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このページは、2011年度KOTY総評の案を集めるページです。総評の審議に役立てば幸いです。
書き方テンプレートは編集ページにコメントアウトで掲載します。

総評案20 (code_18)

「クソゲーは 忘れた頃に やってくる」

クソゲーオブザイヤー2011。
昨年9月下旬から事実上始まった2011据え置きKOTYの3ヶ月+αの死闘を、ここに記す。

11月23日。
D3パブリッシャー制作、PS3/Xbox360「街ingメーカー4」というソフトが発売された。
街を開発していく本作、しかし建てた建物は眺めることしか出来ず、住民とはろくな会話も出来ない。
BGMも昼夜の2種類であり、10分に1度入るポイントを使って建物を建て、あとは待つ・・・という、異常に虚無感あふれるゲームスタイルである。
しかも中盤以降は必要ポイントがインフレし、建物数件で枯渇する。
クリアーまで6時間程度、その内の殆どは待ち時間だ。
虚無、という言葉が似合う、ゲームなのかも疑わしい、限りなく無に近いクソゲーである。

同日。
アクワイア制作、PS3「グラディエーターバーサス」というソフトも発売された。
旧作での重要な駆け引き要素であったドッジとパリィを排除し、魔法なるものを導入。
それに稚拙なAIが加わった結果、真の敵は敵ではなく、魔法を誤射してくる味方NPCである、と言われる時点で、まず方向性が違う気すら感じ取れる。
ちなみに魔法はアップデートで大幅強化され、事実上NPCは味方ですらなくなった。なおAIはアプデで改善されていない。
ただし戦闘はゴリ押しで大概解決する。味方に気をつければ。
また武器強化のための宝石は出現率が低く、DLCもあるものの中身はランダムという、まさかのガチャガチャ方式。
「ライバルに差をつけろ!」とは、要は財力で差をつけろということなのだろうか。
そしてキャラ枠拡張やアイテム枠拡張にもDLCという、何故削ったとしか言いようがない課金要素も搭載している。
ちなみにウイルスバスターはこれ(の公式サイト)を「オンライン詐欺の可能性がある」と警告してくれた。流石である。
アクション性のクソさにDLCを加え、現代のゲーム事情を見事に反映したクソゲーとなった。

12月8日。
バンダイナムコゲームス制作、PS3/Xbox360「ドラゴンボール アルティメットブラスト」が発売される。
アニメーションは綺麗だ。しかし、褒めるべきはそこしか存在しない。
ムービー付きのクイックタイムイベントの存在により、戦闘は非常に冗長になり、
更にそのイベントには完全運任せの2択選択肢が常に付きまとう。
その場面以外の戦闘シーンでは基本ボタン連打。アクション性が聞いて呆れる。
オンライン戦闘はエラー多発でろくに戦闘が出来ない。そもそもジャンケンなのにオンラインする必要があるのかは別として。
微妙なキャラ人選とそれに依る歯抜けストーリーも、クソの要因となっている。
一応自分でキャラを作れるモードが存在するが、素材が少なすぎる上育成に非常に手間がかかる誰得設計となっている。
アクションゲームにアクション要素を撤廃させた、潔いキャラゲーのクソゲーであった。

これらが話題になって少し後。
1月27日発売、アクワイア制作、PS3(PSN専売)「ウィザードリィ 囚われし亡霊の街」が話題に上った。
特筆すべきは最終シナリオ3の理不尽さ。レベルも上がりほぼ能力が頭打ちになったプレイヤー陣の前に、能力が伸び続け恐ろしく強くなったモンスターがお出迎えする。
これはプレイヤーたちと違い、レベルに依る上昇値の下方補正がかかってないことがおそらく原因だ。
プレイヤーたちは能力もほぼ打ちとめになっており、死なないためにはお金で経験値を買えることを利用し、一撃で死なない程度にHPを高めるくらいしか対処法がない。
とはいえこれで、敵に勝てるようになるためには途方もない時間を要する。裏技未使用でも使用時でも。
しかしラスボスは何故か弱く、エンカウント回避アイテムを手に入れるかDLCで買うかすればエンディングは可能である。
ただここまで本末転倒な仕様となっているゲームを、クソゲーと呼ばずして何と呼べようか。

そして話題になったもう一つの作品。
9月1日発売、タカラトミー制作、Wii「人生ゲームハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ」である。
昨年一昨年とノミネートされたWiiの人生ゲーム。それらと基本のクソ仕様は殆ど変わらない。
ご当地イベントが増えたとはいえ、それもほぼ無内容のイベントが増えたようなもの。
それどころか名産のある意味冒涜や、嘘知識混じりのマイナス点となっている。
通常イベントも種類が異様に少なく、1プレイだけで数度同じイベントを堪能できる。
そしてルーレットの出目は3付近に偏る。重りが付いているのだろうか。
これのどこにフルプライスで発売できる要素があるのだろうか。
昨年とクソさは左程変わらぬものの、変わらないことが問題視される、クソゲーであった。


残りは2本の恋愛アドベンチャーゲーム。
まずは上記の5本と同じく、次点となる2月24日発売、PIACCI制作、Xbox360「Piaキャロットへようこそ!!4 夏の恋活」を紹介する。
そもそも原作でもエロしか取り柄がない、とこき下ろされた作品である。それにエロを抜いたらどうなるか。結果は見えたようなものである。
基本設定は場当たり的、特に事件性のないイベントの連続、そしてエロシーンは取り除かれ、その間にある関係の進展も飛ばされる。
一部のキャラには話が飛んでいつの間にか妊娠とか恋人関係とかにまでなっていたりする。ギャルゲーによくある主人公の友人ばりにプレイヤーは蚊帳の外だ。
主人公の行動言動も感じ方に個人差はあれど、殆どの人をイラつかせるクズ指数高めの人物である点も酷い。
盛り上がりもしないシナリオにシーンカットという超展開を組み合わせれば、誰得というシナリオが誕生する。
シナリオに関してはwikiに詳細にまとめてある。どれほど酷いかは一読を。
SLGパートもあるものの、BAD判定にしか利用されないステータスを、適当に上げるだけ、というイベントも何もない適当仕様。こちらも誰得。
処理落ち、フリーズも前触れ無く発生。セーブを増やすと極端に重くなる、バックログが不便、スキップも挙動が悪いなど、システム面もまともにできていない。
これこそ誰得要素を積み重ねて創り上げた、誰も得しないクソゲーである。


そしてもう一本、9月29日に発売された、サイバーフロント制作、Xbox360(、PSP)「code_18」を紹介する。
こちらはタイムリープものADVであり、シナリオは5人分、固定で進行する。
ちなみにルートマップやクイックセーブなどはなく(PSP版にはなぜかある)、最悪やり直しも困難にさせる。BADENDが唐突に訪れるのも影響している。
しかし1~4人目までには、数個の伏線を除き、ストーリー中核はほとんど進展を見せない。進展してもそれは謎な理論を展開する主人公を見れるだけだが。
それは、シナリオの重要な要素である?「code」がプロローグと5周目以外に送られてこないことからも汲み取れる。
ちなみにこの「code」、真相は謎のままで終わる。
しかも最終シナリオの選択肢は3回、「聞く」「聞かない」のみである(全て前者を選ばないとBAD)。もはや選択の必要すらない選択肢である。
システム面は誤字脱字、名前欄に謎の@マーク、画像とシナリオ文の不整合など、ADVの基本中の基本もできていない。
誰が学校の学園祭のコスプレ喫茶で制服を着るのだろう。何でスカイタワーにいる筈の2人の背景は淺草寺なのだろう。
テキスト上はメガネを外してキスをするのに画像では外れていない。天候が回復したのに雨。電車に乗った後、ヒロインの家の中まで鳴り響く電車の轟音。
大して盛り上がりもしないシナリオに、これらのミスが水をさして最低なADVと化している。
シナリオをゲームの基本で台無しにさせた、基本以下のクソゲーである。


そして今年のクソゲーオブザイヤー2011、大賞はこの「code_18」である。
そもそも微妙なシナリオを基本的なミスでその微妙すらも台無しにさせ、苦笑も生まないゲームに創り上げたことは、ある意味尊敬できる。
「絶対にやってはいけないミス」を平然とやってのける姿勢にも感服する。
ストーリーの酷さ、というと主観が入ってしまうことが多いが、これに関しては不具合とバグをあわせて、客観的に見てもクソシナリオを作り出した。
その点、いつかの伝説、四八(仮)に通じるものもあるのかもしれない。
ちなみにこのゲームのプロデューサー、「code_18はInfinityシリーズ(Ever17を始めとするADVシリーズ)の入門編」と発言しており、
この発言は自分自身、また制作スタッフ全体に宛てた「私たち自身のゲーム制作入門」のことではないか、ともっぱらの噂だ。

こうしてADVの根幹、ADVの命とも言えるシナリオを完全に崩壊させ、見事大賞に輝く次第となった。


今年は7本のクソゲーが9月29日、このゲームの発売以降次々と話題に上がり、混戦模様となった今年のKOTY。
大賞決定作業も非常に難航することとなった。
来年はどんなクソゲーが生まれるのであろうか。期待をせずに、待っておくとしよう。


それでは最後、code_18の主人公が冒頭で放つ一言をお借りして、今年のKOTY、締めくくらせていただく。

「C18がKOTY大賞を獲得した。よし、次は四-八だ!」

総評案21 (Wizardry 囚われし亡霊の街)    

・・ ・・七英雄の伝説・・ ・・

数多くのクソゲーマーを倒し、小売も殺し、その後ワゴンへ消えた……。

『メジャー』『奈落』『大奥記』『ジャンライン』『ヌギャー』『猿』『メジャー2』

いつの日か、彼らは戻ってきて再びスレ住人を絶望させるのだという……。
スレが乱れる度に、人々は伝説を語り、恐れ慄いた。
しかし平穏が訪れると伝説は忘れられていった……。

クソゲーの興亡は繰り返す。
2008年の七英雄が見せた圧倒的な力の時代が終わり、分裂と闘争の時代が始まった。

2009年は「修羅の国」と呼ばれ恐れられた、エロゲー業界からの使者である
『戦極姫』の圧倒的なバグの奔流によってスレは蹂躙される。

2010年は褒める事ができる要素がまったくない、といわれた圧倒的な力で年頭より君臨した
『ラストリベリオン』の超ストロングスタイルによりスレは屈服した。

そして2011年、スレは未曾有の大飢饉に襲われ、七英雄の名は再び語られ始めた
そして、彼らは来た――――

――ここにKOTY史上最大級の激戦となった、2011年据え置き版KOTYの総評を記す。



2011年、据え置きKOTYスレは年始から続く大飢饉に喘いでいた。住人たちは初の選評無しという状況を目の当たりにして
困惑していた。しかし10月中旬、そんなスレの元に慈雨の如く一つの選評がやってきた。
「サイバーフロント」の「恋愛アドベンチャー」

『code_18』(スレ内呼称:C18)だ。

本作は名作ADVとして名高い『Ever17』をはじめとする「infinity」シリーズの最新作である。だが、過去作のスタッフは
ほぼ関わっていない、かろうじて関わっていたプロデューサーも当時はデバッグだった、という事でシリーズファンから
その出来を危惧されていた。
そしてその危惧は見事に的中する。「infinity」シリーズは近未来が舞台で閉鎖空間からの脱出をテーマにしたADVなのだが
なぜか本作では恋愛が中心の扱いになってしまっていた。しかも各ヒロインのルートどころか、分岐というものが基本的に
存在せず、選択肢によって変わるものは正解かBADENDだけという有様だった。本作はある事件を防ぐ為に何度も同じ時間に戻る
といういわゆる「ループもの」だが、何周しても主人公はヒロインといちゃいちゃするだけであった。最終周にようやく事件
解決に向けて働くが、その姿は8月31日に悪戦苦闘する小学生を思わせた。
ミステリ要素として「code」(未来からのメール)という要素もあったが、これが送られてくるのもほぼ最終周だ。
肝心のシナリオの出来も無残の一言。不整合の山で矛盾点がポロポロ出てくる。さらに度し難い事にBADENDに気付かずセーブ
すると何の説明も無く、1周目からやり直しにされてしまうのだ。
しかし本作の本領はそんな事にはなかった。それはおびただしいまでの誤字脱字脱文や、背景・立ち絵指定ミス、更にはボイス
・効果音の設定ミスの嵐にあったのだ。それによって致命的な演出ミスも多く発生、もちろんクライマックスシーンでももれなく
発生してプレイヤーの精神を蝕んでいった。「電車の音が電車から降りても鳴り止まない」「天候が回復したのに雨が降り
続いている」というのは序の口、「あるルートのENDシーンの一枚絵がサブリミナル効果」というのもあった。
中でもスレ住人を唖然とさせたのが「スカイタワーにいたのに脈略もなく浅草寺にワープ」してしまうというシーンだ。
もちろん登場人物はここをスカイタワーだと言い張り、話を続けていた。
前述のプロデューサーは「code_18はInfinityシリーズの入門編」と発言していたが、よもや「我々のゲーム製作入門編」
という意味だと誰が予想できただろうか。ちなみにこのプロデューサー、発売日と同時に自身のツイッターを非公開にして
行方をくらませたという。
クオリティの低さ、不具合、制作陣のごたごた、と全方位にクソなこの作品は、伝説のクソゲー『四八(仮)』(しじゅうはち)
の志を継ぐものと認められ、『C18』(しーじゅうはち)と呼ばれるようになった。


『C18』の襲来によってようやく動き出したKOTYスレであったが、スレ住人は意外と平和そうにしていた。なにしろ12月に
なろうとしているのに、話題作が未だに一つきりなのだ。「今年はこれで決まりかな?」などとスレ住人たちは笑いあって
いた。
そして地獄の12月に突入する。KOTYにおいて良く使われる言葉に「年末には魔物が潜む」というものがある。
だが、今年は「潜んでいた」どころではなかった、数多のクソゲーたちが百鬼夜行の如く顕れ出たのだ。
まず、現れたのがSIMPLEシリーズで有名な「D3 PUBLISHER」から発売された「街づくりシミュレーション」

『街ingメーカー4』(スレ内呼称:待、待ing)である。

自分の街を作るsim系箱庭ゲームの中でも、「住人と交流するADV要素」という長所が売りの「街ingメーカー」シリーズの
最新作だ。しかしその実態はあらゆる要素がボリュームダウンした「ゲー無」であった。
街づくりの要であるパーツ数は激減。工場の種類は少なく、漁場や農場は存在すらも消えてしまった。郵便局やお墓、交番
も建てれず、歯科や外科・内科病院も建てることができない。学校はというと小中高大の差は無く「総合学園」のみ。
作る事ができる施設に関しても、色、バリエーションに違いが無くなり、結果街には同じ色と形の建物が整然と立ち並ぶ事
になる。ゲーム中の音楽は昼と夜の2種類のみ、天候や季節という概念も無く、地形も一種類だけ。
シリーズの売りであった「住人と交流するADV要素」も大幅に劣化。街の住人は「家に帰ります」「寿司に行きます」「最近
部下の目が冷たい」「スマホって一度もったら手放せないね」等といった定形文しか言わないお人形と化してしまった。
そして、このゲームの白眉とされているのが「待ち」システムである。
本作は建物を建てるにはポイントが必要であり、ポイントはゲーム内で一日毎(リアル10分程度)に貰える仕組みだ。
前作ではポイントがもらえるまでの時間で住人と交流していたのだが、本作では大幅な要素のカットにより「やる事がなく
なってしまった」のである。プレイヤーはこうなると、ゲームを放置してポイントが溜まるまで「待つ」か別の事をやるしか
無くなるのである。このゲームはクリアまでわずか5~6時間、しかも殆どが待ち時間という新たなゲー無の境地を開き、スレ
住人たちを驚かせた。


スレ住人に休む間も与えずKOTYのコロセウムに名乗りを上げたのは、「アクワイア」の「マルチ対戦格闘アクション」

『グラディエーターバーサス』(スレ内呼称:剣投資)だ。

古代ローマ帝国の剣闘士奴隷をモチーフにした「剣闘士」シリーズの最新作である。電撃Playstationのバイヤーズガイドが
「評価D」というめったに見ない低評価を贈っており、入場前から圧倒的な威圧感を放っていた。
本作はミッションクリア形式で「3vs3」の乱戦バトルで進行するのだが、舞台設定を古代ローマ帝国から中世風の剣と魔法の
ファンタジーに変更したせいか、シリーズのキモだった「パリィ(攻撃はじき)」や「ドッジ(寸前回避)」の操作体系を削除し、
「魔法」という要素を追加したのだ。これによってシリーズの評価点だった、一見地味だが奥深い駆け引きが要求されるバトル
バランスは完全に崩壊した。
味方AIも不評で「ぽこぽこ仲間が魔法を誤射する」「コンボの最中に割り込んできて、コンボを中断させる」「1対1で戦って
いるところに他の敵を連れてくる」と悲鳴が相次いだ。
それならばとオンラインで他プレイヤーと攻略しようとしても、発売当初から過疎になっておりマトモにプレイできない。
結果、オフラインでのストレスフルなごり押しゲーになりがちになってしまう。
公式PVで「10000種類以上の容姿」と謳われているキャラクリエイトは、実際には種族以外は、首から上のパーツが数種類
ずつ選べるだけ。どんな計算をしても10000には遠く及ばない。そもそもキャラクターメイキングできるゲームで10000通り
しかバリエーションが無いといっている時点で失笑されるレベルではある。
そしてこの作品の最大の特徴である極悪なDLC(有料ダウンロードコンテンツ)での搾取体制だ。
2人より多く自キャラを持ちたければ課金が必要、
異様に小さいアイテム保持数を拡張するには課金が必要、
デフォルト3種類以外の顔パーツを使いたければ課金が必要、
ステータスやスキルの再設定もDLC扱いで、課金が必要、
武器の強化に必要な宝石を楽に手に入れたければ課金が必要……。
公式サイトで「ライバルに差をつけろ!」などと課金合戦を煽ったが、あまりに熱心すぎてウィルスバスターが本作発売前の
公式サイトに対して「オンライン詐欺に関係している兆候があります」と反応してしまった。
そもそも、これらの課金要素はどれも「無料で出来て当たり前」のことである。マイナスからゼロにするのに多額の金銭を要求
する阿漕な姿勢を称えられ、本作は『剣投資』という称号を授けられた。そしてDLC課金の是非に揺れる据え置きゲーム業界に
おいて、重課金のグランドチャンピオンとなったのである。

「偽」りだらけの『剣投資』
「飾」って眺めるだけの『待』
「誤」りだらけの『C18』
すわ、2011年はクソゲーたちによる三国志演義の開演か!?と色めきたつスレ住人。しかし、集まったクソゲーたちの闘気に
誘われ、金色に輝く"気"を纏うクソゲーが武闘場へ足を踏み入れた。
「バンダイナムコゲームス」の「3D対戦アクション」

『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(スレ内呼称:UB)の登場だ。

説明不要、鳥山明による超人気コミック「ドラゴンボール」のゲーム化作品である。偉大な原作の人気に支えられ、近年では
堅実な出来のゲーム化作品が続いていた。だが外見の美しさを以て、内容の無さを覆い隠すことは出来なかった。本格的な
原作再現で人気を集める「レイジングブラスト」シリーズの流れを汲む本作であるが、何と今回大幅にシステムを単純化させて
しまい、格闘ゲームではない何かとなってしまったのだ。
『UB』には他の格闘ゲームのようにプレイヤーに技術を要求する部分がほぼ無く、「QTE(クイックタイムイベント)」がその代わりを
務める。しかしこの「QTE」、ほとんどが単に運任せの「二択」で勝敗を決めるもので、戦闘時の攻撃、移動、必殺技、つまりはほぼ
全てのタイミングで発生するのだ。つまり、どういうことになるのか?
ユーザーは延々とムービー付きじゃんけんを見せられるハメになるのだ。そしてプレイヤーの介入できる部分が極端に少ないので、
駆け引きや腕を磨くといった格闘ゲームの楽しさを味わう事ができなくなってしまった。しかも演出、モーションは全キャラ共通
で「キャラの個性」も何もあったものではない。
「ストーリーモード」は退屈極まりなく、主要キャラの一部がリストラされてしまった結果、シナリオがスカスカの歯抜け状態に
なってしまっている。 自作キャラを作成し活躍させられる「アバターモード」も存在するが、キャラクリエーションの自由度が非常
に低く体型は3種のみ、性別は男のみという有様。修行の内容が苦行でしかない、やることといえば単調な戦闘を繰り返すことのみ、
と非常に残念な出来栄えである。オンライン対戦も可能だが、ラグや回線切断が頻繁に発生してマトモにプレイできない、といった
ダメっぷりである。


そして年末、クリスマス。「こんな日に乳繰り合う悪い子はいねがーッ!!」とばかりに、1月に発売されてからほぼ1年もの間
眠っていた悪霊がついに覚醒した。「アクワイア」の「3DダンジョンRPG」

『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』(スレ内呼称:亡霊)である。

「ウィザードリィ」といえば30年の歴史を持ち、「ウルティマ」や「ローグ」と並んでコンピュータRPGの原点、古典と言われ、
後のゲームに多大な影響を与えた傑作である。本作はシリーズ再興を掲げた「Wizardry Renaissance」というプロジェクトの最新作
である。当初、注目されていた「レベル99を超えると命中値がオーバーフローして0になる」不具合やセーブ不能バグ等はパッチ
によって緩和されたのだが、選評によってとんでもない伏兵であった事が明らかとなったのだ。
それは「圧倒的なバランス崩壊」によってもたらされた。
本作はシナリオ1、2、3に分かれているのが特徴だが、序盤といえるシナリオ1からすでに腐臭を放っていた。通常エンカウントの
雑魚敵に圧倒的な速度と力でプレイヤー側が何も出来ずに惨殺されてしまう事態が発生するのだ。しかも通常のゲームであれば
プレイヤーの努力で克服できる筈なのだが、シナリオを進めていくに従ってその差は広がっていってしまうのだ。
終盤であるシナリオ3ではその差は絶望的なものになる。シナリオ3に突入すると味方キャラのレベル上限が100以上になるのだが、
プレイヤーキャラクターの能力がレベル99までに頭打ちになるのに対し、モンスターの能力は信じ難いほどに上昇してしまう。
結果シナリオのラスト3フロアでは「エンカウント=全滅」という方程式が成立する凄まじい戦力差になる。
「レベルを上げて物理で殴ればいい」とは、あの『ラストリベリオン』のプレイヤーが生み出した金言であるが、まさかプレイヤー
側が殴られる側になろうとは…。
骨太なゲームバランスをよしとする、鍛えられた旧作プレイヤーすら絶望するバランス。タイトルにある"囚われし亡霊"とは実は
破壊されたゲームバランスに絶望して散っていったプレイヤーたちの事かもしれない……。


クソゲーたちの暴虐はまだ終わらない。
年の瀬迫る大晦日、閉じられようとしていたKOTYの門をこじ開け修羅の国より来訪者がやってきた。

「PIACCI」が放つ「ファミレス恋活ADV+SLG」

『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~』(スレ内呼称:pia4、Pアフォ)だ。
ちなみに「恋活」と書いて「バイト」と読む。

ファミリーレストランを舞台に同僚の女の子と仲良くなる「Piaキャロットへようこそ!!」シリーズの最新作だ。
元々、18禁PCゲームで移植元の評価も「エロ以外壊滅的」と評される代物だったが移植に伴い、唯一の及第点部分であったエロ部分
を抜いてしまい、正に誰も望んでいない作品となってしまった。しかも抜かれていたのはそれだけではなく一部ヒロインの攻略ルート
も廃止となってしまった。追加されたものといえば、何の前触れもなく発生する処理落ち、フリーズバグくらいのものであろう。
当初駄ゲー止まりという声も聞かれたが、選評者による血を吐くような手記が発表されるとたちまち声はかき消された。手記には
130KB、小説一巻分に匹敵する文が認められており、各ヒロインルートの放つ強烈な毒電波とまったく感情移入できない主人公により、
次第に心壊れていく選評者の様子が鮮明に描かれていた。(余談ではあるが、この総評の容量は約20KBである)
本来、いわゆる"エロゲー"がコンシューマに移植されるにあたり、エロシーンの除去と代替シーンの挿入は必須といえる。だが本作は
エロシーンは抜いたが、代替シーンは用意しておらず、シナリオに抜けが多々発生してしまった。そして「いつの間にかヒロインを
妊娠させていた」「格ゲーをしていたら彼女ができた」というサイコホラー染みた展開を見せた。
プレイヤーの分身である主人公も、嫌がるヒロインの自宅のチャイムを毎日鳴らし続けるストーカー行為や、一旦諦めた陸上をまた
再開したいと言いながら一向に走らない「走る走る詐欺」を延々と繰り返したり、実妹や従姉といった血縁者と躊躇無く肉体関係を
もったりと、まったく同調できない行動を繰り返しプレイヤーを苛立たせる。
ゲームの一日は女の子との会話が中心のADVと主人公を育成するSLG部分に分かれているが、育成部分のパラメータ上げは盛大な徒労
で、パラメータによって変わるものは各ヒロインルートのエンディング成否判定のみなのだ。
この成否判定に失敗してしまったら、いくらヒロインと関係を進めていてもまったくの無駄になり問答無用で全ルートで同一のBADEND
に突入してしまう…。

主人公「お前、この一ヶ月どうだった?」
実妹「バイト楽しかったよ。私も成長できたし。」
主人公「ふーん。ほんとこの一ヶ月はなんだったんだろ。よくわかんね。」
実妹「またこようね!」
主人公「そうだな、またバイトしにくるかぁ!」

ヒロインとどんなに仲良くなっても、たとえ目の前にいる実妹と肉体関係をもっていても、主人公はこう言い放つのである。
「不快極まりない主人公」「不可解なシナリオ」「稚拙な仕様」と様々なクソ要素をもつこの作品は「C18」と並び2大クソADVとして
スレに君臨した。


1月、総評の作成に取り掛かろうとしていたスレに、1つのクソゲーが姿を現した。
実は9月に発売されていたのだが、ヒーローは遅れてやってくる。
2007年より5年連続でユーザーにクソを投げつけた、強豪「タカラトミー」の「わいわいボードゲーム」

