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このページは、2011年度KOTY総評の案を集めるページです。総評の審議に役立てば幸いです。
書き方テンプレートは編集ページにコメントアウトで掲載します。

総評案10 (code18)

「あなたは、戦っている時は平和を、そして平和の中では戦いを…
そうしなければ生きていけない。あなたはいつも蜃気楼を見ているんだわ……」
(小学館『エリア88』より抜粋)


幾多もの猛者・強者が暴れ、壮絶なる戦いを繰り広げた2010年。
熾烈を極めた戦いを制したのは、“最強の門番”こと『ラストリベリオン』であった。
名言「レベルを上げて物理で殴ればいい」は、その後も色々なところで見聞きする事となったのであった。

さて、そんな2010年が過ぎ、年も明け2011年となったKOTYスレに訪れたもの。
それは他のどのスレよりもこのスレに似つかわしく無いもの、「平和」であった。
据え置き機がどの機種も発売後数年を迎え、各社扱いに慣れてきた為か、
はたまた天井知らずな開発費を抑えるため無難なものしか発売されない為か。
ともかく“クソゲー”が一本も出なかったのだ。


そしてこの状態はなんと、10ヶ月もの間続くこととなる。


その間、KOTYスレにあった事といえば
「数本のクソゲー未満の選外作品」
「およそクソゲーと程遠い、良ゲーとすら言えるタイトルを挙げる、某板からのお客様」
「もはやクソゲーの話題どころかゲームの話題ですら無い、延々と続くスレ違いの雑談」
「それを諌める者との争い」
「鮫」
位なものであった。
クソゲーが出ないまま進むスレ番。もはや存在意義すら問われるスレ。
そんな中、ある者は「平和が一番」とクソゲーが出ない事を神に感謝し、
ある者はこの平和に退屈しクソゲーの発売を切望し、ある者は年末の魔物の存在に怯え、
またある者は年末の魔物を強く望み、ある者は遠い修羅の国に思いを馳せるのであった。

もはや今年は「大賞無し」が囁かれる中、仮初めの平和は音を立てて崩れる事となる……



平和慣れし、もはやクソゲーの急襲など起こりうるはずも無いと、油断しきっていたKOTYスレを襲ったもの。
それはサイバーフロント製Xbox360用ソフト『code_18』(通称:c18)であった。

このタイトルは、今だ名作ADVとして根強いファンを持つ『Ever17』や『Remenber11』等でお馴染みのinfinityシリーズの、
「6年ぶりのシリーズ再始動!」と銘打って、満を持してHD機での発売となったADV(アドベンチャーゲーム)である。

過去作のスタッフはほとんど参加しておらず、プロデューサーですら過去作ではデバッガーだったという本作は、
ADVのクソゲーとしては当たり前の誤字・脱字は当然完備。
それ以外に「名前欄がおかしくなる」「効果音が止まらない」「背の高いキャラの顔が見切れる」
という軽度のバグに加え、「画像とテキストが違う」事により、
“ルート終盤における感動的で大事なシーンを、致命的な演出ミスによって台無しにする”
という過去類を見ない大技まで見せてくれたのである。
「“暗幕に包まれた教室”と書かれる画面に表示される“明るい教室と剥がれ落ちた暗幕”」
「“眼鏡を外してキスをした”彼女の顔にまだある眼鏡」
「『少しハレンチではないか?』と身内が心配する学園祭のコスプレ喫茶のイベントの画面には、学校の制服を着たヒロイン」
他にも上げればきりが無いのだが、極めつけはこのゲームを一躍スターダムに押し上げた
「スカイタワーにて主人公に過去を打ち明けるヒロイン……だが画面背景は突然“浅草寺”に」である。
これにはスレでも発覚後大騒ぎとなり、
「実は法力でワープしたのかも」「浅草寺と書いてスカイタワーと読むんだよ!」等の仮説が立つ程であり、
新キャラクター「c18マン」や新名所「浅草寺スカイタワー」
AA「タイムパラドックスダイブ」「必殺!四八浅草寺タイムパラドックスキック」が誕生する程であった。

ちなみにこのゲーム、数ある分岐を選択していって各ヒロインと仲良くなっていくという恋愛ADVの王道を踏襲してはおらず、
“今が何周目かによってヒロインが決まる”というシステムが採用されている。

そしてシナリオだが、最終ルートまでは本筋が進まない、文化祭でイチャイチャするだけの退屈な話な上、
「携帯番号を教えた人」に再会したのに、「誰コレ?」と初対面の対応をするヒロインや、
4周目のみ「白衣を常に着てるキャラ」になる主人公。
お化け屋敷を行う“教室”での会話のシーンの背景が“部室”で、「“会議室”の後ろでかがみ込んでいる」と解説される等、
前後の整合性どころか、その場の整合性すらも取れない完成度の低さを見せている。

ならば最終ルートなら面白いのかといえば、物語の根幹を占める『code』(未来からのメール)にして、
07~15通目のcodeは“ひとつの長文を分割して9通のメールにしている”などの数合わせに走っていたり、
18通目のcodeに至っては実績は解除されるのだがメールは届かず、なにが「code18」なのか最後まで分からず終いだ。
上記のcode以外にも“突然付け加えられる設定”や“理解に苦しむ主人公の言動”。
ルートタイトルやバグでネタバレする“最終ルートのヒロインの秘密”等、非常に残念な出来となっている。
ライターが限定版ブックレットにて、「難しく考えずゲームとしての面白さを考えて」と書き残しているが、
「こまけぇこたぁいいんだよ!!」というAAが浮かんできてしまうのも、このような内容故であろう。

「とにかく完成度の低い、それでいて自由度の低い、読むだけのゲーム」
「如何にバグと手抜きの積み重ねだけでここまで酷くなるものか」
「全ての要素に酷いものがあるだけで十分推薦したくなる」
とは選評製作者とレポート製作者が各文にて強く書き記した一文である。


そしてc18の一撃により開いた城壁に押し寄せる敵兵の如く、年明けまでの約100日間、
KOTYスレは誰も予想すらし得なかった怒涛の襲撃を受ける事となる。

c18よりやや間が開いて襲来した第2の刺客。
それはD3パブリッシャー製PS3/Xbox360用ソフト『街ingメーカー4』(通称:待ing・待)である。

こちらもまた多くのファンを抱える『街ingメーカー』シリーズの最新作である。
発展させた街の住人と会話し、親密になって更に街を発展させるといった要素を備えているというのが、
シリーズ一番の特徴であったのだが、話しかける事も出来ず、
近づくと定型メッセージをしゃべるだけの、名も無きしゃべるマネキンと化した住人。
そして次世代機になり容量も増えたのに、激減した工場に削られた漁場・農場・郵便局・交番・お墓・歯科・外科・内科病院。
いまだ残る作れる施設においても、色やバリエーションに違いがほぼ無くなり、街には同じ色と形の住宅がひたすら立ち並ぶ事に。
「HD画質によるリアルな街づくりが可能」という謳い文句もPS2にすら劣るレベルであり、
選評製作者曰く「水の描写だけはキレイ」と、褒める所を探すのに一苦労といった有様であった。

住人や街がこんなではする事も無くなり、昼と夜の2つしかないBGMを聞きながら、
一日経過でポイントを貰う→建てる→一日経つのをひたすら待つ→ポイントを貰う→建てる→待つ
のループを繰り返しするだけの、ただ時間が経つのをを待つだけの作業ゲー。
それほどまでにゲーム性が薄く、もはやプレイした者達からは「モバゲーの方がマシ」と言う声まで上がる始末であった。

「これ、SIMPLEシリーズじゃないのか?」とは選評製作者が皮肉を込めて言った言葉であるが、
SIMPLEシリーズであればどれだけマシだったかと思わざるを得ない。


しかしこの日、攻めてきていたものはひとつだけではなかった。
この呪われたかの様な11月23日。働く人に感謝をと設けられた日に、労いどころか老体に鞭打つような、
KOTYノミネートに値するゲームが二本も発売されていようとは……。

その2本目、2011年3本目のノミネート、
それはアクワイア製PS3用ソフト『グラディエーターバーサス』(通称:剣投資vs・投資)であった。

こちらもまたまた好評を博している『剣闘士』シリーズの最新作であるのだが、
この投資、一言で言えば“詐欺と搾取”で出来ているゲームといえよう。

「容姿の組み合わせは一万通り以上」と謳われているが、実際は「2916通り+髪と肌の色を変える」しか作れない。
また「所持金・所持アイテム・店の品揃えはキャラクター間で共有できます」とあるが、“実際は共有されていない”。
サポセンに電話すると「仕様です。説明書が間違ってます」という素敵な返答を貰えるようだ。

そしてメインともなる「対戦格闘アクション」の方はといえば、まず上がるのが「味方」の存在だ。
本作は基本、味方二人を引き連れた「3vs3」のバトルとなるのだが、
「プレイヤーへの魔法の誤射」「割り込んでコンボを中断させる」「他の敵を連れてくる」
とまったくもって役に立たないことこの上ないのだが、いないとゲームにならないのが腹立たしいところである。
これを回避する手段はひとつ。“オンラインでcoopする”事なのだが、
初週売り上げ2700本。夜9時を過ぎると過疎と化すオンラインにおいて、それは望むべくも無いだろう。

ならばキャラを強くすれば!となるのだが、そこで必要となってくるのが、お金。そして“宝石”である。
そしてこの宝石。入手には手間も金もかかるのだが、簡単に入手できる方法がある。
それは「DLC課金」である。
ガチャガチャ形式の「宝石販売」、作成できるキャラを増やす「キャラ枠販売」
所持数を増やす「アイテムボックス拡張販売」、敵のキャラの顔の使いまわしの「容姿の追加販売」等
前世代であれば普通にゲーム内に入っていたような驚きの商品がカタログには並んでいる。
公式のDLC紹介ページにて「ライバルに差を付けろ」とプレイヤー同士の課金合戦を煽っている一文があるが、
DLCで大儲けを目論む魂胆が見え隠れするのが痛々しい。
そりゃウイルスバスターも「オンライン詐欺に関係している兆候があります」と警告をするというものだ。
『投資』という通称も、皮肉が効いていてとても良いネーミングであるといえよう。

このゲームを止め、中古屋に売ることを「奴隷解放」と言うそうだが、うまいこと言うものだと賛辞を送りたいと思う。


思いもよらぬ急に湧いた豊作に、正常な流れを取り戻してゆくスレ。
だがクソゲーの神はそこで手を緩めるような優しき者では無かった。間髪入れずに次の刺客が差し向けられる。
それは誰よりも有名で、誰よりも強い、宇宙最強の戦士であった。
そう、「オラこそが年末の魔物だッ!!!」とcv野沢雅子で再生されそうなその刺客、
それはバンダイナムコゲームス製PS3/Xbox360用ソフト『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(通称:アルブラ・UB)であった。

過去最高161人いた操作キャラクターが34人に激減された本作だが、それ以外に戦闘システムにも残念な変更が行われている。
本作はいままのでシリーズと違い、連打をすると読み合いシステム
QTE(クイックタイムイベント)『ストライクムーブ』という、いわゆる「あいこの無いジャンケン」に突入する、
“ボタン連打”と“運”だけのゲームになっていたのだ。

だが問題はそこだけでは無い。その後、キャラが一定の距離になると、間合いを離す為にQTE。
吹き飛ばされ、復帰に成功するとQTE。必殺技を使えばQTE。攻撃したらQTE。喰らったらQTE。距離詰めようとしたらQTE……
「モウQTEダラケデ、オ兄チャン、生キテル気ガシナインダヨー!」と古いコントネタを思い出してしまうしつこさである。

そして最初こそはハデでかっこいいと思われがちなQTEのムービーではあるが、
“QTEは全キャラ共通”で、栽培マンから超4ゴジータまでみんな同じ動きしかしないのですぐ飽きる。
しかもこの“共通モーション”のせいで、ピッコロは手を伸ばさないわ、誰を使っても展開が大差無いわで、
個性も何もあったものではなく、クソゲーとしての一因を担っているのである。

他にも「男しか作れない上にメイキングの幅が狭いアバターモード」「エラーとフリーズだらけのオンライン対戦」等、
ドラゴンボールファンにして、良い所は“グラフィックとハデな演出”のみと語る、
キャラゲーでありながら立派にノミネートを果たした本作は、ファンからの擁護も得られない代物であった。


そして年の瀬も差し迫る中、またしてもスレに一本の選評が投下された。
平和であった頃、名前だけは何度か出ていたゲーム。それがついに満を辞して選評にまとめられたのだ。
1月にすでに発売されていたそのタイトルは、
アクワイア製PS3用ダウンロード専売ソフト『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』(通称:亡霊)であった。

本作は言わずもがな、あの超有名シリーズ『ウィザードリィ』の最新作であり、
『剣と魔法と冒険モノ』で3DダンジョンRPGを何作も発売しているアクワイアの製作である。
発売当初はセーブバグ等一悶着あった本作ではあるが、バージョンアップで事なきを得ていた。
だがシナリオ3が発売されてしばらくの事……本スレにて書き込まれた一文

「どうも敵が強すぎる気がする」

本作はシナリオ1~2にも幾つかの問題点こそあるものの、プレイに関してはほぼ問題無く出来た。
しかしシナリオ3になった途端
「エンカウントしたら即死魔法で全滅」
「エンカウントしたら物理攻撃で全滅」
と、理不尽な敵の猛攻の前に成す術が無かったのである。

その原因はどうやら『剣と魔法と冒険モノ』という作品からのシステム流用にあるようで、
“Lv2桁まで”を想定して作られた『剣と魔法と~』をLvを100以上に出来るシナリオ3に使用した事で、
プレイヤーはLv100以降はレベルが上がっても増えるのはHPのみ。
だがモンスターはLvに応じて素直に全能力が上昇していくという、圧倒的な力の差を生む状況を作り出してしまったのだ。
クリアしたければエンカウント阻止アイテムを使用するか、または数歩歩いてはセーブを繰り返して地道に進むか。
そこにはウィザードリィとしての楽しさはどこにも存在しなかった。

原因は「テストプレイはおろかLvキャップ解放後の数値すら見ていないであろう開発側の愛の無さである」とは、
選評製作者が選評にて苦言を呈した一文である。

そしてウィザードリィといえば、アイテム蒐集が楽しみのひとつであるのだが、
「装備品を含むゲーム内で得られるアイテム」が販売されるという、本作の存在を根底から覆すような事をするのも、
さすがは剣投資のアクドイワ、もといアクワイアといえば納得といった所であろうか。
しかしアイテムリストに不備があり、アイテムコンプは出来ない仕様となっていて、いまだ修正もされていない…。


そして選評がくる12月まで、その異常性を誰にも悟られる事無く、約10ヶ月もの間隠し通していた猛者がもう一人。
2月に発売されていたそれは、ピアッチ製Xbox360用ソフト『Piaキャロットへようこそ!!4 夏の恋活』(通称:pia4)であった。

このゲームは古くは1996年のPC版にまで遡る老舗シリーズ、『Piaキャロットへようこそ!!』シリーズの第4弾として、
2009年にPC用アダルトゲームとして発売されたものを、18禁要素を削りXbox360に移植されたものである。

このゲーム、SLG(シミュレーションゲーム)パートと、ADVパートに大きく分類できるのだが 、
パラメーターがエンディング分岐にしか関係がなかったり、デリバリーだけ選んでいれば余裕でクリアできることから、
SLGパートは「完全に不要」であり、「一本道のノベルゲーのほうがマシ」と言われる出来であった。

ではADVパートはといえば、キャラの感情表現が乏しくメリハリも無く、
「いつの時代の恋愛ストーリーだよ!」とツッコみたくなるような、陳腐かつ既視感ありまくりの事しか起こらないイベント。
イベントシーンにだけ付随しイベント後は無かった事になる、突然発生するキャラクターの“新設定”。

そして最大の問題点が、“Hシーン部分になったら画面が暗転して時間が飛ぶ”である。
もう一度言うが、本作は“元は18禁のPCゲーム”であり、その18禁部分を削った移植作品である。
しかしシナリオにおいて、その削られた部分を違和感無き様補完するなどという事は一切無く、とられた対策といえば、
「本来あるHシーンの時間を丸ごと切り離し消し去る。プレイヤーはその時間を体験出来ないので記憶はもちろん無い」
という某ボスも真っ青の能力の発動であった。
これにより、プレイヤー本人が気づかぬ内にヒロインと付き合い始めていたり、孕ませていたりという事が起こるのであった。

選評製作者は言う。「シナリオのつまらなさこそが、このゲーム最大の問題点」であると。

またこの作品は背景の酷さも度々話題に上がり、スレに上げられた背景絵を見ては、
「なんというか…サバンナ?」「廊下の窓がなんか騙し絵みたい」「某魔法少女アニメで見た事ある光景だな……」
という、およそ現代劇の背景の感想とは無縁の言葉が飛び交う事になったのも、本作ならではといったところか。

プレイした者には「SLGパートがひどい。背景が酷い。シナリオが凄まじく酷い」と言われ、
「エロゲーとはエロで抜くものであって、エロを抜くものではない」という、
家庭用ゲーム板ならではの名言が生まれたのも、本作の功績であると言えよう。


そして年も明け、総評もいくつか投稿され始めた1月上旬。ついに7作目となる新たな選評が投下された。
スレ住人は「今年も7つ来たか」と、改めて2011年の豊作ぶりに驚き、
誰ともなく「七英雄の再来」「七つの大罪」と呼ぶのであった。

そんな7本目にやってきたクソゲー、それはもはやKOTY常連メーカーが9月に発売していた、
タカラトミー製Wii用ソフト『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(通称:人生・誤当地)である。

本作は人気ボードゲーム『人生ゲーム』をゲーム化したものであり、
昨年フルプライス版なのに先の簡易版と殆ど差異がない事で、
詐欺ゲーとして話題になった『人生ゲーム ハッピーファミリー』の増補改訂版であり、最新作である。
余談ではあるが、Wiiで発売された2作はそれぞれ当年のKOTYにノミネートされており、
しかもそれぞれが大賞候補と接戦を繰り広げる程の逸材であった。

そんな親・子・孫の三代で挑むKOTY、天空の花嫁で言えば本命の勇者である本作であるが、
その勇者の力の一端を解説していこうと思う。

まず問題点として挙げられるのは、使えるキャラクターの少なさだ。
“男5人+女5人の計10人”。…これだけである。
使用キャラが10人というなら、「別に少なくないのでは?」と思う人もいるかもしれない。
だが結婚相手もこの中から選ばれるし、子供に至ってはこの10人の顔パーツを流用した子が産まれてくると言ったらどうだろうか?
男にしか見えない女の子が産まれるという惨事を招くのも、当然の結果といえよう。

マップの方も前作同様一種類しか無く、ミニゲーム・仕返しマス・天使等、前作に無かったものは当然の如く本作にも無い。
致命的なのはイベント量の少なさで、大抵のプレイヤーは一回のプレイでうんざりするほど同じイベントを見させられることになる。
また、スレの有志によりルーレットが、「3」が出やすいという偏りがあることが確認されている。
ゲームのテンポを悪くすると共に、3位の人に不幸が集中しやすい原因となっているようだ。

ではタイトルの増量したご当地ネタはどうなのかといえば、
これがまた、ほとんどがガイドブックで事足りるようなお粗末な内容の物ばかりで、中には嘘情報も混入しており、
「長野県民はカラオケで誰もが長野民謡を歌う訳ではない」という事だけは訂正しておこうと思う。

そしてこのゲーム、スレにて「友人を誘ってプレイしたら友情崩壊しかけた」との報告があることも記しておこう。
パーティープレイなら必ずしも楽しいという訳ではないようだ。

「これなら俺の人生の方がまだ面白いのでは」とは、選評製作者の〆の一言である。



それではいよいよ2011年の大賞を発表しよう。
7つのノミネート作から選ばれた、栄えある今年のクソゲーオブザイヤー大賞は……


『code_18』である。


今年は特出した誰もが満場一致で納得できるクソゲーというものが無く、大賞を選ぶのが非常に困難極まった年であった。
どのソフトにも、方々のベクトルで他に負けない特出したクソ要素を持ち、
それによりクソ度は非常に拮抗し、人によってはどれが大賞になってもおかしくないという大接戦であった。

しかしクリアまでプレイするという観点から考えた場合、
他の作品は動かす・眺める・キャラを選べる・放置できるという、まだ救える点があるかもしれない。
だがADVのクソというのは、たとえそれがどんなに退屈な話であろうが、
とにかく“文章を読まなければゲームにならない”のだ。

そのADVの中でも『code_18』は、「周回数によってヒロインが決まっている」というシステムにより、
選択肢による物語の分岐は無く、選択肢が何の意味もなさない完全な“一本道の小説”なのである。

その一本道システムにより、物語を楽しむ以外にゲームを楽しみようが無いのだが、
その物語の売りである「タイムパラドックス」の結末を見る為には、同じような展開の“三流ギャルゲー”を4周せねばならず、
またその結末にしても、辻褄合わせや変なこじつけ満載の“残念な最終ルート”により、微妙な出来となっている。
そしてそれらは、終盤山場の感動シーンを台無しにするADVにおいて絶対に“やってはいけないミス”により、
楽しめる物語とは程遠い物と化しており、受賞の大きな要因となっている。

そしてそれらのミスを修正することなく商品化した“手抜き”に、様々な“バグ”。

プロデューサーが発売日に「Twitterを非公開」にし、
「KIDブランドでゲーム作ってるプロデューサーです」という紹介文を消し行方をくらませるという、
前代未聞の“逃亡するプロデューサー”。

ゲーム業界初かもしれない、同じ日に発売されたPSP版の方が全体を通して出来が良いという、
同日発売の携帯機版に全ての面で劣る“機能縮小据え置き機版”。

そしてスレにて誕生した愛されし“キャラクターや新造語”等、
昨今のクソゲーの覇者足るに必要な要素が全てつまった「クソゲーの見本市」のような本作こそが一番にふさわしいと考え、
大賞にするものとする。


永遠に続くと思われた平和な日々から一転、2010年をはるかに超える魔物を迎えた2011年であった。
7つの大きな罪を背負いし作品がしのぎを削る結果となった本年であるが、
今回ノミネートされたものの全てが“人気シリーズの最新作”であることは、
今のゲーム業界の現状を表しているようで、いろいろ心配にもなろうというものだが、
ここは無事「大賞決定!」ということで、2012年への期待と希望を持って、
我々はこれからも楽しくゲームを選んでいきたいと思う。

ではこの方の言葉を持って、2011年のKOTYを締めくくらせていただこう。


C <安心して休め、四八マン。これからは私がこのスレを護る!
(十)



総評案11 (22で再提出)    

総評案22

総評案12 (24で再提出)    

総評案24

総評案13 (Wizardry 囚われし亡霊の街)    

年始から『ラストリベリオン』が「レベルを上げて物理で殴ればいい」で
全てが集約されるその比類なき単調さで門番の座を死守し続け、
果てはそのまま大賞に輝いた昨年のKOTY。
異例の展開を見た昨年から一転、2011年はそのような門番の出現も無く、
スレには長い「日照り」――いや、平和と雑談の時が訪れていた。
しかし、そのうららかさの陰でスレ住人は焦っていた。
「このままでは、大賞どころか、次点作さえ出ないのではないか」
「既にゲーム界はクソゲーすら出ぬ、不毛の荒野と化したのではないか」と――

だが、クソゲーはやって来た。
秋も深まりつつあった10月、スレ住民の杞憂を笑い飛ばすかのように現れたのは
『code_18』(Xbox360・サイバーフロント)である。
恋愛アドベンチャーゲーム(ADV)の金字塔と謳われる『Ever17』を生んだ
「infinity」シリーズの最新作だ。
旧作スタッフがほとんど関与していないことを危ぶむファンの予測通り、
偉大な先達とは似ても似つかぬ鬼子がそこには誕生していた。

