概要
名称 | 大戦略PERFECT~戦場の覇者~ | |
ジャンル | 戦略シミュレーションゲーム |
対応機種 | PS3 |
発売元 | システムソフト・アルファー |
開発元 | システムソフト・アルファー |
発売日 | 2014年2月6日 |
価格 | 通常版6800円(税込) 限定版8800円(税込) |
対象年齢 | CERO:B(12歳以上対象) |
参考動画
オープニングムービー
選評
選評案その1
2月6日、システムソフト・アルファーより発売された「大戦略PERFECT~戦場の覇者~」
本作品は2010年に覇王鬼帝と熾烈な争いを繰り広げ惜しくも敗れたPSP版の移植である(公式サイトにはPSP版の移植であるとは一切かかれていないが)
2年3ヶ月以上、回数にして10度も更なるクオリティアップの為に延期を続け公式サイトで
『シミュレーションゲームとしてありとあらゆる用途に対応できる機能を、「完璧に」備えています。』
『ビジュアル面も、ハードウェアの機能を最大限に生かしたフル3D表現による大迫力の「戦闘シーン」』
『往年のシミュレーションゲームファンの方から初めて購入される方まで、全ての方にご満足いただける内容となっております。』
と断言するほどの自信作である。
では『大戦略を「完璧」なものにするというコンセプトのもとに開発された作品』がいかに完璧かを紹介する。
※『』内は公式より引用
※選評者はPSP版は未プレイ。
また通常版と200ページのフルカラー限定公式攻略本のついた限定版がでているが、選評者は通常版を購入したので、限定版の内容については不明
○大戦略パーフェクトというゲーム
『「大戦略」は戦場の地形が「ヘックス」という六角形のマスで区切られており、
その戦場上に配置されている自軍の兵器を、将棋やチェスのように敵陣営と自陣営が交互に動かして攻撃や相手の建物を占領する、ターン制のシミュレーションゲームです。』
※公式から引用
『元はPCで発売された大戦略パーフェクト系の移植版であり、
最近の大戦略の特色であった連続するステージをクリアしていくキャンペーンが主体ではなく、色々なマップを集めたシングルマップ集であるのが特徴。
通常のキャンペーンもあるが、シャッフルキャンペーンという特殊なものを除けば数は2つと飽くまでもオマケである。
また、好きなユニットを集めて「マイ部隊」を編成し、オリジナル部隊として各マップを転戦して鍛えていったり、
細かいパラメータまで変えられるユニットエディタや、マップエディタなどの付属ツールも充実している。
どうせまともなゲームバランスにできた事など一度もないSSαである。調整はユーザーにやらせてしまおうと言うのは、ある意味英断であると言えるかもしれない。
例によって例のごとく宇宙マップやファンタジーマップなど、誰が喜ぶのか疑わしい妙なマップが数多く収録されている。
登場生産タイプも日米など主要国に加えてイラクやヨルダン、果ては北朝鮮など20カ国に及ぶ。』
※携帯版の選評1から引用
○OP
所々戦車のキャタピラやヘリのローターが動いてなかったり、船がプラモだったり、シャギったりぼやけたりするが、細かいところを見なければPS2中期~後期の出来なので悪くない。
戦略ゲームのOPとしては十分である。
○説明書
全65ページ(内3ページがメモ)。
画面の見方や、各フェイズ・各モード・各行動・エディターの説明が詳細に書かれている。少なくともチラシではない。
だがプレイを始めてみて直にダメさに気付くだろう。
この説明書、大雑把な目次しかないので調べたい項目がどこに書いてあるのかわからないのだ。
目次には、基本操作・メインメニュー・ゲームの基本・画面の見方・戦場マップでの基本ルール程度しか書いていないため、調べたい項目を探すのに非常に苦労する。
いや苦労するだけならいいのだ。
恐ろしい事にゲームでもっとも見るであろうユニットの情報画面の説明が書かれていないのである。
一応、各項目の説明は各エディタでの編集機能にバラバラに書かれているのだが、
まさかゲーム画面の説明がエディタでの編集機能に書かれているなど思いもしないだろう。
故に始めると、夜間30%とかステルス3とか隠蔽2とかECM3ってなんだ?疲労度はどうやって下げるの?デメリットは?回避力の地上だけ2つ書かれてるんだけど何故?
特性に書いてある全とか攻撃に書いてある直とか移動の○とかメガってなによ?
と、疑問にぶち当たるたびに説明書をひっくり返す作業を強いられるであろう。
他にも様々な情報がエディタでの編集機能で説明されており不便極まりない。
尚、当然ゲーム画面で項目の説明をしてくれるなんて親切な機能はついていない。
なぜ最終ページのメモを索引にしなかったのか、なぜ他は丁寧に書いているのによりにもよってユニットの情報画面の説明をしないのか?
○ゲーム内容
大きく分けてプレイモードと本作の売りであるエディタに分かれる。
まずはプレイモードの説明から行う
●チュートリアル
まずは公式では『初心者の方でも安心してプレイに臨める』と謡うわりには説明書の各モード説明に一切説明がないチュートリアルから説明する
このモードは歩兵のガーランド軍曹と元特殊部隊のメアリー中佐が楽しく掛け合いながら基礎を教えてくれるのだが、まずは結論から言おう。
このモードは存在する価値がない。教えてくれることが少な過ぎる上に的外れなのである。
このモードで説明してくれる事は、移動・攻撃・索敵・首都占領・司令部破壊・地雷撤去のみである。
移動・攻撃・索敵はいい。大戦略、というかSLGの基本中の基本だ。改めて説明するものかという気もするが初心者をターゲットにしているのだから仕方ない。
首都占領もわかる。これは大戦略独自の勝利条件であり、やはり大事だ。
だが司令部破壊及び地雷撤去に関して言えば正直微妙である。
司令部破壊は重要であるが後述する初心者用のシンプルモードでは司令部が無い事から解るように中級者用。
地雷撤去にいたっては数ある行動の中の1行動、それもかなりレアな行動に入り何故これが出てきたかは正直疑問である。
いや、説明しないより説明したほうがいいのは事実であるが、それより先に説明しなくてはいけない事は山ほどある。
(例:兵器の種類や各ターンの説明。迎撃や、補給や、搭載や、空挺の方法について)
説明書を見れば解決する、省いたのは大戦略のお約束だから説明しなかったなんて言い訳は通用しない。
説明書を見ればOKならチュートリアルなぞ必要ないし、移動・攻撃・索敵・首都占領の説明をしている以上これが大戦略どころかSLGのガチ初心者に向けられたのは明白だからである。
要は経験者には当たり前過ぎて不必要・非経験者には教える事が少なくてやっぱり不必要なモードになっているのである。
どうにもこうにも作りかけの気がしてならない。2年半の延期では足りなかったのだろうか?
存在自体が不必要な事に比べれば瑣末であるが、軍曹と中佐の掛け合いは説明書で3行で書いてあることを数分に引き渡す為殆ど無駄話。
(内容は声優さんの熱演もあり面白い。ただし、泣いても笑っても2人の表情が変わらないので不気味)
首都占領では普通にやると敵が突っ込んできて、それを迎撃すると敵全滅でクリアになってしまう(占領の方法を実践できない)
等といった細かいクソ仕様も完備している。
ただし、存在自体が不要なチュートリアルであるがたった一つ良点がある。
メアリー中佐の立ち絵と喋り方がエロくて素晴らしいのだ!
