2012年 次点

概要

名称時と永遠~トキトワ~http://www.amazon.co.jp/gp/product/B008N8TPK2/ [外部リンク]
ジャンルアニメーションRPG
対応機種PlayStation3
発売元バンダイナムコゲームス
開発元イメージエポック
発売日2012年10月11日
価格通常版:7980円、限定版:9980円(税込)
対象年齢CERO:C(15歳以上対象)

参考動画

PV

バトルムービー

要点

キャラモーションの全てが手描きで、フィールド移動やバトルシーンをアニメを動かしてプレイするという、今までに無いタイプのアニメーションRPG。
しかし発売前のPVから、誇大宣伝も大概にしろと言いたくなるお粗末な出来が露呈しており、いわゆる「見えている地雷」として期待危惧されていた。
いざ発売してみると、予想通りのアニメのクオリティの低さや作画枚数の少なさからくるカクカクっぷりに加え、RPGとしてもあまりにお粗末だったため更に大炎上。
声優好きからしても、口パクは完全無視、サブシナリオは声なしと散々な結果で、極薄内容の有料DLCを各500円(計2500円)で売り出す等、もはや擁護不可能。
スレでの呼称はそのまま「トキトワ」。ついでに、公式サイトのミニゲームでのトキの台詞「ひ、ひどすぎるよー!」が、本作を見事に表しているとしてテンプレ化した。

アニメーションの問題点

  • ユーザーからは、発売前の時点で完全に地雷と看破されていた。
    • それと言うのも、公開されたPVのプレイ画面が移動・戦闘シーン共にとてもアニメーションとは思えない不自然なカクつき具合であった為。
      • 原因は勿論作画枚数があまりにも少なすぎるせい。一昔前の、粗製乱造アニメが横行していた時代を彷彿とさせる。
      • 正直な話、動画サイト等で無料公開されている個人製作アニメの方が遥かに頑張っているレベル。
      • 戦闘アニメの作画に関しては、一部のユーザーから作画崩壊の酷さゆえ伝説のアニメ(悪い意味で)と呼ばれる「MUSASHI -GUN道-」級とまで呼ばれている。
    • そんな出来栄えに対して「PS3初のフルHDアニメーション」など、宣伝文句の誇張表現が甚だしい。
      • 通常、作中に流れるアニメの質が低くても別段評価に影響しないが、これだけ前面に推しておいてこのクオリティであるため突込みが入るのも仕方がない。
    • 以上の結果、2chのトキトワ本スレは当然の如く大いに荒れた。
      • それに加えて、まさか発売後に至ってまでそれ以上の問題でますますスレが大荒れすることになるとは流石に予想外。
  • 発売後、前述したPVで判明していたことに加え、致命的なまでに口パクと実際の声が合っていない事が明らかになった。
    • 「フルアニメーション」を売りにしている作品とはとても思えない雑仕事である。
      • 挙句の果てに、そもそも口パクすら無しで喋っている箇所すらある始末。
    • 他にも、キャラの視線が定まっていない、キャラクター間の距離感が明らかにおかしい等、突っ込み所を探せばキリが無い。
      • 距離感の問題はラスボス戦前の会話シーンで特に顕著。
      • 主人公とラスボスの距離があまりにも離れすぎているせいで物凄くシュールな場面になってしまっている。
  • マップの移動シーンでは真横に動くアニメーションを用意できなかったらしく、前進させることしかできない。
    • 具体的には、上方向ボタンが前進、左右方向ボタンが視点移動、下ボタンが後退、という操作方法。
      • 初期のバイオハザードでお馴染みの、いわゆるラジコン操作でプレイすることになる。
      • バイオは効果的な演出の為にあえてこの方法を取り入れたのであって、別に通常の操作法にすることが技術的に無理であった訳ではない。
  • 2chや動画サイトなどでは「PC-FX」時代の作品以下とも評されている。
    • ファンからすれば比較対象にされるのも失礼な話である。名作『虚空漂流ニルゲンツ』などと比べたらこの作品など足元にも及ばない。

