2016年 次点

概要

名称RAMBO THE VIDEO GAMEhttp://www.jp.playstation.com/software/title/jp0098npjb00637_00rambothegame0001.html [外部リンク]
ジャンルレールシューティング
対応機種PS3 DL専用
発売元Teyon Japan
開発元Teyon
発売日2016年4月8日 (2017年1月6日販売終了)
価格2200円(税込価額)
対象年齢CERO :Z (18歳以上対象)

参考動画

トレーラー

要点

KOTYの常連となりつつあるヘビーファイアシリーズでおなじみのTEYONより発売されたレールシューター。
有名な映画作品「ランボー」シリーズの1〜3をゲーム化したものであり、一部オリジナルのエピソードを追加しながら原作のシナリオを追っていく形となっている。
海外では2年前に既に発売されており、各所で酷評の嵐となっていた。2年後、唐突に無料DLCが発表され日本での発売もめでたく決定した。
ヘビーファイアと異なりTEYON単独での販売のため、DL専用ソフトとなっている。

ゲーム性

  • 操作についてはこれまでのヘビーファイアをベースとしているため、基本的な操作内容はアフガンHFSのページを参照
  • ヘビーファイアと同じく、相変わらず隠れても敵に捕捉・射撃されるカバーポイントが多い
    • カバー中に移動できるポイントもあるにはあるが、移動する手間が増えるだけというストレス要因となっている
    • さらに本作からはカバーポイントが一部破壊されるようになっているため、隠れても意味がない場面が増している
    • 一部の敵は時間経過とともに遮蔽物を乗り越えて攻撃する上に、グレネードはカバー越しにでも投げ込まれる仕様
  • QTEも続投(即死あり)
    • ステージ2は全部QTEというシューティングの常識を覆す内容となっている (その後のステージ3も冒頭に長いQTEがある)
    • このステージ2が実質的な経験値稼ぎの場となるため、延々と自由度の無いステージを拝むこととなる
  • ダメージを受けた直後の無敵時間なし
    • 敵が多い場面だと、あっという間に死亡することも珍しくはない
    • その割には終盤ステージの敵の配置数が明らかに多すぎており、イージーでも難易度が跳ね上がっている
  • 新システム「リロード」
    • 弾を補充する際にはリロードゲージが表示され、ルーレット状にリロードバーが移動し、リロードボタンを再度タイミングよく押すか放置することで完了する
    • パーフェクトゾーンで止めるとリロードが短縮され、弾数が二倍になる
    • 逆にパーフェクト・ノーマルゾーン以外で止めた場合はJAMが発生、リロード時間が遅くなり弾数も半分に
    • このルーレットのモーションがやや早く、常にリロードでも気を使わなければならず、ゲームのテンポを悪くしている
    • 上記の隠れられないカバーポイントと合わさると、リロード中に一方的に撃たれる蜂の巣状態が完成する
      • スキルのセットで多少は緩和できるが、高難易度ステージの場合は他のスキルの仕様が推奨されることもままあるため、ストレス要因となってくる
  • 新システム「怒り状態」
    • 敵を倒すことで怒りゲージが増え、1ゲージ以上ある状態でL1ボタンを押すことで発動する、いわゆる「ランボープレイ」状態
    • 画面が熱センサー仕様となり敵の動きがスローモーションになるため、素早く敵を殲滅できるかと思えば、ランボーの射撃までもスローになるため一方的な攻撃を加えられるわけではない
    • そのためこの状態で間違えてリロードやグレネードを投擲した場合、モーションを終える前に怒り状態が解除されてしまうという間抜けな絵が見られる
      • この状態で敵を倒した時のみ体力が微量に回復する(特定のスキルで回復することできる 例:ヘッドショットで体力微回復など)
      • しかし、熱センサーのような演出のため、極端に明るい砂漠ステージでは画面が焼け付いているような状態になるため、とにかく見づらいことなる
  • 厄介な強敵
    • これまでのヘビーファイアシリーズと異なり、敵歩兵が全員一撃で倒れる仕様でなくなっており、ゲーム後半からは非常に厄介な強敵が画面狭しと登場する
      • 味方の攻撃力を倍にする教官は倒れるまで「He is a human not a God!」と何故か英語で連呼し続けるというかなり耳障り存在(登場中はパワーアップしている敵の位置が常時見えるメリットはある)
      • 火炎放射持ちの重装兵は体力が以上なほど多い上に、カバーしてない間は連続ダメージが入り続ける
      • グレネード兵は常に隠れっぱなしな上に遠方に配置されているため、発見しづらい上にグレネードの投擲が見づらくかなり速い
      • おまけにこのグレネードはカバー越しでもクリーンヒットし、一発のダメージももっとも大きいため、見落としたら一瞬でゲームオーバーとなり得る
      • 終盤はこれら以外の大ダメージを負わしてくる一般兵も複数同時に出現するため、恐ろしいまでもの難易度となっている。とくに通常コントローラーの場合、照準が間に合わず一方的にいたぶられる場面が多々ある
  • 炸裂系の武器による自爆
    • グレネードなどの炸裂系武器はランボーの付近で使用した場合、ランボー自身にも大ダメージが入るため注意が必要
    • ダメージ量もほぼ即死級であり、上記の重装兵に使った場合、距離が近いこともありランボーも一緒に昇天することがままある
      • 敵の背後に投げ入れるという精密な投擲が求められるため、炸裂系武器の醍醐味である爽快感がかなり相殺されている

