2012年 次点
概要
名称 | SIMPLEシリーズforWiiU vol.1 THEファミリーパーティー | |
ジャンル | パーティーゲーム |
対応機種 | Wii U |
発売元 | D3 PUBLISHER |
開発元 | ART |
発売日 | 2012年12月20日 |
価格 | 2,940円(税込み) |
対象年齢 | CERO:A(全年齢対象) |
関連動画
要点
選評
選評案その1
2012年、満を持して発売された次世代機WiiU
12月20日、恐らく最も注目度が低かったであろう作品がひっそりと発売されていた
その名は「SIMPLEシリーズforWiiUvol.1 THEファミリーパーティー」
シンプルシリーズの最新作の4人対戦のミニゲーム集で、価格は少々割高の2940円。
全35種類収録で、付属のゲームパッドを使う物と、別売りのリモコンとヌンチャクを使う物がある。
モードはリモコン系とパッド系を交互にプレイしていくチャレンジモードと、
自由に選んでプレイするフリーモードの二つ。
チャレンジモードでは10のゲームを行うが、リモコン式のものは順番が完全に固定
残り半分のパッド式がランダムになるだけで、フリーモードと特に差は無く存在意義が微妙。
加えて最初から遊べるゲームは一部だけで、チャレンジを進めないと半分以上はプレイ不可。
取っ掛かりからして、リモコンとヌンチャクが必須であるため4人戦のハードルがやたら高く、
結果ゲーム内容さて置きぶちぎれる購入者が続出している始末。
そりゃヌンチャク4本用意しろと言われれば怒りたくもなる。
友達間で持ち寄るならまだしも、家族で数揃えるとなったらそれだけで本作以上の出費だ。
キャラ選択ではMiiは使用不可能で、コスチュームは選べるがどれもただの色違い。
一応ボイスは違うが、性能に関しては全く同じで、
故にゲームを進めると開放される隠しキャラの必要性が微妙。
スマブラみたいに遊びの幅が広がるわけでもないのに何故この仕様なのだろう。
グラフィックは前世代のWiiに遥かに劣っており非常に低クオリティ、特にこった演出もない。
熊のキャラが実況をするのだが、終始喋りっ放しで「君は天才だ!」等々、まあとにかくうざい。
あとこの熊はプレイキャラでもあるが、その場合も実況は彼のまま。
自画自賛してる彼の姿は見ていて精神的に痛い。
スコアに応じてブロンズ~プラチナの称号が貰えるが、プラチナは1回のミスでもアウトな鬼畜仕様。
加えて運の要素が非常に絡み、CPUが適格に動く事、ターゲットが好配置である事が求められる。
例えば、サイコロを3個拾って転がし出目で勝負する「サイコロクレーン」という、
プラチナなど現実的に取りようがないただの運ゲーまである。
35種類と聞けばそれなりに思えるが、肝心のパッド系は僅か10種。
対してリモコン系が25種と2.5倍も多い。何の為にUで出したのか。
大体が別途用意する必要があるのに、この比率は商品として問題がある。
操作に関しても「傾けてキャラを動かす」「タイミングを合わせてふる」「的を狙って撃つ」
というように今更感が半端なく、この程度ならWiiで出せよってレベル。
更に一部のゲームではリモコンの認識が悪く、技術と無関係の所で難易度が上がるのでストレス溜まる。
なにより肝心のゲームがどれも手抜き感満載。
いくつか例を挙げると、まず「花火」はただボタンを連打するだけ。
「乗馬」はリモコンを振ってハードルを飛び越えるだけ。
「火花ボール」は要するに電撃イライラ棒だが、接触してもダメージが殆どなく、無視してゴリ押しで余裕。
「オーダー」は素早くホットドックにケチャップ・マスタードを掛けるだけ。
先でも書いたが「サイコロクレーン」は、サイコロを3個拾って転がすだけでゲームと呼べるかも怪しい。
そこそこ遊べるものも中にはあるが、正直どれも無料アプリ並か、それ以下の出来。
しかも、一部はどうやらWiiのシンプル作品からまんま流用している模様(ラー油氏曰く)。
対してパッド系の方はと言えば、上下左右に動かして他プレイヤーを探すものや、
傾けて降下するキャラを動かし、他プレイヤーがリモコンを使って妨害するもの、
タッチペンでボールを蹴り、他プレイヤーがゴールを防ぐものといった、取って付けたようなものばかり。
「新機能を適当に一通り盛り込んでみた」という製作者の姿勢が丸見えである。あれ、それなんて縁日?
難易度設定なんてものはなく、CPUの強さも変えられない。
しかも、一部を除き殆どのゲームでは負けるほうが難しいゆとり仕様で、とにかくつまらない。
ライト層向きといえば聞こえは良いが、適当にやっても楽勝できる物で一体誰が楽しめるのか甚だ疑問。
ついでにCPUはランダム選択のため、任意のキャラを選んでの対戦は不可。
一人プレイではぬる過ぎて全く遊び応えがなく、
対人プレイは周辺機器を揃える時点で金銭的に辛いし、どちらにしてもゲームがクソなので全く割に合わない。
第一3000円あれば、その金で他にいくらでも有意義な遊びが出来るし、
対人で遊ぶなら、桃鉄なり人生ゲーム(ボードの)なりでもすればいい。
繰り返すが、この程度のゲームなら今時無料でいくらでも遊べる時点で本作に購入価値など見出せない。
メーカーが「待」を出したD3の時点で、ゲー無としてのフラグが立っていた事に気づくべきだった