『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(スレ内呼称:誤当地)
人生ゲームとしては3年連続の登場だ。

本作は前年のノミネート作、『人生ゲーム ハッピーファミリー』のマイナーチェンジ版である。
「基本MAPやBGMの種類は全1種」
「ミニゲームや特殊マスが無い」
「看板キャラ、天使と悪魔が不在」
「プレイヤーキャラは設定変更不能の10人」
「投げやり感溢れる+種類が少なすぎるイベント」
「ルールを理解しておらず、行動が支離滅裂なAI」
と、前作の不満要素はもちろん完備。不可解な事に、人生ゲームの要素ではなく地方ネタイベントを追加しており、完全に増量する
ところを間違えている事、また追加されたイベントも「○○おいしい」といったいいかげんなものが多い為、「誤当地」と呼ばれる
ようになった。

選評が来た当初は、「酷いとはいえ、イベントが増えている」という評価が多かったが、検証者によって実際に多人数プレイされた
結果が報告が届くと、その評価は大きく修正されていった。
新事実として統計をとった結果、確率処理に多大な偏りがあることが発覚し「特定のプレイヤーにペナルティが集中する」という、
多人数プレイにあるまじき友情破壊仕様が明らかになった。
そして、
「能動的にプレイヤーが動ける要素がない」
「ご当地ネタが何の脈絡もなく割り込んできて苦痛」
「ステータス1種変化するごとにアニメーションが入る、非常にテンポが悪い」
「つまらなすぎて途中で相方が寝てしまった」
ついには「人間関係にヒビが入った」という報告まで寄せられた。
友情破壊自体はこの種のパーティゲームの宿命ともいえるが『誤当地』の場合、「ゲームが白熱した結果」ではなく、罪深い事に
「ゲームを凍りつかせる要素が多発した結果」なのだ。
前述の全ての要素が絡み合い、プレイヤーを不快にさせるのだ。言うなれば、「パーティゲーム」と「ゲー無」そして「クソ仕様」、
これらの負のエッセンスが組み合わさることで、どす黒い感情だけが増幅されていく「クソスパイラル」が誕生したのである。
前々作『人生ゲーム(Wiiware版)』のように「15ターン目に強制的にゲーム終了」という「救済措置」も無い。
ひたすら「クソスパイラル」と戦っていかねばならないのだ。


以上、7本のクソゲーがノミネートされた。
今年のKOTY選出は困難を極めた。例年は荒れる事があっても二強、多くてもせいぜい三つ巴であった。
しかし今年は7作全てが大賞となるポテンシャルをもち実力は拮抗、いずれも一歩も引かなかった。
しかも12月に選評が大量に来たこともあり、検証作業も難航した。1月は検証作業の月だったといってもよい。
当スレの勇敢なる検証班(クソゲーハンター)が出撃、数多の犠牲を元に審議は進められた。
ある作品で評価点が見つかったと思えば、またある作品でクソ要素が新たに発掘され再評価されるという具合で紆余曲折、
有力作品は二転三転、議論は丁々発止となり、2月下旬までもつれ込んだ。
そんな中、「動かざることクソゲーの如し」とそのゲー無性ゆえに常に不動であった『待』の存在は特筆に値する。



それでは2011年据え置き版KOTY大賞を発表しよう。

『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』である。

前述の通り、今年の七英雄はいずれ劣らぬ猛者ばかりであった。しかも、様々なクソ要素をもった彩り豊かな作品が揃った。
しかし「純然なストレスの総量」という視点で各ノミネート作を見てみると、『亡霊』は頭1つ飛び抜けていた。

そもそも「wiz」というゲーム、現在良く見られるいわゆる「JRPG」と呼ばれるゲームに要求される要素、つまり
美しいグラフィックも、重厚なシナリオも、魅力的なキャラも、よく練られた世界観も、何ももっていない。
そのようなハナから求められていないのが「Wiz」である。
では「wizの楽しさ」とは何なのか? モンスターを倒して経験値や強力なレアアイテムを入手し、キャラを強化してさらに
強力なモンスターを倒すというゲームスタイル、いわゆる「ハック&スラッシュ」を体現したゲームなのだ。このシンプルさ
故に強く根源的な楽しさで、30年もの間ユーザーを魅了してきたのだ。
皆さんは覚えているだろうか?プレイを始めた時には歯が立たなかったあのモンスターを倒した感動を。
皆さんは覚えているだろうか?夢に見た、あのアイテムを入手した時の感動を。
皆さんは覚えているだろうか?苦しかった道のりを踏破した時の、あの達成感を。
シナリオ1から始まるデスロードを、ユーザーは歯を食いしばって歩いていったのだ。あの感動を再び味わう為に。
しかし、エンカウント直後の全滅という理不尽を100時間、人によっては200~300時間もの間耐えた先にあったものは、終末的な
バランスを誇るシナリオ3であり、店売りやDLCで呆気なく手に入れる最強クラスのアイテムであり、最善手を打っても倒せない
雑魚敵とあっさり倒せてしまうラスボスであった。
求めていた楽しさを根こそぎ奪われる絶望、数百時間にもわたる苦痛。それらが合わさる「純然なストレスの総量」は比肩する
ものが無かったのである。

終わってみれば2011年は過去最大級の祭りとなった。気付かれた方も多いだろうが、今年のノミネート作は奇しくも全て
「シリーズ物」であった。皆、評価された作品の後継者である。今年のノミネート作は、本来であれば全て良ゲーとして名を馳せる
ポテンシャルをもっていた、と断言する。しかし安易な仕様改変やバランス調整の不備によって、旧作のノウハウを捨て去ってしまった
作品ばかりであった。
現在ゲーム業界では、開発費の高騰、ユーザーのゲーム離れによる市場縮小といった逆風が吹いている。
力を失った製作者は冒険する余裕を無くし、携帯機やモバイルゲームといった安価な制作環境や、すでに評価を受けている作品の
続編タイトルに目を向けている。しかし、どのような作品を作るにしても、先人が積み上げてきたノウハウを疎かにしたものが
素晴らしい作品になる道理が無い。彼らの積み上げてきたものを継承するにしても、打破するにしても、自分たちが乗り越えなければ
ならないモノをしっかり見据えねば先には進めないのだ。七英雄はそんなゲーム業界の表す闇だったのかもしれない。
願わくばこの闇を払い、全てのゲームに携わる人々に平安が訪れますように…。

最後に今年、課金性の特大クソを2度もユーザーに投げつけた「アクワイア」に対し、あらん限りの呪詛を込めた一言を
もって2011年据え置き版KOTYの締めの言葉としたい。

「お前ら、アクワイヤじゃねぇ、アクドイワだッ!!」

総評案22(人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ)    

2012/03/05 21:30    

総評案19との合成をもって総評案22.5として改題

総評案22.5(人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ)    

前年王者『ラストリベリオン』は、KOTY(クソゲーオブザイヤー)に新たな歴史を刻んだ。
据え置き機ゲーム業界を「重厚長大主義」が支配し、意欲作が生まれにくくなっていた閉塞感……
そんな中で、颯爽と現れた次世代機の新星は、
「物理」の力で挑戦者を全て打ち祓い、KOTY史上初の先行逃げ切りを達成する。
次々と門前払いを続けるその雄姿は頼もしくもあり、
一方で、ある種の不安をスレ住人達に植えつけていった。

「クソゲーが来なくなった時、我々はどうなるのだろうか」

果たして、その予感は現実となった。
前年の審議終了から実に8ヶ月もの間、KOTYの門を開くものは現れず、
長い長い停滞が、スレを包むこととなる。
「鉄壁の守護」がもたらした平和はやはり、飢えと隣り合わせの因果なものであったのである。

雲間から光が差し込み、ようやく稲穂が実り始めたのは10月のこと。
サイバーフロントによる恋愛ADV『code_18』(通称「c18」)。
神ゲーとして名高い『Ever17』を擁する「infinity」シリーズの最新作である。
だが、「c18(しーじゅうはち)」という不吉な略称ゆえに呪われてしまったのか、
発売当日に本スレでは購入者の悲鳴がこだまし、それを尻目にプロデューサーは雲隠れした。
まず大筋を解説すると、作中で時間が循環している設定の「ループもの」である。
しかし、あろうことか周回ごとに攻略対象を完全固定しており、さかのぼって攻略するのは不可。
BADエンドの分岐に気づかず上書きセーブした場合、問答無用で1周目からやり直しとなる。
その内容も4周目まではほぼ徒労であり、最後の5周目には「正ヒロインの正史」以外を全否定される。
だが、本作の悪評を決定づけた最大の原因は、盛り上がりを台無しにする演出ミスの連発だ。
感動の場面でキャラの顔が見切れているのはまだ序の口。
会話の最中にキャラが分身するのは日常茶飯事で、ひとたび電車に乗ればヒロインの家の中でも轟音が鳴り続ける。
誤字脱字脱文のオンパレードに加えて、文章とグラフィックの食い違いすら完全放置。
「真っ暗なお化け屋敷」は昼間の明るい教室で、「メイド服姿のヒロイン」は学生服で登場する始末だ。
挙句の果てに、「スカイタワー」でのラブシーンは背景がなぜか「浅草寺」になっており、
そのヒロインのEDでは最後の一枚絵がサブリミナル効果のごとく一瞬しか表示されない。
プロデューサーは以前、「code_18はInfinityシリーズの入門編」と発言していたが、
察するところ、彼らのゲーム制作における入門編だったようだ。

こうしてひと粒の収穫を分かち合うスレ住人たちだったが、この時はまだ誰も知る由もなかった。
立ち込める冬枯れの銀杏の香りに紛れて、「年末の魔物」どもがこちらの様子を伺っていたことを……。

12月も近づこうとした時、突如KOTYスレを襲う黒い影が現れた。
D3 PUBLISHERから発売された『街ingメーカー4』(通称「待」)である。
「街ingメーカー」は、本作で4作目となる人気シリーズ。
その特徴は何と言っても、「街の人々と会話して、意見を取り入れながら街を発展させていく」
という独自のジャンルを開拓したことにある。
だが本作は、前作まで各建物に入れたはずの主人公がなぜか出入禁止状態になっており、
街の人々は揃いも揃って「家に帰ります」、「寿司に行きます」など心底どうでもいいことしか喋らない。
「無縁社会」の言葉に代表される現代社会の孤独感をたくみに演出していると言えよう。
肝心の街づくりパートも、7140円のフルプライスを微塵も感じさせない仕上がりだ。
ゲーム本編のBGMは昼と夜の2種類しかなく、建築可能な物件の種類も前作から激減。
学校は小中高大のどれでもない謎の「総合学園」と「伝統ある学園」(有料)のみで、
郵便局や交番など、最低限の社会インフラを司る施設すら存在しない。
色や形も建物につき1種類しか無く、「これなら積み木で遊んだほうがマシ」と評される始末である。
街を開発するには「ポイント」が必要であるが、中盤以降は一、二個の物件を建てるだけで枯渇。
ゲーム内時間で一昼夜、実時間で10分が経過するまでポイントは振り込まれず、その間じっと待たなければいけない。
クリアまではたった6時間であるが、その大半は上記の「待ち」時間であり、空虚を極めることとなる。
いつしか本作は「街」づくりゲームではなく、『待』と呼ばれる何かとして扱われるようになった。
その「極薄さ」ゆえ、どこぞの前年王者のごとくトロフィーや実績のコレクターから歓迎されたことも付記しておこう。

それと同日、コロッセオに殴り込んできた狂戦士がいた。
アクワイアの『グラディエーターバーサス』(通称「剣投資」)。
本作は対戦格闘アクション「グラディエーター(剣闘士)」シリーズの最新作であるが、
電撃プレイステーションで『四八(仮)』と同じ最低ランクの評価を獲得し、一躍注目を集めることとなった。
まず目に付くのは、キャラクター作成機能の前代未聞のショボさだ。
公式PVが謳う「10000種類以上の容姿」は、実際には首から上のパーツが数種類ずつ選べるだけ。
それもゲーム中は兜に隠れるため、実質的なバリエーションはわずか3通り(「種族」)と肌の色しかない。
ゲームの内容はミッションクリア形式の「乱戦バトル」だが、旧作で人気だった駆け引き要素を完全削除。
これにより連打とゴリ押しくらいしかすることがなく、壁際で敵を一方的にいじめる作業が延々と続く。
一緒に戦う味方NPCは三歳児並の知能で、加えてプレイヤーのことが嫌いで仕方ないらしく、
隙あらばファイナルファイトばりにパーティアタックやコンボ妨害を仕掛けてくる。
また、本作を彩る最大の特徴は、あこぎな有料DLC(ダウンロードコンテンツ)である。
自キャラを2つより多く保存したければ課金が必要、
強力な装備を「購入する権利」を得るには課金が必要、
デフォルト3種類以外の顔パーツを使いたければ課金が必要……。
フルプライスの作品にも関わらず、「基本無料」のゲーム並のたくましい商魂が光る。
装備強化のDLCも今流行りの「ガチャ方式」であり、あまつさえ「ライバルに差をつけろ!」などと課金合戦を煽る始末だ。
絶賛過疎中のオンライン対戦に開発者自らがフル装備で出撃し、ランキング上位勢に現実を叩き込む一幕もあった。
かくして、あの手この手でリアル投資を煽る本作には『剣投資』の愛称が与えられた。
公式サイトがウィルスバスターから「オンライン詐欺に関係している兆候があります」と喝破されたのも致し方あるまい。

こうして温まってきた武舞台に、凄まじい「気」と共に飛来する存在があった。
バンダイナムコの格闘ゲーム『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(通称「UB」)だ。
本格的な原作再現で人気を集める「レイジングブラスト」シリーズの流れを汲む本作であるが、
何を思ったか、キャラゲーの核であるキャラ数を40人近く大幅削減。
「おめえの出番ねえから、悟飯!」とばかりに悟飯(青年版)を削除する一方で
汚い花火(キュイ)をわざわざ入れるなど、こだわりの人選が光る。
大量リストラのしわ寄せでストーリーモードはスカスカの歯抜け状態であり、
ベジータが死ぬ名場面では息子のトランクスが声のみの友情出演という惨状。
人手不足を見かねたか、フリーザ戦で悟空が一人二役するバグも発見された。
さて、本作の肝を平たく言うと、「ムービー(QTE)中に、二択のボタンであいこなしのジャンケン勝負」である。
いわゆるただの「運ゲー」であるが、本作ではこのジャンケンの頻度が異常に高く、
通常攻撃、受け身、必殺技……と、あらゆる局面でジャンケン、ジャンケン、ボタン連打の嵐。
ただでさえキャラが少ないのに、演出も全キャラほぼ共通であり、プレイヤーを瞬時に飽きさせる。
アバターモードではオリジナルキャラが作れるが、選べるパーツが異様に少なく、
必殺技を覚えさせるための長時間の「修行」プログラムには大量のスカが混入。
その修行の中身も大半がジャンケンであり、フルコンプには80時間ほどの耐久ジャンケンを強いられる「心折設計」だ。
円熟期の次世代機クォリティを遺憾なく発揮する美麗なグラフィックとは裏腹に、
ゲーム性は昔懐かしの『ジャンケンマン』の時代まで原点回帰してしまったと言えよう。

「魔物」たちの瘴気に引き寄せられたか、さまよえる亡者も姿を現した。
またもアクワイアによる、PS3向けDL販売ソフト、『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』(通称「亡霊」)。
古典RPGの金字塔である「ウィザードリィ(Wiz)」の再興を掲げて制作された作品である。
「コンピュータRPGが我々に与えてくれた、あの緊張感、高揚、悲壮感・・・それを現在の技術で蘇らせたい」
製作者がそう語る通り、Wizの魅力を端的に言えば「隣り合わせの灰と青春」。
全滅やキャラ消滅の恐怖と戦いながら、探索や宝探しを続けていくスリルである。
だが、その理念は製作に生かされることなく、旧作ファンの期待はあえなく裏切られた。
静止画なのになぜかもっさりと処理落ちする戦闘画面に、お役所のごとく何度もたらい回しにされるストレスフルなUI。
「レバーで扉を開ける」だけの手抜きなダンジョン構成に加えて、製作者のうっかりでアイテムコンプリートも不可能。
初日に発覚した「プレイ中にセーブ不能になるバグ」にいたっては、未だに根絶されていない始末である。
落ちぶれた名作の姿を嘆き悲しんでいた本スレであったが、数ヶ月後の最終シナリオの配信でついに断末魔の悲鳴が上がる。
それまでのシナリオでもゲームバランスの崩壊は指摘されていたのだが、
最終シナリオではモンスターの能力だけが単純に倍加され、エンカウント・即・全滅の罰ゲーム状態となっていたのである。
クリアする方法自体は、「無いわけではない」。
普通にやれば適正レベル到達に数百時間かかるが、所持金増殖バグで経験値を買う作業に徹すれば数十時間。
エンカウント完全回避のアイテムをDLCで購入したり、数歩ごとにセーブ&ロードを繰り返してひたすら敵を避けても良い。
だが、そんな馬鹿げた作業のどこに古き良きWizの情趣が存在するというのだろうか。
こうして、それまで耐えてきたプレイヤーも一人、また一人と離れていったのであった。

そして、とどめとばかりに修羅の国の猛者も風雲に乗じた。
『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活(バイト)~』(通称「Pia4」)。
F&Cから出た同名のアダルトPCゲームを、PIACCIがXbox 360に移植したものである。
「Piaキャロ」シリーズは過去に映画化もしている「名門」であるが、今作を一言で言えば「没落貴族」。
ヒラメ顔と化した旧作ヒロインや、サバンナにしか見えない「陸上競技場」の背景など、
中韓丸投げアニメのごとく崩壊しきった作画が涙を誘う。
だが、本作の一番の問題点はシナリオである。
もともとエロの「つなぎ」でしかなかった代物から18禁部分を強引に削り取った結果、
「格ゲーをしていただけなのに、気付いたら彼女ヅラされていた」
「気付いたら従姉を妊娠させていた」
「気付いたら実妹と一線を越えていた」
と、身に覚えのない事実を次々と突きつけられるサイコホラーと化してしまったのである。
素のシナリオはと言うと、主人公「羽瀬川太一」が極めて不快指数の高い人物であり、
嫌がるヒロインの自宅のチャイムを毎日鳴らし続けるストーカー行為や、
一旦諦めた陸上をまた再開したい、と言いながら一向に走らない「走る走る詐欺」に延々と付き合わされる。
また、育成SLG要素もあるが、セーブ&ロード必須のシビアさの割にシナリオ本編には一切関係しない。
パラメータにいたっては嫌がらせでしかなく、最後の最後で少しでも足りないと唐突に共通BADエンドに突入。
その内容も絶句せざるを得ない。
「この一ヶ月はなんだったんだろう(要約)」と、主人公が妹に吐き捨てて実家に帰るのだが、
たとえヒロイン(目の前にいる実妹含む)を攻略完了していようが完全放置であり、要するに「ヤリ捨て」である。
より詳しくは、勇気ある特攻者による130キロ恋活(バイト)のプレイ手記をぜひ参照して頂きたい。

さて、役者が揃ったところで審議に入ろうという時に、一通の意外な選評がスレに訪れることとなる。
それによれば、KOTYの常連であり、2008年を制した古豪「タカラトミー」が、
前年の審議に対する「申し開き」とも取れるソフトを発売していたのだという。
なんと、前回ノミネートの『人生2』の「マイナーチェンジ」版をそのまま送り出したのである。

それが『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(通称「誤当地」)だ。
5年目に突入したタカラトミーの連続ノミネート記録に敬意を表し、全力で検証を行おう。
まず本作は、申し訳程度の「ご当地」ネタが追加された以外に前作からの変更点が絶無である。
すなわち、プレイヤーが使えるのは基本的に男女計10人のキャラだけで、カスタマイズは一切不可。
「子ども」のグラフィックは、男の顔に女の髪型を混ぜただけのオカマや、親と全く同じ組み合わせのクローンを量産。
イベント数は相変わらず極少のままであり、同じ子どもが麻疹にかかる様子を1プレイで何度も何度も見ることになる。
また、新たな検証の結果、前回解き明かされなかったクソ要素も余すところなく暴かれた。
ゴール付近での一発逆転要素は、旧作と違って「とりあえず賭ければ当たる」上に「そこだけで全ての勝負が決まる」代物。
いくら負けようが借金は一律踏み倒しであり、「正直者が馬鹿を見る」という不条理を垣間見ることになる。
そもそもゴールしても発表されるのは「順位」のみで、それまで貯めてきた「総資産」は表示されずに終わるため、
一体何を競って長々とゲームをしてきたのか全くわからない。
では、新たに追加された「ご当地」要素についてはどうなのか。
「加賀友禅は入れ歯入れに丁度いい」、「熊野筆はくしゃみを出すのに便利」など、郷土の名品を愚弄するだけでなく、
「長野県民はカラオケで必ず県歌を歌う」など、県民性を頭から決め付ける「誤当地」知識も混入。
日本各地の地元住人についても、2,3種類の汎用アバターを全力で使い回して横着しており、
鹿児島に出てくる「100歳超えのおじいさん」はどう見ても若いサラリーマンである。
こうして、クソゲーにさらなるクソ要素を盛り付けて、なおかつフルプライスで再販売するという前代未聞の蛮行……
もとい前人未到の偉業はスレ住民を震撼させ、本作は見事に再評価を勝ち取ったのであった。
もしもこのポテンシャルを完全に発揮していれば、前年王者との勝負の行方もわからなかったと言えよう。

以上、ノミネート7作品の紹介を終えたところで、今年の大賞を発表しよう。
最強の武器を持った作品群が各々の武器で殴り合い、血煙舞う戦場と化した2011年。
最後まで生き残り、見事栄冠を手にしたのは……
『人生ゲームハッピーファミリー 御当地ネタ増量仕上げ』である。

今回の審議は非常に難航した。
7作品全ての実力が拮抗しており、さらにほとんどの選評が年末に一気に押し寄せた為、情報が圧倒的に不足していたのである。
これに対し、年明け以降も勇敢な検証班が次々に出撃し、数多の犠牲のもとに審議は進められた。
『Pia4』は歴戦のスレ住人たちをして「真面目にプレイした際の苦痛度では『四八』より上」とまで評せしめ、
苦痛が続く時間という点で文字通り桁が違う『亡霊』もまた、最後まで底知れぬ威圧感を放っていた。
そんな中で『誤当地』が大賞となった決め手は、一つには、前作において見過ごされていた部分だ。
当初、本作は「一人プレイは論外としても、みんなで囲んでプレイすれば多少はマシだろう」と推測されていた。
ところが実際に多人数プレイした結果
「つまらなすぎて場が凍りついた」
「夫婦仲が険悪になった」
「友情ブレイクした」
などの、予想外の報告が内外から相次いでもたらされたのである。
雰囲気が悪くなること自体は、この種のパーティゲームの宿命ともいえよう。
だが本作のもたらす険悪ムードは、通常考えられる「ゲームを白熱させすぎた結果」とは逆に、
「手抜きと極悪テンポの無間地獄によって氷点下まで冷え切った結果」なのだ。
イベントもただつまらないだけでなく、始まって数十分でほぼ完全に枯渇。
何度も同じ話をみるだけの苦痛を数時間強いられ、場を囲む者は誰ともなく沈黙に陥っていく。
ゲーム進行のテンポも最悪であり、スキップ不能な数秒のアニメーションが資金や能力のちょっとした変化のたびに挿入。
しかもこれが、子どもが生まれるマスに止まるとしばらくの間は倍増するため、表題の「ハッピーファミリー」とは裏腹に
「ガキ作るんじゃねえよめんどくせえ!」と怒号飛び交う育児ノイローゼがプレイヤー間に蔓延する。
とどめとばかりに、数時間のイライラに耐久したプレイヤーをお出迎えするのは、
それまでの成果を全否定するゴール直前の一発勝負ギャンブルだ。
このように本作は、多人数プレイ用のパーティゲームでありながら高確率で雰囲気をぶち壊し、
無理に続行などしようものならパーティムードもろとも友情を粉砕しかねない。
その破壊力は、自分一人が苦行に耐えればいい他のゲームとは全く性質が異なるものであった。
本作は、歴戦のクソゲーハンターをして「このゲームで遊ぶのは危険だ」と思わせる新次元の恐怖を持っていたのである。

だが、こういった無言の間や友情破壊による「多人数プレイの恐怖」すら本作にとってはサブウェポンにすぎず、
再検証によって明るみになった本当の真髄は別のところにある。
それは、人数によらず「プレイすることそのものの無為さ」である。
本作は人生ゲームというタイトルでありながら、自分の意思で選択したり賭けたりすることがほとんど出来ない。
メーカーによって仕組まれた運命を歩むしかない、無力感あふれる「出来レース」なのである。
カードや妨害などの駆け引き要素はことごとく削除され、プレイヤーに許されるのは機械的にルーレットを回す行為のみ。
同じイベントを避けることも、ステージを変更することも叶わず、子供を生みたくなくても避妊する自由さえない。
イベントの選択肢は人生に何の影響も与えず、職業選択や転職の成果さえ前述の一発逆転ギャンブルにより全否定。
作中で「買い物」できるアイテムの影響力はことごとく皆無で、価値がろくに変動しない株券を掴まされるなど、
何一つ意味のない空しい人生を生きることになる。
極めつきに、様々な場面の確率分布が統計学的に見て明らかに偏っているという驚愕の事実が発覚。
第一に、ルーレットは3ばかりが出る牛歩戦術仕様であり、いつまで経っても遅々としてゴールに着かない。
第二に、ランダムな相手にペナルティを発生させる「おじゃましマス」では特定プレーヤーに集中砲火が起こるため、
コントローラーを手にした瞬間に勝ち組負け組のレールに乗せられるのである。
意思や戦略で工夫する余地が無いどころか、運命をも操作されているためもはや「運ゲー」ですらなく、
敢えて言うならば、「遊んでいる」というより「ルーレットを回す歯車の一部になっている」。
本作の抱える問題は、「ゲームをプレイするとは一体何なのか」という哲学の領域に踏み込んでいると言えよう。
「ゲー無」と呼ばれた元祖『人生』の系譜を継ぎ、「無い」ことにかけては他の追随を許さない本作であるが、
それに加えてもはやプレイしているとさえ言えない「無為さ」が決定打となり、辛くもこの大激戦を制する事となった。