演出

  • ヘビーファイアシリーズからのグラフィックの向上は見受けられるが、それでもPS3後期の平均以下と言わざるを得ない
    • 背景のグラフィックはかなり頑張ってはいるものの、人物の描写はかなりチープ
  • SEがひどい
    • 銃声、打撃音、爆発とありとあらゆる音が軽すぎるため、総じて演出がとても安っぽくなってしまっている
      • せっかく車両の演出がHFSから格段に良くなっているにもかかわらず、音響のせいで台無しになっている
  • 原作の音源を使用した弊害
    • 本作は原作作品の音声をそのまま用いている箇所が多く、ランボーのセリフは全て映画からの使用となっている
      • 結果、年季の入った音声と近年録音されたゲーム音声との音質・音量がバラバラであり、かなり聞きづらいセリフもある
  • 原作の重要なシーンのカット
    • ランボー1終盤の大佐の説得シーン、2のヒロインとの別れなど、とにかく一番力を入れなければならないシーンが大幅にカットされている
    • そのため原作でのランボーの葛藤がほぼなくなっており、文字通りの戦闘マシーンのように描かれている

その他

評価点

  • オリジナルストーリーが展開されるDLCはそれなりに評価されている
    • 軍人時代のランボーがチームを組んでカンボジアで戦い脱出を試みる
    • チームとの連携や脱出までの演出、敵の配置などが本編よりしっかりしているため、そこそこバランスのとれた内容となっている
    • 2年越しで発表されたものの、無料での追加コンテンツとしてはボリュームがそれなりにある

選評

選評1

2016年4月8日。それは唐突に日本に上陸した。
PS3専用DLソフト「『RAMBO THE VIDEO GAME』。
有名映画『ランボー』シリーズの1・2・3作目を原作とする、海外のゲームメーカーTEYONとReef Entertainmentの合作レールシューティングである。
本作は2年前に海外ですでに販売されているが、パブリッシャーが見つからなかったのか長らく日本での発売情報は出ていなかった。
かのヘビーファイシリーズ(以下、重火)を輩出したTEYON製のレールシューということもあり、
一部ではローカライズされないことを残念がる声も上がっていたが、エイプリールフールを挟んでの突然の発売決定へと至った。

このランボーは重火シリーズのシステムを継承するゲーム内容となっており、幾つかの追加システムを搭載している。
本題のクソ要素を取り上げる前に一度、進化している箇所を取り上げようと思う。

まず目につくのはグラフィック。
重火アフガン、シャッタードスピア(以下 HFS)と本当にPS3のソフトかと疑われていたグラはそこそこ向上しており、
背景の細かい描写やテクスチャーにはかなり磨きがかかっている。
人物の描写は元ネタがあるため、それに似せようとする努力が感じられる。
大量のコピペモブに目を瞑れば、スタローンの3部作それぞれの雰囲気の再現はそれなりによく仕上がっており、
これまでの重火シリーズでぶん投げられていたフェイシャルモーションにもかなりの進歩が見られる。
(その他の主要キャラはやや似てない気もするが)

ヘリや戦車といった車両の描写が特に進化しており、ワイヤーアクションかと揶揄されていたおもちゃのような動きはなりを潜め、
きちんと映画の動きを再現した臨場感が出ている。
車の吹き飛ぶさま一つをとっても、映画の大げさな爆発シーンを想起させるようなしっかりとした演出がなされている。
依然として人物のモーションにやや難があるように思えるが、全体的なグラフィックの向上は素直に褒められるレベルに仕上がっている。
BGMも原作準拠のものが使用されているため、ゲームを盛り上げるのに一役買っている。