個人的にはここが本作の最高評価ポイントである。
●シンプル・ノーマル・ハード・戦略モード
ノーマルは従来の大戦略のモードでありハードは難易度上昇。
戦略はノーマルに物資の概念を加えルールも一部それに合わせたものに変更されている。
シンプルは大戦略初心者用のモードでルールや生産などが簡略化されており、
ステージも順番にやっていけば各行動の使い方や兵科の優劣などがわかるようになっている。
シンプルは(扱うルールが少ないからか)よく出来ている。
ただし射撃を行うとバクってカーソル移動しか出来なくなりリセットするしかなくなるのは流石SSαといったところか。
いずれのモードでもマイ部隊というクリア時のユニットを次のマップに引き継げる(ただし、出撃にはお金がかかる)機能もある。
マイ部隊情報のみオートセーブなので上述した射撃バグを起こすと折角育てたマイ部隊が消えるので注意しよう。
共通するクソ要素としてとにかくシステム関係が非常に不親切である。
ユニットのアイコンは兵科ごとに統一されていてアイコンを見ただけでは高価な強いユニットなのか安価な弱いユニットなのか解らない。
更に、敵味方が同じ向きで色も違わないのでパット見どれが敵でどれが味方かわからない。
一応申しわけ程度にユニットの外周に勢力の色がつくのだが、マップの色や迎撃範囲と同色の場合は溶け込んで解らなくなる。
なんか移動範囲が変だなと思ったら敵が紛れ込んでいてZOC(敵ユニットの周囲1マスは行動不能)が発生したなんて事が良くあるので困る。
GB版でも出来たユニット毎のアイコンの特色付けがなぜPS3でできないのか?2年半の延期では足りなかったのだろうか?
また大戦略は1スタック内で高空・低空・地上などと階層わけされているのであるが最上位の階層のユニットしか表示されないので、低空や高空にユニットがいると地上のユニットは見えない。
一応下に何かいるという印はでるのだが一々確認しなければいけないし、
敵味方あわせて100機以上のユニットが集結する大規模な戦闘ともなると見落とす事も多くなる。
後方の輸送ヘリの下にいた長距離ロケット砲に奇襲を喰らって前線半壊なんて事がままあるので困る。
また情報の確認が面倒さも直っていない。
PSP版の航空機の燃料を調べるだけで『ユニット選んで□押して小窓開いて、△押して詳細出して、高度が違ったら○ボタンでその地形の一覧開いてそこから目的のユニット選んで…分かったら小窓を閉じる。』が直ってない。
また、それだけ苦労して開いた部隊の情報パネルの武器情報が足りていない。
射程や弾数が書いてあるのはいいのだが、その武器の地形適性が載っていない。
つまり、その武器が対地なのか対空なのかわからない。
兵科である程度は推測がつくものの所詮は推測であり、そもそも普通に複数の攻撃手段を持つ兵科は存在する(対地・対空ミサイルを持つ戦闘機とか)ので、結局兵器一覧で調べる事になる。
ここもPSP版から直っていない。2年半の延期では足りなかったのだろうか?
キャンセルボタンが画面によって違う。
□だったり×だったり、セレクトやスタートだったり。
後述するキーレスポンスの悪さの関係上基本ボタンは連打する為戻り過ぎたり、折角閉じたのにマタ開いたりたりといった悲劇が。
L1R1で建造物や未使用部隊の検索は出来るのはいいが、 A→B→C→D→…の順に検索するだけでBからAに戻れない。
なお、L2R2は未使用である。わりふれよ。
○エディタ
マップ・生産タイプ・ルール・地形・兵科・キャンペーン・部隊機数比率をエディタすることが出来、使いこなせれば色々と変更可能。
また、生産タイプは登録すればシンプルとチュートリアル以外で使用可能。
ただし折角兵科エディタ作成したオリジナル兵器はマイ部隊に組み込み不可能というお互いの仕様がお互いの長所を打ち消しあうという謎のバランスはPSP版から修正されていない。
2年半の延期では足りなかったのだろうか?
また多様に設定できるのはいいのだが、それ専用の操作があるわけではないのでひたすら共通の使いづらい操作で百項目以上の項目を設定しなければならない。
特に本作のウリである兵器エディタでは、値の設定を+1か-1でしかできない。
ボタンを押しっぱなしにすることで操作できる桁数は10単位、100単位と増えていくのだが、20以上上昇(下降)しないと桁が上がらず、
(0で+を押しっぱにすると、1~19まで+1刻みで増えて、19~209まで10刻みで増え、209~は100刻みで増える)
1度ボタンを離したらまた+1刻みに戻るので、3桁の燃料・5桁の価格は設定したい値にするのに非常に苦労する。
更新結果を破棄して抜けることが出来ない為、エラーがあるとエラーを解消するまで兵器エディト画面から抜けられないのも辛い。
また、ここではキャンセルや値の増減や種類を変えるのに割り振られるボタンが画面によって違うのもクソ要素であろう。
◎最大のクソ要素UI
一番のクソ要素である。とにかく、キーレスポンスが非常に悪い。
前述したが、決定やキャンセルは一度押しただけは反応しない事が多いので連打が基本である。
特に恐ろしい事にカーソル移動はスレの有志の検証によると『十字キーを入れっぱなしにすると1マス移動したのち約0.83秒止まってから動き出す』のだ。
つまり十字キーを入れるたびに1秒近く待たされる事になる。
たかが1秒と侮るなかれ。
大戦略というゲームは各戦場の様子を確認する為にカーソルを多く動かすゲームであり、その度に1秒ラグってプレイヤーの精神力を確実に削いでくる。
ちなみにR3でマップをスクロールできるが、マップ端から端まで1秒もかからず駆け抜けるためマップの端が見たい以外では役にたたない。
なお、L3は未使用なのでカーソル移動できたりしない。割り振れよ。
未使用ユニットに飛べる行動ターンはまだ楽だが、それでもスタックされると階層が下にいるユニットが何か解らないクソ仕様のせいで、
ユニットを動かす前に敵のスタックを一つ一つ確認しなければいけない。
調べる際はクソなUIに上で書いた情報の確認が面倒さと、結局武器の確認をするには一覧から開かなくてはいけない情報の不十分さと、キャンセルの相違という援軍が加わりプレイヤーの気力を殺しに来る。
そもそもユニットを移動させる為に移動先を選択する度にラグが襲ってくるのだ。連打をすればラグは回避できるが、代わりに指は疲れる。
それをユニット数繰り返す。これでようやく1ターンが終わりだ。敵の行動が終わったら次のターンが始まるぞ。
ちなみに、プレイスタイルにもよるが部隊数は序盤をのぞき30を下回る事はなく、ターンもシンプルの序盤をのぞき20ターン以下で終わる事はない。
生産ターンにいたっては、戦場が広がり複数戦線ができて生産も複数拠点でするようになると、
限られた資金を有効活用するために各戦場を何度も見なければならずその度にラグに襲われプレイヤーの精神はストレスで病んでいく。
生産資金の有効活用という大戦略の楽しみを味わう度に、クソUIも同時に味わって結果見事に楽しみが殺されてしまうのだ。
エディタも同様である。
項目を設定するたびに、1ユニットを選ぶたびに、ルールを設定するたびに、マップを一つ配置するたびに、
ラグと反応の悪い決定やキャンセルに割り振られるボタンの違いが襲い掛かってきてストレスは二次曲線状に上がりプレイやーの目から光が消えていく。
正直に言おう。選評者は本作独自の要素であるエディタはクソUIのおかげで2分で弄る気がうせた。
選評を書くためにせめてオリジナル兵器で構成されたオリジナル部隊同士を戦わせるオリジナルマップを作ろうとしたが、1時間で限界に達し断念した。
つまり、大戦略としての面白さや、今作の目玉を味わう度に同時にストレスが増えていく。
これでは、面白さを満喫する前にストレスでおなか一杯だ。
○ドラ
・公式が謡う『フル3D表現による大迫力の「戦闘シーン」』の出来はPSレベル。
特に空を仰いで固まる兵士は失笑ものである。いくらSLGにグラは重要じゃないといっても限度があろう
・公式が『高速CPUにより高速かつ高性能なAI』『まるで人間と対戦しているかのような歯ごたえのあるプレイ』と自信満々なAIは首都を放っておいてどこかに遊びに行ったり、
拠点に部隊が別々に迫っている状態で、片方の部隊が射程内に入ると拠点を放り出して全力で射程内の部隊に向うなんてお茶目なプレイをする。公式が想定する人間は何歳だ?8歳ぐらいか?
