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2017年KOTY選評 『RXN-雷神-』(カヤック、ガルチ)ガルチが開発した2D「横長」縦シューティング。『雷電』シリーズの開発に携わっていたスタッフが独立・設立した㈱ガルチの10周年記念として開発された。豪華声優陣をはじめ、メカやキャラデザイン、シナリオ、主題歌からプロ書家による揮毫まで、かなり力(とお金)が入っている。公式サイト(https://www.rxn.jp/)には「これまでの常識を疑い、2017年現在の新しいシューティングのカタチを確立することを目指しています」とある。そのためであろう、特殊な世界観に基づくストーリー、横長画面、残機でなく体力制、経験値アイテムによるレベルアップなど、STGではやや見慣れないシステムが多く取り入れられている。しかしその一方で、説明書どころかチュートリアルすら無い不親切設計。複雑なシステムや世界観が一切説明されないままゲームが始まるため、プレイヤーは操作やシステムを手探りで掴む必要がある。ストーリーはスキップなしのフルボイスで進むため、STGとしてテンポが悪く、一方でストーリーを説明するテキストは不足するなど、ストーリーとSTGの相性の悪さが未消化のままぶちまけてある。STGとしても、敵が硬すぎてまともに敵を倒せないバランスとなっており、これが大きなストレスとなる。STGでは「弾幕を避け、敵を撃破する爽快感」が求められるが、「敵は倒せず、被弾しながらクリアまで耐えしのぐゲーム」となってしまっている。「2017年現在の新しいシューティングのカタチ」を目指した点は問題ないが、あまりに要素を盛り込みすぎて消化しきれず、すべての要素を台無しにしてしまった印象。☆ゲームシステムについて基本は分岐のあるフローチャートからチャプターを選んでいくシステムで、クリアするごとに新たなチャプターが選択可能になっていく。ひとつのチャプターは小・中型機の編隊か、ボス1体の構成となっておりシューティングとしてはかなり短めの構成。プレイ中にキャラクターがフルボイスで喋り、ストーリーが進んでいく。ストーリーの分岐はあるが、なぜか分岐しているチャプターでもストーリーが繋がっており、実質的にはほぼ一本道。ただ最終ステージはABに分かれており、それぞれエンディングは異なる。シューティングとしてのシステムは、「新しいシューティングのカタチ」を目指したためか、かなり複雑。シューティングでは珍しいシステムもあり、数も多いのでポイントに分ける。①プレイ機体はRXN-101(バランス型)、RXN-202(スピード型)、RXN-303(テクニック型)の3種類。それぞれがA、B、Yボタンで打ち分ける3種類のショットを持っている。②主人公はそれぞれの機体に搭乗する3人。セリフは異なるがストーリーはほぼ共通。③レベルアップシステムがあり、レベルアップによってショットが強化される(補足:耐久力は強化されない)。敵を撃破することによって得られる経験値アイテムは6項目に分けられており、リザルト画面で全項目が100%となることでレベルが上がっていく。④「敵に接近して撃ちこむ」ことでLV3までショットが強化される「チェインシステム」がある。⑤残機ではなく体力ゲージのシステムで、時間経過により自動回復する。⑥ボムは「覚醒」と呼んでおり、ストックできるボムアイテムではなく、体力の1/3を消費することで使える。効果は「敵弾消去・画面への全体攻撃・一定時間スロー」。時間経過によって、体力が1/3以上まで回復すれば再度使える。(体力がゼロになることはない)問題は、こうした複雑なシステムを説明するチュートリアルや説明書が存在しない点。公式サイトでも一切説明が無い。公式ツイッター(https://twitter.com/rxnstg)や発売直前の4Gamerの独占プレイ記事(http://www.4gamer.net/games/387/G038707/20171214057/)に断片的な説明があるのみである。②のレベルアップシステムや、スコアに「ノーダメージボーナス」がつくことなどは、本当にどこにも説明が無い。