2013年 次点

概要

名称ARC STYLE:野球!!SPhttp://www.nintendo.co.jp/wiiu/software/wbsj/index.html [外部リンク]
ジャンル野球
対応機種Wii U
発売元アークシステムワークス
開発元バーンハウスエフェクト
発売日2013年9月18日
価格800円(税込)
対象年齢CERO:A(全年齢対象)

参考動画

要点

お手頃な値段で、お手軽に遊べるゲームを配信しているダウンロードソフト「ARC STYLE」シリーズの一作で、名前の通り、本作では野球ゲームが出来る。
2012年に500円で配信された、3DSのDLソフト「ARC STYLE:野球!!3D」の移植版であり、何気にWiiUでの野球ゲームとしては初めての作品。
追加要素は死にシステムの「魔球」だけで、グラフィックが一応綺麗になっている事位しか改良点が見当たらず、CPU戦のゲームバランスは崩壊気味。
しかも、わざわざ据え置き機で発売したにもかかわらず、通信プレイ(3DS版では出来た)どころか、2Pプレイにすら非対応で、対人戦は完全不可となっている。
スレでの呼称は「悪球(読みはアークダマ、或いはアークボール)」が主流。

補足

ある程度プレイしたんで悪球の補足的な物
・育成要素は一切ない、能力は5つある体型で固定
・能力値の参照画面は無い、誰がどんな能力持ちかは自分で推察が必要
・コールドの仕様以外に目立ったルール破綻はない、操作も一通り完備
(ただしトーナメントは引き分けで負け扱いになる)
・魔球はパッド操作しないとただの遅いまっすぐで、まず打たれる
・カスタマイズは他にエンブレムやユニフォームも設定可能

打撃は強振とミートが汎用技、他3つ特殊技がある
MAXパワー:デブが使える、強振の上の強打で当たれば凄い飛ぶ
スタートダッシュ:チビが使える、当てた直後直ぐに走れる
コンセントレーション:女が使える、どんな球種にも対応できる

球種はまっすぐ、スロー、カーブは汎用技
ナックル、スクリュー、シンカー、ジャイロはない
シュート、スローカーブ、チェンジアップ、スライダー、フォークは特殊技
シュートとスローカーブが女固有、他3つがノッポ固有技

間違えた、チェンジアップはチビの固有技で、ノッポの後一つはシュート

チビ:足は速いが、パワーが無い
デブ:パワーはあるが、足が遅い
ノッポ:球種は豊富だが、打撃能力が無い
ガール:テクニックはあるが、パワーとスピードが無い
ノーマル:平均的、唯一守備の固有技ファインキャッチが使える

纏めると、選評者の言の通りちゃんと体裁は整ってるね
今の所、これといった不具合も見当たらない
隠しのアークスターズの再現性は普通に良いね

ただ、このCPUの両極バランスで対人戦無しはやはり酷いわ
隠し以外の7チームはほぼ確実にコールドにできるし
問題は、その1点で他の4候補と戦えるかなんだが
うーん別ベクトルの酷さだからな、一概に苦痛度が低いから弱いとも言い難いぜ

個人的には、この「対人戦が無い」一点だけで、他候補と戦おうという潔さがいいね
本当に、ただただつまらないだけのゲームってのもある意味貴重

これで値段が2000オーバーだったら文句無く推してたな

選評

選評案その1

ARC STYLE:野球!!SP
発売はアークシステムワークス、開発はバーンハウスエフェクト
9月18日より配信されているWiiUダウンロード専用ソフトで価格は800円
プレイ人数は一人(ここ重要)、もちろんジャンルは野球ゲーム、容量は200MB
名前がややこしいので、以降「ASBS」と略す

実は本作品、「ARC STYLE:野球!!3D」という、
【500円】で配信された、3DSダウンロードソフトの劣化移植だ
繰り返すが、バージョンアップ移植でもなければ、ベタ移植でもない
劣化移植でかつ、300円値上げされている事実を先に述べておく


内容はまさに初心者向けであり、ルールも簡略化されている
操作方法は、常にパッドに表示されているので悩む事はない
試合システムは基本「パワプロ」シリーズと一緒
守備でボールキャッチの時に、Aボタンを入力する必要があるのが違う位
(実は最初から連打していればいいだけなので、死にシステムである)

登場チームは7+隠し1で、すべてゲームオリジナル
チーム名や選手名はパロディ感満載である(某美少女戦士とか)
特に、隠しチームは分かる人なら相当にやりと出来る筈
(あまり言うとネタバレになるので、これ以上の言及はNGで)
そして、「ASBS」の褒めるべき点はここ位である

グラフィックの質は、次世代据え置き機としては割と低い
元々が3DS作品なので、仕方ないと思うかもしれないが、
正直、DSソフトでもこの程度のグラフィックの作品は普通にある