RPGとしての問題点

  • 戦闘シーンがあまりにお粗末。
    • そもそも、今の時代にDQ1を彷彿とさせる1対1でしか戦えない戦闘を実装することからして突っ込みたくなること請け合い。
      • 複数敵がいる場合でも、1匹倒し終えたらまた敵が現れての1対1での戦闘が続くため非常に戦闘が長くなりグダグダになる。
      • もちろん敵から逃げることも出来るのだが、逃亡時にお金を失う仕様がそれを妨げている。
      • 一戦闘で手に入る金額は数十程度であるのに対し、逃げてしまうと一気に数百程度失うこともあるので非常に割に合わない。
      • 後述するが、本作では武器や防具の攻略を占める比重がとても高いので、ますます資金を失うわけにはいかなくなる。
      • 逃走時に落とす金額は現在持っているお金の割合で決まるので、アイテムを無駄に大量購入してお金を使っていれば一応回避はできる。
    • 戦闘中に自キャラが取れる行動は、前進と後退+攻撃・防御・回避、加えてカウンターの6通り程度。
      • 最初は好意的に見ていたプレイヤーもいたが、あまりにも戦闘中にやることが少ないため早々に飽きてしまった。
    • 敵キャラの種類も多いとは言えず、色違いを除いた敵のバリエーションはボスモンスターも含めて20体程度しかない。
      • その上敵の攻撃パターンも単調。一部のボスモンスターを除き、モンスターは一定の動きしかしてこない。
      • そのため一度攻撃パターンを覚えてしまえば、決まったタイミングで回避しつつ攻撃を繰り返すだけの作業と化す。
    • 戦闘時の声のバリエーションも非常に少ない。
      • 止まらないわよ!止まらないわよ!止まらないわよ!」という、同じボイスパターンを繰り返すシチュエーションが毎回のように発生する。
  • FC時代さながらの、パラメーターがほぼ一緒の敵が多数存在する。
    • 例えば、最初の島であるオサ島に出現する二体「ストレイゴーレム」と「ジャイアントインコ」は、種族と属性値以外完全に一緒。
      • 具体的にはHP・近接攻撃力・遠距離攻撃力・魔法攻撃力・防御力・魔法防御力、更に、得られるお金・GP・経験値・落とすアイテムに至るまで全く一緒
      • ちなみに、ジャイアントインコは魔法を使ってこないのに魔攻の値をそのまま持ってきている。
    • 近攻と遠攻が攻略本の表記だと分かれているが、この2つの値はどの敵も同じであり、異なったパラメーターを持つ敵は存在しない
      • だったら「攻撃」と一つに纏めればいいのではないだろうか。
      • 恐らく、当初は個別に設定するつもりだったのを途中で諦めた結果だろうが、何もあからさまに自らの手抜き仕事を公開する事はないのでは。
  • 戦闘バランスが滅茶苦茶。
    • 装備品を一つ上のものに替えるだけでキャラクターレベルを数レベル上げたのと同程度の効果を得ることが出来るため、レベルを上げる必要性が薄い。
      • ただし、これは最近のRPGならよくある仕様とも言える。もちろん、ここまで極端に差が出る作品は少ないが。
    • 敵キャラの経験値設定もずさん。序盤の雑魚敵と終盤の雑魚敵が持つ経験値の差はごく僅かしかない。
      • 序盤の敵から手に入る経験値が一匹あたり80程度であるが、終盤まで進んでもこれが160程度に増えるだけ。
      • その割りに敵のパラメータだけはしっかり増えるため、序盤は数十秒で終わる戦闘が終盤だと数分かかる事もしばしば。
      • レベルを上げたいなら、比較的序盤の敵を延々と殴る単純作業を行うのがもっとも効率的。
    • 敵に与えるデバフ効果(能力ダウン系状態変化)の強さが狂っている。
      • 自分へのバフ効果(能力アップ系状態変化)と合わせてデバフを1回行うだけで、一度に数百受けていた被ダメージが一気に0になる。
      • ゲームを通してこのようなバランスであるため、攻撃ダウンと防御アップを重ねるだけでラスボスもノーダメージで倒せる。
      • ラスボスはゲーム中で推奨レベル50以上と示されているが、「レベル30程度で防具を整えたら通常攻撃は0ダメージだった」との話もある。
      • 例え一度に数千程度の大ダメージを受けてしまう攻撃でも、やはりバフとデバフを重ねれば簡単に0ダメージにできてしまう。
      • 一応これらの強化・弱化には隙が生じるというデメリットがあるものの、後々使えるようになる時間停止魔法を使えば終盤でもあっさり重ねがけできる。
    • 攻撃魔法の威力が通常攻撃に比べて桁違いに大きい。
      • 魔法は通常攻撃などで貯まる「SP」を消費する必殺技のような扱いになっているのだが、それにしたって威力の差が異常。
      • 最初の攻撃魔法を覚える頃に通常攻撃で与えられるダメージは60~70程度。
      • しかしその時点でさえ、攻撃魔法を使えば4000ダメージというすさまじい威力を叩きだす。
      • このインフレ具合は物語が進むにつれて加速して行き、通常攻撃で300ダメージ程度与えられるようになった中盤には既に魔法ダメージは青天井。
      • 序盤の頃に覚えた魔法をそのまま使うだけで30000ダメージと、ダメージ量に100倍以上の差が出てしまう。
      • 稀に魔法が殆ど効かない雑魚敵も出現するが、元々通常攻撃ではろくにダメージが与えられないため戦闘が非常に長引く。なんでこう両極端なんだ。
    • 究極魔法のバランスが度を越しており、もはやチート級。
      • レベル45で覚えるのだが、なんと通常攻撃の1000倍以上のダメージを叩き出す。
      • 魔法防御が高い敵にも普通にダメージが通るため、ラスボスを含む全ての敵に大ダメージを与えられる。
      • 使うSPが多いというデメリットはあるが、詠唱速度が非常に早いためSP量程度では大したデメリットにはならない。
      • ラスボスのHPは38万程度だが、バフ・デバフを整えると究極魔法一回でそれを超えるダメージ量を与えられる。ただしイベント戦なので計3発必要。
    • ついでに、スリップダメージを当てるだけで全てのボスを余裕で倒せる等の報告もある。
    • 既に気づいた人も居るかもしれないが、何故か2010年大賞の『ラストリベリオン』に対するアンチテーゼのようなシステムになっている。
      • 「装備と魔法は役立たず、レベルを上げて物理で殴れ」に対して見事に真逆を行っている。偶然とはいえ凄い。
      • だが両者とも、完全なクソゲーである。要するに、どちらにしても極端なバランスは駄目であることがわかるいい二例。
      • 余談だが、装備を変更しても外見に反映はされない。アニメだから致し方ない部分もあるとは思うが。
  • 独自要素であるデュアルソウルシステムが見事に滑っている。
    • 操作キャラであるトキの中にはもう一つの人格・トワが眠っており、レベルアップでトキとトワが交互に入れ替わるというシステムである。
    • これが災いして、トキで新しいスキルを覚えた瞬間にトワへチェンジしてしまい、せっかく覚えたスキルが使えないといったことがしばしば起こる。
      • 成長するパラメータや使用出来るスキルがトキ・トワそれぞれ別々に管理されているため、場合によってはレベルアップで弱体化してしまうこともある。
    • ただし戦闘時や移動時のモーションは、髪の色とその他数箇所が違うだけで両者共にほとんど同じ。
      • 覚えるスキルやパラメータは一応特徴分けされているのだが、やはり大まかには同じ。
    • 何のためにこんな無意味な上に面倒くさいシステムを搭載したのか非常に不可解。
      • そういえば、『ラストリベリオン』も「弱点システム」なる全く意味を成さない要素を搭載していた。