④のチェインに「接近」が必要な点についても4Gamerの記事にしか記述が無い。ショットやボムなどはシューティングをやったことさえあれば理解できるのでいいだろうが、特徴的な要素について説明が無いのはさすがに不親切だと思われる。特に攻略に関わる説明が無いことは大きな問題だろう。☆6経験値システムについて経験値が6項目に分けられているシステムについて、未プレイでは理解が難しいので詳細に説明する。あくまで疑問を解消するための章なので、疑問が無ければ読み飛ばしてOK。敵を撃墜すると結晶が出て、これを集めることで経験値が貯まりレベルアップする。結晶は敵の撃破時に散らばり、自動回収される。画面上では水色とオレンジ色があるが、回収後は赤や緑など、6色に対応した経験値としてカウントされる。レベルアップにはこの6種類の経験値を全て100%にする必要がある。不足している経験値はリザルト画面で100%未満の数字で表示され、その経験値を100%にするとレベルアップする。レベルアップすると各経験値ごとに新しいレベルの基準が適用され表示される。カンストすると%表示は「Max」となる。具体的な問題点としては、まずレベルアップに必要な絶対数がわかりにくく使いづらい。リザルト画面で得られた経験値はポイントで表記されているのに、現在の経験値が%表記となっている。またリザルトではこれまでに得た累計ポイントが表示されるが、次のレベルアップに必要なポイントも表示されないので、あと何ポイントが必要なのかがわからない。筆者自身、選評を書くにあたり、全キャラカンストを3周以上やったが、「現在足りていない経験値がどれか」以上の情報が読み取れない。ここからは多少変則的になるが、スレで寄せられた疑問や推測に対して回答する形式としたい。6経験値システムを採用した意図があまりに不明瞭なため、推測によってRXNの実態を掴めなくなってしまっていると感じたからである。まず一番多い疑問として、「経験値の偏りで成長をカスタム出来るのでは?」というものがあるが、これは明確にNoである。このレベルアップは各経験値をそれぞれ100%にしないとレベルアップしないため、経験値に偏りがあるとレベルアップ自体が止まる。そしてこのゲームにはそもそもステータスが存在しない。あるのはレベルの数字とそれに対応したショットの強さだけである。ショットの種類や特殊なスキルが増えるなどの要素は一切ない。分けられた経験値の項目は「ノーマル」「エーテル」「フィジカル」「ファイア」「ライト」「ダーク」となっているが、これらも理解できない。「エーテル」は一応ストーリー上で「大気中に存在するエネルギー」と説明があるものの、機体性能とどのように関連するか説明はない。「フィジカル」は体力か防御力関連と推測されるが、レベルアップによって体力や防御力が上昇しないことは4Gamerの記事で明言されている。「ファイア」はショットの火力と考えれば問題はないが、「ライト」「ダーク」に関しては、そもそも作中に全く登場しない。「ノーマル」についても同様である。よってカスタム要素はあり得ない。次に多い疑問としては、「経験値をわけることで、開発側にいろいろなチャプターを遊ばせたい狙いがあるのではないか?」であるが、これもおそらくNoである。確かにチャプター画面では、それぞれに出やすい経験値が結晶の大小で表示されており、これでプレイヤーを誘導できるようになってはいるが、実際に経験値効率の良いステージは特定のチャプターに偏っているし、そのチャプターがストーリー上で重要というわけでも無い。そして何よりレベリング用に設けたと思われるチャプター「experience1~9」が存在している。色々遊ばせたいならこんなチャプターは設けないと思われる。結果として、レベルアップの分かりづらさと画面の見づらさにしかつながっていない。おそらくは推測にある通り、経験値で成長をカスタム出来る要素が準備されていたのだろうと思う。しかし、何らかの理由でそれがボツとなったが、6経験値のシステムはそのまま残されたと考えれば一応の筋は通っているように思える。あくまで推測なのでこれ以上は言及しない。☆ゲームバランスについてシューティングゲームとして最大の問題がゲームバランスである。