2018年 次点

概要    

名称RPGツクールMV Trinityhttps://store.playstation.com/ja-jp/product/JP0117-CUSA08027_00-FULLGAME00000000[外部リンク]https://ec.nintendo.com/JP/ja/titles/70010000006406[外部リンク]
ジャンルコンストラクション
対応機種PS4/NintendoSwitch
発売元株式会社角川ゲームス
開発元株式会社KADOKAWA、株式会社epics
発売日2018年11月15日
価 格7800円(税抜き価格)、パッケージ版・ダウンロード版
対象年齢CERO:A(全年齢対象)
参考XboxOne版は発売延期(2018年11月24日現在)

参考動画    

PV

OPムービー

選評    

選評1    

RPGツクールMV Trinity
販売:角川ゲームス
開発:KADOKAWA、epics
プラットフォーム:PS4、Nintendo Switch、Xbox One
販売形態:パッケージ、ダウンロード(Xbox OneはDL専)
価格:7,800円(税抜)

三機種とも2018年11月15日発売であったが、XBoxのみDL専用であったが、発売寸前で突如延期となった。
Switch版、PS4版は発売日にリリース。

●ゲーム概要
公式上のジャンルはコンストラクション。
名前の通りRPGの製作が可能な、ゲームを作るゲーム。
プログラムが分からなくても、初心者でも手軽にゲームがツクれる事が売り。
公式より抜粋すると…
「RPGツクール」は、
「プログラムを覚えないでゲームを作りたい」
「誰もが簡単にゲームを作ることはできないか」
そうしたユーザーの思いをかなえるために生まれた、簡単にオリジナルRPGを作ることができるソフトです。
との事。
家庭用(以下CS版)やPC版含め、新作も定期的に発売される比較的有名なシリーズである。
今作のコンセプトは【PC版の「RPGツクールMV」を家庭用に移植する】というもの。
「RPGツクールMV」とは2015年に発売されたPC版ツクールの最新作であり、国内外共にプレイヤーからの評価も安定している良ツールである。
CS版前作に引き続きの要素として、専用サーバへ完成したゲームをアップロードする事で他者がツクったゲームをプレイが可能。(PS4←→switch & Xboxでの互換性は無し)
またプレイ専用のプレイヤーも配信され、ゲームソフト本体が無くても遊ぶだけなら無料で可能。
(但し発売日と同時配信予定であったが急遽延期。配信日は11月20日現在未定)

●低評価点
問題になるのは大きく分けて下記の三点。
1.ロードが長くてやる気がツヅーカナイ。
2.UIに対する操作方法がお粗末で誤操作連発ツカーレル。
3.バグ満載でゲームがツクーレナイ。

まず1.であるが、まずデータベースを開くのに10秒、イベント一つ作る為のメニューを開くのに8秒。
テストプレイの起動にも10秒、その他何かと確定させるのに5秒程度と、とにかくロードでの待機が多い。
中でもイベント作成のロード時間は特に致命的で、たとえば村人一人置きたいと思ったらまず8秒。
中身をツクり、テストプレイ起動に10秒。
そして手直ししたいと思ったら、村人の編集画面開くのにまた8秒。
村人の設置位置を移動させたいと思ってもまた編集メニューに8秒。しかもイベントの移動というコマンドは無く、カット&ペーストを行う為、また移動先で貼りつけの為にメニューを開くのに8秒。
ちなみにツクールのプレイ時間とは製作ゲームのボリュームにもよるが作業時間は100時間はくだらないのが当たり前の世界である。
参考までに、CS版前作「RPGツクールフェス」のコンテスト受賞作品等は、どれも300~500時間、果ては999時間越え(カンスト)というものがズラリと並んでいた。
勿論、その中でイベントの作成時間が占める割合も多く、また思った通りに動かすには何度も何度も手直しをする事になるのが常である。
その大事かつ頻発する操作に、毎回8秒。
皆のやる気がツヅカナイのは想像に難くない。

