2011年 次点
概要
名称 | 街ingメーカー4 | |
ジャンル | 街づくりシミュレーション |
対応機種 | PlayStation3 / Xbox360 |
発売元 | D3 PUBLISHER |
開発元 | INDI SOFTWARE / MEDIA FACTORY |
発売日 | 2011年11月23日 |
価格 | 7,140円(税込) |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
参考動画
要点
自分でキャラを操作して、自分の作った街を自由に歩き回る事が出来る、街づくりSLG「街ingメーカー(まっちんぐめーかー)」シリーズの最新作。
シリーズの特徴であった「一人一人の住民に個性があり、会話や買物をしたり不満を解消してあげることで街が発展する」といった、AVG要素の大半を削除。
テナントの種類も激減して完全に別ゲームと化しており、それに代わるような良いシステムもない事から、シリーズファンが揃って激怒した。
本作で初めてこのシリーズに触った人も、あまりの内容の無さに落胆。結局シリーズの独自要素を排除した結果、劣化シムシティと評される始末。
スレでの呼称は主に「街」「街4」。プレイ時間の殆どが待ち時間であることに引っ掛けて「待ing(まっちんぐ)」或いは「待」とも称される。
- ゲームの内容は、「建てる」「潰す」「眺める」をひたすら繰り返すだけ。
- 建物の種類も全82種類と少なく、郵便局・お墓・交番・歯医者等に至っては、そもそも建てることが出来ない。
- 学校は勿論建てられるが、「高校」「中学校」「小学校」といった区分けが無く、「総合学園」の一種類のみ。
- 2012年1月31日に有料DLCで「伝統ある学園」が新たに配信された。だからどうしたといわれればそれまでだが。
- 買い物が出来ない以前に、建物の中に入ることが出来ない。
- 建物は時間経過によって発展・老朽化することは無いため、外観は一切変化しない。
- かといって、(シリーズの趣旨からは外れるが)シムシティのような、「税率の調整」や「条例の設定」、「公害・災害への対処」といった要素がある訳でもない。
- 天候や季節という概念も無く、地形も一種類だけ。
- これらの大半は、PS2などで発売されていた過去作にはあった要素であり、相対的に見ても大幅な劣化である。
- 過去作と同様、30を超える実在の企業とタイアップしている。
- 吉野家・TSUTAYA・ユニクロ、などといった店舗を実際に建てることもできる。
- 本作の数少ない(というより唯一と言ってもいいかも知れない)、普通に評価されている部分。
- バスや電車に乗って移動することが出来るが、普通に走った方が速い。
- 基本的に住人は「家に帰ります」「寿司に行きます」「最近部下の目が冷たい…」「スマホって一度もったら手放せないね」など、どうでもいい事しか言わない。
- 現れて、移動して、一言二言どうでもいい事を言って、目的地に着いたら消えるだけ。
- 話す内容のバリエーションも多くはなく、男だろうが女だろうが大人だろうが子供だろうが全く同じか似たようなセリフを話すため手抜き感が漂う。
- イベントも存在せず、「住民を誘致する」という概念が大幅に薄れた。
- BGMは昼と夜の2種類だけで、ゲーム中これだけを延々聞かされることになるので、イライラが募る。
- 一応、ゲームスタート画面のBGMを含めると3種類。だからなんだという話だが。
- ゲームクリアまで5~6時間、長くても10時間程度で、その大半は、プレイせずにただ待っているだけの時間。
- 建物を建てるためには過去作のような住民とのコミュニケーションは不要で、単に時間経過などで貯まるポイントを消費して建てるだけの地味な方式。
- ポイントが振り込まれるのは、ゲーム内時間の24時。
- 使い切ったら、また24時が来るまで最大10分間程度待たなければいけない。
- 待っている間は分身となるキャラで自分が作った街の散策や撮影もできるが、建物の種類や住民との意志疎通の少なさから時間を潰す手段に乏しい。
- 結局、街をうろつくことに飽きた場合はゲームを放置して本でも読むなりテレビでも見るなりすることになる。
- スキップ・早送りなどは一切出来ない。
- その癖、建物の配置中はゲーム内の時間が停止するという、余計なシステムは搭載されている。
- 一日の開始時に貰えるポイントは、大体10000ポイント前後に、現在の住民数をプラスしたポイントになる。
- 住民3000人でゲームクリアとなる為最大でも3割程度の増加しかなく、中盤以降明らかに需要に見合わなくなる。