シナリオの問題点

  • ストーリーは、結婚相手の主人公が式の最中に襲撃され殺されてしまうところから始まる。
    トキの王家としての力で過去に戻って歴史を変え、最後にトキとトワどちらか一人を選び結婚式を開くというもの。
    • この設定を聞いた上で、シリアスな物語が展開すると思わないほうが無理である。
      • タイトルやイメージイラストもしっとりとしており、表面的な情報においておちゃらけた雰囲気は微塵も感じさせない。
    • 実際は全編に渡ってふざけたノリ(しかも寒い)が続くので、プレイヤーの心を見事に萎えさせる。
      • 特に、主人公のキャラが非常に気持ち悪いと評判。例を挙げると、死ぬ間際に「俺今最高にモテている」とか言っちゃうような奴。
  • 現代に戻って結婚式を開く場面は作中で5回あるが、これらはエンディングに至るまで全て使い回し。
    • デュアルソウルシステムでトワに戻っているはずの時でも、ひたすらトキの映像が流れ続ける。
      • 最後にトワを選んだ場合などは、「まるでトキみたいだ…」という有り得ないセリフ一言でその現象が説明される。
      • しかしエンディングのキスシーンでは、アニメーションを発注していたのかいきなりトワに変わる。いやもう色々手遅れだよ。
  • 「カクザ島」「グラニュー島」「オサ島」等々、人物場所問わず自ら寒い名前を付けておきながら、それを作中で茶化して予防線を張っている。
    • 「ドラゴンボールで新キャラが出てくる度に、悟空がいちいち名前に突っ込みを入れる」と想像してもらえば分かりやすいか。
      • 例えば、未来を救う為にやって来たトランクスに対して「パンツかよw」と突っ込むみたいな事をマジでやってしまっているのが本作。
    • 第一そういうのは受け取る側のプレイヤーがするものであって、断じて作中で登場人物がやるべき事ではない。まして緊迫したシーンでは尚更。
  • 世界観を完全に無視している台詞や、空気の読めない台詞を挟んでプレイヤーを唖然とさせる。
    • ドラゴンと不当な契約を結ばされたから、消費者センターに訴えることでそれを無しにしようとする。
    • うちのテレビはアナログテレビだから、映るのは砂嵐だけどナイター中継を毎晩観たいからそのために戦うと言い出す。
      • 本作の舞台は典型的なファンタジー世界であり、当然ながら消費者センターだのナイター中継だのなんてものがあるわけではない。
      • しかもそのドラゴンが「消費者センターはまずい!!」などと本気で取り乱すあたり、開いた口が塞がらない。
    • 緊迫したシーンなのにも関わらず、主人公とボスとの早口言葉言い合い合戦がスタートする。
    • アイテムを「う~~~ん!!ひり出すから受け止めろよぉ~~~!!!出る~~~~!!!!」という台詞を吐きながら出し、暗転中に手渡される。
    • ヤムロ、揚げま~す!」等々、うすら寒いだけのパロネタを随所に挟んでくる。
      • あまりの乖離っぷりに、舞台設定とストーリー制作は全くの別人な上に会話すらしてないのではないかと勘ぐられるほど。
  • ボス戦闘後にレベルアップが生じた場合、直前までトキと話していたのにトワへ変わるといったことが起こるが、ボスは何のリアクションもしない。
    • よくある仕様と言ってしまえばそれまでだが、自ら売りにしていたシステムを全く考慮しないのは凄い。
  • サブシナリオの内容は「モンスターを討伐してこい」「この人に会ってこい」「これを探して欲しい」というイベントしか存在しない。
    • 全部で116シナリオ存在するのだが、その全てがこれら3つのお使いイベントのどれかに該当する。
      • 「ハムスターを探して欲しい」というシナリオなどは、合計3回もやらされる羽目になる。
  • この様であるが、発売前インタビューでは開発者自らがとても笑えるシナリオに出来たと自画自賛していた。
    • まあゲーム内に社長の某氏をモデルにした、「ミカゲール」なるキャラを出してくる痛いセンスからしてお察しと言ったところ。
      • ボイスなし口パクキャラだが、これで本人の声とか入ってた日にはもはや発狂物なのでこの判断は正解だったと言える。
      • しかし『四八(仮)』然り、スタッフがゲーム内に登場した所でただの自己満足でしかないことに何故気づかないのか。

