2010年 次点

概要

名称バスフィッシングWiiワールドトーナメントhttp://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00368BI68/ [外部リンク]
ジャンル釣りアクション
対応機種Wii
発売・企画元アークシステムワークス
開発元シムス株式会社
発売日2010年4月28日
価格5040円(税込)
対象年齢CERO:A(全年齢対象)

参考動画

PV

良くわかる釣り用語集

  • キャスト(キャスティング):仕掛けを投げること。キャスティングには投げ釣りとか、投げる方法という意味がある。
  • 外道:狙っている本命以外の魚(本作ではバス以外の魚)。特に、河豚などの釣れてもあまり嬉しくない魚のことを指す。
  • テンション:釣り糸の張り具合。ゆるいと魚が逃げてしまうし、強いと糸が切れてしまう。竿を立てたりリールの巻き方で調整する。
  • バス:スズキ目(大部分はスズキ亜目)のいくつかの種の総称。日本でメジャーなのもスズキ。
  • バックラッシュ:糸を巻いている部分(スプール)が回りすぎ余分な糸が出て絡むこと。仕掛けを飛ばすときになりやすい。backcrash(バッククラッシュ)ではなくbacklashである。
  • ファイト:魚がえさに食いついて釣り上げるまでの、魚との引っ張り合い。釣ろう(釣られまい)とするさまは文字通り格闘である。
  • ライン(ラインブレイク):釣り糸のこと。釣り糸が切れてしまうことをラインブレイクという。
  • リール:釣り竿に取り付けて釣り糸(道糸、ラインとも呼ぶ)を巻き取る道具のこと。
  • ルアー:西洋から来た疑似餌全般の事。又はその釣り方。現在の釣りは生き餌を使う従来のやり方とルアーフィッシングに大別される。
  • ロッド:釣竿のこと。日本では竿と呼ぶのが一般的。

要点

とにかく全体的に満遍なく内容が薄く、前作からの使い回しも多い。今時の釣りゲームなら最低限備わっていて当然の物すら(主に釣具)満足に用意できておらず、はっきり言って楽しめる点が見当たらない。
リアルなバス釣りを謳っている割にはお粗末な挙動、グラフィックや演出も一昔前のレベル、ステージも視点もリアルさとはかけ離れている。
釣りゲー初のWiiモーションプラス対応と、Wi-Fi対戦をアピールしていたものの、前者は誤動作が多く、後者は(売上本数のせいで)対戦相手が見つからないと、どちらも見事に滑ってしまった。
ちなみに2007年に発売された本作の前身『Bass Fishing Wii~ロクマル伝説~』も、全部で6ステージ、道具がルアーしか選べない等酷い出来だった。

  • 選べる道具がルアーだけ、リール、ロッド、ラインなどが選べない。演出が少ない。
    • ルアーは32種類とそのアピールカラー(色違い)。グラはPS2初期レベル。
    • ルアーは説明文も前作からそのまま、新規ルアーが見つかっていない。
    • 魚はバスが6種類と外道が4種類、外道はポイントにならない。
  • グラフィックは全体的に低質でルアーが土に埋まるし、魚を貫通する
    • バスは何かに引っかかるとガクガクと謎の痙攣を始める。
  • 場所がステージ制で7つ、狭い上に変なステージやつまらないステージが・・・
    • 全体的に同じようなステージ、狭いマップだと向こう岸まで15秒。
    • 京都ステージは大仏と五重塔と金閣寺と鳥居に囲まれてバス釣り。
    • しかも陸釣りは無く、ボート上でのみしか釣れない。
  • 音楽がよろしくない。テンションの高い三味線曲とか、全体的にアップテンポでゲームの雰囲気と合わない、ほぼ前作の使いまわし。
    • 環境音のパターンが少ない。BGMをオフにすると釣り上げたときや、準備画面のBGMまでオフになる。
  • ラインブレイクが頻発。
    • やり方が悪いのかロッド下げてリール放置でもラインブレイク、小物でもブレイクあり。
    • 普通の釣りゲームにあるテンションゲージがなく、ロッドの色で判断しなければならない。
    • 設定でラインブレイクなしにできるが、超大物でもリール巻くだけで釣り上げられるようになり、ゲーム性がなくなってしまう。
  • 操作性はあまり良くない、投げ方は4通りあるが追従しきれないことがある。
    • Wiiモーションプラス対応ということで縦横無尽に動く竿を期待したんだが…
    • Wiiモーションプラス無しよりはマシではある。無しだと前作とほぼ同じ挙動。
    • Aを押したまま早く動かすと投げるので、竿の移動で誤投する。
  • 魚を釣る際の視点が、水上視点じゃなくて水中視点。
    • リアル系シミュレーター路線が売りなのに、ルアーを入れたら常に水中画面。一応釣り上げ寸前は水上画面。
    • お陰でバスのサイズと位置が、釣り上げる前からまる分かり。
  • メインのトーナメントモードはイベントも会話も一切ない、大会選ぶ→釣り→大会ry
    • Wi-Fiモードは購入者が少なすぎて、対戦する相手が見つからない。