まず光るのは、恋愛ゲームでありながら「周回数で攻略ヒロインを固定する」という画期的な試みだ。
4週目まで遅々として進まない物語、5週目の正ルートによって
それまでの思い出も恋も全てが打ち消される展開と絶妙に絡み合い、
ループものと見せかけた究極の一本道の現出に成功している。
キーワードでありタイトルでもある「code=未来からのメッセージ」に至っては
一体どれがcodeなのかも判然としないお粗末さで、プレイヤーを悄然とさせるばかり。
しかも同時発売のPSP版には実装されているクイックセーブ&ロードやショートカット機能が
何故か本作では削除されており、選択をミスした場合は最悪1週目からやり直しである。

無論クソADVには欠かせぬ誤表記も完備しているが、単なる誤字脱字の域に留まってはいない。
「眼鏡を外してキス……のはずが眼鏡を掛けているヒロイン」
「夕暮れのスカイタワーで心を通わせた……はずが背景は浅草寺」 など、
背景とのズレでプレイヤーの冷笑を誘い、感動を踏みにじるトラップと化して随所に待ちかまえている。
感動を摘み取られながら一本道を歩かされる徒労感を、
ボイスと文章の不一致・効果音の再生バグ等、音声面の不備も抜かりなく後方から煽り立てるのだ。
この水も漏らさぬクソの布陣で、本作は2011年初の本格的クソゲーとして
KOTYスレを一気に沸き立たせた。


待ちに待ったクソゲーの到来を迎え、漸く勢いづいたKOTYスレ。
しかし住民はまだ気づいてはいなかった――冬の訪れと共に、異形のものたちが迫ってくる気配には。
以降、10月までの「日照り」は幻だったかのように、スレには冷たい時雨が降り続くこととなる。


2011年も師走を迎えた頃、スレに訪れたのは『街ingメーカー4』(PS3/Xbox360・D3 PUBLISHER)。
街作りと住民とのコミュニケーションをリンクさせたシミュレーションゲーム(SLG)、
「街ingメーカー」シリーズの最新作だ。

過去シリーズで好評を博し、他の町作りSLGには無い魅力であった
「住民とのコミュニケーション」要素をほぼ排除。
さらに建築可能な建造物の種類を減らす、
という斬新すぎる仕様変更が施されており、その結果本作は

「建築用ポイントが約10分に1回もらえるのを待ち」
「交番や郵便局さえ無い町をひたすら建造しては潰し」
「機械的に呟くだけの住民が勝手に増えるのを待つ」

という超単調ゲームに大きくゲーム性を変貌させていた。
一応、作った町を眺めることも出来なくはない。
だが、建物に入ることも出来ず、四季も経年による変化もなく、
定型文を一方的に呟く無機質な住民しかおらず、BGMは昼夜2パターンのみ、
という箱庭をひたすら眺めるだけで楽しめるのは、悟りを目指す禅僧のみであろう。
住民の要望に応えるとボーナスポイントが発生する場合もあるものの、
取り損ねる事もある上に雀の涙程度でしかなく、結局は10分待つ方がストレスが溜まらない。
故に大半のユーザーにとっては、10分間読書なり何なりで隙を潰しつつ
「待つ」以外にはすべきことがない。

クリアまで5~6時間の薄さのうち大半がこの「待ち」であるということから
本作にはいつしか『待ing』という称号が奉られた。
いかに他作の検証が進もうとも微動だにしない不動の虚無ぶりで
スレ住人に畏敬の念を抱かせるまでに至るのは、また後の話である。


『待ing』と奇しくも同日に生み出されていた悪夢も、程なく襲来する。
『グラディエーターバーサス』(PS3・アクワイア)の参戦である。
格闘アクション「グラディエーター(剣闘士)」シリーズの4作目だが、
剣闘士たちの戦いに何故か「魔法」などのファンタジー要素が導入され、
その代償か過去作で熱戦を生んだ「ドッジ(回避)」や「パリィ(弾き)」などが削除されている。
それどころかダッシュやジャンプすら存在せず
「壁際に敵を押しつけて連打ゴリ押し」で大方は事足りる安手なアクション性となっており、
プレイヤーの腕や工夫を見せる余地や必要性をほとんど見いだせない。
それでは追加された「魔法」はどうかと言えば、如何せん威力が低すぎ、
味方NPCが背後から誤射して来る時に辛うじて存在感を確認できる、という体たらくであった。

また、フルプライス(パッケージ版は6279円)ながら有料ダウンロードコンテンツ(DLC)を
売らん哉の意図を微塵も隠さない、アクワイアの逞しい商魂も話題となった。
水増しばかりのキャラ作成、2枠のみのキャラ枠、再設定できないスキル……等々、
ゲーム中の不満を解消する要素が、総じてDLCで追加販売されているのだ。
DLCの中でも、特筆すべきは装備強化用アイテムである宝石だ。
4種各10ランクもの種別があり、「収拾強化の手間を省けるよ」とばかりに
DLCとして販売されているが、中身は種類もランクもランダム、
しかも一部は出現率が低いネトゲ廃人御用達仕様。
――スレ内で「剣『投資』」の呼び名が定着したのも納得の強欲ぶりである。

これだけでも既に刮目に値するクソであったが、本作はまだ大いなるポテンシャルを秘めていた。
発売一月後に行われたアップデートによって、謎の方向へ進化を遂げたのだ。
敵のAIばかりが賢くなり、あの「魔法」は大幅に威力が向上。
相変わらずアホAIのままの味方NPCが、相変わらずプレイヤーの背後をつけ狙い、
相変わらずプレイヤーの攻撃を邪魔してくる。
ここに本作は、強敵と背後の味方の二つの恐怖による、
奇抜なスリルを楽しむゲームに生まれ変わったのである。
併せてフレンド機能なども強化されたが、オンラインは発売1週間で既に過疎化しており、
この奇抜な世界観や対戦を楽しめる猛者が既に少数となっていたことは何とも惜しまれる。
本作はこの後も、公式ブログの微妙対応・発売後にまさかの無料体験版、
などのホットな話題をスレに提供し続けた。


師走も後半、これからが本当の地獄だ、とばかりにスレに現れたのは
『ドラゴンボールアルティメットブラスト(UB)』(PS3/Xbox360・バンダイナムコゲームス)
だ。
原作の安定した人気に支えられ、『ドラゴンボール』のゲーム化は
近年では堅実な出来のシリーズが続いていた。
そのためUBも期待感をもって迎えられていたのだが――
12月8日に発売された本作は、残念ながら堂々たる「年末の魔物」であった。
美しいグラフィック、派手なエフェクト、見事なアニメーションは確かに期待に添っていた。
だがその外見の美しさを以てしても、あまりの無内容を糊塗することは出来ていなかったのである。

華であるはずの戦闘は、攻撃・移動・必殺技、つまりほぼ全てのタイミングでムービー付きの
クイックタイムイベント(QTE)が挿入され、ひどく冗長な展開となる。
更に苦痛なのはこのQTEのほとんどが単に運任せの「二択」であり、
対戦アクションゲームらしい技術や駆け引きなどありはしない、ということだ。
たまに他の要素があるかと思えば、単なるボタン連打に過ぎない。
二択と連打で戦法は3種――これでようやくジャンケン並の、脅威の「ゲー無」性である。

自作キャラを使用できる「アバターモード」も存在するが、
せっかくのアバターも体型は3種、性別は男のみという自由度の低さで、これまた薄さを感じさせる。
その上アバターにスキルを覚えさせたいなら、あの冗長な戦闘を気が遠くなるほど
繰り返さねばならないという「精神と時の部屋」が待っている。
キャラゲーの命・キャラ要素はといえば、100体以上のプレイ可能キャラが登場した過去作に対し、
UBのキャラは各変身形態を含めても64体。
メンバー選出も、青年悟飯や悟天に餃子などの有名・主要キャラが存在せず
ストーリーも歯抜けになっている一方、妙なマイナーキャラはしっかり登場していたりする。
また、パンチ・キック等の基本動作だけは再現度が高いものの、
ピッコロだから腕が伸びる、などキャラの個性を生かせる演出はない。
それどころか嫌になるほど鑑賞できる上述のQTE演出に至っては、全キャラ共通の使いまわしだ。加えてオンラインモードも接続不良が続発する残念ぶりで、海外からも怨嗟の声が響く始末。

キャラゲー故に当初は本作の戦闘力に疑念を抱いていたスレ住人だったが、
選評・報告が次々届き、この「錦で包んだ空き箱」の実体が暴かれてゆくにつれ、
次第に「UB=クソゲー」の評価は揺るぎないものとなっていった。


そしてクリスマス。1月の発売以来、11ヶ月間陰に潜んでいた不吉な影がついに姿を現した。
30年の歴史を持つRPG「ウィザードリィ(Wiz)」の復興を掲げた『Wizardry Renaissance』プロジェクトの新作、
『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街(Wiz亡霊)』(PS3・ダウンロード販売/アクワイア)。
本作がかくも長期間潜伏してきた最大の理由は、
「最終シナリオ(シナリオ3)でのバランス完全崩壊」である。

元来高難度で知られるWiz界では、即死や多少の理不尽は肯定されている上、
歴史が長いだけに深刻な不具合を抱え込んだ過去作も多い。
プレイヤーもそんな殺伐とした世界に鍛え上げられた猛者が多いためか、
シナリオ1・2の間は薄い内容、劣悪なバランス、セーブ不能バグ、命中率0化バグ等(一部はパッチで修正)
の重大な問題は数々あったものの、そのクソさは辛うじて表面化を免れていたのだ。

――しかし、シナリオ3の戦闘バランスはそんな歴戦のプレイヤーをも震撼させた。
プレイヤー側の能力値は早々に頭打ちとなり、目に見えて上がるものはHP程度しかないが、
敵側は能力値・攻撃回数・行動速度などがレベルと共にぐんぐん上昇してゆく。
「敵がレベルを上げて物理(と状態異常と魔法で)殴ってくる」と称される
この敵能力のハイパーインフレの結果、本作の戦場には
「エンカウント即全滅で当たり前、2ターン目が見られるなら僥倖」、
という地獄絵図が累々と繰り広げられていた。

最低数億の経験値を要する超高レベルに達するか、または膨大なHPがあれば
「絶望のみ」の状況を脱し「勝てなくはない」域に到達可能とされるが、
そこまで戦闘でキャラを成長させるとなると数百時間を要してしまう。
そのため「金稼ぎの裏技をキャラ1人につき十数時間行って経験値を買う」または
「イベントでひたすらHPを上げる」といった方法が本スレでは提唱されている。
また、シナリオクリア自体は逃走やセーブ&ロードを活用するなり、有料DLCか敵から入手できる
「敵出現阻止アイテム」を利用するなりして戦闘を回避すれば容易に達成できる。
辺りを徘徊する異常な強さの雑魚に対し、シナリオボスは格段に弱いからだ。
戦闘とレベリングが醍醐味とされるハック&スラッシュ型RPGであるにも関わらず、
鍛え上げられた本スレ住民からさえ「金でレベル上げしろ」「戦闘は非効率」の声が上がり、
クリアのためには「非戦」の選択もやむなしとされるその本末転倒な不可思議さは、
流石は人ならぬ「亡霊」であるとKOTYスレ住民を頷かせるに足るものであった。


いよいよ年の瀬も押し迫った大晦日、スレに猛然と地吹雪を巻き起こしたのは
『Piaキャロットへようこそ!! 4 ~夏の恋活(バイト)~』(Xbox360・PIACCI)である。
有名18禁AVD「Piaキャロットへようこそ!!」シリーズの移植版だが、
本作もまた2月に発売されながら長期間見出だされなかった伏兵であった。
しかし、その潜伏の理由は『Wiz亡霊』とは大きく異なっていた。
家庭用ゲーム界では想像もつかぬ低品質ゲームに溢れた18禁PCゲーム界
(通称「修羅の国」)ですらエロ以外は駄ゲー、クソゲーとの呼び声高かった原作から
エロ要素を取り除いて移植した本作は、手を伸ばしたがる者がいない
典型的な「誰得作品」「見えている地雷」だったのである。

内容も地雷の名に恥じぬ爆発力だ。
まずはグラフィック面だが、KOTYスレ住人をも唖然とさせた
「サバンナにしか見えない運動競技場」「空間が歪んだ部屋」をはじめ、
この種のゲームにとっては最重要のキャラグラフィックまでが軒並み低品質で、
購入者をして「キャラの半分はできるだけテキストウィンドウから上を見たくない」
とまで言わしめる代物であった。

システム面でも処理落ち・不安定なスキップ機能、セーブ数の増大で
発生する謎の読み込み遅延など、クソADVには欠かせぬ不具合類は無論完備。
パラメータ調整用に設けられているSLG部分は、特定行動のみで構わない退屈な構造の上、
そもそもパラメータの多くはゲームに大した影響をもたらさない。
存在意義の薄さにも関わらず、無駄に重要イベントが起きるため邪魔ですらある
このSLG部分の役割は、「このゲームは根幹から間違っている」ということを
プレイヤーに実感させることのみ、と言って差し支えないだろう。

ではシナリオ面はどうか。
「シナリオが弱いエロゲーからエロを抜く」「攻略キャラを1人まるまる削除」
という巨大な穴が開いているにもかかわらず、その穴を埋める調整が
全くと言ってよいほど行われていない。結果として、
半分以上のルートでは特筆すべき事態が何も起きぬ空虚がプレイヤーを出迎え、
挙げ句の果てにはプレイヤーも気づかぬ間に主人公とヒロインが恋人同士になっていたり、
あろうことかヒロインが妊娠していたりする超展開が待っている。
そのくせ主人公はパラメータ不足でバッドエンドに陥ろうものなら
「仕事以外思い出がない(要約)」とほざく始末。
こうしたシナリオ上の穴がベトコンばりの落とし穴戦術となって、
プレイヤーの士気を根こそぎ奪いに来るのである。
この地雷原兼落とし穴地帯に特攻し、選評と130キロ恋活(バイト)にものぼる
地獄の戦場記録を書きつづった勇者も現れ、その雄姿にはスレ住人から
惜しみない賞賛の声と拍手が贈られた。


大晦日まで波乱を見た2011年も幕を閉じ、
KOTYもいよいよ本格的選考に入るかと思われた2012年1月初め、
何と2011年作品最後の、冬の霹靂がスレに轟いた。
『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(Wii・タカラトミー)
――そう、09・10年の二年に渡ってKOTYに名を馳せた、あの「人生」の再来である。

前作「ハッピーファミリー」は、辛うじて人生ゲームの体を為している体験版(1000円)
に毛が生えた程度の内容でフルプライス、という驚愕のぼったくり商品であったが、
クソゲーの老舗タカラトミーはその消費者軽視の姿勢を堅実に守り抜き、
我々の前に三たび「ゲー無」を送り出してきたのである。
キャラメイクも無く、ろくな幼年時代も小中学時代も無く、
スリルを高める「仕返しマス」も存在せず、ミニゲームも存在しない。
マスコットキャラであるはずの天使と悪魔さえも存在しない。
イベントで送られるサブマップは無内容ゆえに「流刑地」と呼ばれ、
結婚すれば親と同じ顔のクローンばかりが誕生し、
特定のプレイヤーばかりが同じようなハプニングに巻き込まれ続ける。
そんな空虚で単調な毎日の中、数少ないイベントが幾度となく反復されるのを見ながら、
時折各地の名所・グルメ情報を見るだけの「人生」など、誰が望むのであろうか。
「友達・家族とプレイしたら険悪になった」との声が上がるほどの
味気ない毎日に最後まで耐えきったとしても、プレイヤーを待っているのは
ローリスクハイリターンすぎるギャンブルによってそれまでのプレイ結果が
あっさりと覆される、あまりに呆気ない幕切れである。

前作までの根本的なゲーム性の無さを何一つ解消せぬままに、誇張や嘘すら含む
微妙なご当地ネタを足しただけで再びフルプライス(6,090円)で発売された本作は、
「また人生か!」という半ば驚嘆、半ば諦めの声をもってスレに受け入れられた。


クソゲーオブザイヤー2011。
秋の気配深まる頃までスレを包んでいた平穏は、今はいずこへ消え去ったのであろうか。
僅か2ヶ月強の間に、数えてみれば7作ものクソゲーがスレに闇をもたらしていた。
そして、見渡してみればその全てが
「一定の評価を受けていたシリーズ」の続編であるという事実。
それは最早シリーズ作にも安定を求められぬという、ゲーム界の衰弱と絶望の深さを如実に示していた。

それでは、その絶望の最も深い淵に沈む作品――
2011年クソゲーオブザイヤー大賞作を発表しよう。


『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』


本年の候補、いずれ劣らぬ悪夢の7雄は
「極度の手抜き」「単調なゲーム性」「システムの不具合」「操作性の低さ」
などのクソゲーの基本条件を尽く備えており、審査は難航を極めた。
その中で『Wiz亡霊』が選出されるに至った理由――それは、絶望の深さである

美しいグラフィックも、重厚なシナリオも、魅力的なキャラも、よく練られた世界観も、
およそ他ゲームにおいて要求されるような要素などハナから求められていないのがWizである。
冒険者たちが求めるのはただ自己を錬磨するダンジョンと、
打ち倒すべき敵と勝利、そして戦利品のみだ。
しかし『wiz亡霊』が提供するのは――

処理落ちやセーブ不能等、種々の不安の中での探索を余儀なくされる上、
胸躍らせる仕掛けも関門もろくに無く、スイッチを探してはゲートを開けるだけの単純作業が
延々数十回繰り返される退屈極まるダンジョン。

ダメージと敵能力のハイパーインフレのみで組み立てられ、
プレイヤーの技術や知識で打開できる余地や快適なプレイへの配慮が完全に欠如した戦闘。
最大HPの数倍のオーバーキルを仕掛けてくる雑魚が最序盤から徘徊し、
シナリオ1時点で既に「ただの運ゲー」の域に片足を突っ込んでいる
この劣悪な手抜きバランスが、レベル上昇につれ更に崩壊してゆくのである。
苦痛を感じる感覚が麻痺しきっているはずの歴戦の冒険者にさえ「非効率」と言わしめるそれは、
最早ゲームにおける戦闘などではなく、単なる拷問と化していた。
しかも、それに耐え抜こうとすればキャラの種族・職業・戦法もほぼ固定化されざるを得ず、
自由にキャラを育成する楽しみまでもが奪われている。

そして、その拷問の果てに手に出来るはずの一縷の光明・戦利品集めの快感をすら奪いとる、
「アイテムリストに入手不能のものが混入し、コンプリート不能」という仕様。
強力な武具も崩壊したゲーム性の中では死亡率を少々下げる程度の役にしか立たないこと、
最強レベルの武具が商店や有料DLCであっさり販売されていることも相まって、
冒険者のアイテムへの意欲は削ぎ落とされてゆくのである。

通常の作品よりも遙かに要求のハードルが低く、遙かに寛容なユーザー達の僅かな期待を
尽く裏切り絶望させていったその姿は、「まともなゲーム」の死から生まれた
「亡霊」そのものであると言っても過言ではなかった。

このどうにもならぬ「? ゲームのようなもの」に対し、
発売元の **A*C*Q*U*I*R*E** ……もとい、アクワイアはこれ以上の手直しを放棄。
あまつさえ直前まで割引販売を行った上で、新ダンジョンを含んだ完全版を
発売するという厚顔ぶりまでも見せつけたのである。

本作における絶望はそれのみに留まらなかった。
凡百のクソゲーであれば、あるいは作品に思い入れが無ければ途中で投げ捨てれば事足りる。
しかし本作は不幸なことに、長い歴史を誇る名作やり込みゲー・Wizの末裔であった。
「やり込みで高難度をねじ伏せる」快感をもたらしてくれた古き良きWizの記憶が
「いつかは心から楽しめるのではないか」「いつかは改善されるのではないか」
という一抹の希望を抱かせるのか、
完膚無きクソゲーでありながら長時間プレイしてしまう古強者も多かったのだ。
クソ戦闘に耐えてキャラを育成し、図らずも
「500時間プレイ」を要求する無茶苦茶なトロフィーを取得してしまう者。
極度の手抜きと無内容に付き合いきれず、しかしWizを諦めることもできず
裏技に手を染め、それだけで60時間以上をドブに捨てた者。
「コンプリート不能」を万が一にでも覆す可能性に賭けてアイテムを求め続け、
文字通りの無間地獄を永遠に彷徨う「亡霊」と化した者――

冒険者達の汗と涙と貴重な時間の浪費の果てには――しかし、何も無かった。
敵の有利を完全に覆せる日も、アイテムリストが埋まる日も、ついにやって来はしなかった。
Wizブランド復興を願ったはずの『Wizardry Renaissance』作品によってその望みが瓦解していく音を、
心の折れたプレイヤー達は虚無の中で聞くしかなかったのである。

本年のノミネート作全てに共通する「シリーズ作の続編」という特徴を最大限に生かした上で、
より深い絶望と空しさをもたらしたというこの点も高く評価され、
本作が本年の大賞を受賞するに至った。

本年、『剣投資』『Wiz亡霊』の二つのクソを生みだし、
図抜けた商魂で見事クソゲーマイスターの地位を確立したアクワイア、および
消費者たるプレイヤーを軽視してクソゲーを生み出し続ける全てのメーカーに、
古き良きウィザードリィから、あの銭ゲバ寺院の迷文句を借りて一言を贈りたい。

――「楽しいゲーム」という、すでに廃れてしまったのかもしれない古き神の一信奉者として。


「 このはいきょうしゃめ (ゲームかいから) でていけ! 」

総評案13 #2(Wizardry 囚われし亡霊の街)    

年始から『ラストリベリオン』が「レベルを上げて物理で殴ればいい」で
全てが集約される比類なき単調さで門番の座を死守し続け、
果てはそのまま大賞に輝いた昨年のKOTY。
異例の展開を見た昨年から一転、2011年はそのような門番の出現も無く、
スレには長い「日照り」――いや、平和と雑談の時が訪れていた。
しかし、そのうららかさの陰でスレ住人は焦っていた。
「このままでは、大賞どころか次点さえ出ないのではないか」
「既にゲーム界はクソゲーすら出ぬ、不毛の荒野と化したのではないか」と――

だが、クソゲーはやって来た。
秋も深まりつつあった10月、住民の杞憂を笑い飛ばすかのように現れたのは、
『code_18』(Xbox360・サイバーフロント)である。
SFサスペンスの金字塔と謳われる『Ever17』を生んだ恋愛アドベンチャーゲーム(ADV)、
「infinity」シリーズの最新作だ。
旧作スタッフがほとんど関与していないことを危ぶむファンの予測通り、
偉大な先達とは似ても似つかぬ鬼子がそこには誕生していた。

まず光るのは、恋愛ゲームでありながら「周回数で攻略ヒロインを固定する」という画期的な試みだ。
4週目まで遅々として進まない物語、5週目の正ルートによって
それまでの思い出も恋も全てが打ち消される展開と絶妙に絡み合い、
駄ループものと見せかけつつ究極の一本道の現出に成功している。
タイトルでもある「code=未来からのメッセージ」に至っては
どれがそれなのやら判然としない代物で、プレイヤーを悄然とさせるばかり。
しかも同時発売のPSP版には実装されているクイックセーブ&ロードやショートカット機能が
何故か本作では削除されており、選択をミスした場合は最悪1週目からやり直しである。

クソADVには欠かせぬ誤表記も各種完備されているが、無論単なる誤字脱字の域に留まりはしない。
「眼鏡を外してキス……のはずが眼鏡を掛けているヒロイン」
「夕暮れのスカイタワーで心を通わせた……はずが背景は浅草寺」など、
表記と背景のズレでプレイヤーの冷笑を誘い、感動を踏みにじる罠と化して随所に待ちかまえている。
感動を摘み取られながら一本道を歩かされる徒労感とイライラを、
ボイスと文章の不一致・効果音の再生バグ等、音声面の不備も抜かりなく後方からあおり立てる。
この水も漏らさぬクソの布陣で、本作は2011年初の本格的クソゲーとして
KOTYスレを一気に沸き立たせた。


待ちに待ったクソゲーの到来を迎え、漸く勢いづいたKOTYスレ。
しかし住民はまだ気づいてはいなかった――冬の訪れと共に、異形のものたちが迫ってくる気配には。
以降、10月までの「日照り」は幻だったかのように、冷たい時雨が幾度も降り注ぐこととなる。