ギャルゲーやファンアイテムとしての問題点

  • とりあえず声優陣は非常に豪華。
    • しかし、サブシナリオでは一切声が出ず、アニメーションの口パクだけが動き続ける。
      • 今の時代に、まして据え置きHD機でありながらパートボイスという手抜き仕事。
      • しかも必要HDD容量は破格の4.5GBと、アニメの手抜きといい一体何に容量を使っているのだろうか不思議でならない。
    • ラブルートゼロ Kisskiss☆ラビリンス』(2010)に続く「声優陣に謝れ」と言いたくなるゲームである。
  • 本編ではイベントCGが11枚しかなく、残りは全て有料DLC。
    • DLCの内容は10分程度で終わるマップとボス戦の後に、僅かな寸劇とCG(しかもPVで既に見せていた)一枚が表示されるだけ。
      • これでお値段各500円。全部で5つが随時配信される予定で、全て買うと驚きの2500円である。
      • ちなみにCGが見たいだけの人なら、公式サイト等で無修正の物が見れるので買わない方が無難。
  • 2週目以降限定の真エンドの内容が、手抜き全開の上に投げっぱなし。
    • 結婚式シーンカットでのCG1枚が表示されるのみで、CGを見終わると唐突にスタッフロールへ移行する。
    • 更にそのCGでは、何故かトキとトワが分裂して二人同時に結婚式にいる。
      • 二重人格の二人が、なぜ別の人間として外に出られているのかについての説明はゲーム中では一切されない
    • その理由は、限定版購入時に付いてくるドラマCDでのみ真相が語られるため。
      • つまり、通常版を購入したユーザーは完全に置いてけぼりである。

その他

  • あえて良い点を挙げるなら、これといって目立ったバグが全く無いことに尽きる。
    • 要するに、きちんと仕様通りに完成はしている。
      • むしろここまで手抜きに次ぐ手抜きの連続をした挙句、凶悪なバグまで存在したらもう商品未満確実なので当たり前だが。
      • 『ラスリベ』然り、バグの力なしで見事にクソゲー評価を受ける作品は見ていてある意味清々しい。
    • しかしトロフィーを全部集めようとするとミナミ峡谷の宝箱の仕様によりひとつだけ集まらず、収集率98%で打ち止めを食らって最後の最後にイラッとさせられた。
      • マップに宝箱等のアイコンが最初から表示されているが、その宝箱とセーブポイント等が重なると宝箱が見えない。
  • 古代祐三氏によるBGMは好評。本作における唯一の評価点と言える。
  • 販売戦略が明らかに悪い部分を見せないように尽力しており、正直言ってせこい。
    • 動いていなければ非常に綺麗なアニメーションに見えるため、静止画だと面白そうに見える。
      • このため紙媒体でしか伝えられないファミ通では、発売直前には期待の新作第6位まで上り詰めた。
    • 体験版等を一切配信せず、発売直前にあったTGSでは試遊台を設けずトークショーのみで留める。同じく発売直前にあったニコニコ生放送でもトークのみだった。
      • 購入するまでプレイヤーにどんなゲームか出来るだけ知らせない広報展開。
  • ファミ通レビュー の点数はなんと「9/8/8/7」の32点で、ゴールド殿堂入り。
    • まあ序盤だからとか人を選ぶからだとか色々理由はあるのだろうが、それにしたっていくらなんでもこの点数は分不相応。
      • 年内で言えば『TOKYO JUNGLE』と同じ点数。こう聞けば、両方プレイした人には違和感がとてつもなく生じるのではなかろうか。
      • しかしレビュー内容は点数のわりに辛口ではあった。
  • 初週販売本数は32000と、前述した有様を見れば売れすぎにも程があるといって差し支えない。
    • この32000の内、何本が翌日買い取り店行きとなったのだろうか。
      • 案の定、発売直後にも関わらず投げ売りを始める所が続出している。
    • しかし発売後の取材によると、希望としては5万本以上売りたかったらしい。いや、ほんと何言ってんの?
      • ただ「思いの外コケなかった」などとも言っており、クソゲーだとの自覚も充分あった模様。それはそれでどうかと思うが。
  • 一応メーカー側はシリーズ化を目指している模様。
    • 確かに、新しいジャンルに挑戦する姿勢だけは評価できるので、ぜひ今作を反面教師に次こそは面白い作品を作って欲しいものである。
      • まあ実際の所、本作に挑戦的な所など何一つ無かったわけだが、そこはご愛嬌。
      • そもそも昨今不景気が叫ばれる中、初作でやらかした作品に続編のチャンスが果たして来るのだろうか。→倒産しました。

選評

選評その1(最終版)

2012年10月11日、発売前から見えている地雷と評されていた「時と永遠~トキトワ~(以下トキトワ)」が発売された
まずは、何故見えている地雷と既に評されていたのかについて記したい

時は遡って2012年7月19日、販売販促のためのプロモーションビデオがyoutubeで満を持して公開された
トキトワはHDアニメーションのみによるRPGとして、発表があってから密かに注目されており
それに対して一定層の支持が付いていたことも事実である
しかし、それに反して公開されたPVは、移動シーンは不自然な歩幅で動き続け
RPGとして要である戦闘はとてもアニメーションとは思えない不自然なカクつき具合であり
伝説のクソアニメ「MUSASHI -GUN道-」の再来と呼ぶものまで現れ始めた

そのPVのあまりの酷さに2chのトキトワ本スレは大いに荒れ
次スレを立てただけでその者を社員の工作扱いするほどに荒んでいたことを述べておく

それでは実際のゲーム内容について語りたい
ゲームを開始して数分で分かることだが、致命的なまでに口パクと実際の声が合っていない
フルアニメーションを売りにしている作品としてはあまりにお粗末であり
そもそも口パクすらなく話している箇所すらあり
PC-FX時代のゲームをこの時代にして呼び起こさせるとんでもないシロモノである

マップの移動シーンでは、横に動くアニメーションを用意できなかったのか、前に進むことしかできない
上方向ボタンが前進、左右方向ボタンが視点移動、下方向ボタンが後ろに下がるという画期的な移動方法で
自由にアニメーションの中を縦横無尽に動き回れると思っていたプレーヤーはここで肩透かしをくらう