次に2.ついてだが、まずツール系に求められるのは素早いゲーム制作の為の快適な操作方法である。
しかし今作は、画面毎に最適化されず形式的に同じ操作を手抜き導入したとしか思えない、快適さの欠片すら感じない操作方法が実装されている。
どの画面も中項目→小項目と決定ボタンで下項目へ潜っていきそして具体的な項目入力へ進む。
(大項目のみ別操作)
逆に上項目へあがる場合は、キャンセルボタンで移動しなければならない。
それだけなら画面デザイン次第では問題ないのだが、中項目上にフォーカスがあるのか小項目までフォーカスが潜っているのか、画面上では判断が非常に難しい点が、この操作を実に厄介な仕様に仕上げている。
この「画面上で中項目にいるのか小項目にいるのか判断が難しい」のにフォーカスの移動にキャンセルボタンを使用する為、「小項目にいるつもりでキャンセルを押したら、実は中項目だったのでそのまま画面が閉じた」という事が頻発するのである。
またフォーカスの移動も一癖もあり、各編集画面全体を確定するOKボタンやキャンセルボタンと、小項目の一つ一つが同じ階層で並んでいる為、不意の操作で意図せずOKボタンを押下してしまう事も多々発生。
(万が一イベント画面を誤操作で閉じたりすると、それでまた8秒のメニュー表示時間がセットでついてくるわけである)
しかもキャンセル系のボタンにも「保存されませんが閉じてもよいですか?」と言った確認ダイアログが出る事もなく、無慈悲に画面遷移する事が更に作業の巻き戻しに拍車をかける始末。
ボタンは有り余っているのに、ほぼ全てを決定とキャンセルだけで操作させようという手抜きっぷりが透けて見えるこの操作方法も、特にツール系のこのゲームでは致命的と言えるのではないだろうか。

そして3.についてだが、大小合わせると途方もない数のバグがありもはや列挙は不可能というレベル。
大きなところでだけでも、作業中に容赦なく襲い掛かる突然のフリーズ、果てはそしてハード側からのエラーメッセージと共に強制終了が頻発する悲惨さ。
その他、各機能面でも「回避した時」メッセージを設定しても、なぜか「反撃した時」のメッセージで上書きされたり、変数名を確定させても画面に反映されない。
特定の移動コマンドを使うと再度編集しようとしても設定変更ができなかったり、毎日誰かが何かのバグを発見しスレや某SNSで報告が上がる惨状である。
中でもお手軽に体験可能なフリーズバグに、所轄ぬるぽと思われるエラーがある。
データベースに登録した主人公やアイテム、タイルセットを、例えばイベント作成の中身で使用する。
その後、その使用したものをデータベースから削除し、使用したイベントを開こうとするとあら不思議、ぬるぽエラーの出来上がりというわけである。勿論フリーズ事になる。
(ぬるぽ…要約すると、使用しているものが見つからない為、「Null Pointer」参照先がありませんというプログラミングする上でよくありがちなエラー)
つまり、まるでリレーショナルデータベース内のデータを直接いじっているかのような、現役の技術者でもやらないスーパープレイを要求されるのである。
またセーブデータの破壊も見逃せない要素である。
ある日突然、ツクっていたゲームをロードしようとすると「データが破損している」旨のメッセージと共にロード不能に陥るというもの。
ゲームをツクるゲームをやっていたら、ある日ツクったゲームをゲームに破壊されるのである。
しかも別スロットへバックアップしデータを二重にしていても、セーブしたタイミングが同じなら次のロード時にはどちらも同じようにバグが起こるようで、ゲーム内のバックアップのみではほぼ対策不能。
またそのセーブデータ破壊バグは、現状条件不明であり、しかも度々発現し唐突に襲われるという代物で、全国のツクラーを震え上がらせた。
今作は「最後までゲームを完成させる。」もはやこれすらも保証されていないのである。

●高評価点
BGMの収録数は非常に多く、また内容も悪くない。(音質とループ設定が雑という問題付きではある)
素材数も種類豊富。(人外系のグラフィックの種類難あり等、完璧とはいいがたい)
DLCも予定されており素材の幅は広がる可能性が高い。
完成ゲームのプレイそのものは(今の所)目立った問題点は無し。
(ただし、そもそもゲームを誰もツクれないので誰も遊べていないだけで潜在的なバグは存在しているかもしれないのが現状)

●総評
ツール系のゲームにも関わらず意図不明のログインボーナス機能(一日一回素材入手する、最初に揃っているべき素材を出し渋る意味も分からなければ、入手した素材がどこにも追加されていないバグもあり)
アイテムの説明欄等明らかに改行可能な部分で改行できない不具合らしきものを、公式で「仕様」と言いきる。
他人の作品をDLすると自分の作品データに干渉してくるといったバグも存在し細かい謎や不満点も後を絶たない。
UIの操作性のクソさ、多大なロード時間、バグの嵐…。
これで大半の初心者ツクラーの夢を打ち砕き、これらを掻い潜ってゲームをツクろうとする猛者ツクラーすらもセーブデータ破壊バグで無に帰す。
ここで公式の謳い文句をもう一度確認しよう。
「RPGツクール」は、
「プログラムを覚えないでゲームを作りたい」
「誰もが簡単にゲームを作ることはできないか」
そうしたユーザーの思いをかなえるために生まれた、簡単にオリジナルRPGを作ることができるソフトです。
もはやこの物体は一体なんなのだろうか。何のために生まれたのか。
その答えは少なくとも私には見つかりそうもない。