2011年も師走を迎えた頃、スレに訪れたのは『街ingメーカー4』(PS3/Xbox360・D3 PUBLISHER)。
街作りと住民とのコミュニケーションをリンクさせたシミュレーションゲーム(SLG)、
「街ingメーカー」シリーズの最新作だ。

過去シリーズで好評を博し、他の町作りSLGには無い魅力であった
「住民とのコミュニケーション」要素をほぼ排除。
さらに建築可能な建造物の種類を減らすという斬新すぎる仕様変更が施されており、その結果本作は

「建築用ポイントが約10分に1回もらえるのを待ち」
「交番や郵便局さえ無い町をひたすら作っては潰し」
「機械的に呟くだけの住民が勝手に増えるのを待つ」

という超単調ゲームに大きく変貌していた。
一応、作った町を眺めることも出来なくはない。
だが、建物に入ることも出来ず、四季も経年による変化もなく、
定型文を一方的に呟く無機質な住民しかおらず、BGMは昼夜2パターンのみ、
という箱庭をひたすら眺めるだけで楽しめるのは、悟りを目指す禅僧のみであろう。
住民の要望に応えるとボーナスポイントが発生する場合もあるものの、
どうあっても取れない場所に出現することもある上雀の涙でしかなく、
結局は10分待つ方がストレスが溜まらない。
故に大半のユーザーにとっては10分間読書なり何なりで隙を潰しつつ「待つ」以外にはすべきことがない。

クリアまで5~6時間の薄さのうち大半がこの「待ち」であるということから
本作にはいつしか『待ing』の称号が献上された。
クリア後のフリーモードですら待ちを強いられる『待ing』――
いかに他作の検証が進もうとも微動だにしないその不動の虚無ぶりが
スレ住人に畏敬の念を抱かせるまでに至るのは、また後の話である。


『待ing』と奇しくも同日に生み出されていた悪夢も、程なく襲来する。
『グラディエーターバーサス』(PS3・アクワイア)の参戦である。
格闘アクション「グラディエーター(剣闘士)」シリーズの4作目だが、
剣闘士たちの戦いに何故か「魔法」等のファンタジー要素が導入され、
その代償か過去作で熱戦を生んだ「ドッジ(回避)」や「パリィ(弾き)」などが削除されている。
それどころかダッシュやジャンプも存在せず、「壁際に敵を押しつけて連打ゴリ押し」で
大方は事足りる明快かつ安手なアクション性に仕上がっており、
プレイヤーが腕や工夫を見せる余地や必要性はしっかりと潰されている。
それでは追加された「魔法」はどうかと言えば、如何せん威力が低すぎ、
味方NPCが背後から誤射して来る時に辛うじて存在感を味わえる、という体たらくであった。

また、フルプライスながら有料ダウンロードコンテンツ(DLC)を売らん哉の意図を
微塵も隠さない、発売元の逞しい商魂も話題となった。
水増しばかりのキャラ作成、2枠のみのキャラ枠、再設定できないスキル……等々、
ゲーム中の不満を解消する要素が総じてDLCで追加販売されているのだ。
DLCの中でも、特筆すべきは装備強化用アイテムである宝石だ。
4種各10ランクもの種別があり、「収拾強化の手間を省けるよ」とばかりに販売されているが、
中身は種類もランクもランダム、しかも一部有用なものは出現率が低いネトゲ廃人御用達仕様。
――スレ内で「剣『投資』」の呼び名が定着したのも納得の強欲ぶりである。

これだけでも既に刮目に値するクソであったが、本作はまだ大いなるポテンシャルを秘めていた。
発売1ヶ月後のアップデートによって、謎の方向へ進化を遂げたのだ。
敵のAIばかりが賢くなり、あの「魔法」は大幅に威力が向上。
相変わらずアホAIのままの味方NPCが、相変わらずプレイヤーの背後をつけ狙い、
相変わらずプレイヤーの攻撃を邪魔してくる。
ここに本作は、強敵と背後の味方の二つの恐怖による奇抜なスリルを楽しむゲームに生まれ変わったのである。
併せてフレンド機能なども強化されたが、オンラインは発売1週間で既に過疎化。
この奇抜な世界観や対戦を楽しめる猛者が既に少数となっていたことは何とも惜しまれる。
発売後にまさかの無料体験版、運営陣が貴重なユーザを虐殺するオンライン戦、など
本作はこの後もホットな話題をスレに提供し続けた。


師走も後半、これからが本当の地獄だ、とばかりにスレに現れたのは
『ドラゴンボールアルティメットブラスト(UB)』(PS3/Xbox360・バンダイナムコゲームス)だ。
偉大な原作の安定した人気に支えられ、『ドラゴンボール』のゲーム化は近年では堅実なシリーズが続いていた。
そのため『UB』も期待感をもって迎えられていたのだが――
美しいグラフィック、派手なエフェクト、見事なアニメーションは確かに期待に添っていた。
だがその美しい外観を以てしても、あまりの無内容を糊塗することは出来ていなかったのだ。
華であるはずの戦闘は、攻撃・移動・必殺技、つまりほぼ全てのタイミングでムービー付きの
クイックタイムイベント(QTE)が挿入され、ひどく冗長な展開となる。
更に苦痛なのはこのQTEのほとんどが単に運任せの「二択」であり、
対戦アクションゲームらしい技術や駆け引きなど要さない、ということだ。
たまに他の要素があるかと思えば、単なるボタン連打に過ぎない。
二択と連打で戦法は3種――これでようやくジャンケン並の脅威の薄さである。

自作キャラを使用できる「アバターモード」も存在するが、
折角のアバターも体型は3種、性別は男のみという自由度の低さで、これまた薄さが目立つ。
その上アバターにスキルを覚えさせたいなら、冗長な戦闘を大量のハズレを引きつつ
数十時間は繰り返さねばならない「精神と時の部屋」が待っている。

ではキャラゲーの命、キャラ要素は?
100体以上の操作可能キャラが登場した過去作に対し、『UB』は各変身形態を含めても64体。
青年悟飯や悟天に餃子などの有名・主要キャラが存在せずストーリーも歯抜け状態になっている一方で
キュイ等妙なマイナーキャラはしっかり登場させる謎の選抜基準がプレイヤーを困惑させる。
また、パンチ・キック等の基本動作だけは再現度が高いものの、
ピッコロだから腕が伸びる、などキャラの個性を生かした演出はない。
それどころか嫌になるほど鑑賞できる上述のQTE演出に至っては、全キャラ共通の使い回しだ。
加えてオンラインモードも接続不良が続発。海外からも怨嗟の声が届くグローバルな残念ぶりであった。

キャラゲー故に当初は本作の戦闘力に疑念を抱いていたスレ住人だったが、
選評・報告が次々届き、この「錦で包んだ空き箱」の実体が暴かれてゆくにつれ、
次第に「UB=クソゲー」の評価は揺るぎないものとなっていった。


そしてクリスマス。1月の発売以来陰に潜んでいた不吉な影が、ついに姿を現した。
30年の歴史を持つ古典RPG「ウィザードリィ(Wiz)」の復興を掲げた『Wizardry Renaissance』シリーズの新作、
『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街(Wiz亡霊)』(PS3・ダウンロード販売/アクワイア)である。

「ダンジョン」「戦闘」「アイテムハント」のほぼ3つのみで成り立つシンプルさがWizの特徴だが、
本作ではさらなる簡素化が図られた。
60層にも及ぶダンジョン群からは凝った仕掛けや謎解きを徹底的に排除。
広大な迷宮をさまよっては「スイッチを探しゲートを開けるだけ」の単純作業を
延々数十回繰り返すだけでほぼ全てが終わる簡素な造りとなっている。
戦闘もまたシンプルだ。敵も味方もダメージ値が最序盤から狂っており、
補助魔法などプレイヤー側の防御手段は極限まで削られている。
故に敵味方共にインフレ火力を相手にぶつければそれで戦闘は終了であり、
プレイヤーの知識や戦術などほとんど必要のない、運ゲー的単純さだけが追求されている。
一方、そんな簡素すぎる背景を飾るのはセーブ不能・命中率0化等のバグ(一部修正済)、
センス皆無の罠、ほぼ静止画ながら頻繁に起こる処理落ち、ボイスのズレ、
何をするにも画面切り替えを強制される、煩雑かつスローな操作性……等が織りなす、
ここばかりは豪華な、不具合と嫌がらせのつづれ織りだ。
有料DLCと最初の村でダメージ4桁を叩き出す最強武器が平然と売られ、
買わずとも序盤の雑魚がばらまいてくれる気前の良さの前では、アイテムハントに闘志を燃やす必要もない。
それどころかアイテムリストは「制作ミスで埋まらない」ため、そもそも努力する意味もない。

この惨憺たる空疎にも、多少の理不尽は日常のWiz界に長年訓練された冒険者達は
苦笑を浮かべつつまだ持ちこたえていた。3分売シナリオの、シナリオ2までは。
――シナリオ3の戦闘は、そんな古強者をも震撼させた。
プレイヤー側の可視的パラメータは早々に頭打ちとなるが、
敵はパラメータ・攻撃回数・行動速度がレベルと共にぐんぐん上昇。
終盤ではどうあがこうと先手を取れぬプレイヤーを敵が一方的に蹂躙し、
「遭遇即全滅で当然、2ターン目が来れば幸運」の完璧な運ゲーがそこには完成していた。
最低数億の経験値を要する超高レベルならば「まあ戦える」ものの、
正攻法でその域を目指せば数百時間を要してしまう。
そのため、「金稼ぎの裏技を60時間行い経験値を買う」方法が本スレでは提唱された。
また、クリア自体は逃走やセーブ&ロード、またはDLCか敵から入手できる
「敵出現阻止アイテム」で雑魚戦を回避すれば容易に達成できる。
雑魚の異常な強さに対し、ボスは格段に弱いからだ。
戦闘が妙味のはずが歴戦の本スレ住民すら「金でレベルを上げろ」「戦闘は非効率」の声を上げ、
「非戦」の選択もやむなしとされる恐るべき仕上がりは、
流石は人ならぬ「亡霊」であるとKOTYスレを頷かせたのであった。


いよいよ年の瀬も押し迫った大晦日、スレに猛然と地吹雪を巻き起こしたのは
『Piaキャロットへようこそ!! 4 ~夏の恋活(バイト)~』(Xbox360・PIACCI)である。
ファミレスを舞台とする有名18禁AVD「Piaキャロットへようこそ!!」シリーズの移植版だが、
本作もまた2月に発売されながら長期間見出だされなかった伏兵であった。
なぜかくも長期間潜伏を続けていたのか?――答えは簡単だ。
家庭用ゲーム界では想像もつかぬ低品質ゲームに溢れた18禁PCゲーム界(通称「修羅の国」)ですら
エロ以外は駄ゲーとの呼び声高かった原作からエロ要素を取り除いて移植した本作は、
手を伸ばしたがる者が誰もいない典型的な「誰得作品」「見えている地雷」だったのである。

内容も地雷の名に恥じぬ爆発力だ。
まずはグラフィック面だが、KOTYスレ住人をも唖然とさせた
「サバンナにしか見えない運動競技場」「空間が歪んだ部屋」をはじめ、
この種のゲームにとっては最重要のキャラグラフィックまでが軒並み低品質で、
購入者をして「キャラの半分はできるだけテキストウィンドウから上を見たくない」とまで言わしめる代物であった。

システム面でも処理落ち・不安定なスキップ機能、セーブ数の増大で発生する謎の読み込み遅延など、
クソADVには欠かせぬ不具合類は無論完備。
パラメータ調整用に設けられているSLG部分は、特定行動のみで構わない退屈な構造の上、
そのパラメータの多くはゲームに大した影響をもたらさない。
存在意義の薄さにも関わらず、無駄に重要フラグが挿入されるため邪魔ですらあるこのSLG部分の役割は、
「このゲームは根幹から間違っている」ということをプレイヤーに実感させることのみと言えよう。

ではシナリオ面はどうか。貧弱かつ場当たり的なシナリオは
メインヒロインを空気化し、人気ヒロインを頭のネジが飛んだ阿呆に変貌させ、
恋愛ゲーの根幹であるヒロイン達を重んじる気配を毛ほども見せない。
また、キャラの設定や場面展開等、忘れてはならぬものは潔く忘れ去る一方、
主人公を「虚言癖のストーカー紛い」として描き、
プレイヤーの感情移入をいちいち阻害することだけには余念がない。
そもそも移植の段階でこの「シナリオが弱いエロゲー」から「エロを抜き」、
「攻略キャラを1人まるまる削除した」という巨大な穴が開いているのが本作であるが、
その穴を埋める調整は全くと言ってよいほど行われていない。
結果として半分以上のルートでは特筆すべき事態が何も起きぬ空虚がプレイヤーを出迎え、
挙げ句の果てにはプレイヤーも気づかぬ間に主人公とヒロインが恋人同士になっていたり、
あろうことかヒロインが妊娠していたりする超展開が待っている。
そのくせ主人公はパラメータ不足でバッドエンドに陥ろうものなら
「仕事以外思い出がない(要約)」とほざく始末。
こうしたシナリオの穴がベトコンばりの落とし穴戦術となって、プレイヤーの士気を根こそぎ奪いに来るのである。
この地雷原兼落とし穴地帯に特攻し、選評と130キロ恋活(バイト)にものぼる地獄の戦場記録を
書きつづった勇者も現れ、その雄姿にはスレ住人から惜しみない賞賛の声と拍手が贈られた。


大晦日まで波乱を見た2011年も幕を閉じ、
KOTYもいよいよ本格的選考に入るかと思われた2012年1月初め。
何と2011年作品最後の、冬の雷鳴がスレに轟いた。
『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(Wii・タカラトミー)
――そう、09・10年の二年に渡ってKOTYに名を馳せた、あの『人生』の再来である。

前作『ハッピーファミリー』は、辛うじて人生ゲームの体を為している体験版(1,000円)に
毛が生えた程度の内容でフルプライス、という驚愕のぼったくり商品であった。
クソゲーの老舗タカラトミーはその消費者軽視の姿勢を堅実に守り抜き、
マイナーチェンジによって我々の前に三たび「ゲー無」を送り出してきたのである。

何が勝利条件なのかも理解していないCPUと、
スレ住人の丹念な検証によって出目が異常に偏っていると判明したルーレットが
イベントを極力廃した盤上に紡ぐのは、ただひたすらに無為な時間だ。
キャラメイクも無く、ろくな幼年時代も小中学時代も無く、
スリルを高める「仕返しマス」も存在せず、ミニゲームも存在しない。
マスコットキャラの天使と悪魔も存在しない。
イベント用サブマップは無内容ゆえに「流刑地」と呼ばれ、
しつこく子供を作ってはそんな流刑地に送られたがるCPUにイライラは募る。
結婚すれば親と同じ顔のクローンばかりが誕生し、
特定のプレイヤーばかりが同じようなハプニングに巻き込まれ続ける。
株を買おうと保険を掛けようといずれも有名無実の紙切れでしかなく、
己の将来に備える心づもりもさせてくれない。
そんな無為で単調な毎日の中、数少ないイベントが幾度となく反復されるのを見ながら、
青年だろうと百歳の老人だろうと同じ姿の手抜きキャラ達に出迎えられつつ
時折各地の名所・グルメ情報を見るだけの「人生」など、誰が望むのであろうか。
「友達・家族とプレイしたら険悪になった」との声が上がるほどの
味気ない毎日に最後まで耐えきったプレイヤーを待つのは、
ローリスクハイリターンすぎるギャンブルによってそれまでのプレイ結果が容易に覆され、
ゴールさえすれば巨額の借財も帳消しの、あまりに呆気ない幕切れである。

前作までの根本的なゲーム性の無さを何一つ解消せぬままに、
誇張や嘘、各地を嘲笑うかのような寒い冗談すら含む微妙なご当地ネタを乗せただけで
再びフルプライスで発売されてしまった本作は、
「また人生か!」という半ば驚嘆、半ば諦めの声をもってスレに受け入れられた。


クソゲーオブザイヤー2011。
秋の気配深まる頃までスレを包んでいた平穏は、今はどこへ去ったのだろうか。
僅かの間に、数えてみれば7作ものクソゲーがスレに闇をもたらしていた。
そして、見渡してみればその全てが「一定の評価を受けていたシリーズ」の続編であるという事実。
それは最早シリーズ作にも安定と楽しさを求められぬという、
ゲーム界の衰弱と闇の深さを如実に示していた。

それでは、その闇の最深淵に沈む作品――
2011年、クソゲーオブザイヤー大賞作を発表しよう。


『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』


本年の候補、いずれ劣らぬ悪夢の7雄は
「極度の手抜き」「単調なゲーム性」「システムの不具合」「操作性の低さ」
といったクソゲーの基本条件を尽く満たしており、
多くの勇敢なる検証者の屍を積み上げながらも、審議は難航を極めた。
その中で『Wiz亡霊』が選出されるに至った理由――それは、絶望の深さである

ハック&スラッシュの原点を追求するシンプルなシリーズであるが故に
美しい映像も、重厚なシナリオも、魅力的なキャラも、凝った世界観も、
およそ他ゲームにおいて要求されるような要素などハナから求められていないのがWizである。
冒険者が求めるのはただ自己を錬磨するダンジョン、打ち倒すべき敵と勝利、そして戦利品のみだ。
しかし『wiz亡霊』が提供するのは――

不具合と単純作業とテンポの悪さが手を取り合った、単調極まるダンジョン。
訓練の行き届いた歴戦の冒険者をして「非効率」と言わしめる、無内容かつ拷問と化した戦闘。
店売りとDLCで意欲を削がれる上、制作ミスでコンプリート不能のアイテムハント。

他作品よりも遙かに要求のハードルが低く、遙かに寛容なユーザー達の僅かな期待をさえ
尽く裏切り絶望させていったその姿は、単なる「クソWiz」には留まらず
既に「まともなダンジョンRPG」の死から生まれた「亡霊」そのものと化していた。
更に本作はこの惨状でありながら、己の空虚を省みず「500時間プレイ」「敵59630体撃破」等の
無理無体なトロフィーを設定。その愚挙にはもはや溜息しか出ない。
あまつさえ*A*C*Q*U……いや、アクワイアはこれ以上の修正を今に至るまで放棄。
直前まで本作を割引販売した上で新ダンジョンを含む完全版を発売する厚顔ぶりまでも見せつけ、
ユーザーを改めて深く嘆息させたのである。

本作にはまた、他に類を見ぬ絶望も見いだされた。
通常のクソゲーであれば、途中で投げ捨てればそれで終いだ。
しかし本作は不幸なことに、長い歴史を誇るやり込みゲー・Wizの末裔であった。
多くの者が或いは怒り、或いは落胆しつつ迷宮を去る中、
やり込みで高難度をねじ伏せる快感をくれた古き良きWizの記憶が
「いつかは心から楽しめるのでは」「いつかは改善されるのでは」という一抹の希望を抱かせるのか、
はたまた「Wizだから」の魔法の言葉で全てに耐えてしまうのか、
完膚無きクソゲーでありながら長時間プレイしてしまう古強者たちも確かに少なからず存在していたのだ。
クソ戦闘に耐えてパーティを育成し、敵を乗り越えようと数百時間を費やした者。
手抜きのみの内容に倦怠を覚えつつ、しかしWizを諦めきれず裏技に手を染め、
それだけで60時間をドブに捨てた者。
「コンプリート不能」を万が一にも覆す可能性に賭けてアイテムを求め、
文字通りの無間地獄を永遠に彷徨う亡霊と化した者――
冒険者達の汗と涙と貴重な時間の浪費の果てには――しかし、何も無かった。
敵の有利を完全に覆す日も、アイテムリストが埋まる日も、
うち捨てられた不具合が直る日も、やって来はしなかった。
Wiz復興を願ったはずの『Wizardry Renaissance』作品によってその望みが瓦解していく音を、
心の折れた冒険者達は虚無の中で聞くしかなかったのである。

本年の候補作全てに共通する「シリーズ作の続編」という特徴を最大限に生かした上で、
より深い絶望、より甚大な時間の空費、そして空しさをもたらしたというこの点も高く評価され、
本作が本年の大賞を受賞するに至った。

本年、「剣投資」「亡霊」の二つのクソを生みだし、
図抜けた商魂で見事クソゲーマイスターの地位を確立したアクワイア、ならびに
目先の利益にのみ狂奔して消費者たるプレイヤーを軽視し、
クソゲーという名の絶望を生み出し続ける全てのメーカーに、
古き良きウィザードリィから、あの守銭奴寺院の迷文句を借りて一言を贈りたい。
――「楽しいゲーム」という、既に忘れ去られたのかもしれない古き神の一信奉者として。

    「 この背教者め (ゲーム界から) 出て行け! 」

2012/3/12 15:30    

総評案13#2をスレでの指摘を受けて訂正。
亡霊に「59630体」トロフィー、雑魚が最強武器量産の内容を追加。
人生にキャラの使い回しを追加。その他改行位置の調整等、微調整を行った

総評案14 (ドラゴンボール アルティメットブラスト)    

 2010年、クソゲーオブザイヤースレを襲ったのは、未だかつて無い門番による蹂躙劇だった。
 クソゲーにセオリーなど通用しない。そのことをまざまざと見せ付けられたKOTY。
 果たして2011年は、どのようなクソゲーが現れ、どのように我々を襲ってくるのだろうか……
 そのような不安を抱えながら、2011年KOTY据置は発進した。

 しかし、そんな住民達を待ち受けていたのは、かつて無い規模の大飢饉だった。
 すっかり目の肥えてしまった住民達に対し、持ち込まれてくるゲームはどれもクソゲーと言うには首をかしげるようなものばかり。
 いつしか冬が終わり、春が過ぎ、夏は暮れていった。
「ひょっとして、今年はもうクソゲーは現れないのではないか?」
 住民達は希望に胸を躍らせた。たまにはクソゲーのない平和な年があってもいいじゃない。
 秋の瀬に差し掛かった頃、スレにはそのような意見が散見され始めるようになる。
 しかし、住民達は知らなかった。
 すでに世に解き放たれたクソゲー達が、すでに自分達を蝕んでいるということに……

 10ヶ月に渡る長い沈黙を破り、スレにとあるゲームの選評が届いた。
 9月29日、サイバーフロントより発売されたそのゲームの名は、『code_18』。通称「C18(しーじゅうはち)」である。
 神ゲーとして名高い『Ever17』の流れを汲むAVG(アドベンチャーゲーム)、『infinity』シリーズの最新作だ。
 AVGというジャンルは、大雑把に言えばシナリオをその他の要素で盛り上げるゲーム、という一言に集約される。
 よって、シナリオがよければある程度の評価は約束されているし、シナリオがクソであっても挽回は十分に可能になっている。
 つまり、AVGは「クソゲーが出にくいジャンル」なのである。
 だが、この『code_18』というゲームは一味違った。
 その他の要素がシナリオを盛り上げるどころか、足を引っ張ってくるのである。
 付随してくる文章と明らかに齟齬のある「絵」。
 ヒロインごとにルートが独立しておらず一本道で、バッドエンドを迎えるとセーブした場所によってはプロローグからやり直しになる「システム」。
 電車の音がその後のシーンに跨って延々と流れ続ける「SE」。
 コスプレ喫茶という話なのにコスプレしていない「立ち絵」。
 スカイタワーにいるはずの場面で突然浅草寺にワープする「背景」など、ただでさえ出来の良くないシナリオの足をこれでもかと引っ張ってくれる。
 「スタッフロールにデバッグ担当の名前があるのが信じられない」という本作を検証した住民の言葉が、このゲームのすべてを物語っていると言えよう。

