球がいつの間にかナイスキャッチされてたり、大量リードしていたのに延長戦に突入するなど、因果律さえ通用しないのだ。

あまりにも格が違いすぎて11月までのソフトは脱落し、KOTYは2匹の魔物の一騎打ちとなった。
……しかしメジャーの、バッターや審判が揃って尻を向け、主人公吾郎の首が反転する、それらの画像のインパクトはあまりにも強力だった。
また映画とのタイアップで多くの子供のクリスマスを台無しにした事や、公式サイトがアクセス不能になり
大晦日にもバグが報告されるなどの不断の燃料投下が、人々の心に熱い物をたぎらせた。
そして――戦いは決した。この激しい鍔迫り合いを制して、晴れて2008年のKOTYに輝いたソフトは、『メジャーWii パーフェクトクローザー』。
関連作も含めれば、年に3度もファンに煮え湯を飲ませたその鬼畜っぷりは、85年阪神の3連続ホームランのように、長く人々の記憶に残るところとなるだろう。

ジャンラインは実力で決して劣るものではなかったが、麻雀はルールを知らぬ者も多くクソさが伝わりにくい事があり、
また「これはアプリの不具合に近く、クソゲーとは違うんじゃないか?」という意見も出た。
それらはテーブルゲームというジャンルに根を張る問題であり、接戦のためジャンルの不利が勝負を決める結果となった、と言う事が出来よう。
だがメジャーがいなければジャンラインが栄冠を得たであろう事は間違いなく、その異形いや偉業は忘れてはならない。
KOTY史に残る名勝負に、「神はなぜ同じ時代にこの2つのゲームを送り出したのか」と人々は(とりわけ購入者は)涙したという。

振り返れば2008年は年頭の不安とは裏腹に、クソゲー七英雄と呼ばれるほどの多くのクソゲーを輩出した実りの多い年となった。
そして我々は知った。クソゲーはいつでも我々の前に戻ってくるのだ、と。ジャンラインやメジャーがそうだったように。

「あれが最後のクソゲーとは思えない。第2第3のクソゲーが、いつまた現れないとも限らないのだ」

その28 メジャー2大賞ver

2007年の覇者『四八(仮)』の衝撃がおさまらぬスレ住人たちをよそに、
新たな年のクソゲーはすでに動き始めていた。

2008年の開幕投手を務めたのは『メジャーWii 投げろ! ジャイロボール!!』であった。
投げた瞬間に分かるストライク判定、1球1球の投球・打球に挿入されるデモ、原作ストーリーはオマケとでも言わんばかりの極限圧縮。
1試合に2時間以上かかるという無駄なリアリティは、苦痛以外の何物でもなく、
「あれ? 外で野球やった方が楽しいんじゃない?」と気付かせてくれる教育的な要素もあった。

続いて『奈落の城 一柳和、2度目の受難』の登場である。
本格推理ADVでありながら推理の余地もヒントもほとんど無く、総当りの捜査を強要され、3D移動に酔い、解読不能な暗号に立ち尽くす。
さっき死んだばかりの人が平気で屋敷内を歩きまわり、自身の死について尋ねると「テキストがまだ無い」と語る衝撃の展開は、
名探偵でなくとも「フラグ管理のミス」だと分かる(挽回)不可能犯罪だった。

そして、2年の延期を重ねた超大作『大奥記』の上洛である。
なぜ大奥なのか? どうして女の争いなのか? なぜ空き部屋だらけで、ロードが長く、ホバリングのように歩いたり、
自動ドアのように襖が開いて、キャラは無表情で、テキストの字を間違えるのか?
そもそも「2年間なにやってたのか?」と問い詰めたくなるが、おそらく『大奥記』だけに「申し開き」のしようもないであろう。
ファミ通レビューであの伝説クソゲー『デスクリムゾン』に並ぶ13点を叩き出し、発売前日に提示された買取価格が「200円」という怪挙を打ち立てる。
バカ殿も逃げ出す「クソ大奥」がここに存在した。

もしかして「『大奥記』で決まりなのか?」そう思い始めていた……そんな時

ADV以上にクソが出にくいとされるテーブルゲームから、『ジャンライン』が不気味な牌音を響かせて、何も知らない被害者たちの背後に忍びよっていた。
麻雀というありふれたゲームでありながら、フリーズ頻発、点数計算の異常、同プレイヤー同士での連戦不可、発売日に謝罪文を出し、
素人ボイスをダウンロード販売したものの即中止・返金という、律見江ミエでなくても「ちゃい」したくなるようなクソっぷりに、
360の雀士たちはハコテン以上の地獄を体験し、多くがしずかに牌を伏せた。
しかし「公式ブログは麻雀素人が書いてました」とカミングアウトしてしまう「裏ドラ」はいくらなんでも「多牌」であった。