・説明書の基本操作を見てみよう。L2R2・R3が未使用である。また、PSPにはL2R2はなく、アナログスティックは一つだけである。
つまり、近作はPSP版からバグを取っただけの手抜き移植である。
大戦略PのPはポータブルのPだったんだよ!
●結論
PSP版で続発した致命的なバグを殆ど消した(それでもシンプル限定とはいえ残っているのだが)のは素直に褒めるべき。
また(PSPとPS3の性能差であろうが)CPUの長い思考時間はなくなっている。
ただし、そこで力を尽きたのが他の欠点やバグは殆どそのまま丸ごと移植してしまった。
今作では確かにゲーム性は破綻していない。楽しめる箇所がある。
だがそのせいで、クソの山の中に楽しさがあるせいでその楽しさを味わおうと、もしかしたらそのうちもっと楽しくなるんじゃないかとクソの山を進んでしまう。
これが最初からつまらなければ、以前のようにバグゲーならば直に投げ捨てている。
だが、そうでないからプレイし続け僅かな楽しさと同時に大量のクソを味わってしまう。
某アゴの長い人が言った『焼かれながらも人はそこに希望があればついてくる』を地でいくのが今作なのだ。
だが遊べるのは大戦略というゲームがもつ楽しさであって今作の楽しさではない。
なら、大戦略の楽しさが味わいたいのなら旧作をやればいいのである。そうすればクソは味あわないで大戦略の楽しさだけを味わえる。
選評者の持っているGB版ですら、今作と同じ程度の思考時間で、今作よりは快適なUIだし、アイコンだけでユニットの特徴が出ているので安い兵器と高い兵器の区別はつくし、敵味方で左右反転しているので間違わない。
今作は確かにバグという一撃必殺の刃を失った。
だが、クソなUIに代表される多数の遅効性の致死毒を隠し持っていた大戦略パーフェクトは、バグという武器を失っても尚KOTYに相応しいと思いここに推薦する。
選評案その2
●戦略モード
PSPで『ほとんど機能しない新要素、戦略モード』と酷評されたままで、どんなにインフラを整えても最前線に届く物資は最高3。
物資1につき1ユニット補給が出来るので1ターンに補給できるユニットは1つの拠点で3つまでとなる。
しかもインフラを整えるのに
まず隣の拠点から道路を1ヘクスずつ敷設し占領した拠点と隣の拠点を道路で繋ぐ(この時点では届く物資は1)
次に繋いだ道路の上に更に1ヘクスずつ道路を敷設するとランクアップできる。
ランクアップで届く物資が+1されるので、ランクアップを2回繰り返してようやく3になる。
道路の敷設は1ターンに1回しか出来ない為最短でも3ターンかかる。
しかも実際は道路を1ヘクス作るのに工作部隊が1つ必要なのでもっと時間がかかる(拠点間が10ヘクス離れていたら1ターンで繋ぐのには工作部隊が10必要)
当然占領した拠点の周りにはまだ敵がいるからランクアップ中に工作部隊が狙われて撃破される可能性もある。
しかも最短の3ターンでも前線が進んで役にたたなくなる可能性がある。
つまり後方では輸送できない物資が売るほどあるのに最前線では物資が切れた兵士が拳銃片手に戦車に万歳特攻するという旧日本軍もビックリの地獄絵図が繰り広げられる。
リアルといえばリアルだが、こんなリアルはいらない。
ちなみに物資の概念がない通常・ハードモードだと都市に収納すれば弾薬と燃料の補充が出来るので物資が切れたら、
解散(所有部隊数の上限が決まっているのと攻撃場所を空けるため)
特攻(殺されたほうが敵の弾を消費させられるので解散よりお得。ただし生き残ってしまうと攻撃場所を占領したり所有部隊数を圧迫するので注意)
後退して補給して再出撃
の3択が選べるのだが、戦略モードだと物資がないので後退して補給が選べないので選択肢が一つ減る。
そもそも後退して補給というのは一番初歩的な戦略なのによりにもよって戦略モードで封じられるなんて。
他にも遠い前線に部隊を送る際に、
時間がかかるが陸上部隊が移動の際に使う燃料費だけのローコストで大量の部隊が送れる陸路で送るか、
早くつくが少数の部隊しか送れない空路を使うか、
(活用できる場所が限られるが)時間がかかり大量の部隊を送れるがコストのかかる海路を使うか、
の三択が通常・ハードモードではあるが戦略モードだと大量の物資を使う陸路が使えなくなる。
※一応、各拠点に1台補給車を配備すれば1つの補給車で自分の周囲6ユニットを補給できるので陸路も可能。
(ただし、通常・ハードモードなら拠点に収容すれば補給が出来るので余計な手間が増えるだけ。
そもそも1ユニット分の補給しかできない1物資で延べ18ユニットに補給できる補給車に補給できるのはどういう理屈なんだろう?)
つまり、戦略モードなのに取れる戦略が減って通常・ハードモードの下位互換にしかなっていない=存在の必要が無い。
更に生産拠点も1つにつき5か10しか物資を生産できないので根本的に物資の生産が消費とつりあわない。
今回の目玉の新モードなのにどういうことなのか。物資を運べる輸送部隊を作れたら大分違うのに。何故それが出来ぬ。
●フルカラー限定公式攻略本
どうも製本の仕方が甘いらしく、開けるとノリが剥がれてページや表紙が落ちたり酷いとバラバラになったりする。
他にも内容が公式HPからこっそり削除されたオンラインマルチ機能による通信対戦に言及したりと中々香ばしい。
これに2000円の値をつけるとは流石のSSαである。
とはいえ悪い部分ばかりでなく厚みがあって平たいんで鍋敷きにぴったりといった長所もあるので興味を持った人は買ってみよう。
○エディタモード
全体的にUIが酷くて苦行なのは前回の選評で出ているので省略。
俺はデータを弄りたい!!UIなんかに負けない!!!という熱意のある人か、
クソUIが気にならないお釈迦様のような心が広い人になお襲い掛かるクソ要素。
●生産タイプエディタ
自分だけのオリジナル軍を作れるモード。
やれる事は兵器の追加・削除と名前の変更だけと珍しく少ない。
だがやれる事が少なくともきっちりクソ仕様を埋め込んでくれる流石のSSα!
なんと兵器の追加の際に全兵器しか選ぶことが出来ないのだ。
つまり目当ての兵器を600近くある全兵器の中から目を皿のようにして探し出す必要がある。
更に一番追加したいであろう兵器エディタで作成した兵器はなんとリストの1番下にある。
リストの上から下にループなんぞしていないので、1ページ毎に捲って1番下まで行ってね!!
さっきも書いたが全兵器の数は600以上だ!頑張れ!
●兵器エディタ
自分だけのオリジナル兵器を作れるモード。
色々な項目が選べるのだが、入力可能な項目と入力不可能な項目が色分けなどで判別されていないところ(武器性能の設定など)があり、どこが入力できてどこが出来ないのかわからない。
(例:補給物資に火力や命中率は設定できないのにグレーになってない)
入力できないところは自動で飛ばしてくれるのだが、そのせいでカーソルが色々な所にビュンビュンとんでどこにカーソルがあたっているかわからなくなる。
また多様な項目を設定できるのはいいのだが、説明書に詳細な説明が書いていないものがある。
(例えば移動タイプなら、超高空・高空・低空・キャタピラA~F・車両A~E・歩兵A~C・海上A~C・海中A~B・ホバーA~B・道路・特殊と多様に選べるのだが、
キャタピラBならどう移動できるのかは説明書にも種類が書かれているだけなので詳細は不明)
あと、前の選評にも書いたが値の設定を+1か-1しかできないのに5桁の設定をやらされる価格設定は発狂もの。
機数×価格が10万を超えるとエラーになるので弄ることが多いし、
価格はマジメに設定すると、能力値に見合ったものを基本に勢力としてのバランス(この勢力は航空機が安いが陸上戦力が高いので補正をいれたり、弱い勢力の救済措置)や
能力値は低いがコストパフォーマンスが良い等の特色を出したりする為に頻繁に弄る箇所なのにこれではストレスががががががががが!!