 このC18を皮切りに、多種多様なクソゲーが我々の前に立ちはだかることになる。

 奇しくも同じ11月23日、同じ日に生まれ出た双子のクソゲーがスレに降臨した。
 双子の片割れは、D3PUBLISHERより発売された、『街ing(まっちんぐ)メーカー4』。
 自分でキャラを操作して、自分の作った街を自由に歩き回る事が出来る街づくりSLG『街ingメーカー』シリーズの4作目である。
 『街ingメーカー』シリーズといえば、一人ひとりの住民と会話や買い物をすることによって街が発展してゆく、というシステムが好評だったシリーズである。
 しかしこの『街ingメーカー4』は、それらの要素はほぼ削除されており、住民達は建物の名前を呟く程度の実にどうでもいい定型文を繰り返すマネキンとなっている。
 その結果、このゲームはゲーム内時間24時間(現実時間にして10分)ごとに貰えるポイントを使って建物を建て、あるいは建物を潰し、その様子を眺める「だけ」という、凄まじい内容に纏まっている。
 一応、ゲーム内にはポイントをゲットするためのイベントもあるのだが、貰えるポイントはごく微量なので、存在する意味がない。
 待ち時間の間にできることと言えば、黄色いオッサンを操作して町を眺めることだけである。
 建物のクオリティが高ければまだマシだったのかもしれないが、本作のグラフィックは次世代機にしてPS2並。
 テナントの種類も少なく、老朽化や発展もせず、建てられる建物の種類も物足りない。
 おまけに操作性が悪い、ロードが長い、プレイ中に聞けるBGMが朝と夜の2つしかないなどの細かなクソ仕様が上記に加わり、非常にイライラさせられる。
 クリアまでの5時間のほとんどが「待ち時間」である本作は、「待ingメーカー」と呼ばれ、「虚無ゲー」としての地位をスレの中で確立していった。

 双子のクソゲーのもう片方は、KOTYというコロッセオに降り立った剣闘士、アクワイアより発売された『グラディエーターバーサス』である。
 古代ローマの剣奴をテーマにした対戦アクションゲーム、『グラディエーター』シリーズの4作目だ。
 が、今作からは「魔法」の概念を取り入れ、世界観も一新。古代ローマの剣奴ではなく、ファンタジー世界における傭兵にテーマを変更している。
 その影響で、前回まで好評だった「ドッジ」「パリィ」といった要素は削除された。
 では、そうして路線変更を測った当ゲームがどのようなものなのか、見てみよう。
 まずは公式に「組み合わせは10000種類以上」と表記されるキャラクターメイキングが始まる……が、その種類は種族3×顔3×頭3×声3×髪型6で、486通りしかない。
 一応水増し要素の刺青18を入れれば8748通りにはなるが、それでも10000通りには届かず、のっけから宣伝詐欺というジャブを入れてくる。
 キャラクターメイキングが終わると、ゲーム本編が開始される。ゲームは難易度ごとにミッションを選択し、ストーリーを進めていくスタイルである。
 しかし、ミッションはどれもこれも3vs3を何度か繰り返すだけで、非常に単調である。
 ステージは24面あるが、背景も使い回しが多く、ミッション選択時に非常に読みにくい文字で表示されているストーリーが進んでいるのかどうかもよくわからない。
 戦闘はできることが少なく基本的にゴリ押しで、同じ攻撃をひたすら連打することになる。
 モーションも地味でエフェクトも少なく、爽快感など微塵も無い。
 それに加え、味方のAIがとても残念なことになっており、高い頻度で魔法を誤射してきてコンボを中断させてきたり、敵を引き連れて1vs3にしてきたりするなど、ストレスに苛まされることになる。
 またミッションクリアで報酬が得られるのだが、ミッションクリアによる報酬が少ないのに、装備を強化するためや、敵が落としたアイテムを手に入れるのにゲーム内通貨を使う。
 そのため、装備の強化には非常に苦労させられる。
 武器防具の強化のために必要な宝石のドロップも異常に悪く、報酬場面でも非常にストレスフルである。
 オンラインプレイに活路を見出そうにも、発売後一週間でオンラインは過疎化したので、協力プレイも対戦プレイもほとんどすることができず、検証すらままならない。
 また、このゲームを語る上で外すことができない要素がある。
 ダウンロード・コンテンツ(DLC)である。ネット上でリアルマネーを払うことで、そのゲームに関する特典を購入することができる、というシステムだ。
 本作のDLCでは、アイテムボックスの拡張、キャラスロットの拡張などの要素に加え、入手できるものがランダムの「装備強化用の宝石セット」というものが売ってある。
 このガチャガチャ、どうも確率が弄ってあるらしく、一番重要な宝石が非常に出にくい。
 先述の通り、ミッションでの宝石のドロップ率は極めて悪い。メーカーの欲望が透けて見えるどころか、最早丸出し状態と言って差し支えはないだろう。
 ウィルスバスターに「オンライン詐欺に関係している可能性があります」と警告されるその逞しすぎる商魂を称えて、スレではこのゲームを『剣投資』と尊称するに至ったのだった。

 この双子のクソゲーの登場にスレが恐怖してから間もない12月8日、意外すぎるタイトルが溶けた氷の中から現れた。
 バンダイナムコゲームスより発売された、『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(以下UB)。『ドラゴンボール』シリーズの、次世代機に入ってからの4作目である。
 まずは、『UB』の褒めるところを褒めておこう。
 まず、映像が綺麗で迫力がある。圧倒的なグラフィックは今までのどのドラゴンボールシリーズをも上回り、新規アニメなどを交えたド迫力の戦闘を我々の前に見せてくれる。
 以上である。
 このゲームでは、少しコンボを繋げるとクイックタイムイベント(以下QTE)と呼ばれるショートムービーが挿入される。
 これが通常技、必殺技、果ては移動をするたびに何度も何度も発生し、戦闘のテンポを非常に悪いものにしている。
 そのQTE内部のコマンド入力だが、基本的には2択のじゃんけんである。
 つまり『UB』における戦闘というのは、ひたすらにこのQTEの繰り返し、すなわち「2択じゃんけんの繰り返し」ということになる。
 当然、そこに「対戦アクションゲーム」としての駆け引きなどない。
 対戦とは何だったのか、アクションとは何だったのか、という哲学的な問いかけを思い浮かべずにはいられない。
 通常戦闘以外にも問題点は山積みである。
 『UB』の登場キャラクターは64人。対戦ゲームとしてはかなり多いのではないか、と思うかもしれないが、ぶっちゃけるとこれらのキャラの中身は同じである。
 ほとんどのモーションが使いまわしであり、QTEでの攻撃には常に既見感に苛まされる。
 「力を入れた」とスタッフが称するストーリーモードでは、主要キャラクターが何故か抜け落ちており、原作ストーリーを全く追えていないぶつ切りストーリーが展開される。
 自らの分身を操ってドラゴンボール世界を満喫できる「アバターモード」は、キャラクター構成パーツが著しく少ない、修行の内容が苦行でしかない、やることは単調な上記の戦闘を繰り返すことのみ、と非常に残念な出来栄えである。
 『剣投資』と同じくオンライン対戦に活路を見出そうとしても、エラーが頻繁に発生し、切断が起こりまくるくせに切断が起これば双方に切断ペナルティが科せられるなど、まったく救いがない。
 どうしようもないクソゲーという表現がよく似合う、まさに正統派のクソゲーと言えよう。

 クソゲー達による怒涛の進撃は留まることを知らない。
 続けて現れたのは、アクワイアより1月に発売されていた『ウィザードリィ 囚われし亡霊』(以下、亡霊)である。
 『ウィザードリィ』シリーズといえば、ゲーム好きの間で知らぬ者はいない、ダンジョン探索型ゲームの金字塔とも言える存在である。
 本作は発売日の当初はセーブバグで若干の論議はあったものの、パッチでおおかた修正され、たいしたクソゲーではなかったと判断されていた。
 しかし12月に入り、当初ではわかり得なかったこのゲームのクソ仕様が、選評者によってもたらされたのである。
 本作はシナリオ1からシナリオ3までが順次ダウンロード販売されており、シナリオ1からすでにおかしい戦闘バランスを指摘され始めていたが、訓練されたwiz民を屈服させるほどの出来ではなかった。
 異変はシナリオ3という場面に入ったところで起きる。
 シナリオ3に入ると同時にレベルキャップが開放されるのだが、味方の能力がそれまでのキャップに到達するまでもなくHPと耐性以外は最高値に達するのに対し、敵の強さはそんなことはお構いなしにモリモリと上がってゆく。
 結果、終盤になってくるとバランスは完全崩壊。エンカウントしたが最後、味方よりも圧倒的に早い敵の先制攻撃で、成す術も無く全滅してゆくしかない。
 この状況をなんとかするためには、500時間以上という膨大な時間、あるいは裏技によってレベルを上げるか、DLCやレアモンスター狩りを行って手に入るエンカウント回避アイテムを使う、敵に会わないように数歩歩いてセーブを繰り返す、といった手順を踏まなければならない。
 wizにおける目的であるはずのアイテム収集も、絶対に入手できないアイテムが混入しているためにコンプリート不可能という事態に陥っている。
 ついでにレアアイテムもだいたいDLCで売りに出されている。
 また、キャラグラフィックと異なる音声が再生されたり、ダンジョン内で意味不明の処理落ちが起きたりするなどの細かいバグも完備。
 小ネタでプレイヤーの精神をじわじわ削ることにも余念がない。
 このぶっ壊れた戦闘バランスとアイテムコンプ不可能という仕様は、訓練されたwiz民でさえ「我々の業界でも拷問です」とばかりに匙を投げるしかなかった。
 一般ゲーマーに比べて沸点の遥かに高いwizプレイヤーに匙を投げさせるという現実は、このゲームがいかに筆舌に尽くしがたいクソであるかということを如実に表していると言える。

 選評が出揃い、総評の作成に取り掛かろうとしていたスレに、大晦日を狙ったかのように襲撃をしてきたクソゲーがあった。
 PIACCIより2月24日に発売された『piaキャロットへようこそ!!4~夏の恋活~』(通称pia4)。知る人ぞ知る『piaキャロット』シリーズのナンバリングタイトル4作目である。
 C18の時にも持ち出したが、AVGというゲームは「シナリオをその他の要素で盛り上げる」という一言に集約される。
 しかし本作は、あの修羅の国において「エロ以外に評価できる点がない」と評されるほどのものであり、AVGの中枢たるべきシナリオが恐ろしい出来になっていた。
 新しく出てきては忘れ去られて全く触れられなくなる設定。
 バッドエンドを迎えると妹と一線を越えていようが「何も思い出を残すことはできなかった」とほざく主人公。
 幼女が溺れていたから助けたら惚れられた。
 といった、頭を抱えたくなる展開がプレイヤーへと押し寄せる。
 さらに問題なのは、カットしたシーンへの対処である。
 本作はコンシューマへの移植に際し、××な場面をカットしてお贈りしている。
 コンシューマ化に際して避けては通れない道だが、pia4では××な場面を含むイベントを全カットするという、実にシンプルな方法が取られている。
 これにより、元より薄いシナリオがさらなるカオスを生み出した。
 格ゲーをしていたらいつの間にか男女の仲になり、いつの間にかヒロインが妊娠している。
 事件を他人に解決してもらったら、何故かヒロインが妊娠している。
 一緒に走っていたら次の日にはヒロインと一線を越えている。
 深刻そう話をしたら次の日には妹と一線を越えている。
 といった、『UB』も真っ青のぶつ切りシナリオがプレイヤーを熱烈に歓迎してくれる。
 シナリオ以外の要素も「ひどい」の一言である。
 本作にはAVGパートとSLGパートがあり、SLGパートで主人公のステータスを上げることができるが、このステータスはエンディング分岐以外に何一つ影響しない。
 エンディングに際してステータスが足りなければバッドエンドとなるだけである。邪魔以外の何者でもない。
 セーブファイルの数は増えるとセーブ・ロードの挙動が一気に重くなり、たまにフリーズするようになる。
 バックログが一つ前のメッセージを順繰りに表示するという凄まじく使いにくい仕様で、前の会話を確認することもままならない。
 これら以外にもクソ要素は満載で、挙げていけばまさにキリがない。
 ごらんの有様の本作であるが、このゲームは過去にもあった「負の吸引力」のようなものを持ち合わせていたのか、数多の勇者が突撃を敢行し、爆死していったことも追記しておこう。

 悪夢のような年が明け、総評が投下されてゆく季節となった。
 しかし、クソゲーはそのような平穏な時間を狙って来訪してきたのである。
 遅れてきたそのクソゲーの名は……タカラトミーより9月1日に発売された『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』である。
 思わず「またお前か」と叫びたくなるほどの、KOTY常連の『人生』シリーズ最新作。このゲームの内容が記されたその選評には、恐るべき人生ゲームの系譜が書き記されていた。
 まず、2010年KOTY次点にノミネートされた前作『人生ゲーム ハッピーファミリー』からまるで成長していない姿が目に飛び込んでくる。
 名前も見た目も変更できない10種類のプレイヤー。
 全1種類のマップ。
 極小の「職業」「恋愛」要素。
 「ミニゲーム」「カード」「学校」などの復活もなし。
 シリーズお馴染みの天使の復活もなし。
 旧世代機種でできていたことも悉く実装せず。
 一周目からネタ切れを起こすイベント。
 これらの要素は前作の選評でも判明していたことであるが、今作は有志による突撃により、さらに検証が進むこととなった。その結果……
 CPUが優先的に行こうとするミニマップのイベントが数種類しかない。
 「おじゃましマス」による他プレイヤーへの攻撃が一定のプレイヤーに偏る。
 それどころかルーレットの数字すら偏っている。
 さらに「最後のギャンブル」ですべて逆転可能なので人生ゲームの核であるはずのお金稼ぎがほぼ無意味。
 などのクソ要素が次々と発掘されることとなった。
 唯一の希望、追加要素の「ご当地ネタ」は、「○○では△△っていう食べ物が有名なんだ! おいし~♪」といったスイーツ(笑)以下のものである。
 「マイナス50点のものに1点の追加要素を加えてもマイナス49点なんだよ!」とはスレ住民の声であるが、このご当地イベントによって元々あった数少ないイベントが潰れているので、「この追加要素はマイナスなのではないか」という議論すら沸き起こる始末である。
 こうして、KOTY常連、強豪タカラトミーが、今回も危なげなくKOTYに名を連ねることとなった。

 以上、7本のクソゲーが出揃ったところで、今回の大賞を発表するとしよう。
 史上稀に見る激戦となった、今回のKOTYを制した作品……それは『ドラゴンボール アルティメットブラスト』である。
 「七つの大罪」とも評された今回の7本のノミネート作は、そのどれもが突き抜けたクソゲーであり、その実力は全くの互角であると言えた。
 クソ要素としてはどの作品も横並びであり、決め手に欠ける中、『UB』を選んだ理由は、「いかにゲームとしてクソか」という点での審査を行った結果である。
 『UB』は「対戦ゲーム」と銘を打っておきながら、その中身は二択のじゃんけん勝負である。
 古今東西、他人と競い合いをする「対戦ゲーム」と呼べるものは星の数ほど存在するが、これほどまでに駆け引き要素のない「対戦ゲーム」がかつて存在しただろうか。
 コインを投げて裏表を当てるゲームですら、『UB』よりも駆け引き要素はあると言える。
 いかに美麗なグラフィックでごまかそうが、対戦ゲームである限り、グラフィックはあくまで外見であり、中身を伴ってこその存在である。
 つまり『UB』は、「ゲーム」としての加点要素が「理論上の最低値」に限りなく近いのである。これは他のノミネート作にはない『UB』のみが持つ大きなクソ要素と言える。
 よって、『UB』は、これらノミネート作の中で最もクソであると判断し、ここに2011年度版KOTYを与えることとする。

かつて無い規模での戦いとなった2011年KOTY。
 ゲーム業界そのものが危ぶまれていた時期もあったが、振り返ってみれば、名作と呼べるものからオブザイヤー級のクソまで、多種多様なゲームに恵まれた年となった。
 まだまだ据置も捨てたものではない。そう思わせてくれる一年だったと言えよう。
 それでは締めの一言として、大賞となった『UB』に向け、偉大なる原作『ドラゴンボール』よりベジータ王子の言葉を借りて、2011年KOTYを終わらせたいと思う。

「動かせない格ゲーなど必要ない! 死ね!」

~KOTY2011 (完)~

総評案15 (Piaキャロットへようこそ!!4) 引用 修正可    

司会:ただいまより「究極のクソゲー」VS「至高のクソゲー」の対決を行います。
この対決は「2011年でもっともクソであったゲーム」を提供した側の勝ちとなります。
それではまず、究極のクソゲー側から発表をお願いします。

栗田:私たちは究極のクソゲーを追究した結果、四八と同じADVゴミ「CODE18」を生み出しました。
これは誤字や脱字は当たり前、シナリオ内容とボイスが違うという手抜きも抜け目なく完備しています。
審査員S:ふむ。誤字脱字はクソゲーの基本だからな。
栗田:しかしそれだけでは究極のクソゲーとは言えません。このC18は、文章と表示される画像を恣意的に狂わせているのです。
山岡:これを見て下さい。雨が上がったと表示されても背景画像は雨が降ったまま、感動のメガネっ子との眼鏡を外したはずのキスの画像は眼鏡をつけたまま。
挙句の果てにスカイタワーでの感動の夕陽のシーンは、謎の暗転をさせて浅草寺を表示させて何事もなかったかのようにシーンを続行する。
審査員K:これは酷いクソゲーや。ちゃんとテストプレイをしたのか聞いてあきれるわ。
山岡:このゲームではBADENDルートで間違ってセーブしてしまった場合、最終章直前であろうとニューゲームからやり直さないとダメな拷問システムも搭載しました。
これではどんなプレイヤーでもディスクを本体ごとハンマーで叩き壊すこと間違いないでしょう。
審査員T:さすがに、制作プロデューサーが発売日に自身のツイッターを非公開にして雲隠れしただけはあるわい!
社員B:すばらしいわ! まさにC18(しーじゅうはち)、四八の流れを汲む最低のADVクソゲーじゃないかしら。

司会:では一本目の紹介が終わったところで、二本目の紹介に移ります。至高のクソゲー側、お願いします。
海原:よかろう。だが至高のクソゲー側の発表をする前に、一つ究極のクソゲー側に一つ言っておきたいことがある。
山岡:・・・なんだ・・・!!
海原:士郎、お前はC18がクソゲーたる所以を、画像やシステムに求めているようだが、C18、いや他のクソゲーと呼ばれるもの全てがなぜクソゲー足りえるか、という本質をまるで掴んでいない。
山岡:なんだとっ! お前にはそれが分かるとでも言うのか!
海原:クソゲーがクソゲーたる所以、それは表面的な画像や文章ではない。その作品全体に流れるクソゲーとしての存在そのもの、救い難いほど終わっているオーラそのものだ。お前のような与太者には崇高なるクソゲーのクソさを一生理解できんだろうがな。
山岡:なんだとっ・・・そんなのただのハッタリだろ・・・!
海原:ハッタリかどうか、実際にそれを今から皆さんにもお見せしよう。至高のクソゲーとして制作したのはこの「待ingメーカー4」だ。
審査員I:おお、あの良ゲーと言われた街づくりゲームがついにクソゲー化か。
海原:建てられる建物が全部で82種類と極端に少なく、BGMは昼と夜の2種類だけ、地形に至っては1種類だけというあきれた手抜きぶりだ。
前作まで好評だった住人との接触も極端に縮小することに注力している。住人の意思など完全に無視した、一方的な作業感・疲労感満載のプレイが売りである。
こんなファミリーベーシックでも作れるようなプログラムを、現代においてフルプライスで臆面もなく販売する。これが至高のクソゲーの在り方だ。
社員N:まあ! とてもSLGの体を成していない代物なのね!
海原:そして、このゲームが至高のクソゲーだと断言できるのは、ある大きな理由があるのだ。
栗田:何かしら・・・とても嫌な予感がするわ・・・。
山岡:まさか・・・さては「待ち」か!
海原:このゲームは驚くことに、ひたすら待つしかやることがない。何しろコントローラーを握っているよりも床に置いているほうが長いというごらんの有様だ。
建物を作ったらあとは待つことしか選択肢がない。次に作ることができるのは現実時間の10分後だ。それまで他のクソゲーでもプレイしているがよかろう。
審査員T:おお、なんという香ばしいクソゲーの香り!
審査員E:この待つ時間の退屈さが哀愁を誘いますな!!
栗田:や、山岡さん・・・!
山岡:・・・やられたっ・・・まさかゲームすらさせないことでクソゲーを表現するとは・・・

司会:審査員の方々のストレスもかなり高まってきたようです。それでは究極のクソゲー側、三本目の紹介をお願いします。
栗田:私たちが次に紹介するのは格闘アクション「グラディエーターバーサス」です。
ファンも多いグラディエーターシリーズですが、余すところなくダメ要素・クソ仕様を散りばめることで、究極のクソゲーに仕上げてあります。
まずは実際にプレイしていただくことでその酷さを体験していただけると思います。
審査員M:こ、これはっ!! 酷すぎる!
社長O:回避や崩しといった好評だった行動を全て排除、ひたすらムカつくもっさり感がどこまでも付き纏うな!
役員K:それだけではありません。味方NPCがプレイヤーに対して嫌がらせのように魔法の誤射をして戦闘の邪魔をしてきます!
海原:・・・む・・・確かに酷いがこのゲーム、それだけではないな・・・
栗田:このゲームが究極のクソゲーである理由は、メーカー側の悪質な課金搾取体制です。
フルプライスゲームであるにも関わらず、アイテムボックス拡張権、キャラクタースロットの拡張権、水増し容姿の追加DLCなど、その種類は多岐に渡ります。
社員A:そうよ! KOTYスレで剣投資なんて呼ばれ方をするのはプレイヤーの怨嗟の叫びなのよ!
山岡:特に力を入れたのは、ステータスを上昇させるための宝石をガチャガチャ販売してやたらに買い煽りをしたことです。
宝石を付けるために必要な宝石は極端に出にくくして、よりプレイヤーの出費が嵩むように設定するなど、その悪質ぶりはオンゲでも裸足で逃げ出すほどです。
審査員H:やはり、発売前にこのゲームの公式サイトに対して、ウィルスバスターが詐欺を警告したのは伊達ではなかったんだな・・・
栗田:あまりにも酷い搾取体制のため、発売後1週間でオンラインの過疎化を実現することに成功しました。
山岡:さらに一ヶ月後には製品版とほとんど変わらない体験版を無料配布し、ダメ押しに年末にはクソゲーがさらに超クソゲーに進化する謎のアップデートも行いました。
おかげで現在では既存ユーザーも新規ユーザーも誰もいなくなり、本スレも葬式さながらの状態です。
社長M:か、海原先生っ! これは、非常にまずいクソぶりなのでは!?
海原:・・・確かに酷いクソゲーだと言えよう・・・しかし安心されたい。
私も糞下倶楽部の主宰・海原である。次のクソゲーでそれを凌駕してみせよう。