戦闘シーンもあまりにお粗末である
DQ1を彷彿とさせる1対1でしか戦えない戦闘から始まり
複数敵がいる場合でも1匹倒し終えたらまた敵が現れての1対1での戦闘が続くため、その場合非常に戦闘が長くなる
戦闘でのこちらの行動は前進と後退、攻撃か防御か回避、それとカウンター程度しか出来ないためやることが少なくすぐに飽きが来る
そもそもボスモンスターも含めて色違いを抜かせば敵の種類は全部で20体しか存在せず
敵の攻撃パターンも一部のボスモンスターを除いて一定の動きしかしてこないため
一度攻撃パターンを覚えてしまえば決まったタイミングで回避しつつ攻撃するだけの作業ゲーと化する
戦闘時の声のバリエーションも少なく「止まらないわよ!止まらないわよ!止まらないわよ!」
という同じボイスパターンを繰り返すだけの戦闘もここまで来るとご愛嬌である

戦闘バランスもめちゃくちゃである
そもそもステータスへ影響するものの装備の比重がものすごく高く、装備品を一つ上のものに上げるだけで
レベルを数レベル上げたのと同程度のステータス上昇を得ることが出来るため、レベルアップの効果が薄い

また、レベルアップに必要な経験値もめちゃくちゃで、序盤の雑魚敵と終盤の雑魚敵との経験値の差が僅かしかない
最初の島の雑魚敵では一匹で83ほどもらえるが、終盤で最も経験値が多い雑魚敵で161である
序盤の雑魚敵戦闘は数十秒で終わるが、終盤だと数分かかってしまうため
最も効率のいいレベル上げの方法は、比較的序盤の敵を殴るだけの単調な作業となっている

また、敵に与えるデバフ効果(能力ダウン系状態変化)のバランスが狂っている
自分へのバフ効果(能力アップ系状態変化)と合わせて強化と弱化を一気にしてやれば
これまで一度に数百程度受けていた被ダメージが0へと変わってしまう
このバランスはラスボスまで続き、ラスボスですら攻撃ダウンと防御アップを重ねてやれば0ダメージである
推奨レベル50以上と示されているラスボスだが、レベル30程度で防具を整えたら通常攻撃は0ダメージだったことを付け加えておく

さらに、その戦闘でも攻撃魔法の威力が通常攻撃とは桁違いなまでに違う
一番最初に序盤で攻撃魔法を覚える頃は、通常攻撃では60、70程度のダメージしか与えられないのだが
攻撃魔法を使えばいきなり4000ダメージというすさまじいダメージ量を叩きだす
このインフレ具合は物語が進むにつれ加速し、中盤だと通常攻撃で300ダメージくらいのところであるが
序盤の頃に覚えた魔法をそのまま使うだけで30000ダメージと100倍程度のダメージ量となる
そのため、雑魚敵戦は適当なタイミングで避けつつ魔法を撃つだけの作業となるが
稀に魔法防御が極端に高く、魔法が異常に効きにくい雑魚敵もおり、通常攻撃で殴るため戦闘を長引かせるだけの要因となっている

トキトワのシステムの中に、デュアルソウルシステムというものがある
操作キャラであるトキの中にはもう一つの人格が眠っており、レベルアップでトワへと変化するというものであるが
このシステムが災いし、トキで新しいスキルを覚えた瞬間にトワへチェンジするためそのスキルが使えないといったことが起こる
そもそもトキとトワで使用出来るスキル等の成長システムが別々であるため、場合によってはレベルアップで弱体化する
そして戦闘時や移動時のモーションは髪の色等が違うだけで両者共に全く一緒であるため
覚えるスキル等やパラメータ等は両者で多少は違うのだが、大まかには同じであり
一体何のためにこんなシステムにしたんだろうとプレイヤーに疑問符を抱かせることに成功している

さて、トキトワはキャラクター部分を多く取り上げ、声優も豪華に使っているからそちら目当ての購買層に対してはどうだろうか
まずキャラクター部分だが、なんと本編でイベントCGが11枚しかないというびっくりな内容となっている
11枚以外にも求めるなら、肌色部分の多い海イベントや温泉イベントとなるが、これらは全てDLCで有料という潔さである

また、声優目当てで買った層にも残念な結果となっている
何とトキトワはサブシナリオでは極々一部を除いて一切声が出ないのである
サブシナリオ中はほとんどがアニメーションの口パクだけが動き続ける奇妙な空間となっており
この時代にして据え置き機でまさかのノンフルボイスアニメーションRPGとなっている
トキトワの必要HDD容量は4500MBなのであるが、一体何に容量を使っているのだろうか

ここまでつらつらと語ってきたが、このゲームで真に酷いところはシナリオである
結婚式を妨害されたのでトキの王家としての力を使って過去に戻ってその妨害の原因をなくし
最後にトキとトワのどちらか一人だけを選んで幸せな結婚式を開くというのがおおまかなストーリーだが
その原因を正して現代に戻って結婚式を開く場面は作中で5回あるが、これらはエンディングに至るまで全て使い回しである
そのため、デュアルソウルシステムでトワに戻っているはずの時でもひたすらトキの映像が流れ続け
最後にトワを選んだ場合などは「まるでトキみたいだ…」という有り得ないセリフ一言でその現象が説明される
エンディングのキスシーンでは、アニメーションを発注していたのかいきなりトワに変わるため、違和感バリバリである