※個人的に兵器の性能は完成させたら変更するのは難しい(値を少し変えるだけでバランスブレイカーになったり産廃になったりする)ので調整は価格でやる事で多いのでここは本当に殺意が沸く。
兵器のグラも好きに設定できるのだがグラがしょぼい事はこの際おいておくとしても
カテゴリごとに飛べる機能はあるのだが1000近くあるグラを一つ一つ動かさなければいけない上に一つ表示するのに若干のラグが発生する。
更に折角変更しても本当に座標も何も変更せずにただグラを変えるだけなので通常モード等で戦闘シーンを見ようとしても、
ポリゴンが重なっていたり、地面にめり込んでいたり、カメラがポリゴンの中に入り込んでガッカリする事も多いので気をつけよう。
ウリの機能ならやっつけじゃなくてちゃんとしろよ。
※例:歩兵を艦船に変更した場合。
歩兵のグラを艦船に置き換えるだけなのでグラが重なりまくる上に、カメラも引いたりしないのでカメラが艦船のポリゴンにめり込んで何もみえない。
また、爆発や攻撃のグラも歩兵基準なので攻撃時は歩兵の銃があった位置からエフェクトが出て、やられる時は本来歩兵がいた位置で爆発が起きる。
皮肉な事にポリゴンで覆われて普段は見えないのだが、カメラがポリゴンの中に入り込んだ時に確認できる。
例:戦闘機を艦船に置き換えた場合は、機銃や爆撃で地面に攻撃しようとすると戦闘機を艦船に置き換えただけなので艦船が地面に沈んでいく。
地中に沈んだイージス艦や空母が地面から浮上する姿は中々シュールで笑える。
例:艦船など1ユニット編成のものの機数を増やした場合は、そもそも複数表示する機能がないのか全部1箇所に固まって表示される。
ちなみに、一度作った兵器は変更も削除も出来ない(そもそもエディタ画面で選ぶことすら出来ない)という男らしい仕様なので注意。
○ドラ
戦闘に入る前の彼我の戦力を表示する画面がボケボケ。
多分PSPからPS3に変換する際に解像度の変更をし忘れたんだと思われる。
選評案その3
●ゲームバランス編
色々問題点があるのだが一応全てに解決策が用意されている。
…と見せかけて解決策が問題だらけのクソまみれなのでまったく解決できない。
具体的には以下のループとなっている。
陸上戦力だけだとシンプルモード以外は戦車が硬すぎて千日手になるよ!
↓
なら陸上戦力以外も絡めて攻撃だ!
↓
航空戦力は不毛な消耗戦になって戦車すら作れなくなって本末転倒だし、海上戦力は高過ぎるうえに使いどころが限られていて使えないよ!
↓
仕方ないから一方で敵を引き付け、他方でヘリと輸送機で一気に敵首都まで突破する奇襲をしよう
↓
AIがバカで首都が落とされるまで反応しないから必ず決まって作業になるよ!!
↓
仕方ないから電撃戦と正面決戦が出来なくて局地戦の連発になるようにルールを変えよう
↓
AIがルールに対応してなくて奇行を繰り返すからゲームにならないよ!
↓
しょうがない。エディットモードでバランス調整した戦車を作るか
↓
エディットのバランスが悪くて耐久力を下げると産廃に、火力を上げると無双になるせいで作れないよ!
↓
なら、ありものでやるか
↓
シンプルモード以外は戦車が硬すぎて(以下略
以下は個々の説明。
○陸上戦力だけだとシンプルモード以外は戦車が硬すぎて千日手になるよ!
まず多くの場合、互いに資金とユニットが充実する中盤以降は以下のように軍団対軍団のような形で敵と戦闘になる。
敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵
敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵
敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵
敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵敵
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※端は海や山など陸上ユニットが通行できない地形
陸上では敵と味方の最前線は戦車となる。
戦車以外が前線に出ても速攻蒸発するので結果的に前線では戦車以外は生き残れないと言い換えてもいい。
その戦車1ユニット撃破するのに無傷の戦車の攻撃で3~5発程度必要(ちなみに戦車の攻撃力は全ユニットの中で最高クラス)。
そして敵と戦う時は上記のように線でぶつかる(実際はHEXなのジグザグ)ので集中させても直接攻撃は3発が限度となる。
従って運がよければ直接攻撃だけで倒せるが、通常は残りは遠距離攻撃で削らないといけない。
しかし陸上戦力では戦車砲と同格の攻撃力をもつ遠距離攻撃を持つ兵種は無い。
そして体感だが陸上戦力では最強の遠距離攻撃でも戦車の半分程度しか削れないので倒すには2~4発の遠距離攻撃が必要になる。
つまり、無傷の戦車3ユニット+無傷の遠距離攻撃をもつ兵科数ユニットでようやく敵戦車1ユニットを倒せる。
※実際には遠距離攻撃ユニットは脆く、自分が敵を遠距離攻撃できるという事は敵の遠距離攻撃の射程に入っているという事になる。
当然、敵も味方も固い戦車ではなく簡単に壊せる互いの遠距離ユニットを狙い撃ちする事になり壮絶な潰しあいが発生する。
勝ったら戦車へ攻撃をするが傷ついた遠距離攻撃ユニットでは戦車にろくにダメージを与えられないどころか、
経験値をプレゼントする事になるので止めた方がいいかも。
さて攻撃を集中させて運がよく敵の前線に1ユニットの穴を開けたとしよう。
だが、ZOC(敵ユニットに隣接するマスは通り抜け不可)がありのルールになっているならそこより先には進めないし、
ZOCが無くても後ろにもユニットがいるのでやっぱり進めない 。
そして当然放っておけば穴は敵のターンに敵の戦車で埋められる。
しかし自分の戦車で埋めても敵のターンに袋叩き(最低3、最高5ユニットから攻撃される)にあって撃破される。
そして自分の戦車が撃破された事で空いた穴はやはり敵の戦車で埋められる。
また中盤以降は戦車を10台以上余裕で作れる収入があるので資金切れを狙うのも不可能。
つまり、膠着して千日手になる。
もっとも実際には膠着していると敵はバグか仕様かは解らないが、
弾切れの部隊を補給や廃棄せずに何故か戦線とは無関係な場所にどんどん移動させていくので
最終的に弾切れの部隊が部隊上限を圧迫し戦車の壁を維持できなくなるので突破可能である。
ただし、弾切れの部隊を掃除してあげないと敵は殆ど部隊を作れないので首都に移動して占拠するだけの作業となる。
かといって掃除するとまた壁を作られる。
SSα<膠着と作業の好きな方を選ばせてやる。俺は優しいだろう。
またシンプルモードは部隊上限が低く設定されているので戦車の壁を作るのが不可能となるため問題ない。
もう、シンプル以外はいらないんじゃないかな?
○航空戦力は不毛な消耗戦になって戦車すら作れなくなって本末転倒だし、海上戦力は高過ぎるうえに使いどころが限られていて使えないよ!