もしもクソゲーが最後まで現れなかったら……。
諦めにも近いそんな不安が長く尾を引いていた一年であったが、終わってみれば杞憂であった。
最初のノミネートからわずか2ヶ月半で7作品が集結する、カンブリア爆発さながらの事態である。
『c18』、『待』、『剣投資』、『UB』、『亡霊』、『Pia4』、そして『誤当地』。
これらは全てが「シリーズもの」のゲームであり、ファンを深く失望させたことから「七つの大罪」などと呼ばれた。
方針転換をしようとして完全に失敗してしまった作品もあれば、そもそも何故出したのかわからない作品もある。
だが、震災から続く諸々の逆境の中でゲームを発売した、その勇気については素直に讃えるべきであろう。
「自粛」は何も生み出さず、まずゲームがなければ、それを取り巻く悲喜交々も存在しないのである。
そして我々は、生まれてしまった怒りや悲しみを笑い飛ばすことで、常に新しい気持ちで次作への期待を馳せたい。
願わくは、2012年もゲーム業界全ての活力がますます栄えるよう、祈るばかりである。

最後に、この苦難の時代に「人生はクソゲー」と憂える諸氏に向けて、スレ住人一同からこの言葉を贈ろう。

「大丈夫、俺たちの人生はタカラトミー製じゃない」

2012/02/19 16:55    

スレの指摘内容を受けて修正。
Wikiの内容を直接編集される方は、変更点とその意図について、スレで直接お伝えいただくか、ここに続けて小見出し(行頭に「**」)で書いて頂けると助かります。事後報告で構いません。

2012/02/23 15:00    

保留:「表題にある18通のcode(未来からの重要メッセージ)が17通しか来ない特大チョンボも見逃せない。」

2012/02/23 23:50    

大賞理由に「予防線」を追加

2012/03/02 23:20    

wikiで直接加えた変更と、手元のファイルとの齟齬で2011/02/23 15:00の保留点が復活してしまっていたため、削除

2012/03/05 21:30    

旧「総評案22」を、総評案19との合成をもって「総評案22.5」として改題
大賞理由に総評案19さんの案を組み込み、全体をブラッシュアップ

2012/03/11 04:30    

スレの指摘内容及びこちらで検討した結果を反映

総評案23(人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ)    

2011年のKOTYは、ついに恐れていたものが来てしまった。
クソゲー日照りである。
長引く不景気、据え置き機の開発費高騰。そして言うまでもない3月の震災。
もはや据え置き機でKOTY級のクソゲーを出している余裕など、どこのメーカーにもなかったのだ。
今年はついに大賞なしの総評が書かれるかもしれない。
喜びと失望がないまぜの複雑な気持ちで、スレ住人たちはそんな事を思うのだった。
……勿論、それはとんでもない誤りだったわけだが。


この平穏を破る最初のクソゲーが現れたのは、もう10月に入ろうという秋の日。
サイバーフロントから発売された『code_18』は、神ゲーとして名高い『Ever17』の「infinity」シリーズ最新作だったが、過去作のスタッフはほとんど関わっていないため、シリーズファンたちはどうせ地雷だと諦めていた。
だが、それでも購入した彼らが目にしたのは、想像を遙かに超えた出来損ないゲームであった。

誤字脱字は当たり前、文章とグラフィックは全然違う、既読スキップは未読部分も飛ばす、電車の音が電車を降りても回想シーンに入ってまでも鳴り続ける、などなど……。
「背景は部室なのにヒロインが教室の机の裏に隠れた後、会議室の机の後ろから様子を伺う」とか、もう何が何だか意味がわからない。
1つ1つは大きな粗とは言えなくても、とにかく数が多いのだ。弱いジャブでもマシンガンのごとく雨あられと浴びせられればKO級の威力になる。
こんな突っ込みどころ百連発状態では、真面目にゲームをする気も失せてしまうだろう。
それに数が多いという事は、どこにでもある、という事でもある。
そう、大事な大事なクライマックスでもこの手のミスが発生するのだ。

「障害になってた悪天候がやっと回復した! これでライブが出来る!」というシーンでは、画面で大雨が降り続いている。
タワーの上でヒロインと二人きりのシーンも、何の脈絡もなく背景が浅草寺に変わってしまう。その後、沈む夕日をタワーから眺めるロマンチックな展開に突入するが、依然として背景は浅草寺のまま。そのくせ夕方だからとご丁寧にも浅草寺が赤く染まるのだから、わざとやってるのではと思いたくなる。
こんな物を見せられては、感動させるシーンのはずなのに、笑いしか浮かんでこない。
恋愛アドベンチャーというジャンルでは、シナリオと萌えさえ良質なら他がひどくても割と許されてしまうのだが、もはや物語面は絶望的である。
そもそも元々のシナリオからして「ヒロイン5人中4人は基本プロットがほぼ同じで、しかもメインシナリオにほとんど関係しない」
「高所に行く必要が出来ると、持ってる機械で飛行すれば済むのにわざわざ遠くのタワーへ向かう主人公(そこでクライマックスシーンなので、つまりクライマックスがほぼ無意味)」と、既に残念すぎる内容なのだ。
この台無しストーリーから萌えに逃げようとしたプレイヤーも、「眼鏡っ娘が眼鏡を外してキスをする」「学園祭でコスプレ喫茶」などのシチュエーションで期待させられたのに、
「眼鏡かけっぱなしの一枚絵」「コスプレのはずが全員学校の制服のまま登場」と手ひどい裏切りを食らう羽目になった。
ちなみに数少ない過去作スタッフであるプロデューサーは元デバッガーである。お前はプロデュースの前にやる仕事があるだろう、と誰もが突っ込まずにはいられない。

攻略ヒロインが選べずゲーム周回数で完全固定なので、下手な場所でセーブしてバッドエンド突入したら1周目からやり直さなければならない仕様などもあり、さすが「C十八(しーじゅうはち)」という、どこかの伝説級クソゲーを連想させる略称は伊達ではなかったという事か。
(なお同時発売のPSP版ではこの辺の仕様が改善されていて、「同時発売なのに劣化版、しかも据え置きの方が!」という不思議な事になっている)
ちなみにタイトルになったcodeと呼ばれる18通のメッセージは、プロローグに2通来た他は最終シナリオに突入しないと送られてこないし、同様のメッセージなのに何故かcode扱いでない物もあったりして、どう見ても持て余している。
終盤に9連続でcodeが届き、そのたびに実績がぽこんぽこんと連続解除されるさまはある意味一見の価値があるかもしれない。まぁ調子に乗ってボタン連打するとフリーズしてしまうのだが。

さらに11月23日には『街ingメーカー4』(インディソフト)や『グラディエーターバーサス』(アクワイア)が発売された。
気になるソフトの発売日が重なると、財布の中身がが寂しい人はさてどちらを買うべきかと大いに悩む事になるのだが。安心してほしい、どちらも文句なしのクソゲーである。

まず『街ingメーカー4』。
このシリーズは街作りシミュレーションなのだが、この手のジャンルによくある都市計画の要素を廃した代わりに、一人一人個性のある住民と親交を深めるADV要素を取り入れた差別化が好評であった。
のだが、今作ではそのADV要素をばっさりカットしてしまう。
かといって都市計画も、その他の要素も加えない。
残ったのは、建物を「建てる」「潰す」「眺める」、ただそれだけだ。

建造に必要なポイントはゲーム内の24時に支給されるが、時間の早送りが一切出来ないので実時間10分ほど待たされる。(しかも建物配置中はわざわざ時間を停止してくれる親切設計)
高レベルの建造物は1戸でほぼポイントを使い切るので、ゲーム後半は「ポイントを貰う→1戸建てる→10分待つ」だけのゲームとなる。
待ち時間に町を眺めてもいいが、昼夜以外の変化はないのですぐ飽きる。建物屋上に出現する星を7段ジャンプで取りに行けばポイントが手に入るが、24時支給の1/10以下のショボい量なのであまり意味がない。
最終的には、誰もがこの10分をマンガタイムかテレビタイムかにするだろう。
ゲームクリアまで5~6時間程度と短いのに、その大半は待っている時間という、待つ事こそがゲームであると言わんばかりの大胆なゲームシステム。
なるほど『待ingメーカー』とはよく名付けたものである。

『グラディエーターバーサス』はマニアックなバトルの剣闘士アクションとして知る人ぞ知る人気シリーズだったが、今作は「防具をひたすら攻撃して無効化する→防具のないそこをひたすら攻撃する」、
つまり同じ部位を延々ごり押し連打で攻撃するのが有効で、ミッションも代わり映えがしない物ばかりという、古代ローマならブーイング必至のしょっぱい戦いが延々繰り広げられる。

基本は3対3のバトルだが、味方AIが魔法をどんどん誤射してくるので、それで体勢を崩したりコンボ止められたりでやられる事もしばしば。
仲間に頼らず装備強化でパワーアップしようにも、まず敵が落とした装備を手に入れるために金を払う必要がある。
その装備から強化に使う宝石を取り外すが、それにも金を払う。
宝石をランクアップさせるには沢山の宝石と、やはり金が必要。
そうしてランクを上げた宝石を、強化したい装備に取り付けるが勿論金が(ry
金や宝石を集めるためにミッションを何度も繰り返さなければならないが、前述の通り退屈な上に、ムービースキップが出来ないので無駄に時間がかかる。
あまりのマゾさに「DLCの宝石パックを売るためにこんな仕様にしたのでは」と疑われる始末。
その宝石DLCで6000円分240個買っても最も必要なルビーの高ランク品が出なかったという報告、容姿のバリエーションが少なく「組み合わせ一万通り以上」という宣伝はどうも計算が合わない、
などの事から詐欺臭を感じたのはユーザーだけではなかったようで、公式サイトにアクセスするとウィルスバスターが「オンライン詐欺に関係している兆候があります」とメッセージを出す有様だった。

集結するクソゲーZ戦士たちを見て、オラも仲間に入れてくれとばかりに現れたのは、『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(バンダイナムコゲームス)だ。
国民的人気マンガが原作なので購買層が幅広いであろうこのシリーズ、その誰もが面白く遊べるようにと思ったのかシステムを前作より大幅に単純化。
だが勢い余って、対戦アクションゲームだったはずが2択じゃんけんゲームになり、誰もが面白くなくなってしまった。

ムービーは綺麗だが、ちょっと攻撃したり移動したり必殺技を撃ったりのたびにムービーが出て、どのボタンを押すかの2択じゃんけん。テンポが非常に悪いし、プレイヤーの操作する事も少ない。
じゃんけんなので腕を磨く部分もほとんどなく、ボタンさえ押せればチンパンジーでも勝てそうなゲーム性だ。
綺麗というムービーも、演出が全キャラ共通なのですぐに見飽きてしまう。
原作物なのにキャラごとの個性がムービーに出てないのはもちろん問題だが、そもそもキャラの人選もおかしく、主要キャラが抜けてマイナーキャラが入っていたりする。おかげでストーリーモードは歯抜け感が激しい。
いまいちなストーリーをスキップしようとしても、「スタートでメニューを出してボタンを押すと1人分のセリフをスキップ」という驚くほど面倒な仕様。

ストーリーモードでは隠し要素を開放するためのドラゴンボール探しも出来るが、ドラゴンレーダーがないキャラだとマップをしらみつぶしに探すしかない。
ドラゴンボールはマップ内に何個あるかはわからず、複数の場合も0の場合もある。
ちなみにストーリー数は50近く、ドラゴンボール入手の際に戦闘が必要な場合もあり、気が遠くなるような時間がかかる。
オリジナルキャラも作れるが、作成パターンは無限大と言いつつ、サイヤ人男限定なのでグラディエーターに匹敵するバリエーションの無さ。
必殺技やスキルを覚えさせようとするなら師匠と修行をしなければならないが、20人いるどの師匠のどの修行で覚えられるかはやってみるまでわからない、
修行の数をこなさないと師匠を変えられないので技を覚えた後も不要な修行をさせられる、とこれまた無駄に時間がかかる。
もはやこのゲームこそがプレイヤーに課せられた修行なのかと思ってしまうほどだ。
こんな超戦士を送り出しておきながら、PVで堂々と「オラたちに現金分けてくれ!」などと叫ぶのだから、さすがはまったくこりない悪びれないバンナムクオリティーである。

この活気づいた状況に、今までひっそり埋もれていた亡霊たちも目を覚ました。
『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』(アクワイア)は、戦闘でレベルアップやレアアイテムを得てキャラを強くしていくハック&スラッシュの草分けとも言えるウィザードリィの新作である。
発症するとセーブが出来なくなるという、レアアイテム入手後に食らったら激痛のバグによって一時は話題になったものの、こまめなセーブをしていればダメージが少ないのでKOTYという程ではない、とされていた。
しかし3部作であるシナリオの3つ目に人々が到達する頃には、セーブバグなど序の口に過ぎなかった事が明らかになる。
それは恐ろしいまでのバランス崩壊。
元々難易度の高いシリーズではあったが、もはやそんな次元の話ではない。

シナリオ2までは99に抑えられていた敵味方のレベルがシナリオ3で開放されるのだが、プレイヤー側の能力値は上限が低いため早々に頭打ちになり、レベルを上げてもHPくらいしか上がらない。
だが敵側はレベルに応じてどんどん能力値が上がっていくため、終盤ではステータス差がとんでもない事になる。
そんな状況で敵と遭遇したらどうなるか。圧倒的な素早さで先制され、圧倒的な火力で1ターンキルされるのみである。
頑張ってHPを水増ししても1ターンキルが2ターンキルに変わるだけ。即死や気絶の全体魔法が飛んできたら、能力値差のせいかほぼ確実に効くので、せっかくのHP増加も無意味に終わる。
もはや生き残るには、敵との遭遇を阻止するアイテムを使うしかない。ハック&スラッシュなのに敵と戦闘してはいけないという、意味不明な事態になってしまうのだ。
金で経験値が買えるので、それを利用してレベルを極限まで上げればさすがになんとか勝負にはなるのだが、そこまでの金を稼ぐには裏技を使っても1キャラ辺り10時間はかかる。(使わなければ数百時間かかる)

防具が紙同然なので回避率が重要になるが、回避高い装備は女性専用なので男性の存在価値はない。
HPも素早さもない種族は当然使い物にならない。
1ターンでほとんど片がつくので、使用スキルの発動が次ターンになる職業は役立たず……とキャラメイクも楽しめない。
最強クラスの装備が早めに店売りされたりDLCでの購入が出来たりするし、アイテムリストに入手不可能な物を入れてしまいコンプ不可だったりと、アイテム集めの楽しさも妨害される。
伝統のウィザードリィブランド復活を目論んだはずが、この出来では蘇生失敗で「*はいになった*」と言わざるを得ないだろう。

『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~』(PIACCI)も埋もれていたクソゲーの1つだ。ちなみに「恋活」は「バイト」と読む。
1年以上前に出たエロゲーの移植で、しかも「エロ以外はクソゲー」と言われていたゲームである。
コンシューマー機に移植するからには当然エロ部分は削除するわけで、「エロ以外はクソゲー」から「エロ」を引けば……答えは明らかだろう。
こうした移植ではエロ部分を抜いた代わりにイベントを補填したり、攻略キャラを増やしたりするのが普通だが、このゲームはHシーンをただカットしただけ。
そこに親密イベントがあったとしても何もフォローがないので、PCの操作を教えるとか遊びに行ってゲームをするとかその程度の事しかしてないのに、知らない内に恋愛感情が芽生えていた事になっている。
さらには、いつの間にか肉体関係を結んだ事になってたりする。
恋愛アドベンチャーなのに恋愛部分すっ飛ばし。
しかも攻略キャラが増えるどころか、逆に減っている。
公式サイトにはコンシューマー版で使っている絵の大半が公開されている事もあり、18歳以上ならエロゲー版を選ばない理由が見当たらない。

勿論クソ移植だから即クソゲーというわけではない。先述の通り、恋愛アドベンチャーはシナリオと萌えさえ良ければ何とかなる。
が、シナリオは恋愛部分すっ飛ばしな上に、そもそも中身が薄い。
起こる出来事がちょっと喧嘩したとか皿を割ったとかその程度で盛り上がりに欠け、珍しく事件だと思えば「溺れる幼女を助けたら見直してくれた」「トラックに轢かれそうで危ない!」など既視感ありまくり。
斬新な展開と言えば、主人公がヒロインから悩みを相談されたがそれを解決したのは別のキャラ、というくらいか。全く誰得すぎる展開だが。

グラフィックのクオリティーもいまいちで「キャラの半分はできるだけテキストウィンドウから上を見たくない」などと言われる始末。
(陸上競技場に木が茂っていてサバンナにしか見えないなど、背景もひどい)
男嫌いなどの個性があっても掘り下げられる事はなく、それどころか一瞬だけ出てきてはすぐ忘れ去られる設定ばかり、と萌えについても落第である。

このゲーム、実は主人公のパラメーターを上げるシミュレーションの要素もある。のだが、途中のシナリオには何の影響もなく、エンディングの時点でグッドかバッドか分岐するだけの存在である。
仕事によって上がる数値が違うが、どれも満遍なく上がる職種をずっと選んでいるだけでほぼ問題ない。
ただしうっかりグッドエンドの規定値を下回ると、そこまでシナリオが理想的に進んでおり、肉体関係になったヒロインが目の前にいても、
「この一ヶ月は何だったんだろう。働いた思い出くらいしかない」などと言い放つ鬼畜野郎に大変身である。

他にも、自由移動できる場所は19ヶ所もあるが半分以上はゲーム全体を通して一度もイベントが発生しないとか、
セーブファイル数が増えるとセーブ画面を開くのが異様に遅くなるがゲーム中にセーブファイルを消す手段がないとか、
アドベンチャーゲームのくせに処理落ちが発生するとか、クソ要素は盛りだくさん。
全シナリオをクリアーした者の怒りに満ちたレポートは、実に130キロ恋活(バイト)、文豪夏目漱石の『坊っちゃん』をも超える文字数だったとか。

そして最後にやってきたのがご存じタカラトミーの、これまたご存じなあのシリーズ。『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』である。
もうKOTY3年連続登場の常連であり、内容的には前作とほとんど同じなので説明するのも面倒くさいが、キャラが少ないマップが少ないBGMが少ないイベントが少なくてダブる上につまらない、
メインマップからミニマップに飛ぶとイベントはさらにダブるし頻繁に入る能力上昇アニメがテンポ悪くイライラ、最後のギャンブルだけで大きく稼げるので途中経過にあまり意味がない、などなど。
まぁ詳しく知りたければ2010年の選評を見てほしい。

タイトルにもある新要素のご当地ネタは、通常のイベント同様につまらないしやっぱり頻繁にダブるので、ちっとも盛り上がらない。
さらに「長野ではカラオケで県歌を必ず歌う」など誤情報が混じってるので、豆知識としても役に立たない。
つまり新要素は全くプラスになっていない。
プレイ人数が増えるほどイベントはダブりテンポも悪化、「会話がなくなった」「喧嘩になった」「寝られてしまった」などの報告が相次ぎ、パーティーゲームなのにパーティー持ち込み禁止な危険物と化している。
今年は確率も検証された結果、ルーレットで3が出る確率が際立って高い、「おじゃましマス」で3人目か4人目が被害に遭う確率が7割、など明らかに異常な偏りが検出された。
運勝負の双六ゲームなので、確率がおかしくても勝負にはあまり関係ないのだが、技術力の低さがうかがい知れる話ではある。


前半の日照り状態はどこへやら、終わってみれば候補7作と盛況だった2011年。
さて、本年度の栄えあるKOTYを発表する……その前に、候補作たちが持つ1つの共通点について話をしよう。

お気づきの方も多いだろうが、この7作は全て「シリーズ物の続編」なのである。
これは意外な事ではない。冒頭で述べたように不景気や震災で苦しいこのご時世、オリジナル新作で勝負をかけるのはなかなかに勇気が要る。
知名度があり、購買数も読みやすいシリーズ物が多くなるのは必然とも言える事だ。
だがシリーズ物は、プレイヤーが前作との比較で評価してしまいがちである。
そのゲーム単体ではクソでもないのに、前より劣化したというガッカリ要素のみでクソ呼ばわりされるゲームのなんと多い事か。
実際2011年はいくつもの大作続編がガッカリというだけでKOTYスレに持ち込まれたし、テンプレにも前作との比較を戒める言葉がある。

しかし、だ。そんなガッカリとは無縁と言ってよいゲームが存在していたのだ。
そう、2011年のKOTYに輝いたのは、『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』である。

今回の7作はいずれも甲乙……いや丙丁つけがたい実力伯仲のクソゲーたちだ。単なるガッカリゲーなどとはわけが違う。
だがそのクソゲー評価に、前作との落差――キャラが減ったとか、好評だったシステムが改悪とか、前に出来た事が出来てないとか、そうした物が全く0.01%も影響を与えていないか?と問われれば、それは疑問視せざるを得ない。
勿論、99.9もクソであればKOTYたるには十分すぎるクソゲーだ。
しかし、人生ゲームはあまりにも前作と変わっておらず、負のシリーズ補正が存在しない。純度100%のクソゲーなのだ。
この互角の接戦の中、極めて厳格にゲーム単体のクソさで吟味するのであれば、上記の理由により人生ゲームがわずかに勝っている、と判断すべきだろう。

また、これは脱線した想像に過ぎない話だが、ある種のロマンも感じずにはいられない。
シリーズ物のクソゲーによって、ファンの心は深く傷つけられ、ブランドは汚泥にまみれた。
だが制作者がそれを望んだわけではないはずだ。
そんな事をしても何のメリットもないし、彼らなりに新しい試みを工夫した形跡は見られる。
ただ勘違いや失敗、無能などによってうまくいかなかったのだろう。
しかして、人生ゲームはどうだろうか。
既にクソゲー歴は3年目、当然プレイヤーからの苦情はいくつも届いており、制作者も欠点を把握していて当然だ。
ご当地ネタなどを突っ込んでみても、その程度ではたいして面白くもならないし、そもそも根本的解決にはならない。そんな事だって明白なはずだ。
それに、一体誰がこのゲームを買うのだろうか?
前2作のプレイヤーが買うなど考えられない。
買っていなくとも、検索すればKOTY以外にもクソゲー評価のレビューには事欠かない。
去年まで手を出さなかった者が、今作を急に買う可能性も低い。
つまり「今年Wiiを買い、人生ゲームに興味はあるが、事前に評価を調べない人」という非常に限定された層ぐらいしか購入者がいないのだ。
こんな生まれた瞬間から産廃のようなゲームを、不況だ震災だと大変なこの時期に堂々と出してきた、その行動には強い意志を感じざるを得ない。
世間がどうだろうと関係なく、自分はただただ自分の信じるクソゲーを作り続ける……そんな頑固一徹のクソゲー職人の姿がここにはある。

大賞なしかと一時は危ぶまれもしたが、結果を見れば近年まれに見る盛況となった2011年のKOTY。
つまりは不況があろうと災害があろうと、時代がいかに変わろうとも、クソゲーが消えてしまう事はないのだろう。
世の中にゲームがあり、人生の全てをクソゲーに捧げているようなクソゲー求道のマイスター・タカラトミーのような会社がある限りは。

では最後に、この栄えあるクソゲーを世に出したタカラトミーに次の言葉を贈る事で、2011年クソゲーオブザイヤーを締めくくりたい。

「そんな人生は、いいかげんもうやめてください」

総評案24 (code_18)    

さて、今年もこの季節がやってまいりました
特別競走 第8回クソゲーオブザイヤー2011本戦
まずは出走する7頭のパドックから見て参りましょう
実「解説には死せる伝説ことMr.名前を呼ぶのも憚れるクソゲーを迎えさせて頂きます、よろしくお願いいたします」
解「よろしくお願いします、あ、ハンカチをどうぞ」
実「・・・・・・どうも」

1枠1番 亡霊、ことウィザードリィ囚われし亡霊の街
厩舎はアクワイア、現在単勝3番人気の3.0倍です
実「まずこのゲームの特徴といったら、最終ダンジョンの驚異的な詰みっぷりにありますよね」
解「そうですね、最終ダンジョンの雑魚モンスターは向かってくるプレイヤーを全く寄せ付けない驚異的な力を持っています、
ただこのゲームのキモはそれだけではありません、これだけの瞬発力を誇りながらも先行馬なんです」
実「つまりお金と時間を注いでも雀の涙ですが、その涙になるまでも苦痛だと?」
解「そうです、ただし高難易度で有名なローグタイプRPGの金字塔ですから、懐の深いシリーズファンを落胆させるのは並大抵の足枷ではありません、
それをどうにかしないとこのゲームが勝ちきるのは難しいでしょう、これだけのクソさを持っていながら三番人気に甘んじているのはこれが理由です」

2枠2番 Pia4、ことPiaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~
移植はPIACCI、単勝人気は現在2番人気の2.9倍です
実「やはりこの馬のクソな点、を挙げるとしたらどこにあるんでしょうか」
解「うーん、駄ゲーのクソ移植という時点でどこをとってもクソなんですが、時々キングクリムゾンをするんですよね、
その間に相手と恋仲になったり妊娠しますのでね、こちらもつくづく悩まされますよね」
実「なるほど、しかしこのゲーム、何で据置に移植したんでしょうか?」
解「さあ? 実際、理解に苦しむ声が多いです、しかも惰性で移植したにはやって当たり前の調整を全くしていませんからね、
先のキングクリムゾンと相まって見事出走を果たしたという感じです」
実「エロで抜かずにエロを抜いたという枕詞は伊達ではないという事でしょうか、さて、次はいよいよ1番人気です」