肝心の本編部分も非常に冗長な作りとなっている
カクザ島やグラニュー島、オサ島に行こうといった絶望的なネーミングセンスの島へお使いに行かされるのはまだ許せる方で
ドラゴンと不当な契約を結ばされたから、消費者センターに訴えることでそれを無しにしようだとか
うちのテレビはアナログテレビだから、映るのは砂嵐だけどナイター中継を毎晩観たいからそのために戦うだとか
挙句の果てには、緊迫したシーンなのに関わらず、主人公とボスとの早口言葉の言い合い合戦がスタートする
世界観を完全に無視しているセリフや、空気の読めないセリフで、プレイヤーを唖然とさせることに成功している

また、前述したデュアルソウルシステムの影響で、ボス戦闘後にレベルアップが生じた場合
今までトキと話していたはずなのにトワへ変わるといったことが起こり得るが、ボスはそれに対して何のリアクションもしない
急に戦っていた相手が別の人に変わるわけだから当然おかしいわけだが、何の説明も無しに淡々と進んでいく

本編部分もこのように酷いのだが、サブシナリオも非常に絶望的である
サブシナリオの内容は「モンスターを討伐してこい」「この人に会ってこい」「これを探して欲しい」というイベントしか存在しない
サブシナリオは全てで116シナリオ存在するのだが、その全てがこれら3つのお使いイベントのどれかに該当するという内容の薄さである
「ハムスターを探して欲しい」というシナリオなどは、何と合計3回もやらされる羽目になる
あまりに作業的なためサブシナリオはなるべくスルーして進めたいところだが、前述した通り本編部分も酷いため二重苦である
また、サブシナリオは本編と全く関連付けずに作ったのかは知らないが
ラスボス前の演出で空が流星群でひしめく中、サブシナリオで普通にNPCと会話出来てしまう絵面はあまりにシュールである

さらに、トキトワには2週目限定の真エンドというものがある
1週目を終えて2週目でようやく見られるエンディングだからさぞや素晴らしい出来だと思うかもしれないが
まさかの結婚式シーンカットでのCG1枚が表示されるのみで、CGを見終わると唐突にスタッフロールへ移行する
そのCGの内容は何故かトキとトワが分裂して二人同時に結婚式にいるというものだが、
二重人格だったはずの二人が別の人間として外に出られているのかについての説明はゲーム中では一切説明されない
理由は限定版購入時に付いてくるドラマCDでのみ真相が語られるため、通常版購入ユーザーは真実を知る権利すらない

発売前インタビューで、開発者自らとても笑えるシナリオに出来たと自画自賛していたが
ある意味その願いは失笑という形で叶ったのではなかろうか

ここまで長々と語ってきたが、最後にトキトワの良い部分を紹介しよう
まずは、動いてなければ非常に綺麗なアニメーションに見えるため、静止画だと面白そうに見えることである
このため、紙媒体でしか伝えられないファミ通では、発売直前には期待の新作第6位まで上り詰めた

また、広報戦略が非常に見事であった
体験版等を一切配信せず、発売直前にあったTGSでは試遊台を設けずトークショーのみで留めるなど
購入するまでプレイヤーにどんなゲームか出来るだけ知らせない広報展開に思わず息を呑んだ

それでは、暴落するであろう中古相場を楽しみにしながら、トキトワ公式サイトのミニゲームのトキのセリフで締めさせてもらう
「ひ、ひどすぎるよー!」

選評その1補足(最終版)

書き切れなかったクソ要素を列挙

・敵パラメータがほとんど一緒な敵が多々
例えば最初の島であるオサ島に出現する二体を例に取る

ストレイゴーレム(LV2)
種族:精霊
属性:土強
HP:772
近攻:95
遠攻:95
魔攻:647
防御:13
魔防:12
お金:10
GP:2
経験値:83
アイテム:マカロン(小)

ジャイアントインコ
種族:獣
属性:無
HP:772
近攻:95
遠攻:95
魔攻:647
防御:13
魔防:12
お金:10
GP:2
経験値:83
アイテム:マカロン(小)

この通り種族と属性値以外完全に一緒である
最初の島の敵ですらこうで、当たり前のように他にもパラメータがほぼ一緒な敵はたくさん見受けられる
ちなみにジャイアントインコは魔法を使ってこないのに魔攻の値をそのまま持ってきている
メモリ制約で苦労したFC時代ならまだしもPS3でこれかよと呆れさせるクソっぷりである
また、近攻と遠攻が攻略本の表記だと分かれているが、この2つのパラメータはどの敵も同じである
つまり近攻と遠攻はどの敵も同じ値であり、異なったパラメータを持つ敵は存在しない
それならもう攻撃って一つにまとめればいいんじゃないかなと提言したくなるクソっぷりである

・究極魔法のバランスが度を越してクソ威力
魔法が通常攻撃の数十倍のダメージを叩き出すことは選評でも述べている
しかし、レベル45で覚える究極魔法を使うと、さらに威力が跳ね上がり、通常攻撃の1000倍以上のダメージを叩き出せる
魔法防御が高い敵にも当たり前のようにダメージが通るため、ラスボスを含む全ての敵に大ダメージを与えられるのである
究極魔法は使うSPが多いというデメリットはあるのだが、詠唱速度がめちゃくちゃ早いためSP量程度では大したデメリットにはならない

例:3週目引継ぎデータを使用(LV1トキでゴーレムを対象とした)
通常攻撃→30程度
初期に覚える魔法→2000程度
究極魔法→5000×10Hit 合計50000程度

ちなみにラスボスのHPは38万程度だが、バフデバフを整えると究極魔法一回でそのHPを超えるダメージ量を与えられる
ただ、ラスボスはイベントバトルのようなもので一定のダメージを与えると0ダメージしか効かなくなるので
面倒な事に3回究極魔法を撃たないと倒すことが出来ない
もちろんそんなイベントがないボスであるマキモナなどはバフデバフとこの究極魔法一撃で倒すことが出来る