異常に敵が硬く、小型の雑魚敵に撃ちこんでも撃破することが難しい。特別なレベリングが無くては、小型機の編隊を撃ち漏らしたり、ボス戦で10分以上戦い続ける必要がある(それぞれ3形態あり、体力を削り切れなければ約3分半でボスが自爆する)。中でもエイのような敵が出現するが、本当に一体も撃破できない。(倒せない敵というわけではない。レベリングすればちゃんと倒せる。)また、ステージが進むごとに敵の硬さは増していく。レベルアップでショットを強化できるが、レベルアップ以上に敵が硬くなるため、成長を感じることが出来ない。プレイヤーはチャプターを進めるごとにますます硬くなる敵の攻撃をひたすら耐えしのぐことになる。機体をチャプターごとに選び、好きな機体で続きをプレイすることができる仕様になってはいるが、レベルは機体ごとに設定されており終盤で低レベルキャラを出しても増え続ける敵に圧殺されてしまうため、レベルアップとチャプターのシステムが全く噛み合っていない。プレイヤーの技量にもよるだろうが、1つの機体を重点的に使ったとしても、クリアにレベリングは必須なバランスだと思われる。レベリングについてはひたすらステージを周回する作業となる。機体ごとにレベルは独立しているため、全機体でクリアするためにはこれを3回繰り返す必要がある。レベリング自体もかなり退屈な作業となる。そもそもステージの構成自体が単調で周回プレイする面白みが薄く、プレイ内容によるランクなどのやり込み要素も存在しない。前述の必要経験値がわかりにくい点も手伝って達成感も湧きにくい。せっかくの有名声優のフルボイスも何度も同じやり取りを聞くことになるとさすがに鬱陶しさを感じる。「experience(経験値)1~9」と、名前からレベリングのために用意されたと見られるステージがあるが、それらはボイスが無いだけで経験値の効率が良い訳ではない罠まである。(効率がいいのはチャプター15A「観測点」とチャプター23「決意と絆」)一方、レベリング後は、序盤ステージの難度が異常に下がってしまう。例えばステージ3のボスは相手の弾がこちらに届く前に倒せる。また、体力制のために初めから放置していてもクリア出来てしまうステージもある。繰り返しプレイする前提のSTGであるにもかかわらず、敵の耐久度や攻撃力といったステージ毎の難易度の設計に問題があり、リプレイする楽しさが損なわれている。☆STGの面白さと、RXNが面白くない理由多少私見になるが、なぜRXNがここまで面白くないのかについて説明したい。一般的なSTGの醍醐味は、敵弾を回避し敵を撃破する爽快感や達成感にあると考える。はじめはクリアできなかったステージでも、弾をうまくひきつけて回避する、敵に効率よく撃ちこむなどの「技術的な成長」。また、配置を覚えて出現する敵を先回りして攻撃したり、ボムを使うポイントを決めるなど攻略プランを立てて実行する「パターン化」で難所を突破する。これが「面白さ」に繋がっていると考えている。しかしRXNは、レベルを上げることが攻略の前提となってしまっている。普通に進めていくと攻撃力が圧倒的に足りず、例えば敵配置を覚えて先回りしても撃破できないので攻略に繋がらない。また、弾をうまくひきつけても増え続ける雑魚に圧殺されてしまう。このように「STGでありながら、STGの攻略法が全く通用しない」点が、RXNは致命的にズレている。逆にレベルさえ上げてしまえば雑魚に圧殺されることは無くなるので、上のような攻略をしなくてもクリアできるようになる。しかし、プレイヤーはレベルが上がっただけなので技術的な成長が実感できないし、工夫と挑戦を繰り返して難所を突破する達成感も無い。クリアできた理由が、「自分が成長したからではなく、自機のショットが強くなったから」では、面白くなくて当たり前である。もしSTGをあまりやったことのない人であれば、「クリアできないゲームを、チートやイージーモードでクリアして嬉しいと感じるか」想像してみていただきたい。RXN発売前の茶谷社長のツイッターからもSTGの面白さを同じように捉えていることが確認できる。(参考URL: https://twitter.com/Chappy0909/status/935946331683565568)>覚醒システム、チェインシステム、ライフ自動回復をうまく使って難局を乗り切る… 字面だけでも面白そうっすよね。