3枠3番 誤当地、こと人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ
開発はタカラトミー、現在1番人気、倍率は2.4倍となっております
実「さてタカラトミーはもう3年連続、同じ系統のゲームでの登録になるんですよね」
解「先程開発と仰られましたが、開発と言うほどの事はしていないのでほぼ同じゲームと言っていいでしょう、
今年もバージョンアップと謳いつつも薄い誤当地イベントを搭載しただけですし
しかも別系統のゲームも合わせると5年連続で大賞も取っています、もはやクソゲー界の大御所と言っていいでしょう」
実「前年はパッとしなかったこのゲームですが、突出はしていないもののレベルの高いクソゲーが揃っていると言われている今年中、再検証が行われているのもあって一番人気です
聞けばルーレットが著しく偏っているのが統計学的に証明されたとか?パーティゲームなのに特定のプレイヤーが不利になると言う・・・」
解「正に大躍進です、プレイヤーに自分の人生はタカラトミー製じゃないと安堵させるほどのクソっぷりは期待が持てそうです」

4枠4番 C18、ことcode_18
ディベロッパーはサイバーフロント、倍率は3.8倍で4番人気です
実「伝説のゲームと似通ったC18という仇名、しかも同ジャンルのADVという事で注目を集めています」
解「ふっ、あの程度ではお話になりませんな」
実「自慢にすらなっていませんよ、このゲームはADVとして致命的な演出ミスが多いそうですが」
解「ええ、先ほど暗幕を外したとの旨があったのですが、ゲーム画面ではまだ教室の窓についていますね」
実「一度電車の音が鳴ると、場面を三つ変えても聴こえ続ける、なんて現象もあったそうですよ」
解「これは酷い、通しでテストプレイをしていないでしょうか」
実「・・・すいません、いい加減殴っていいですか?」

5枠5番 剣投資、ことグラディエーターバーサス
厩舎はアクワイアから二頭目の出走です、倍率は3.6倍となっております
実「発売前からウィルスバスターが公式サイトに対して詐欺警告を発した事で話題になったこのゲーム、お金がかかるんですよね」
解「ええ、それだけなら金を使うなで済みますが、このゲームはあえて金を使わせるためと思わせるほど基本システムがシビアなのが特徴です」
実「・・・キャラは基本二枠にアイテム欄が極小で拡張が有料、しかもDLCでガチャガチャ?これは酷い、無料MMO並じゃないですか・・・これ、フルプライスですよね?」
解「それだけではありません、このゲームはそもそものゲーム性に問題があります、
結局は攻撃ボタンを連打するだけなのが一番効率良いプレイであり、そして味方は戦闘しているプレイヤーお構いなしに敵に向かって魔法を放ちます
戦闘しているプレイヤーが味方と敵のコンビネーションで倒されてゲームオーバー、などもよくあるようです、
パッチでは爽快感が増した反面、何故か魔法が強化されたという情報もあります」
実「なるほど、DLCだけだと思いきや、基本であるゲーム本体もしっかりとクソゲーしているんですね」

6枠6番 待ing、こと街ingメーカー4
鞍上はD3パブリッシャー、倍率は3.4倍です
では次

7枠7番 UB、ことドラゴンボール アルティメットブラスト
開発はバンダイナムコゲームス、倍率は4.0倍です
実「こちらはQTEを発動させるたびにいちいち長い共通のアニメーションが発生しますよね」
解「ゲーム性も連打していればいいだけですからね、二択じゃんけんが頻発するので勝つかどうかは完全に運次第なのですが」
実「キャラもこのゲームになってから妙に変なチョイスを残してリストラされましたよね」
解「ええ、トランクスがいないのに汚い花火の人がいます、それによって色々イベントにもキャラ抜けが生じてるんですよね」
実「自分でアバターを作ることもできるんですけど、これも酷いらしいですが」
解「ええ、強くするための修行もスカが大量に混ぜられている上にここでもじゃんけんを強いられます」
実「どうやら子供へ向けたタイプのゲームだそうですが、対象年齢を下げすぎたんじゃないでしょうか?」
解「被害者には外国の方々も大勢います、それだけ犠牲者が多かったのでしょう」
実「あなたみたいにね」

以上7頭のパドックでした
今年も開発費と手間をかけたくない一心でメーカーが不法投棄したクソゲーが一同に集まりました
それでは本走に入ります


(お好みの実況で再生してください)
2011年クソゲーオブザイヤーのクライマックス、そしてファイナルシーンが近づいております

全世界のクソゲーマーが待ちくたびれた、最低のクソゲーを決める2011年クソゲーオブザイヤー本戦
業界中から選びぬかれた七つのクソゲーが、ようやく出走を迎えます

2011年で一番つまらないのは一体どのゲームか、世界中の被害者が固唾を飲んで見守っています
それではノミネート作品、発売日順で紹介です

1番、亡霊(ウィザードリィ 囚われし亡霊の街)
ウィザードリィからまさかの刺客
フトコロの深いシリーズからノミネートできるクソゲーの実力は如何ほどか
パブリッシャーは携帯の強豪・アクワイア、据え置きでは初めての登場です

2番、pia4(Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~)
修羅の国でガッカリゲーと噂の誰得移植
コンシューマー移植はお馴染みGNソフトウェア、ギャルゲーに変換し損なった威力は果たして如何ほどか
あのSSα<アルファ>に続いて名を挙げるのは我であると言わんばかりに気焔を上げています

3番、誤当地(人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ)
残暑の残る防災日、人生ゲームがやってきた
発売はやはりお前かタカラトミー、性懲りもなくフルプライスでのノミネート
現在再検証で一番ノリに乗っている作品です

4番、C18 (code_18)
伝説を彷彿とさせるネーミングに、悪夢を思い出させる同ジャンル
父親はご存知infinityシリーズ、でも兄弟のエバーセブンティーンとは赤の他人です
開発は心臓発作を起こしたKIDSから代わってサイバーフロント、ここも赤の他人です

5番、剣投資 (グラディエーターバーサス)
ファミ通と電撃で貫禄の低評価を付けられた人気作品
ドッジやパリィと共に爽快感が無くなった最新作
パブリッシャーは亡霊も作ったアクワイアの一人二役、二作目のノミネートです

6番、待ing(街ingメーカー4)
シリーズ独自の要素を排除して、同人クオリティを実現させてノミネート
開発は新顔のメディアファクトリー、忍耐深く勝機をまっちんぐさせます

7番、UB(ドラゴンボール アルティメットブラスト)
沸点の高いキャラゲーから、QTEを引っさげてのノミネート
開発はまさかの株式会社スパイク、定評があるのにどうしてこうなった

(パーンパカパンパンパン~)
一番人気はバージョアップ?人生ゲーム誤当地
二番人気は修羅の国代表Pia4
検証の進んだウィザードリィも注目されています

さあ、各作品ゲートインから一斉にスタートしました

一番手はC18が飛び出した、いきなりプロデューサーがツイッター未公開
二番手には商魂たくましい剣投資、味方から魔法で尻を焼かれている
中央一待ing、建物に入れず立ち往生
一歩遅れてUBには海外からの怨嗟が届いている
大きく遅れて亡霊、最強武器が店で売られて――っとああ!雑魚で量産された!?
すぐ後ろにpia4、何時の間にかヒロインが孕んでいた
最後尾にはお馴染み誤当地人生ゲーム、五年連続ダカラゴミー

さあ、大けやきを回って最終コーナー
先頭C18、二番手内側から剣投資、外から何故か待ing

そろそろプレイヤーからの怨嗟が聞こえてきました
「帰れー!」「もう来んなー!」「友達返して!」

おおっと、人生ゲーム逃げ出したぁ!
再検証されてルーレットが偏っている!イベントが被りまくった!100歳超えのサラリーマン!
速い速い、人生ゲーム、ごぼう抜きで一気に先頭に立った!
しかし止まらない!更にイカサマギャンブル炸裂!今までの頑張りが無駄と化した!
逃げる逃げる、人生ゲーム、これぞ売り逃げを一周して帰ってきた恥知らずの真骨頂!

さあ、全頭誤当地に釣られるようにペースが上がって来ました

まず追走に入ったのは待ing
ポイントが貯まる間にやる事がない!イベントの微妙さにやる気が起きない!
おっと、プレイヤーが暇すぎて離席した!
ホップ!ステップ!七段ジャーーーーンプ!
そしてゲーム性も脱ぎ捨てた!軽い軽い、これぞゲー無の真骨頂!
猛烈なスピードで人生に迫って行く!

おっと、C18の後方にいた剣投資も動く
仕様がPVと違う!説明書とすらも違う!
爽快感が失われている!代わりに連打をするしかない!味方が余計な敵を連れて来ている!
マルチプレイヤーが一週間で過疎った!あげくにスタッフがプレイヤーフルボッコ!
剣投資、待ingと併せながら先頭との差を急激に詰めて行きます

pia4も動く、いきなりひらめ顔の攻略キャラが出現した!
アスペ比の調整ができていない!クイックセーブが削られている!CGの上下が切られている!
攻略キャラすら削られた!セーブ数が増えるごとに重くなる!
SLGパートに意味がない!その子誰の子オーナーの子!?

C18も負けじとpia4に並んだ!何時までも電車の音を響かせている!
晴天の中の雨天コンサート!女子高生の制服コスプレ喫茶!
明るくて暗いお化け屋敷!メガネを外したと思ったら掛けている!
携帯機より劣化した据え置き版!

UBのプレイヤーも立ち上がった!
怒りでスーパーサイヤ人になっている!
連打するだけのゲーム性!背後に連続エネルギー弾!
しかしグミ打ちは負けフラグだ!

最後方の亡霊はプレイヤーの顔色が怪しくなっている
レベルを上げて物理で殴っている!
ダンジョンにメリハリがない!全然WIZをわかっていない!
しかしまだ不満ながらも余裕面、これがシナリオ4をも乗り越えた古強者の貫禄か!?

さあ直線に入りました
各ゲーム、これぞというクソゲー要素を披露してゴールを狙います
先頭争いは御当地・待ing・剣投資、僅かに遅れてpia4とC_18、最後尾にUBと亡霊が続きます

グミ打ちをしていたUB、更に動いた!
ジャ~ン、ケ~ン、波ーーーーーー!
原作者お約束の噴射光線だ!駆け引きもクソもない!
怒涛の幼児退加速で一気に先頭に並んだあああああ!

しかし誤当地も負けていない!
4人のプレイヤーが飛び降りてゲームを持ち上げた!八本の足でUBに並ぶ!
プレイヤーと子供が増える度にテンポが悪化する!急激にストレスが溜まって行く!人間関係が壊れて行く!
これが人生!?これぞパーティゲーム!
購入者だけでは飽きたらずに周囲へと被害を広げている!

剣投資、必殺のアクドイワフォーム!
駄ゲー"有料DLC=クソゲー!あまりの締め付けに観客席からブーイングが飛んでいる!
おおっと、その中で約一名が泣いている!6000円を返してと叫んでいる!
前代未聞のガチャガチャDLC!必要な宝石が全く出ない!

ここでpia4のプレイヤーが発狂した!何時の間にか正気を失っている!
積み重ねられたストレスが一気に爆発した!数百キロ恋活<バイト>の手記が積み重ねられて行く!
pia4強い!苦痛が強い!狂気と涙のサバンナストライク!グミ打ちで荒れた会場がサバンナで再生されて行く!
更に時間を飛ばしながら位置を前に進めている!エロを抜いて追加なし!シナリオが意味不明になっている!

ああっと、C18君、吹っ飛んだー!
しかし超展開の飛行ユニットで空を飛んだ!
怒涛の実績解除でフリーズした!加速加速加速!
よし、次はタイムマシンだ!

ここで亡霊も前に出た!
最終ダンジョンで即死した!レベルを上げても先手が取れない!
まともにやったら500時間!裏技使っても60時間!
アイテムコンプリートも不可能となっている!我々の業界でも拷問です!
「近いぞ…私とともにくるのだKOTY!慌てて逃げても遅いわ!!」
トレボーの亡霊の如く加速して先頭に追いついた!

ゴールまで残る300メートル!
ドキッ!クソゲーだらけのプレイ大会!前代未聞の全頭併せ馬!
各ゲーム一歩たりとも譲りません!果たして鬼火はどのゲームに灯るのか!?

おっと、ここで遥か上空から何かが飛来した!
あれは何だ!?鳥だ!UFOだ!ガンバスターだ!
違う!飛んでいたプレイヤーだ!Shout now!

住人がマネキンと化している!施設が大幅に削られている!
究極!まっちんぐキィイイイイイイイック!
刺さったああああああ!何時の間にか先頭に並んでいた待ingを競馬道に叩きつけながら更に加速!
全クソゲーへの怨念を受けて待ing、金っ、時間っ、返―――――おや、何か聞こえますね


「娘よ、あれを使うぞ!」「よくってよ!」

「一撃、ただ一撃の勝負なら」「我に勝てる者なし!」

『スーパー!』

「浅草寺!」「スカイタワー!」

『キイイイイイイイイイック!』


                               ヽ`
                              ´
                               ´.
                           __,,:::========:::,,__
                        ...‐''゙ .  ` ´ ´、 ゝ   ''‐...
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  ;;;;;;゙゙゙゙゙            /                           ゙:                ゙゙゙゙゙;;;;;;
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スカイタワーに女連れ、ふと振り向けば浅草寺
嗚呼、シュールな告白シーン

確定しました
大賞code_18、フィニッシュ技は浅草寺<スカイタワー>キックが入りました
2011年クソゲーオブザイヤーでした、また来年にお会いしましょう
金と時間を返してください、さようなら


勝者インタビュー
「厳しい試合、そして惨い試合でした。僕もUBもひどい出だしだった。
誰も彼も実力伯仲でベクトルが違う故に決め手に欠けていた、それこそ皆仲良くKOTYでもおかしくないぐらいに。
でも待ingに必殺技が刺さった時に閃いたんだ、淺草寺<スカイタワー>ならこれよりインパクトのある絵は誰も出しようがないって、だからそれで決めたんだ
え、もはや競馬じゃないって?うるせー馬鹿」

総評案25 (Wizardry 囚われし亡霊の街)    

昨年王者『ラストリベリオン』によって
「レベルを上げて物理で殴ればいい」という新種の虚無を味わったKOTYスレは
今年もまたあらたなベクトルのクソの発掘に、期待と不安で胸をいっぱいにさせていた。
だが2011年――
KOTYスレは微睡んでいた。
いくつかのゲームが話題になるも「クソゲーにあらず」という結論となり
スレを目覚めさせるような話題は九ヶ月にもおよび存在しなかったのだ。
思えばそれは真実に気づかぬがゆえのしあわせな浅い眠りであったろう。
「クソゲーのない年」という幻にひたることができたのだから。
だがKOTYがあるからクソゲーがあるのか。あるいは人がいるからクソゲーを求めるのか。
いずれにせよ、幸福な微睡みはおわりを告げることとなる。

微睡みを破ったのは春の暖かさでも夏の猛暑でも秋の憂鬱でもなく、やはり一本のクソゲーだった。
サイバーフロント発売、XBOX360『code_18』(通称『C18』)。
名作として名高いADV、『infinity』シリーズの七年ぶりとなる新作だ。
ストーリーの概要は未来から送られてくるメッセージ「code」をもとにループする時間の謎を解くというものだが、
ヒロインの攻略順すら選べない完全な一本道であり、ゲーム性は絶無である。
それでいて読み物としてはプロローグと最終ルート以外の意味がないという有様であり、
伏線放置や数々の矛盾が存在するなど、要するに残念なストーリーである。
しかも「立ち絵が見切れている」「誤字・脱字・脱文の完備」「スキップが正常に起動しない」など
物語を楽しむことを阻害する各要素に満ちており、映像とシーンが噛み合っていない珍現象も多発。
ことに「スカイタワーでのロマンスシーンで脈絡もなく背景が浅草寺」となるシーンは
その絵面のあまりの面白さでスレ民をおおいに和ませた。
「ADVをするくらいなら小説を読めばいい」とはよく言われるが
ゲーム性が無いのみならず、バッドED時には最初からやり直しの可能性を秘め、
イラストや音声などによる恩恵を受けずむしろ演出に足をひっぱりまくられる本作は
まさしくゲームにしたことが有害な物語と言えるだろう。

ただ一本のクソゲーで、KOTYスレはにぎわいだ。
新マスコット「C18マン」の誕生や、会話ループの虚しさを教えるAA「浅草寺<スカイタワー>キック」の誕生など
このスレがクソゲーによって成り立っていることを『C18』はしみじみと教えてくれた。
こうしてメランコリアの秋はすぎ、人々が寒さに肩をよせあう冬が来た。
そしてスレ民もまた、クソゲーの寒々しさに身を震わせることとなったのだ。

D3パブリッシャー発売、PS3/XBOX360『街ingメーカー4』(通称『待』)。
作った街を歩き、住人との会話で不満をさっし、解消することで街を発展させていく、
独特なシステムを開拓した良質なシム系SLGの最新作だ。
今作においてその肝心要の会話システムが「学校へ行きます」「寿司に行きます」などの
なんの意味があるのかわからない無味乾燥なものばかりとなったのは、
人間同士の関係が希薄とった都会の寒さをあらわしたものだろうか。
とりあえず、街づくりの参考にはまるでならなくなった。
作れる施設もおおはばに減少して、郵便局や交番、内科・外科病棟などの
普通の街にあるような施設はのきなみ作れなくなっている。
やることと言えば現実時間で10分にいちど手に入るポイントを消費して建物を建てるだけで、
建てたらあとは10分間、待ちつづけるしかないその寒さは、今年の冬よりもなお厳しいものだった。
操作すらほとんど必要ない無内容とわずか6時間というプレイ時間は、
トロフィーを集める一部の人間にのみ熱烈に歓迎された。
これもまた、さまざまな嗜好をもつ人の集まる都会をあらわしていたのかもしれない。
その虚無に満ちた時間から、本作はだれにともなく『待』の名で呼ばれるようになった。

そして『待』と同日、いま一人の闘士がKOTYというコロッセオに降りたった。
アクワイア発売、PS3『グラディエイターバーサス』(通称「剣投資」)
剣奴の世界を舞台としたアクションシリーズの最新作であり、今作は舞台をファンタジー世界に移している。
新要素として魔法を取り入れるなどの意欲を見せたが、そのせいなのかあるいはただの手抜きか、
アクションが大幅に削られ、ドッヂもパリィもダッシュもジャンプもできないゲームに仕上がっていた。
結果、全編とおして適当に連打して相手を壁においこむごり押し戦法が最有力となり、
ミッション自体も使い回しがはげしいため、見た目も操作もとにかく単調なしろものとなっている。
力こそパワーだ。それが闘士の主張であったのかもしれない。
そんな主人公を嫌っているのか、CPUの仲間がコンボの邪魔をするわ敵はつれてくるわ背後から魔法で撃ち殺すわと
まさに闘技場は力だけが支配する無秩序状態。
キャラメイクも公式で「一万通り以上」を謳っていたが、冷静に考えるとあんまりすごくないうえに
実際はどう考えてもそれより数がすくないという不可思議を見せてくれた。
しかもそのキャラの保持枠が二つしかなく、アイテム所持枠も異様に狭いのに、
どちらも増やすためには有料DLCが必要という血も涙もない仕様を披露。
さらにパワーアップアイテム「宝石」は完全ランダムのガチャ方式で配信されるなど、
従来ではありえない商売方法はまさにファンタジーとしか言いようがなかった。
ウイルスバスターが今作の公式サイトを「オンライン詐欺に関係している兆候があります」
と警告したのは、さしずめ妖精を見るには妖精の目、といったところであろうか。
その強欲な姿勢から『剣投資』の名を賜った本作は、まさにゲーム界に降り立った狂戦士と言えよう。

そして12月。魔物が棲むといわれる年末がはじまり、戦いは凄愴なものと化した。
「今度はオラの番だ」と一人の超戦士が我々の前に立ちはだかったのだ。
バンダイナムコ発売、PS3/XBOX360『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(通称『UB』)
国民的漫画を原作とした対戦アクションシリーズの最新作だ。
原作を再現したグラフィックが魅力のシリーズであり、本作もまた最高級のグラフィックを備えている。
が、魅力はそこしかない。
移動・攻撃・必殺技……なにをするにもQTE(選択肢つきムービー)が発生し、
読みあいもなにもない完全な運勝負の二択によってすべてがきまってしまうのだ。
悟空のジャン拳以下の選択肢しかなく、あとはたまに連打するだけのこれを
果たしてアクションゲームと呼んでも良いものかどうか、頭を悩ませざるを得ない。
ムービーゲームと割りきっても戦闘演出は全キャラ共通で、キャラ数も大幅に削られ、
それにともない原作再現シーンがつぎはぎになってしまっているため、ファングッズとしてもむずかしい。
悟空がなぜか二人に分身したり、べジータの死に際にトランクスが声だけ出演するのを苦笑いするくらいだろうか。
二択戦闘というアクションゲームの極致を体現した本作は
千年に一度あらわれるという伝説の超クソゲーなのかもしれない。

かくして四タイトルがでそろい、いよいよ決戦の火蓋がきって落とされるかと思われた。
だが一年をふりかえろうとしたその時、われわれの前にすがたをあらわしたのは、
年始よりひそんでいたおぞましい悪霊だった。

アクワイア発売、PS3『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』(通称『亡霊』)
名作RPGの再興をかかげる本作は、ダウンロード専売ソフトとして1月に配信された。
往年のWizらしい重厚な雰囲気こそ評価されたが、その内容たるや散々なもので、
劣悪なUIや見辛いレイアウト、一枚絵なのに発生する謎の処理オチ、
最初の村に最強武器が売っていることや、製作者のうっかりミスによるアイテムコンプリート不可の仕様など、
あらゆる方面で手抜きの極みとしか思えない仕上がりになっている。
中でもダンジョンの単調さは特筆もので、やたら長いのにイベントはきわめて少なく、
スイッチを押しておなじ階の扉を開ける以外のギミックがほぼ存在しない。
しかし最大の問題点は追加配信のシナリオ3にて発生した戦闘バランスの崩壊にある。
自キャラがステータス上限に達しているのに敵のみがパワーアップし続けるため
理論上最速値のパーティーをうわまわる速さの雑魚敵が、行動する間もなくこちらを全滅させてくるのだ。
この現象は序盤から確認されたが、シナリオ3において確率が跳ねあがり、
最終ダンジョン深部にいたってはほぼ100%に達する。
遭遇・即・全滅の原理はエンカウント防止アイテムの装備をうながし、ゲームから戦闘を消滅させた。
ラスボス自体は弱いのでクリアはできるが、ダンジョンRPGから戦闘を抜いたときになにが残るのか、
もはや説明するまでもないだろう。
ユーザーはいつのまにか「*クソゲーのなかにいる*」ことになったのだ。

そしてひそんでいたのは亡霊だけではなかった。
修羅の国からの尖兵が二月の雪のしたより好機をうかがっていたのだ。

PIACCI発売、XBOX360『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活(バイト)~』(通称『Pia4』)
2009年に発売された18禁PCゲームの移植となる恋愛SLG&ADVである。
ヒラメ顔と化した一部ヒロインや、陸上競技場という名のサバンナなどで
ギャルゲーらしく映像面でプレイヤーを圧倒する本作だが、じつはそこは些末にすぎない。
大事なのはSLGとしての崩壊具合なのだ。
仕事の種類を選んでステータスを上げるのだが、
特定の仕事だけをえらべばすべてのステータスがMAXに達するため仕事をえらぶ意味がないのだ
またUIも劣悪であり、もっさりにくわえスキップが正常に作動しないなどプレイを妨げる気まんまんである。
とくにファイル数が増えるとロード時間が飛躍的に増加する仕様はセーブをする意欲をそぎ、
それでいてノーヒントで発生するイベントを抑えるためにはこまめなセーブ&ロードが必須という、
意図的にプレイヤーにいやがらせをしているとしか思えないパワハラ具合を発揮している。
そしてもっと肝心なのはADVとしての崩壊具合だ。
エロゲー移植のつねとして本作からはエロシーンが削除されているのだが、
今作ではその前後のシーンまでなんのフォローもなく消滅しているのだ。
これによって告白シーンもなくつきあい、情事を匂わせることもなく妊娠さわぎになり、
いつのまにか実妹と一線を越えているなど、スタンド攻撃を疑いたくなる超展開が連発されることとなった。
ついでにステータス不足によるバッドED時にはいままでの展開を無視して
主人公が「この一ヶ月はなんだったんだろ」と妹につぶやいて終わるのだが
肉体関係をもつにいたってもこう会話する兄妹のすがたには、狂気の二文字だけがふさわしかろう。
物語の楽しみを阻害するどころではないこれらの仕打ちはエロゲー移植として負の極限であり
クソギャルゲー界にあらたな荒野を切りひらいたと言っていいだろう。

年もあけ、いよいよこの化け物たちによる熾烈な争いがくりひろげられるかと思われた。
だがKOTYも人生も終わってみなければわからない。
そう、もはや恒例行事と化した彼奴が9月からひそんでいたのだ。

タカラトミー発売、Wii『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(通称『誤当地』)』
人生ゲームシリーズ、まさかというか当然というか、三年連続のノミネートである。
今作は元となるボードゲーム版同様のテーブルゲーム。つまり多人数対戦のすごろくである。
昨年次点となった前作のマイナーチェンジ版であるため、そのつまらなさの核も昨年と同様。
今作のつまらなさを支えているのは「やれることのなさ」「テンポの悪さ」「イベントの少なさ」だ。
ルーレットをまわす以外にやれることがまったくといっていいほどなく、
ルーレットをまわすのもステータス変動もいちいちテンポが最悪であり、
イベントの内容もつまらないうえに数が異様にすくなくて1プレイで何ループもする。
初回は自キャラに名前をつけることも出来ず、選べるのも固定の十人のみであり、
イベントでは2、3種類のモブをつかいまわす徹底した手抜きぶりをみせる。
さらにルーレットの目が3に偏り、その影響か妨害マスの被害まで3番手に偏るという不公平仕様も搭載。
恒例のラストのギャンブルはほぼ確実に勝てるうえに獲得金額が段違いでいままでのプレイが全否定されるなど
シンプルなボードゲームをどうすればつまらなくできるのか、その答えがここに集約されている。
さらに今作では御当地イベントを追加したのだが、この数も少なくつまらないうえに
「長野県ではカラオケで必ず県歌をうたう」「熊野筆はくしゃみをするのに便利」など
誇張・誤謬・揶揄に満ちた『誤当地』情報が見受けられ、郷土愛をさかなでするありさまだ。
パーティーゲームゆえに多人数プレイすれば楽しめるかと思えば
内外からとどく声は「つまらなすぎて場の空気が悪くなった」などのネガティブなものばかりであり
もはや友情を破壊する危険な兵器なのではないかとすら噂された。
こうして貫禄の三作連続、メーカーとしては五年連続ノミネートという偉業がなしとげられたのであった。