航空戦力の説明から。
陸上に有効な航空戦力は対地装備をしたヘリと航空機と、範囲攻撃の戦略爆撃機がある。
まず戦略爆撃機以外の説明になるが、ヘリと航空機は対戦車に限れば非常に有効である。
ヘリは同格の攻撃力を持っていないので数が嵩む、航空機は非常に高価と欠点はあるものの
ヘリは数で押せば攻撃力の不足は補えるし、
航空機は戦車は対空攻撃できず傷つく事はないので高い攻撃力で活躍して高価な生産費も直に回収できる。
っと、対戦車に限れば有効な手段であるが、しっかり落とし穴を掘っておくのがSSαクオリティである。
まずはヘリから説明しよう。
まずヘリだけで戦車を倒すには5~10発超かかるので現実的ではない。
必然、戦車とヘリを複合させることになる
ただし、ヘリは敵の対空戦車や対空ミサイルで簡単に落とされる。特に戦闘機でも出てきようものなら虐殺される。
だが一撃離脱をしようとしても地上のユニットのZOCが航空のユニットにも及ぶので敵戦車に下に潜り込まれると動けなくなる。
ZOCを無しにしても攻撃後に移動は出来ないので爆撃する=最前線にいる。
敵ターンに対空ミサイルや戦闘機が来る→撃墜が結構な確率で起こる。
つまり基本使い捨てになる。
しかしヘリは航空機に比べて安いといっても戦車よりも高いのでコスパが合わない。
(戦車:1500~2000。ヘリ:最低2000)
コストの問題を目を瞑るにしても使い捨てのヘリを使って敵の戦車の壁を崩すには大量にヘリを生産しないといけない。
(敵戦車1ユニットに対して戦車と併用するにしても2ユニット、できれば3ユニット欲しい)
だが、部隊数上限の関係上ヘリを常時使い潰せるだけの生産すると、
資金的にもユニット数上限的にも壁になる戦車の生産に支障をきたす本末転倒になってしまう。
次に航空機を説明しよう。
といっても基本はヘリと同じである。正確にはヘリより耐久力が高い分長持ちするが、その値段が分高い。
個人的には半端に耐久力があるので瀕死で撃墜を免れることが多い分ヘリより役にたたない。
(瀕死になると長い時間をかけて補充しなくてはいけない(補充中は当然攻撃できない)
費用も生産に比べて安くなったりしないので撃墜て部隊上限を圧迫しない分ヘリのがマシ。
移動力は航空機の方が高いが戦場→空軍基地で補充→戦場とかかる航空機より、
戦場で撃墜されたら即空軍基地で生産→戦場とできるヘリのが実際に前線に出るのは早い。
ただし、レベルアップ(何回か戦闘をこなすとレベルが上がり回避・命中が上がる)を考えると生存率が高い航空機のがいいかも?)
ちなみに値段が戦車の数倍の航空機は戦車を3~5発で倒すことが出来る対地攻撃を行う事ができる。
だがやはり同じ値段の戦闘機に攻撃されたらまず落ちるし、対空ミサイルや対空戦車でも痛手を負う。
そして流石にここまでくるとコストがバカにならないので使い捨て前提の大量運用は厳しい。
また高価な戦闘機は遠距離攻撃できる高威力の空対空ミサイルを持っているので高価な敵戦闘機が前線にいると爆撃をする事すら不可能になる。
(移動してミサイルの射程に入る→迎撃(敵ターンに敵が自分の迎撃可能な武器の射程内に入ったら自動攻撃)されて死ぬor瀕死)
つまり使い捨てしないで爆撃をするには制空権の奪取の為に敵の高価な戦闘機の撃破が必要=高価な戦闘機を倒すには高価な戦闘機が必要。
高価な戦闘機同士が戦うと損耗するので高価な戦闘機を大量に作って補充しないといけない。
資金ががががががが。
またそこまでして制空権を奪取しても敵は戦闘機を万歳特攻させてくる。
よってどうしても航空機に犠牲は出るので修理も必須。
迎撃なしにも設定できるがそうなると爆撃後は移動ができないので、敵ターンに戦闘機に撃墜される=高価な戦闘機を使い捨てにする事になる。
無茶言うな!
結論としては爆撃を航空機で制空権確保のついでに行うのではなく、恒常的に行うのは資金的に不可能となる。
無理に行えば戦闘機と航空機の修理費だけで財政破綻を起こし戦車生産すら不可能になる。
従って敵はこちらが航空機を作ると戦闘機を作ってくる事が多いので、
不毛な消耗戦は避ける為に航空機は作らず最高級戦闘機を作り貯しておき万が一の事態に備えるのと、
1~2機前線に飛ばしておいて敵のヘリや航空機や安い戦闘機を排除した方がいい。
余談だが、そもそも根本的に戦車と航空機の費用対効果が釣りあっていない。
戦車を100ユニット作る資金で高価な航空機は10ユニット作れればいいほうである。
そして戦車100ユニットと航空機10ユニットが正面からぶつかると毎ターン航空機は1~2ユニットしか戦車を壊せない。
そして10ユニット壊したところで航空機の弾が尽き、囲まれた飛行機はZOCで身動きがとれずそのうち墜落する。
最後に戦略爆撃機。
これは射撃(弾頭を発射して敵施設と部隊を撃滅する)と、通常の対地爆撃がつかえる。
通常の対地爆撃は高価な航空機と同じなので省略する。
射撃に関してはZOC有りだと弾頭も地上ユニットにZOCを発生させられ止められる為、歩兵に下に潜り込まれて燃料切れで墜落するんで意味がない。
どうやって歩兵がミサイルをとめているのか解らないが、きっとTAKEYARIでも使っているのだろう。
ZOCなしか射撃ターンなし(ミサイルが発射すると即目標に着弾する)だと、弾頭を乱射して敵国土を焦土にする作業になる。
敵国土と一緒に僅かに残ったゲーム性という最後の良心すら破壊されるのでやめておいたほうがいいだろう。
次に海上戦力。
海上ユニットは長大な射程と豊富な弾数を誇る。
敵が航空機であれば迎撃し近づくまもなく撃墜する。
敵が陸上兵器であれば艦砲射撃で戦車の主砲を超えるダメージを与える。
が、結論を言うと使いどころが限られ過ぎて使えない(船なので海でしか使えないので内陸には届かない)
移動力が低いので弾切れになると補給(戦場と港への往復)に時間がかかる。
なにより、高い。
最高級の艦船はLV1で6万を超える(参考:戦車は2000以下)
強いが戦車30ユニットの働きをしてくれるかというと微妙である。
だが使いどころが限られる上に結局自ターンに攻撃できるのは1回なので制空権を取るぐらいにしか使えない。
まぁ海がメインなら作ってもいいがそのお金で最高級の航空機を複数作った方が応用が利いていい。
馬鹿高いので天敵の潜水艦に狙われたり同格の船に狙われて落ちた時の心理的戦力的ダメージは計り知れないし。
※潜水艦はステルスなのでほとんど敵の先制攻撃をくらい5割強削られる。
そして移動力は潜水艦と艦船は大体同じなので、敵の先制攻撃をくらう=死。
また敵が艦船の場合、お互いの武器の射程がお互いの索敵範囲を超えている&互いに主砲喰らったら瀕死。
つまり、船同士の戦闘では相手に見つからず相手を見つける事が重要。
だから敵地上部隊を攻撃する為にいい気になって陸地に近づいて砲撃してると視界外から敵の艦砲射撃をくらって沈められる可能性が非常に高い。
常時偵察機と対潜哨戒機を飛ばせばいいのだが偵察機も対潜哨戒機も敵の船の射程に入ったら落とされるので使い棄てになりコスパが…。
結局、敵の船が出てきたら潜水艦を特攻させたほうが安くて確実である。
○AIがバカで首都が落とされるまで反応しないから必ず決まって作業になるよ!!