そしてアイディアファクトリーである。クソゲーをコンスタントに輩出する老舗も満を持してKOTYに名乗りを上げた。
常に低水準ながら一線を越えず、ファンすら存在した同社だが、『神代學園幻光録 クル・ヌ・ギ・ア』はそんなファンたちでさえ
「買って金をドブに捨てたいのなら、実際にドブに捨てる方がマシ」と発言するほどの瘴気を放っていた。
転生學園シリーズの絵師を起用し、タイトルも似せていながら、シリーズとはまったく無関係なばかりか学園物ですらない。
出会った瞬間に恋人になるスピーディーな設計と、ラスボス戦でもマヒさせれば勝てる親切すぎる戦闘システムで、
ADV+RPGでありながら「メジャーWiiの3試合分」まさかの6時間クリアを可能にした。
合体技での「友情パワー」は、挿入されるチープな絵と、「魅惑的殺人(チャーミングマーダー)」といった痛いセリフで敵よりもプレイヤーにダメージを与えてくれる。
老舗の手による隙のないクソ要素は、「とにかくプレイするのが苦痛」という境地まで達していた。

これ以降「真の地獄(クル・ヌ・ギ・ア)はこれからだ」とのフレーズが囁かれるようになったが、それはまさにKOTYの未来を予言する言葉となってゆく……

ファミ通レビュー史上初のオール3点というミラクル・ショットで、あの名作ゴルフ漫画が原作の『プロゴルファー猿』がギャラリーを震え上がらせた。
原作物でありながらストーリーモードは無し。使用キャラはしょっぱい顔ぶれの6人だけ。
肝心のゴルフも打てるポイントが限定され、誰が打っても全く同じ場所に玉が落ちるといった双六のようなゲーム性。
その結果『クル・ヌ・ギ・ア』をはるかに超越した、クリアまで10分という前代未聞の記録を打ちたてた。
ジャンルが「ゴルフ」でなく「なりきりゲーム」というのも納得ではあるが、そんな内容を想像させないPVの素晴らしいクオリティーをして
「ワイは詐欺や! プロモーション詐欺や!」という名言を生み出している。

しかし、しかしである。これでもまだ「真の地獄」とは言えなかった。
ここまでクソゲーが並び、12月を迎えても、「年末には魔物が潜む」という言葉は今年も正しかったのである!

最初の魔物は『ジャンライン』といった。そう、前に一度、我々が目にしたあの『ジャンライン』が、ダイジョーブ博士の緊急手術を受け、完全復活を遂げていたのである。
ゲームのバグ・不具合を改善するためのパッチを当てられた新生『ジャンライン』は、麻雀の素人が見ても楽しめるよう、
視覚に訴えるクソゲーとして、まさかのパワーアップを遂げていた。
同種の牌を集めようとしたら勝手に違う牌が混ざる、他人の牌を奪ってしまい数があわなくなる、
並んでる牌が1つおきにしか選べなくなる、選択肢に「はい」だけが3つ並ぶ……
出走していない馬が優勝するという、競馬の概念を根底から覆したクソゲー『ダービータイムオンライン』でさえ、パッチによって改善されノミネートを逃している。
パッチで改悪……これは「進化するクソゲー」という新たなクソゲーの誕生であり、
麻雀でいうところの「ダブロン」……というより奇跡の「ダブル・チョンボ」という悲劇であった。

そして後に控えし魔物は『メジャーWii パーフェクトクローザー』、あの2008年クソゲーの開幕投手を務めたメジャーが、
携帯ゲームで1作の中継ぎを経て、タイトルどおりKOTYのクローザーとしてマウンドに降臨したのである。
1作目からの開発会社を変えるのに、わざわざクソゲーマイスターの「ドリームファクトリー」を採用するあたり、
「もう1点もやらない」というタカラトミーの本気がうかがえる。
ドリフ側もプログラマーを3人しか投入しないというクソゲーシフトでこれに応え、まさに「追求したのは本格クソゲー」という言葉が相応しい剛速球のクソが爆誕した。
バッターが後ろ向きにかまえ、ピッチャーは首が180度反転する。キャッチャーは光速でセンター前ゴロを取りに行き、
ランナーは勝手に走塁してはアウトになる。外野手は回転しながらのジャイロキャッチで1度に2アウトをとる。
大きくそれた悪送球がいつの間にかナイスキャッチされてたり、大量リードしていたのに延長戦に突入するなど、
「あれ? 僕の知ってる野球と違う?」と気付かせてくれる教育的な要素もあった。

こうして、このあまりにも格が違いすぎる2作品の出現によって、11月までのソフトはすべて脱落し、KOTYは2匹の魔物の一騎打ちとなったのである。
スレでは激しい議論がおこなわれ、被害者たちは声を枯らし、疲れきった戦士たちはやがてひとり去り、ふたり増え、ますます収集がつかなくなっていった……

しかし、衝撃的すぎるインパクト映像と話題性、映画とのタイアップで多くの子供がクリスマスを台無しにした事や、公式サイトがアクセス不能になったり、
大晦日にもバグが報告されるなどの不断の燃料投下が、この激しい接戦を制する大きなカギとなった。

勝者『メジャーWii パーフェクトクローザー』
この果てしない延長戦を戦った好敵手『ジャンライン』も、年が違えば優勝できたであろう強者であった。
KOTY史に残る名勝負に、「神はなぜ同じ時代にこの2つのゲームを送り出したのか」と人々は(とりわけ購入者は)涙したという。

振り返れば2008年は念頭の不安とは裏腹に、クソゲー七英雄と呼ばれるほどの多くのクソゲーを輩出した実りの多い年となった。
そして我々は知った。クソゲーはいつでも我々の前に戻ってくるのだ、と。