2021年 次点

概要    

名称Urban Street Fighting (アーバンストリートファイト)画像 [外部リンク]
ジャンル格闘
対応機種NintendoSwitch
発売元Pix Arts
開発元Pix Arts
発売日2021年03月18日
価 格749円(税込価格)、DL専用
対象年齢IARC:12才以上対象

参考動画    

有志によるプレイ動画

選評    

選評1    

アーバンストリートファイト 選評

メーカー pixarts
プラットフォーム switch
発売日 3月18日
価格 749円

●概要
海外e-shopにて今年の1~2月の間だけでなんと20本近くの作品を連続リリースした新進気鋭のインディーズメーカーpixartsによる2人用2D対戦格闘ゲーム。

●ゲーム説明
6人のファイターから2人選んで戦う(ミラー可)オーソドックスな内容。
PVPとCPU戦の2つのモードがありCPU戦はオプションで6段階の難易度を選ぶことが出来る。
攻撃をヒットさせていくと画面下のゲージが溜まっていきマックスまで溜まると特定のコマンドを入力することで超必殺技を発動可能。

●操作方法
本作の問題点の都合上ざっくりとした説明より詳細なものを作った方が他のプレイヤーにとって有益だと思ったので別なドキュメントに操作方法をまとめた。
そちらを参照して頂きたい。

●ファイター紹介
MIKE
ストアのトップページにも登場する本作の主役格と思われるファイター。
なんの特徴もないモブ顔だが唯一戦闘開始時に専用モーションがあり必殺技も2つとやたら優遇されている。

MECANIM BOT
あからさまにUnityのモーションテスト用のキャラをそのまま流用した春麗っぽい技を使うロボ。
弱パンチはモーションの発生が非常に速く相手を仰け反らせジャンプしたタイミングで当てない限りダウンを取らないのでNPC戦なら前進しながら連打するだけで最高難易度でも完封出来てしまったりする。

SOCCER BOY
澤穂希に似ている。
名前に反してサッカー的な技は一切使わない。

SWZAN
紫モヒカンの黒人女性。
SOCCER BOYもだがY連続入力時に真顔で画面正面を向きながら足を振り回すのがかなりシュール。

ETHAN
YでMECANIM BOTを召喚して飛び道具扱いで攻撃出来るサイバー風のサングラス男。
超必殺技はMIKEとMECANIM BOTを召喚して一緒に超必殺技を撃たせるというもの。

BOXER
ボクサーだが何故かETHANと同じくYボタンでMECANIM BOTを召喚して攻撃出来る。
唯一勝利ポーズが無かったりしゃがめなかったりジャンプの入力が共通じゃなかったりと冷遇されている。

本作には先行発売されたsteam版がありこちらにはこの6人に加えてDRIVERとROBOT KYLEというキャラが存在していたようなのだが何故か削除されてしまった。
(もしかしたら隠しキャラ扱いで出現方法に気付いてないだけかもしれないが…)

●問題点
◆操作説明がない
ゲームを起動するとまずぶち当たる壁。
上述の通り操作方法のドキュメントを作ったがこれは筆者が調べて纏めたもので、ゲーム中では一切コマンドやルールの説明がない。
その為パンチの弱中強の区別はこれで正解なのか、超必殺技の発動条件とコマンドはあれで良いのか、他の必殺技コマンドや投げといった要素は存在しないのかは筆者も正直不明瞭だ。

◆トレーニングモードがない
操作説明がないのでトレーニングモードで技の確認をしておきたいところだが本作にあるのはPVPとCPU戦のみ。
トレーニングモードなどという親切なものは用意されていない。

なので黎明期の格ゲーのようにPVPをソロでプレイして擬似トレーニングをするしかないのだがPVPをソロでプレイすると、とあるバグがプレイヤーに襲いかかる。

コントローラーを1台しか接続していない状態でPVPを行うと、2Pも1Pの操作に連動してしまうのだ。

つまり相手に妨害されず一人静かに操作の確認をしたいと思ったらいちいちコントローラーを2台接続しなければならず、練習するだけでも準備が煩わしい。

◆キャラ性能について
擬似トレモで6人のキャラの性能を試していると、どのキャラも似たようなモーションをしている事に気付く。

実はMECANIM BOT、SOCCER BOY、SWZANは性能が完全に同じ。
格闘ゲームに於いて微妙に性能の違うコンパチキャラはよくあるものではあるが、この3人は攻撃力の違いや技の発生の速さといった差別化点も一切ない。

BOXERとETHANも同じだ。
しかしこちらはBOXERだけETHANの性能そのまましゃがみがなく(つまりしゃがみ技もなく)、ジャンプも共通操作ではなく超必殺が用意されていない、とこれなら全部同じだった方がマシな完全下位互換になってしまっている。

結果このゲームで使用出来るキャラは6人と言いながら事実上3人(+劣化キャラ1人)しかいない。

◆中断がない
一般的な格闘ゲームなら+ボタンを押すと大抵はポーズになると思うが、本作では対戦中に+を押すと警告無しにいきなり戦闘を終了してメニュー画面に戻ってしまう。
本作でプレイを中断したいと思ったらHOMEに戻すしかない。