ここに7作のノミネート作はでそろった。
当初は「クソゲーの出ない年」などという甘美な夢にひたりながら、結果としては08年に匹敵する7作。
しかもいずれもがシリーズ作でありながらガッカリゲーの烙印をこえてノミネートされたという事実に、KOTYは震撼した。
7作の戦いは熾烈をきわめた。
いずれもが同レベルの不快・退屈・手抜きを備えながら、ベクトルが違いすぎるのだ。
『C18』が映像面のインパクトでおしていたかと思えば、クソゲーとして語る内容すらない『待』の虚無が背後にそびえ、
『剣投資』が新次元の課金でごり押しする一方で、『UB』が二択というシンプルにして強力無比な必殺技を叩きこむ。
KOTYスレはまさに阿鼻叫喚のるつぼと化した。
ことにプレイすればするほど苦痛がつのり、原稿用紙約170枚におよぶプレイ記が圧巻の『Pia4』と
友情破壊の危険を秘め、プレイヤーに圧倒的な機械の歯車感をあたえる『誤当地』は
どちらが大賞となっていてもおかしくない逸材といえた。
さて、ここまでくればもうおわかりであろうが、発表しよう。
この強豪たちをくだし、2011年のKOTY大賞に選ばれたのは……

『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』である。

決め手となったのは、「進化するクソさ」からくる「無駄にした時間の長さ」だ。
人が無駄にしたときに悔しいものといえば、まず「金」。そして「時間」であろう。
ゆえに「長時間遊ばされてしまうクソゲー」こそがもっとも忌むべき存在なのだ。
今作のプレイ時間は単純にながい。クリアまで100時間はあたりまえであり、
人によって200時間、300時間もありえ、500時間プレイというトロフィーまで存在するほどだ。
他の6作のプレイ時間は数時間せいぜい数十時間。もじどおり、桁がちがうのだ。
「つまらないならやめればいい」「続けたのはプレイヤーの勝手だ」
いずれのクソゲーにも言えるが、それは真実であろう。
だが今作はネット時代が生んだ「進化するクソゲー」であったのだ。

はっきりと言ってしまえば、本作はシナリオ2までにおいては他の6作に一歩ゆずる存在だった。
もっさりレスポンスと煩雑なたらい回しをかねそなえたインターフェイスは不快そのものなうえ、
一枚絵なのに処理落ちする画面と見辛いレイアウトはユーザーに対するいやな挑戦心がむきだしだ。
状態異常にかかるたびに隊列を直さねばならぬ仕様、しかも中盤以降はその頻度が異様に増すなど
その不快なUIの多用を強要する姿勢には、ゆるぎない嫌がらせの意思を感じる。
敵も味方もオーバーキルで運まかせにひとしいいいかげんな戦闘バランスにくわえ、
最初の村にふつうに最強武器が売っており、かつ中盤にはその武器を雑魚がぽろぽろ落とすさまは、
製作者の正気をうたがうほどだ。
その劣悪なバランスゆえに有効な育成・戦術はかぎられて、キャラメイクの自由もうばわれた。
初代Wizの六倍以上の広大さにも関わらず、初代の六分の一のギミックも搭載していないダンジョンは
もはや迷宮ではなく砂漠をさまようがごとき茫漠感に満ちている。
パッチで緩和されたとはいえセーブ不能バグも完治せずにそなえ、
命中率0の死に技や、表示されている絵と音声がずれるという小技も完備。
このようにシナリオ2までですでに柔剛あわせもつ立派なクソゲーであり、
ダンジョンRPGの底辺であることは間違いない。
これをもってすら一歩ひかざるをえない他の6作のおそろしさに、あらためて戦慄せざるを得ない。

だがその底辺と思われた底すらも抜けたのなら話はべつだ。
「進化するクソゲー」は、ふところにまで入りこんでからさらに牙をむく。
今作では、書籍の上・中・下巻のような、独特の分割方式がとられている。
1/27のシナリオ1配信につづき、3/31にシナリオ2の配信。
その間にもこまごまとした有料DLCの追加がなされ、
そして4/14配信のシナリオ3をもって一本のゲームとして完成し……
ここにいたって究極のクソゲーへと進化するのだ。

三十年の歴史が育てた古強者たちは、シナリオ2までのクソさを味わってなお生きていた。
「まだ完結してないから」「Wizだから」「クリア後が本番だから」「アイテム収集さえできれば」……
分割ゆえの結論の先送り、シリーズへの信頼、PS3におけるダンジョンRPGの希少さ――
そういったもろもろが歴戦の勇士たちをうっかり耐えさせた。耐えさせてしまった。
そして配信されたシナリオ3――
おとずれたのは、圧倒的なゲームバランスの崩壊とあらゆる不具合の放置であった。
遭遇・即・全滅という、正攻法クリアほぼ不能という戦闘バランス……
うっかりミスによるアイテムコンプリート不可という仕様を最後まで放置……
レアアイテムが有料配信され「おれのあの苦労はン百円か……」という徒労感……
最初の街の武器が最後まで最強であるという脱力感……
蜘蛛の糸ほどのかすかな希望はすべて周到な罠となり、完璧な絶望へとプレイヤーをたたきおとす。
さらにトロフィーには前述の「500時間プレイ」にくわえ、「敵の59630体撃破」など
無理無体な苦行を強いるものを用意し、一部の愛好家たちへの嫌がらせも徹底。
かくして人々はいままでの苦労をすべて嘲笑されたような気分をあじわい
あとには「ああ……本当に時間を無駄にしたのだな」という寂莫感だけが残されるのだ。

ただなにも得られぬことが絶望なのではない。
苦行の果てに一縷の希望すらもうばわれることこそが絶望なのだ。
今作は素人にとっても危険なクソゲーであるが、
よく訓練されたプレイヤーほどさらに危険になるという、ゲーム界にあらわれた底なし沼なのだ。
その無駄にした時間のあまりのながさと重さに「あれはクソだったね」と苦い思い出とすることもできず、
人々はただ亡霊のごとき瞳でその後の生を送るしかない。
歴戦の古強者たちをすら葬り去った今作に、
謹んで2011年KOTY大賞を授けるものとする。

今年もまた、おおくの悲劇と喜劇が生まれた。
信じられるシリーズを失った人々の悲しみはひとしおであろう。
「クソゲーの出ない年」とまでうたわれた本年は、真実はクソにまみれた散々な年だったのだ。
ことに大賞の『亡霊』にくわえ『剣投資』でダブルノミネートをはたしたアクワイアは
作品自体の出来もさることながらさまざまな課金で新時代のクソさを提供し、
年末には不具合はそのままに新規ダンジョンをくわえた『亡霊』の完全版をふくむ
前作との抱き合わせ版をパッケージで出すなど
まさにボルタック商店のごときあくどさで人々を戦慄させた。
余談であるが、この新規ダンジョンがあいかわらず手抜きのうえ
本編以上の理不尽難度であることもつけくわえておこう。

最後に、KOTYスレのビショップたちの検証によりあばかれた、
アクワイアと思われていた「? ゲームメーカーのようなもの」の鑑定結果をもって
今年のKOTYの締めくくりとしよう。

さわってしまった!
「? ゲームメーカーのようなもの」は
 ア ク ド イ ワ  だった!

2011/03/10 10:30    

スレの要望をくんで亡霊と大賞理由に加筆・修正。ついでに全体の言い回しや誤字も微修正

2011/03/12 18:00    

全体的に微加筆・微修正。〆のあたりにパーフェクトパックの新規ダンジョンに関する記述を追加。なお、ふたたび規制に巻きこまれたようでスレに書きこみできません。当方の
指摘にこたえてくださり、また指摘をくださった総評案13さんに、この場で代わってお礼を申し上げます。

総評案26 (Piaキャロットへようこそ!!4)    

2011年、クソゲーはなかなか現れなかった。
昨年は年始から居座り続けた「ラストリベリオン」が見事大賞を掻っ攫って行ったが、
今年は秋も半ばに差し掛かるまでKOTY級のクソゲーは姿を見せなかったのだ。

ひたすら雑談と「クソゲーとは呼べないモノ」を持ってくる方々の相手だけでスレを消費し、
「このまま今年はクソゲー無しで平和に終わるかもしれないな」という意見まで出始めた頃、
黙示録にもあるような七つの災いがKOTYスレに襲いかかった…


最初に現れたのは『code_18』
ADV最高峰として名高い「Ever17」を擁する「infinity」シリーズの最新作である…が、
当時のメインスタッフは1人として関わっておらず、本作のプロデューサーは過去作でただのデバッガーだった事が判明。
なお、このPは発売と同時に雲隠れする事になる。

シナリオ設定は名作「STEINS;GATE」をパク…もといインスパイアしたような内容になっており、
Dメー…ではなく「code」という未来から送られてくる謎の短文メールを中心に、何度も同じ時間をループしながら物語が展開する。
しかしその出来はお粗末としか言い様がなく、
4周目までほぼ全て「学園祭と家族不和をダシにして女の子と仲良くなる」という似通った内容で、本筋は全く進展しない。
その代わりと言うべきだろうか、
電車内→学校→家、ついでに回想シーン中にまで鳴り続ける電車の効果音から始まり、
夜なのに背景が昼・「暗い」と表現される明るい教室・突然キャラがワープ…等の要素を含める事によって時空間の歪みを表現。
特にヒロインとスカイタワーの上で心を通わせている最中、
突然浅草寺にワープするシーンは「酷過ぎて笑えてくる」と涙と笑いをプレイヤーに与えてくれた。

シナリオの前後不整合や誤字脱字・既読スキップバグ等、所謂クソADV要素は「さも当然」と言わんばかりにしっかり完備。
ゲーム終盤、9連続で実績解除される場面ではボタンを連打するとフリーズする事があり、
次世代機の盲点を突いた新たなクソ要素の開拓にも成功している。
また本作の攻略対象キャラは周回数によって完全固定の一本道であり、
BADルート突入後にセーブしようものなら、もうそのデータではOPからプレイし直すしかない。
同日発売のPSP版にはこれら不親切な仕様やミスについて一部改善点が見られ、
このXbox360版は「同日発売劣化移植」という前代未聞の快挙を成し遂げた。

クソゲー飢饉で存在意義を失いかけていたKOTYスレは『code_18』の登場によって息を吹き返し、
本作にはかつての「魔物」を彷彿とさせる「c18(しーじゅうはち)」という略称が与えられ、
c18マンというレギュラーAAが定着するなど大いに盛り上がった。
まさに、c18とその選評者はKOTY2011にとって最大の功労者であったと言えるだろう。


先駆者に続くように11月23日、双子の悪魔が産声を上げた。
まずスレへ選評が届けられたのは『街ingメーカー4』
住民との会話や買い物、建物への訪問を交えながら街造りをする事によって、
他の都市作成SLGとの差別化を図ってきた「街ingメーカー」シリーズの最新作である。
…と思っていた時期がファンにもありました。

まず会話だが、住民は「寿司に行きます」等どうでもいい独り言を勝手に呟くのみ。
建物に入る事も出来ず、住民にはガン無視され、まるで自分が幽霊になった後の世界を見ているようだ。

建物を設置するにはポイントが必要であり、ゲーム内時間で1日(現実時間で10分)に1度振り込まれるのだが、
中盤以降は建物1件辺りの消費ポイントがジンバブエドルの如く高騰し「1件建てる→10分待つ」というループに陥ってしまう。
時間加速・スキップ機能など無い。
一応、住民の不満を解決すると若干のポイントを得るチャンスがあるのだが、
獲得するための労力と得られるポイント量が全く吊り合っておらず、結局10分待つ方が効率が良いという結論になる。
ゲームクリアまでのプレイ時間は6~10時間程で、その大半がこうした待ち時間で占められているため、
『待ing』と呼ばれ始めるまでさほど日数はかからなかった。

ゲーム要素を徹底的に排除し、BGMも指3本で数え切れる程にまで削り、
建てる・眺める・潰す以外に出来る事を無くしたこの新たなる「ゲー無」は
唯一「選評でクソ要素について過不足なく伝えられている」と不動の貫録を見せ付け
最後までスレ住人達を畏れ慄かせた姿は頑固一徹、絶対に流れないクソのようなものであった。


『待』の選評2が届けられた翌日、双子の片割れもついに姿を見せた。
古代ローマの剣闘士達が戦いを繰り広げる「グラディエーター」シリーズの最新作『グラディエーターバーサス』
始めに断っておくが、本作には「剣闘士」など存在しない。

「10000通り以上の組み合わせ!」と大々的に謳われているキャラメイクだが、実際は微細な差異・差分と言った程度であり
別のパーツを選んでも「さっきとどこが違うんだ…?」と間違い探しをさせられる。

基本的なゲーム内容はあまり変化のないステージで、殆ど変わり映えのしない敵を、
一体誰なのかの説明すら無いNPCの味方と共にボコるかボコられるかという作業の繰り返し。
魔法は味方にも当たる仕様なのだが、味方の当たり判定だけ異様な広範囲となっており、
「正面の敵に向けて撃ったのに背後の味方に直撃した」といった現象が平然と起こりうる。
しかもこの味方には貧弱なAIが搭載されているため、最悪を極めた場合
「敵に装備品を提供し、プレイヤーにその敵達を押しつけ、さらに背後からプレイヤーに魔法を当ててくる」という
一体どっちが敵なのかわからないような動きをするのだ。
さらにアップデートで魔法の強化修正が為された事によって味方への「怒り」は「殺意」へと強化修正され、
実際に味方へ魔法をぶっ放してストレス発散を図るプレイヤーまで現れた。
役立たずの味方に愛想を尽かし、オンラインによる協力プレイに活路を見出そうとしても
オン人数は本スレでの売却報告に反比例するかの如く急速な勢いで過疎化し、気付けばもう誰も残っていなかった…。

本作を語る上で欠かせないのがDLC(ダウンロードコンテンツ)の存在だ。
フルプライス作品なのに無料ネトゲの課金システムを参考にしたのか、
キャラスロット・アイテムBOX・ステータスやスキルの再設定権等は全て有料である。
さらに装備品強化の手順を非常に面倒な手順にした上で、強化に必要な素材をガチャ形式で販売した揚句
「ライバルに差を付けろ!」とプレイヤー同士の課金合戦を煽る始末。
発売前から課金要素をプッシュしすぎたせいか、
公式HPにウィルスバスターが反応し「オンライン詐欺に関係している兆候があります。」と表示される椿事まで発生し
本スレ住人・KOTYスレ住人の両方を爆笑させた。

このような出来事からKOTYスレでは装備にリアルマネーをかけるゲーム…
即ち「剣投資」と呼ばれるようになり、長い間大賞最有力候補とされていた。
発売から1ヶ月後に製品版の6割程の事が出来てしまう無料体験版が配信されたが
これは2009年の人生に代わる新たな「入門用クソゲー」として最適であり、
ウンコの6割を浴びせられた上で「残りの4割は有料です」と言われる気持ちを体験できるだろう。


年末、これら3種のクソゲーから大賞が選ばれるのだろうかと思った矢先、思わぬ大物の気をスレ住人達は感じ取った。
『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(UB)が襲来したのである。
先行発売された海外版の評価が散々だった事からDBファン達は多少怯んだものの、
「サイヤ人は戦闘種族だ!なめるなよー!!」という心意気で5万7千本も購入し、
そして購入者の多くは「くそったれー!!!!」と怒りのあまり超サイヤ人に変身する事になった…。

原作アニメも「かめはめ波1発で1話終わった」という引き伸ばしがネタにされる事があったが、
本作はそのようなテンポの悪さまでしっかり再現。
攻撃・移動・防御・必殺技…ありとあらゆる行動の度にQTE(ボタン入力付きムービー)が挿入され、
毎回操作不能時間と、運まかせの2択ジャンケンor連打を要求されるのだ。
もちろんジャンケンはほぼ運まかせであり、プレイヤーの技術は一切要求されない。
またQTEの演出は全キャラ共通なので、一回の戦闘で見飽きてしまう 。
登場人物を主役脇役関係なく無作為に削除した結果ブツ切り感の強いストーリーになっており
途中の展開を大胆に端折った挙句「フリーザ様に元気玉当てたらクリリンが爆発した」という超展開も散見される。

「自分だけの超戦士を作り出そう!」と銘打たれたアバターモードは『剣投資』同様パーツ数が非常に少なく、
極薄のストーリーの中で前述のジャンケン戦闘を繰り返すだけの代物であった。
また、キャラを強化するにも戦闘を何回・何十回と繰り返さねばならず、
修行を受けているのはキャラではなく自分自身なのではないかという錯覚に陥ってしまう。

せめてオンの対人戦なら…!と思いきやこちらも劣悪を極めており、
「相手が途中で切断するとこちらはフリーズし、しかもこっちも切断回数が増えて-100ポイントされる」という
ランクマッチシステムを全否定するかのような仕様になっていた。

PVで「地球のみんな!オラに現金わけてくれ!!」と叫んだ通り世界中のファンから現金を徴収し、今期KOTYの中でも被害者数は断トツである。
「もうだめだ…(シリーズは)おしまいだ……」と嘆くしか無かった本作であるが、
後日「キャラが分裂するバグ」が発見され、最後の最後で一寸だけ微笑ましい一面を見せてくれた。


「これで今年発売のクソゲーは全部だな」と油断しきっていたスレ住人が「*おおっと*」と驚きの声をあげたのは年も暮れようとしていた頃。
『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』という年始から潜んでいたトラップに引っかかってしまったのである。
ウィザードリィと言えば超高難易度RPGの代名詞であり、プレイヤーもまた高難易度に慣らされた歴戦の戦士揃いであったため…
いや、だからこそ本作がテレポータである事に気付けなかったのだろう。

まずシナリオ1・2の時点で「wizなの?これ…」というプレイヤーからの*ささやき*が聞こえ始めていた。
ダンジョンゲーなのにレバーを操作して扉を開ける以外はトラップくらいしか見るべきものが無く、
しかも処理落ちが頻発しまともに歩く事さえできない。
「絶対に入手できないアイテム」を紛れ込ませてアイテムリストをコンプ不可にしたり、
トレジャーハンター系ゲームでもあるのに最強装備が店売り品だったりと、wizシリーズに対する認識を疑う様な点が多々ある。
セーブができなくなる・ダンジョンが描画されない等のバグにはさすがにプレイヤーも「なんとかしろよ!」と*えいしょう*し、
一応セーブバグについては発生頻度が下がる修正が施されたものの、公式はこのバグの存在を一切認めようとしなかった。

そして史上最悪と言われる戦闘バランスが「新しいwizを楽しみたい!」というプレイヤーの*いのり*を粉砕した。
もともとwizシリーズは「強敵とのスリリングな戦い」が持ち味だったが、本作はただ「敵が強ければいいんだろ?」と言わんばかりに調整を怠り、
自キャラはいくらレベルを上げてもHP以外のパラメータが最大で20程度しか上昇しないのに対し、
敵のパラメータはこちらのレベルに合わせてひたすら上昇の一途を辿る為「レベルを上げたら物理で殴られる」ゲームと化していた。
ドラクエで例えるなら「アリアハン周辺でさまようよろいが出現するようなもの」と言えば
どれだけ当ゲームのバランスがブッ壊れているか理解して頂けるだろうか。
ダメージ=死亡なので「回避」を上げる事になるが、回避率の高い装備は女性専用のものが多く、
種族・職業によっては一切抵抗できないまま轢殺されるのでパーティー編成の楽しみすら奪われている。

さらにシナリオ3でのレベルキャップ解放と共に敵ステータスのインフレ率も跳ね上がり、終盤にもなると「敵と会ったら即全滅」が当たり前になった。
1キャラあたり100時間(裏技で10時間)かけて自キャラ6人のレベルをカンストさせても「即全壊」が「即半壊」になる程度で、
エンカウント阻止アイテムがDLCとして販売されている点に対し疑念を持ったプレイヤーも多く、
これを使用しない攻略法は「敵と会わないように*ねんじろ!*」「数歩進んだらセーブ・ロードを繰り返せ!」と言う他無い。
苦労して辿り着いた先に居るラスボスはアッサリ倒せてしまう弱さであり、プレイヤーはクリアの達成感すら与えられなかった。
参考までに書いておくが、ラスボスはLV80(経験値4000万)程度で倒せるのに対し、雑魚はLV200(経験値4億)で挑んでも話にならない。

シナリオ2・3はそれぞれ1ヶ月ずつ空けて配信されたため
シナリオ1で殺され、シナリオ2で*はいになった*プレイヤー達もめげずに次シナリオ配信までの間レベル上げやアイテム収集に時間を注いだが、
ついにシナリオ3で*まいそうされました*と表示されてしまった。

「500時間プレイのトロフィーがある」「キャラの強化に数百時間」とプレイヤー達を*くそのなかにいる*状態にした時間では本作が史上最長であり、
ゴールの見えない「クソのダンジョン」内には
亡霊と化した冒険者達の「このはいきょうしゃめ!(ゲーム業界から)でていけ!!」という怨嗟の叫びがいつまでもこだまする事になった。



そして見慣れたアイツが再びやってきた。
『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』である。

タイトルの通り、前作からの変更点は「47都道府県のご当地イベントが追加された」という以外に一切無い。
相変わらず選べるキャラはデフォルトの10人+Miiであり、NPCや子供のグラフィックも使い回し。
ゲーム中に流れるBGMは全2種類で、被りまくるイベントもそのまんま。
事あるごとに1~4歩しか進めないミニマップに移動して進行を遅れさせ、
幸福度を競うモードでもお金しか集めようとしないCPUにもまったく改善は見られない。
終盤の「賭け」で所持金がインフレするので道中のマスは殆ど意味が無く、
クリア後も順位が発表されるだけで最終資産は表示されない。

追加された「ご当地イベント」も「せっかくだから○○名物の××を食べた!おいし~い!」という種類の物が目立ち、
各種名産品を蔑ろに扱ったり、内容について間違い・勘違いや「長野県民は必ずカラオケで県民歌を歌う」等の嘘情報まで平然と収録している。
これらのまったくプラスになっていない追加要素から、本作には「誤当地」という呼び名が定着した。

だが「タカラトミーがせっかく汚名挽回を狙って再販売したものだ、前回何か見逃したに違いない。」
スレ住人がそう思い込んで検証しているうちに「ルーレットの出目が偏っている」事が発覚した。
3が出やすい仕様であると証明され、プレイヤーは足枷と足手纏いが付いた状態でクソの沼地を歩かされていたことが判明したのだ。
この乱数の偏りはランダムで他のキャラを巻添えにする「おじゃましマス」にも適用されているようで、
3番目と4番目のキャラが割を食う結果となっている。

特定のプレイヤーが不利な上記の仕様のせいか
「このゲームが原因で夫婦喧嘩になった」「一緒にプレイした友達や同僚との仲が悪化した」というレビューもあり、
一体誰がこのゲームで「ハッピー」になったのかと考えると首を傾げざるを得ない。
1人でプレイすると100万のクソパワーだが、
複数人でプレイすると400万にも1200万にもなるというウォーズマンのような創意工夫は、スレ住人達を深く感心させた。
5年連続6本目のノミネートとなるタカラトミー。盤外戦になるが同社はiphoneでも人生ゲームを配信しており、こちらの評価も最低レベルだ。
誰かが「俺達の人生はタカラトミー製じゃないからマシだな」と呟いたが、
「人生ゲームを買った」という事が既に人生における「かなしみマス」のイベントだと気付くのは一体いつになるだろう…。


さて、彩り豊かなクソゲーを6本紹介してきたところで、最後の7本目…今年の大賞を発表しよう。
激動の2011年、ゲーム最底辺の座に就いたのは

『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活(バイト)~』

このソフトを大賞として掲げた理由は「1本のパッケージに内包された、糞の種類の豊富さ」による。
一言に「糞要素」と言っても「同じ事の繰り返しによる作業感」や「純粋なつまらなさ・内容の薄さ」
あるいは「理不尽さ」だったりと、その内容は様々だ。
だが本作にはそれら全てのクソがギッシリと詰め込まれているのだ。

本作は某エロゲーレビューサイトで「戦極姫」と同点数を叩き出す程のポテンシャルを秘めた「クソエロゲー」から
「エロ」を抜き取ってXbox360へ移植した代物である。
大体のエロゲー移植は追加シナリオ・追加キャラ・フォローのための文章など入れるものだが
本作は抜き取られた部分に関してほぼ完全にノータッチ。
しかも攻略ルートを1つ削除した一方で、誤字脱字・既読スキップバグ等はPC版から完全移植し、
さらにはPC版に無かった処理落ち・フリーズバグを追加。
過去に携帯版KOTYでクソゲーを完全移植して大賞に輝いた「めざせ!甲子園」という作品があったが、
本作は「クソゲーを劣化移植」するという完璧な意味での誰得商品である。

本作のジャンルは「ファミレス恋活ADV+SLG」
基本的に1日約3回・同じキャラと会い続けていれば仲良くなれるという単純なゲームシステムだが、
これをゲーム内時間で1キャラあたり1ヶ月間ほぼ毎日やり続けなければならない、一本道未満の作業感溢れる仕様。
また、対象キャラを選択しようにも「判別しにくいアイコン」「選択出来るが意味の無いダミー」「モッサリ感溢れる操作系統」の
トライアングルディフェンスに阻まれて誤った場所・キャラを選んでしまう事もままあり、
挙句ロードし直そうにもやけにロード画面の読み込みが遅く、しかもセーブデータが増えるほどに待ち時間が増加し、
最大で20~30秒程固まる始末。
なお、プレイ中にセーブデータを整理・削除する手段は存在しない。