- レベルの高い建物ほど消費ポイントも多くなる為、ゲームが進めば進むほど暇な時間が多くなる。
- 序盤の「住宅」は、一戸当たり180ポイント(入居人数2人)。
- 中盤の「マンション」は、一戸当たり3840ポイント(入居人数36人)、1日に2,3戸しか建てられない。
- 終盤の「高層マンション」は、8640ポイント(入居人数192人)、1日1戸建てたら終わり。
- 一応、時間経過でもちょっとだけポイントが貰えるが、雀の涙ほど。もうひとつのポイントを入手する手段は後述。
- 住人の不満(職場が足りない、学校が足りない、等々)を解決すると、不満を出していた建物の上に1000ポイントを入手できる星マークが出現する。
- プレイヤーキャラは、最大で7段まで使用可能になる多段ジャンプを駆使して、建物を登り取りに行く。
- レベルが上がるごとに1段ずつパワーアップするが、レベルが低い内は取りに行けない場所も多い。
- おまけに、この星マークは時間経過で消滅する。
- 高層マンション等の屋上に出現した場合、登っているうちに消えてしまう事も。
- 星マークの最大同時出現数は1個。
- まとめて一度に不満を解決しても損であり、効率よくポイントを稼ぎたいなら、一つ解消する毎に星マークを回収しなければならない。
- 不満解決のための建物を立てた所で、利用者が来なかったりすることもある。
交通機関を利用して別の建物に移動する概念が無いので、バス停等で建物と建物を繋いでも不満は解決されない。
- 効果は極めて実感しにくいが、一応公共交通機関は利用される模様。
- それ以前に、欲しいものを目の前に建てても解決しないこともある。
- ミッションクリアの条件は「人口を増やす事」だけ。
- 増やし方は、家を建てて住人を引っ越して来させる、オフィスや工場を建てて住人を勤めに来させる、博物館などを建てて観光客を呼び込む等。
- クリアするごとに開発可能エリアと建築可能な建物がアンロックされ、ジャンプがパワーアップする。
- 何を立てようかと考えている時に、いきなりクリアになるから達成感に乏しい。
- 先で書いたポイント切れを防ぐ為に、消費の少ない建物を多く建てても、入居する住民数が少なくてゲームが先に進まない。
- ゲームを進めないとエリアの開放もされないので、消費の多い建物を作らないと住民数が頭打ちになる。
- 操作性が悪い。
- 視点移動が扱い辛い。
- 細かい操作など、十字キーで1マスずつ操作したい場面も、アナログスティックでしか操作できず、置きたい場所になかなか置けない。
- 建物は道路とキッチリ接続しないと住民が移動して来ない為、失敗するとかなりイライラする。
- 夜になるとカーソルが見え辛くなり、建物の配置が非常に困難になる。
- グラフィックがPS2レベルで、少なくともHD機で出す必要性は感じられない。
- 画面内を建物で埋め尽くしても処理落ちがほとんどない、という一応の擁護意見はある。
- 特にひどいという程ではなく、また過去作もグラフィックはチープだったので、シリーズ内で見れば群を抜いてリアルなグラフィックであることは疑いない。
- 微妙にロード時間が長い。
- 普段がタイトルからメニュー表示まで約30秒、スタートしてMAP表示まで約30秒、ロードしてMAP表示まで約20秒。
- 新たな建物がDLCとして配信されているが、大半が有料。
- その内の一つである「風車」(100円・80MSP)は、そもそも電力等の概念が無いのでただの置物。
- どうやら、DLCで追加できる物件の数にも上限がある模様(PS3版/Xbox360版両方)。
- 4つ物件を追加しただけで、容量37/100と表示される。
- 公式ページの「追加コンテンツ」の紹介ページは、
現在(12月31日)もcoming soonのまま。
- 2012年1月31日現在、第三弾までDLCが配信されている。だが相変わらずほぼ全てが有料配信である。
- 本編クリア後に追加される「フリーモード」は、ポイント消費無し・住民からの不満無し・最初から全ての建造物がアンロックという状態で街づくりが出来る。
- このゲーム最大の難点である「待ち時間」無しで好きなように街の作成が出来る為、「こっちが本編」と言うプレイヤーも居る。
- 通行人や交通手段の目線で街を眺めたり、街を撮影してスクリーンショットを残したりできるので、
箱庭作成が好きな人はある程度これで楽しめる時間ができるだろう。
- ただし、結局「建てて、眺める」を繰り返すだけなので、すぐ飽きてしまう人も多いであろうことは想像に難くない。