これはまさに「パターン化」で難所を突破する面白さである。加えてツイートからは、体力消費⇔覚醒、敵に接近する危険⇔チェインの維持など、リスクリターンの駆け引きをRXNで実現しようとしていたことがわかる。こうした試みが機能すれば、プレイヤーの選択肢を増し、攻略の「自由度」が広がったはずである。しかし、実際に出来上がったRXNでは、こうした要素は活かされていない。覚醒しようがチェインレベルを上げようが敵が硬すぎて倒せない。ライフの自動回復も延命策にしかならない。☆画面の視認性やUIのデザインについてゲーム画面は、複雑なシステムを持つためにゴチャゴチャして見づらく、また敵弾とアイテムに似たオレンジ色を使うなど配慮が足りない点が見受けられる。従来の横画面・縦スクロールSTGでは、中央に縦長のプレイ画面を作り、その両脇にスコア表示などをつける場合が多い。これに比べるとプレイ画面が大きいのはメリットであるが、画面内にスコア・経験値アイテム・シールド(体力)・使用中の武器種・チェインゲージ・セリフウインドウなどが表示されややゴチャゴチャした印象を受ける。自機の可動域も画面いっぱいに設定されているため、こうした表示に重なることが多い。重なった表示は半透明になる配慮がなされているが、触れた瞬間のみ半透明になるので。周囲で弾避けするとチカチカして集中を削がれる。とはいえ表示は半透明にする配慮がなされている分まだ良い方かもしれない。レーザーのエフェクトや敵の爆発、チェインのレベルアップ表示などが自機の上位に設定されているために自機が隠れて見えなくなることがたびたび発生するほか、またチェインでLV2、LV3とレベルアップのたびに画面全体が揺れる演出も頻発する。これらは弾避けに影響するため、STGとして大きな問題であろう。☆ストーリーについて(ネタバレ注意!)公式サイト(https://www.rxn.jp/)では概ね以下のように説明されている。(一部省略)『人類を超越した少女「ユナ」が正しい基底世界を選択し、再び世界の営みを人間に回帰させて数百年。彼女は"神"的存在となった。世界は政府軍と企業組織 「丙組」 に統治され、平和な時代が続いていた。日常は突然崩壊する。かつてユナが基底世界の選択の為に作った並行世界と繋がる扉『儀の観測点』から、「ウルカ」が溢れ出し人類を襲い始めていた。人類の危機を事前に察知していた丙組は極秘裏に新型兵器「RXNシリーズ」の開発を進めていた。このままウルカによって儀の観測点が開き続けると全ての並行世界が1つになり世界は滅亡してしまう。繋がりかけた並行世界を正常化させる為にRXNに乗る若き搭乗者達の戦いが、今……始まる。』簡単に言えば、「『ウルカ』が世界を滅ぼすのを防ぐため、新型兵器『RXNシリーズ』で戦う」というものであるが、数百年前のエピソードからなる壮大な物語であることがわかる。しかし、こうしたストーリーに関して、ゲーム内では一切触れられない。ゲームはプレイヤーがウルカ殲滅作戦に参加するところから始まるが、特に、「ウルカが世界を滅ぼそうとしている」ことが説明されないため、公式サイトを見ていないと、プレイヤーが何のために戦っているのか分からないままである。キャラクターに焦点をあてたサイドストーリーも存在するがこちらはツイッターのみで紹介されており、ストーリーを理解するには両方を見ていることが前提となる。キャラクターについても、キャラごとに設定が存在するが、システムやストーリー同様、作中で紹介されるシーンはほとんどない。メインキャラだけでも兄弟間のコンプレックス、美少女キャラは調律(作中にクローンキャラが出てくるのでおそらく遺伝子操作)によって恐怖の感情や味覚が薄い。カレーが好きなどの設定はあるものの、ストーリーにこれらの要素は一切出てこない。設定の消化が不十分であるために、宙に浮いてしまっている設定やストーリーも数多く存在する。ゲーム画面との連携もはかられておらず、セリフと矛盾する場面も数多くみられる。細かくなるので以下で主な例を示す。①RXNシリーズにはユナの一部が入っているとの証言があるが、つながる展開が無い。