主人公にはパラメータもあるのだがシナリオ内容には一切関与しておらず、足りなかったらBADENDへ直行するという役割しか無い。
この場合、主人公が攻略対象と恋人関係だろうが肉体関係を持っていようが
「この1ヶ月仕事してた記憶しかねぇや(要約)」と謎の記憶障害を起こし、問答無用でタイトル画面を拝む事になる。
仕事関連のパラメータは「デリバリー」だけ選んでいればすぐ最大値になるのだが、
キャラによっては「決められた日に決められた仕事を選択しないとBADEND」というイベントが
ノーヒントで配置されている場合もあるため油断はできない。
このように、SLGパートはプレイヤーに作業を課し、またBADENDの存在によってさらなる作業を追加するだけの無駄要素であり、
ゲームの皮を被った嫌がらせであると断じる他無い。

では、絵の方はどうだろうか。
PC版から絵の上下をカットして無理矢理ワイドサイズに調整した弊害で一部見切れが発生し、こちらもほぼ全てが劣化移植である。
立ち絵についても「ヒラメ顔」と称される一部キャラが画面内を縦横無尽に動き回るのでメッセージウィンドウから上は見たくなくなる。
背景も悉く低クオリティであり、それらのほぼ全てが遠近も比率も狂っているため、まるで騙し絵の世界に迷い込んだのかのようだ。
中でも「陸上競技場の背景」はそういった作画技術以前の問題で「サバンナ」と表現され、スレ住人達の笑いを大いに誘った。
イベントCGはPC版の公式サイトで7割方が無料公開されており、
そもそも(後述するが)思い出に残るようなシーンが無いためわざわざ見返す価値すら無い。
どうでもいいが回想モードも無い。
一応何枚か追加CGもあったが、殆ど立ち絵と大して変わらないような代物だったり、背景を使い回していたりとやる気が感じられない。

最後に肝心要のシナリオ。
恋愛ゲームは「感情移入」によってプレイヤー=主人公となり、攻略対象との疑似恋愛によってより大きな喜びを得るものだ。
だが本作の主人公は「金髪の丘サーファー」と例えられる程のウザさをシナリオ中で発揮しており、
謎の口癖や支離滅裂な思考回路で感情移入を阻害し、挙句ストーカー行為まで平然と行って終始プレイヤーを苦しめ続け、
惑星アトリーム出身の某氏とタメを張るウザさは「死ね」よりも能動的な「殺したい」という感情へと発展した。

主人公が如何に最低の屑でもヒロインのシナリオが良ければ許されると思いきや、決してそんな事は無かった。
前述したがエロを抜いた分に対する補填・フォローが無いままに「男女の関係になった」という事実だけが残るシナリオのため、
何の描写も説明も無かったくせに所謂「事後の会話」をする主人公とヒロインを見ていると謎のNTR感を覚える事ができる。
エロ以外でも時系列や伏線をすっ飛ばしてプレイヤーを置いてけぼりにしたか思えば、
時間の巻戻りや唐突な空間ワープ、つい数日前に起きた出来事ですら綺麗サッパリ忘れて同じ失敗を繰り返すなど
新手のスタンド使いとの闘いを体感できる内容になっている。

個別のキャラ付けも「適当に萌えそうな語尾」と「適当に萌えそうな設定」を混ぜたようなものばかりで、
しかも設定は一度使ったらもう二度とシナリオ中で活かされない物が大半だ。
イベント内容も
・溺れている子供を助けた→ステキ!抱いて!
・トラックに轢かれそうになっている父親を助けたら娘との交際を許してくれた
という既視感バリバリの物に加え、
・格ゲーしてたら何故か彼女ができた
・兄妹喧嘩→即仲直り→セクロス
・存在価値が消失するメインヒロイン
など今までに見た事も無いようなクソシナリオも完備。

基本的に頭の残念なキャラ達がどうでもいい茶番を繰り返すだけの展開ばかりで、1ルート終わるごとにうんざりした気分になり、
「読めば読むほど粗が出るので読まない方が妥当」
「一番萌えられたのは購入前に公式サイトのキャラ紹介を見てる時だった」と存在価値をも否定されるに至った。
「ADV+SLG」なのに「ADVもSLGも不要」とされた本作は、「ギャルゲーとしてゲー無」という新たな礎をここに打ち立てたのだ。

c18の「クソシナリオ・クソ演出」
待の「ゲー無」
投資の「殺意・作業感」
UBの「キャラ削除・イベントぶつ切り」
亡霊の「理不尽なゲームオーバー」
誤当地の「前作もクソゲーだったのに再販売」
そして、全てのゲームから感じられる「手抜き」

これら全てを内包し、さらに「バグ」や「BGM盗作疑惑」等様々な種類のクソを内包した本作は「クソの百味ビーンズ」と呼ぶべきだろう。
細かい事を気にせず適当にプレイ…つまり手に取って臭いを嗅ぐ程度であればクソさはわかりづらいが、
いざ本格的に楽しんでみようと口に入れ、さらに咀嚼・吟味すると最大級の破壊力を発揮する上級者向けのクソゲーであり、
「完食」はかの四八(仮)コンプ時の負担でさえ凌ぐ物であった。
「クソシナリオ」という大枠でさえもルートやイベントの度に「これは人糞の中でも血便だな」「こっちは下痢便か」と言ったような
それぞれ違った味を堪能する事が出来、
今までのクソゲーのような「浴びせられるクソ」ではなく「味わうクソ」という新たな概念をスレにもたらしたのだ。



今年は7本ものクソゲーが誕生したが、「これが大賞だな!」と一発で万人を納得させられるような要素に欠け、
「どれが最もクソか?」という審議は難航を極めた。
だがこれは決して今年度のクソゲーが過去と比べてクソ度が低いという意味ではない。
過去を「クソゲー!w」とするならば今年度は「クソゲー…」と評する作品ばかりであり、
ネタにして笑う事すら難しく、「クソゲーハンターですら跨いで通る」ようなクソゲーが跳梁跋扈する年であったのだ。

だが初心に帰って初期KOTYの「クソゲーを掴んでしまった人たちの怒りや悲しみを笑いに昇華する」という観念を思い出せば、
各購入者の鎮魂に全てのエネルギーを注ぐのがこのスレの役割であり、また、こんな不謹慎な祭典を大真面目に続けている我々の責務ではないだろうか?
クソゲーの臭いを察知したら、なけなしの銭を支払って自らも被害者の側へと回り、しかし決して挫けることなく、
他の被害者を笑顔にするのがこのスレに常駐するクソゲーハンター達であり、今年も充分にその役目を果たしたと言えるだろう。

今年のクソゲーはその全てが「過去に人気を博したシリーズの最新作」であり、
それに胡坐をかいて手を抜き、努力を怠った結果が御覧の有様であった。
シリーズファンが激怒し、滂沱し、今後のシリーズ展開に付いて絶望する姿を尻眼に
製作者達は誠意ある対応もせず、無視・責任転嫁・雲隠れと本当に社会人であるのか疑ってしまうような点も見られた。
二度とこのようなクソゲーが発売されない事を願い、全てのゲーム開発者に以下の言葉を贈ることでKOTY2011を締めくくろうと思う。


「恋活(バイト)感覚でゲーム作らないでください。」

2011/02/23 03:15    

文章をシェイプアップ、ネタの添削

総評案27 (Wizardry 囚われし亡霊の街)    

2011年のクソゲーオブザイヤーは、上半期のうちにノミネートが受理された作品が現れず
クソゲー日照りが危惧されましたが、終わってみれば、発売日順に
『Wizardry 囚われし亡霊の街』
『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~』
『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』
『code_18』
『グラディエーターバーサス』
『街ingメーカー4』
『ドラゴンボール アルティメットブラスト』
の7作品がノミネートと、予期せぬ豊穣に恵まれました。
この総評で、各ノミネート作品を振り返りつつ、大賞を発表したいと思います。
長くなりますが、最後までお付き合いくださいませ。

1.『Wizardry 囚われし亡霊の街』(2011年1月27日発売、発売元:アクワイア)
Wizardryはコンピュータ・ロールプレイングゲームの古典的名作で、米国のSir-Techから発売された本家シリーズのほか、
版権を得て日本で製作された、和製Wizardryと呼ぶべき外伝的作品も多数派生しました。
『Wizardry 囚われし亡霊の街』は、アクワイアを含む数社が立ち上げた【Wizardry Renaissance】のラインナップ作品に当たり、
3つのシナリオが順次ダウンロード販売の形で発売されました。
発売当初のセーブ不能バグも修正パッチで緩和され、良く訓練されたWizardryファン達は溢れんばかりの愛を原動力に、
少々の処理落ちやレスポンスの悪さをものともせずにシナリオを進めていきました。
実は、
戦闘はダメージが極度のインフレを起こしバランス崩壊、
最強武器はあらかじめ店で売られていて探し甲斐が無い、
ダンジョンはスイッチでシャッターを開けて進むの繰り返しで極めて単調、
と、シナリオ1からすでに惨憺たる有様でしたが、まだ、クリアすれば良い思い出に変えることができました。
しかし、シナリオ3の雑魚敵達は歴戦の勇者を尽く葬り去る火力を、愛でも乗り越えられない絶望を見せ付けました。
プレイヤー達は、敵が落とすかDLCで買うかして雑魚敵との遭遇を回避するアイテムを手に入れ、奥の弱っちいボスを粉砕するか、
あるいは数百時間、裏技で短縮しても数十時間かかるレベル上げをして抵抗を試みるかしました。
戦闘バランスはいつしか「完全崩壊」とささやかれるようになり、ノミネートと相成りました。

2.『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~』(2011年2月24日発売、発売元:PIACCI)
Piaキャロットへようこそ!!はMS-DOSの時代より続く18禁PCゲームのシリーズで、
PC版の他、コンシューマーゲーム機への移植や、アニメなどへの進出も果たしています。
『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~』は2009年に発売されたPC版からの移植版です。
PC版の時点で既に18禁要素以外は散々な評価を受けていましたが、
コンシューマー移植の際に18禁要素はすっかり削除されてしまいました。
残ったのは、
削除されたシーンの前後が繋がらなくなってしまったシナリオ、
中に木が生えていて「サバンナ」と形容する方がふさわしい陸上競技場などの狂ったグラフィック、
デリバリーさえ選択していれば事が足り、存在する意味が無いSLGパート、
と、散々な部分ばかり。とどめに、
セーブデータが増えると呼び出しに数十秒かかるようになるセーブ・ロード画面
まで加わり、存在意義を全く失ってノミネートされました。
この総評では、本作のシナリオへの言及は避けますが、興味のある方は、
ある勇者の手で書かれスレッドに投下された130キロバイト超のプレイ記がありますので一読してみると良いでしょう。

3.『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(2011年9月1日発売、発売元:タカラトミー)
人生ゲームは米国のMilton Bradleyから発売された後、日本で人気を得てシリーズ化され、以後約50年間に渡り愛され続けるボードゲームのロングセラーです。
ボードゲーム版の他、コンピューターゲーム版の人生ゲームも多数発売されていますが、出来の良いものもあれば悪いものもあり、
近年では残念ながら2009年『人生ゲーム』(WiiWare版)、2010年『人生ゲーム ハッピーファミリー』と、2本立て続けにクソゲーオブザイヤーにノミネートされ、ともに次点となっています。
『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』はパッケージ裏の記載にあるとおり『人生ゲーム ハッピーファミリー』のバージョンアップ版になります。
バージョンアップと言えば聞こえが良いのですが、その実、人生ゲームのイベントが発生すべきマスにご当地ネタを無理に詰め込んだせいで、人生ゲームなのかご当地物ボードゲームなのかはっきりしない仕上がりです。
前作の悪いところに全く手を入れずにフルプライスで発売された本作も先の2作品に続きノミネートされ、
人生ゲームはもはやクソゲーオブザイヤーの風物詩となった感すらあります。
旧機種の作品にあったカードやミニゲームを廃し、自分の手番を待ってルーレットを回すばかりのゲームとなっているものの、
ルーレットの出目は偏り、
総資産を競うわくわくモードでは積み上げてきた人生より最後の賭けルーレットが物を言い、
ハピネスを競うプライスレスモードではCPUが目的を無視して金稼ぎに走り、
ご当地ネタには誤情報が散見され、
と、皆で盛り上がるどころではなく、プレイヤーの人間関係にひびが入ったとの報告すら寄せられる有様で、ノミネートも納得の出来です。

4.『code_18』(2011年9月29日発売、発売元:サイバーフロント)
ファミコンの性能限界に挑戦したシューティングゲーム『サマーカーニバル'92 烈火』(発売元:ナグザット)や、
コンピューターゲーム版人生ゲームの中でも評価の高い『DX人生ゲームII』(発売元」:タカラ)など、開発会社としては知る人ぞ知るメーカーであり、
会社と同名のブランドを下げて『Ever17』を頂点とするinfinityシリーズを発売し、ギャルゲーマーの間で高い評価を受けたメーカーでもあった
キッド(KID)という会社がありました。会社のほうは残念ながら潰れてしまいましたが、ブランドのみサイバーフロントに受け継がれ現在に至ります。
『code_18』は、サイバーフロントにブランドが移ったのちに、infinityシリーズの新作として開発・発売された作品です。
以前のシリーズ作品に携わっていたスタッフがほとんど抜け、残ったのはプロデューサーに据えられた元デバッガー程度、という体制のもと、
メッセージ送りや立ち絵表示のレスポンスは悪く、文章は誤字脱字脱文の数々、さらには人物名やテキストがウインドウからはみ出すなど、
かつての名シリーズの面影を感じさせない不出来なシステムが生み出されました。
5人いるヒロインに対応した5ルートがあるかと思いきや、決まった順に各ヒロインのルートを辿る実質一本道で、
何人めからでも、バッドエンドになったら、セーブデータが無い限り一人めのヒロインからやりなおし。
それでも、シナリオや演出が良ければ救われるのですが、
一人めのヒロインの両親が和解するシーンで、ヒロインの父親が立ち絵の目のあたりから見切れていたり、
三人目のヒロインとスカイタワーの展望台から街を眺めるシーンで突如、背景が浅草寺になったり、
四人目のヒロインとキスするシーンで、邪魔な眼鏡を外した旨の文の後、眼鏡をしたままのイベント絵で何回もキスしたり、
などと、おかしみすら感じさせるおかしさで感動を台無しにし、失笑と共にノミネートされました。
特にスカイタワーのシーンは専用のAAが作られるなど、スレッドを大いに賑わしました。

5.『グラディエーターバーサス』(2011年11月23日発売、発売元:アクワイア)
ここで述べるグラディエーターは、アカデミー作品賞を受賞した『グラディエーター』とは直接の関係はありません。
古代ローマ帝国の剣闘士をモチーフとした、PS2時代の名作『グラディエーター ロード トゥ フリーダム』より続くシリーズのことです。
『グラディエーターバーサス』は、シリーズのなれの果てで、ゲーム誌『電撃Playstation』において事実上の最低評価Dを獲得した作品です。
攻撃を寸前で回避するドッジ、攻撃を弾き敵の体勢を崩すパリィといった、過去作を名作たらしめた微妙なアクションがことごとく排除され、
魔法などグラディエーターの世界を無視した要素が導入された末に、味方からの魔法誤射に怯えつつ攻撃を連打する大味な作品に変貌しました。
加えて、
少なめに設定されたキャラクター作成数限界やアイテム所持数限界、
宝石アイテムと金を多量に要求される武器防具強化、
宝石アイテムを失う危険が常に付きまとう宝石合成、
通常手に入るはずの方法で入手できないラスボスの装備、
など、
仕様のいたらなさ、まずさを感じる部分を補うように、ことごとく有料のDLCが用意されていて、課金のためにわざと手を抜いたと疑われても仕方の無い出来です。
ウイルスバスターが「オンライン詐欺に関係している兆候があります。」と警鐘を鳴らしたエピソードも、ノミネートに華を添えています。

6.『街ingメーカー4』(2011年11月23日発売、発売元:ディースリー・パブリッシャー)
街ingメーカー(まっちんぐめーかー)は、プレイヤーが開発した街で、個性ある住民とのコミュニケーションをとることによって街を発展させてゆくシステムに特長があったシミュレーションゲームです。
『街ingメーカー4』では上記の特長が省かれてしまい、住民たちは定型メッセージをつぶやく無個性な通行人に成り下がりました。
結果、建物を設置して眺めるだけのゲームとなったうえ、建物設置に必要なポイントも枯渇が早く、
プレイ時間の大半が、ゲーム内の一日が終わってポイントが再補充されるまでの空虚な待ち時間になりました。
実在企業とのタイアップテナントは多いのですが、通常の建物の種類が妙に少なく、
例えば学校の場合、小中高校の区別など一切無く、総合学園という建物でひとくくりされてしまったりと、バリエーションに欠けます。
選評で十二分に説明しつくせる乏しい内容で、シリーズ経験の有無を問わずプレイヤーに安定した虚無感を与えノミネートされました。
記述は薄くなりましたが、語るところが無いのが最大の問題と言えましょう。

7.『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(2011年12月8日発売、発売元:バンダイナムコゲームス)
『ドラゴンボール』は、単行本の発行部数が全世界で3億5000万部を突破し、今なお世界有数の人気を誇る、鳥山明の漫画です。
アニメ化などメディアミックスも盛んに行われ、原作漫画の他、アニメの設定も取り入れたゲームも多数製作されています。
.『ドラゴンボール アルティメットブラスト』は、数ある『ドラゴンボール』ゲームのうち、着実に進化を遂げ評価を上げてきた
『ドラゴンボール レイジングブラスト2』の次回作に当たる作品でしたが、敷居を低くする方向に大幅な進化を遂げてしまった結果、
頻繁に挿入されるQTEを中心とする過度に簡略化されたシステムに豹変しました。
ことあるごとにQTEが挿入されてゲームの流れを断ち、全キャラクター共通のQTE演出のせいで、キャラクターの個性まで簡略化されてしまいました。
キャラクターは個性だけではなく、頭数まで省略され、
ギニュー特戦隊にグルドだけいなかったり、
クウラは出ないのにメタルクウラがボスとしていきなり登場したり、
悟天や少年トランクスが出てこなかったり、
と、抜けが目立つ上、登場しないキャラクターが活躍するシーンがカットされてストーリーモードも歯抜け状態になり、
ガッカリの一言では済まされない一線を踏み越えてノミネートに至りました。

今回、大賞の選考に当たり、単純な方法を採用しました。「総評執筆者が全ノミネート作品をプレイして比較する」という方法です。
その結果、『Wizardry 囚われし亡霊の街』を大賞に選びました。
実は、当総評の執筆段階において、総評執筆者のプレイ進行度はシナリオ1クリアの段階に留まっているのですが、この時点で既に
・単調なダンジョン内を、スイッチを捜して彷徨う膨大かつ空虚な探索時間
・高威力の攻撃を連打して勝負がつく、単調かつバランスの崩壊した戦闘
・ストレスの原因となる、妙に遅いレスポンスや使いづらいUI
・完治していないセーブ不能バグや、基本的に静止画であるにも関わらず処理落ちするダンジョン
といった面で十分に、他のノミネート作品と互角以上に勝負できる実力を見せており、
戦闘バランスが完全崩壊する、とされるシナリオ3の検証を待たずして大賞を決定しました。
選考は難航しませんでした。今回のノミネート作品はすべて横並びのように感じられましたが、
いざ蓋を開けてみれば化け物が一体紛れ込んでいただけのことでした。

2011年のクソゲーオブザイヤーは、ノミネートされた7作品全てがシリーズタイトルと、完全新規タイトルのノミネートがない年になりました。
シリーズ化されている作品はもともと人気の出た作品であり、人気を下支えする面白さを見込むことの出来る、謂わば安牌のはずでした。
完全新規タイトルが減少する一方でシリーズタイトルのクソゲー化が相次ぐ現状に、ゲーム業界の暗い未来が案ぜられてなりません。

ここまで、長い文章にお付き合いいただきありがとうございました。気の利いた締めの言葉は思いつけませんので、
代わりにお気に入りの戯曲の台詞を改変して締めとしたいと思います。
"Kuso-ges everywhere-now and to come-I absolve you all. Amen!"
(「すべてのクソゲーよ、私はお前たちすべてを赦そう、アーメン」)

総評案28 (code_18)    

2010年のクソゲーオブザイヤー。
それを一言で現すならば「余りに強大すぎる門番にレベルを上げて物理で殴られた年」であった。
門番が強すぎると誰も城に入れないという当たり前ながらも
恐るべき事実を見せ付けられたスレ民は
「今年も強力なクソゲーが現れ、全てを跳ね退けてしまうのでは……」と恐怖しながら日々を過ごしていた。

だがそんなスレ民の予想はあっさりと覆される事となる。
何と10ヶ月近くにも渡る「クソゲー日照り」がスレを襲う事となった。
この前代未聞のクソゲー日照りによりいつの間にか、KOTYスレからは
クソ地雷やクソ爆弾が降り注ぐ戦場としての空気は完全に失われていた。
「今年はもうクソゲーが出なさそうだなぁ」
「大賞無しになった場合はどうしよっかー?」
「とりあえずサメの話しようぜ!」
スレは驚くほど平和であり、住民はのんびりとした生活を送っていたのである。
しかし平和は突如、破られる事となる。
何の前触れも無く。
たった一発の爆弾によって、のどかなスレは一瞬にして焦土と化した。

その爆弾の名は『code_18』と言った。

サイバーフロントから発売されたこの作品は
恋愛ADVの人気作Infinityシリーズの4作目であり
発売前はキャラデザに多少の微妙感があったものの
ごく普通のオーソドックスなアドベンチャーゲームであり
最悪でも過去シリーズファンが葬式状態になる程度のクソゲー、このスレに来る事は無いだろう――そう思われていた。
だが実際に蓋を開いてみれば、その内容は恐るべきものであった。
誤字、脱字は全編に渡って大量に存在し、テキストウィンドウから文字がはみ出す。
テキストに存在しない人物が表示されたり、夜なのに昼の背景が表示される。
電車の効果音が電車を降りても鳴り続け、ヒロインの回想内でも鳴り続き、部室内でも鳴り響く。
セリフと声優の演技が合致していない。
何とこれらは序の口であり『普通は力を入れるであろう山場』ですらこのゲームはミスを連発していった。
久しぶりに出会った父親の顔は画面外に見切れ
苦心の末に完成させたコスプレ喫茶なのに、画面では誰もコスプレしておらず
キャラルートの締めになるはずのCGが、何故か一瞬しか表示されないし
眼鏡キャラの眼鏡を外してキスをするシーンなのに、CGではヒロインの眼鏡が外れていない等
もはやどこに力を入れているのか全く分からない。
特にヒロインと『スカイタワー展望台』でのデートシーンという重要な場面で
何故か背景だけが『浅草寺』になるという
誰が見ても一発で気づくようなミスが発覚した時は、住人達は完全に大混乱に陥り
「浅草寺と書いてスカイタワーと読むのではないか」「念力でワープしたに違いない」
「デバッグは……デバッグはどうしたアァァッ!」と数々の悲鳴が上がる状況にまで陥ったのである。
またタイトルにもなっているcodeというのは『未来からのメール』を意味しており
全部で18個あるのだが使い方も非常に投げやりであった。
最終ヒロインでcode07~code15まで、実に全体の半分が怒涛の9連打送信されたり
codeは短くしか送られて来ないのだが、その理由も最後まで説明が無い。
そもそもメール数自体もおかしく、ゲーム全体を通すと、codeが19個以上送られているという意味不明さである。

システム面にも不備が存在し
既読スキップをONにしているのに読んでいない部分もスキップされたり
EDのCGがアルバムに登録されなかったりする。
さらにこのゲームは五人のヒロインがいるものの、完全に一本道のゲームであった。
攻略ヒロインは『選択肢』ではなく『周回数』で固定されているのだ。
その為、一度周回してクリアしまったヒロインルートにもう一度入ろうと思ったら
ニューゲームで一周目からやり直さないと絶対にヒロインルートに入れない。
仮にバッドエンドルート突入に気づかず、うっかりセーブデータを上書きしてしまうと一週目からやり直しになる等
どこを取っても手抜きだらけのクソゲーであった。

「code_18を略すと、C18。これはしじゅうはちと読める。つまりこれは四八(仮)の系譜に繋がるという事を意味しているんだよ!」
「みんなー、四八マンAAの弟子、C18マンAA作ったよー」
平和な時代を謳歌していたスレ民は突然の爆撃に右往左往しながらも
そんな感じで何とか体勢を整えつつ、クソゲーに立ち向かおうとしていた。
だがそこに新たな爆弾が直撃するのである。

その爆弾の名は『街ingメーカー4』であった。 

D3 PUBLISHERから発売されている『街ingメーカー』は
住民と実際に会話し、意見を取り入れながら街を発展させていくという
独自の方向性を目指した、本作で4作目となる人気シリーズである。
しかし何を思ったかこの4作目は、ゲームの売りとなる住民との会話を大幅に劣化。
グラフィックの向上に全てのエネルギーを使い果たしたのか
前作では建物に入り買い物まで出来たにも関わらず、今作では建物にすら入れなくなり
街行く人々の会話も「家に 帰ります」「寿司に 行きます」程度のどうでもいいような内容ばかり。
天候や季節の概念も消滅し、地形も一種類だけという
「本当にコレは街ingメーカーの続編なのか?」と疑わざるを得ないような内容だったのである。

だがこのゲームの酷さはこの程度のものでは無かった。
このゲームはポイントを貯める事によって建物を作る事が出来るようになる。
ポイントが振り込まれるのは、ゲーム内時間の24時で、その間プレイヤーは
自分が作った街をうろついて時間を潰す事となる。
しかし作られた街は建物にも入れず、住民もどうでもいい会話ばかり。
後になるほど建物に必要なポイントが増え、退屈な街で過ごす時間も長くなる。
「じゃあ過ぎる時間を早めたり、24時までスキップすればいい」
と思った方はこのゲームを買った事を心底後悔する事となるだろう。
何故なら『このゲームにスキップ機能は存在しない』からだ。
24時までは現実時間で10分以上。
その間、プレイヤーはたった二曲しかない環境BGMを聴きながら、延々と『待つ』しか無くなるのである。
ゲームクリアまで5~6時間、長くても10時間にも関わらず、ゲーム中は殆どが待ち時間に占められるのだ。
余りに長い待ち時間に「コレは『街ing』ではなく『待ing』だ」と呼ばれる程であった。