- ファミ通レビューの点数は、7・8・7・7と妙に高い。
- 合計点は29点であり、あと1点でシルバー殿堂入りとなる点数である。
- 序盤だけのプレイなら、悪名高い「待ち時間」には遭遇しないので、この評価もうなずけないことも無いが。
- ゲーム誌『電撃Playstation』にて、D3パブリッシャーの恋愛SLG『ドリームクラブ』の看板を立てられるプロダクトコードが封入されたが、
「いらない」「使わない」という理由で街ing4本スレに大量転載された。
- ほとんど使い回しに近く特に魅力がないため、『ドリームクラブ』のファン達も興味を示していない。
- プレイステーション系列の専門誌なので、このコードはPS3版しか使えない。
- 『ドリームクラブ』は翌春発売のスピンオフ作品を除き、PS3では発売されていないのだが・・・
選評
選評その1
2011年も残りわずかとなった2011年11月末。
年間を通して未だ納得のいくクソゲーが現れず、まるで飢えた獣のように喘ぐ住人達の元に一筋の光が差し込んだ。
インディソフトから放たれた光、PS3とXBOX360で発売された「街ingメーカー4」である。
街ingメーカーシリーズと言えば、いわゆる「街づくり」を楽しむシミュレーションゲームである。
シリーズの特徴としては、プレイヤーは完全なる神様視点ではなく、都市開発のプロデューサーとしてプレイヤーキャラを操作し、自分の街を自由に歩きまわることができることである。
また住人達には1人1人に名前が付いており、さらに自由に会話をしながら仲良くなっていき、それぞれの住人たちと親密な関係となることにより様々イベントが発生し、
そのイベントによって街人が増えて発展していくといった、アドベンチャーゲーム的な要素も備えているというのがシリーズ一番の特徴であった。
初の次世代機で発表された今作は、今度こそシリーズの系統を引き継いだ正当進化版であると、シリーズファン達は大いに期待を高めていた。
ましてやPSPで発売された前作がTV番組「逃走中」との謎コラボのせいで「街作り逃走ゲーム」というよくわからないジャンルと化していたため、期待は尚のことであった。
しかし発売された瞬間に、このゲームの評価は地の底を走ることとなる。
街を発展させることで住人は増えるが、彼らに話しかけたところで定型メッセージを繰り返すばかりで
もはや人口を増加させるというよりボイス機能つきマネキン人形を量産しているかのような趣がある。
これによって「街を作り、住人が増え、住人と仲良くなることによっていくことによって、さらに街が発展する」というこのゲームの根幹が崩壊した。
建造物を置き、一日に一回貰える建造ポイント待つという、ただひたすらそれだけを繰り返すだけの作業ゲーと化してしまったのである。
同時に住人達からは名前が一切消えてしまった。台詞によるキャラ付けまでされていた住人たちが、これではただの歩くマネキンである。
建てられる施設も少なくなっており、工場の種類は激減し、漁場や農場に関しては存在すらも消えてしまった。
ほかにも郵便局やお墓、交番も建てれず、歯科や外科・内科病院も建てることができない。これらの無い街は、もはや街と呼べるのか疑問である。
さらに言うなら各施設には色やバリエーション違いなどもほとんど無く、住宅街にはまったく同じ色と形の住宅がひたすら立ち並ばざるを得ないありさま。
「HD画質によるリアルな街づくりが可能」といううたい文句も、実際のところPS2でももっとマシなグラフィックのゲームがあるレベル。
正直グラフィックに関して褒められる部分は(このゲームを通してとも言えるが)水の描写がキレイ、ただそれだけである。
簡単でわかりやすいインターフェイス、と言うのも単純に「やれることが少なすぎる」というだけである。建てたら出来の悪い箱庭を歩いて眺めるだけなのだから。
操作性としては視点移動が悪く、細かい操作なども十字キーで1マスずつ操作したい場面もアナログスティックでしか操作できず、お世辞にも良いとは言えないレベル。
自由に街を歩きまわってみても、各建造物は入ることのできないため単純な立体物でしかなく、
残念ながら街並みは多段ジャンプを駆使するためのだだっ広いアスレチック場以上の意味を持たない。
さらにゲームを通してBGMは昼と夜の2つだけであり、スキップ機能も無いため、1日経過でポイントを貰う→建てる→1日経つのをひたすら待つ→ポイントを貰う→建てる→待つのループを繰り返し、
誰がプレイしても同様に訪れるであろうゲームクリアまでのおよそ5~6時間、ずっとこの2曲を聴かされ続けるハメになる。