司会:いよいよ皆様のSAN値も削られて参りました。次は至高のクソゲー側の紹介です。お願いします。
海原:・・・さて、ここで皆さんに一つ問いたいことがある。皆さんは最初から見えすいた地雷であるクソゲーと、ラストに差し掛かってから一層クソゲー化する本格終盤地雷ゲー。
どちらをより屑のクソゲーだと感じられるだろうか。
栗田:まさに究極の選択だわ・・・いったい海原雄山はどんなクソゲーを作ったというのかしら・・・
海原:至高のクソゲーとしてそれら二つの命題をプレイヤーに突きつける2本の作品を皆さんに見ていただこうと思う。一本目は「ドラゴンボール・アルティメットブラスト」
審査員D:むむ。ただでさえ地雷の多いキャラゲーか・・・
審査員T:キャラゲーはKOTYには難しい。ただでさえ版権の問題で、クソゲーであることが暗黙の了解じゃからな。
海原:このゲームのクソぶりは、プレイすれば1分とたたず理解できる。まずは実際に体験していただこう。
審査員A:おほっ! 格闘アクションなのにひたすら止まってばかりいる!
審査員M:止まるだけでテンポが悪いのに、その間にコマンドを入れるだけっちゅーんが、何とも。
社長O:これじゃあ格闘ではなく、ただのじゃんけんだ!
T井副部長:社長~、こりゃひどすぎますね~。こんなの幼児でも楽しめませんよ~。
海原:ご覧のように、格闘ゲームなのにじゃんけんと連打しかやることがない、極めて格闘クソゲーの基本に忠実なゴミゲーだ。
もちろん細かなバグや、主要キャラが省かれてストーリーモードが苦しいなどの細かな配慮も忘れていない。
そしてその序盤クソの余韻を忘れない鬱状態のまま、次はこのゲームをプレイしていただく。
その名は「ウィザードリィ 囚われし亡霊の街」
審査員H:ほお・・・あの名作3Dも今や至高のクソゲーか。
海原:このゲームも、一応序盤からクソゲーの基準は既に満たしている。しかしこのゲームが至高のクソゲーと称される所以は終盤にあると言えよう。
キャラクターのLVが100を越えてから、本タイトルは一気に至高のクソゲーへと進化する。
栗田:何かしら・・・海原雄山が自分のプレイデータをロードしはじめたわ。
山岡:なんてことだ・・・雄山の奴・・・wizを400時間もプレイしやがっていたのか・・・!
海原:これはシナリオ3に入ってからの私のセーブデータだが、このキャラクターで敵とエンカウントを行う。その様子をご覧いただきたい。
栗田:あっ!
山岡:ああっ!!
審査員T:おい! ザコ敵とエンカウントした瞬間、何もできずに全滅したぞ!
審査員D:これはひどい! こんなゲームまともにプレイできるものではない!!
海原:ご覧の通りだ。キャラクターの能力はLV99で頭打ちになるのに対し、敵のステータスは問題なく伸びる。
このためラストになればなるほど能力値の開きが尋常ではなくなり、このようなエンカウント即全滅の戦闘が度々起こるのだ。
山岡:いや・・・それだけじゃない・・・400時間プレイした雄山でさえアイテムリストがコンプリートされていない。
あれはコンプリートしないんじゃない、そもそもできない仕様なんだ・・・!
海原:このようにプレイヤーを理不尽に苦しめた挙句、やっとの思いで到達したラスボスは驚くほど弱く設定した。最後の最後まで人をバカにした、クソゲーの基本に則っていると言えよう。
最初からクソゲーと誰しもが理解するドラゴンボール、終盤に入ってさらにクソゲー化するウィザードリィ。どちらがより至高のクソゲーなのか。
それは審査員の皆様の判断に委ねさせていただく。

司会:皆さんの顔を見ると、怒りに震えている様子がよく分かります。それでは究極のクソゲー側の最後の紹介をお願いいたします。
山岡:・・・・・・俺は正直、今までクソゲーというものをナメていました。
栗田:山岡さん・・・突然何を言い出すの・・・!?
山岡:俺はそこに座っている男に、幼い時からクソゲーばかりプレイさせられ、発売日に定価で買わされ、その後捨て値となったソフトをワゴンで見る。そんな少年時代をずっと過ごしてきました。
社長O:山岡・・・
山岡:そこで俺は思いました。『クソゲーハンターになど俺はなりたくない! こんな家は飛び出してクソゲーなどとは縁を切った幸せなゲーム生活を送ろう』と。
海原:・・・・・・。
山岡:俺は家のクソゲーの山をハンマーでメチャクチャに叩き割って飛び出し、クソゲーと縁を切るために名字を変え、ハードもバーチャルボーイからスーファミへ、3DOからプレステへ、ドリームキャストからWiiへと勝ち組のゲーム機へと乗り換えた。
ところが、その勝ち組のはずのWiiでも連続して掴んでしまったクソゲーがある。それがこの「人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ」です。
審査員D:KOTY3年連続出場の猛者か。
審査員T:掴むも何も、当然の結末のようにも思うが・・・。
山岡:この作品の酷さは、元になった「人生ゲーム ハッピーファミリー」からほとんど何も変わっていないことです。
一応おまけというにはささやかすぎるご当地ネタを増量してはいますが、これはゲームの進行に全く関係がありません。
つまりゲームがクソであることを完全に放置したまま、些細なマイナーチェンジでフルプライス販売をしているのです。
審査員M:さすがタカラゴミーや。やることがえげつないで。
山岡:片手で足りる数のイベントを、両手で数えられないぐらい1プレイで重複する。これが本作のコンセプトです。
またどんなに道中で紆余曲折があったとしても、ゴール前の一発逆転で全てが決まるので、正直途中のイベントは意味がありません。
社員A:面白くない上に数が少なく、しかも全く意味がないのね・・・。
社員H:さすがは3年連続エントリーの汚名挽回だわ!
山岡: 増量のご当地ネタについても、「長野県民はカラオケで必ず県歌を歌う」、「熊野筆はくしゃみを出すのに便利」など、ほとんど人をバカにしたネタでSAN値を削ります。
審査員T:あきれた増量ネタじゃ。該当の地元民が怒るという点はクソゲーの基本なのかもしれんな。。
山岡:この人生ゲームが究極のクソゲーだと断言する理由は、時には人間関係さえも引き裂くスーパークソゲーであるということです。
このゲームを多人数でプレイしたために、関係が微妙になったというレビューが数多く報告されています。
審査員K:あるレビューサイトでは、夫婦でこのゲームをプレイしたために喧嘩が始まったらしいで。
審査員T:友人と多人数プレイしたせいで、メシをおごって関係修復をするハメになったという話もあるな。
山岡:クソゲーは時には人生を狂わせ、人間関係をも破壊してしまう。
それこそKOTYとして許さざるべき真のクソゲー、究極のクソゲーの姿なのではないだろうかと思う次第です。
海原:・・・・・・。

司会:いよいよ最後の紹介になりました。皆さんもうぐうの音も出ないほどやられておられるようですが、がんばってもう一本だけお付き合いください。
それでは最後の至高のクソゲーの作品をお願いいたします。
海原:・・・ここにおられる全ての方に問いたい。そもそも、クソゲーとは何であろうか。
栗田:今度は海原雄山まで・・・一体どうしちゃったのかしら・・・
海原:私はその問いに応える至高のクソゲーを追究し生きてきた。あるときはデスクリムゾン、またあるときは四八(仮)と、あらゆるクソゲーをプレイし、地雷を踏んできた。
そこにいる男が幼い頃、私がセガサターンのフタに接着剤をしこたまつけ、デスクリムゾンしかプレイできないようにさせたのはそんな思いからだ。
山岡:・・・・・・。
海原:そして私の求める至高のクソゲーがとうとう本年に現れた。そのゲームは「Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活(バイト)~」だ。
審査員T:修羅の国からの殴りこみがまたしても来たか。
審査員D:しかし18禁ゲームの移植はバグ姫を始め地雷がデフォルトです。よほどの作品でない限り大賞は・・・。
海原:このpia4は、そもそもかの修羅の国においても「エロしか取り柄がないゴミ」と呼ばれた駄ゲーである。
その駄ゲーから、唯一の取り柄のエロシーンだけごっそり抜き出して、ストーリーの補完はまったくせず、余計なフリーズバグだけは丁寧に追加しておいた。
「クソエロゲー」と呼ばれたものからエロを抜けば何が残るのか、誰にも一目瞭然であろう。
栗田:確かに・・・単純でありながらそれでいて答えははっきりしている。極めて明快な結果だわ・・・!
海原:このクソさはとても一言では表現できない。キャラ絵、背景絵、システム。どれを取っても一級品のクソゲーだ。
特にシステムは酷い。女の子とどれだけ仲良くなり、接吻、性交等が行われても、パラメータが少しでも足りなければそれだけでバッドエンドに突入だ。
その際主人公が「何しに来たかわからん一ヶ月だった。働いてた事しか記憶にねぇや。」などとほざくが、女の子と性交・妊娠までさせておいてこれでは、プレイヤーの脱力感はただならぬものがあるだろう。
もちろんセーブ数が多くなると処理が激重になる謎仕様や、既読スキップモードバグなど細かな気遣いも完備で、どこをどう切ろうと真性クソゲーという、言わば完成形のクソゲーとも言える。
山岡:・・・待て雄山!!
栗田:山岡さんっ!!
山岡:確かにpia4はクソゲーかもしれない! しかしだからと言ってこれが他の6作品を上回るクソゲーであるとは言えないはずだ!
海原:・・・士郎。おまえは私がどんな思いでこのゲームをプレイしたのか理解できているのか?
山岡:な、なに・・・?
海原:これを見るがいい。ここに私がこのゲームをプレイした際につけていた記録がある。この中には、プレイ中に私が何を思ったのか、詳細に記されている。
審査員F:凄い! テキストファイルなのに130kbも容量がある!
社員A:400字詰め原稿用紙、170枚分の内容よ!
栗田:しかもこれを読むと、あの海原雄山が、プレイ後半に行くにしたがって精神崩壊している・・・!
山岡:ば、ばかな・・・っ!! そんなものが大賞の理由になるか!
海原:何も私はこのレビューをもって、pia4を大賞にせよと言っているわけではない。
Pia4が真の意味で至高のクソゲーだと主張するのは、「軽くプレイした者には程よいクソを、普通にプレイした者には苦痛なクソを、真剣にプレイした者には精神に異常きたすクソ」を与えるという奥深いゲームだからだ。
山岡:・・・・・・!!
海原:お前も気付いただろう。最初から地雷上等としてかかったゲームは、ネタとして楽しもうという一面が強くなる。
それがバグであろうと、ネタであろうと、それらを嘲笑うために楽しむということが主目的になる。
よってそこにこれといった負の燃料がない場合は、ただ全体を流して「単につまらなかった」という評を下してしまいがちだ。
審査員M:たしかにわては、四八プレイの時にメシジマを笑いのネタにしていたわ・・・。
海原:そういう意味ではこのpia4はそのネタとしての期待にすら応えない。
マジメに主人公やヒロインの心情に感情移入、自己投影をすればするほど精神的におかしくなる。
自分の思い入れをした萌えキャラが、知らないうちに妊娠に至っていたとなったら、もはやNTR感さえ出てくるだろう。
このpia4は、正真正銘の至高のクソゲーである。
なぜなら製作者がシナリオを始め、キャラクター・グラフィック・システム、いや、それどころかゲーム自体をどうでもよいと思って作っているのが見え見えだからだ。
エロが観たければPC版をやれば良い。単にCGを観たければ実は公式サイトでほとんどが見られる。
18歳未満にプレイさせるためというのがコンシューマ版の大義名分ではあるが、それなら実の妹とチョメチョメをするようなシナリオを未成年に見せるつもりなのだろうか。
まったくもって存在意義が存在しない、ゴミ以下のゲームであると言えよう。
これを至高のクソゲーと言わずして、何をクソゲーと言おうか。
山岡:・・・・・・。

司会:それでは今回の勝負の結果を発表いたします。
今回は究極・至高のどちらのクソゲーも最低最悪であり、非常に甲乙、もとい丁戊つけがたい酷い出来でありました。
ですが至高のクソゲー側、Piaキャロット4の「プレイスタイルによってクソ度が変幻自在という深い味わいのクソ」であるという点と「コンシューマ版を掴んでしまった場合の誰得要素は筆舌に尽くし難い」という腐敗した点は非常に類稀なものであり、これを勝者とすることに決定いたしました。
TT新聞役員側:おーっ! 勝ったぞ!
TZ新聞役員側:うううっ、負けてしまったか・・・
栗田:山岡さん・・・
山岡:・・・・・・

【試合後】

栗田「それにしても山岡さん、みんなの前で子供の頃の話をするなんて、珍しいですね」
山岡「ふん! 知ったこっちゃないね。あいつの悪行をお偉方にぶちまけてやりたかっただけさ!」
栗田「あ・・・海原先生」
山岡「・・・!!」
海原「・・・士郎。今回の勝負の結果は結果だ」
山岡「けっ・・・!」
海原「だが、2011年究極と至高の7作品、全て噂に違わぬ選りすぐりのクソゲーだった」
山岡「・・・・・・」
栗田「まぁ、海原先生にクソさを認めていただいたわ!」
海原「あとはお前の人生が、せめてクソゲーよりもマシになるように生きるだけだ。まあ人生ゲームよりつまらない人生だろうがな。ふははははは・・・バタン・・・ブウン」
山岡「雄山の野郎!」
栗田「まぁまぁ山岡さん。ああ見えて海原さん、山岡さんがクソゲーハンターを続けていることを心底喜んでいらっしゃるのよ。それを分かってあげて」
山岡「・・・あいつのデスクリムゾン専用機、実はまだ持ってるんだ」

総評案16 (街ingメーカー4)    

2010年、KOTYは『ラストリベリオン』というゲームと言う名の娯楽から逸脱した反逆者によりスレ住民は駆逐され、見事門番からクソゲーの王へと躍進した『ラストリベリオン』が大賞と言う名の王座に着いてしまった。
スレ住民は度重なるクソゲー達の侵略に恐怖した・・・ だが心の奥に、無意識にクソゲーを待ちわびる邪な想いが消える事は無かったのであった。

2011年のKOTYを振り返るとまさに待ちの一年であった。2010年の大賞が決定し、冬を越え、春を迎え、夏が過ぎ、秋に入ってもKOTY住民を唸らせるクソゲーは出なかったのである。
「もしやもうクソゲーは出ないのではないか?」「初の大賞無しもありうるか?」と、だがここから我々はクソゲー達の圧倒的な物量に蹂躙される事となる。



まずはサイバーフロント社から恋愛ADV『code_18』通称c18(しーじゅうはち)が10月中頃にして遂に今年度初のKOTY話題作となって襲い掛かって来たのだ。
本作は良ゲーとして名高い『Ever17』等の「infinity」シリーズの最新作であり、クソゲーが出ずただの雑談(鮫)スレと化していた本スレを沸き立たせた作品である。

恋愛ADVと言えば取りあえず見た目の良い自分好みのキャラから攻略して行きたいものだが
このゲームは周回によって攻略キャラが決まっており好きなヒロインを始めから選んで攻略することが出来なくなっている。
BADエンドに突入しセーブデータを上書きしようものなら問答無用で最初の一人目から攻略していかなくてはならない。
そして本作を語る上で欠かせないのがADVゲームで重視されるシーンと演出の酷すぎるミスである。

「台風が止んだのに背景は大雨」
「文化祭のコスプレ喫茶なのに制服姿のまま」
「お化け屋敷なのに背景は明るい教室」

などなど、上記以外にもかなりのミスマッチが見受けられせっかくのイベントも台無しである。その中でも一際話題をさらっていったのが
スカイツリーを意識したと思われる「スカイタワー」でヒロインと夕日を眺めるシーンの背景が何故か「浅草寺」になっているシーンで、「浅草寺と書いてスカイタワーと呼ぶ」
など住民はポルナレフ状態。誤字脱字や脱文も完備し、電車を降りたのにその後も延々と鳴り続ける電車の音などのSEミスも見逃せない。

肝心のシナリオも賛否両論で、俗に言うタイムパラドックスネタなのだがこの手のシナリオは扱いが難しく
シナリオの矛盾や複線回収も不十分と散々な出来であり、タイトルにもなっている
code(未来からのメッセージ)も説明がないままゲームは終了してしまう。『c18(しじゅうはち)』と
どこぞの伝説級クソゲーの名前と類似しており新たなるマスコット「C十八マン」が作られたのが唯一の功績かもしれない。

余談だがプロデューサーは発売日にツイッターを非公開にしている。


C18の議論も落ち着き季節はもうすぐ冬、このまま終わりを迎え・・・られるはずもなく
新たな戦士がKOTYの扉を叩いたのである。その名もアクワイアからの刺客『グラディエーターバーサス』(剣投資)である。

本作は古代ローマを舞台にした対戦格闘アクションゲームであり根強いファンを持つ「剣闘士」シリーズの最新作である。
本作は世界観ぶち壊しの魔法が追加され前作で好評だった「パリィ・ドッジ(弾く・回避)」を何故か削除し、ダッシュやジャンプ等のアクションも無く
ただひたすら攻撃を連打するゲームとなっておりプレイヤーは次々に剣闘士から狂戦士へと変貌していった(怒りと絶望的な意味で)。

システム上このゲームは「3vs3」で戦う事になるのだが
プレイヤー以外の2名はNPCとして共に戦う戦士としては余りにもお粗末な思考ルーチンであり
「プレイヤーに魔法を誤射」・「コンボ途中での割り込み」・「1vs1で戦っていたら敵を引き連れて戻ってきて乱戦に」と
全く役に立たない上に非常にイライラさせられる要因の1つとなっている。だがこれを回避する手段が1つだけあり
オンライン上で仲間を集い共に戦うというものである。だが初週売り上げが3000本にも満たず、発売して1週間で過疎るという事態に。

周りに頼れないのであれば自己強化するしかないと息巻いてみてもキャラを強化するため
にはお金と宝石が必須となっており同じようなミッションを何度も繰り返す事になるのだが
レアな宝石の出る確率は低くミッション時のムービーもスキップ不可なので更にイライラが募るばかり。
そんなプレイヤーを察してか、公式からのDLC(ダウンロードコンテンツ)で宝石が買えるようになり
公式サイトに「装備強化でライバルに差をつけろ!」と直々に激励してくれる。ちなみに100円と200円の2セットある。

しかしこの宝石販売が曲者で、宝石にはいくつか種類がありレア度も変わってくるのだがなんとこのDLC
ガチャガチャシステムであり購入してみないと何の宝石かはわからないのだ。数千円つぎ込んでも目当ての宝石が出ないとの報告もあり
アイテム欄拡張などの様々なDLCも続々追加され、ゲーム名はいつしか『剣闘士』から『剣投資』に定着し
社名の『アクワイア』を『アクドイワ』と呼ぶ者も出てきた。

流石発売前に公式サイトへ行くとウィルスバスターが作動して「オンライン詐欺に関係している兆候があります。」と警告されるだけはある。


後にアップデートが行われたがクソ要素は改善されず余計に悪化(魔法強化による誤射のダメージ増加など)。
ジャンラインを彷彿とさせる逆パッチにスレは恐怖と笑いに包まれたのであった。


そして何たる偶然か『剣投資』と同じ発売日に発売されたもう一本のゲームがKOTYに参戦することとなった。
その名もドリームクラブ等で有名なD3 PUBLISHERから発売された『街ingメーカー4』(待)である。

簡単に内容を説明すると様々な建物を建てていき自分だけの街を作るというゲームであるが
このシリーズの特徴として街に住む住人と対話をしていき色々な問題を解決し親睦を深めて街を発展させていくというシステムが支持される理由の一つになっており
シリーズ初のHD機のゲームということでシリーズファンからも期待されていたのだが・・・その期待は脆くも崩れてしまうことになる。

今作は好評だった住人とのイベントは削除され、話しかけてもどうでもいい事しか喋らず生の息吹を感じないだたの人形状態。
建てられる物件も大幅に激減し地形もなんと1種類しかない。建物を建てるにはポイントが必要なのだが10分程待てば勝手にポイントが入ってくるので
物件を建てる→10分程待つ→建物を建てる→10(ryを延々と繰り返しだいたい5~6時間でゲームは終わってしまうが
その大半はポイントが振り込まれるのを待つ待ち時間であり本作が『待』と呼ばれる所以でもある。
BGMも昼と夜の2つしかなく待ち時間は更に長く感じてしまうだろう、待ち時間に洗濯物を畳んだり、ちょっとした家事をこなせるのは良いところかもしれない。

操作性も悪くロードも若干長め、HDのはずがPS2並のグラフィックと全くやる気の感じられないゲームに仕上がっている。
そしてこの内容で7140円、DLCも有料でとてもこのゲーム内容では値段に釣り合うものではないだろう。


立て続けに現れた2本のクソゲーの侵略により疲弊したスレ住人だがその隙をクソゲーは見逃してはくれなかった。
そのクソゲーはスレ住人の予想を裏切る名前で飛来したのだ。その名も『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(UB)
バンダイナムコゲームスが地球に送り込んだ意外すぎるゲームである。

ドラゴンボールといえば説明不要の国民的作品であり昔から数々のゲームを世に送り出したキャラゲーの申し子である。
「キャラゲー=微妙ゲー」は暗黙の了解であり購入者もわかりきった上で購入する者が多く、確かに微妙だがクソでもないというゲームが渦巻くジャンルである。
だがこのシリーズは着々と徐々にだが粗を改善していきファンから愛され、ゲームとしても良質のものになっていったシリーズである。
そんなゲームがKOTYに宣戦布告とは誰が予想出来ただろうか?

このゲームは3D対戦アクションゲームと銘打っているがつまりは格闘ゲームである。
だがUBは格闘ゲームの姿をした別のゲームとなっていた。攻撃を当てていくと突如画面が切り替わりQTE(クイックタイムイベント)に突入し
プレイヤーと相手にボタンの2択を要求してくる。この2択に勝つと攻めを継続、負けるとコンボが中断されるという内容だ。このQTEの頻度がとても多く
何をするにも要求されとても戦闘のテンポが悪いのである。間合いを取るとQTE、気功弾を撃つとQTE、必殺技を使うとQTE,とにかく何をするにもQTEが始まるのである。
基本的に格闘ゲームは練習の積み重ねにより腕前が上がりプレイヤーが強くなっていくはずなのだがこのUBにはそれがほとんど無い。
何をするにも2択を迫られるので結局は運がいい方が勝つというシステムは格闘ゲームとしてはとても底が浅く満足出来るものではない。

これは格闘ゲームとしては致命的であり他にもボタンを連打をする場面もあるのだが、ゲームが強いほうが勝つのではなく連打が強いほうが勝つのである。
つまりこのゲームで勝つのはじゃんけん以下の戦略も糞もない2択に勝つ運と必殺技の撃ち合いに勝つための連打力があれば他の格闘ゲームの上級者だろうが
初心者でも勝利出来る可能性があるのだ。

しかもこのQTE,なんとモーションが全キャラ共通で最初はかっこよく見えるがすぐに飽きてしまう、ピッコロが腕を伸ばす等のアクションもないので
キャラゲーとしてキャラの個性さえ潰している始末、キャラクターの数も前作より減少し、人選も微妙でキュイ(ナメック星でベジータと戦った汚い花火)がいるのに青年悟飯や悟天、少年トランクスに餃子などの主要なZ戦士は出てこない。そのせいかストーリーモードもぶつ切りな場面も多い。

映像は綺麗だし必殺技はカッコイイのだがそれならDVDを借りて家でアニメを見たほうがいいだろう。


秋まで出なかったクソゲーも振り返ると4作品、もうすぐ今年も終わりかと感慨にふけっていた住民達だったが
この時すでに背後から忍び寄る亡霊がいると誰が気づいたであろう。
そう、その亡霊こそ1月27日から密かに潜伏していたアクワイア渾身の2発目
『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街(亡霊)』である。

ウィザードリィと言えばゲーム好きなら知らぬ者はいない程の有名シリーズである。発売してすぐにセーブが出来ないバグで話題にはなったのだが
アップデートにより問題なく遊べるようになりスルーされていたのだ。本作がまた日の目を見る原因となったのが「圧倒的なバランスの崩壊」であった。
亡霊はシナリオが1・2・3と分かれているのだがその崩壊はシナリオ3から始まる。レベルキャップが開放され更に育成が可能となるのだが
味方側は体力ぐらいしかまともに上がらず敵側はステータスが均等に上がっていくので終盤になるとエンカウント=全滅が当たり前になってしまう。

最初の街を出たらベヒーモスが出てきたぐらいのバランス崩壊ゲームをクリアするには
数百時間に及ぶ地道なレベル上げをするか、お金を経験地に変える裏技的な作業に勤しむか
敵がドロップorDLCで購入できるエンカウント阻止アイテムを使う、もしくは数歩歩いてセーブの繰り返しなどの
苦行をしなければクリアは絶望的である(ラスボスは弱い)。またアイテム収集が楽しみの一つであるゲームなのに
コンプリート不可や最強クラスの武器を購入できたり、DLCでアイテムを有料配信するなど
『wiz』の楽しみの一つである収集を完全に潰している。
またシナリオ3ばかりピックアップされるがシナリオ1と2もバランスは悪く、褒められた出来ではない。


襲い掛かる圧倒的な年末の魔物の群れ、止めとばかりに修羅の国から最後の刺客がやってきた。
その名も『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~ (pia4)』である。

本作は修羅の国のゲームでも結構な歴史を持つ人気シリーズの4作目にあたりCSへの移植作である。
だが修羅の国からの評判は散々でエロしか良い所がないと言われる作品であった。そんなエロしか取り柄のないゲームが
CS移植にあたってエロを抜いたらどうなるのか?分かりきった答えに誰も見えている地雷に突撃せず発売から10ヶ月も潜伏していたのだった。

まず本作はSLG要素と恋愛ADV要素の二つを持っている。まずはSLG要素を説明しよう。
主人公には体力や学力、容姿などのパラメーターがあるのだが、そのパラメーターはエンディング分岐にのみ関係があり
どのパラメーターを上げてもイベントなどは発生しない。しかも仕事の「デリバリー」だけを選んでおけば中盤頃には全ステータスは最大になるので
なんの面白みもない。同じようなシステムで有名なのはときめきメモリアルシリーズだろうが、ときメモは運動を上げれば体育祭で活躍できたり
文系・理系などのステータスを上げることで期末テストなどで上位になり、高感度が増えるといった様々な遊び要素があるが、本作pia4にはそんなもののひと欠片もなく
プレイヤーを楽しませたいといったものが何一つ伝わらず、SLG要素は無価値であると言える。

だが本作を語る上で外せないのは恋愛ADV要素の陳腐なシナリオだろう。
本来えっちな要素のあるゲームは移植にさいしてエロシーンが抜けるぶんシナリオを補完したりするものだが
pia4はエロシーンだけ抜き去りその後はプレイヤーに何の説明もないまま・・・

・「気づいたら妊娠していたヒロイン」
・「気づいたら実妹と一線を越えている」
・「同僚と格ゲーしてたら付き合ってた」
・「川で溺れていた子を助けたら付き合ってた」

プレイヤーはポカーンとしたまま現状を理解出来ないだろう。
BADエンドに入ると主人公が「何も思い出を残す事は出来なかった」と発言するのだが
実妹と一線を越えようが誰かを孕ませようが「何も思い出を残す事は出来なかった」とほざく主人公には頭が痛くなる。
ゴムは着用するのがマナーである。処理落ちやフリーズ、オートモードなのに操作を要求されたりスキップが機能しないなども完備。
それとエロゲーをCSに移植の際はだいたい追加キャラや追加シナリオを入れてくるものだが逆に攻略キャラが一人削除されているなど
何故移植したのかと小一時間問いただしたい。エロがあるぶんPC版を購入したほうが絶対に得である。


新年を向かえ総評作りに取り掛かっていたにもかかわらずアイツが帰ってきた。
誰からも望まれず帰ってきたアイツこそ『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』である。
強豪タカラトミーよりなんと人生ゲームが3年連続でノミネートをするという快挙を成し遂げて帰ってきた。

肝心の内容は・・・特に記載することもない例年通りの人生ゲームである。
前作『ハッピーファミリー』とほとんどゲーム性は変わらず一般ユーザーを毎年食い物にするダカラゴミーには頭が下がる思いである。
新要素のご当地ネタとは各県のどうでもいい情報を紹介するだけ。本作の詳細が知りたい方は2010年の総評を見ていただきたい。   

あれだけクソゲーが出ないと騒いでいた秋から一転、気づけば7本ものクソゲーが発見・発掘された。
クソゲーなんて出ないほうが一番いい・・・そんな願いも空しく今宵伝説となる7本ものクソゲーが集結した。

では2011年クソゲーオブザイヤー大賞を発表しよう。





大賞は『街ingメーカー4』である。


2011年は7つものクソゲーが集結し、どれも皆違う様々な方向性を持った質の高いクソのオーラを身にまとい、どれが大賞でも不思議ではなかった。
ではなぜ『街ingメーカー4』(「待」)なのか?