年末まで残り二ヶ月という所でまさかの二重爆撃を受けたスレ民。
だがスレ民は嫌な予感がしていた。
「本当に、この二発で終わりなのか?」と。
予感は的中する。
すでに爆撃機がこちらへ向かっていたのだ。
そしてさらなる爆撃によってスレは阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。

爆撃を行ったのはアクワイア。
爆弾名は『グラディエーターバーサス』である。

グラディエーターシリーズの第4作目として発売されたこのゲームは
電撃プレイステーションのバイヤーズガイドで
最低ランクの評価を獲得しているという『見えた地雷』であった。
ゲームを開始するとプレイヤーはまずキャラメイクをする事となるが、そこでいきなり暗雲がたちこめる。
公式PVでは『容姿の組み合わせは10000通り以上』と謳われているが
実際は種族・声・頭・顔が『3種類ずつ』、髪型が『6種類』、刺青が『18種類』だけである。
あとは肌と髪の色をカラーバーから選ぶだけ。
種族3×声3×頭3×髪型6×刺青18の実質2916通り+髪と肌の色選択であり、一万通りには到底届かない。
容姿に関係ない声を入れたとしても2916×3=8748と、やっぱり一万には届かない。
どう考えても水増し成分でしかない刺青を除外してしまうと486通りにしかならないのである。
最初からいきなりのPV詐欺を見せつけられつつも、我慢しながらゲームをプレイすると
様々なゲームシステムの問題に苦しめられる。

戦闘アクション部分は前作で人気だったはずの「ドッジ」や「パリィ」が何故か削除。
とにかく殴るのが基本になってしまい、戦闘の爽快感は大きく失われてしまった。
味方AIは酷い出来で、攻撃魔法の誤射で敵を援護したり、敵を引き付けているかと思ったら敵を引っ張ってきて戦況を不利にさせ
さらにはこちらのコンボ途中に割り込んで来てコンボを中断させてくる。
簡単な作戦や、味方のカスタム機能もついていないので、この『妨害してくるデコイ』は最後までそのまま使うしかない。(出撃禁止等も出来ない)

ゲームシステムにも不備が目立つ。
アイテムボックスは狭く整理しないとすぐに一杯になってしまう為、装備のコレクションは不可能であり。
キャラクタースロットも三種族いるのに何故か二つしかなく、作ったキャラを消さなくては全種族を楽しむ事も出来ない。
このゲームはレベルアップもあるが、装備ゲーであり、装備をいかに強化するかというのが大事になってくる。
だがその強化には多くの資金がかかる。
ミッションで敵がドロップしたアイテムは、何故か金で買うことになるし
装備箇所もやはり水増しされており、小手が右手と左手で別々扱い、脚甲が右足と左足で別々扱い
下着も上下で別々扱いとなっており各部に資金がかかる。
装備強化は宝石を使って行うのだが、宝石の取り外しや取り付けにも資金がかかる。
とにかく資金がかかる仕様だから、何度もミッションを繰り返す事となるが
何故か毎回ミッション開始・終了時のイベントムービーが挿入されしかもこれらのムービーは『全てスキップ不可』であった。
もはやプレイヤーに周回させる気が全くないのかと思える程である。
しかしシステムに関しての不備は、とある方法で解決する事が出来るのだ。
――それは『ダウンロードコンテンツ課金』である。
狭いアイテムボックスは課金によって拡張できる。
キャラクタースロットが2個なのも課金によって拡張できる。
容姿の組み合わせも課金によって幅を広げられる。
装備強化に必要な宝石も毎回イベントが挿入され、爽快感のないアクションを続ける必要など無い。
『課金ガチャ』によって装備強化宝石がガチャれるからである。

このように無料オンラインゲームも真っ青の課金システムを
パッケージ料金をしっかり取っているコンシューマーゲームで
当たり前のように採用してしまった『グラディエーターバーサス』は
スレ民から「剣闘士じゃなくて剣投資じゃねーか!」「アクワイアじゃなくてアクドイワだ!」と呼ばれる事となる。

10ヶ月以上、平和にさらされたスレに三連続の爆撃はかなりの痛手となった。
だが時はすでに十二月。
今年は三つの作品が戦い、しのぎを削る三国志の年となるだろう。
住民の誰もがそう思っていた。
だが住民達は忘れていた。
『年末には魔物が潜む』という事に。

十二月、一人の戦士が大きな気を纏いながらKOTYスレに特攻してきた。
その戦士はいきなり手からエネルギー波を発射するとスレを爆破、生き残ったスレ民達を素手でボコボコにし始めたのである。

その戦士の名前は『ドラゴンボール アルティメットブラスト』

近年、それなりの良作を出し続けて来たドラゴンボールシリーズから、まさかの『かめはめ波』であった。
PVでは非常に美しいグラフィックに、派手なエフェクト、そしてストーリーモードのアニメーションと
大きな期待を抱かせるような内容だったのだが
実際にプレイすると、それらが全てハリボテであった事に気づくのである。
まずは戦闘システムだが、戦闘システムは前作が難しかったとの声から大幅に難易度が下げられている。
だが、その難易度の下げ方に大きな問題があった。
難しい操作を殆ど削除してしまい、単純なルールが全てを決するシステムにしてしまったのである。
そのシステムこそが『クイックタイムイベント、略してQTE』であった。
QTEとはコマンド入力を求められるムービーのことである。
だがこのQTE、挿入される頻度が余りに多すぎるのだ。
攻撃、移動、必殺技などの殆どの動作にQETが入ってしまう。
少し動いたらムービー、少し動いたらムービーの繰り返しになり、非常にゲームテンポが悪くなっていた。
さらにこのQTE最大の問題点は『完全ジャンケン制』にあった。
QTEの本質とは『ムービー付きの相手が何を出すか全く分からないジャンケン』である。
つまりQTEは運によって成功、失敗が決まってしまうのだ。
そして、このゲームで勝とうと思うとQTEをいかに成功させるかにかかっている。
QTEを避けて通る事は出来ない。
腕やテクニックは関係ない。
このゲームは最終的に運が強い者が勝つのである。

もはや格ゲーではない何かになってしまったこのゲーム、残るはドラゴンボールキャラに頼るしかない。
だがキャラ部分も、余りに投げやりな作りとなってしまっていた。
確かにグラフィックやエフェクトは美しいのだが
上記のQTEムービーで行われる演出は、何と全キャラ共通で、何度も何度も再生されるためにすぐ飽きてしまう。
さらには売りであった大量のキャラクター参戦も
過去シリーズから何と100キャラ近く削除されてしまっていた。
ストーリーモードも、キャラを大幅に減らしたせいで、完全に歯抜け状態になってしまっている。
難しいの逆は簡単であり、単純ではない。
「子供を舐めているのではないか?」と言われても仕方ない出来のクソゲーであった。

恐怖のZ戦士という名の『年末の魔物』に蹂躙されたスレは、疲弊し尽くしていた。
この短い期間に、予想外の四連爆撃を受けたのだ。
だがゲーム発売リストを見ても、今後爆撃が起きそうな気配は無く、住民は疲弊していながらも安堵の表情を浮かべていた。
そんなスレ住民の足元で『カチリ』と音がしたのである。
住民達は思い出した。
爆弾は上から降るだけではない。
爆弾は、地面にも埋まっている、その事を――。

死に体の住民達を吹き飛ばした地雷の名は『Wizardry 囚われし亡霊の街』であった。

このゲームの発売は、1月27日。
選評が投下される10ヶ月以上もの間、アクワイアが仕掛けた、この地雷はひっそりと。
だが確実に、踏まれるのを待っていたのであった。
この『亡霊』はWizardryのブランド復活を目指す『ルネサンス』プロジェクトの第4作である。
と書けば聞こえはいいが、実はこのゲームシリーズ自体が実はそれなり手抜き作品であり
プログラムは同社が開発した『剣と魔法と冒険モノ。』からの流用が多く、ゲームバランスは『ととモノ』と酷似している。
(そもそも『ととモノ』自体が過去Wizardryのデータ流用で作られている)
ただプログラム流用は大きな問題を孕んではいなかった。
問題だったのは、『ととモノ』で想定されているレベルキャップが99であるにも関わらず
今作で無理やりレベルキャップを299まで引き上げてしまった事にある。
このゲームは敵にもレベルが設定されており、プレイヤー側同様にレベルに応じて能力が上昇していく。
だがプレイヤーの能力は、ある程度レベルが上がると頭打ちになってしまう。
にも関わらず、敵の能力は変わらず上がり続けていくのだ。
レベルが上がれば上がるほどプレイヤー側とのステータスの差が大きく開き
どうあがいても敵に先制されるようになってしまう。
そんな敵が集団で現れては、超高威力の物理攻撃で殴り殺してきたり、グループ対象の即死呪文や、気絶呪文を連発して来るのだ。
後半ではパーティを一ターン持たせる事すら出来なくなる。
ここに『亡霊』が長い間、地雷として気づかれなかった理由があった。
この問題は序盤では見えてこないが、ラストに近づくにつれてその姿を現してくる。
シナリオ1でもバランスは崩壊しているのだが
特に高レベルキャラが対象のシナリオ3では『敵とエンカウント=死』という方程式ができてしまうほどであった。
直撃すれば基本的に死んでしまうので、キャラは回避を重視して育成しなければならない。
その為、素早さが低い種族は殆どが死に種族となり
回避が高い防具は女性専用が多いため、男性は女性の下位互換という状態となっていた。
極悪な難易度のため、極悪な難易度のため、シナリオ3は特殊なPTでない限り
レベルをカンストさせなければまともに進められない程である。
だが、そのレベルリングも普通にやればカンストには数百時間
裏技を使用しても1キャラ10時間、6人パーティ全員となれば60時間と
レベルアップにかかる時間もかなりのものである。
この事により大幅に地雷の発見が遅れてしまったのだった。

さらに困った事に酷いのは戦闘バランスだけではない。
ダンジョンは探索していると頻繁に処理落ちし
キーアイテムで開く扉や、ダンジョン間で相互に連動する仕掛け等の凝ったギミックは無く
基本的に『レバーを探して引いたら、下へいけるようになる』の繰り返し。
修正パッチで頻度は大幅に下がったものの、未だ呪いのように残り続ける『セーブ不可能になるバグ』
さらにWizardry系では絶対にあってはならない『アイテムコンプ不可バグ』など
他のシステム面でも強烈なクソさを発揮していた。

亡霊のごとく過去より現れた地雷にスレ住民達は恐怖を感じていた。
今年は常識が通用しない。
有名タイトルの続編ですら危険なのだ。
何が起きてもおかしくない。
警戒していた住民達の足元で『カチリ』と音がした。
……そう、何が起きてもおかしくない。
ずっと埋まっていた地雷が『二つ』だったとしても、おかしくないのだ。

2月24日に埋められていた地雷は『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~』であった。

選評が来たのは十二月も終わりに差し掛かった所である。
経営SLGと恋愛AVGを組み合わせたこの作品は有名ギャルゲーの最新作である。
元々は18禁パソコンゲームからの移植作品なのだが、移植前からこの作品は酷評されており
「なぜ移植した。どんな判断だ」と修羅の国ですら言われていた『いわくつき』の作品である。
それでも元のゲームがギリギリの水準は満たしていた為
最強のクソゲー同士が戦うKOTYスレで話題になるとは思われなかった。
適度なアレンジを加えていれば、確かにそうだったのだろう。
だがpia4はアレンジどころか恐ろしい程の劣化移植をされ、修羅の国から侵略行為を開始したのである。
まず、シナリオだが移植の際に18禁に当たる部分は全て削除されている。
これは当然だ。
しかしこのゲームは削除された部分を何のフォローもせず、削り取ったまま移植してしまったのである。
この事により、シナリオはブツ切り状態になってしまい
「画面が暗転して明るくなったら、いつの間にか実の妹と男女の仲になっていたでござる」
「画面が暗転して明るくなってしばらくしたら、彼女が妊娠していたでござる」
プレイヤーが「何らかのスタンドによる攻撃を受けているのではないか?」と思わせられるようなシナリオ内容であった。
18禁シーンだけならまだしも、このブツ切り現象はシナリオ全編に渡って散見される。
何の前触れもなくいきなり「一緒に花火を見よう」と言われ
何の前触れもなくいきなり「好きよ」と言われ
何の脈絡もなくいきなり恋人同士になる。
シナリオには『事件』『山場』そういった要素が一切無い。
主人公達は淡々と出会い、当たり前のように仲良くなり、いつの間にか暗転し、男女の仲へとなっていくのだ。
キャラ設定も基本的に酷く、いきなり新たなキャラ設定が出現したと思ったら
次の日にその設定が完全に忘れ去られ、二度と触れる事がなくなってしまう。
つまりこのゲームシナリオはあらゆる事が唐突で、繋がりがない。
全て点で構成されているようなシナリオなのだ。

残ったSLGパートも「不要だ」と言われても納得してしまうほど、不要である。
様々なパラメーターがあるものの、途中のストーリーに影響を及ぼさず
狙っているヒロインがいる部署に狙って移動する必要もない。
どの部署にいてもヒロイン攻略は可能である。
頭を使う必要もなく、序盤に二回休養して後は基本的にデリバリーをし続けるだけでクリアできる。
では何の為にSLGパートは存在しているのか。
答えは『エンディング分岐のためだけ』である。
このゲームは恐ろしいことに、SLGパートでパラメータが足りない場合
いくらAVGパートで女の子と仲良くなっていても、バッドエンドになってしまうという仕様になっている。
AVGパートで付き合っていようが、キスしていようか、男女の仲になっていようが関係ない。
パラメータが足りていなければ問答無用でバッドエンドである。
バッドエンドで主人公が、妹に向かって
「ほんとこの一ヶ月はなんだったんだろ。よくわかんね」と言うが。それはこっちの台詞である。
しかもこの言葉、男女の仲になった妹の目の前でも、全く気にせず言い放つ。
つまりSLGパートがAVGパートと上手く融合できていないのだ。
これが「こんなモノ最初から無かった方がいい。不要である」と言われる所以であった。

さらにはシステム面にも欠陥があり
読み進めるためにボタンを押しているだけなのにプチフリーズしてしまったり
セーブデータ数が増えると読み込みに三十秒近く時間がかかる等では飽き足らず
セリフとボイス内容の食い違い
見たことのないCGが勝手にアルバムモードに追加
画面スクロールで処理落ち、それどころか文字が流れるだけで処理落ちが起きる。
他にも背景のクオリティが異様に低く
競技場がサバンナにしか見えないような異次元空間が他にも『多数』構成されていたりと
様々な部分でバグや不備の目立つクソゲーであった。

――もはや六連爆破を受けたスレはボロボロで、スレ住民は力尽きようとしていた。
しかしすでに年末。
もはやソフトも出尽くした。
これ以上クソゲーが出るはずもない。
「今年は凄かったなぁ。最後の最後でで六連発とは」
「2008年を思い出したよ。七英雄の再来かと思った」
「ハハハ、おいおい、フラグたてんじゃねぇよ」
そう笑いあう住民達の足元で『カチリ』と音がした。
きっと踏んだ人間には「……逃さん……お前達だけは……」という言葉が聞けたに違いない。
そう。

――七英雄、降臨の時であった。

スレに止めを刺すべく現れた地雷は、あのクソゲーマイスター『タカラトミー』製。
しかもスレ民が非常に慣れ親しんだ作品でもあった。

その名も『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』

「こんな常連は必要ない」「またお前かいい加減にしろ!」そんな罵声を完全無視し
堂々の『KOTY三年連続ノミネート』である。
さて、このゲームの内容であるが、良く言えば『2010年にノミネートした人生のバージョンアップ版』(公式発表)。
普通に言えば『ご当地ネタ』という、おおよそ人生ゲームとは無関係の追加要素を加えただけの焼き直し。
悪く言えば『バージョンアップした事で前年より悪化したクソゲー』である。
使えるキャラクターは男5人+女5人で、たったの10人。
キャラメイクどころか、相変わらず名前も変更できず、キャラが年を取ることもない。
結婚イベントで結ばれる相手も、このプレイヤーキャラからの使いまわし。
BGMもマップとミニマップに一種類ずつと、相変わらず少ない曲数であるにも関わらず、曲は2009年人生の使いまわし。
前作にもあった通常モードと幸福モードだが、前作から引き続き幸福モードで現金重視に動き回るクソAIは一切の変更無し。
カードとミニゲームも前作に引き続き絶賛リストラ中。
仕返しマスも存在せず、天使と悪魔は――もはや言うに及ばずである。
イベントも被りまくりで、数時間のプレイで同じイベントを何度も見る羽目になり
『家に財布を忘れた、"4000万円』等の投げやり感も完璧である。

そんなクソだった前作から何も成長していない、この作品だが一つだけ確実に追加されている部分がある。
それはタイトルにもある『ご当地ネタ』だ。
この部分は確かに追加されている。
だが追加される事によって必ずしもプラスになるとは限らないのである。
追加された『ご当地ネタ』は単なる豆知識紹介レベルであった。
食べ物ネタが多い割には、基本「おいし~」しか感想を言わず
地元民に喧嘩を売ってるのかと思うほどに、名産品の扱いが酷い。
「熊野筆はくしゃみを出すのに便利」や、「加賀友禅の小物入れは入れ歯を入れるのに便利」と言われれば
さすがに怒りも沸いてくるというものである。
さらに『長野ではカラオケで長野民謡を絶対歌う』というような嘘知識まで混じっている。
そもそも桃太郎電鉄のように地域色溢れるゲームならまだしも
人生ゲームに『ご当地ネタ』は必要だったのだろうか?
他にもっとバージョンアップすべき部分が大量にあるはずである。
さらに中身は殆ど変わっていないにも関わらず、クソゲーとされた前作と同じ6,090円と強気の値段設定には
「ダカラゴミー」「ご当地じゃなくて誤当地の間違いだろ」と言われても仕方ないクソゲーであった。

そして七英雄が去った後には、焦土だけが残った。
十月までののんびりとした日々は何だったのか。
終わってみれば2008年の悪夢――いや、それ以上のクソゲーが暴れ回る過去最悪クラスの年であった。
それでは今年、全ての候補が出揃った所で、大賞を発表しよう。


 七つのクソゲー達から見事栄冠を勝ち取ったのは『code_18』である。


何故『code_18』なのか?
それには大きく分けて『三つの理由』があった。

一つは、『ゲームが一本道なのに、その一本道がクソ』という点である。
ゲームというものは、基本的に様々な選択によって、プレイヤー独自の楽しみ方が生まれるものだ。
時に製作者が意図していないような『横道』に楽しみを見つけ、驚くような遊び方をするプレイヤーもいる。
だがcode_18は選択肢に殆ど意味を持たず、全てが一本の道となっている。
他のゲームならば『横道』となるであろう各ヒロインとのエンディングは存在せず
シナリオ上の都合によって全ては無かった事にされてしまう。
それならばメインがしっかりとした作りなのかと言えば、それは確実にNOである。
サブストーリーの為にメインストーリーが死んでいたり、
シナリオはいいのにゲーム部分が死んでいるためにクソゲーになっている作品は沢山ある。
それなのに、このゲームはメインストーリーしかないのにメインストーリーが死んでしまっているのだ。
どんなプレイ方法をしたとしても、全てのプレイヤーが確実に『夕焼けの浅草寺(スカイタワー)』に遭遇してしまうし
どうあがいても『コスプレしていないコスプレ喫茶』に入る事になる。
盛り上がりそうなシーンで、誰一人の例外なく、ゲーム自らが全てをぶち壊してくれるのだ。
さらに言うならば、メインしかないならばメインをしっかり調整すればよかっただけの話である。
このゲームの最悪な所は
特殊な操作を必要とする事無く
長い時間をかけて初めて遭遇する事無く
誰でも通る一度でもプレイすれば気づける場所に
簡単に修正できるようなバグを
大量に放置してしまった部分にあった。

二つ目に『このゲームは何の新しい試みも行っていないのにクソ』という点である。
お気づきの方も多いだろうが、今年のノミネート作品は全てがシリーズ作品の続編である。
実は今年のノミネート作品は、追加された新要素によって、クソゲーと化してしまった作品が多い。
例えばUBは新要素のQTEがゲームの癌になってしまっているし
誤当地は追加されたご当地要素がゲームにマッチせず、むしろ評価を落としている結果となった。
剣投資も新要素の魔法を追加した事によりバランスが崩れ、本格的になったオンライン要素がそれに拍車をかけている。
新要素の追加はシリーズ物の宿命だが、残念ながらそれがゲームに適合せず
最終的にはシリーズ物の終焉に結びついてしまったケースも多々ある。
だが『code_18』はごく普通のアドベンチャーゲームである。
アクションやシミュレーションのような要素は全く無く、独自のシステムも存在しない。
むしろ過去作であった独自システムを排除し、さらにシンプル化してしまっている程である。
にも関わらず、単純な背景表示すらこなせないのは余りにも杜撰ではなかっただろうか。

さらには『同日発売されたPSP版の存在』も大きかった。
実は『code_18』はマルチプラットフォーム対応であり、XBOX版とPSP版が全く同じ日に発売されている。
何とこのXBOX版とPSP版『同じ日に発売されたのに、仕様が全く違う』のである。
PSP版では箱版になかった『クイックロード・クイックセーブ』が存在し
顔が見切れていたキャラクターはPSP版ではちゃんと頭まで表示され、髪飾りまで見えている。
箱版では飛ばせない時間をループする時に表示されるムービーは、PSP版ではスキップ可能で
箱版では一瞬しか表示されなかったCGも、PSP版ではフェードが使われ、ちゃんと視認できるレベルとなっている。
さらにPSP版は、クリアした各ヒロインルートへのショートカットが可能で
一度選んだ選択肢にも色がつき、どの選択肢を選んだのかちゃんと分かるようになっている。
上記のように安い携帯版が、高い据え置き版より完成されて発売されているというあり得ない事態に
スレでは「まさかの同時発売劣化移植」「前代未聞、同日完全版商法」とまで言われる事となる。
ともかく、この事は『修正すべき点があった』という事をメーカーが認めている事に他ならない。
それならば箱版もせめてPSP版と同じレベルにまで修正するというのが道理というものであろう。
だが箱版code_18には現在も修正パッチは来ていない。

今年発売されたクソゲー達は、全てが独特の個性を持っており、大賞選考は非常に難航した。
どのゲームのクソさも非常に高レベルに纏まっており、住民からは「今年は決まらないのではないか」と声が出ていた程である。
どれが大賞でもおかしくない負けず劣らずのクソゲー達ではあったが
以上の三点が評価され「code_18」が見事、大賞を勝ち取る結果となった。

2011年。
思い返せば、それは未曾有の大災害が日本を襲った年であった。
現実という枠から遠い存在であったはずの、ゲームですらその影響を受け
多くのタイトルが発売延期や発売中止となってしまった。
『クソゲーはゲーム業界全体の持つ活力の、一つのバロメーター』
そんな名言が現すように、十ヶ月という気が遠くなるような長い日照りは
まさにゲーム業界の終焉すら予感させるものであったのかもしれない。
しかし終わってみれば何と7作ものハイレベルなクソゲーに恵まれていた年であった。
草も生えないような活力が無く、不毛だと思っていたはずの大地には
しっかりとクソゲーの根が張り巡らされ、大きく花開いていたのである。
ゲーム業界は終焉を迎えようとしていたのではない。
むしろ、これからなのである。
それは七つも生れ落ちたクソゲー達が、確かに証明してくれているのだ。

余談ではあるが、code18には未来へ飛ぶ事のできるタイムマシンが登場する。
タイムマシンの名前は『ドラゴン号』。
奇しくも来年は辰年である。
未来へと向かうタイムマシンにあやかり、辰年である来年こそは
光かがやく、明るい未来に向けて進んでいると信じたいものである。

それでは最後に、大賞を見事勝ち取ったcode18から
主人公とヒロイン『ひかり』のエンディング会話を借り、KOTY2011の締めくくりとしよう。


「なぁ、ひかり」
「何?」
「次のドラゴン号の名前を、今、決めたぞ」
「あのクソゲー開発、まだ続けていくんだ」



「次の飛行ユニットの名前は、ドラゴン号C18(仮)だ!」

総評案29 (人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ)    

2010年、最強の門番ラストリベリオンの『レベルを上げた物理』に殴り倒され
数多のクソゲー達が門前払いを食らい、散っていった。
その偉業にクソゲー達も恐れをなしたのか、2011年は稀に見る不作の時期が続く事となる。


KOTYスレ住人達が10ヶ月もの太平の時を謳歌し
今年は大賞無しの声も挙がる中、平和ボケを砕くかのようにそれは現れた。

『code_18』(Xbox360・サイバーフロント)

名作ADVとして名高い『Ever17』や『Remenber11』等の「infinity」シリーズの新作として
「6年ぶりのシリーズ再始動!」と銘打ち、ファンの期待を一身に背負い発表された本作。

さて、この作品、時間をテーマにしてはいるが、「閉鎖空間からの脱出」という
シリアスな物語の前3作とは打って変わって、恋愛メインのオーソドックスな学園物になっている。

恋愛ゲームといえば、好きなキャラを攻略するものである、優柔不断な人はキャラを選ぶのに悩むだろう。
だが安心して欲しい、この作品はそんな人に優しい「周回ごとにヒロイン固定」というシステムである。
更に、キャラのファン同士を対立させないように「シナリオの流れがほぼ同一」という公平な配慮。
選択肢も極少、BADとGOODENDを分ける物だけというシンプルな作りで、ADV初心者にも優しい。

次に演出面を見てみよう。

誤字・脱字・脱文は当然の如く完備。
天候が回復したはずなのに背景が豪雨のまま行われる野外ライブ。
真っ暗なお化け屋敷なのに明るい背景。
コスプレ喫茶で制服のままのヒロイン。
「眼鏡を外してキスしている」のに眼鏡をしたままのCG。
テキストにも話題にも上がらないキャラの立ち絵が表示され続ける。
立ち絵の切り替え時、対象キャラが2人に分身する事がある。
電車の音が電車内→ヒロインの家→ヒロインの回想→科学部部室まで延々と流れ続ける。