野球ゲームとしてはお約束の「実況中継」は一切存在しない
当然ながら、選手も一切喋らないし、
更に言えば、どういう状況になろうと表情も一切変化しない
その為、ホームランを打ってもいまいち爽快感がない


モードは3つのみで、やり込み要素は特に無い
トーナメント:7(+自作)チームから一つ選び、残りチームと計6回対戦する
エキシビジョン:7(+自作)チームから一つ選び、他1チームを選んで対戦する
カスタマイズ:自作チーム(2つまで)と自作選手(1チーム12人まで)を作成する
「トーナメント」を1度クリアすると隠しチームが使えるようになる

「カスタマイズ」について
選手は体型が5種類あり、それにより使える特技が変わる
体型:ノーマル・ガール・チビ・マッチョ・ノッポ
打撃:MAXパワー・スタートダッシュ・コンセントレーション
投球:シュート・スローカーブ・チェンジアップ・スライダー・フォーク
他に「目」「口」「髪型」とその色が設定でき、パーツ数は各16種類

ただ、選手のステータスは一切表示されないので、
選手個々の能力の違いは、プレイヤー自身の感覚で補完する以外にない


「トーナメント」について
恐ろしくぬるい、初戦を例に挙げると、なんと「50-1(1回コールド勝ち)」の圧倒的大勝であった
(10点差以上ある状態で裏の回が終わるとコールドゲームになる)
なにせ、【ボールにバットが当たればまずホームランになる】のだから当然の結果だ
しかも、「ストレート」が「スローボール」にしか見えない球速の遅さである

決勝戦ともなれば、流石に難易度が上がるだろうと思いきや、
「21-9(6回コールド勝ち)」と、ここに来てもまだコールド余裕である
なにせ、【ボールにバットが当たればまずヒット以上になる】のだから当然の結果だ

更にCPUは、【明らかなボール球でもお構いなしにバットを振ってくる】ことがたびたびある
大げさだと思った人は、ぜひとも
「完全にあからさまな敬遠球」に手を出す選手の光景を想像して頂きたい
流石に後半戦ではそうそうやらなくなるが、これが普通の野球ゲーなら振る時点でおかしいことは間違いないだろう

しかし、その後に戦う事になる隠しチームだけは容易く行かない
というか、この1チームだけ明らかに別次元の強さである
投手は180キロのまっすぐや、150のフォークを普通に投げて来る上に、
今までとは打って変わり、ジャストミートの打球でもアウトにされる難易度

打者はここに至っても、ボール球に手を出してくる場面があるのだが、
物理的にありえない位置からでも当ててくる上に、それでヒットを打ったりする
先といい、製作者には「バランス調整」という概念自体がないのではなかろうか
「超雑魚」「雑魚」「ラスボス」しかいないってどんだけだ

ただし、結局のところ運次第なので、何度もリトライすればその内勝てる
(即再戦できるので1からやり直す必要は無い)
しかし、完全に運任せな時点で、これを野球ゲームと呼んでいいものだろうか


「エキシビジョン」について
いわゆるフリー対戦モードで、5イニングまで減らせ、先攻後攻を選べる
問題点は大体トーナメントと同じで、一チームを除いてやはりぬるすぎる
相変わらず、適当に打ってもホームランないしヒットが連発する始末
なお、どれだけ勝っても特典とかは一切無い


「移植元との違い」について
1、3DS版は「カスタマイズ」で写真が使用できた
2、3DS版は「ダウンロードプレイ」に対応していた
3、3DS版は「ローカルプレイ」に対応していた

そして「ASBS」はというと、通信プレイに対応していない
その為、驚くべき事に【対人戦が一切出来ない】のである
据え置き機の野球ゲームでこんな事例は、少なくとも筆者の知る範囲では無い

更に「魔球」という追加要素があり、ゲームパッドを前後左右に傾けて球を操作するのだが、
演出パターンは1種類のみと、取って付けた感が半端ない
しかも、操作性が非常に悪くてボール球になりやすく、
反面スタミナ消費が激しいので、もはや使うだけ無意味な存在
何より、たったこれだけの追加要素で300円の値上げとは、もう呆れるしかない


一応、「ASBS」はゲームバランスが明らかに狂ってはいるが、野球ゲームとしては成立している
人同士で遊ぶことが出来たのなら、普通に楽しむ余地はあったし、事実3DS版ならそれが出来た
そもそも、据え置き機への移植なのだから、普通に2Pプレイ対応にすればいいだけの筈が、
なぜ通信プレイも削除という暴挙に出たのか、メーカー側の意図が全く理解できない

安値で、お手軽で、通信対戦など機能も充実している完全上位互換が先に存在
対して、利点は画面が大きくなった事だけ
これでは、「ASBS」は一体何のために生まれてきたのだろうか?