また、これまでの重火シリーズにはなかったDLCを今回日本初公開という形でゲーム内に取り入れている(日本版は最初からDLC要素が全て収録)。
カンボジアでランボーが舞台戦を行うというIfストーリーであり、軍隊に所属しているランボーを描いたファンサービス的な内容。
大してキャラクターを掘り下げているわけではないものの、追加要素としてはなかなかに作りが丁寧な内容となっている。

これまでローカライズを行っていたハスムター(ゲーム会社)が絡んでいなこともあって、
DLC含めた価格が2200円に抑えられている点も評価できるだろう。

しかし、褒められるのはこのあたりまでであり、総合するとどうしてこうなったと言わんばかりの、
シューティングとして致命的な欠陥を抱えた作品であると言わざるを得ない。
まずは、重火シリーズから続く問題点の継承とパワーアップについて述べていこう:

重火シリーズで特に顕著だった「隠れても撃たれる」問題。
タイムクライシス系統のレールシューでは、物陰に隠れて敵の襲撃をしのぎ、
武器を再装填してタイミングよく身を乗り出して相手を倒していく駆け引きを楽しむことができる。
しかしこのシリーズでは隠れていても体の一部が遮蔽物から出ており、カバー中でも画面に敵が写っていれば容赦なく撃たれる。
こちらもカバー中に撃ち返せるのだが、リロード中の場合は一方的に撃たれることになる。

リアルな戦場を再現しようとしたのかもしれないが、FPSと違って自由に動けないプレイヤー側にとっては不利なことこの上ない。
HFSからカバーポジションが変更できるシステムが導入されているが、隠れきれていない場所がランボーではさらに増えており、
カバー中にわざわざ移動しなければならない手間が増えただけと言わざるを得ない。

そして今作からは、なんとこの隠れている遮蔽物が一部破壊されるようになったのである。
つまり長く隠れていると、そもそもカバーする意味がなくなる(ちなみに、遮蔽物は自分の攻撃でも壊れる)。
さらに長い間カバーしていると、遮蔽物の上から敵が乗り出して撃ち込んでくるようになり、グレネードも容赦なく投げ込んでくる。
当然放っておくと大ダメージを喰らうため、リロード中の場合は致命的な一撃を浴びることになる。

また、QTEも引き続き採用されているが、本作はHFS同様に即死QTEがいくつも紛れている。
しかも、ただの減点QTEと混在しており、初見では見分けが効かないために非常に紛らわしい。
ランボーが敵地に潜入する際にサーチライトをくぐるQTEは良くできているだけに、その他の適当に入れました感満載の雑なQTEが悪目立ちする。
中でも、全てQTEのみで構成されているステージが存在しているが、思わずプレイしているゲームのジャンルを疑いたくもなる。

ダメージ継続の問題もシリーズを通しての「ヒット後の無敵時間なし」はそのままである。
(一応ランボーではこれを回避するための「怒りモード」が存在するが、こちらについては後述する)。
ダメージソースとなる敵が誰なのかが相変わらずわかりにくい(判別方法がそもそもない)。
画面にいる敵はどこにいようと確実に弾をヒットさせるため、例のごとく「誰から率先して倒すべきか」という戦略性が薄い。
この戦略性を気にしてか、本作には複数のタイプの敵が登場するようになっており、倒す優先順位がつけられるようになったと思えた。
しかしそれが別の問題を引き起こしてしまっている。

敵の種類は、
「一般兵」(攻撃力は弱く、体力も少ない)、
「警察官」(ほぼ一般兵と同じ、ただし殺害すると減点となる)、
「指揮官」(体力が多く、画面上にいる全ての敵の攻撃力を倍にする)、
「上級兵」(体力が多く、武器が強い、ショットガンなど異なる武器を使う奴もいる)、
「重装兵」(体力が非常に多く、頭をガードしているためヘッドショットが1発では決まらない。ガトリングや火炎放射など、強力な武器を携帯する)、
「グレネード兵」(常に隠れっぱなしで見つけにくい、グレネードの一撃が非常に重い)などがいる(名前は便宜上につけています)
(公式曰く、25種類いるそうだけど、多分見た目違いの性能一緒なのが多数かな?)