しかも低グラでできる事も少なく、間違いなく低容量であるくせに、フリーズかと疑うほどに突然ロード時間が長くなる場面が多々ある。
もはやプレイした者たちからは「モバゲーの方がマシ」と言う声まで上がる始末。それほどまでにゲーム性が薄く、ただ時間を待つだけの作業ゲー。
さらに発売から2週間後に配信されたDLC4つのうち3つが有料であり、ただでさえ7140円も出して買ったことに後悔するプレイヤーに追い討ちをかける。
正直こんなゲームをDLC込みで7500円も出して買うくらいなら、初代街ingメーカーのBEST版を購入した方が時間にもお財布にも精神衛生上にもやさしいだろう。
最後にここまでシリーズファン全員を裏切るようなゲームを世に出したインディソフトに一言添えるとしよう。
「街作りをゲームにする前に、まともなゲームを作ってください」
以上。
選評その2
新たなるクソゲーを待ちわびるKOTYスレに、一本のゲームが届けられたのは11月末の事。
そのゲームの名は「街ingメーカー4」(まっちんぐめーかー4)。
住民との対話による街づくりがメインシステムの「街ingメーカー」シリーズの最新作である。
このゲームを起動した貴方はまず、「これ、SIMPLEシリーズじゃないのか?」と思う事だろう。
本作はジャンルを「街づくりシミュレーション」と謳っているが、
他の都市作成系ゲームにあるようなシミュレーション要素どころか、過去シリーズにあった要素まで消え去っているのだ。
まず、当ゲームは基本的に「建てる・潰す・眺める」くらいしかできることが無い。
他の都市作成シミュレーションにあるような「税率・条例の制定」や、「災害・犯罪への対処」
「電力・水道等のインフラ整備」などと言う要素は一切無い。
また、ゲームのクリア基準も「人口を○○人まで増やせ!」の一種だけであり、
イベントどころか都市で起こった出来事の報告も無い。
建物を配置する際にはポイントが必要になるのだが、これはゲーム内時間の一日の開始時にしか多く貰えない。
一応時間経過で貰えるポイントもあるが雀の涙のようなものなのでアテにはできない。
他にも住民の(というより建物から出る)不満を解決することにより出現する☆を入手することによって
1000ポイント貰えるという要素はあるが、一度にたくさんの不満を解消しても出現する☆は一つだけであり、
中盤以降は建物一つあたり1000ポイント以上消費するようになるため、どうやってもポイントは不足するのである。
ついでに言うなら建物から出る不満を解決するには、その近くに新たな建物を建築しなければいけないため、
場合によっては採算が取れないのだ。
※補足1
「消費の少ない建物作りまくればいいだろ?」という指摘があるかもしれないが、
それでは入居する住民数が少なくてゲームが先に進まない。
ゲームを進めないとエリア開放もされないため、消費の多い建物を作らないと住民数が頭打ちになってしまう。
一日の開始時に貰えるポイントは大体10000ポイント前後に現在の住民数をプラスしたポイントになるのだが、
住民3000人でゲームクリアとなるため3割程度の増加しかしないのに対し、
建物建築に必要なポイントは昨年の覇者のステータスもかくやと言わんばかりに増加する。
序盤に建てることにるであろう住宅は一戸当たり180ポイント(入居人数2人)程度だが、
中盤のマンションは一戸当たり3840ポイント(入居人数36人)となって1日に2,3戸しか建てることができなくなり、
終盤の高層マンションともなると8640ポイント(入居人数192人)も必要となる。1日1戸建てたら終わりだ。
他にも一つ建てるのに数万ポイント必要な建築物もあるため、プレイヤーはポイントが貯まるまでひたすら待たなくてはいけない。
ゲーム内の1日は昼・夜共に約5分ずつの計10分ほど。音楽はそれぞれ1つずつの2種しか無く、延々と聴かされることになる。
ポイントが振り込まれる→建てる→10分待つ…。この作業の繰り返しがゲームクリアまで続くのである。
また、建物の配置中はゲーム内時間が停止する親切…もとい余計なお世話設計。
挙句「時間の加速」という設定箇所が存在しないため、どうやっても待ち時間は確実に発生するのだ。
だが、良く考えてみてほしい。このゲームをクリアするのにかかる時間は約6時間程度で、
その大半は操作せずに一日の経過を待つだけの時間だ。
もし倍速やスキップが実装されていたら総プレイ時間は半分~1時間未満になっていたことだろう。
まぁ、その程度の薄さしかないゲームなのだが。
※補足2
前の選評には「BGMは昼と夜の2つだけ」って書かれてたけど、
一応ゲームスタート画面は別のBGMだよ!