読んでの通り首都の真上に輸送ヘリが来て空挺制圧されるまで反応しない。
敵は攻撃できる範囲に敵がいれば100%そちらを狙うので相手が攻撃できる位置に入らなければ簡単に制圧できる。
従って敵が部隊上限付近にまで達したらひたすら攻撃力0の輸送車を生産し続けて前線に送り込み続ける。
(敵を撃破して数を減らさずに敵を前線に止めておく)
その間に輸送ヘリを敵の射程に入らないように注意して敵の首都まで飛ばし制圧。
(攻撃できる位置に敵がいない場合最寄?の敵に向うので出来れば海上を通っていこう)
以上を行えばどんなMAPでも勝利可能。
当然作業になるのでお勧めしない。
○AIがルールに対応してなくて奇行を繰り返すからゲームにならないよ!
多様なルールを設定できるのはいいがAIが『殆どの』ルールに対応していない。
従ってデフォルト設定の「初級」「中級」「上級」のどれにも対応していないルールが入っているため、どのモードを選んでもAIの奇行を眺める事になる。
マトモにプレイする事は不可能だが少しでもマシにプレイしたければルールをカスタムでAIが対応しているルールに設定しよう。
以下、全て上げるときりがないので解りやすい奇行を行うルールを抜粋。
※()内の級はデフォルトでどれが選択されているか
(1)ZOC
「ZOC発生に攻撃可能武器が不要以外は否」(中級)以外に対応していない。
他(初級:ZOC無し。上級:ZOC発生に攻撃可能武器が必要)では発生させられないZOCを発生させようと地上ユニットが航空機の下に潜り込む。
※そもそも意図的にZOCを発生させて航空ユニットの墜落や高度の違うユニットの通せんぼを狙うのはおかしくね?とか突っ込んではいけない。
(2)収納
あり(上級or中級)にしか対応していない。
なしにしても収納できないのに街の周りに貯める貯める。(一部は戦域外に退避させていく)
なしだからといって補給車を量産したりして、補給体制を整えたりしない
(3)迎撃
なし(初級)にしか対応できていない。
ありだと100%死ぬのに輸送ヘリが戦闘機や対空ミサイルの射程に突っ込んできて死ぬ
(4)部隊比率
空:陸:海を100分率で弄れるのだがどんな時でもこの割合を死守する。
例え首都に歩兵が迫っていても海戦兵力が少ないなら遠くの港で輸送艦を建造!
そこら辺はある程度臨機応変に対応させろよ!!
なので海戦重視(30:10:60)にしようものなら初期資金を十分に与えてあげないとお金を貯めて船を作ろうとするので殆ど何も作らなくなる。
そもそも一度バランスが崩れると何が何でもそのターン中にバランスを正そうとするので、
高価な戦闘機が5ユニット落ちたら穴埋めに最安の輸送ヘリ(当然戦闘力は無い)を5ユニット生産して特攻させるなんて事を頻繁に繰り返す。
当然、輸送ヘリは落ちるので次のターンに穴埋めに輸送ヘリを再度生産する。
せめて戦力比、むりなら建造費用比で判断させてくれよ。
○エディットのバランスが悪くて耐久力を下げると産廃に、火力を上げると無双になるせいで作れないよ!
まずエディットで耐久力と火力に影響を与える項目を抜粋する。
耐久力に影響がある項目は以下の2つ。
※ステルスとか隠蔽も関係あるが、どちらも索敵範囲内でも相手との距離がある程度離れていたら発見されないなので、
0距離で撃ちあう事が基本の地上戦では影響が少ないので考慮しない。
耐久度:一機当りの耐久度。耐久度×機数がユニットの耐久度になる。
最大99まで設定可能だが10以上は単機編成(船とかドラゴンとか)用で戦車は通常3~4。
回避率:兵器の回避率。各兵種(飛行機やヘリや戦車や装甲車&人間程度の区分け)毎に設定可能。
火力に影響があるのは以下の3つ。
火力:武器の火力。大きければ大きいほど火力が高い。恐ろしい事にこれひとつで全兵種共用。
例:火力3なら人間でも戦車でも巡洋艦でも航空機でもドラゴンでも多分3ダメージ。
回数:一回の攻撃で武器を何回攻撃するか。
※1回の戦闘での火力は火力×回数
命中率:武器の命中率。こちらは各兵種(飛行機やヘリや戦車や装甲車&人間程度の区分け)毎に設定可能。
※体感だが実際の命中率は他(敵ユニットの回避率とか)の影響を受ける。多分、命中率×回避率に地形の補正をのせたのが実際の命中率。
互いに戦車(種別:装硬)が攻撃しあうとして攻撃側の装硬命中率が75%、回避側の対装硬回避が50%だったら32.5%ぐらいで命中。
以上である。
見ての通り防御力はないので、戦車などの硬いユニットは実際には回避力を高めることで硬さを実現している。
(耐久力はそのものは実は歩兵の2倍程度しかない)
従って下げると敵の攻撃にばかすか当たって一瞬でスクラップになる。
というか回避力が落ちた戦車ってちょっと耐久力がある代わりに値段が倍くらい違う戦車駆逐車(高火力・低回避・低耐久)ですよね。
※逆に回避力を上がると戦闘ヘリの爆撃だろうが戦闘機の対地ミサイルだろうがヒュンヒュン回避するNT専用機が出来る。
逆に火力は既に当たれば殆どの兵器を一撃で破壊する火力4~5を持っているのであげても対戦車では意味が無い。
※対艦船でなら意味がある。
回数は大抵の戦車砲の攻撃は回数が1なので2に増やすと単純に試行回数が2倍に増えるのでやばい。
回数を増やして戦車を倒せるようにすると他は確実に1戦闘で破壊されて戦車以外は不要になる。
結局、耐久度と命中率で調整するしかないのだがこちらも厳しい。
まず耐久度は共用なので下げると他のユニットの攻撃でガンガン落ちるようになる。
※戦車以外の攻撃は2~3が上限。耐久4なら2発耐えられるが、3なら攻撃力3で一発で落とされるようになるので生存性が大違い。
というか耐久力が落ちた戦車ってちょっと回避力がある代わりに値段が倍くらい違う戦車駆逐車(高火力・低回避・低耐久)ですよね。
命中率もほとんどの戦車砲の命中率は70%を超えている。
従って100%にしても劇的な効果は望めない。
つまり、戦車を弱体化すると戦車駆逐車に喰われ、戦車を強化すると他の兵器を喰ってしまう。
●おまけ
(1)
マップエディタのマップ設定→ゲーム設定、もしくはプレイモードで各MAPを始める時に軍資金や最大軍資金を決めれるのだが、
この時は十字キーの横で桁移動、上下で数字変更できる。
なんでここで出来る事が他で出来ないんだよ!
(2)
無用の長物と思われていたL2・R2ボタンだが、押し続けることでラグを解消できる事が判明された。
これでストレスフリーで遊べるよ!やったね!四八マン!
生産や情報画面のロードがクソ長いのは気にしちゃ駄目だ!