ゲームとは娯楽の一つであり、娯楽といっても様々でゲームもその娯楽の中の一つでしかない。

では何故、多種多様な娯楽がある中で我々はゲームを選んだのだろうか?
単なる暇つぶし、という人もいるだろう。だがゲームとは日常世界で体験出来ないことを我々に与えてくれる。
リアルでは体験出来ないことも疑似体験できるのだ。

・小説のような物語を楽しんだり
・コロシアムで戦ったり
・ド派手な戦闘を楽しめたり
・謎のダンジョンに潜ったり
・一生出来ないような不思議な恋愛をしてみたり
・人生(ゲーム)の在り方を考えさせられるし
と様々な物を我らに与えてくれる、リアルではどれも体験出来ない事だ。
そういったものに惹かれて我々はゲームで遊ぶのではないだろうか?

そんな中、7つのうちの一つに異端児が存在する。

それが『街ingメーカー4』だ。

自分の好きな街を作る、これは体験出来ない物なのかもしれないが少し待って欲しい。本当にこのゲームで自分の思い通りの街が作れるだろうか?無理である。
前作に比べ大幅に建てられる物件が減少(工場の種類激減・漁場・農場・郵便局・交番・歯科・内科や外科病院・学校は総合学園1種類など)し地形も1つしかない。
そして好評だった街の人々とのイベントを削除までしてゲームの大半が待ち時間だ。
それなら常に思考し動きながらレゴブロックで自分好みの街を作るほうがまだ建設的ではないだろうか?

むしろ家で待たずに外へ出てぶらり途中下車するなり、モヤモヤスポットへ探検に出かけたり、休暇をとって旅行に行き、知らない街を探索し、美味しいものを食べ、地元の方々と交流を深める事によってその街を好きになるのではないだろうか?それは外に出て初めて得られる娯楽であり、『街ingメーカー4』では決して得られない『街』の魅力ではなかろうか?

つまり『街ingメーカー4』は娯楽としても街作りゲームとしてもやる価値のない娯楽とは程遠い、ゲームカテゴリーに分類されるゲーム商品だがゲームみたいな“何か”なのだ。
以上が大賞の理由である。

振り返ると7本ものクソゲーが現れ、その全てがシリーズ物という悲しい結果になってしまった。
その全ての作品がユーザーの求めるものとはかけ離れたものでありゲーム会社の方々にはもう一度
ユーザーが求めているものを真摯に受け止め考えて頂きたい。最後に全てのゲームを愛する方々を代弁し、この一文で〆ようと思う。


「ゲームが好きだから、我々は素晴らしいゲームを“待ち”続ける!」 (クソゲーも)

総評案17 (人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ)    

2007年より続くクソゲームーブメント。
多くの戦乱を超えて、KOTY2010は実力派のラスト・リベリオンが隙の無いクソさで王座を射止めた。
果たして2011年は一体どんなクソゲーが我々を待ち構えているのか…

そんなスレ住人達にとって、2011年は実に印象的な年となった。

様々な佳作・傑作・話題作が発売された2011年上半期…
しかし、スレ住人を待っていたのは平成のクソゲー大飢饉であった。
予想外の長い干ばつにクソゲハンターたちは頭を抱えたが、新たな挑戦者の姿は未だに見えない。
駄作を選外に送るどころか、審議すべき候補作すら上がらない有様。
ゲーム業界の生存競争の中では、クソゲーも事業仕分けされてしまう運命なのだろうか?
平和ボケの中で危機感を喪失していくスレ住人たち。
しかし、そんな平穏を打ち破る早馬が、未来からやってきた。

学園恋愛ADV 『code_18』(通称 C18)の登場である。

過去に『Ever17』や『Remenber11』といった話題作を輩出した「infinity」シリーズの続編であり、
倒産したKIDから引き継ぐ形で「6年ぶりのシリーズ再始動」と銘打って発売された意欲作でもあった。
しかし、発売日にシリーズファンが目にしたものは
サイバーフロントによって魔改造された生ける屍だったと言えよう…

本作は所謂ループものであるが、ヒロイン達は攻略順が「完全固定」である。
これ自体は珍しくもないが、なんと同じシナリオを周回し直すこともできない。
セーブを間違えたら最初からやり直しであり、リアルループを強いられることになる。

シナリオも中々核心に至らず、
タイトルにもなっている18の暗号は終盤になるまでほとんど登場しない始末。
ギリギリ作品としての体裁は保持しているものの、
代わり映えのしない展開に、前作までの栄華は見る影もない。

そして、それらを差し置いても酷いのが次元歪曲とでも言うべき演出ミスだ。
「鳴り止まない踏切」、「明るいお化け屋敷」、「雨がやんだのに降っている」等々…
ホラーゲームのような怪異がイベントだけでなく、ヒロインにも容赦なく襲いかかる。
「イベントでの服装の違いが立ち絵が少なくて表現できない」なんてまだ序の口だ。
果ては「スカイタワーで夕日を見つめているはずの男女が、浅草寺いる」という超次元ワープに、
プレイヤーは壊れゆく世界の理を感じるだろう。

過去作ではデバッガーを務めた本作プロデューサーが、発売日にTwitter上から消失したのも、
そうした怪異の前触れだったのかもしれない…

選評者をして「クラスター爆弾」と言わしめたニューカマー「C18」。
彼は「しーじゅうはち」という懐かしい響きもあって、スレ住人に暖かく迎えられた。
長い干ばつに耐えて、漸く訪れた収穫である。
SSαからの刺客が2012年に延期されたこともあって、
スレは暫くの間、このニューヒーローの遊び場もとい特訓場となっていた…

「残された日数は少ない、今年はこれで決まりか…」

一部のスレ住人からそんな言葉が漏れ出した11月…
しかし、クソゲーの神はそんなだらしねぇ人類に警鐘を鳴らす。
堕落したゲーム界にアポカリプスを引き起こすべく、二体の使いがKOTYスレに降り立った。

1体目の名は『街ingメーカー4』(通称 待ing)。
都市を自分の思うままに作り上げ、発展させていく都市運営SLGのシリーズ最新作だ。

しかし本作では、前作で好評だった住人とのコミュニケーション要素を一切合切削除。
都市に生きる住人は無意味なセリフを吐くだけのMobと化し、
あとは1日に1回もらえる建設ポイントを消費して建設するしかやることがない。
建設ポイントも消費量と吊り合っておらず、
ゲームを進めれば進めるほど、プレイ以外の待ち時間だけが増えていく。
都市の不満を解消することでポイントが貰えるボーナスはあるが、それも雀の涙である。

建物の種類も前作から大幅に削減され、交番や郵便局といった生活のインフラは存在しない。
また、建物の内部に入ることもできず、
屋上にあるボーナスをとるためには多段ジャンプで外壁を登るという狂気の沙汰が行われる。

BGMやグラフィックといった要素もシンプルシリーズかと疑うレベルであり、
「前作から進歩したのは水面の表現くらい」と散々な評価であった。

クリアまでの所要時間は5~6時間。
大半が「眺めているだけ」の待ち時間というのだから驚愕である。
ゲー無の系譜を彷彿とさせるその薄さに、「待ing」という称号が与えられたのも当然であろう。

さらに1体の魔物は、KOTYという闘技場に相応しい威風を纏っていた。
コアなファンを持つ対戦格闘アクション、「剣闘士」シリーズの最新作…
『グラディエーターバーサス』(通称 剣投資)がまさかの参戦を果たしたのだ。

古代ローマの剣闘士をモチーフにした従来のシリーズから一線を画し、
魔法やエルフといったファンタジー要素を採用するという冒険にでたアクワイア。
この新たな挑戦に対して、
電撃Playstationのバイヤーズガイドも滅多に見れない「評価D」という賞賛を贈っている。

まず、「1万通り以上」と豪語したキャラクターメイキングは、種族の違い以外はほとんどが水増し要素。
実際はどう計算しても1万に届かない上、兜を被ってしまうのでそもそも意味を成さない。

そしてメインの戦闘では前作まであったパリィ(弾き)、ドッジ(回避)といった駆け引き要素を削除。
その結果、スキルの少ない序盤はひたすら相手の防具を破壊するための連打ゲーと化し、
途方も無い作業感を強いられる。

しかし、スキルが整ったとしてもプレイヤーを待ち受けているのはさらなる苦行。
味方AIが味方の動きを一切考慮しておらず、
魔法の誤射やコンボへの割り込みといったお邪魔行為を頻発してくるのである。
そのくせ、敵キャラの行動はシビアなものが多く、
プレイヤーはストレスに駆られながら孤独な戦いを強いられる。

「オンラインで協力プレイすればいいじゃない?」 …と思うかもしれないが
初週売上2700本ですぐに過疎化したオンラインに期待せよというのは酷な話だろう。
挙句、イベントでは運営のキャラがプレイヤーを狩りまくるという徹底ぶりであった。

公式サイトがDLCを展開しているものの、そこにも救いはない。
代わりにプレイヤーが目にするのは基本無料の課金ゲームと見紛う貧相な品揃えだ。
わざわざゲーム内で手に入る強化アイテムをランダムセットで発売し、
「ライバルに差をつけろ」と購入を煽る商魂たくましい宣伝には、
ウィルスバスターが「詐欺サイト」と太鼓判を押すほどであった。

その「課金させるためにわざと糞なゲームを売りだしたのではないか?」
と思わせる力強さは、正に「剣投資」と呼ぶに相応しい風格である。


遅れて駆けつけた魔物たちの登場で
一気にボルテージの上がっていくKOTYスレ…

「偽」りだらけの剣投資
「飾」って眺めるだけの待ing
「誤」ちだらけのC18

10ヶ月の沈黙を破って続々入場してきた猛者達によるクソゲー三國志が開演!? 
誰もがそう思っていた。
強者の臭いを嗅ぎつけた意外な乱入者が、突如としてスレに姿を現すまでは…

『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(通称:UB)。
まさかの国民的人気作の登場にスレ住人は目を疑った。

好評だった「レイジングブラストシリーズ」の系列であり、
開発陣が「史上最高のドラゴンボールゲーム」と太鼓判を押す本作。
しかし、スレ住人の疑念は「みんな、おらに現金分けてくれ~」という公式PVとともに氷解する。
溶けた氷の中にはとんでもない化物が存在していたのだ…

本作の特徴となっているのは戦闘システムの徹底的な「簡略化」である。
前作の難易度が高かったことを反省し、
戦闘システムをボタン連打とクイックタイムイベント(QTE)に大幅変更。
結果として「連打をしては2択のあっち向いてホイをくりかえす」という
読みもクソもない壮絶な運ゲーと化し、頻繁に挟まれるQTEのためにテンポも非常に悪くなった。
本来防御に使うはずの「気力ゲージ」は、
攻撃を受けるとガリガリ減るため、大抵は相手の必殺技が必中。
プレイヤーは相手の必殺技を前に、
負け惜しみを言っては吹っ飛ばされるキャラクターの姿を何度も見ることになるだろう。

参戦キャラについても前作からの大幅にシェイプアップを遂げた。
マイナーキャラがいるのに主要キャラは削るという万人が首を傾げる人選で、
ストーリーモードも肝心のところがぶつ切り状態。
オリキャラを作れるアバターモードはあるものの、作成できるパターンが少ない上、
そもそも「戦闘システムが苦痛で育てる気がしない」と言われる始末である。

唯一褒められる点は綺麗なグラフィックぐらいだが、
演出は基本的に「全キャラほぼ一緒」で、慣れてしまえば作業感ばかりが募っていく。
むしろ頻繁には挟まれるQTEのせいでムービーとしての疾走感も無く、
キャラゲーとしての価値も微妙という烙印が押されてしまったのであった…

こうして4大パワー超決戦がスレを焼き尽くす中、
地中深く眠りについていた悪霊が目を覚ましてしまった。
選評が届かないために埋もれていた戦士たちが黄泉から帰ってきたのである…

「剣投資」を送り込んだアクワイアという闇から、
『ウィザードリィ 囚われし亡霊の街』(通称 亡霊)が蘇ったのだ。

ウィザードリィ(以下Wiz)といえばダンジョンRPGの古典的名作であり、
単純ながらも完成されたシステムと難易度の高さから、
コアなファンを獲得してきた、ある意味「信頼のブランド」である。
しかし、「いしのなか」にいても動じないはずのWizプレイヤーが匙をなげる地雷が、
このゲームには仕掛けられていた。

欠点を一言で説明するならば、それは「雑」である。
過去の栄光に胡座をかいてしまったのか、数値の設定があまりにも等閑であり、
結果として死に職や死にスキルがオンパレードという状態になっている。
システムとしてもこれまでのシリーズでは当然のようにできていた要素が削られており、
細かいバグも未だ完全にはなくなっていない。

だが、真のトラップが発動するのは冒険のクライマックスにやってくる。
偏った仕様を乗り越え、シナリオ3を進めた冒険者たちが出会うものは「完全なる戦闘バランスの放棄」。
素早さMAXの味方が居ようが問答無用先制し、
雑魚敵が圧倒的破壊力でパーティを瞬殺or半壊にしていく「日常」なのだ。

本作のプログラムは『剣と魔法と冒険モノ。』からの流用部分が多く、
プレイヤーのレベルアップでもそれに依存するところが大きい。
しかし、プレイヤー側は能力値がLv99以降でほぼ頭打ちになるのに対して、
雑魚敵はその後もLvに応じて、全能力値が上昇するという驚愕の事態が発覚。
戦闘=即死トラップとでもいうべき恐怖の世界が幕を開けた。
その絶望的な戦力差は、
「争いは同じレベルの者同士でしか発生しない」という言葉を強く思い起こさせるだろう。

レベルカンストでもまともな勝負になるかどうか怪しく、
数歩毎のセーブやエンカウントなしのアイテムを使ってダンジョンを探索する様子は、
ハック&スラッシュの本質に大きく反逆している。
安牌を掴んだはずなのに、気がついたら「*くそげーのなかにいる*」というトラップは、
いかなベテラン冒険者でも回避不能であろう…

そしてこの亡霊の声に呼応するように、
修羅の国から遅れて到着する戦士の姿があった。
『Piaキャロットへようこそ!!4 ~夏の恋活~』(通称 Pia4)が
その実力を証明する選評とともに、リングに上がってきたのである。

本作はSLGと恋愛ADVをかけ合わせたシステムで根強いファンを持つエロゲの移植。
しかし、移植元からして「エロシーンぐらいしか取り柄がない」と叩かれてきた
所謂ガッカリゲーであった。
そしてエロシーンしか取り柄のないゲームからエロを取り除いた本作…
その異形は選評者をして「精神崩壊(ココロコワレル)」と言わしめた狂気の世界だったのである…

まず、「Piアフォ」と揶揄されるキャラ達が織り成すシナリオだ。
元々あって無いようなものであったが、
移植元のエロゲーから攻略対象が削られるというまさかの逆補正。
そもそも内容が薄い上に、「格ゲーしてたら彼女できた」というレベルの超展開が続き、
エロシーンが省略されたことでぶつ切り感がさらに加速する。
「気がついたら彼女を妊娠させていた」という怖ろしい結末には、某スタンド使いも戦慄であろう。

がっかりシナリオとのコンボで、CGや背景もプレイヤーの精神を切り刻んでくる。
通称「サバンナ」と呼ばれる陸上競技場や、カオスすぎる妹の部屋、
ところどころ角度のおかしい背景はSANチェックを迫られているようだ。
立ち絵やイラストについても前作から大幅に劣化。
PC版で表示されたCGが正常に表示されない場面もあり、移植のクオリティすら保てていない。
それでも劇中で「デザインが可愛いだけで萌えられる時代は終わった」と自己弁護する図太さには、
多くのプレイヤーがツッコミを入れたことだろう。

シリーズでお馴染みのSLGパートに至っては選評者をして「完全に無駄」と切り捨てられる始末。
各種パラメーターはバッドエンドの分岐にしか使用されておらず、
そのノルマもコマンド「デリバリー」だけで簡単に達成できてしまう。
イベントは必ずしも全部を見なくてもグッドエンドにでき、、
全て見ていてもパラメーターが足りなければ共通バッドエンドという簡易設計。
相手を妊娠させてもバッドエンドにいけば全て無かったことになる超展開は
主人公でなくても「この一ヶ月はなんだったのか?」と問い詰めたくなる。

「REDチャンピオンいちごを買ったほうがマシ」と言われたその内容で、
2012年はPSPにも移植するというのだから、「どんな判断だ」と言わざるを得ない。

思いもよらぬクソゲー続出で盛況な年末年始を迎えたKOTYスレ…
どの作品が今年のKOTYに相応しいか熱い議論が交わされる中、
とあるゲームの選評が年をまたいでひっそりと届けられた。
2009年、2010年と虚無的なクソゲーを送り出した信頼のブランドが、
全く反省の色を見せずにまた「あのゲーム」で勝負をしかけていたのである。

タカラトミーから3年連続の出場、ゲー無の系譜の正統後継者。
『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』(通称 誤当地)の登場だ。

本作は2010年の『人生ゲーム ハッピーファミリー』に続き、
全国各地の「ご当地ネタ」を組み込んでみたというものであるが、
まず、「何処を増量したの?」と問いかけたくなる相変わらずの薄さで話題を呼んだ。

キャラの少なさ、ミニゲームや特殊マスの不在、
天使や悪魔といった底板要素の排斥、圧倒的なまでのイベント不足、
ゲームのルールを理解してないAI等々…前作で不満だった要素は完全続投。
もはや「その詳細に関しては前年の選評をご参照下さい」と言っても差し支えのないレベルだ。

特にイベントの少なさは致命的であり、
1ゲームの間に片手では足りないほど同じイベントを見せられることになる。
ゲーム進行上の演出もキャンセルできないため、
子供が生まれたりすると尚更テンポが悪くなる悪循環。
3番手・4番手のプレイヤーに至ってはがおじゃまマスの効果で
バッドイベントに巻き込まれる率が異様に高いという疑惑が浮上している。

増量要素として取り扱われる「ご当地ネタ」も単なる豆知識紹介に留まっており、
肝心のゲームの進行にはほとんど関係がない。
それどころか、中には明らかに地域をバカにしたものや、誤った情報が含まれており、
「誤当地」というネームバリューをより堅固なものとした。

そして極めつけはそれまでのゲームを嘲笑うかのような、終盤のイベントの数々である。
ゴール目前のギャンブルイベントはローリスクで勝敗を決するほどのリターンがあり、
終了後の換金ボーナスもそれだけで逆転できてしまうほどの金額設定。
「これまでの人生は無駄だったんだよ」という言わんばかりのバランス崩壊は、
そもそも最終金額が表示されないというところにも顕著に現れている。

安定の薄さと、驚愕のフルプライス(\6090)。
このゲームで「俺の人生の方がまだ面白い」と自信を持てるかもしれないが、
それに費やした時間や、プレイによって壊される人間関係は帰ってこないので注意されたし。

さて、以上7本の出場者たちの紹介が終わったところで、
いよいよ今年の大賞を発表に移りたい。

2011年は奇しくも、シリーズ物の最新作が名を連ねる事になった。
いずれも過去にはブランドとして名声と信頼を欲しいままにしてきた名作…
そこから産み落とされた闇の落し子達は、ゲーム業界の抱える闇を反映しているようである…

2008年のようにズバ抜けた力をもつ魔物は居なかったものの、
各ジャンルでそれぞれ違ったクソさを見せつける戦士達の実力は甲乙つけがたく、
飢餓で荒れ果てていた荒野は、いつの間にか彩り豊かな百鬼夜行となっていた。

その中で他の猛者を押しのけて頂点に輝いたクソゲー、それは…
『人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ』である。
名匠タカラトミーが送り出した刺客が、3度目の正直で遂にKOTYの頂点に輝いたのだ。

前年に比べて質的な変化があったわけではない『人生』だが、
改めてゲームをプレイした有志たちによって、
本作の抱える根本的な問題が明らかとなったのが大きな理由である。

クソゲーは現代の苦行林。そこには何の見返りもない。
だが、その苦行を乗り切って空虚な時間を踏破したプレイヤーには
何かしらの充足感があるものだ。
どんなに無駄でつまらない作業でも、プレイヤーには自力でクリアしたという自負がある。
どんなに下らない結末であれ、
それを達成するために自分の手を汚すのがクソゲハンターたちの誇りだった。

しかし、「人生」はそうしたプレイヤーの積み上げた過程すらも無駄と嘲笑う。
ゲームの勝敗はもはやプレイヤーの自力によって勝ち取ったものではない。
イライラしながら積み上げてきた時間は逆転イベントによって意味を失い、
プレイヤーから最後の誇りさえも奪い去った。

ADVやRPGならば物語の結末を知るために、アクションや格闘ならば勝つために、
シミュレーションならば自分の思い通りにするために…
過程がクソゲでも目的達成を目指してプレイヤーは頑張るであろう。
ご褒美がクソでも、それまで頑張ってきた自分を褒めることができるだろう。
しかし、このゲームの勝敗は実力でも努力でもなく、ただの偶然である。