ほとんどの敵はヘッドショットを決めれば一発で倒せるが、基本的には数発当てなければ倒れない仕様となっている。
特に映画「ランボー1」の再現ステージ登場する警官は殺害すると逆に減点となってしまうため、
ちまちまと手足を撃って「ノーキル」を目指すことになる(武器アンロック必須要件の一つ)。
しかし相手はお構いなしに射殺してくる上に数の暴力で画面上に4〜8人同時に乱射してくるため、
ちまちまとぶれる手足を狙っていると一瞬で蜂の巣にされる。
ランボー1のステージは実質縛りプレイとなってしまうため、スキルが揃っていない状態でさっくり進めたい場合は2以降のランボープレイが推奨される。
まさにプレイヤー自身に原作の掟破りをさせる作りとなっている。

「警察官」はあくまでもランボー1ステージ限定のキャラのため、その他のステージでは非殺傷は行えない。
代わりにランボー2後編ステージあたりから「指揮官」が登場し、急激にゲームバランスが崩壊しだす。
というのも、「指揮官」単体ならまだ優先的に倒せばよいのだが、同時に体力が高い「上級兵」と、
常時隠れっぱなしの高火力「グレネード兵」が同時に出現しだし、一体倒しているうちに他の兵士がガンガンこちらの体力を削り続けてくる。

「グレネード兵」は手榴弾を投げるタイミング以外では画面上に出てこない上、
隠れている時間がかなり長くとにかく遠くにいるため、発見するのが困難である。
出待ちをしている間に他の敵から撃たれるので先にそちらを倒そうとすると、
野球ゲームなみの投球スピードでグレネードが飛来し、これを撃ち落とすのも一苦労である(当然撃ち落としている間も他の敵に撃たれる)。
複数の強敵が同じ画面に存在するだけで、あっというまに倒す優先順位が崩れ落ちる。

そこにランボー3編から体力が異常に高い「重装兵」が登場し、場をさらにかき乱す。
とにかく無駄に固い上に火炎放射器を直接使ってくるため、カバーしていないだけでガリガリと体力を奪いにくる。
倒すコツとしてはヘッドショットを数回決めるか、背中のタンクを破壊するかが手っ取り早いが、それでも「上級兵」より時間がかかる。
そのため「指揮官」「グレネード兵」「重装兵」が3体同時に画面上に現れた場合、突破する難易度が急激に跳ね上がる。
しかもこの連携が終盤のステージでは当たり前のように連続で発生し、チェックポイントも間に挟まれないため何度も死ぬはめになる。

こちらも重火シリーズから続く「後半以降の難易度調整がおかしい」というお約束である。

敵を手早く倒す手段としては、高火力のグレネードや炸裂矢を使用することもできる。
しかしこれにもデメリットがあり、そもそもレベル上げをしていない初期状態ではグレネード1つしか携帯できない。
加えてこの炸裂系の武器は、プレイヤーから近い場所で使用するとこちらにも大ダメージが発生する。

上記の近距離にいる火炎放射機持ちの重装兵に対してグレネードを使用すると、
その爆風に巻き込まれてランボーも即死するという理不尽な場面もある。
重火シリーズとしては今まで以上に注意して炸裂系の武器を使わなければならなくなっている。

本作における新しいシステムとして、「リロード」があげられる。
これは武器の弾を補充する際、リロードマーカーにルーレット状の円が表示され、一本の針が回転する。
黄色い箇所でもう一度リロードボタンを押せば「パーフェクト・リロード」となる(リロード時間短縮・弾数倍化)。
放置または白い箇所でストップすれば「ノーマルリロード」(各武器固有のリロード時間と弾数装填)。
それ以外の箇所でストップ/リロードボタン連打で「JAM」となる(リロード時間延長+弾数半減)。

これがリロードの難易度をかなり上げており、ゲームのテンポを悪くしている。
まずこのルーレットの針がそこそこ速く動く上に表示が小さく、
スキル無しの状態では黄色い箇所がかなり狭いため成功率がやや低いと言える。
スキルが揃うまでは放置してノーマルリロードを狙うのが無難だが、
ランボーが装填を始めるのはなんと針が止まってから。
つまり、ボタンを押してからルーレットが止まる時間までもがリロードにかかる所用時間に加算されるため、
レールシューとしてはかなり待たされるのである。
上記のカバーと敵の攻撃の仕様と合わせると、タイミングによってはリロード自体がかなりリスキーなのである。
しかもどの武器も基本的にリロード速度がデフォルトで遅く、
ランボーが成長していない段階では弾切れ=死亡へとつながること目立つ。
レールシューティングではリロードは大事な要素ではあるものの、
この複雑なシステムのせいでカバー中でも冷静に装填することを強いられ、
嫌な緊張感を常時味わうことになる。

