2021年 次点
概要
名称 | Super Arcade Soccer 2021 | |
ジャンル | スポーツ |
対応機種 | PS4 |
発売元 | eastasiasoft |
開発元 | Ruben Alcañiz |
発売日 | 2021年10月07日 |
価 格 | 800円(税込価格)、DL専用 |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
その他
同日発売のNintendoSwitch版および05月28日発売のXboxOne/XboxSeriesX|S版はCERO非審査のためここでは取り扱わない。
参考動画
選評
選評1
SUPER ARCADE SOCCER 2021
ジャンル:スポーツ
プレイ人数:1-2人のプレイヤー
CERO:A(PS4版のみ)
発売日:2021年10月7日
価格:800円(ダウンロード版)
対応ハード:PS4(Nintendo Switch、Xboxでも発売しているがIARC3+の為参考程度とする)
ソフトのバージョン:1.0.0
備考:筆者が所持しているPS4版(CERO:A)とSwitch版(IARC3+)ではロード時間の長さと少しのグラフィックしか変わらず。(内容は同じ)
PS4版を基準として選評を書いていく。
●概要
KOTY2019年次点に輝いた「SUPER ARCADE SOCCER」の2作目。
前作では「オフサイドやファールが機能していない」「シュートを打たれたのにそのまま相手のコーナーキックになりサッカーにならない」「操作性がかなりアバウト」との評価があった。
●操作方法(ロード画面より)
○ボタン…シュート(ボール保持時)/タックル(ボール非保持時)
×ボタン…パス(ボール保持時)/スティール(軽く足を出す、ボール非保持時)
□ボタン…センタリング(浮き玉)
△ボタン…ヘディング
左スティック…移動
L1ボタン…選手交代(選手切り替え)
オプションボタン…ポーズ
●使用できるチーム
代表チーム、スペイン(ラ・リーガ)、イングランド(プレミアリーグ)、イタリア(セリエA)、フランスリーグ(リーグアン)、ドイツリーグ(ブンデスリーガ)をもじったチームを使用可能。
選手も「Messi(メッシ)」→「Misse」や「Kagawa(香川真司)」→「Kegawa」のようにもじられている。
各個人にスピード、コントロール、パス、シュート、スタミナ、パワー、空中戦(ヘディングの高さ)のパラメータがある。
●モード
クイックマッチ、コンペ、トレーニング、設定。
クイックマッチでは前述のチームを選びCPUとの対戦が可能。フレンドとのオフライン対戦も可能。
コンペでは代表戦とリーグ戦の選択が可能。
カップ戦ではヨーロッパリーグ(ヨーロッパ大陸のチーム)とアメリカリーグ(北アメリカ、南アメリカ大陸のチームと日本)でトーナメントを行い一度負けたら終了。
リーグ戦では勝ち点制で38試合戦う事になる。
両者とも試合をシミュレートする事が可能。(自動で試合結果を表示するシステム)
トレーニングではボールと味方が11人いるだけのフィールドに放り出される。
設定ではカメラ、試合時間、ボリューム、垂直同期の設定が可能。
●褒められる点
各チームにちゃんとしたパラメータが設定され表示されている部分は評価出来る。しかも150チーム以上再現されていて控えの選手までいる。
前作にあった「スライディングすると操作不能になる」バグは直っている。
前作には無かったスティール、ヘディングボタンが導入されている。
●問題点
○サッカーゲームとして
サッカーゲームなのに前作同様オフサイドは無い。
判定も悪くボールを出した方がスローイングやコーナーキックを行う事もしばしば。
ファール判定もかなり雑で後ろからスライディングを行っても3回に1度ほどしかファールにならない。
ただし後ろからのスライディングでファールを取られた場合は基本的にカードを貰う。(一発レッドもよくある)
軽く引っかけた場合でもイエローを貰う事があるので基準は不明。
相手選手も平気で後ろからスライディングを行い一発退場する事も。フェアプレー精神というものはない。
○キーパー
シュートに対してはちゃんとセーブしてくれるがセンタリング(□ボタンの浮き球)のキックに対してはとにかくザル。
ゲーム内ではセンタリングと説明されているがロブパスのように縦に出したりゴール正面から枠内に蹴り込む事も可能。
浮き球を調整してゴールを狙う事により真正面でなければ基本的にキーパーは止められない。
正面でも浮き球がキーパーの少し上を抜ければそのまま真上を通過しゴールに。
他にもワンバウンドしたボールに突っ込んでいきそのまま真上を通過してゴールに。
キーパーの横にセンタリングで浮き球を蹴るとそのままスルーしてゴールに。