②ラスボス初出のシーンで「急速接近中!」「消えてしまった」などのセリフがあるが、ゲーム中で対応する演出が無い。僚機がいるシーンでも僚機が表示されないので状況がつかみにくい。終盤では僚機パイロットが自機に乗り込んでいたりするので余計に混乱する。③ラスボスに勝つために感覚抑制(搭乗者を守るリミッターのようなもの)を切るシーンがあるが、機体性能などは一切変化しない。④RXNシリーズはショットに応じて飛行機・人型に変形するが、機動性は変わらない。⑤ストーリー後半、プレイヤーは並行世界に取り残される展開となるが、「発信準備!」「シールド○○%」等、オペレーターや副艦長のセリフが入る。⑥ルナ(RXN202)でチャプター32Bをクリアすると、死んだはずのヒメノミが生き返っていて「おかえり」を言う。(生き返るストーリーが省略された?)⑦同じボスキャラが複数回出てくる。キャラクターたちが「さっきより反応が大きい!」「全然動きが違う!」と驚くが、動きや攻撃パターンはほとんど変わらない。⑧シリアスなシーンの直後でも「お腹すいた」「モフモフしたいよぉ♪」「あれ?もう終わり?」などクリア時のセリフ(おそらくランダム)が入る。このようなアラが全編にわたって散りばめられており、プレイヤーを拍子抜けさせる。ストーリーも中盤以降はかなり緊迫してくるのだが、矛盾が挟まれるので集中できない。☆エンディングについて(ネタバレ注意!)エンディングはチャプター32AとBで、艦と連絡がとれて地球に帰還するエンドと、アユカと二人で永遠に平行世界を彷徨うエンドになっている。いわゆるグッドエンドとバッドエンドだと思われるが、バッドエンドの方は後日談があったりRXNのロゴが表示されるなど内容は豪華。一方でグッドエンドはクレジットの後にENDだけが表示されてそのまま終わる。平行世界でなぜ連絡が取れたのか、原因となる分岐や伏線が提示されない上、「特定の条件を満たすとグッドエンド」になっていない。演出のチグハグさも相まって、無事帰還できても意味が分からないため感動も無い。☆声優(キャラボイス)について村田太志(丸尾栄一郎)、尾崎由香(サーバルちゃん)、杉田智和(坂田銀時)をはじめ、幅広いファン層に向けた豪華声優陣を起用している。しかし、ステージ中のフルボイスだけでストーリーを説明するため、テキスト量は少なく、その割にテンポも悪い。デフォルトではBGMや効果音のバランスが大きすぎて聞きづらい。ストーリーを理解するためにはセリフを読む必要があるが、プレイ中は撃ちこみや弾避けのためにセリフを読む余裕がない。重要度の高いセリフについてはプレイの前後に持ってくる配慮がなされているが、逆にスキップもないので、その間プレイヤーは画面を見ているしかなく退屈。☆価格DL専用ゲーでありながら3900円(税込4212円)という強気価格。7月のプロジェクト開始から12月発売まで、開発期間は約5ヶ月と短い。声優をはじめとする豪華要素がこの価格を生んだと見て間違いないだろう。☆タイトルが回収されない余談ではあるが、RXNという名前は、有力シリーズの雷電→RAIDEN→RXXXXN→RXNから来ているようだ。雷電のブランドをアピールしたい一方で、続編を名乗る権利が無かったためと見られる。これだけでもネタになりそうではあるが、問題はゲーム中で「雷神」というタイトルが回収されていないことである。「アールエックスエヌ」では言いづらいので、通称としてセリフに採用すれば十分だったと思うが、そうならなかったのはなぜか。推測ではあるが、開始当初のプロジェクト名が「RXN」のみであったため、音声の収録後に「雷神」を付け加えた可能性が考えられる。☆最後にRXNは「複雑なシステムなのに説明が無い」「声優を入れたためにテンポが悪い」「レベルアップを入れたために敵が硬い」のように、取り入れた試みが裏目に出ている箇所があまりにも多い。おそらくは新しいシステムや演出を一つのゲームとしてまとめあげることが難しく、度重なる仕様変更で当初のコンセプトが崩壊していったのであろう。茶谷社長は声優陣の名演にこっそり涙したそうだが、いま一番泣きたいのは期待してこのゲームを買ったプレイヤーであろう。賞賛の声に代えて、「2017年KOTY」を送りたい。