「待ち時間中は作った街を眺めてればいいじゃん!」という指摘はあるだろう。
確かに、プレイヤーは謎の黄色スーツのおっさんを操作して作った街を歩きまわる…
というか車や電車よりも速く、謎の多段ジャンプによって跳ね回ることもできる。
だが、本当に「それだけ」である。
一度配置した建物は時間経過による発展といった要素も無く、潰すまで見た目は一切変わらない。
天候や季節のような概念も無いため、大体一回見れば飽きてしまう。
建物は外観のみで中に入る事はできず、特にアクションがあるわけでもない。
住民が歩き回ってはいるものの、「夜更かししすぎた」「スマホって一度もったら手放せないね」など
実にどうでもいい呟きを残すだけで、街づくりに関するヒント等を発言したりはしない。
「ラーメンに行きます」「うどんそばに行きます」といった、
テンプレのセリフに機械的に建物名をはめ込んだだけの手抜き感溢れる発言も頻繁に見ることができる。
住民の生活を追おうとしても、突如出現し、目的地まで歩き、到着したら消滅するだけなので何の面白味も無い。
住民に乗り移って視界ジャックする事も出来るが、上記の通りなので特に意味は無い。
グラフィックそのものも「リアル」とはお世辞でも言えないようなポリゴンとテクスチャ丸出しの品質で、
何故PS3・XBOX360というHD機で出そうと思ったのか理解しかねる。
上述の「不満解決時に出現する☆マーク」はこのモードで回収する事になるのだが、
建物の上に出現するため、ジャンプを駆使して向わなければいけない。
だが移動に謎の慣性が働くため操作性は良くなく、落下中は多段ジャンプも不可能になり、
高層建築物ともなれば最大レベルの7段ジャンプでも届かない。
周りにある程度の高さの建物があればその屋上を経由して回収に迎えるが、この☆マークは一定時間で消滅するのである。
やっとのことで登りきったのに目の前で☆マークが消えた時の悲しさは、どう表現するべきであろうか…。
操作性について触れたが、これは建物を配置するモードでも地味なストレスを与えてくる。
建物の配置はアナログスティックでしか操作できず、細かい動きには向いていない。
しっかり交通機関と建物が連結していないと住民は入居しないため、
1マスでも配置がずれたら潰して建てなおすか、都市建設計画そのものを見直す必要に迫られる。
また、ゲーム内時間が夜になると建物配置画面まで暗くなってしまうため、この作業がさらに困難になる。
内部システムに目を向けてみると、また先程の「不満解決システム」に対する不満が残る。
不満は「住民から」というよりは「建物から」出る。
例を上げると「職場が欲しい」「娯楽施設が欲しい」といった内容なのだが、
対応する建物を付近に配置したところで不満が解決しない場合がある。
また、「不満解決の☆」が出現しても、その建物の入居者・利用者数が0だったりする事もあるのだ。馬鹿にされてるのだろうか…。
さらに公共交通機関(バス停とか)で建物と建物を繋いでも
「その建物の住人が交通機関を利用して別の建物に移動し、利用する」という概念が無いので不満は解決されない。
結局周囲を潰して区画整理し、目の前に建物を配置する以外に手段は無いのだ。
ちなみに、この不満も「○○(建物)が欲しい」という要求だけである。公害とか日照条件とかそういう不満は全く無い。
…と、ここまでの説明で大体理解していただけただろうか?
プレイ時間の大半が何もせずに待っている時間という、ある意味で斬新なゲームではあった。
なお、一日の開始時のポイント付与画面は自動スキップしてくれないので、
放置してポイントを貯めようにも10分に一度はボタンを押しに戻らなければいけない。
ひたすら「待ち」の姿勢が要求されるこのゲームが「待ingメーカー」と呼ばれるのも仕方のない事だろう。
最後の希望として、全区画・全建物開放&不満無し&ポイント無しで建て放題の「フリーモード」が存在するが、
単に上記のミッションモードにチートが入った程度の物だ。
待ち時間こそ無くなるが、同時にゲーム性までもが消滅してしまう。
ひたすら同種の建物を配置してネタ画像は作れるかもしれないが、一瞬笑っておしまいだ。
ゲームとして遊び続ける魅力には、残念ながら結び付かない。
こんな物に7140円も払わされた購入者は悲惨である。
冒頭に「これ、SIMPLEシリーズじゃないのか?」と書いたが、例えその程度の値段だったとしても許せなかっただろう。
最後に、全然広まってはいないが個人的に気にいっている当ゲームに対するレスから一言抜粋して選評を締めたいと思う。
「まいっちんぐ!」
おわり。