おわり

選評案その2

内容だけ
試合部分(バッティングアンド相手の守備)
とりあえず隠し以外のCPUがむちゃくちゃ弱い(隠しは後述)、大半がど真ん中の80キロ代のストレート。
アンダーでもオーバーでも同じ。
ミートゾーンをボールのかなり下にしないと内野ゴロにならない。
逆にミートゾーンをボールのかなり上にしてもHRになる。たとえパワーが無いチビでも女でも。
つまりカスタマイズ(後述)で全員チビにしても余裕でコールド勝ちできる。
相手の守備はボロボロ。普通の外野フライでもほとんどの確率で落とす、だからなかなか試合が終わらない。
試合部分(ピッチングアンド守備)
こっちも隠し以外のCPUがむちゃくちゃ弱い、どんな球でも空振ってくれる。
ゲームパットでボールを一回だけ動かせる魔球はスタミナすごく消費する。
ほとんどのかくりつで外れる為スタミナの割に使えない、空振りしてくれるけど
守備はAボタンで取るシステム。Aを連打してるだけでもいいため指がつかれる。
だからバントが取りにくい。ピッチャーへ向かってのバントでもAを連打しないと取れない

隠しチームについて
トーナメントで6チーム倒すと出てくる。アーク関連のキャラをモチーフにしている。
先ほどとは違って170キロ後半のストレートやら150キロ代の変化球を投げてくるので苦戦する。
バッティングも強い。守備もすごく上手くなっている。まあこのゲームのシステムに慣れれば勝てるが。
カスタマイズについて
このゲームの良心。まともに遊べれる。
体系やらタイプやらを決めれる。これについては選評1を参照。
その他
モードは上の3つ、難易度やらはもちろん決められない。
3DSにあった対戦モードは削除、一人用。
グラフィックは3DSよりちょっとだけ良くなった感じ。
酷いバグは無い。その代わりに酷い難易度があるのだが。
細かいところで言えばアンパイアの声が少し棒読み(ストラーイク)。電光掲示板の時計が変わらない、音楽が単調など。

めざせ甲子園ですら出来た完全移植を出来ない。
メジャーが下痢だとするとこれは一本糞。
800円でカスタマイズするゲームを買ったと言える。
野球がしたいなら300円安い3DS版を買った方がいい。
野球にはなっていても、ゲームにはなっていない。
しかもダウンロードソフトなので売れない、そして鳥よけにもならない。
このゲーム、そして開発者にアウトを宣告してやりたい。

選評終わり
魔球は必ずと言っていいほど振り遅れてくれるチート級の出来なの入れ忘れた
まあどんな球でも空振ってくれるから意味無いんですけどね!
相手のザル守備は100回に1回くらい取ってくれるくらいの確率。
800円でこれはちょっと…だから野球だと思って買うなよ!カスタマイズゲーだからな!

そしてこれWiiで売った方が良くね?ってのが感想
タッチスクリーンなんて魔球以外でつかわねーもん
3DSだけで良かったと思う

選評案その3

ARC STYLE:野球!!SPはよく
1、野球としての体裁は保ってること
2、バグ・破綻がないので普通にプレイができること
以上2点で未プレイ者にいまひとつ評価(糞的な意味で)されない節がある

だが、普通に遊べ仕様が完備されているから弱いのか
否、悪球は値段こそ安く懐のダメージは弱いが
ゲームとしての「つまらなさ」でいえば他候補に決して劣らない
というかそれこそがクソゲーとして最も重要なことだと筆者は考える

第一に、どんだけ適当なバッティングでも全キャラ簡単にHR打てるし
第二に、どんだけ簡単なフライでもCPUは9割がたエラーをするし
第三に、体系で能力が違うとかいっても生かす場面がまるでないし
第四に、球種字体はそろっていても相手の投球は大抵まっすぐだし
第五に、なにより球速が100km以下なので空ぶる方が難しいし
第六に、こちらの駆け引きとか関係なくボール球に手を出すし
第七に、ゆえに球種も外角内角も別に意識する必要がないし
第八に、盗塁とかダブルプレーとかスチールとかなにそれ状態だし
第九に、隠し以外なら慣れれば全チーム1回コールドにできるし
第十に、最後の救い?の隠しもよく考えたらただのチート連中だし

徹頭徹尾、何から何までとにかくつまらないのだ
唯一の追加要素「魔球」はと言えば
こちらが使う分には反応が過敏すぎて即ボール球だし
相手が打つ分にはそもそも関係なく振り遅れる
そもそも魔球とか大げさに言っても演出が微妙すぎて迫力0

移植に際して、対人戦が完全にできなくった悪球なのだが
プレイしてみるにどう考えても、
「対戦ありきのバランス」で作られた作品としか思えない
つまるところ、一番削っちゃいけない所を堂々と削って配信しているのだ

野球ゲームには一応なってるといえば聞こえはいいが、
「成立」していることと「面白」いことは、全く別の話だということがよくわかった