キーパーは基本横移動でシュートは止める、ボールが近づいたらボールに向かうという単純なシステムなのでこのような事が起きると思われる。
○操作性
前作同様全体的に悪い。
他のサッカーゲームのようなパスのアシストはないのでどうしてもアバウトなパスになってしまう。
勢いのあるアバウトなパスを動きながら受ける事は難しいのでパスを誰もいない所に出し、止まってから選手が奪い合う事が多い。後述のCPUの動きも含めるとドリブル突破が一番なのでキーパー以外からパスを出すメリットがあまり感じられない。
選手切り替えも改善しておらず「とりあえずボールに近い選手数人に切り替える」というシステム。相手が攻めてきても操作が前線のボールに近い選手に切り替えられて守備への入りが遅くなる事も。
スライディング以外にもスティール(軽く足を出す)でボールを奪う事も可能だが、動作の前に一瞬止まるので真正面か止まっている相手からボールを奪う時以外には使えない。
真横から足を出したら相手の動きを止められるがそのままボールを奪えずドリブルで突破されてしまう。
結局の所ボールを奪う場合はファールにならない事を祈りながら勢いよくスライディングを行うしかない。
ヘディングボタンは走っている時でも一瞬立ち止まってから数歩先までジャンプしてヘディングを行うので使い勝手があまり良くない。
○CPU
味方のCPUは基本全く動かないかボールの位置に応じてフォーメーション通りにただ前後に動くだけなので「困っている時にボールを受けに来る」という事はなく、「フリーなので一人で前線に走る」という指示も出せない。
同じくCPUが操作している選手以外の選手も全く動かないかフォーメーション通りただ前後に動くだけ。
相手の陣地でプレイヤー側のスローイングになっても誰も寄ってこないので仕方なくプレイヤーの前にボールを投げて自分で突破する事も。
更にCPUが操作している選手も動きが悪い。ボールを奪おうとドリブル中の選手の前に立ちはだかるもそのまま前を一緒に走ってボールを奪わない事が多々起きる。
自操作選手がボールを持ったまま前を走っているCPUの選手ごとゴールエリアまでドリブルで運んでいく事が可能。
他にも後ろからちょこちょこスティールをしてボールを奪えないまま自操作選手がゴールエリアまでたどり着いたり、カード覚悟で後ろからでもスライディングを仕掛けるパターンでボールを奪いに来る。
パスの操作難も含めて他の選手にパスを出すよりただドリブルをしていればゴール前までたどり着ける事が多い。
○ポーズ時
オプションボタンでポーズが可能だが、ボール保持時にオプションを選択し○ボタンで戻るとその○判定が引き継がれ何故かプレイヤーがボールをヒールで後ろに蹴ってしまう。
攻めている時にオプションからの復帰をすると後ろにボールが飛んでいき相手のチャンスになりかねない。
自陣でボールを持っている時ポーズを押すと復帰時にそのまま味方ゴールに吸い込まれオウンゴールが決まることも。
かなり致命的。
●その他
5回行うPK戦では4回目に4-2と決まっても(普通はここで3点目を入れても後攻が勝てないので終わるが)5回目までPK戦が続けられる。
ベンチに控え選手がいるが試合中は交代できない。試合前のみ交代可能。
相手の選手がシュートを空振った場合戻す動作でヒールに当たりそのままの勢いで後ろに飛んでいく。ヒールキックでコートの半分ほどボールを飛ばす事も。
ゴールに入ったように見えてもキーパーがゴール内でキャッチをしていればノーゴール。
スローイングやキーパーのスロー、キックで変な位置を向きながらまっすぐ飛ばす時がある。(右を向いて右に投げながら前に飛ぶなど)
たまに敵チームのスローイングで客席にボールをぶん投げる現象が起きる。(条件不明)
たまに選手が透明になる。(条件不明)
ゴールパフォーマンスで相手選手がゴールネットをすり抜けていく。
前作にあった3段階の難易度設定が無くなっている。
などとにかく粗い部分が色々なところで目につく。
●まとめ
一応改善されている部分があるものの、前作で不評だった部分はほとんど改善しておらず新しい問題点が増えてしまった。
特にパス精度の悪さとドリブル時にCPUがあまりボールを奪ってこない、そして奪えない事により自陣からパスをせずドリブルするだけで後ろからスライディングを受けない限りゴール前までたどり着ける始末。
サッカーとしてはオフサイドが無い、判定が荒いなどとルールが破綻しており、ゲームとしても選手切り替えやパスの操作性の悪さ、殆どの選手が一定の動きしかしない部分でイライラが増す。
しかしチームや選手のエディットに対する努力は感じられた。
何故サッカーという根本的な要素に力を入れられなかったのか。
2021年12月3日 一部加筆修正(キーパー部分のセンタリングについての説明の追加、CPU部分説明追加、まとめの文章追加)