このゲームは前述の通り、時間を扱ったループ物だが
何も演出にまで「時間どころか空間を超越した」演出を入れなくても良かったのではないだろうか。

中でも話題となったのが
ヒロインと『スカイタワーで夕日を見る』シーンで、背景が『昼間の浅草寺』という演出。
「こうしていると…」「まるで恋人みたいだな」と二人の会話が進むと
それに合わせて浅草寺が『昼間』から『夕暮れ』へと変化する事から
スレの中では『浅草寺』は『スカイツリー』と読むという説も定着した。

シナリオ面も見逃せない。

表題である「code」とは未来からのメールであり、物語のキーである。
そのキーをプロローグでの2通を除き、4周目までまったく出さない事で飢餓感を煽り
最終章で怒涛の9連続で送りつけてくるという、ある種の爽快感を伴うやり方を採用
9連続実績解除のカタルシスは、ボタンを連打するとフリーズしてしまう程であった。

回収されてない伏線は上級者への挑戦とも取れるだろう。

本作のプロデューサーは雑誌インタビューにて
「code_18はInfinityシリーズの入門編のようなものです」という言葉を残し
これまで何度も宣伝に使っていたツイッターを、発売当日に非公開にするという行動に出た。
しかしこの言葉と行動の謎も解く事ができるのである。

プロデューサーは過去作ではただのデバッガーだった、という事実を紐解けば
「開発陣側が(ゲーム制作の)入門編として作っていた」という真の意味が出てくるのだ。

そんな難解じゃ自分には読めない、という人も安心して欲しい。
限定版のブックレットにシナリオライターの村田治氏のありがたい訓示がある。
「考察せずに軽く読め」(意訳)

最後に、本作品はPSP版との同日発売なのだが、そちらにはXBOX版にはない
クイックセーブ・クイックロード、ショートカットが揃えてあり
電車音バグ、分身バグ等が削られている。
つまり、本作は「同日劣化移植」という未だかつてない偉業を達成したのである。

クソゲーに飢えた住人達の前に現れ、圧倒的なインパクトでスレを沸かせた『code_18』
ADVジャンルであり、また稀有な特性を持ったクソゲーとして『四八(仮)』の系譜を継ぎ
「c18(しーじゅうはち)」と尊称されAAまで作られるようになった。



C18マンがスレに定着し、このまま大賞が決まるのではないかという空気の中
11月23日が『静』と『動』の双剣を携えてスレを強襲した。


まずは『静』のクソゲーを紹介しよう。

『街ingメーカー4』(PS3/Xbox360・D3 PUBLISHER)

『街ingメーカー』シリーズとは、「街づくり」を楽しむシミュレーションゲームである。
このシリーズが他のシム系と一線を画すのは
一人一人の住民に個性があり、会話や買物をしたり不満を解消してあげることで街が発展する
といった、AVG要素にある。

今作はこういった要素をバッサリと削除、建造可能な建物も大幅に削り、単純化に成功している。
シム系で頭を悩ませる「税率・条例の制定」や、「災害・犯罪への対処」「電力・水道等のインフラ整備」
それらの要素も削る事で、プレイヤーの思考時間すら削減してくれるのだ。

クリア基準も「人口を○○人まで増やせ!」の1種だけであり
天候や季節の概念も無く、地形は1種、BGMは昼夜2種という非常にシンプルなスタイルである。

住民に話しかける事もできるが、これも至って単純な
「ラーメンに行きます」「うどんそばに行きます」「夜更かししすぎた」」「最近部下の目が冷たい…」
と言った事を繰り返し呟くだけなので、プレイヤーが住民の話を聞く楽しみの削減にも成功している。

そして、なんと言っても本作を語る上で外せないのが
ポイントを貯めて建物を建てる、というシンプルなゲーム進行である。

一日の開始にもらえるポイントを消費して、建物を作る、それだけである。
他に住人の不満(職場が足りない、学校が足りない、等々)を解決すると
不満を出していた建物の上にポイントを入手できる星マークが出現するが
一日の開始に貰えるポイントの1/10程度なので、不満解消プレイをする気力も削ってくれる。

つまり、ゲーム時間での一日(実世界で約10分)を待ち、ポイントをもらい
建物を作り、そして次の日を待つ、という事を延々と繰り返すのだ。

クリア後にはフリーモードというポイントの要らないモードが出現するが
これまた、売りの一つである「実在の企業の店舗」を建てるには待つ必要があり
既存シムゲーからあらゆる要素を削ってシンプル化した本作は
ついには『プレイヤーがコントローラーを握る時間』の削減にすら成功したのである。

プレイ時間よりも待つ時間が長い事から
いつしかこのゲー無は『待ing』の愛称で呼ばれ、選考の時をひたすら待つ事となった。


続いて『動』のクソゲーを紹介しよう。

『グラディエーターバーサス』(PS3・アクワイア×娯匠)

『グラディエーター』シリーズとは、古代ローマの剣奴をモチーフにした対戦格闘アクションであり
シンプルだが、ドッジ(寸前回避)や、パリィ(攻撃弾き)といった要素による駆け引きが熱く
剣奴が自由を勝ち取る為に命懸けの戦いをしていくゲームである。

今作は表題の剣闘士を傭兵に変更、魔法を追加するという大胆な路線変更が成された。

まずはキャラクターメイキングを見てみよう。
公式PVでは「容姿の組み合わせは10000通り以上」と謳われている。
しかし、種族(性別固定)・声・頭・顔が3種類ずつ、髪型が6種類、刺青が18種類
実質2916通りと、髪・肌の色選択というのが本質だ。
公式サイトの「こだわりまくれ」というメッセージには
少ない素材で本気でやりくりする事を、我々に学んで欲しいという願いが込められているのだろう。

続いて戦闘を見てみよう。
本作はプレイヤー+味方NPC2名 vs 敵COM3名の、3vs3の形式が基本となっている。
味方NPCにカスタマイズ要素は一切無く、AIによって行動するのみ。
そして、そのAIが実に見事な動きを見せてくれるのだ。
コンボ中に横槍を入れてくるのは当然、1vs1の状況に敵を引き連れてこちらに押し付ける
後ろからプレイヤーに魔法を浴びせてくる、敵に装備を提供する、など
ドッジ(寸前回避)や、パリィ(攻撃弾き)が削除され、ボタン連打が基本となってしまった本作の単調な戦闘に
彼らは実に歯応えのある状況を提供してくれる存在だ。
「無能な味方は有能な敵より恐ろしい」という格言を実感できることだろう。

ユーザーサポートも篤い。
味方のAIに対するユーザーの声もちゃんと聞き、答えを返してくれた。
アップデートで敵のAIと魔法を強化、味方のAIは据え置きという、更なる難易度の提供である。

そして、とても身近な公式。
「ゲームについて気になっていることや聞きたいことは、ブログコメントにも寄せてくれたらうれしいです 」
とあったので、いくつかの質問・批判コメントが書き込まれると
それに対して開発者は、凶悪な装備とステータスのキャラでプレイヤーを虐殺するイベントで応え
煽られたら怒るという実に人間臭い一面も見せてくれた。

最後に、一番重要なシステム周りを見てみよう。
間違って飛ばさないように、ムービースキップは一切できない配慮。(EDとスタッフロールのみ可)
ほぼ全てが「3体倒せば3体出現する」「1体倒せば1体出現する」という頭を使わずに済むミッション。
自由度の低いステータス強化も、どれを伸ばすかというプレイヤーの悩みを解消してくれる。

ミッションクリア後の装備品買取、装備強化用の素材入手、素材合成、装備強化
あらゆる場面にゲーム内通貨が必要になり、お金の大切さを教えてくれる。

お金の大切さを教えてくれる要素はそれだけではない。
同種のアイテム・装備品がスタックできない上に異常に狭いアイテムボックス。
3種族いるのに2枠しか存在しないキャラクター作製枠。
入手に手間の掛かる装備強化用の素材。
再設定できないスキル・ステータス。

これらすべてを解消してくれるのが『有料DLC』である。

特に注目したいのが装備強化用の素材である「宝石」の販売だ。
この有料DLCはランダムのガチャガチャ形式になっており
プレイヤーが欲しがる素材の入手確率を下げ、代わりに中毒性を上げている。
DLC紹介ページで「ライバルに差を付けろ」とプレイヤー同士の課金合戦を煽る事も忘れてない。

ここまで読んだ方の一部はお気づきだろう。
表題の剣闘士やシリーズに出てきた奴隷は何処へ消えたのか?
そう、『剣闘士』は『剣投資』と名前を変え、課金プレイヤーは公式の奴隷と化したのである。

この事態を予想していたウィルスバスターは、発売前の公式サイトに対して
「オンライン詐欺に関係している兆候があります」という警鐘を打ち鳴らしていた。
まことに素晴らしき慧眼である。



振り下ろされた双剣が大地に付けた傷跡も癒えぬまま、冬も真っ盛りのスレに
「スレがやべぇってのにオラなんだかワクワクしてきたぞ」と超戦士が舞い降りた。

『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(PS3/Xbox360・バンダイナムコゲームス×スパイク)

漫画及びそれを原作とするアニメ『ドラゴンボール』をゲーム化した作品で
今作は次世代機4作目にあたり、同じくスパイク製DBである『スパーキング』『レイジングブラスト』の
後継作品である事が期待されていた。

だが、本作では大幅な改革が行われており、スレを混乱の渦へと叩き込んだ。

まず、この作品を語る上で一番重要なQTE(クイックタイムイベント)を見てみよう。
QTEは「操作が難しい」というユーザーの声に応え、実装された画期的なシステムである。
操作も説明も簡単、ボタン連打とあいこが無い2択ジャンケンの2つだ。

これを取り入れた事により、ボタンさえ押せれば、小さな子供~お年寄りまで
幅広い人間がプレイ可能な作品となっている。
しかも、攻撃、移動、必殺技、殆ど全ての行動でQTEが発動して度々操作が途切れる為
これまでのシリーズでテンポが早すぎてついていけなかった人も安心だ。
演出は全キャラ共通で差別無し、プレイの上手さも影響しないので
キャラクターだけでなく、プレイヤーの無個性化にすら成功。
延々と単純な作業に没頭するプレイヤーは、さながらムービー再生機の一部である。

続いて登場キャラを見てみよう。
この作品には、あらゆる作品で出番の多い人気キャラの一部を休養(欠場)させ
マイナーキャラにスポットを当てるという、キャラクターへの優しさを持つ。
具体的にはトランクス(格闘)、悟天、トランクス(幼年期)、悟飯(青年期)、ダーブラ等を休ませ
栽培マンやセルジュニア、キュイを採用。
キャラへの配慮より、プレイヤーへの配慮が欲しいところである。

これによってストーリーに大幅な圧縮を掛ける事にも成功。
ダイジェストを通り越して『つまみ食い』レベルのストーリーは
引き伸ばしの多かった原作アニメに対するアンチテーゼなのかもしれない。

また、ストーリーモードではドラゴンボールを集める事で、神龍、ポルンガから
隠し要素を開放する願い事を叶えてもらえる。
50個近くあるステージから僅かなヒントを元に、ドラゴンボールを求めてマップをひたすら彷徨う作業は
単調でイライラする要因なのだが、大雑把な地図を元に宝探しをしているような物なので
「幼き日のワクワク感を味わって欲しい」という製作者の心遣いなのだろう。

そして、本作の目玉の一つ、アバターモード。
パーツを組み合わせて自分好みのキャラを作成し、IFストーリーを楽しむモードだ。
人種はサイヤ人固定、選べる体型は軽量、標準、重量の3種類、服装や声は10種前後。
パーツが少なく、子供が友達の家で見たキャラを容易に再現できる親切設計。
何故かIFストーリーより戦闘がメインなので「早く戦わせろ」といった不満も出しようがなく
体型で習得できる技が限定されているので、何度も無駄足を踏みつつ探す楽しみがある。

このゲームは昨今のコンボゲー蔓延に警鐘を鳴らすと同時に
技術を競う必要の無い、人を選ばないゲームシステムを搭載したと言えるだろう。
ただ、「腕を磨き、技術を競う楽しみこそ対戦アクションゲームの一部ではないか?」
という疑問に答える部分は持ち合わせていない事は記しておく。


超戦士がスレ住人の元気を勝手に奪い取り、スレから生気が失われると
それに呼応するかのように過去から亡霊が蘇った。

『Wizardry 囚われし亡霊の街』(PS3・アクワイア)

30年の歴史を持つダンジョンRPG『ウィザードリィ』
そのブランド復活を図る為に複数の会社が立ち上げた、「ルネサンス」プロジェクトの最新作である。

本作は当初、セーブ不能バグや、火力一辺倒なバランス、単調なダンジョン内容から
スレに持ち込まれた事はあったが、セーブバグがアップデートにより緩和され、長く地中に潜伏。
再び蘇り、スレを襲ったのはシナリオ3による完全なるバランスの破壊が切っ掛けである。

wizシリーズとは、基本的に重厚なストーリーも美しいムービーも存在しない。
キャラクターも必要最低限のグラフィックのみで、設定等はプレイヤーの想像に委ねられ
ある程度必要とされる種族や職業は存在するが、基本的に自由に選んで遊べるのが特徴でもある。

また、このシリーズ楽しみの一部を紹介すると
ダンジョンに潜り、強敵を倒し、トラップを避け、アイテムを獲得し
更なる深部へと進む達成感や、戦利品の獲得による蒐集の喜び。
危険な敵を避けたり、状態異常魔法で対処したり、強化・弱化魔法の駆使による戦略性も味の一つであり
ダンジョンに存在するリドル(謎掛け)や、仕掛けや隠し扉を開放していくのも醍醐味だ。

本作はそれらの要素を「ロスト(抹消)」するという斬新な手法を取った意欲作である。

シナリオ1、2に於いては
火力特化の戦闘バランスは、強い武器で殴るという単純な答えにより戦略性をロスト。
当たれば即死という無駄に緊張感を持った戦闘を強いられる。
崩壊した戦闘バランスは有力種族や職業を限定化し、パーティ編成の幅をロスト。

スイッチ切り替えだけのダンジョンの仕掛けは、考える楽しみをロストし
完治してないセーブバグは、装備やレベルを整えた時の安心感すらロスト。
照明魔法を使ってさえ一歩先もろくに見えないフロアは、探索の快適さをロストし
行動不能状態の敵の数さえ表示しない仕様は、初代から連綿と続く過去作の仕様をロスト。
さらに、DLCで装備やアイテムをリアルマネー販売する事でアイテムの価値すらロスト。

シナリオ3ではさらに
アイテムリストが開発のミスで埋まらない事により、蒐集欲を満たすことをロストし
プレイヤーは特性値(ステータス)限界を迎えているが、レベルキャップ解放により敵が際限なく強くなる為
常に先制攻撃でPTを全滅or半壊させてくるというエンカウント=全滅という図式により
強敵と戦って勝利する、というRPGなら当たり前の要素すらロストしてしまっている。

エンカウント=全滅を乗り越えるには
数百時間に及ぶレベル上げ、或いは資金バグを使い数十時間掛けて経験値を買う事だ。
しかし、レベルカンストまで行ってもエンカウント全滅が、1ターン保つ程度になるだけである。

だが、シナリオクリアに対してだけは、公式は明確な攻略法を用意してくれてある。
「エンカウント阻止」アイテムの存在だ。
これは特定のモンスターがドロップするアイテムだが、DLC(リアルマネー)で買える。
装備して通常敵を回避し、ボスまで辿り着けばクリアは目前。
ラスボスはシナリオ2クリア程度でも撃破可能という設計になっているからだ。
(他に移動しながらこまめにセーブし、全滅したらロードという選択肢も許されている。)

ただし、このゲームのユーザー層がクリアを目的としてるかどうかは甚だ疑問である。
本作は最終的に熟練者を持ってしても「我々の業界でも拷問です」と言わしめた。

かくして、本作は様々なシリーズの人気要因や、RPGでは当たり前の要素を「ロスト」することで
「ゲームの存在意義すらロストする」という結末を迎えた。

さて、何故この作品がかくも崩壊したバランスに陥ったのだろうか
その答えを解くキーワードは、やはり『亡霊』だ。

本作は『剣と魔法と学園モノ』のソースコードを流用している。
そして『剣と魔法と学園モノ』は、倒産した会社「マイケルソフト」の作品
『Wizardry XTH2』のソースコードを流用している。(その開発者はアクワイア在籍ではない)

お分かりだろうか?

全ては過去から蘇った『亡霊』の怨念であることが。

スキルやレベルキャップの仕様、装備品やステータスの数値、陣形システムや相性補正。
ゲームというのは、あらゆる要素で成り立っている。
しかるに、ソースコードだけ流用し、数値の調整を怠けたら、できあがるのは当然クソゲーなのだ。

DLC限定販売で実体が存在しないこの作品は売る事もできず、叩き割るディスクも存在しない。
どこまでも『亡霊』として購入者を苦しめ続けるだろう。



『亡霊』によりスレ住人が精も根も尽き果てた頃を見計らったかのように、更なる伏兵がスレを襲う。


『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活』(PIACCI / カクテル・ソフト)

本作はファミリーレストランを舞台に、そこで働きながら同僚の女の子と仲良くなりカップルを目指すゲーム
『Piaキャロットへようこそ!!』シリーズの最新作である。

本作が長く潜んでいた事には理由がある。
18禁ゲームとして発売された物を移植した本作だが
たとえ低品質ゲームでも、「まともにプレイできるだけマシ」とする修羅の国(18禁ゲーム界)ですら
「エロぐらいしか取り柄がない」と、ボロクソな評価だった代物を移植するという
完全に誰得の所業であり、見えている地雷を踏む勇者の登場が遅れたからだ。

当然、コンシューマー移植に際して、18禁要素は完全にカットされている。
さらに攻略キャラも一人削減しているのだが、削られただけで補填が何も無いわけではない。
僅かばかりの新規CGと、バグや処理落ちを追加してくれているのだ。

さて、本作のシステムはSLG+ADVである、まずはSLGパートを見ていこう。
容姿・優しさ・根性・仕事・体力・学力・不評・体調、と実に多岐に渡る能力がある。
主に仕事場で選ぶ部署、自室での鍛錬、勉強によってこれらは増加していく。
これだけ見て、「複雑じゃないか?」と思う諸氏よ、ご安心を。
SLGパートのパラメーターとは、一言で表すなら
「エンディング分岐のためだけの存在」だからだ。
仕事場では「デリバリー」を毎回選べば必要パラメーターも上がり
必要イベントにも遭遇するという親切な作りになっているので、考える必要すら無い。
パラメーターを上げたところで、それによるイベント発生も分岐も存在しない。

次にADVパートである。
このゲームは隠しキャラ1人を除くと、毎日朝晩ひたすら攻略対象の場所に移動し
会話イベントを発生させ続けなければならない。
たとえイベント中にそっけなくされたり、拒絶されても、ただひたすらに。
1日2回、仕事後の会話イベントを含めると3回、攻略対象を選択する必要がある。
これを約30日もの間繰り返す。当然、休日も攻略対象に合わせなければいけない。
現実ではしてはいけないストーカー行為を、本作では強いられるのである。

グラフィックはどうだろうか。
サバンナと言った方がしっくりくる陸上競技場(競技場の中にまで木が生えている)
7月終盤から始まり、ゲームの大半は8月の話だが、部屋のカレンダーは最後まで7月のまま。
キャラの半分はできるだけテキストウィンドウから上を見たくない、とは購入者の談である。

では問題のシナリオ部分に話を移そう。
冒頭で述べた通り、本作は18禁要素をカットしてある。
そしてそれを補填する会話の追加は一切行われておらず、18禁シーン前後の会話は未収録となっている。
それによって
格ゲーしてたら彼女ができた。
EDで7ヶ月経って再会したヒロインが妊娠していた。
兄妹喧嘩して、即仲直りしたらなんか愛情が芽生えたので実妹と一線越えた。
というシナリオが展開され、プレイヤーに想像の余地を溢れんばかりに与えてくれる。

これらは一部に過ぎないので、興味を持った方はスレに現れた勇者が残した
選評と130kbを越える手記を見る事をお勧めしたい。

最後に、SLGパートで触れたエンディング分岐について語ろう。
このゲームはパラメーターが必要水準を満たさなければ
どんなに女の子と仲良くなろうと、問答無用でBADENDになるという斬新な仕様を搭載している。
主人公はBADを迎えると、「この一ヶ月はなんだったんだろ。よくわかんね。」
という言葉を、妹に向けて言い放つのだが
それはたとえ『ヒロインを妊娠させていても』『実妹と一線を越えていても』である。
こんな破天荒な結末も、鬼畜ゲーを嗜む方々にとってはご褒美なのかもしれない。

やがて、「Pia4(ぴあふぉー)」は「Pアフォ」と称される事となった。



スレは年の瀬を迎え、総評のまとめが始まろうという頃に、最後の使者がスレに訪れる。

『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(タカラトミー)

KOTYではお馴染みのあいつが更なる進化(マイナーチェンジ)を遂げて戻ってきたのだ。

使えるキャラクターは男5人+女5人という安定の10人。
結婚イベントの相手も10人から使いまわすという、余り物で料理を作る主婦もビックリの無駄のなさ。
当然の如く、名前の変更は不可能。
容姿に老化の概念も無く、生まれてくる子供もパーツの流用。
親と全く同じ顔のクローンベイビーが大量生産される様は、恐怖すら感じる。

選択の余地すら無い全1種類のマップ。
BGMは「マップ」「ミニマップ」に各一種類ずつ。さらに「ミニマップ」は過去作からの流用。
「ミニゲーム」、「カード」は存在せず、「仕返しマス」も存在せず
シリーズの顔であった「天使」と「悪魔」すら存在せず
ルールだけでなく、ゲームその物が完全なるシンプル化。(値段はフルプライス)

1人のキャラの資金・能力の増減毎に、いちいちアニメーションが入ってテンポが悪く
多人数で遊べば待ち時間は容赦なく積もり
更に、子供が生まれると3ターンの間、ターンのはじめに子供の全能力が上昇し
同様のアニメーションによって、ゲームを長時間遊べとばかりに進行を阻害してくる。
その上、子供の成長は子育てマップに行けば、マップを抜けるまで上昇できるので
CPUはこれを大いに活用して進行を阻害する事に尽力する。

これにより子供が生まれる度に、「ガキ作んなよめんどくせぇ」という気持ちを味わわされ、嫌でも高まる避妊意識。
(このゲームには避妊する権利すら与えられていない)

ただし、子供は煩わしいだけではない。
このゲームで唯一「自分で名前をつけられる」存在であり、子供はタカラである、という事も本作は教えてくれる。
それならプレイヤーの名前も変更させろというツッコミは後を絶たないが。

人生ゲームといえば、山あり谷ありのイベントが重要だ。
本作では各イベントマスにつき、片手で数えられる量を用意してくれている。
そして、それらが両手では足りない数だけ発生する。
これこそタカラトミーにしか出来ない逆転の発想である。

しかし、それだけでは足りないという方は増量されたという「御当地ネタ」を見るといいだろう。
「○○おいしい」という食べ物関係を多く取り揃え
「熊野筆はくしゃみを出すのに便利」や、「加賀友禅の小物入れは入れ歯を入れるのに便利」
「長野ではカラオケで長野民謡を絶対歌う」等の
名産品や地元民への侮辱とも取れる迷言の数々も収録されており
これらは、本作が『誤当地』の尊称で呼ばれる要因となった。

これでは検証者の「俺の人生の方が面白い」という言葉も頷けよう。


7つの偉大なるクソゲーの襲来により、スレは大いに議論で盛り上がり
苛烈な最下位争いは、冬が去り、春がやって来るまでの間続いた。

クソゲーオブザイヤー2011。
この年は上半期に日照りが続き、秋の訪れと同時に遅れて来た台風に見舞われたと言えよう。
ヨハネの黙示録には、「7人の天使がラッパを吹けば、世界に終末が訪れる」という旨の一節があるが
今年の7つのクソゲーがKOTYスレにもたらしたのは乾いた笑いだった。
なぜなら、すべての作品がシリーズ物の最新作だったからである。
シリーズの名を地に落としたこれらは、7つの大罪と称され
購入者に消えない傷跡を残した罪を背負っていくのだ。

さて、7つのクソゲーから僅差で選ばれた
今年のクソゲーオブザイヤー大賞作品を発表しよう。


『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(タカラトミー)

2011年は逆どんぐりの背比べと呼べる程の僅差となり、熾烈な争いが続き
大賞無しも囁かれる程に難航した。
人によっては次点の6作の方が大賞に相応しいと感じる人も多いだろう。
そんな中で、なぜこの作品が選ばれたか

「食べるところが何処にも無い」という点である。

腐った果実でも、腐った部分を取り除けば食べられる事もあり
また、残った部分を上手く調理する料理人が現れる事もある。
どれだけ腐った果実であろうと、普通は芯をしゃぶる程度の楽しみは残るものだ。

だが『誤当地』にはそんな部分すら残されていなかった。
本年度のスレでの検証により、かつては判明していなかった強大なクソ要素が発見されている。
「ルーレットの数値が90%近く3と4になる」
これによって運の要素すら否定され、ボードゲームとしての意義を失い。
ルーレットをまわすという行為すら楽しめない物と化した。

また、「完全なる無価値」という点も評価したい。
このゲームには特筆すべき「CG」も「ボイス」も「BGM」も無く
ソフトが存在する分、「無価値」を越えて「有害ではないか?」との声もある。

これをプレイするなら紙と鉛筆とサイコロを用意して、自分でスゴロクを作るのが懸命だろう。
その方が安く、時間も掛からず、和気藹々とした時間を過ごせるのは間違いない。
何より「サイコロの目が公平」という大きな利点があるのだから。
つまり『誤当地』は「誰でも作れるスゴロクの劣化版」を「6,090円」で販売していることになる。
wiz本家のボッタクル、もといボルタック商店もビックリの金額である。

それでは最後に、この日本と自身の未来を憂うすべての人に一言添えて終わりとしたい。

「今の不幸を嘆くなかれ、運命のルーレットには7と8が存在するのだから」


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Last-modified: 2012-03-12 (月) 23:16:25 (1726d)