選評

選評案その1

4月28日、売上測定不能の水域から獲物を虎視眈々と狙う魔物の姿があった
「バスフィッシングWiiワールドトーナメント」である。リアル、本格的を謳いながら発売された前作ロクマル伝説は
釣り人からクソゲー呼ばわりされる出来だったが、2年半以上経ち釣りゲーでWiiモーションプラス対応ということで期待する者もいた。
しかし魔物は衰えを見せてはいなかった。

ゲームモードは「トーナメント」「タイムアタック」「プラクティス」「Wi-Fi」
プラクティスは練習用でWi-Fiは相手が全く見つからない。
タイムアタックは時間内に規定ウェイト分釣る、コースが難易度に付随しているので4つしかない。
ポイントを貯めるとルアーが貰えるトーナメントがメインになるが大会を選ぶ→釣るの繰り返し
イベントも会話も一切なく黙々とポイントを貯める作業は実際に魚を待っているときよりも忍耐を要求される。

釣りの楽しみの一つに釣具を選ぶことが挙げられるが、このゲームではラインもリールも
ロッドさえも選べず選択できるのはルアーのみで当然バックラッシュといった要素もない。
ルアーに膨大な数があるのかといえばそうでもなく32種類+アピールカラー。
ステージは狭く陸釣りなしのボートオンリー、対岸まで15秒と掛からないステージまで存在する。
全7ステージの中で異様な存在感を放つのが京都ステージでそこには
金閣寺と五重塔と大仏に鳥居が一堂に会する奇怪な光景を見ることができ
リアルの定義が分からなくなる。

肝心の釣りが面白ければいいのだがWiiモーションプラス対応のコントローラーは誤作動や反応しないこともあり良いとはいえない。
操作も非直感的、ヌンチャクがリール役となっているにも関わらずボタン操作の高速巻き取りはAボタン低速巻き取りはBボタンとロッド役のリモコンに配置。
キャストは「振ってからボタンを離す」ではなく「最後まで押したまま振る」うっかりしているとロッドの上げ下げのつもりでキャストになる。

リアルを追求と言っているもののルアーが入れば水中視点でバスのサイズと位置がモロバレ
グラフィックは全体的に低質でルアーは魚の頭を貫通し、地面に埋まって見えなくなることもある
バスは何かに引っかかるとガクガクと謎の痙攣を始める
更にアップテンポなBGMが邪魔をしてリアル釣りゲーとしての価値を下げる。
環境音はパターンが少なく、BGMをオフにすると釣り上げたときや準備画面のBGMまでオフになる。

カジュアルなのかと思って見てみれば演出はどれもチープで地味、キャラは微妙なリアル系4名でカスタマイズなし
ファイト中はテンションゲージがなくロッドの色で判断しなければならない上、判定がシビアでラインブレイクが頻発
場所とルアー選択を誤ればなかなか釣れず爽快感もない。ラインブレイクはオフに出来るが
60cmオーバーのランカーバスがロッドを立てっぱなしにして巻くだけで釣れてしまいゲームにならない。
強いて良いところを挙げるとすればマスコットキャラのゆなを眺められることだが出番は説明書だけ。