戦場のリアルさを追求するスタイルには敬服するものを感じるが、ゲームの爽快感を奪っているようでは元も子もないだろう。

(一応サブウェポンへの切り替えもあるが、これもリロード同様にすごく遅い。スキルでちょっとだけ早くできる)

このゲームにはゲージを消費して「怒り状態」になる、いわゆる「ランボー・プレイ」を再現できるシステムがある。
敵を倒したり物を壊したりする(スキルを使用すると、被ダメージでも増える)ことでゲージを溜め、
発動と同時に赤外線カメラのような画面になり、画面全体にスローがかかった状態になる。
この間、プレイヤーの照準だけが通常通りの速さで動かせるため、一方的に敵へ射撃ができるように思われる。

しかし、ランボーの動きまでもがスローになっているので、
実際には無双状態には程遠い、ちょっと有利になるぐらいのシステムである。

この状態で敵を倒すことでしか基本的には体力が回復できず
(他には、スキルを装備してヘッドショットで5%回復できる物も一応ある)、回復アイテムは一切ない。
なお、初期状態ではゲージ1本のみストック可能(最大4本)、無敵無しと、使い勝手もかなり悪い。

しかもランボーもスローになるため、怒り状態中にリロードしようものなら、
真っ赤な画面の中ゆっくり装填する様子を見て終わることなる。

これに加えて、この赤外線のような演出のせいで明るいステージではとにかく敵が見えづらく、
ランボー3編のアフガンの砂漠で使おうものなら、プレイヤーは目に直接ダメージを受けることになる。

しかし、これが唯一といっていい回復手段なので、ダメージ必須の砂漠ステージではたびたび使用せざるを得ない。
弾切れに注意しつつ先に敵の位置を把握しなければならないため、
無双どころかやたらと神経を使うことになるシステムである。

上記の仕様から察するに、レベル上げとスキル獲得が重要となるのがわかるが、そのためには経験値を稼ぐ必要がある。

しかし、低レベルのまま高難易度で挑んだ場合は返り討ちにあうなのは明白なので、
結局はQTEステージを連続で行うという、さっそくなんのゲームをプレイしているのか忘れてしまいそうな事態になる。
何度もランボーの髭剃りを拝まされる苦行が延々と続く。
演出面がしっかりしていれば、それなりに見応えがあるので退屈はしないのだろうが、ここで新たな問題が発生する。

それはSEである。
ランボーを始め主要な人物の音声は直接 原作の映画から使用されているため、
音質・音量にばらつきがあり、とにかく聞きづらい。

さらには銃声や打撃音も全体的に軽く、
上記のQTEステージなどではランボーの打撃に重みが一切出ていないのである(ペチペチ、ぽふ、という感じ)。
ムービシーンでもセリフにくぐもったように聞こえるなど、ビデオテープから音声を持ってきたのかと疑いたくなるレベルのものさえある。
SEだけならば、PS1レベルといっても差し支えないだろう。

演出面では音以外の問題もある。それは原作再現である。
本作はランボー1・2・3のゲーム化であるが、3Dで名場面を再現する試みが行われてはいるものの、尺がどれもかなり短い。
例えばランボー1のラスト、ベトナム戦争還りの孤独なランボーに対し嫌がりの限りを行った警官たち、
それに激怒して街中で暴れるランボーをトラウトマン大佐が説得するシーン。
なんと説得開始の手前で終了である。
そして収監されたランボーが釈放を条件にベトナムへ送られる流れへと淡々と進む。

このゲームはランボーの葬式から始まるというなかなか衝撃的な演出で始まるのだが、
それ以降のムービーがほとんど原作のつまみ食い再現のため、
原作を知らない人にはランボーの人物像が掴みづらく、
ファンからすれば重要なシーンを次々とカットされたダイジェストを見せられることになる。

非常に淡々とランボーの話がぶつ切りで語られていくため、
クリア後には何も印象に残らないという、キャラゲーとしてはかなり失敗している部類であるように思える。
今回初となるランボー1のゲーム化であるが、原作のランボーの葛藤は残念ながら微塵も感じられない。
むしろ戦闘がしたくしょうがない兵士に見られかねない。

このゲームはレールシューティングを今でも輩出し続けるTEYONの成長を感じることはできるのだが、
その反面、新たな問題を多数追加するという相変わらずの姿勢が垣間見れる。
シューティングとしてきちんと作ろうという意気込みはあるが、余計なものを追加して見事に空回りしている様子は清々しさえ感じ取れる。