そもそも「最後のギャンブルマスだけでええやん」と帰結できてしまいそうな本作は、
同じくシステムがクソと切り捨てられた「Pia4」とも大きく趣が異なっている。
過程→結末という最低限の繋がりさえも放棄した本作は、
クソゲーすらも無と化す虚無の渦なのだ。

システム・グラフィック・ストーリー・演出・BGM…
様々なものが否定されてきたKOTY2011であったが、
最後に「自身の持つクソさ」すらも否定してしまうダブルトリックに、
我々は本当の「ゲー無」の意味を理解することになったのである…



改めて振り返る2011年… 
それは波乱に満ちた年 であった。
10ヶ月にも及ぶ大飢饉にスレ住人は飢え、
ゲーム業界の衰退を感じずにはいられなかった。

しかし、その危機に呼応するように、様々なジャンルから集り、
「ゲームがあるかぎり、クソゲーは不滅だ!」という危害もとい気概を見せてくれた7本のクソゲー達…

『C18』『待ing』『剣投資』『UB』『亡霊』『pia4』そして大賞『誤当地』

互いにライバルでありながら、協力してクソゲーの底力を見せつけたその勇姿は、
あの国民的なヒーロー達のように、「栄光の7大クソゲー」として後世に語り継がれるだろう…

最後に、
同年公開のヒーロー映画『レッツゴー仮面ライダー』のキャッチコピーを借りて、
2011年のKOTYを締めくくるとともに、 



『 世界よ、これが日本のクソゲーだ!! 』

総評案18 (Wizardry 囚われし亡霊の街)    

KОTY2011 総評
様々な動乱が起こり日本列島を揺るがした2011年。
KОTYも例外ではなくクソゲーという名の災禍の槍に貫かれる事になるのだが、この年のノミネート作品はことごとく「ある罪」を背負っていた。
では早速だが、流れを振り返りながら9ヶ月もの潜伏期間を経て一気に噴出した7本
…いや7つの大罪達を紹介しよう。

年始から続く枯渇状態に喘いでいたスレに最初の災禍が降り注いだのは、9月も末の29日。
株)サイバーフロントより、『code_18』。(スレ呼称C18)が降臨した。
本作は不朽の名作と謳われる『EVER17』に連なる「infinity」シリーズの第四作である。
クソAVGのたしなみとして「合図」を「相図」、「どうしても」を「どしても」といった誤字脱字を多数配備。
他にも表示されるテキストと再生される音声の食い違いや、脱字どころか台詞がまるまる抜けている脱文(テキストは表示されないが音声が再生されるため分かる)
など細かくも地道にストレスを蓄積させてくれる仕掛けを連動させてボディーブローのように効かせてくる。

しかし、最大の問題点は上記のような些事ではない。
本作をKОTYレベルと言わしめたもの、それは「演出ミス」である。
「天候が回復した」と言っておきながら表示される豪雨のシーン。
「眼鏡をはずしてキスをした」と描写しておきながらヒロインの顔には眼鏡。
(元々が眼鏡on眼鏡の状態だったのなら間違いではないのだろうが)
果てはスカイタワーでヒロインと二人、沈む夕日を眺めるシーンで突然の暗転から表示される浅草寺など「なんじゃあこりゃあ!?」
と、思わず往年の刑事ドラマのような台詞を吐いてしまう程の不手際が感動的なシーン毎に襲い掛かってはプレイヤーのやる気を削いでゆく。

またAVG単体としてのシステムにも難があり、周回によって攻略ヒロインが完全に固定されているため自分の意思では選べない。
さらに、例えば3週目のヒロインでBADENDを出してセーブしてしまった場合
もう一度1週目ヒロインからニューゲームでやり直し、という苦行が待っている。
前述の演出ミスに加え、この不本意なノルマというコンビネーションでプレイヤーの意欲をバッサリ刈り取ろうとする手練は見事と言えるだろう。

このC18の出現により10ヶ月ぶりに健全な活気を取り戻すKОTYスレ。
しかし10月を迎えながらようやくノミネート1本というこの状態に寂しさを感じる住民も少なくはなく、残りの期間から見ても今年はこのまま不作で終わるのではと憂慮する書き込みが散見された。
…もっとも、そんなものは杞憂どころか極度に平和ボケした挙句の妄言であった事がすぐさま証明されたわけだが。

C18の検証もあらかた落ち着いた11月の23日、終息ムード漂うスレにふたつの災いが同時に降臨した。
ひとつめの災いは3D PUBLISHERの「街ingメーカー4」(スレ呼称 待ing)。
タイトルからも分かる通り、本作は箱庭ゲーとして人気を博してきた街ingシリーズの4作目にあたる。
街ingシリーズの特色と言えばやはり、個々の住民に名前や感情がありプレイヤーが都市開発者として彼らと親交を深めつつ街を開発してゆくゲームシステムだろう。
しかし本作は好評だった上記システムを見事に形骸化させ、「家に帰ります」「寿司に行きます」等のどうでもいい定型文を話すマネキンを眺めながら人口の水増しのみを目標とするゲームになってしまっていた。

それでもせめてHD機で箱庭遊びが楽しめれば…という希望はあっさり打ち砕かれる。
そもそもグラフィックはPS2レベルで、建てられる施設も何故か前作より減少。
ただ減っているというだけならまだしも、郵便局も霊園も交番も存在しない街をどんな風に発展させろと言うのか首を傾げてしまう有り様である。

また施設の建設にはポイントが必要になるのだが住民の要望に応えて得られるポイントは雀の涙ほどであり、結局は時間経過による充填を待たなければならない。
ひとつ建てては10分待ち、ふたつ建てては10分待ちを繰り返し、クリアまでの5~6時間の大部分が「待ち時間」になってしまう様子はいつしか「待ing」と表現されるようになりクソゲーとしての地位を確立していった。

二つ目の災いは、アクワイアの「グラディエーターバーサス」(スレ呼称 剣投資)。
本作は一見地味だがスピーディーな戦闘の中にドッジ(寸前回避)やパリィ(攻撃はじき)といった戦略性を織り交ぜ高い評価を得ていた玄人好みの対戦アクション「剣闘士」シリーズの3作目である。
だが、いよいよHD機で剣闘士をと胸躍らせていたファンに浴びせられたのはローマの剣奴も頭を抱えるようなクソゲーの一撃であった。
まず公式PVにおいて10000通り以上と謳われていたキャラクターメイキングだが
実際には3×3×6×18の2916通りと3分の1にも満たない。
さらに言えば水増しパーツとも思える刺青を除いた場合、驚きの162通りとまさに桁違いである。
これはこれで問題だが、まぁゲーム部分さえしっかりしていれば…という思いはやはり裏切られる。

前述のドッジ&パリィが廃止された事でシリーズのウリであった戦略性が壊滅。
一気に連打系ゴリ押しゲーへと変貌を遂げてしまった。
進行に関しても一応ミッションクリア形式で進められはするが、内容はどれをとっても「3on3で敵を殴り殺せ」という一行に集約されるためにゴリ押し感が加速する。
またこの3on3というのがなかなかの曲者で、プレイヤー側のNPCは好んで本作から追加されたファンタジックな要素「魔法」を使う。
これだけなら好みの問題として喜ぶ人間も居そうなものだが、問題はこのNPC達の頭の中身だ。
積極的且つ頻繁にプレイヤーに向けて魔法を誤射、コンボを行っている最中に割り込んでは妨害、せっかく分断した所にわざわざ敵を引っ張って来て乱戦にした上でやっぱり誤射等、もうやりたい放題である。

さて、ここまでで十分ストレスフルな状況は理解していただけたと思うが実はもう一押しある。
剣投資は公式サイトで「ライバルに差をつけろ!」との煽り文句を提示しており
おそらく発売後1週間を待たずして過疎化したオンラインでの課金合戦を想定したものだと思われるが、この内容がよろしくない。
狭隘なアイテムボックスの拡張、キャラクターメイクのパーツ増加はまだ良いとしても
装備品を強化するための消費アイテムがガチャガチャ形式で売られているのだ。
1回あたりのお値段こそ8個入り200円とお手ごろだがガチャガチャだけに当然欲しい物が出るとは限らず、6000円突っ込んでも望みのものが来なかったという涙と怒りを誘う報告も聞かれるあたり出現率の調整にも抜かりが無いのだろう。
この苛烈な守銭奴根性を見せつける事で、ついに「剣闘士」は「剣投資」の異名を勝ち取りスレにその存在を知らしめたのである。

思いがけず二重に降り注いだ災禍の中混乱なのかお祭り騒ぎなのかよく分からない様相を呈するKOTYスレだったが、12月8日さらなる追撃の刃が振り下ろされる。
バンダイナムコゲームスの「ドラゴンボールアルティメットブラスト」(スレ呼称 UB)だ。
本作は言わずと知れた国民的アニメ「ドラゴンボール」のゲーム化作品であり対戦格闘ゲーム「レイジングブラスト」シリーズ事実上の3作目である。
しかしキャラゲーとしても格闘ゲームとしても扱いに困るその出来には、多くの購入者が首をひねって考え込んでしまった。
本作の内容を一言で表現するなら、それは「ジャンケン」だと言えるだろう。
攻撃、移動、必殺技と、あらゆるタイミングでQTE(ボタン入力を求められるムービー)
が挿入されるのだがそのQTEの中身が「あいこの無い二択ジャンケン」なのだ。
当然勝敗は運に左右され、そこにプレイヤーのテクニックが介在する余地はほとんど無い。
格闘ゲームとして腕を磨こうにも、これではお手上げである。

ではキャラゲーとしてどうなのかと言えば、流れるムービーや演出自体は非常に美しい。
しかしこれもマズい事にサイバイマンでもゴジータでも全く同じモーションという具合でキャラゲーとして重視すべき個性が完全に死んでいる。
またキャラクターのラインナップもどういう経緯を経たのか前作より大幅減の64キャラ、しかもキュイは居るのに青年期ゴハンは居ないなど摩訶不思議な陳列状態を晒している。
一日あたり5分10分という単位でなら眺める楽しみを味わうゲームとして機能しなくもないが、対戦格闘アクションとしては完全にお釈迦と言って差し支え無いだろう。

ここまで短期間に怒涛のごとく押し寄せたクソゲー達の検証に、いよいよおおわらわになるスレ住民達。
しかし災禍の拡大はとどまるところを知らずUBの来襲も記憶に新しい聖夜、1月27日の発売以来地底に眠り続けてきた悪霊が目を覚ました。
アクワイアの「Wizardry 囚われし亡霊の街」(スレ呼称 亡霊)の出現である。
本作は30年の歴史を持つ3DダンジョンRPGの老舗タイトルWizardryの最新作であり
シリーズの人気再興を掲げたWizardryRenaissanceプロジェクトの作品でもある。
元来Wizardryシリーズの魅力と言えば、シンプルだが完成されたシステムと、よく調整されたシビアな戦闘と罠のバランス、そして中毒性の高いアイテム収集といった
派手さは無いもののハマると止まらなくなる、ご飯のお供のような味わいだと言えよう。
しかしながら本作では、このシリーズ伝統の「潜る→戦闘(収集)→帰還」というサイクルが見事に破壊されていたのだ。
戦闘バランスの崩壊という一事によって。

その様子が最も顕著になるのは3部作である本作のラスト、シナリオ3においてである。
本作では追加シナリオが配信されるごとにLvキャップの解放が行われてきたのだが、当然プレイヤー側の上限が上がると同時にモンスター側のLvも上昇する。
しかしWizardryというゲームの性質上プレイヤー側はどれだけLvが上がろうとHP以外のステータスは基本値+10までしか伸びず、装備品も加味した強さがシナリオ2程度でほぼ頭打ちになる。
対してモンスター側はLvに応じて素直に全能力が上昇してゆくため、終盤に至っては絶望的な能力差が生じてしまうのだ。
その結果どうなるのかと言えば…
エンカウントした瞬間に即死あるいはステータス異常魔法で全滅
エンカウントした瞬間にパーティーが消し飛ぶ威力の物理攻撃で蒸発
といった先制→全滅の嵐が雑魚戦ごとに吹き荒れてしまうのである。
もちろん100%全滅というわけではなく1ターン経過した時点で6人中1~2人生き残っている可能性もあるが、全滅と3/4壊にどれほどの差があるだろうか?
少なくとも3ターン目が拝めないという点では同じだろう。

一応適正Lvと思われる200程度にまでLvを上げれば1ターン即壊滅という事態だけは避けられるようになるものの、そこまでの経験値を真っ当に稼ぐには数百時間のレベル上げ作業が必要になる。
さすがにこれは厳しく、亡霊本スレ及びwikiにおいてもゲーム内で通貨を経験値に変換する施設と資金増殖の裏技を併用するLvアップ方法が研究されてきた。
しかしそれも1キャラあたり10時間程度(1パーティー6キャラで60時間)を要するものであり、そんな工程を経てようやくスタートラインという状況がまともかどうかは論を待たないだろう。

尚こんな状況の中クリアを目指すのであれば「特定のモンスターがドロップ」あるいは「DLCで購入」できるエンカウント抑止アイテムを使用して雑魚戦を回避し、ラスボス(弱い)のみ倒せばОKである。
だがストーリーが添え物に過ぎず戦闘とアイテム収集を楽しむWizardryにおいて戦闘とそれに付随するアイテム収集を否定するという選択は作品の魂を抜き取るに等しく、その様子はまさに「亡霊」と呼ぶにふさわしいものであった。

急なノミネートの連続に次第に混迷を深めてゆくスレだったが、誘爆を始めたクソゲーという名の災禍はもはや止まるところを知らなかった。
PIACCIより「Piaキャロットへようそこ!!4~夏の恋活~」(スレ呼称 Pia4)
いいかげんに終わりかと思われていた年の瀬になっての急襲である。
本作はタイトルからも分かる通りPCエロゲ繁栄期より続く「Piaキャロットへようこそ!!」シリーズの4作目から18禁要素を取り除いてコンシューマ向けに移植した作品である。
通常こういった移植作の場合18禁シーンをカットする代わりに新規イベントを追加するなどしてストーリーの欠けた部分を補完するものなのだが、Pia4は一味違っていた。
セクシーなシーンにさしかかると画面が暗転し、事が済むまでの間がスッパリ切り取られるのみで何ら追加描写が存在しないのだ。
当然プレイヤーは暗転中に何がどうなっているのか知る由も無いので、気づかぬうちに男女の仲になっていたり、身に覚えが無いのに彼女が妊娠していたりという椿事が発生する。
ゲームの楽しみの大部分がシナリオに依存するAVGにおいてこれは重傷と言えるだろう。

またPia4には選択肢を選びながらテキストを読み進めるAVGパートの他にファミレスでのアルバイトを SLG風に仕立てたパートが有るのだが、これにも問題がある。
結論から言えば、ほとんど意味が無いのだ。
SLGパートでは仕事内容によって8種のステータスが増減するのだが、このステータスが役に立つのはGOOD or BADのエンディング分岐のみで他には一切影響しない。
と言うかエンディングの分岐判定はこのステータスのみによって行われるらしく、仮に判定時に要求水準に達していなければそこまでのシナリオ展開に関わらず強制BAD。
「何しに来たかわからん一ヶ月だった。働いてた事しか記憶にねぇや」
という定型文を、ルートによっては肉体関係を結んだ実妹に向けてほざく様子はある意味潔くすらあった。
こうなると、仕事内容は「デリバリー」のみ選んでおけば全ステータスが上昇するため考えて選択する必要が無いというのが救済措置にも思えてくるのだが、それなら最初から実装する意味が有ったのか甚だ疑問である。

これらの点に加えて謎の処理落ち、フリーズ、観客席が見当たらない陸上競技場など色々な所で練りこみの甘さを見せるPia4は、その全体の質の低さをもって突出した部分が無くとも十分にクソゲー足りえるという事実をスレに知らしめた。


当初不作と言われていた2011年だが、気づいてみれば年越し間際に滑り込んでまで6本もの災禍が大挙して押し寄せる大盛況へと姿を変えていた。
そして、ようやく年越しを迎えたスレでは慌しく検証と総評執筆の作業が行われようとしていたのだが…悪夢はまだ終わってはいなかった。

1月8日。2009、2010両年にわたって虚無ゲーの異名を欲しいままにした怪物の後継者
タカラトミーの「人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ」(スレ呼称 誤当地)9月1日の発売日より3ヶ月を待っての降誕である。
本作はwii版人生ゲームシリーズ通算6作目の作品であり、基本設計は2010年度ノミネートの「人生ゲーム ハッピーファミリー」に準じるものである。
もうこれだけでおおよそ伝わってしまったかもしれないが、一応言っておこう。
そう、人生ゲームから「人生」と「ゲーム」を取り除いた例のアレだ。
マップの種類は全1種。
プレイヤーキャラは名前も顔も変更不能の10人。
1週目で枯渇し何度も同じものを見るはめになるイベント
そして肝心のご当地ネタは…
○○県「○○(←名産らしきもの)おいし~♪」と、こんな感じかあるいは
「長野県民はカラオケで必ず県歌を歌う」などケン○ンショーばりの飛ばしをやらかす始末。
さらに言うならそのご当地イベントに登場するキャラクターも使い回しが酷く、100才のキャラなのに見た目が若手のサラリーマンと「量だけ増やせばいいんだろ?」と言わんばかりの水増し上等の投げやり感に満ちている。
またどういう理由かルーレットの出目に妙な偏りがあり、この影響で仕返しマス等のペナルティが3番4番のプレイヤーに集中するため人間同士でプレイしている場合著しく空気が悪くなるという報告が続出した。
このようなシリーズ物と呼べるかどうかも怪しい粗悪品丸出しのマイナーチェンジ版をフルプライスで売りつけて恥じない姿は、さすがのタカラトミーと言えるだろう。


さて、以上7つのノミネート作品を紹介し終えたところで大賞発表の前にひとつ語らなければならない事がある。
冒頭でお話した本年度のノミネート作品がことごとく背負っている「ある罪」についてだ。
もうお気づきの方も多いかもしれないが、2011年度ノミネート作品は奇しくもその全てが「シリーズ物」なのだ。
それも過去において水準以上の高い評価を勝ち得ていたシリーズの。
改めて言おう、本年度のノミネート作品が背負っている罪とは
「名誉と伝統あるシリーズの名を地に落とした事」である。
空前の不況とゲーム機の進化に合わせて膨らみ続ける開発費の中、ただでさえ冒険的な新規タイトルは打ちだしにくい昨今。
売る側買う側双方にとって半分安牌である事が約束されたようなシリーズ物、その信頼を地に落とした罪の重さは計り知れないだろう。

では、ゲーム業界の発展に暗い影を落とした7つの大罪の中から本年度の大賞を発表しよう。
いずれ劣らぬ剛の者達の中、頂点の座に君臨したのは…
「Wizardry 囚われし亡霊の街」である。
本作が大賞に輝いた理由には
「Wizardry以前にダンジョンRPGとして0点」というものが挙げられるだろう。
作品紹介の部分でも簡単に触れたが、亡霊も含めWizardryシリーズに受け継がれている根幹のシステムというのは「キャラメイク、ダンジョン歩き、戦闘」のみを行うための至極単純なものであり、かつ完成されて久しい物である。
具体的にどんなものかと言うと、3Dダンジョンに潜って戦闘してアイテムハントをくり返すハック&スラッシュ型ゲームの骨組みのようなものだ。

少々乱暴な言い方をすると、アイテム、モンスター、ダンジョンマップ、の3種のデータを作ったら、後は適当にばらまいて戦闘のバランスだけ取っていれば「そこそこの良作に仕上がってしまう」物なのだ。
加えてシステムの基本は既に出来上がっているため、手を加えなくても数値の確認だけしておけばソースコードすらほぼ流用でいけてしまう。
それを押して「この有り様」というのがどれ程のものかは想像に難くはないだろう。

誤解の無いように補足すれば、たしかにWizardryは元々戦闘バランスの厳しいゲームで、全滅も珍しいものではなかった。
だが旧作Wizardryの戦闘は厳しくともプレイヤーのやる気をへし折らないバランスがしっかり保たれていたのだ。
戦闘中の行動順も原則的にパーティーの方が先に動きやすいように調整されているし
初見の段階では歯が立たず全滅必至だったモンスターもLvを上げて装備を整えればほぼ無傷で倒せるようになるのが通例だった。
しかし亡霊にはこのような状況の好転は一切無い。
それどころか進行に応じて悪化の一途を辿るのだ。
然るに、シナリオ1ですら敵味方共に高火力で先に撃った方が勝つ裸にマシンガンゲー。
シナリオ3に至っては敵の攻撃に対抗する手段がほぼ存在せず、超火力で殴られるのを見越して回復魔法を選択していようと唱える前あるいは音速のステータス異常で行動不能にされた後に瞬殺される一方的な処刑の図が出来上がるのである。

この他にも
結局完治しないままのセーブバグ
コンプリート不能のアイテムリスト
命中0(おそらく不具合)のままダメージ量を増加させて仕様と言い切る特定スキル
「ここに病院を建てよう」「かゆ、うま」などため息が出るようなダンジョン内メッセージ
全ダンジョン通してレバーを引いて扉を開けるしか仕掛けが無い
同一シリーズの装備品なのに装備できる職業がバラバラ
HPの上昇率が種族毎に大きく異なり、低いものは事実上死に種族
等など、あらゆる所で「手抜きどころかまじめに作る気が無い」と思わせるものだらけだ。

ハスクラゲーなのに戦闘がダメ
トレハンゲーなのに武器を除くアイテムの価値が低い
ダンジョンゲーなのにダンジョンが手抜き
キャラ作成&妄想ゲーなのに選択の自由は奪われる
と、長所を満遍なく否定された挙句実態が無いために叩き割る事もできず完全に死に体となった亡霊は心底人を消沈させるクソゲーとして歴史にその名を刻む事となった。
では最後に、伝統と栄光のWizardryシリーズより絶望感とインパクトを伴う一文を引用KОTY流に改変して結びと変えさせていただきたい。

「2011年、ユーザーは くそげーのなかにいる」

総評案19 (人生ゲーム ハッピーファミリー ご当地ネタ増量仕上げ)    

ラストリベリオンが初の先行逃げ切り大賞に輝いた2010年という時代は、このスレにとって一つの大きな節目だったのかもしれない。
2007年「四八ショック」から始まる3年間、KOTYは毎年現れるおぞましい「魔物」達に蹂躙され続けてきた。
歴戦のクソゲーハンターたちの予測をもはるかに超える彼らは、その強大過ぎる力を激突させスレを度々焦土に変えた。
しかし2010年、ついに「魔物」は現れずノミネートも過去最少となる4本まで減少。
それにも関わらずもたらされた「適度に日照らず続く平和」は、優秀な「門番」ラストリベリオンによる鉄壁ディフェンスの賜物であろう。
一年を通じて挑戦者を物理撃破し続けたこの守護者は一種の頼もしささえ感じさせ、最終的には過去に例がないほど平和的に大賞に選ばれることとなった。
動乱の時代は終わったかに見えた。「魔物」や「英雄」、「王」が主役を担う神話の時代は、偉大な反逆者の出現によって一旦幕を下ろしたのである。
歴代最高にして最強の「門番」スベリオンがもたらした束の間の平和を謳歌しながら、スレ住人達は新たな不安を抱え2011年のスタートをきることになった。
「偉大なる(便利な)門番はもういない。クソゲーが今年も都合よく現れてくれるのだろうか…」

悲しむべきことに、毎年杞憂に終わるこの「スレ住人たちの不安」は、ついに的中する事となった。
3月に発生した大震災により日本全体が停滞と自粛ムードに包まれた。
KOTYもその例外ではなく、門番どころか話題となるクソゲー自体がゼロのまま時ばかりが過ぎて行った。
門番不在のためスレにはクソゲー未満たちが跳梁跋扈し、届くのは度重なる発売延期の報せばかり。この長い長い冬は約7カ月もの間続くことになる。