「リアルの釣りはそんなに甘くはない」それを言いたいのはこちらの方だ。

選評案その1.1

4月28日、売上測定不能の水域から獲物を虎視眈々と狙う魔物の姿があった。「バスフィッシングWiiワールドトーナメント」である。
リアル、本格的を謳いながら発売された前作ロクマル伝説は、釣り人からクソゲー呼ばわりされる出来だったが、2年半以上経ち釣りゲー初のWiiモーションプラス対応ということで期待する者もいた。
しかし魔物は衰えを見せてはいなかった。

ゲームモードは「トーナメント」「タイムアタック」「プラクティス」「Wi-Fi」の4つ。
今作は目玉の1つにWi-Fi対戦ができることをアピールしていたが余りに売れず実質ないも同然である。
プラクティスを除くとプレイできるのは残り2つ、しかしタイムアタックは難易度毎に1つずつ全4コースとおまけ程度、必然的にポイントを貯めるとルアーが貰えるトーナメントがメインになるが大会を選ぶ→釣るの繰り返し、イベントも会話も一切なく、黙々とポイントを貯める作業は実際に魚を待っているときよりも忍耐を要求される。

釣りの楽しみの一つに釣具を選ぶことが挙げられるが、このゲームでは糸もリールも竿さえも選べず選択できるのはルアーのみ、当然道具ごとの要素や長所は再現できていない。
代わりにルアーに膨大な数があるのかといえばそうでもなく32種類+アピールカラー、前作から説明文ごと使いまわしておりファンに優しい。
ステージは元々表示できないがMAPいらずの狭さでボート釣りオンリー、対岸まで15秒とかからないステージまで存在する。
全7ステージの中で異様な存在感を放つのが京都ステージで、そこには金閣寺と五重塔と大仏に鳥居が一堂に会する奇怪な光景を見ることができ、リアルの定義が分からなくなる。

肝心の釣りが面白ければいいのだがWiiモーションプラス対応のコントローラーは誤作動があり良いとはいえない。
ルアーを投げるときは「振ってからボタンを離す」ではなく「押したまま振る」、このゲームはコントローラーの機能を活かそうとしたのか、早く動かすと投げるという仕様、うっかり早めに動かすと誤投する。
またヌンチャクがリール役にも関わらず入っているのは回して巻き取る機能だけで、ボタン巻き取りは竿役のリモコンに配置、投げるスタイルは複数あるが上手く動作しないことがあるなど全体的に調整不足を感じさせる。

リアルを追求と言っているもののルアーが入れば水中視点で魚のサイズと位置がモロバレ、見えない状態で探す楽しみを奪ってくれる。グラフィックは低質で、ルアーは魚の頭を貫通し地面に埋まって見えなくなることもあり、魚は何かに引っかかるとガクガクと謎の痙攣を始める。
更にBGMはステージ毎に用意されずリアル系には合っていない、こちらもルアーと同じくほぼ使いまわしと手抜きが透けて見える。
BGMはオフにできるが環境音は残念、個別オフがないため釣り上げ時やメニュー画面まで無音でプレイするはめになる。

カジュアルなのかと思って見てみれば演出はどれもチープで地味、キャラは微妙なリアル系4名でカスタマイズなし。
釣り上げ中は糸の状態を見るテンションゲージがなく、画面下に出る竿の色で判断しなければならないうえ判定がシビアで糸切れが頻発、場所とルアー選択を誤ればなかなか釣れず爽快感もない。
ラインブレイクは設定でオフに出来るが、今度は60cmオーバーのランカーバスが竿を立てっぱなしにして巻くだけで釣れてしまいゲームにならない。
強いて良いところを挙げるとすればマスコットキャラのゆなを眺められることだが出番は説明書だけ。

「リアルの釣りはそんなに甘くはない」それを言いたいのはこちらの方だ。