・限定版の中身ももうちょっと頑張れよと言わんばかりの出来
付属品はサントラとドラマCDとアートワークブックレットである
このサントラは全曲入っていると思いきや、ゲーム内の一部の曲だけでわずが9曲しか入っていない
トキトワは音楽だけはバリエーションが少ないものの評価してもいい部分だと個人的には思うのでこの仕打ちは酷い
ドラマCDは2週目限定の真エンドの続きという内容のため内容を把握するには2週プレイする必要があり
ただでさえクソゲーなのにこの苦行を2週なので聴くだけなのに敷居が高い
また、アートワークブックレットにあるVOFAN氏の絵は攻略本にも同じ絵が載っている
おそらく今後発売されるトキトワ設定資料集にも載ると思われる

選評その2

・・・戦闘について

・主に経験値がおかしい
雑魚を倒したら金はしょっぱい、経験値も少ない。
これはその前提でバランスを組んでいるならいいと思われるかもしれないが、問題はそこではない。
平原の雑魚敵がダンジョンの強敵の倍の経験値があったり、経験値分布がめちゃくちゃなのだ。
全体的にどこで戦っても10回以上戦わないとレベルアップしない。
ARPGなのに、プレイヤースキルを鍛えて強い雑魚を狩ってもうまみゼロである。
本編のメインシナリオは、サブシナリオを全部クリアして丁度推奨レベルに届くような調整がしてある。
テキストの寒さに耐えかねて本編だけ進めていた場合は、悪ければ推奨の半分以下である。
ARPGだし魔法の強さに頼ってボス倒せばいいじゃん、まあできるならそうすればいいだろうが、
特定の魔法1種類しか効かない(半減とかそういうのじゃなく全部0にするため魔法無効と勘違いする、というか効くという話を後から聞いたので勘違いした)ボスや、
開幕に回避不能の大魔法を打ってきてレベルが足りなかったら即死、レベリングを強制されるとかいうARPG
にあるまじきボスも出てくる。
こいつに引っかかると、敵の強い弱いにかかわらず今までのマップで経験値のうまい敵を探すために総洗い
するはめになったり、見つけても10いくつとか戦わないとレベルアップしない。
敵が複数出てきても全体攻撃とかないので、一回の戦闘に時間がかかって非常に疲れる。物理が弱いのでな
おさら敵がクソ固く感じるのがやってられない。
なお、サブクエは進行によって消滅するのでレベル上げには目標の無さを強いられる。
しかもこの大魔法ボスは、話の都合でまったく同じステータス、同じ動きなのに2連続で戦わされる。
ボス→イベント→同じボス こんな具合である。苦労していようがしてなかろうがうんざりである。
このゲームの難易度は、製作者の想定外のことをするとすぐにバランスが崩壊するのが一番のクソといえる。
サブクエを消化せずにガンガン進めて、上記のボスに詰まることになると理不尽なゲームと化すが、一方
魔法の組み合わせによる状態異常に全てのボスが耐性を持っていないことに気付いたり、バフデバフの強さ
に気がつくと一気に時間がかかるだけの作業ゲーになる。詰めが大変甘いと言える。

このゲーム、魔法が効く敵と効かない敵の二種類がいるのかと思っていたが、上記ボスのように特定属性
なら効くのだろうか? 正直後半は魔法で0が出た瞬間に即逃げしていた(このゲームは逃げるコマンドで
所持金が減るが、それも大変鬱陶しい)のだが、耐性を半減や1/4にするなどばらつかせるという発想は
なかったのだろうか?
なお、未確認なので本当に魔法がまったく効かない可能性もあるが、その場合プレイ方法によっては弱い
物理で長時間ペチペチ殴る本当のクソゲーになるので、そうではないと信じたい。

・トキとトワの格差
物理でゲージを溜めて魔法で殴ればいい、これはそういうゲームなのだが、ゲージ溜めに関しては両者に
格差がある。
物理の連打で最初の一発はゲージが上がらないので、3連打なら2ゲージ、3連打x2セットなら4、6連打なら5
ゲージとなる。
トキは銃をボタンを押し続ける限り打ち続けることができるが、トワは最大3連射で必ず途切れる。つまり、
魔法を撃つことが全てのこのゲームにおいて、トワは著しい性能の不遇を持っているのだ。
トワの得意芸は近接なのだが、違いは威力のみであり、こちらも3連打が最高である。物理のダメージなど
微量すぎて差を実感しない上に、近距離は敵の攻撃が苛烈なので、トワでインファイトを仕掛けようもの
なら、敵のラッシュの合間にタイム連打をして回復アイテムを飲ませまくるゲームになる。
モーションはトキトワで全く共通、スキルでも特に利点はないので、二週目にあたっては、ボスではトキしか
使わないだろう。なおチェンジアイテムのコショウは課金で手に入るのだが、狙ってやったとしか思えない。


なんとかアクションとかいうシステムで特定の行動をした時に丸ボタンが出てきて、押すと特殊行動
みたいなのが出るのだが、演出のしょぼさが凄まじく実際の効果とも乖離している。
どうなるかって、画面効果のないSEもしょぼいビンタ一発でボスが即死する。
どうやったら出るのかはよくわからなかった。