選評案その4
本文章は2/6発売のPS3用ソフト大戦略PERFECT~戦場の覇者~のエディタモードについて説明するものである。
エディタモードとは戦略シミュレーションである本ゲームで使用できるマップや兵器、ルールなどを自由に作成および編集する一機能である。
本文章ではエディタモードで編集した結果によるゲーム性に焦点を当てるのではなく編集機能そのものの問題を中心に説明していく。
なお、本検証はPS3の型番CECH-2000Aで行われておりロード時間など環境により差が出る具体的な数値等については参考程度に考えていただきたい。
エディタモードは以下の7つのエディタで構成されている
・マップエディタ
・兵器エディタ
・生産タイプエディタ
・キャンペーンエディタ
・ルールエディタ
・部隊構成比率エディタ
・地形エディタ
各エディタについて概要と問題点に加え、特定のエディタに依らない総合的な問題も取り上げる。
●マップエディタ
Hexと呼ばれる六角形の「地形」チップを配置していくことでオリジナルのマップを作成するモード。
48×48マスから96×96マスの広さのマップを作成できる。
マップエディタを選択すると長めの読み込みの後、一面海の初期状態のマップが表示される。
既存のマップを編集したい場合も一旦この画面を開いてからマップを読み込む必要がある。
カーソル移動、右スティックの操作性は通常プレイ時のマップと変わらず、
長めのウェイトや異様に速いスクロールと操作性は悪い。
R2L2には相変わらず割り当てはないが、特定のボタンを押しっぱなしにしてカーソルを移動すると
ウェイトが無くなる現象はここでも起こる。
R1でツールパレットを開きそこから置きたい「地形」チップや「配置済みユニット」などを選択し
○ボタンでチップを配置していく。地形チップは「基本地形」「建物」など種類ごとにタブ分けされているものの
チップ自体はアイコンのみの表示でどのチップがどの地形か一覧ではわからない。チップを選択してはじめて
チップ名が表示されるのでいちいち時間がかかる上、種類数が多く似たようなアイコンも複数あるため覚えるのも大変である。
これは所々で見られるのだが、一覧画面などの表から文字がハミ出していることがある。
例えば建物数情報の一覧画面で文字数の多いラベル「レーダー基地」「ミサイル基地」などは若干枠外にかかるように表示される
が、読めないレベルではないので大した影響はないだろう。
作成したマップはプレイ時、セーブ/ロード時などのマップ一覧に登場するが、マップの作りすぎには特に注意が必要である。
一覧に作成したマップがある場合、そこにカーソルが載るタイミングでいちいち6秒ほどのロードが入るため
項目を選択するだけで非常に時間がかかるのである。マップを5つも作成すると一番下に有る最新のマップを選択するだけで
30秒もかかる。しかもまとめて30秒待たされるのではなく6秒おきにカーソルを押す必要があるため大変な事になる。
いらないマップはすみやかに消してマップ数は2~3個以内に留めるのがいいだろう。
●兵器エディタ
兵器=ユニットの情報を作成/編集するモード。
戦闘機、ヘリ、戦車、歩兵、艦船など様々な種類の兵器を作ることができる。
ゼロからオリジナルの兵器を作成することは出来ず、まず複製元の兵器を選択しそれを複製する形で新規作成する。
また兵器のおおまかな種類「兵器タイプ」は決まっており、複製元の情報を引き継いでいるため
戦闘機を作っていたが爆撃機に変えたくなったとしてもそのような途中変更はできない。
沢山ある項目を説明書などの簡易的な説明を元に想像力で補いつつひとつづつ編集していくことになる。
変更可能な項目に黄色の枠がついているが枠内の文字は例によって下にはみ出していたりする、
一見しただけでは変更可能な項目のみ黄色の枠が付いているように思えるが、
編集できない黄色の枠も出てきて混乱することになる。
兵器のグラフィックや装備品(のテンプレート)は大量に有る既存品の中から選択する方式だが、
一覧リストなどから選択する方式ではなく○ボタンと×ボタンで一つづつ値を変えていく方式なので
カテゴリで大まかに絞ってから選択できるとはいえ目的のものを探すのは難しい。
特に装備品は同名でパラメータ値が違うものが複数有るため厄介である。
兵器情報を保存する際、保存してよいかの確認ダイアログが手前に表示されるのだが
クルクル回るユニットの3Dモデルがなぜかダイアログよりも手前に描画されているため
「OK」ボタンが隠れて邪魔である。
兵器価格など5桁も有るような数字を○ボタンと×ボタンで1づつ上げ下げしていく。
一応ボタン押しっぱなしで加速はするが一般的な加速の仕方とは少し違い以下のような方式のため非常に数字が設定しにくい。
○か×押しっぱなしで2秒おきに数字が変化する桁が上がっていく。下の桁は置きっぱなしなので
希望の数字の前後を行ったり来たりしながら上の桁から確定させていく作業が必要となる。
たかが数字ひとつ設定するだけなのに想像以上に辛い。
●生産タイプエディタ
生産タイプとは生産可能な兵器の一覧であり、ゲーム開始時に選択する「アメリカ軍」や「ロシア軍」のようなものを指す。
生産タイプエディタでは自分の好きな既存兵器や自作兵器を集めて好きな軍勢を作ることができる。
このエディタもやはり既存の生産タイプを複製するところから始まる。新規で作るという発想はないのだろうか?
自分が好きな生産タイプをゼロから作りたければ複製元の兵器をひとつづつ消していく必要ある。
毎回削除作業をするのは大変なのでテンプレートとして空(から)の生産タイプを作っておき
それを複製して使用していくとよいだろう。
また、作成済みの生産タイプを編集することもできるがその際は注意が必要である。
例えば「生産タイプA」に兵器を追加してもマップに初期値として設定されている「生産タイプA」へはその変更は反映されない。
変更を反映させるためにはマップエディタを使い一旦別な生産タイプを初期値にして保存してから再び「生産タイプA」に戻して保存し直す必要がある。
また「生産タイプA」を削除してもマップの初期値として設定されている「生産タイプA」は依然として使用可能なため、
削除したデータや編集前のデータを内部的に持っているようである。
このような仕様?から生産タイプを編集する場合にはマップの初期値に使われている生産タイプではないか注意する必要がある。
●キャンペーンエディタ
複数のマップを連続して攻略していくキャンペーンモードを作成することができるモード。
珍しく「新規」で作成することができる。もっとも、最初はキャンペーンがひとつもなく複製機能そのものが無いのだが…。
できることはキャンペーン名をつけること、複数のマップとその順番を指定することと
経験値取得方法を「通常」「均等」から選択することのみである。
キャンペーン一覧もマップ同様カーソル移動時に長いロードが発生するため作り過ぎに注意しよう。
●ルールエディタ
「ZOCの有無」「部隊のスタックの有無」「誤射の有無」といったようなルール設定を事前に作成しておけるモード。
まず複製元として既存のルール「初級」「中級」「上級」から一つを選びルールを編集していく。
やることといえば基本的にルールの一覧からチェックマークをON/OFFするだけである。
現在選択されている項目はチェックマークがほんの少し明るくなるだけなのでぱっと見ではどこが選択されているか全くわからない。
十字キーで選択項目をうごかしてみてやっとどこが選択されているのか分かるレベルの表示である。
なお、ルールの各項目に説明はなく詳細な目次が無い説明書から探しながら読み取る必要がある。
△ボタンで表示されるメニュー内の項目「破棄終了」は確認表示も出さずに編集内容が消えるのでうっかり押さないよう注意が必要である。
「登録終了」の方は確認のダイアログが出るので同じだろうと油断して気軽に押してはいけない。
●部隊構成比率エディタ
敵軍を操作するAIがどの程度の比率で陸海空の兵器を生産するかを事前に定義しておけるモード。
単に合計100ポイントを陸海空の3つに割り振るだけの機能、作った比率に名前を付けて保存できる。
あまりにシンプルなためこれ単独で存在する必要があったのか疑問なモード、必要なときに都度設定してもいいような気がする。
●地形エディタ
マップを構成する「地形」の定義を編集するモード。
メニューのタイトルは「地形エディタ」だが実際開いてみると「地形グループエディタ」らしい。
例によって新規で地形グループを作成することはできず、既存の4つの地形グループから1つを選び「保存」操作をすることで複製を作る。
地形グループの中から「平地」や「山」「海」といった地形を1つ選んでそのパラメータ値を編集するのだが、
なぜか地形を選択する操作がR1になっている、なぜ特に機能の割り当てられていない○ボタンにしなかったのだろうか?
