2010年 次点
概要
名称 | 戦極姫2~葉隠の乙女、風雲に乗ず~ | |
ジャンル | 本格戦国シミュレーション恋愛アドベンチャー |
対応機種 | Xbox360 |
発売・企画元 | システムソフト・アルファー |
開発元 | システムソフト・アルファー |
発売日 | 2010年6月24日 |
価格 | 8190円(税込) |
対象年齢 | CERO:C(15歳以上対象) |
要点
2009年の大賞に輝いた『戦極姫』の続編(ただのバージョンアップ程度)で、2月19日にPCでエロゲとして発売された物の移植版。
一部バグは修正されているので「前作よりはマシ」なのは確かだが、前作の惨状を考えれば評価が上がって当然だし、相変わらずバグてんこ盛りでひどい出来となっている。
クリアまでの時間が200時間(ファミ通より)もかかる上に、AIの処理が遅いためかなりもっさりしており苦痛。シナリオは前作同様つまらないものもある。
さすがに2年連続の大賞とはならなかったものの、昨年同様難なくノミネート作品に選ばれることとなった。
- 今回もバグが多く、ゲームバランスが崩壊するものやゲーム進行にかかわるものもある。
- お金やCP(コマンド実行に必要)が0からいきなりMAXになる。
- パラメータの参照値がおかしい。攻撃力が上がったはずなのに防御力が上がった。
- 一部フラグがおかしい。
- 特定の操作をすると100%フリーズする。
発生しにくくはなったようだが「ブラックホール城」も健在。
- 立ち絵の消し忘れ(女武将の後ろに立つ侍や、同じ女武将が後ろに増殖する)があったり、一枚絵が表示されずに白い画面になる。
- 天下統一(群雄モードでいずれかの大名家で天下統一する)の実績が解除されない。
選評
選評案その1
2009年11月。
エロゲー帝国から大海原を越えて現れた1隻の黒船こと「戦極姫」は、島国KOTYに住む住人を恐怖のどん底に叩きつけた。
祖国の住人すら阿鼻叫喚に陥れたその船は、KOTYの国宝である2つの王冠を奪い大海原へと還っていった。
そして2010年である今年6月に、その船はまた現れたのである。
あの伝説の襲来、そして据置・携帯版でダブルの栄誉(?)に輝いてから約半年、黒船こと「戦極姫」が「2」となってまたKOTYスレにやってきた。今度はXBOX360である。
「前回よりは良くなった」と言われるその様子は、戦極姫に初めて触れる人には想像を絶する仕上がりとなっている。
まず<<戦国SLG>>としての評価である。
何をするにも大切な資金ではあるが、特徴的なものとして最大値←→0のループである。
突発的に資金が変動するイベントでは見事に初代の再現がなされており、そろそろ「据置版戦極姫では仕様」と言われるのが当たり前の模様になりつつある。
この数値関連のバグは目覚しく、酷いものでは成長ステータスが突如として無茶苦茶な数字になったりする(文字化け)。
更に衝撃的なものとしては「システムログでは確かに攻撃力が上がった」筈なのに
「戦闘をしてみると実は防御力が上がっていた」というゲーム性としてまずありえない事態が起こる。
これを具体的に普通のRPGで置き換えるなら「『長剣』という名前の『分類:盾』を買う」、そんな理不尽が随所に見られるのだ。
そして城関連に関しても同様である。
今回も登場する「ブラックホール城」と呼ばれた脱出不可能な城になってしまうバグは、
確率は少ないものの発生すればほぼ確実にロード画面、下手をすれば最初からの作業が待っている。
続いて<<恋愛ADV>>である。
女武将の後ろに立つ侍や、同じ女武将が後ろに増殖する様子は、さながら「乱(れた)世(界)」の文字を頭に呼び起こしてくれる。
しかも一部の武将に立ち絵が存在しない箇所が点在しており、その場合は「謎の白い壁」が代わりに現れる。
細かい誤字脱字も所々見られるがそれは大した問題ではないほどに、目の前の光景はまるでホラーゲームをプレイしているかのような錯覚に陥ってしまう。
しかしバグに満ちたこのゲームにも魅力はある、「XBOX360」というハードの仕様か非常に動作が軽いのだ。
ロードに膨大な時間が掛かるのは諦めるしかないものの、いざ選択画面の部分に関してはカーソルの動きがとても速く、流石はXBOX360の力だろう。
しかしAI自体は非常にもっさりしている為に全体的にイベントの挙動が遅く、そのせいで非常に単調なシナリオながらクリアまでに250時間以上は掛かると思われる。
その1割は「内部処理に費やす時間」と考えていい。
徹底的に改善が見られる事はなく前作とほぼ変わらない状態と思われる「戦国姫2」。
だがそれは初めて戦いに挑んだ1人のKOTY住人の精神を、完膚なきまでに叩き潰す見事なものであった。
リンク