・・・ストーリーとテキストについて

・とにかく酷い
語るべきもない気がするが、語らなければいけないのが既に苦痛である。
なぜ語るべきかもないかって、全編ぶっ通しで酷いからやればわかるだろ…。
消費者センターがよく取りざたされるが、ラスボスの山場で何の脈絡もなく「~消費者センター!~…」を
8連呼くらいされる、しかも戦闘中に至ってまで連呼するのは酷いという時限を通り越して、なんでRPGのシナリオやってるの? RPGを作るのにシリアスアレルギーなの? という疑問がひたすら湧いてくるのだが、
個人的には次の章のほうが酷い。
このゲームが下ネタを中心に、非常に、極めて、人を選ぶ加齢臭が漂っており、この点でキャラデザや
声優に愛着が湧いても一切おすすめをする気にならないゲームなのだが、4章は最もやる気が削がれる。
サムシングフォーという4つのアイテムを集めるために3体の精霊+1体の竜にあるのだが、そのアイテムを出す
時に「う~~~ん!!ひり出すから受け止めろよぉ~~~!!!出る~~~~!!!!」というような台詞
を吐きながら暗転中に手渡される。ひとつはセクハラクイズの後、ひとつはボス戦の後、最後に見た目荘厳
な竜からゲロマズケーキとかいうお使いアイテムを渡した後にこれである。
唯一女性ボイスの精霊はやらないのだが、ふざけんなと思う一方むしろやらなくてよかったと思わせて
くれる。

余談だが、ゲロマズケーキを渡した時に「こんなわけのわからないお使いをよくぞクリアした!」「わけの
わからないって自分で言うのかよ…」のようなかけあいがあるのだが、それはプレイヤーの台詞である。
このゲームはどうも寒いイベントをわかっててやっている節があり、確かオサ島カクザ島という名前につい
ても自分で茶化していたし、ほかにもいくつか作中でつっこんでいた。
つまり予防線を張っているのである。この時点で話から設定から全てふざけているのを全く好意的に見られ
ない。つまんないと思うけど、わかっててやってるんだよ! と製作者が暗に言っているのだから。

話を戻すが、4章は全体的に酷く、章ラスボスもサムシングフォーがが結婚をさせてくれると信じて
いきなり絡んできた嫁ぎ遅れが持ちネタのババア(例の大魔法さん)なのだが、こいつを倒すと強奪した
サムシングフォーをいきなり崖下に投げ捨てる。もちろん帰ってこない。
その後サブヒロインと話し合って「みんなでサムシングフォーを作りましょう!」とか言って貝殻などで
小さなアクセサリーを作るのだが、後に普通に効果を発揮する。サムシングフォーとはなんだったのか?
とにかく今までの苦労を無駄にする展開が多いのがこのゲームの特徴でもある。
サムシングフォーを目的にする所からして、全能なばあさんが「これ探せば一発じゃない?」と3回もタイムリープしてから教えてくれるので、最初から教えてくれてもよかったんじゃないかなと思う。
全能ばあさんのあんたがいればいいんじゃないかな感は主に5章で発揮され、ラスボスが出てきた後に
「私は原因を知ってるし解決する能力もある。過去に戻って原因の芽を摘み取ってきましょう」とか言い
出す。この問題は根本から解決しないと不可能なもののため、知ってたなら最初からやってくれよ…という
徒労感がつきまとう。それでも「帰ってこれるかわからない」と言った時には、まあそれならしょうが
ないか、とも思うのだが、エピローグで普通に帰ってきて「なんか余裕だった。私ってすごいから」とか
言い出した時には、今までの冒険はなんだったのか? という感想のみが残る。

一応それぞれのループごとにサブヒロインとの絆が深まるのが大団円への布石なのだろうが、根本的に
シナリオを楽しめないのが徒労感の原因だろう。話が小規模なのでおつかいが多めになるのに加えて、
シリアスアレルギーのシナリオが一瞬足りともプレイヤーに気合を入れさせてくれない。
サブヒロインは屋敷にたむろしていてイベントが見られるのだが、CGとかないしトキとトワを掘り下げて
くれたほうが、コンセプト的にもずっとよかったと思う。願望だが。

・サブクエストをやりたくない
ヤムロ、揚げま~す! に代表される寒い脇キャラがいるおかげでやりたくない。
報酬もしょっぱくてやりたくない。○○を倒せとか○○を取って来いとか水増しクエストにありがちな
ネトゲ並のおつかいばかりでやりたくない。
ミカゲールとかいう社長のパロキャラが定型的な陰険貴族みたいな面してて殴りたい。
例によってボイスなし口パクキャラだが、社長ボイスとか入っていなくて本当によかった。血圧が危ない。


ケーキがキーアイテムとして出てくるシーンがやたら多かったり、島の名前が全部砂糖、アイテムにお菓子
が多い、と要素だけ見れば女の子向けのゆるさがあるような気がするのだが、中身の作風がそっぽを向いて
いるので無意味なのがすごい。挙句作中で冗談の種にするのだから、舞台設定とストーリー制作は全くの
別人な上に会話すらしてないのではないかと勘ぐるほどだった。


・総括
最大風速がすごかった。
消費者センターを見たときは凄まじい風を浴びてる気分だったし、最後に出てくる2週目で真エンド!の
記述には今までの感想すべてを吹き飛ばすような威力があった。
精神衛生に大変よくないゲームなので、体調を悪くしたい人はぜひ買うべきである。


アニメを売りにしてるのに、アニメーションが少なくてパートボイスなのはやっぱり駄目だと思うよ?
CG11枚でサービスシーンにアニメが1個もない、暗転ばっかりなのもどうかと思うよ?
ここらへんに釣った魚に餌はやらない根性を感じて、もう駄目でしょ色々と。