また、新しい地形を作ることは出来ず、あくまでも既存の地形のパラメータ値を編集するだけの機能となっている。
説明書には「黄色の枠で囲まれた部分を編集することができます。」と書いてあるが、地形によっては編集できない項目にも当然のように黄色い枠がついている。
パラメータ値を編集する際、カーソル移動は上下左右で行うのだがカーソル移動順が特殊で戸惑うことになる。
画面項目が左右に分割された形式をしているにも関わらずカーソルを下に移動させていくと
カーソルが右に飛んだり左に飛んだり行ったり来たりするのである。
特に右に並んでいる移動タイプ毎の移動量をまとめて編集する時など
一個づつ下に移動して値を設定していると唐突に左の項目に飛ぶため厄介である。
編集可否を正確に表していない黄色枠と相まってカーソルの移動先を予測することはおよそ困難を極める。
●総合
特定のエディタに依らずエディタ全体について共通的に言える問題について説明する。
おそらく各エディタ毎の問題よりもゲーム全体につきまとうこれらの問題の方がプレイヤーを不快にさせている本質ではないだろうか。
エディタモードでは△ボタン等で階層を持つメニューを表示し、そこから各編集機能のウィンドウを呼び出すのだが
ウィンドウを開いてウィンドウを閉じた場合、一般的なゲームのUIではメニュー状態はそのままにウィンドウだけが閉じる事が多いが
エディタモードではメニュー含め完全に閉じてしまうため再び△ボタンを押してイチから選び直さなくてはならない。
ひとつづつ順番に設定していくようなメニュー項目でも反応の悪いメニューを毎回たどり直す必要がある。
メニューにもマップ上のカーソルと同じようなウェイトがかかっている。
コントローラーの上か下を入れっぱなしにしても最初の1項目分移動したのち1秒ほど待ってから動き出すのである。
また、マップカーソルと同様にR2やL2ボタンなどを押しっぱなしにすることでウェイトは解除できるが、
この方法は通常よりもカーソル移動速度が増すため今度は速すぎて狙った項目を選択するのが難しくなってしまう。
操作の煩雑さも相まって結局は上下を連打することになる。
メニューの一番下の項目で下を押しても一番上の項目に戻らない、同様に一番上で上を押しても下へは飛ばない。
多いところでメニューの項目数は9個も有るのだがこのループしない仕様により簡単に下の項目を選ぶことはできない。
メニューで○ボタンを押しても反応しないことが時々あり、画面上メニュー項目が押し込まれたアニメーションは発生するが反応はしない。
プレイヤーが徐々に操作に慣れていきカーソル移動や決定などの入力が速くなってくると、
UIの反応がモッサリしている上に先行入力が効かないため、押したボタンが無視されることが多くなってくる。
焦らず心を落ち着け各操作ごとに一拍置くよう心がけていく必要がある。
メニューの表示にアニメーションを入れるぐらいなら次の入力も受け付けておいてくれれば良いのだが。
このように不快な操作感のあるUIだが各モードや編集画面ごとにデザインや操作方法の統一性の無さも目に付く。
編集画面ごとに別な作品かと言うぐらい見た目が違うものも多いが操作性の違いの方が大きな問題である。
同じ基本機能でも画面によって以下のような違いが有る。
・リストなど縦に長い項目のスクロール
上下キーでスクロール
スクロールバーの上下の△▽マークにカーソルを合わせ○ボタンでスクロール
左右キーで1ページづつスクロール
・ページやタブの切り替え
L1R1ボタンで切り替え
上下キーで切り替え
タブにフォーカスを合わせて○ボタンで選択して切り替え
メニューの開閉や決定キャンセル操作も統一性がない。
△ボタンやSELECTボタンでメニューを出して×で閉じる、当然△ボタンやSELECTボタンでは閉じない。
開いたボタンでそのまま閉じる事ができる画面も有るためできそうな気がしてしまう。
なお、△とSELECTは同じ形式のメニューだが△でメニューを出しているときにSELECTを押しても
そのままメニューが切り替わったりはしない。一度×でメニュー消してSELECTで開き直す必要がある。
SELECTと△が逆でも同じく一旦閉じて開き直さなくてはならない。
これらには画面に説明表記があるものと無いものが混在しており、また画面によって操作方法がころころ変わるので
毎回操作に戸惑うことになる。画面数が多いためそれぞれ記憶したり慣れたりするのも簡単ではない。
編集画面によっては画面を閉じる方法がわからず閉じ込められたような状況になり試行錯誤することも有った。
基本的な「ゲーム設定」画面でのほぼ関係のない△ボタンで編集終了はさすがに操作説明表記がないとわからない。
リスト状の画面では項目を選択して○ボタンを押しその項目に対する操作をメニューで表示するものがある。
押した時に出るメニューの表示位置や枠の有無が画面によってバラバラで、
項目の右端に表示、項目の中央付近に表示、飾り枠が有ったり無かったりとバラエティ豊かである。
これらの難操作を乗り切って編集を行っていくのだが、
各操作に対する反応性の悪さだけでなくロード時間もきっちりかかる。
まず例としてタイトル画面から通常プレイを開始するまでのロードによる待ち時間は以下の通り。
「通常」モードを選択 13.5秒
「新規ゲーム」を選択 7.0秒
一番上のマップ選択 7.5秒
設定変更画面へ 4.5秒
ゲーム開始 6.0秒
マップエディタでの標準的操作の場合は以下の通り。
マップエディタへ 14.0秒
マップ読み込み画面へ 5.0秒
編集マップ選択 3.5秒(1マップあたり)
マップ(小規模)読み込み 3.5秒
~編集作業~
マップ保存画面へ 4.5秒
保存先マップ選択 3.5秒
マップ保存 10.0秒
合計して30秒から40秒といったところだが、まとめて発生する待ち時間ではなく間にいちいち操作が必要となるのでかえって面倒に感じてしまう。
エディタモードはこれらの操作の連続であるためこれらの待ち時間を何度も経験することになる。
特に値を少し変更してはその効果を確かめるためにテストプレイをする、などとやろうとすると
上記の通常プレイとエディタのロード時間が毎回かかるため恐ろしくテンポが悪い。
エディタモードでは大半のパラメータの意味を事前に理解しておき、机上で十分数値を作りこんだうえで
編集にとりかかるのがいいだろう、トライ・アンド・エラーで作りこんでいく方法はとてもおススメできない。
●その他
エディタモード外だが検証を進める上で発見したことを説明する。
プレイ時の戦闘アニメーションにおいて特定条件下で兵士のグラフィックが
一番標準的な歩兵ユニット「歩兵」のものに差し替わってしまう。
歩兵タイプのユニットが敵からの攻撃を受けた際、約7割ぐらいの確率で差し替わる。
まともなグラフィックが出ることのほうが少ないが詳細な発生条件は特定できなかった。
服の色や持っている武器が違うためデバッグ時にすぐ気づきそうなものだが…。
なお、このゲームの戦闘アニメーションは爆発エフェクトの出かたがランダムなのか
何台倒して何台被害を受けたかといった戦果が全く表現されない上、
攻撃を受けた側は全く動かないため反撃を行ったかどうかもわからない。
いまどき爆発がビルボード方式だったりグラフィックの質も推して知るべしなので
機銃で兵士が大爆発するようなコントを見たい場合以外は戦闘アニメーションはOFFにするのが普通だ。
誰も気付かなかったとしてもおかしくはないだろう。
●まとめ
エディタモードは単に編集をするだけの機能なので当然ゲーム性はないのだがそれだけにUIの酷さにまっすぐ向き合うことになる。
特に通常のプレイモードよりも操作する手数が多くなるため待ち時間の長さやレスポンスの悪さが積み重なりやすい。
最初の30分や1時間は良いのだが慣れれば慣れるほどやりたい事や思考に操作性が追いつかなくなってくる。
忍耐力や時間があればエディット行為そのものは可能ではあるものの、その結果をプレイする場面で
同じように苦痛なUIと細かいルールを理解しないAIが待っているのではエディットのしがいなど無く
最終的に苦労しか残らないだろう。
この拷問のようなエディタモードのプレイを通して筆者は
「こんなことならいっそバグなどでそもそも検証不能なほうが良かったのではないか…?」
と感じてしまった。
残念ながらこのソフトを手にしてしまった人はエディタモードでオリジナルの何かを作れば面白くなるかもしれない
などという幻想は早く捨ててしまおう。