荒涼としたスレに一条の光が差し込んだのは後半10月。
サイバーフロントによるADV『code_18』(通称「c18」)の登場でスレはにわかにいろめきたった。
名作ADVとして名高いinfinityシリーズの最新作として登場した本作であったが、
まさか同ジャンルにおける伝説の魔物『四八(仮)』と被る部分が値段(7140円)と呪われた略称(しーじゅうはち)だけでなく、
クソ要素までに及ぶと誰が予想できたであろうか。
誤字脱字などは当然の如く完備、
セーブポイント間違いによる強制やり直しなどの理不尽仕様・バグなども標準搭載で、
さらに表示画像や効果音と文章の不一致も満載。
シナリオはもちろん矛盾や超展開のオンパレード、果てはタイトルのcodeの意味も最後まで有耶無耶のまま終わってしまうなど、
本当に四八をリスペクトしたんじゃないかという程のクオリティの低さを見せつけた。
特に話題をさらったのはその演出ミスの酷さである。
「真っ暗なお化け屋敷」なのに昼間の明るい教室、「夜の浅草」なのに昼の仲見世が表示され、
「天候は回復した」のに雨が降り続いたり、電車から降りたはずなのに電車の効果音が続きっぱなしだったりするのは序の口。
ヒロインが眼鏡を外してキスするシーンなのに眼鏡をかけたままだったり、
スカイタワーでヒロインとデートするシーンなのに背景が夕暮れの浅草寺だったりする等、
魅せ場における強烈な盛り下げっぷりはもはや芸術の域である。
発売当日から本スレを阿鼻叫喚に陥れ、プロデューサーが雲隠れする事態にまで発展させたその実力は伊達ではなく、
c18は四八(仮)の良き後輩として迎えられ、沈み込んでいたスレを大いに沸かせたのだった。

ようやく訪れた一粒の収穫を喜び安堵するスレ住人たちであったが、この時はまだ知る由もなかった。
それが大いなる災いと罪の一つに過ぎなかったことを。

年末の惨劇第一幕は11月末に同日に発売した2体の怪物によってもたらされた。
その一つがD3 PUBLISHERから発売された『街ingメーカー4』(通称「待」「待ing」)である。
「個性ある街の住人たちと触れ合いながら街づくりを行い発展させていく」という独特の街づくりSLGとして人気の「街ingメーカー」シリーズ最新作。
だが、購入したプレイヤーを待っていたのは、ガッカリ感や損失感を超越した虚無感であった。
今回プレイヤーは建物の中に入れてもらえず、出来るのは基本的には「建てる」「潰す」「眺める」ことのみ。
「地形」は一種、「BGM」は2種(スタート画面含めて3種)ととにかく少ない。
「物件数」は多い少ないを語る以前の問題で、郵便局や交番といった普通の街なら最低限必要なインフラさえ存在しない。
しかし、老朽化・天候・電力供給等の概念も無いため特に問題も起こらず、「幼児が積み木で作ったような街」の如きリアリティの無さがプレイヤーの心を冷めさせる。
売りであったはずの個性的な住人たちも、古のRPGからの移民ではないかと思うくらいどうでもいいセリフしか喋らず、無機質な雰囲気を漂わせている。
おまけにゲームの進行は凄まじく遅い。
街を開発するために必要となる「ポイント」は中盤以降すぐに尽きるにもかかわらず、ゲーム内時間で一昼夜経過するまでポイントは振り込まれない。
ところが、早送りやスキップといった概念は一切存在しないため、プレイヤーはその間ひたすら待ち続けなければならず、
気がつけばクリアまでの大半がほぼ待ち時間で空費させられているという恐るべきゲーム性の薄さを味わう事になる。
楽しむ要素どころか作業さえ用意されず、操作不要で待つしかないその画期的すぎる在り方は、
「ゲームとはプレイヤーにプレイされる物である」という常識そのものへのアンチテーゼとなって我々に突きつけられた。
いつしか略称は「街」から「待」に変わり、あまりのゲーム性の無さ・時間浪費の虚無さからその価値は「モバゲー未満」、「積み木以下」、「ゲー無並」と評価されるまでに暴落した。

もう一体の怪物の名は、アクワイアより発売された『グラディエーターバーザス』(通称「剣投資」)。
これまた多数のファンを抱える「剣闘士」シリーズの最新作である。
が、その実態はファンを詐欺と搾取で虐殺する狂戦士であったと誰が予想できたであろうか。
「容姿の組み合わせは10000通り以上」と謳われているキャラクターメイキングは水増しにも程がある代わり映えのなさな上、ゲーム中は兜を被るのでそもそも顔は見えないという素敵な仕様。
肝心のゲーム内容は「3vs3」の対戦格闘型アクションであるが、人気システム「パリィ」「ドッジ」は削除され、代わりに追加された「魔法」によって根幹から変貌している。
この「魔法」、なんと味方にもヒットしてしまうため、非常に頭の悪いNPCによる誤射誤爆が後を絶たない。
そもそも、古代ローマの剣奴をモチーフにしたシリーズに何故ファンタジー要素を入れたのかも首を傾げたくなる所である。
また、NPCの問題はこの誤射だけに止まらず、コンボ中に割り込んで中断させたり、一対一で戦っているところに他の敵を連れてきて窮地に陥らせたりと、悪意さえ感じさせる低能さを発揮。
かといって連れて行かずに1対3では勝負にならず、オンラインで他人と組もうとしても、オンラインは深刻な過疎化が進行している有様。
またスキルカスタマイズなども無いため魔法を撃たないようにすることさえ出来ない。
ならば自己強化するしかないのだが、そのために必要なお金と宝石、特に宝石はなかなか手に入らない。
そこで簡易入手のため登場するのがこのゲームの暗黒面の象徴とも言うべきDLC(ダウンロードコンテンツ)課金である。
恐怖の「ガチャガチャ」方式による宝石販売は、入手出来る物がランダムなため数千円突っ込んでも欲しい宝石が手に入らないこともざらな無限収奪システムと化している。
さらに、「キャラ枠」、「アイテムボックス拡張」、「容姿追加」など、フルプライスならばゲーム内に無料で入っていて当たり前の物がカタログにずらりと並び、メーカー側も公式サイトで「ライバルに差をつけろ!」と課金合戦を煽る始末。
いつしか略称は「剣闘士」から「剣投資」へと変わっていった。
過疎を憂慮したメーカーは発売一ヶ月後に無料体験版の配信や、アップデートを行うことでどうにか人口増加を計ったが、
「体験版だけやれば製品版は不要」といわれるほど差のない体験版だったためむしろ逆効果、
アップデートに至っては敵のAIばかりが強化され、NPCは馬鹿のまま「魔法」の威力を大幅に向上させたため誤爆の恐怖が激増。
完全に逆進化し、かつて2008年を沸かせた魔物「ジャンライン」と同じ道を辿ることとなる。
ホットな話題は止まるところを知らず、ウィルスバスターは発売前から公式サイトを
「オンライン詐欺に関係している兆候があります」とその本質を見抜いた警鐘を鳴らしていたが、
その低クオリティと強欲搾取体制により、発売初週からオンラインは過疎状態、本スレでは売却報告が相次ぎ、電撃PSでは『四八(仮)』と同じ最低ランクの評価を獲得するまでに至った。

二体の同時襲撃を受けて息も絶え絶えなスレに、トドメの一撃とばかりに巨大な気を纏って超戦士が襲来したのは12月。
バンダイナムコゲームスの3D対戦アクションゲーム『ドラゴンボール アルティメットブラスト』(通称:UB)である。
日本が誇る名作「ドラゴンボール」のキャラゲーで、ファンからも定評のある「レイジングブラスト」シリーズの最新作。
本来ここのようなゲーム界最底辺の天下一を決める舞台に上がることなどありえない、エリート中のエリート戦士…のはずだったのだが。
クソゲーへと転落した最大の原因は、簡略化しすぎてしまったその戦闘システム。
UBには昨今の格ゲーのようにプレイヤーに技術を要求する部分がほぼ無く、かわりに頻繁に発動するQTE(クイックタイムイベント)が存在。
これはようするにボタン入力が必要な「2択のあいこなしじゃんけん」である。
キャラゲーにあるまじきほぼ全キャラ共通演出な上、テンポも非常に悪いのだが、通常攻撃、必殺技、受け身、間合い変更などあらゆる局面でこのQTEは発生。
その成否を分けるのは技量でも戦略性でも無く二択に勝つ純粋な運のみ。
このため、対戦ゲーム本来の味である読み合いやテクニック要素などが完全喪失。
せっかく大迫力の演出や高評価のムービーがあるのに、ゲームとしての根幹が「2択のあいこなしじゃんけん」なので格ゲーとしては楽しみ様がない。
格ゲーとしてダメならファンアイテムとしてどうか、とファンのみをターゲットとしたキャラゲーとしての面で希望が残るが、そちらはもっとダメである。
何を思ったかキャラゲーなのに肝心のキャラを大幅削減。
しかも、何故か原作でも出番の少なかったキャラ(登場後すぐに瞬殺された汚い花火等)は居るのに、準レギュラークラスの主要戦士達(悟天、餃子、青年悟飯等)は大量リストラという謎の人選。
そのためかシナリオも歯抜け状態で、むしろファンの方がガッカリする仕上がりになっている。

これでようやく年末の襲撃がやんだかと安堵したのも束の間、
年末に現れた魔物たちのもたらす邪気は、震災の混乱で上半期に眠ったままであった悪鬼たちをも呼び覚ました。
長期間潜伏していた恐るべきクソゲー達の選評が次々に届き、スレはさらなる混沌へと突入する。

最初に目覚めた悪鬼は、1月27日にアクワイアより発売されていた3DダンジョンRPG『ウィザードリィ囚われし亡霊の街』(通称「亡霊」)。
30年の歴史を持つダンジョンRPG「ウィザードリィ」の再興を目指して始まった「ルネサンス」シリーズの最新作で、3つのシナリオから構成されている。
発売直後からセーブが出来ないバグが発覚し話題になっていたのだが、アップデートにより改善。
グラと異なる音声、イベントマス上で何も起きない、ダンジョン内部が描画されない、稀にセーブ出来なくなって詰む等の不具合は残ったが、
進行に致命的な支障が出る程のバグは消えたので問題なく遊べると思われ埋もれてしまっていた。
まさか仕様そのものが進行に支障をきたす凶悪さだと気付かされる年末のその時までは。
特にそれが顕著に表れるのはシナリオ3(シナリオ1、2もかなりの理不尽だが3に比べればまだマシ)。
プレイヤーのレベルは後半HP程度しか上がるものが無いのに、敵は全能力が上昇。
さらにほとんど確実に先制されるため、エンカウントしたら何もできないまま全滅する確率ほぼ100%という、難易度以前の超絶理不尽が牙をむく。
一応金でレベルを上げることも出来るが、どの道敵を倒して金を稼げないので金の無限増殖バグを使い数十時間、
バグ不使用ならば数百時間をかけてようやくレベル限界というクリアのスタートラインに立てる。
また、もう一つの手段としてエンカウント回避アイテムがあり、これを使えばラスボスまで辿り着く事が可能(ラスボスは弱いので普通に勝てる)。
しかし、このアイテム自体が敵の落とすドロップアイテムなので、「エンカウント=死」のこのゲームでは通常経路での入手は困難を極める。
しかしそこは商魂逞しいアクワイア、ちゃんとDLCで有料販売してくれているのでそこで購入すれば一応ラスボスへたどり着ける。
この他にも様々なレアアイテム等を販売しており、金さえ積めば大概の事は解決できる素晴らしい仕様になっている。
生真面目にプレイなんかしてアイテムを収集するより買え、というのがこのゲームの一番の攻略法なのかもしれない。
そもそも前作のイベントでのみ入手できるアイテムをリスト内に混入させているため最初から仕様で「アイテムコンプ不能」という、この手のゲームにとっては重大なミスを放置しているあたり、ゲーム内でコンプ目指してアイテム収集するような楽しみ方をさせる気は微塵もないようである。

乱世の風雲に乗じ、修羅の国も動き出す。
2月下旬発売ながら売上数が確認できぬほどのステルス性を持ち、大晦日にまで潜伏し続けていた核機雷搭載の大型原潜がついに浮上を開始。
PIACCIのファミレス恋活ADV+SLG『Piaキャロットへようこそ!!4~夏の恋活~』(通称「Pia4」タイトルの恋活はバイトと読む。また通常版らしいが限定版は存在しない)
「Piaキャロット」シリーズといえば、かつて一世を風靡した人気の伝統ブランドであり、根強いファンも多い。
いつも据置KOTYを荒らしまわる修羅の国移植ゲームとは格が違う名門中の名門…のはずだったのだが。
処理落ち・バグ・湾曲空間背景などは修羅の基本装備だと言わんばかりに全搭載。
サバンナにしか見えない競技場、移植なのにキャラを追加するどころか削除、ただの作業でしかないSLG部分等、
細かい部分をあげたらきりがないほどの劣化ぶりを見せつけプレイヤーを驚愕させた。
しかし所詮これらはこのゲームにおいて些事にすぎず、真のクソ要素はシナリオそのものにこそある。
移植前ですらユーザーからはエロ以外は壊滅的評価しか得られなかった物体から、移植のため不自然にエロ部分を全削除してしまった結果、
修羅の国版「ゲー無」とも言うべき中身の無さと整合性の無さを持つ怪物が誕生。
超展開を超えたカオスがプレイヤーを待ち受ける。
「格ゲーしていただけなのに、いつの間にか付き合っていた」
「いつの間にか従姉を妊娠させていた」
「いつの間にか実妹と一線を越えていた」
などはもはやサイコかスタンド攻撃の類。
おまけにこの主人公、SLG部分のパラメータが足りなければ一線を越えていようが妊娠させようが
「この一ヶ月はなんだったんだろう。働いてたことしか記憶にない」
と国会答弁並のオトボケを炸裂させ実家に帰ってしまう。
愛し合った後の実妹にさえ涼しい顔でこの台詞を言い放つこの男、
実は陵辱鬼畜ゲーのヤリ捨てエンドも真っ青の外道なのかもしれない。
プレイヤーを狂わせやり込むほどに苦痛が増すという、この恐怖と狂気に満ちたシナリオの全貌をここで詳細に語ることは出来ないが、無謀にもその一端を知ろうと求めるならば、当スレに届けられたある勇者の怨念とも言うべき手記をご覧頂きたい。

怒濤の年末ラッシュで半死半生の住人たち。
だが惨劇を乗り越え迎えた年始に待っていたのは平穏ではなかった。
発売から三ヶ月以上の潜伏期間を経て、年始に選評が届けられるなり異例の速度でノミネートを果たした最後の魔物。
KOTY常連の強豪タカラトミーから発売の『人生ゲームハッピーファミリー 御当地ネタ増量仕上げ』(通称「誤当地」「人生3」)。
もはや常連過ぎて説明不要かもしれないが、人生ゲームブランドの安全神話を崩壊させた「人生ゲーム」シリーズの最新作にして、KOTY2009において四天王の一角を担った「ゲー無」の最終形態である。
何故か人生ゲーム要素ではなく地方ネタを追加しており、完全に増量するところを間違えているところから「誤当地」とも呼ばれる。
「増量仕上げ」と銘打っておきながら実は御当地ネタと人生イベントをほぼ差し替えただけであり、前作「人生2」の全欠点を引き継いだ驚異の不変性を持つ異端児である。
まるで去年のKOTY選考に異議申し立てするためだけに生み出されたかの如きタカラトミーの最新作はスレ住人の心に火をつけ、多くのクソゲーハンターたちが全力で再検証を行うこととなった。
そしてそこでハンター達が見た物は、
10人しかいない上に幼少期から大人になるまで変化の無いプレイヤーキャラとルールを理解出来ていないCPU がイベントを被りまくらせながら無味乾燥な生涯を送る、
天使はおろか悪魔からも見放された不毛な世界であった。
相変わらずメインマップは一つ、道中にはミニゲームもカードも仕返しマスすらなく、結婚と子育てに至ってはただのテンポ悪化要素である。

当初はプラスに働くと思われた唯一の新要素御当地ネタも、
人生ゲームに何の脈絡もなく割り込んでは四八(仮)クラスの「県民激怒」「るるぶ斜め読み未満」な観光案内話を発動させる為、むしろ人生ゲーム要素をさらに薄める方向に作用。
おまけに「長野ではカラオケに行くと必ず県歌を歌う」等、地元民も首をかしげるような偏見や誤情報も散見され、本当に「誤当地」を体現する始末。
さらに、手抜きによる「無」は演出面にも壮絶な悪作用をもたらしている。
アバターが少なすぎる為、日本各地にそっくりさんが大量出現。
地元のおじさんから百歳越えの老人まで、全て若いサラリーマン風の男性で統一されていたりする。
背景も各県にほぼ二つ程度なので、
石川県は能登半島に行ったはずなのに背景が兼六園になっていたり、香川県では町中のうどん屋の前で瀬戸内海の風を感じたりする等、斬新すぎる様式美を全国各地で展開。
その他、順位発表では初代人生ですらあった最終資産の表示を削除し、虚無さを増加させる事にも成功している。
人生2の時点で、すぐ終わるので苦痛が少なく値段も安いという初代の弱点(長所)を完全に克服(喪失)していたが、
上記のとおりそれにクソ要素を上乗せしリサイクル(劣化)したこの「誤当地」は人生シリーズ歴代最強(最悪)の異常個体と呼ぶにふさわしいモノであった。
こうして三度目の正直とばかりに現れたこの「ゲー無」の末裔は、増量したのは苦痛だけかと言いたくなるほどの圧倒的虚無さと無価値さを見せつけ、
「去年もっと検証が進んでいれば、スベリオンとも互角以上の死闘を演じられたのでは」と言われるほどの評価を獲得。
再評価を勝ち取ったタカラトミーは今年も連続ノミネート記録を更新し、もはや殿堂入りにすべきかと議論される事態となった。

以上、七つのノミネート作品の紹介を終えたところで、今年の大賞を発表しよう。
奇しくも7作品全てが名作シリーズ物の最新作となったこの2011年KOTYの大賞に輝いたのは・・・

 『人生ゲームハッピーファミリー 御当地ネタ増量仕上げ』である。

今回の審議は非常に難航した。
7作品全ての実力が高い上にそれぞれが突き抜けた要素を持つ特化型であり、さらにほとんどの選評が年末に一斉に押し寄せた為、情報が圧倒的に不足していたのである。
これに対し、当スレの勇敢なる検証班(クソゲーハンター)が出撃、数多の犠牲の果てに審議は進められた。
そのような中でこの誤当地が大賞となった決め手は、その圧倒的な「手抜き」と「無」がもたらす「無為さ」にある。
当初この誤当地、一人プレイなら文句なしでつまらないがパーティゲームとして多人数プレイとして用いれば多少マシだろうと推測されていた。
ところが実際多人数プレイした結果
「つまらなすぎて途中で相方が寝てしまった」
「人間関係にヒビが入った」
等という予想外の報告が内外から相次いでもたらされたのである。
友情破壊自体はこの種のパーティゲームの宿命ともいえよう。
だがこの誤当地のもたらす険悪ムードは、通常の「ゲームを白熱させすぎた結果」ではなく、むしろその逆なのであった。
イベントもただつまらないだけでなく数も少ない為すぐに底が見えてしまい、何度も同じ話をみるだけのうんざりするような道中が続く為、自然と沈黙に陥りやすい状況が常に付きまとう。
さらに子育て等による非常なテンポの悪さも特筆すべきもので、マスに止まってポコポコ子供が生まれる度にイライラの種が激増、「ガキ作るんじゃねえよめんどくせえ!」と思わず叫びたくなる後半には、もはや「ハッピーファミリー」要素はどこにもなく育児ノイローゼがプレイヤー間に蔓延する。
しかもここまで長引かせておきながら勝敗を分かつのは終盤のギャンブルイベントの一発勝負。勝っても負けてもこれまでの人生は何だったんだと言いたくなる結末が待っている。
多人数プレイ用のパーティゲームでありながら、高確率で雰囲気をぶち壊し、無理に続行などしようものならパーティムードもろとも友情を粉砕しかねない破壊力を秘めたこの誤当地、その危険度は自分一人が耐えればよい他のクソゲーの比ではない。
おかたい先生のような事は言いたくないが、このゲームについてだけは「危険な遊び」と言わざるを得ないだろう。
だがこのゲームをした結果もたらされる「無言の間」「友情破壊」は所詮副次的なものにすぎない。
この「誤当地」の真髄、それは、人数によらず「プレイすることそのものの無為さ」にある。
人生ゲームというタイトルでありながら、このゲームはとにかく自分の意思で選択し何かを成したり賭けたりすることが出来ない、「何者か(メーカー)」によって仕組まれた運命を歩むしかない「出来レース」なのである。
プレイヤーは基本ただ機械的にルーレットを回すだけで、
カードや妨害要素のように能動的に勝負に関与できる要素は皆無。
同じイベントを避けることもステージを変更することも出来ず、子供を生みたくなくても避妊する自由さえない。
「イベント」での選択は何を見るか変わる程度、職業選択や転職は終盤のギャンブルで殆ど無意味、「買い物」できるものもやはり影響力皆無で、なかには価値がほぼ不変の株や存在意義不明の保険などまである。
そしてとどめとなったのは確率処理の暴走。
ゲームの展開に違和感を覚えたハンターがさらなる検証を進めた結果、
ルーレットの出目から妨害イベントマスの被害確率まで、さまざまな確率が科学的にみても明らかに偏っているという驚愕の事実が発覚。
ルーレットは明らかに低い目、特に3が出やすく、逆に7は極端に出にくくなっている。
意図した物なのか調整ミスなのかは不明だが、ただでさえテンポの悪いゲーム進行をさらに遅らせることに寄与していることだけは確かである。
そして妨害イベントを強制発生させる「おじゃましマス」では特定プレーヤーに集中砲火が起こり、逆に1番手の回避率が異常に高いという、ゲームとして最低限保たれるべき公平性さえ崩壊している事が判明。
意思や戦略でどうにもする事が出来無いどころか、運命をも操作されているため運ゲーとさえ呼べず、もはや「遊んでいる」というより「ルーレットを回す歯車の一部になっている」と言っていいその無為さに対しては比喩する言葉も見当たらない。
この「人生誤当地」にとってのプレイヤーとは、どうあがいても定められた運命から逃れられぬ部品の一つにすぎなかったのである。
ただ待つだけながらも自分の意思で街を造り眺める事の出来る「待ing」以上に、
「ゲームをプレイすること」とは一体何なのかを我々に問いかける哲学の領域へと踏み込んだ「誤当地」。
こと「無い」ことにかけては他の追随を許さない「人生シリーズ」であったが、もはやプレイしていると呼べるかすら危ういこの「無為さ」が決定打となり、辛くもこの大激戦を制する事となった。

2011年、日本は未曾有の大災害によって日本全体が活気を失った。
その結果なのか、もたらされた今年の7作品は全てかつて好評を博したシリーズ物の堕ちた最新作たちであり、
冒険心を失い過去にすがるゲーム界の暗黒面を象徴するかのような存在であった。
先人の遺産とも言うべきシリーズを食い潰し、そのブランドへの信頼を完全に失墜させたこれらは「七つの大罪」と呼ばれ、歴史にその名を刻んだ。
また終わってみればノミネート作7つの大豊作であったものの、
前述したとおりKOTYでは後半に入るまで、混迷を極める業界を象徴するかのように、
クソゲーとは言い難いゲーム達が持ち込まれては消えてを繰り返す大飢饉に陥っていた。
その消えていった者達の中には、あろうことか自分の人生をノミネートさせようとする者まで存在し、
優しい住人が「今年発売じゃないからダメだろ…」とやんわりと説得し退場させるという、普段と違ってせつなすぎる選外送りも幾度かあった。
「人生はクソゲー」と信じて疑わない方はその悲観的な結論を下す前に、一つでもいいので今年のノミネート作を手に取っていただき、それでもなお己の人生が本当にクソゲーと呼ぶに足るものかご再考願いたい。


最後にスレ住人一同、二度と己の人生をKOTYに持ち込もうとする者が現れぬよう願いをこめて、この苦難の時代を生きる全ての人へこの言葉を贈りたい。

「大丈夫、俺たちの人生はタカラトミー製じゃない」




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Last-modified: 2012-03-12 (月) 22:14:04 (1727d)