2013年 次点

概要

名称ARC STYLE:野球!!SPhttp://www.nintendo.co.jp/wiiu/software/wbsj/index.html [外部リンク]
ジャンル野球
対応機種Wii U
発売元アークシステムワークス
開発元バーンハウスエフェクト
発売日9月18日
価格800円(税込み)
対象年齢CERO:A(全年齢対象)

参考動画

要点

お手頃な値段で、お手軽に遊べるゲームを配信しているダウンロードソフト「ARC STYLE」シリーズの一作で、名前の通り、本作では野球ゲームが出来る。

2012年に500円で配信された、3DSのDLソフト「ARC STYLE:野球!!3D」の移植版であり、何気にWiiUでの野球ゲームとしては初めての作品。

追加要素は死にシステムの「魔球」だけで、グラフィックが一応綺麗になっている事位しか改良点が見当たらず、CPU戦のゲームバランスは完全に崩壊

しかも、わざわざ据え置き機で発売したにもかかわらず、通信プレイ(3DS版では出来た)どころか、2Pプレイにすら非対応で、対人戦は完全不可となっている。

スレでの呼称は「悪球(読みはアークダマ、或いはアークボール)」が主流。タイトルの頭文字をそれぞれとって「ASBS(Bはベースボール)」とも略される。

選評

選評案その1

ARC STYLE:野球!!SP
発売はアークシステムワークス、開発はバーンハウスエフェクト
9月18日より配信されているWiiUダウンロード専用ソフトで価格は800円
プレイ人数は一人(ここ重要)、もちろんジャンルは野球ゲーム、容量は200MB
名前がややこしいので、以降「ASBS」と略す

実は本作品、「ARC STYLE:野球!!3D」という、
【500円】で配信された、3DSダウンロードソフトの劣化移植だ
繰り返すが、バージョンアップ移植でもなければ、ベタ移植でもない
劣化移植でかつ、300円値上げされている事実を先に述べておく


内容はまさに初心者向けであり、ルールも簡略化されている
操作方法は、常にパッドに表示されているので悩む事はない
試合システムは基本「パワプロ」シリーズと一緒
守備でボールキャッチの時に、Aボタンを入力する必要があるのが違う位
(実は最初から連打していればいいだけなので、死にシステムである)

登場チームは7+隠し1で、すべてゲームオリジナル
チーム名や選手名はパロディ感満載である(某美少女戦士とか)
特に、隠しチームは分かる人なら相当にやりと出来る筈
(あまり言うとネタバレになるので、これ以上の言及はNGで)
そひて、「ASBS」の褒めるべき点はここだけである

グラフィックの質は、次世代据え置き機としてはかなり低い
元々が3DS作品なので、仕方ないと思うかもしれないが、
正直、DSソフトでもこの程度のグラフィックの作品は普通にある

野球ゲームとしてはお約束の「実況中継」は一切存在しない
当然ながら、選手も一切喋らないし、
更に言えば、どういう状況になろうと表情も一切変化しない
その為、ホームランを打ってもいまいち爽快感がない


モードは3つのみで、やり込み要素は特に無い
トーナメント:7(+自作)チームから一つ選び、残りチームと計6回対戦する
エキシビジョン:7(+自作)チームから一つ選び、他1チームを選んで対戦する
カスタマイズ:自作チーム(2つまで)と自作選手(1チーム12人まで)を作成する
「トーナメント」を1度クリアすると隠しチームが使えるようになる

「カスタマイズ」について
選手は体型が5種類あり、それにより使える特技が変わる
体型:ノーマル・ガール・チビ・マッチョ・ノッポ
打撃:MAXパワー・スタートダッシュ・コンセントレーション
投球:シュート・スローカーブ・チェンジアップ・スライダー・フォーク
他に「目」「口」「髪型」とその色が設定でき、パーツ数は各16種類

ただ、選手のステータスは一切表示されないので、
選手個々の能力の違いは、プレイヤー自身の感覚で補完する以外にない


「トーナメント」について
恐ろしくぬるい、初戦を例に挙げると、なんと「50-1(1回コールド勝ち)」の圧倒的大勝であった
(10点差以上ある状態で裏の回が終わるとコールドゲームになる)
なにせ、【ボールにバットが当たればまずホームランになる】のだから当然の結果だ
しかも、「ストレート」が「スローボール」にしか見えない球速の遅さである

決勝戦ともなれば、流石に難易度が上がるだろうと思いきや、
「21-9(6回コールド勝ち)」と、ここに来てもまだコールド余裕である
なにせ、【ボールにバットが当たればまずヒット以上になる】のだから当然の結果だ

更にCPUは、【明らかなボール球でもお構いなしにバットを振ってくる】始末
大げさだと思った人は、ぜひとも
「完全にあからさまな敬遠球」に手を出す選手の光景を想像して頂きたい
ちなみに、全くと言ってダブルプレーしなかったり、
三塁手が動くと即バックホームするなど、やたらと慎重さが目立つ

しかし、その後に戦う事になる隠しチームだけは容易く行かない
というか、この1チームだけ明らかに別次元の強さである
投手は180キロのまっすぐや、150のフォークを普通に投げて来る上に、
今までとは打って変わり、ジャストミートの打球でもアウトにされる鬼畜難易度

打者は相変わらずボール球に手を出してくるのだが、
物理的にありえない位置からでも当ててくる上に、それでヒットを打ったりする
先といい、製作者には「バランス調整」という概念自体がないのではなかろうか
「超雑魚」「雑魚」「ラスボス」しかいないってどんだけだ

ただし、結局のところ運次第なので、何度もリトライすればその内勝てる
(即再戦できるので1からやり直す必要は無い)
しかし、完全に運任せな時点で、これを野球ゲームと呼んでいいものだろうか


「エキシビジョン」について
いわゆるフリー対戦モードで、5イニングまで減らせ、先攻後攻を選べる
問題点は大体トーナメントと同じで、一チームを除いてやはりぬるすぎる
相変わらず適当に打ってもホームランが連発する始末
なお、どれだけ勝っても特典とかは一切無い


「移植元との違い」について
1、3DS版は「カスタマイズ」で写真が使用できた
2、3DS版は「ダウンロードプレイ」に対応していた
3、3DS版は「ローカルプレイ」に対応していた

そして「ASBS」はというと、通信プレイに対応していない
その為、驚くべき事に【対人戦が一切出来ない】のである
据え置き機の野球ゲームでこんな事例は、少なくとも筆者の知る範囲では無い

更に「魔球」という追加要素があり、ゲームパッドを前後左右に傾けて球を操作するのだが、
演出パターンは1種類のみと、取って付けた感が半端ない
しかも、操作性が非常に悪くてボール球になりやすく、
反面スタミナ消費が激しいので、もはや使うだけ無意味な存在
何より、たったこれだけの追加要素で300円の値上げとは、もう呆れるしかない


一応、「ASBS」はゲームバランスが明らかに狂ってはいるが、野球ゲームとしては成立している
人同士で遊ぶことが出来たのなら、普通に楽しむ余地はあったし、事実3DS版ならそれが出来た
そもそも、据え置き機への移植なのだから、普通に2Pプレイ対応にすればいいだけの筈が、
なぜ通信プレイも削除という暴挙に出たのか、メーカー側の意図が全く理解できない

安値で、お手軽で、通信対戦など機能も充実している完全上位互換が先に存在
対して、利点は画面が大きくなった事だけ
これでは、「ASBS」は一体何のために生まれてきたのだろうか?


おわり