加えて本作は「ランボー」という世界的に有名な題材を扱ったものであり、キャラゲーとしてのすべり具合もなかなかのものであり、
クソゲーの新たな経験を積んでしまったと言えるかもしれない。

しかしその一方でちゃんと成長している要素があるのも確かであり、
異常な難易度でありながらも成長要素をうまく導入しながら最後までギリギリやりとおせる。
「ランボー・ザ・ビデオゲーム」は、クソながらも飽きを微妙なレベルで感じさせない作りとなっている。

SEは壊滅的ながらも、3Dモデルやカメラの動きと原作のBGMもうまく使って楽しませようとする努力が伝わってくる演出のうまさはある。
上記のクソポイントに付随してまだまだ語り足りないダメ要素は多々残っているが、意外にも笑って許せる重度のクソゲーではないかと思ってしまう。

以下、それ以外に感じたダメ要素:

・オプション:いつものTEYONクォリティ
ボタン設定なし、音量・ディスプレイ調整だけ(デス様よりかは充実している)
MOVEの設定が単体設定がデフォ・ナビゲーションコントローラーはいちいち設定しないと使えない

・チェックポイント・リスタート位置
ステージによってポイントの間隔がバラバラ。
とくに後半の激ムズステージや、警官のノーキルが要求されるステージではかなりチェックポイントが遠すぎる場面が多々あり、
一度失敗するととんでもない巻き起こりが発生することもある。

・シューティングとステルスアクション
内容がバラバラな要素を入れすぎて、ゲームの方向性が失われている。
ランボー2編の開幕はステルスゲームになっており、QTEと弓矢で進めていく。
このステルスパートでは、弓矢を一発でも外すと、敵が超絶反応で振り向きランボーの脳天を一発で打ち抜く。
直後に白目をむいて倒れていくどアップのランボーがかなり笑える。
ただし、照準が結構合わせづらいので、何度も見るはめになる可能性あり

ちなみに、ランボー3編では、強行突破とステルス潜入が選べる分岐点がある。
これを全編やらせてくれれば、相当いい方に印象変わったと思う。ただし、難易度のバランスがこの3編ではすでに崩壊中。

・ダメージ表現
ダメージを受けると、血しぶきとともに画面が激しく揺れる。
この演出のせいで照準が非常にぶれやすく、ミスががんがん誘発される。
スキルで緩和可能だが、それでも揺れる

・背景に溶け込む敵
 いつものTEYONシューティングの問題。
暗いところ、明るすぎるところ、
どっちのステージでもとにかく見づらい敵がいる。
怒りモードで見えやすくなることもあるが、
逆に余計見えにくくなる場合が多い。

・ローディング
相変わらずの長さのようだが、先にプレレンダされたムービーを流してその間にロードしているようで、
初見の時は意外にもストレスなく遊べた。
2周目からは、ロード中はムービー飛ばせないのでちょっとイラっとする。
ロードが終わればスキップ可能。たまにロード完了前にムービー終わっちゃうけど。

・ムービー
カックカク。
上記のロードのせいで常時カクツキが発生。
場合によっては結構見づらいことになる。リアルタイムでもないのにここまでかくつくものなのかと

・戦車
終盤で一回乗り込むシーンがあるものの、HFS同様、相手戦車の砲弾一発で沈む。
ラスボスのヘリのミサイルなら数発耐える。即死QTEと同じ扱い

・動き回る死体
倒した兵士の死体が周りの物理演算に影響されてスライドしたり跳ねたりする。
これがランボー1で起きた場合、非殺傷で無力化した警官を誤射して殺害してしまう恐れがある。
運が悪いと、どうあがいても誤射しなければならなくなる。

・バグ(再現性不明)

ゲーム起動バグ、起動直後のロードで止まる、PS3の問題?(今現在は問題なく起動する)

敵キャラ消失バグ、登場するはずの敵が出てこず、進行不能に。
乗り物でやってくるキャラを置いて、車両だけが来ている疑惑。

船体が勝手に進行するバグ、上記の車両バグと同じく、船と乗組員が別々で動いてしまっている現象。
敵の船がこちらの船の手前まで勝手に進み、
後ろに複数の戦闘員が水上スキーをしながらあさっての方向へ射撃する。
すごく楽にクリアできる ありがたいバグ。

クリア画面でフリーズ。スコア表示中にフリーズ、セーブ中だったのでビビる。一応ステージクリア扱い