◆背景
urbanのタイトル通り本作は5つの寂れた街のステージが用意されている。
特にギミック等もなく到って普通の背景なのだがステージ4だけは別だ。

このステージの右側に配置されているオブジェクトは何故か操作キャラより前に配置されておりこのオブジェクトと重なると操作キャラが全て隠れてしまう。

ステージはプレイヤーが任意で選ぶのでこのステージを選ばなければ良いだけの話ではあるが普通に2D格闘ゲームを作っていたらクソ要素にならない部分でしっかりクソ要素を配置していくところに作り手の尋常ではないセンスを感じざるを得ない。

◆サンプルゲーム流用
ここまで色々書いてきたが実はこのゲーム「Universal Fighting Engine」(https://forum.unity.com/threads/released-universal-fighting-engine.218123/) [外部リンク]
というUnityの格闘ゲーム製作用エンジンをUIやシステム、モーション、フォント等全てそのまま流用している。
どうやらコンパチキャラ達のモーションの基本となってるMIKEやMECANIM BOT、ETHAN、没キャラのDRIVERはROBOT KYLEはこのアセットにテスト用として収録されているサンプルゲームのキャラのようだ。
(ちなみにETHANはUnityの標準アセットのキャラだったりする)

実際に開発者自らが手を加えた部分は背景とコンパチキャラにモーションを当てはめる作業だけではないだろうか。
このような開発経緯だとBOXERだけ何故かETHANに比べて劣化になってるのも、無理矢理差別化点を作ろうとしてセンスがなかった訳ではなく、単にモーションの付け忘れやアセットの設定ミスが原因と容易に想像が付いてしまう。
トレーニングやポーズがないのも元のアセットにないからだろう。
PVPを1Pだけでプレイしようとすると2Pが連動するのもアセットがこの使い方を想定してないからだと思われる。

無論、サンプルゲームそのままである以上格闘ゲームとしての対戦バランスも考慮するに値しない。

アセットのエンジンをベースにゲームを作るのは今時珍しい事ではない。
有名なインディーズゲームも大手メーカーの作品も元を辿ればアセットがベースになっていたりする。
しかし本来はここからブラッシュアップを重ねてオリジナルの作品を開発していく訳で、その工程を省いてサンプルゲームそのままの内容を販売しているのだから、このクオリティの低さも当然の結果だ。

●まとめ
本作の問題点を挙げていくとそれは大体Universal Fighting Engineのサンプルゲームをそのまま流用していることに起因している。
しかしそれはあくまでUFEを使ってどういう事が出来るかを開発者に向けてデモンストレーションする為の作品で、本来ゲームとしての出来の善し悪しは関係ない。

つまり本当に問題なのは、サンプルそのままの手抜きとしか言いようがない作品をリリースしたpixartsというメーカーの姿勢、そのものである。
こうした理由もあって格闘ゲームとしてのシステムの不備やバランス等については、アーバンストリートファイトの問題点の本質ではないと考え、敢えて本選評ではあまり触れなかった。

そしてサンプルから付け足されたと思われる部分(コンパチキャラ、背景)にはしっかり不具合があり如何に適当な開発が行われたかが伝わってくる。

はっきり言ってSteamで問題となっているアセットフリップが何かの手違いでコンシューマーで配信されてしまったとしか言いようがない代物。
AAAグラフィックエンジンにAAA物理エンジンとe-shopの説明にはやたらと仰々しいワードが並んでいるが、本当にAAAだったのはこんなゲームを任天堂ハードで世界に向けて堂々と販売出来るpixartsの度胸だけだと断言出来る。

操作方法    

アーバンストリートファイト 操作メモ

共通
スティック左右 移動
同じ方向に2回 ダッシュ
スティック上 ジャンプ
スティック下 しゃがみ
後ろに下がる ガード
ゲージがマックスになったタイミングで236+ボタン(推測) 超必殺技(マイクのみ特殊)
移動、しゃがみ、空中時に攻撃するとそれぞれ技が派生する

MIKE
A 弱パンチ
B 中パンチ
x 強パンチ
Y キック
L キック(Yと同じ)
R 回し蹴り
236+ボタン 波動拳もどき
623+ボタン 昇竜拳もどき
ゲージマックス時
236×2+ボタン 超必殺波動拳
623×2+ボタン 超必殺昇竜拳

MECANIM BOT、SWZAN、SOCCER BOY
A 弱パンチ
B 中パンチ
X 強パンチ
Y キック(連続入力で百裂キック)
L キック(Yと同じだが百裂キックに派生しない)
R 回し蹴り
超必殺 連続蹴り

コマンド入力が必要な技は多分ない
全員モーションも性能も同じ

BOXER ETHAN
A 弱パンチ
B ラリアット
X 回し蹴り
Y ロボ召喚(飛び道具扱い)
R 何も無し
L ジャンプ(ボクサーのみ)
236+ボタン タックル
ボタン入力で3段繋がり3段目が当たると相手を吹っ飛ばす
超必殺 ETHANはMIKEとBOTを召喚して超必殺を撃たせる BOXERは多分ない

モーションは同じだがBOXERはスティック上ジャンプ、スティック下しゃがみ、超必殺が何故か使用不可。
しゃがみがないので当然しゃがみ技も使用出来ない。